ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第124話 誤りの選択

「………」

 

ソラはらんこから離れ1人待ちの中を重い足取りで彷徨う様に歩いていた。ソラは歩きながら先程までらんこに向けて発言した己の台詞が脳裏に過っていた。

 

(私はらんこさんになんて酷い事を…)

 

自身の発言に後悔するソラ。らんこの偽物発言についてはソラを虐めたり嫌がらせの為ではなく、もしシャララと対面した時に罠であった時にソラを心配して言った事。ソラもそう頭では理解していたつもりだ。だが彼女はシャララが生きていると信じたかった。だから忠告するらんこにあの様な事を言ってしまったのだ。

 

「私はヒーロー…いえ、友達失格です」

 

そう言って己を戒める。本当なら今すぐ引き返してらんこに謝りたかったが、もしらんこが怒ってて許してくれなかったらと思うと足が重くなる。

 

「こんな時ましろさん達ならなんて言ってくれるんだろう…」

 

この場にいないましろ達の存在を思い浮かべるソラ。今の自分ではどうらんこに謝ればわからないソラは彼女達に縋る様に助けを求めようと考えスマホを取り出す。それからましろの電話番号を押して通話しようとしたその時。

突如としてソラの視界の端に青いマントを身に纏った女性の後ろ姿を目撃する。

 

「あれは…シャララ隊長!」

 

視界に入ったのは一瞬であったが間違いない。視線の先には自分達が今探しているシャララ本人であった。呼び止めようとするソラだがその前にシャララは近くの路地に入ってしまう。

 

「待ってくださいシャララ隊長!」

 

シャララを追いかける為ソラも続いて路地へと入っていく。そして暫く路地を走っているとシャララは工事現場の中へ。ソラが後を追いかけると其処にはシャララ以外人は居らず。シャララも何やら周囲を警戒しているのか辺りを見渡し、誰もいないか確認すると口を開く。

 

「ワシオーン戻ってきたぞ!」

 

「ウオオ〜ンッ!!!」

 

すると上の方から鳴き声が響き渡るとシャララの前に巨大な鷲…ワシオーンが降り立ち、シャララはワシオーンの首を撫でる。

そんな様子を工事現場入り口から眺めていたソラは思わず声を出す。

 

「シャララ隊長‼︎」

 

「っ…ソラか?」

 

突然名前を呼ばれたシャララ反射的に腰の剣に手を掛けた状態で振り返る。そして目の前にいるソラを見て驚きつつ彼女は確認を取る。一方でソラはシャララから名前を呼ばれた事に感極まり、涙を流しそうになるが其処はグッと堪える。

 

「はい!ソラです!」

 

そしてソラはまるで飼い主を見つけた犬の様にシャララの元に走り出す。だがシャララまで後2、3mまでの距離で先程のらんこの発言が脳裏に蘇りソラは思わず足を止める。

 

「どうしたんだソラ?」

 

一方でシャララはこちらに向かって走り出したソラが何故か途中で足を止めた事に不思議に思う。するとソラが何やら疑心の目を向けている事に気がついた。

 

「シャララ隊長…疑う訳ではありませんが私の質問に答えてくれませんか?」

 

「…お前が納得するのであれば私は答えよう」

 

シャララから了承を得たソラは「それでは」と呟きながら恐る恐る質問をする。

 

「あなたがあの日…巨大なランボーグが出現した日に私に贈ったメッセージの内容は覚えていますか?」

 

「……」

 

震える声でソラが質問した内容とはスカイランドにいた時にシャララが巨大ランボーグに突撃しようとする直前にソラの部屋に残していった手紙の内容だ。この手紙について知っているのはソラとらんことベリィベリーに加えてましろ達だ。それ以外だとその手紙の内容について知っているのは書いた本人であるシャララだけである。

これが答える事が出来るか否かで目の前にいるのがシャララ本人と分かるのだ。

 

「……"立ち止まるなヒーローガール。また会おう"」

 

「ッ!」

 

その言葉を聞いてソラは思わず息を止める。先程言った内容はソラがシャララから貰った手紙と全く同じであった。そしてそれを言えたという事は目の前のシャララは…もう言うまで無いだろう。

 

