ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第117話 バッタモンダーの新たな力

少し前、ブラペ達がターボマンと戦闘を繰り広げていた頃にまで時間を遡る。ツイスター達はキメラングとの戦闘を繰り広げていた。一同はキメラングがトールとの戦闘に慣れてない事を見抜き、彼を中心に攻撃をした結果戦いは優勢となっていた。

 

「そこだ!」

 

「おっと、君の動きは慣れてきたよ」

 

ただ、戦いの中でトールの動きが段々と読める様になってきたキメラングは彼の攻撃を避けると反撃を喰らわせようと殴りかかった。

 

「させません!」

 

「ぬっ!?」

 

しかし、それを妨害する様にスカイがキメラングの前に立ち塞がり彼女の拳を受け止める。キメラングは目の前に割り込んできたスカイに驚くが、直様迎撃するためにもう片方の拳でスカイに攻撃を仕掛けようとする。キメラングはそのまま拳を放つが、近距離戦を得意とするスカイにその拳も止められてしまうと更には逃げられない様に握りしめられる。

 

「この、はな「せいっ!」ぐおっ!」

 

拳を振り解こうとしたキメラングであったが、スカイはガラ空きとなった彼女の腹に向かって飛び蹴りを放つと吹っ飛ばす。吹っ飛ばされたキメラングはどうにか足に力を入れて地面に踏み止まり、スカイに襲い掛かろうとする。

 

「此処だ!」

 

「くらいなさい!」

 

「喰らうか!」

 

しかし、其処に追撃をする様にツイスターとウィングがキメラングの前後から高速で挟み込む様にしてタックルを決めようとする。それを受けてキメラングは挟まれてたまるかとすぐに高く飛んで2人のタックルを避ける。

 

「おっと、逃がさないよ!」

 

「今度は君か!」

 

避けた先には既にバタフライが待ち構えており、キメラングは返り討ちにしてやろうと言わんばかりに彼女へと向かって加速。そのまま蹴りを放つがバタフライも同時に蹴りで応戦。互いの足がぶつかり合う。

 

「タイミングは私と合わせたが力は私の方が上だよ!」

 

「くっ…でも、流石にこの距離じゃすぐに避けられないよね!」

 

「なに?」

 

一瞬バタフライの言葉がただの強がりかとキメラングは思い込んだ瞬間、バタフライは自身の唇に指を触れると其処から投げキッスを放ってキメラングの目の前…至近距離で爆発させる。

 

「甘い!そんな攻撃はこのアーマーには通用しないよ!」

 

投げキッスを受けたキメラングだがあまりダメージを受けておらず、視界が煙に覆われたものの逆に言えば被害はそれだけ。その後アーマーに備わっているジェット噴射で一気に煙を吹き飛ばす。

 

「それくらい薄々わかっているよ!」

 

「これは、バリアか!?」

 

するとバタフライは指を鳴らした瞬間、バリアが出現。それはキメラングの身体を拘束する様に四方向から取り囲んだ。突然身体を拘束されたキメラングは驚くも、すぐにバリアを破壊しようと全身に力を込める。すると今度は目の前にトールが現れる。

 

「なっ「電パンチ!!!」ガアアアアアアアアアッ!?」

 

いきなり現れたトールにキメラングが反応しようとするが、トールは電気を纏った拳をキメラングに叩きつける。そのまま吹き飛ばすとその先にはテンペストバトンを構えたツイスターが待ち構えていた。

 

「そのまま動きを止めてあげる!ツイスタートルネード!」

 

「し、しまった!?」

 

トールの一撃で吹き飛ばされたキメラングはテンペストバトンから放たれた竜巻に巻き込まれ、そのまま動きを封じられる。それを見たツイスターは一同に声をかける。

 

「今よ皆んな!」

 

「「「はい(うん)!」」」

 

ツイスターの声にスカイとプリズムとウィングが強く返事をするとそれぞれはキメラングを中心に三方向に立つ。

 

「ヒーローガール!スカイパンチッ!!!」

 

「ヒーローガール!プリズムショット!!!」

 

「ひろがる!ウィングアターック!!!」

 

「ぐっ、ああああああああっ!!!!」

 

