ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第115話 新たなアーマー

『ウバウゾォォォォォォォォォッ!!!!』

 

「「「「はあっ!」」」」

 

デリシャスパーティ♡プリキュアとアンダーグウバウゾーの戦いはアンダーグウバウゾーの先制攻撃により始まった。右腕の飯盒から放たれる米を模した大量のミサイル群にプレシャス達は持ち前の身体能力を使って避けていく。更に其処から一気に距離を詰めるとアンダーグウバウゾーへと四人同時に一撃を叩き込む。

 

『ウバアッ!』

 

「「「「うわっ!」」」」

 

だが、一撃を叩き込まれる直前にアンダーグウバウゾーは左腕のパラソルを広げると盾のように構える。そこに命中したプレシャス達の攻撃は吸収されてしまうとすぐ後に四人は"ボヨヨーン"という音ともに吹き飛ばされてしまった。

 

『アンダーグウバウゾーッ!』

 

「皆んな!」

 

そして追撃する様に再び飯盒からミサイル群を飛ばしていくアンダーグウバウゾー。それに対してプレシャス達は体勢を直すとそれぞれ迫り来るミサイルへと殴ったり蹴ったりをして弾いていく。そうやって軌道を逸らさせたミサイルは爆発し、それでも残ったミサイルは四人が足場にして跳ぶとアンダーグウバウゾーの周りに着地する。

 

「皆、一斉に攻撃だ!」

 

「「「うん!」」」

 

フィナーレの指示にプレシャス達は強く返事をする。彼女の指示通りの4方向から繰り出す同時攻撃ならアンダーグウバウゾーも防ぐ事は出来ない。そう考えた4人は一斉に攻撃をしようとする。

 

『アン、ダァァァァァァァァァ!!!』

 

「「「「え、きゃああああっ!?」」」」

 

しかし、突然アンダーグウバウゾーはその場でベイゴマの様に高速回転。そのせいで突撃したプレシャス達は足を止める事が間に合わず。弾き飛ばされてしまった。ただ、4人は各々空中で宙返りをすると衝撃を流して地面に着地。その後アンダーグウバウゾーを見つめると何やら回転を続けながら口を窄めていた。

 

「気をつけろ!何かしてくるつもりだ!」

 

何か嫌な予感を察したフィナーレはプレシャス達に警戒をする様に言うと同時にアンダーグウバウゾーは窄めた口から何かを4人に向かって吐き出した。

 

『アンダーブウゥゥゥゥゥッ!!!」

 

「ええ!?なんか茶色い液体を吐き出してきたよ!」

 

「まさかゲロ!?」

 

「いいえ、あれはカレーよ!」

 

一瞬口からゲロを吐き出したかと思ったプレシャスとヤムヤム。だがスパイシーはそれがカレーであると見破り、慌てて避ける。まるでカ◯ーパンマンを連想させるカレー攻撃に一同は同じく慌てて避けていくが、アンダーグウバウゾーは更に連続で吹き出してくるとヤムヤムは避け切れず。アンダーグウバウゾーのカレーが命中しそうになる。

 

「危ないヤムヤム!」

 

しかし咄嗟にスパイシーがヤムヤムの前にバリアを召喚して防いだ。それに安堵したのも束の間。アンダーグウバウゾーはスパイシーのバリアをゲームの的のようにターゲットにすると集中砲火。カレーを連続で吐き出し、その影響でバリアが次第に溶けていく。このままだとやられるので完全に溶けきる前にヤムヤムはその場から慌てて離脱。直後にはバリアが跡形もなく溶けてしまった。

 

「プレシャス、私がアンダーグウバウゾーを惹きつける。だからその間に!」

 

「わかったよ!」

 

フィナーレが自身を囮にしてアンダーグウバウゾーに注目されている隙にプレシャスが攻撃するという作戦を提案。プレシャスは了承するとフィナーレがすぐに動き出す。

 

「こっちだ!」

 

『ウバウゾー!!!』

 