三方向による同時の技をまともに受けたキメラングは更に吹き飛ぶとその先にはトールが待ち構えており、既に手には雷のハンマーが握られている。

 

「締めは俺だ!ひろがる!トールハンマーッ!!!」

 

「があああっ!?」

 

力強く振るわれた雷のハンマーをまともに受けたキメラング。彼女は吹っ飛び数回地面に跳ねると動かなくなる。

倒れ伏したキメラングを見てプリズムは不安そうな顔を浮かべる。

 

「し、死んではいないよね?」

 

「だ、大丈夫…な筈です…多分」

 

誤ってキメラングを殺めていないかとプリズムは心配し、スカイもフォローを入れるがあまり自信がない様子だ。

幾らキメラングが強敵とはいえ自分達の技を連続でやったのは流石にやり過ぎてしまったとスカイ達は後悔していた。

 

「あんた達そんなに心配する必要はないわよ」

 

「え、ツイスター?」

 

しかし、唯一ツイスターはスカイ達と違って不安な顔を浮かべておらず。倒れているキメラングに呆れた眼差しを向けている。

 

「あんたもいつまでやられた振りをしているんじゃないわよ」

 

「…くくっ」

 

『っ!?』

 

「くく、クハハハハハハッ!!!」

 

すると先程まで気絶していたかと思っていたキメラングは目を開けると壊れた様に笑い出すとゆっくりと立ち上がる。

 

「いやはや大した物だよ。トールを交えた攻撃で私を翻弄するとはね」

 

「ええ、お陰であんたを追い込む事が出来たわ。それでどうするのよ?降参して捕獲箱でも渡すつもり?」

 

先程の連続による技でキメラングの身体はアーマーと共にボロボロになっており、これ以上の戦闘は難しいと見越したツイスターは捕獲箱を渡して降参する事を勧めた。

 

「そうだね。確かに君達にこの捕獲箱を渡せば私はこれ以上痛い思いをせずに済むかもしれないね」

 

「なら捕獲箱を渡s「でもやだね」なんですって?」

 

「往生際が悪いですよ!」

 

ツイスターの提案を断ったキメラングにスカイは見苦しい抵抗はせずに諦めろと言わんばかりに強く訴えるがキメラングは「チッチッ」と舌を鳴らす。

 

「悪いけど私はしぶとさが取り柄なんだ。これくらいの怪我でギブアップをするくらいなら最初から戦わないよ」

 

「でも、これ以上戦え…え!?」

 

『なっ!?』

 

これ以上は戦えないとプリズムが言いかけた時だ。先程までボロボロだったキメラングの身体と纏っていたアーマーは段々と治っていき、それを見た一同は驚きの表情を浮かべる。

 

「ど、どういう事?」

 

「怪我が治っちゃった…!」

 

あっという間に身体の怪我が治癒し、戦闘を始める前の様にまで戻ったキメラング。彼女の姿に一同は困惑する。

 

「いや待って、確か前にフィナーレとの戦いでも同じ事が…」

 

ツイスターの脳裏にはおいしーなタウンにてキメラングがフィナーレとの戦いで大怪我をした際に今と同じ様に身体の怪我を治した時の事が過ぎる。

 

「ああ、そうだよ。この治癒能力はかつてのフィナーレとの戦いの時と同じ様に私が怪我を負った際に治した物と同じさ」

 

「やっぱり…でも、一体どうやって治しているんですか?」

 

フィナーレの時もそうだったが、キメラング自身は回復薬やバタフライの持つミックスパレットみたいなアイテムを使った動作は一切無い。そのため一同はどうやって傷を治したか気になっていた。

 

「別にそんな大掛かりな物は用意してない。ただ私はこの頭に装着しているハイメットに数日分のアンダーグエナジーを溜め込んでおいて私が大怪我を負った際に自動で身体を循環させて治している仕組みになっているのさ。まぁ、その分そうバンバン使える機能では無いけどね」

 

「アンダーグエナジーで回復って…」

 

キメラングの言葉に一同は信じられなかった。キラキラエナジーによる回復ならまだしも、ランボーグの力の源であるアンダーグエナジーが治療に使えるなど今まで戦ってきた自分達からすれば想像も出来なかった。

 

「別に驚く様な事もないだろう?私は今までアンダーグエナジーから作ったドーピングカプセルでランボーグや私自身を強化させてきた。だから応用で治癒能力を活性化させてもおかしくはない。そもそもツイスター君もアンダーグエナジーの恩恵を受けて怪我を治した事があるだろう」

 

「一体何を言って…いや待って」

 

キメラングの言葉を聞いてツイスターは以前手と足が折れた際、キメラングによってドーピングカプセルを投与されたと同時に一瞬で治った事を思い出す。

 

「思い出した様だね。あの時の様に私は身体を治したと言う訳だよ。因みにカプセルを使わないのは前みたいに気持ちが昂り過ぎて冷静さを失うからさ。ほら、戦いでは常に冷静になってた方が有利だろう?」

 

「そうだったのか…」

 

トールは以前キメラングとの戦闘にてキメラングがトールに追い込まれた時、キメラングは自身にドーピングを投与。その副作用か彼女のテンションが物凄く上がっていた事があり、その説明に納得する。

 

「それともう一つ感謝するよ。君達がキュアトールを交えた戦闘を見せてくれたお陰でアーマーに足りなかったデータが入手できた」

 

「俺のデータだと!?」

 

「じゃあさっきまでやられていたのは…!」

 

「勿論演技に決まっているじゃないか。態々アーマーの出力も下げておいたから見事なやられっぷりを見られただろう」

 

完全にしてやられた。先程までの戦いはキメラングがトールの戦闘データを手に入れるために態と手加減をして攻撃を受けていたのだ。その結果、キメラングがより強くなるきっかけを与えてしまった事になる。更に言うとこれまで手加減していたということで、これから本気を出したキメラングと戦う事を考えないといけない。その事実に一同は恐ろしく思えた。

 

「だ、だからどうしたって言うのよ!あんたが今まで手加減していたとしてもこれまで通り私達が協力して戦えばあんたなんかに負けないんだから!」

 

「その通りだ!」

 

「我々のチームワークを見せてあげます!」

 

一瞬怖気付きかけるが、ツイスターがなんとか己を奮い立たせるとそれに続く様にスカイ達も自信を付ける。これにより先程より強いキメラングとの戦闘に挑む事になってもツイスター達は一切引かず、逆に自分達の力を信じて立ち向かう姿勢を見せるのであった。

 

「おっと、熱くなっている所申し訳ないけど、この後君達は彼と戦ってもらうよ」

 

「彼?」

 

「そう、僕が君達の相手をするのさ」

 

するとキメラングの隣に先程まで戦闘に参加していなかったバッタモンダーが突如現れる。

 

「バッタモンダー?」

 

「一体なんのつもりよ」

 

先程までキメラングとの戦闘をしていたツイスター達は実力があまり無いバッタモンダーなんかと戦う気にはなれずにいた。

 

「暫く観戦をしていたら僕も君達と戦いたくなってね。是非とも相手をしてもらおうと思ったまでだよ」

 

「戦いたくなったって…」

 

やけに自信満々で言うバッタモンダーにバタフライを筆頭に一同は呆れた顔を浮かべる。これまでの戦いでバッタモンダー本人との直接対決は無く。加えて彼が操っていたランボーグ相手には連戦連勝している上、自分達は日に日に成長している事もあってバッタモンダーの発言は無謀にしか聞こえなかった。

 

「やめときなさい。そう言っていざ戦って追い込まれたらいつも通りチンピラみたいになるんだから」

 

今までの戦いの出来事を振り返るツイスターはバッタモンダーに自分達と戦うのをやめる様に勧める。

 

「さぁ、それはどうかな?」

 

「…何よその余裕の表情は?」

 

バッタモンダーの態度を見て疑問を思い浮かべるツイスター。普段のバッタモンダーなら煽りに弱く、すぐ余裕の態度を崩して小者の様な言動を見せるのだが今の彼は余裕の態度を保ったままだった。

 

「こう見えても僕は少しばかりパワーアップしたんだよね。だからこそパワーアップしたこのバッタモンダー様の力を見てみるといい」

 