大声を上げて自分の存在を示すフィナーレにアンダーグウバウゾーは釣られると回転を止めて彼女に向かってカレーを吐き出すが、フィナーレはそれを避けていく。そしてフィナーレに夢中になって隙ができた背後にプレシャスが腕に力を込める。

 

「2000キロカロリーパーンチッ!!!」

 

『ウバアッ!?』

 

背中にプレシャスの強烈な一撃を受けたアンダーグウバウゾーはそのまま前に向かって倒れる。それを見たヤムヤムも追い討ちと言わんばかりに両腕を交差して力を込める。

 

「バリバリカッターブレイズ!」

 

両腕から強力な斬撃をウバウゾーに向かって放ったヤムヤム。そのまま無防備になった背中に斬撃が迫っていく。するとアンダーグウバウゾーはすぐに反応。寝返りを打ちながら斬撃を回避すると立ち上がった直後に飯盒ミサイルを放とうとする。

 

「ピリッtoヘビーサンドプレス!」

 

『ウバッ!?』

 

しかし、ミサイル発射の直前にスパイシーがアンダーグウバウゾーを食パン型のエネルギーで挟み込んで拘束。そこへフィナーレが駆け出すと強烈な蹴りを浴びせて吹き飛ばし、素早くクリーミーフルーレを取り出してから一回絞る。

 

「プリキュア・フィナーレ・ブーケ!」

 

フルーレから放たれる強力なエネルギーはアンダーグウバウゾーに向かって飛んでいく。対してアンダーグウバウゾーは迫り来るエネルギーをパラソルを突き出しつつ防いでしまう。

 

「やはり簡単にはいかないか」

 

「だったら今度は私達がやるよ!スパイシー、ヤムヤム行くよ!」

 

「「うん!」」

 

フィナーレの攻撃が防がれると今度はプレシャス達が前に立つとピンク色のミキサー型のアイテム…ハートジューシーミキサーを召喚する。

 

「「「トリプルミックス!デリシャスチャージ!」」」

 

3人はハートジューシーミキサーを手に取ると中央にあるダイヤル部分をハートマークに合わせる。

 

「プレシャスフレーバー!」

 

まずプレシャスがハードジューシーミキサーのレバーを押すと桃色のエネルギーが溜まっていく。

 

「スパイシーフレーバー!」

 

続いてスパイシーもプレシャスと同様にレバーを押す事で青色のエネルギーが溜まっていく。

 

「ヤムヤムフレーバー!」

 

ヤムヤムもレバーを押す事で黄色のエネルギーが溜まり、そこから3人は更に5回レバーを押す事で桃、青、黄のエネルギーを溜めていった。そして、その力を最大限まで溜めるとジョッキで乾杯をするかの様にハートジューシーミキサーを掲げる。

 

「「「プリキュア・MIXハートアタック!!!」」」

 

そしてハートジューシーミキサーを銃の様に持ち変えると引き金を引いて溜まったエネルギーをアンダーグウバウゾーに向けて一気に放出する。

 

『アンダアアアアグッ!!!』

 

対してアンダーグウバウゾーは迫り来る強力なエネルギーに対し、左腕のパラソルを閉じるとそれをドリルの様に高速回転。そのままぶつけて相殺する。

 

「そんな!?」

 

「わ、私達の技が効かない!?」

 

「これは強敵ね」

 

自分達の合体技が通用しなかった事に驚くプレシャス達ではあったが、彼女達に諦めるという選択肢は無い。そして、絶対に勝利を諦めない心意気が存在する。

 

「3人とも私達の技が効かなかったからっていつまでも驚く余裕は無い。此処は我々が力を合わせてアンダーグウバウゾーを止めるんだ」

 

「うん、そうだね。アンダーグウバウゾーを浄化して捕まったレシピッピを絶対に助けなきゃ!」

 

フィナーレの言葉にプレシャスは強く返事をするとアンダーグウバウゾーに再び迫っていくのであった。

 