「ぱ、パワーアップ!?」

 

バッタモンダーがパワーアップをしたと聞いて一同は警戒を見せる。一方でバッタモンダーは自身の身につけているジャケットのポケットから何かを取り出した。

 

「あ、あれは…」

 

「バッタ?」

 

バッタモンダーが取り出した物とは黒いバッタであった。それを見たツイスター達は拍子抜けと言わんばかりの表情に変わる。

 

「え、バッタ?」

 

「バッタ…だよね…」

 

「一体何を取り出すのかと思ったらバッタって…」

 

「◯シキングじゃないんだから」

 

「やっぱり馬鹿…」

 

「馬鹿モンダー…」

 

何か秘密兵器でも取り出すのかと思いきやバッタなんか取り出したバッタモンダーにここ最近の連敗続きで頭がおかしくなったのかとツイスター達は思った。対してバッタモンダーはボロクソ言うツイスター達に青筋を浮かべる。

 

「き、君達ねぇ…そんなに馬鹿にしてこれから痛い目を見たって知らないよ!」

 

そう言うとバッタモンダーは自身のバッタをツイスター達に向かって投げつける。

 

「よく分からないけど、あんたの事だしそのバッタに何か秘密があると見て良いわねっ!」

 

バッタモンダーもキメラング程ではないが割と小狡い手を使う事があり、変に長期戦を持ち込めば厄介な事になると判断してバッタを即座に排除する事にした。そのため、ツイスターは飛んでくるバッタに対して回し蹴りを放つ。

だが、バッタモンダーはそれを見て笑みを浮かべる。

 

「触れたね。僕のバッタに」

 

「はぁ?触れたからってなn「ツイスター!足を見てください!」え?」

 

何故か慌てた様子のスカイがツイスターに向かって何やら足を見ろと訴える。ツイスターは恐る恐る自身の足を見るとそこには先程蹴り飛ばしたと思ったバッタがツイスターの足に引っ付いており、更には彼女ブーツへと噛みつくとそのまま貪り食っていたのだ。

 

「い、いやあああああああっ!!!」

 

それを見たツイスターは顔を青ざめ悲鳴を上げながらバッタを蹴り飛ばした。幸いにも早く気づいた事でブーツは少し抉れるくらいで済んだ。対してバッタはツイスターに蹴り飛ばされてもけろりとした様子で地面に着地した。

 

『虫だけはダメなの…絶対ダメなの…!』

 

誰だこいつ?

 

「大丈夫かツイスター!?」

 

「怪我はしてない!?」

 

「え、ええ。大丈夫よ」

 

そんな時ツイスターの耳に一瞬皆から頼られる姉御肌気質にも関わらず、虫だけはどうしても嫌いな少女の怯える声が聞こえてしまう。ただ、直後に皆から心配されたツイスターは大丈夫と答える。一方でバッタモンダーは先程の悲鳴を聞いて気分が良いのか笑みを浮かべる。

 

「僕の作り出したバッタをちゃんと警戒していれば良かったものを。幾ら何でも未知なる物に安易に触れるのは危険なんじゃないのかい?」

 

「五月蝿いわね!あんたもたかがブーツを少し抉ったくらいで調子に乗ってんじゃ…え?」

 

するとツイスターの視線の先には先程蹴り飛ばしたバッタがいるが、何やら突然光出すと数十匹に分裂する。

 

「ふ、増えた!?」

 

「な、何で増えているの!?」

 

突然増殖したバッタに一同は困惑の声を上げる中、バッタモンダーは得意気な笑みを浮かべる。

 

「僕の作り出したこのバッタは何かを食べる度に数を増やして群を成していくんだ。更に言えばそのバッタは雑食の上に常に飢えているんだ」

 

「ざ、雑食の上に…」

 

「飢えている!?」

 

バッタの特性に一同は一瞬恐怖を覚える。だが、すぐさまそれは自分達を恐怖させようとするハッタリだと思い込みかけた。すると増殖したバッタは周りの地面や岩を喰らってどんどん増殖していく。その姿を見て彼の言葉がハッタリではないと確信し、一同の顔が青ざめる。