─────────

 

その頃、ツイスター達はキメラングとバッタモンダーと向き合っていた。

 

「いやはや改めて6人並んでみると見事に色が分かれているね。実にカラフルだ」

 

「おい、こんな時に何を呑気な事を言っているんだ!?」

 

今にも戦いが始まりそうな場面にキメラングは明らかに場違いな台詞を吐いた事にバッタモンダーはツッコミを入れる。

 

「バッタモンダーの意見に賛同するのはアレですが、本当に何を言っているんですか?」

 

「天然なのかな?」

 

「やっぱりマッドサイエンティストのノリには付いていけないわね」

 

一方でツイスター達はまるで漫才の様なやり取りをする2人の姿に呆れた表情を浮かべる。

 

「あーごめんごめん。いやね、ちょっとこれから君達に私の新たなアーマーのテストに付き合ってもらおうと考えててさ。6人も居るんだから一体どれくらいのデータが取れるかと思うとちょっと変なテンションになっていたよ」

 

「あ、新たなアーマーだって!?」

 

キメラングの口から出た新たなアーマーと言う言葉にツイスター達は驚いた。何故ならかつてキメラングが使っていたハイスペックアーマーはどれも性能は凄まじく、自分達が複数人で相手をしても苦戦を強いられた事が何度もあったのだ。プリキュア達は先日彼女が使ってた2つのアーマーを破壊した事で安心していたが、此処で新しいアーマーを作ったと言う事に一同は警戒を強める。

 

「クククッ、そのリアクションが見たかったんだよ。いやはや予想通り過ぎてなんか面白味がないけど、これを見たら更なる反応を見せてくれるかな?」

 

「そ、それは!?」

 

「スカイトーンとスカイミラージュ!?」

 

「なんでそれを!?」

 

キメラングがツイスター達に見せつけたのは自分達が変身に必要なアイテムであるスカイトーンとスカイミラージュであった。それを見て何故プリキュアでも無いキメラングが持っているのかと疑問が強く浮かび上がり、其処から考えられるのはひかるの時の様に誰かから奪ったのではと想像した。

 

「おっと、君達はまた私が盗んだとあらぬ疑いをしている様だから予め言っておくけど、これは私の作った発明品だよ」

 

「そんな言葉が信じられる訳ないだろ!」

 

「あっちでひかるのミラージュペンを火事場泥棒した癖に説得力なんてないでしょ!」

 

キメラングの言葉にトールとツイスターは強く否定する。それもその筈だ。トール(ひかる)はかつて元の世界にてキメラングにどさくさに紛れて盗んだ事がある為彼女の言葉は信じられなかった。

 

「確かに信じられないかもしれないがよく見たまえ。このスカイミラージュとスカイトーンとは君達のと違う所が結構あるよ」

 

「そんな訳が…あ、でも確かに色が違うね」

 

改めて見ると変身前の状態は基本的にスカイミラージュはミラージュペンになっており、更に色も桃色ではなく銀色であった。そしてスカイトーンも緑と黄の二つの色が混じった物となっており自分達の物と比べて明らかに違いがあった。

 

「フフフッ、だろぉ。それに私の作った発明品…ツインミラージュとデュアルトーンは君達のよりも強くてかっこいいからね!」

 

そう言うとキメラングはスカイミラージュ改め、ツインミラージュのスロット部分にツイントーンを装填するとマイク部分が回転する。

 

「君達流で言うと…ひろがるチェンジ!」

 

するとマイク部分が激しく光り出し、思わず一同は目を瞑ってしまう。そして光が段々と弱まると目を開けられる様になった。しかし、視界が戻ったからこそプリキュア達はそこにいたキメラングの姿に思わず驚きの表情を浮かべる。

 

「「「「なっ!?」」」」

 

「な、なんだそれ!?」

 

「あんた…それって…!」

 