 

「クククッ、青ざめたね。先程までこのバッタ達をただのムシケラと馬鹿にしていたけど、君達の脅威として認識したようだね」

 

バッタ達に恐怖の色を見せるツイスター達の姿をバッタモンダーは愉快に感じると彼女達へと指をさした。

 

「さぁ、君達。ムシケラと馬鹿にしたプリキュア達にその恐怖を味合わせてやれ!」

 

周りの物を食べてあっという間に数百匹と増えたバッタ達。それらはバッタモンダーの指示に従い、不気味に光る複眼をツイスター達に向けると一斉に飛び出していった。

 

「来ますよ!」

 

「皆んな距離を置いて!」

 

下手に近づけばブーツだけでなく自分達の身体が喰われると思ったツイスター達は咄嗟に距離を置こうとする。しかし、それよりも早くバッタ達は距離を詰めていく。

 

「くっ、こっちに来るんじゃないわよ!」

 

ツイスターは迫り来るバッタ達へと手から強力な風を放ち、吹き飛ばそうとする。しかしそれは全体の中のほんの少しを巻き込む程度で残りのバッタ達はツイスターに迫り来る。

 

「やばっ!」

 

「危ないツイスター!」

 

ツイスターのピンチにスカイとトールが彼女の前に立ち迫り来るバッタの群に拳を振る。

 

「「だだだだだだだだっ」」

 

2人による高速のラッシュで次々とバッタ達は地面に落ちていきその数を減らしていく。それを見たツイスターはこれでバッタモンダーの余裕な表情は崩れると彼に視線を向けるが、バッタモンダーは表情を崩しておらず。自分達を間抜けでも見るかのような眼差しを向けていた。

 

(なによあの顔は?まるで私たちが彼奴の罠にでも掛かって…まさか!?)

 

何かに気づいたツイスターは慌ててスカイ達に声をかける。

 

「2人とも今すぐこの場から離れるのよ!」

 

「「ツイスター?」」

 

何故か慌てているツイスターにスカイ達は疑問符を浮かべる。

 

「もう遅いよ!」

 

するとバッタモンダーは自身の拳を振り上げるとそれに連動する様にツイスター達の足元の地面が盛り上がり、そこから大量のバッタが飛び出してくる。

 

「「「があああああああっ!!!」」」

 

「スカイ!」

 

「ツイスター!」

 

「トール!」

 

地面から飛び出してきたバッタの群れに襲われたツイスター達は吹き飛ばされて地面に叩きつけられてしまう。それを見たウィング達は互いに目を合わせる。

 

「こうなったらバッタ達を操るバッタモンダーを取り押さえるしかない。プリズムとバタフライは援護をお願いします!」

 

「「任せて!」」

 

ウィングの提案に2人は乗り、ツイスター達の敵討ちとばかりに打って出ようとウィングがバッタモンダーに向かって飛んでいく。

 

「いくぞ!」

 

「無駄だよ。僕の操るバッタは無敵だ!」

 

迫り来るウィングにバッタ達を襲わせようとするが、ウィングの後方から飛んできた光弾に命中してバッタ達は消滅する。

 

「なにっ!?」

 

「行ってウィング!」

 

「ありがとうございます!」

 

「くっ、まだだ!」

 

バッタモンダーは続いて残ったバッタの幾らかを放ち、今度こそウィングを地面に落とそうとする。だが、それも再びウィングの後方からバタフライの投げキッスが飛んできてバッタ達と衝突して爆発する。

 

「な、なんだってーっ!?」

 

バッタモンダーはどうにかしてウィングを止めるために手元に残ったバッタ達を飛ばしていく。しかし、ウィングの速さに加えてプリズムとバタフライによる援護でバッタ達は次々と消滅していった。

 

「これで終わりだバッタモンダー!はああああああっ!!!」

 

「うわあああああっ!?こっちにくるなーっ!!!」

 

勢いがついたウィングはそのままバッタモンダーに向かって強烈なキックをお見舞いしようと迫っていき、バッタモンダーは呪文を唱える事を忘れるくらいにパニックに陥る。そのままウィングのキックをその身で受けそうになった。