視界を開けた一同が目にしたのは緑色のラインが入った白銀の重装甲と背中にはジェット機を彷彿させるウイングを纏ったキメラングの姿があった。

 

「どうだいこの姿は?中々イカしたデザインだろ?私の最新作ハイスペックアーマーTYPE-Cは?」

 

「た、確かにかっこいい…」

 

「ま、またかっこいいのを作って…なあなあ、俺にも何か作ってくれよ〜」

 

新たなアーマーを纏うキメラングの姿を見てバッタモンダーは羨ましがり、トールも思わずカッコイイと口にしてしまう。まぁトールも男の子だからこういう反応をしても仕方ない。今までもそうだったがキメラングの作るアーマーはどれもアニメなどに出そうなデザインをしており、男心を擽る物である為この場にいるトールや今ターボマンと戦っているブラペも今のキメラングには目を輝かせるだろう。

 

「ちょっと待ちなさい!」

 

「ツイスター?」

 

しかし、その隣でツイスターが声を上げる。いきなり声を上げるツイスターにトールは気になって彼女の顔を見ると何やら表情が引き攣っている。

 

「あ、あんた…なんでよりにもよってそのデザインなのよ!?」

 

「何ってこれのオリジナルはデザインがカッコいい上に強くてね。実に私の感性にビンビン響いたよ。だから私はリスペクトしてこのデザインにしたんだ」

 

「え、オリジナルって?ツイスターは何か知っているのか?」

 

キメラングのアーマーは彼女が一から作った物ではないと聞き、ツイスターも何か心当たりがある様子だった。そのためトールは彼女にオリジナルについて聞こうとする。

 

「聞かないで!折角忘れかけていたあの白いのを思い出させるんじゃないのよ!」

 

「お、おう、何があったか詳しい事はわからないがあまり思い出したくなさそうなら聞かない事にするよ」

 

ややヒステリックになるツイスターに引きながらも彼女の気持ちに尊重してトールは聞かない事にした。尚、スカイ達も話を聞いてかつてましろを狙いに並行世界からやってきた正義の使者を思い出すと苦笑いを浮かべるのであった。

 

「ねぇ君達は私の見た目ばかり気にしている様だけど、ちゃんと中身(性能)も見た方が良いよっ‼︎」

 

「うわっ?」

 

『スカイ!?』

 

すると痺れを切らしたのかキメラングはスカイに向かって突撃する。しかしスカイは咄嗟に両腕で防御したことで大きなダメージを負う事は無かった。

 

「不意打ちとは卑怯な!」

 

「おや、君達は戦いを始める時はよーい、どんって掛け声がないといけないのかな?それとも戦いを試合と何かと勘違いしているのかな?だとしたら滑稽だよ!」

 

「ぐっ!」

 

あまりの正論に言い返せないスカイは悔しそうな表情を浮かべる。キメラングはそのまま殴り抜けようと拳に力を込めようとした時だ。

 

「だったらあんた相手に複数人で戦っても文句ないわよね!」

 

「隙ありだキメラング!」

 

スカイと向き合っている事でガラ空きとなった背中にツイスターとウイング飛び蹴りを喰らわせようとする。ただ、キメラングはその場にしゃがみこむ事で2人の蹴りを回避するとそれぞれの足を掴み取る。

 

「「なっ!?」」

 

「ああ、構わないよ。だが、複数人で戦うと仲間同士で傷つけ合うかもよ?こんな風にね!」

 

「「「あああああっ!!!」」」

 

「「「スカイ(ツイスター)(ウィング)!」」」

 

2人の足を掴んだキメラングは目の前にいるスカイに向かって2人を鈍器の様に叩きつけてしまうと3人は地面に倒れる。それを見たプリズム達は思わず彼女達の名を呼んでしまった。

 

「さぁ、君達も見てないで私に掛かってごらんよ。それとも仲間が傷つく姿を見て何も感じない薄情者なのかな?」

 

「わ、私達は薄情者なんかじゃ…!」

 

「プリズム冷静になって」

 

「そうだ。見え見えの挑発に乗るんじゃない」

 

一瞬キメラングの挑発にプリズムは乗り掛かってしまうが、バタフライとトールが呼び止める事で冷静さを取り戻す。それを見たキメラングは感心の声を漏らす。

 

「へぇ、1人だけだったら確実に挑発に乗っていたけど仲間のお陰で踏みとどまれたか…いやはや実に良いね仲間は」

 

「だからなんで褒めてんだお前は!?」

 

プリズム達の姿を見て感心するキメラングにバッタモンダーは再びツッコミを入れる。

 

「全くね、其処の馬鹿と同じ事を思うのは癪だけど呆れざるえないわね」

 

すると先程まで地面に倒れてたツイスター達は立ち上がってキメラングに呆れた表情を浮かべている。

 

「おや、やっぱりあれぐらいじゃ大したダメージにならないか」

 

「当然です!あれくらいでやられる程私達はやわじゃありません!」

 

「そうだ!さっきは油断したが次は簡単にはいかないぞ!」

 

「そういう訳よ。マッドサイエンティスト、例えあんたが新しいアーマーを作っても私達は負けないわ。行くわよ皆んな!」

 

『はい(うん)(ええ)(ああ)!』

 

ツイスターが音頭を取るとスカイ達は彼女に続く様にキメラングへと突撃する。

 

「はあああああっ!」

 

「クククッ、来なよ!」

 

一気に距離を詰めたツイスターはキメラングに連続蹴りを放つがキメラングはその蹴りを余裕な笑みを浮かべて避ける。

 

「こっちです!」

 

続いてスカイも攻撃に加わるがキメラングは涼しい顔をしたまま汗を一つもかかずにツイスターの蹴り避けながらスカイの攻撃を受け流している。

 

「だったら3人同時!」

 

「良いや、4人だよ!」

 

更に其処へウィングとバタフライがそれぞれ別方向からキメラングへ攻撃しようとする。流石にキメラングも4人同時は対応できない。そのあめ攻撃をその身で受けてしまう。

 

「確かに私の手は2本しかなく精々2人まで対応出来ないが…今回は新たに翼もあるんだよ!」

 

「「「「うわっ!?」」」」

 

するとキメラングは背中に備わったウイングを広げるとその場で回転。その威力でツイスター達を吹き飛ばすが、彼女達はなんとか地面に足をつけて着地。再びキメラングへと距離を詰めようとする。

 

「先ずは君からだよ」

 

「な、あああああっ!!!」

 

『バタフライ!』

 

先程まで防御に集中していたキメラング。しかし今度は逆にバタフライに襲いかかり、彼女に蹴りを浴びせた。

 

「くっ、この!」

 

バタフライは負けじとキメラングへと攻撃を繰り出すが、これは難なく避けられてしまう。それでもバタフライは諦めずに攻撃を続ける。

 

「遅い遅い、攻撃っていうのは早く相手に打ち込むものだよ。こんな風にねっ!」

 

「ガハッ!」

 

そしてバタフライの鳩尾にキメラングの拳がまともに入ると彼女の肺に溜まっていた空気が強制的に吐き出され、思わず腹を押さえて地面に崩れ落ちてしまう。そんな彼女にキメラングは彼女の背に足を乗せる。

 

「君はこの中でバリアだったりバフ効果を持つアイテムを持っているからね。戦略的に考えて先ずは君から倒させて貰うよ」

 

今までの戦いの中でもバタフライの力を厄介と判断したキメラングは止めを刺そうと彼女に乗せた足に力を込めようとした。しかしその瞬間、キメラングの背中に光弾が命中する。

 

「なにっ?」

 

「バタフライはやらせない!ヒーローガール!プリズムショット!」

 

プリズムの光弾に驚いたキメラング。彼女の隙にウィングはすかさずバタフライを回収。プリズムはバタフライが離れたのを確認するとプリズムショットを放ち、キメラングへダメージを与えようとする。