 

「全く…見てられないねっ‼︎」

 

「があっ!?」

 

「「ウィング!」」

 

だが其処にウィングの真横からキメラングが蹴りを浴びせ、ウィングは防御する事が出来ず吹き飛ばされてしまった。

 

「バッタモンダー君。序盤は良さそうだったのに何でやられそうになっているんだい?」

 

「し、しょうがねえだろ!俺だけのアンダーグエナジーと周りのもんで食って得たエネルギーだけじゃ増殖できる数が少ねえんだよ!」

 

それに加えてバッタ達の個々の力は通常のランボーグよりも弱い。その分数はそれなりにいたが、何しろ耐久力が弱い為普通の攻撃でもあっさりと消滅してしまうのだ。

そんな弱気な事を言うバッタモンダーにキメラングはため息を吐きながらカプセルを取り出す。

 

「しかたないね…ほら、カプセルを一個サービスするから早く増やしたまえ」

 

「待ってました!」

 

キメラングから渡されたカプセルを早速使おうとバッタモンダーは足元で消滅してないバッタにカプセルを食べさせる。するとバッタは一気に数百…いや、千を超える数に増殖していった。

 

「ば、バッタがこんなに…!」

 

「き、気色悪…!」

 

視界に広がるバッタの大群にドン引きするプリズムとバタフライ、一瞬で千を超える数のバッタを目にした2人は気味が悪く鳥肌が立つ。

 

「さて、これくらいいればもう僕の勝利は確実だね」

 

「「くっ」」

 

数が先程よりも増えた事で余裕の態度を見せるバッタモンダー。彼は己の勝利を確信するが、プリズム達はそれでも戦う事を諦めずに構えを取る。

 

「待ちなさい。私らの事を忘れてんじゃないわよ」

 

「さっきは油断しましたが今度は油断しません!」

 

「ああ、さっきの借りを返してやる!」

 

「僕だって…!」

 

すると先程地面に叩きつけられたツイスター達が立ち上がり、キメラングに蹴り飛ばされたウィングも同様に立ち上がって戦う姿勢を見せる。それを見てバッタモンダーは呆れた顔を浮かべる。

 

「全く、この僕の真の実力の一端を見たにも関わらず勝利を諦めないなんて悪あがきはやめて大人しくやられた方がいいよ」

 

「そういう訳にはいきません。何故ならヒーローは強い相手でも引きませんから!」

 

スカイを筆頭に彼女達は戦いを引くつもりは無かった。これまで自分達は何度も苦戦を強いられてきたが、一度も諦めたりせず。その度に勝ってきたため、今回も勝つ事を信じて立ち向かうつもりだ。

 

「そうかい。そんなに相手をしたいなら容赦なくやらせてもらうよ!」

 

そういうとバッタモンダーはバッタの大群をツイスター達に襲わせる。対してツイスター達は迫り来るバッタの大群にその場で大きく跳んで回避する。

 

「一体どうする?あんなに多くいる上に物を食べたら数を増やすってキリがないよ」

 

「私達が強力な技を連続で使っても倒し切る前にこちらの体力が無くなってしまいます」

 

強気な事を言ったが、今の所何かバッタの大群を全て倒す妙案は思い浮かんでおらず。下手に全てを相手にしたら自分達のスタミナが切れてしまう可能性がある。

 

(こうなったらプレシャス達に手を貸してもらうしか…)

 

自分達だけでは対処が難しいと思ったツイスター。だが、今プレシャス達やベリィベリー達はアンダーグウバウゾーとターボマンをそれぞれ相手にしている事を思い出す。そのため彼方側もこちらを手助けをする余裕はないと判断した。

 

(でも、あんな大群相手に私達だけじゃどうしようも…いや、待てよ)

 

ここでツイスターはとある戦いが脳裏に過ぎる。それはかつてカバトンが学校の桜の木をランボーグにして更にそれをキメラングによって強化され、丁度今のバッタモンダーが操るバッタの様に大量の桜の花びらと戦った群集タイプの敵と対峙した事を思い出す。

 

「あれなら上手くいくかもしれないわ。スカイ!プリズム聞いて!」

 