だが、キメラングは飛んでくるプリズムショットを避けると一瞬でプリズムに距離を詰めた。

 

「しま「遅いよっ!」きゃああああああっ!」

 

「プリズム!よくもプリズムを!」

 

間合いを詰められるとキメラングはプリズムに回し蹴りを放ち彼女を吹き飛ばす。それを見たツイスターは風を両足に纏わせると一気に距離を詰めて手刀を放つ。だが、キメラングは一歩下がる事で手刀を紙一重で回避。そのままツイスターの手を掴む。

 

「そらそらそらそらぁっ!!!」

 

「あああああっ!!!」

 

そのままキメラングはツイスターの腕を掴んだまま振り回し、彼女を空に向かって放り投げる。放り投げられたツイスターはなんとか体勢を直してキメラングに向かって風の塊を放とうとするが、その時には自身の視界の中に彼女の姿が見当たらなかった。

 

「何処に!?」

 

「後ろだツイスター!」

 

「え?」

 

トールの声にツイスターは振り返ると其処には両手を握ってこちらに向かって振りかぶるキメラングの姿があった。ツイスターは慌てて逃げようとするが、もう遅い。

 

「遅いよっ!」

 

「ガアッ!?」

 

ツイスターが逃げる前にキメラングは彼女の頭部にアームハンマーを叩きつけ、それを受けた彼女は勢いよく落下して地面に叩きつけられる。

 

「よくもツイスターを!」

 

「待ってトール!」

 

「怒りに身を任せてはダメです!」

 

ツイスターの傷つけられた姿を見たトールは我慢出来ず、怒りキメラングに向かって飛んでいく。そのまま勢いよくトールは拳をキメラングの頬に叩きつけようとするが、キメラングは手を突き出してあっさりと受け止めてしまう。

 

「無駄さ。私は君たちの戦闘データを持っているんだから君の拳くらいなら難なく受け止められるさ」

 

「ぐっ…なんてな!」

 

一瞬悔しそうな顔を浮かべてたトールの顔が一変しニヤリと笑みを浮かべるとバチッと大きな音と共にトールの拳を掴んでたキメラングの手に電流が走る。彼女はそれに思わず拳を離してしまう。

 

「な、にっ!?」

 

「オラァッ!!!」

 

「グフッ!」

 

電流で怯んだキメラングにチャンスと見たトールはもう片方の拳でキメラングの頬に拳を叩きつけた。

 

「あれ、今トールのパンチが当たった…」

 

「なんで、私達の攻撃は通用しない筈じゃ…」

 

先程まで自分達の攻撃はキメラングに全くと言って良いほど効いてなかったのに対してトールの一撃が入った事に驚く。一瞬まぐれかと思いきやキメラングは少々焦った顔を浮かべながらトールの攻撃を避けていた。

 

「オラァッ!ツイスターの痛みはこんなものじゃないぞ!」

 

「くっ!やはりデータが少ない君の相手は一苦労するね!」

 

怒りでテンションが高めのトールにキメラングは苦々しい表情を浮かべながらトールの攻撃を避け続けるが、徐々に攻撃は彼女へと当たって行く。

その様子にウィングは何かに気づいた顔を浮かべる。

 

「そうか…そういうことか!」

 

「どうしましたかウィング?」

 

「何かわかったの?」

 

何か気づいた様子のウィングにスカイとプリズムは気になって話しかける。

 

「キメラングは今までの戦いで僕たちの戦闘データを持っています。だから僕たち相手には有利に戦ってきましたが、恐らくトールの戦闘データはまだ少ないんです!だからトールの攻撃が効いているのかもしれません!」

 

「え、なんでトールだけ?」

 

トールも以前キメラングと戦った事がある為自分達と同様に動きは対応出来ているはずとプリズムは思っていた。其処にバタフライに支えながら歩くツイスターが話しかける。

 