「どうされましたか?」

 

「ひょっとして何か思いついたの?」

 

やけに自信満々の表情を見せるツイスターにこの状況を打破するアイデアを思いついたのかとスカイ達は聞いてみるとツイスターは「ええ」と答える。

 

「いいよく聞いて。私がバッタ達を「おっと、君は私が相手をするよ!」え、きゃあ!?」

 

『ツイスター!』

 

何か作戦を伝えようとしていたツイスター。しかし、彼女を妨害する様に物凄い速さでキメラングが突撃してそのままツイスターの腕を掴むと空に向かって飛んでいく。

 

「待ちやがれ!」

 

「ツイスターを返すんだ!」

 

キメラングによって連れ去られて行くツイスターを取り戻そうとトールとウィングはそれぞれオーラを纏い、後を追いかけようと飛ぶ。しかし其処にバッタの大群が2人の前に飛んでくる。

 

「おやおや何処に行くつもりなんだい?まさかあんな啖呵を切っておいて僕との戦いから逃げるっていうのかい?」

 

「「くっ!」」

 

視界に広がるバッタ達にトール達は苦しそうな表情を浮かべつつ何とか数を減らそうと戦いの構えを取るのであった。

一方でキメラングに連れ去られたツイスターは抵抗していた。

 

「この、離しなさい!」

 

「いでっ!」

 

己を掴まえるているキメラングの脇腹に向かってエルボーを喰らわせるとキメラングは思わずツイスターから手を離してしまう。彼女はその後地面に着地し、続いて脇腹を抑えながらキメラングも着地する。

 

「いたた、相変わらず容赦ないね君は」

 

「いきなり誘拐する奴に容赦なんてすると思ってんの?」

 

「ああ…それもそうだね」

 

ツイスターの言葉に納得の返事をするキメラングにツイスターは調子を崩されそうになるも冷静な表情を保つ。

 

(スカイ達にあのバッタ達の対処法について伝えなきゃならないのにこいつは何で私だけを連れ去ったのよ…)

 

恐らく今頃バッタ達相手に苦戦を強いられているスカイ達は未だにバッタ達の攻略方法について思いついてないだろう。その為、ツイスターは急いでキメラングを出し抜いてスカイ達の元へ戻ろうと思っているとキメラングが口を開く。

 

「今君は何故私だけを連れ去ったのかと疑問に思っているんじゃないのか?」

 

「っ!」

 

すると今考えていた事がキメラングに言い当てられた事にツイスターは目を見開く。対してキメラングはツイスターの反応から正解である事を理解すると笑みを浮かべる。

 

「どうやら正解の様だね。まぁ、君を連れ去った理由はあの中で頭の回転が人一倍速い君がバッタモンダー君の操るバッタ達の対処法について思いつきそう…いや、既に思いついていると私は考えてね。だから君をあの場から連れ去ったんだよ」

 

「…何の事よ」

 

対処法が思いついた事に気づかれたツイスターは内心驚くものの悟られない様に冷静さを装いつつ自身の手を後ろに隠しその手に風を纏わせる。

 

「惚けても無駄だよ。私は君達のこれまでのデータを収集している故に君達の行動パターンや思考についても予測する事は可能さ。例えば今後ろに隠している手に風を纏わせて砂煙を起こして目潰しをしようとしているとかね」

 

「っ!?はあっ!!!

 

自身のこれからする行動を言い当てられたツイスターはこうなれば自棄だと言わんばかりにオーラを纏うと同時にキメラングの足元に向かって風の塊を放って砂煙を舞い上がらせる。そして直様オーラによって強化した己の速さを使ってその場から離れてスカイ達の元へ向かおうとする。

 

「おやおや、私を放っておいて何処に行くのかな?」

 

「なっ!?だああああああっ!!!」

 

しかし、ツイスターの前にキメラングが転移したと錯覚するくらいの速さで彼女の前に立ち塞がる。ツイスターは一瞬動揺を見せるも、すぐに切り替えてキメラングに向かって拳を連続で振るう。だが、それらは全て避けられてしまう。

 

「強化してもそれくらいの速さかい?だとしたら拍子抜けだねっ!」

 

「ガハッ!?」

 

攻撃を回避しつつキメラングはツイスターの懐に潜り込むと彼女の腹に膝蹴りを喰らわせ、ツイスターは思わず地面に倒れそうになる。それを見たキメラングは咄嗟に彼女のサイドテールを掴むと無理やり立たせる。

 

「おっと、まだ寝るには早いよ。しっかり起きなきゃねえ!」

 

「ガアッ!」

 

キメラングはツイスターの髪から離すと彼女の顎を蹴り上げ、ツイスターは数m程吹っ飛ばし地面に倒れる。今度こそ倒れてしまったツイスター。彼女は何とか立ちあがろうとするが、軽い脳震盪を起こして上手く立ち上がる事が出来ずにいた。

 

(不味い…このままじゃやられる)

 

先程までスカイやトール達と共に戦った時と比べ、明らかに実力が異なっていることからキメラングは本当に手を抜いていた事をツイスターはその身で味わい理解してしまう。

 

(こうなったらあの姿に賭けるしか…)

 

今の状態ではキメラングに敵わないと悟ったツイスターは暴走する可能性が高いが漆黒の姿…ダークツイスターの力を使うしかないと彼女は己のオーラを更に放出。自身の身体の中にあるアンダーグエナジーを増幅させようとした。

 

『うわあああああああっ!!!!』

 

「っ!スカイ!皆んな!」

 

しかし、遠くからスカイ達の声が聞こえたツイスター。彼女がその方向に視線を向けると其処にはバッタの集団によって吹き飛ばされるスカイ達の姿があった。唯一トールだけはバッタの攻撃から避けられたが、そのバッタ達に周りを囲まれてピンチの様子だ。

 

「おっ、どうやらバッタモンダー君が派手にやっている様だね。これならあのバッタ達のデータが期待できそうだ」

 

キメラングはバッタモンダーが現在有利に戦えている事にご満悦。厳密に言えば彼の操るバッタの力に興味を示していた。そしてキメラングが他に意識を向けているのをチャンスと見たツイスターは脳震盪によりバランス感覚が掴めない事に悩まされるものの、何とか立ち上がり首に巻いたマフラーをキメラングに向かって鞭のように振る。

 

「おっと、君の行動に気づかないと思っていたのかい!」

 

しかしキメラングに行動を読まれたツイスターは逆にマフラーを掴まれてそのまま力強く引っ張られてしまう。そのせいでツイスターの体は彼女の元に引き寄せられる。

 

「ええ、思ってたわよ!」

 

するとツイスターは自身がキメラングの元に引き寄せられるのを見越したのか、引き寄せられる勢いを利用してバトンモードとなったテンペストバトンを取り出す。そのままそれを力強く振るってキメラングの頭部に叩きつけようとする。

 

「ふぅー、今のは危なかったよ」

 

しかし、キメラングはテンペストバトンを自身の持つツインミラージュで防いでしまう。

 

「まだよ!」

 

一度防がれてもツイスターは諦めずに更に力を出して再びキメラングの頭部に叩きつけようとする。

 

「諦めずに戦うその心意気は見事な物だよ。でも、敵の技量が測りきれてない時に近づくのは命取りの危険がある」

 

するとキメラングの持つツインミラージュの先端から緑色のエネルギー状の刀身が形成され、鍔迫り合いをする様にテンペストバトンを防いだ。突然の刀身の出現にツイスターは驚きの表情を見せる。

 

「な、何よそれは!?」

 

「クククッ、驚いた様だね。このツインミラージュはただの変身アイテムだけってのは寂しいからね。こうやって武器になる様に作ったんだよ」

 

まさかの隠し武器の存在にツイスターは一瞬呆気に取られたが、直ぐに冷静になるとキメラングに一撃を与えようとテンペストバトンを連続で振る。キメラングもツイスターと合わせる様にツインミラージュの刀身とぶつけて火花を散らし激しい戦闘を繰り広げていくのだった。

そしてこの時の戦いをアンダーグウバウゾーと戦っていたプレシャス達とバッタモンダーによって吹き飛ばされたスカイ達も見ていたのであった。

 

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