「…そう言う事ね。トールはこの前初めて戦ったばかり。だから何回も戦っている私達と違ってキメラングも実力の全てが分かりきってないのかも」

 

「あ、そうか。だからか」

 

ツイスターの推測を聞いたバタフライは納得の表情を浮かべる。思い返してみれば幾らキメラングが戦闘データを集めているとしてもたった一回の戦いでトールの実力を全て測り切る事は出来ていない。と言う事はキメラングはトールの動きに対応しきれないという事。それもあって彼の攻撃を完全に防ぐまでには至らない。

 

「それならトールを中心に私たちは援護に回るわよ!」

 

「そうね。なら早速行くわよ!」

 

援護に専念する事に決めたツイスター達はトールに続きキメラングへと距離を詰め攻撃を仕掛けるのであった。

一方でその戦いを離れた所でバッタモンダーは見ている。その表情はキメラングのピンチに酷く焦っている…のではなく逆に落ち着いた表情となっていた。

 

「まさかこうも上手くいくとはな……」

 

普段のバッタモンダーなら実力のあるキメラングがピンチになると慌てたり動揺を見せるのだが、まるでこうなる事を予めわかっていた様に冷静に戦いを眺めていた。

 

「キメラングがプリキュア達の相手をしている間に俺はこうやってじっくりと工作が出来るぜ」

 

そう言うと自身の手にアンダーグエナジーを召喚。そしてもう片方の手で粘土を練るかの様にアンダーグエナジーを捏ねて形を形成していく。

これをやりながら普段の様に自信がある…いや、それ以上に自信が満ちた顔を浮かべるバッタモンダーは此処へ来る途中のキメラングとのやり取りを思い出した。

 

──────────

 

「バッタモンダー君、これからプリキュアと戦う事になるが君は暫く戦いに参加しなくて良い」

 

「は?おい、こんな山奥に連れてきて何もするなってどういう事だよ」

 

キメラングに対して不満を言うバッタモンダー。彼は先程までラボで図鑑を読む事に集中していたが、それを無理矢理中断された上に見知らぬ山まで連れて来られた。更に言えば其処にいるプリキュアと戦うなと言われたので流石に彼は苛ついた。

 

「まぁまぁ、確かに君を無理矢理連れてきたのには謝罪するけどこれも君の為でもあるんだよ」

 

「俺の為?」

 

普段他者に対してあまり考えない自分勝手なキメラングが自身の為と他者に寄り添おうという姿勢に思わず目を細める。そしてバッタモンダーは彼女の性格的に何か自分を踏み台にして甘い蜜でも吸おうとしているのではと考えてしまう。

 

「君はラボで渡した図鑑を見て何か思いついたんだろう。それを早く使ってプリキュアに一泡吹かせたいという思いだってあるはずだ。でもそれを実行するには結構な時間と集中力が必要なんだろう」

 

「そ、それは…」

 

確かにキメラングの言う通りだ。今考えている力についてはかなりの自信がある。だけどそれを実行するにはそれなりの工程が必要である為、それが行えずまたプリキュア達にやられる可能性が高いのだ。

 

「私としては君の思いついた何かに興味がある。それ故に私は準備が出来るまで時間を稼いであげようという事だよ」

 

「お前…」

 

正直キメラングの発言には些か信用が欠けている。だが、バッタモンダーとしてはいつも負けて捨て台詞を吐いて去ると言った子悪党みたいに去るのはうんざりしていた。それ故にバッタモンダーはキメラングの話を乗ることにしたのだ。

 

────────

 

正直彼女の話を乗った時は不安であったが実際にキメラングがプリキュア達と戦って自身の注意を逸らしているのを見てバッタモンダーは話に乗って良かったと思っていた。

 

「クククッ、新生バッタモンダー様の初陣はもう直ぐだ。プリキュア達の驚く顔が目に浮かぶぜ。それまで時間を稼げよキメラング」

 

そう言うとバッタモンダーはこれから起こる事を想像しつつプリキュアと戦う為の準備をするのであった。

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