「これはあの日お前に送った言葉だ。遺書のつもりで残した訳では無いがこうやって再び会えた事は私も嬉しいぞ」

 

「あ、ああ…グズッ、ジャ、ジャララだいぢょう゛っ!!!」

 

ソラは一度涙を流す事を我慢したが、これ以上の我慢は出来ず。崩壊したダムの水の如く涙を流しながらシャララへと駆け寄り、彼女の身体を抱きしめて本物であるという実感をその身で味わう。一方でシャララもソラを優しく抱きしめ子供をあやす様に頭を撫でる。

 

「そんなに泣くな。ヒーローになるんだろう」

 

「だって…だって…!」

 

泣き続けるソラに声を掛け宥めようとするシャララだがあまり効果は無い。それもその筈だ。死んだと思われていたシャララが五体満足で生きていた。ソラにとってこんな嬉しい事は無い。そのため嬉し涙を流すなと言われてもそう簡単に止められる訳がない。シャララもそれをわかっている様で暫くソラに胸を貸すのであった。

 

────────

 

それから暫くしてソラは泣き止み先程まで思いっきり泣いていた己自身に恥ずかしく思ったのか顔を赤くしている。

 

「その…先程はお恥ずかしい姿を…」

 

「気にするな。私もお前達に暫く姿を見せられずに心配をかけたからな」

 

先程まで泣いていた事に関してシャララは気にして無い事にソラはホッとするとある事を思い出す。

 

「そう言えばシャララ隊長は今まで何処にいたんですか?」

 

「ああ。その事だが、実はキメラングと言う奴にワシオーンと共に捕まっていた。ただ、先日奴等がアジトを留守にしている隙を見計らって脱出してこちらの世界に来ることができたんだ。とは言ってもこちらの世界での土地勘は無いせいで数日間彷徨ったがな。ワシオーンに至ってはこちらの世界では珍しい存在だから隠すのも一苦労したよ」

 

「キメラングのアジトに!?何かされませんでしたか!?」

 

あの爆発の後、行方をくらましていたシャララが今までキメラングに捕まっていたと聞いたソラ。彼女は驚くと同時にキメラングの性格からしてシャララの身体に何か変な事をしたのではと不安を抱きだす。

 

「捕まっていた間は奴に少し血を抜かれたり薬を飲まされてランボーグの相手をさせられたりしていたな」

 

「そ、それって大丈夫ですか?」

 

ソラは薬を飲まされたと聞いて嫌な想像をしてしまう。キメラングはマッドサイエンティストであり、捕らえていたシャララの身体を改造していたのではと不安になり恐る恐るソラは確認する。

 

「ああ、その事だが特に奴は私の身体を弄った様子は無い。薬に関しては飲んだ後はこれと言って身体能力に目立った変化が現れたという事も無さそうだ」

 

「そ、そうですか…」

 

特に身体は異常がないと知ったソラはホッと一安心する。取り敢えずシャララとワシオーンは無事であった事が分かるとソラはシャララに虹ヶ丘家に来ないかと提案する。

 

「シャララ隊長。取り敢えずましろさんの家に来ませんか?皆さんシャララ隊長の事を心配して…あっ」

 

「どうしたソラ?」

 

何か不安な顔を浮かべるソラが気になったシャララはソラに話しかける。

 

「実は…此処にくる途中でらんこさんに酷い事を言ってしまってて。…なんて謝れば良いのかわからなくて」

 

此処に来る前、らんこと話した際に彼女は自分達が探していたシャララは偽物かもしれないとソラの為を思って心配していた。それに対してソラはシャララに対する尊敬の念が強かった事もあって思わずらんこに対して暴言を吐いてから逃げる様に彼女の前から去ってしまった。ソラはその事を思い出し、この後どう謝れば許して貰えるかと不安になっていたのだ。

 

「らんこ…そうだらんこだ!」

 

「えっ、急にどうしたんですか?」

 

何かを思い出したかのように突然声を上げるシャララにソラは驚きの表情を浮かべる。

 

「すまない。実はキメラングがらんこを狙っていて彼女の身が心配なんだ」

 

「何ですって!?(あれ、それっていつもの事なのでは?)」

 

一瞬ソラは驚きかけるが、冷静になって考えたららんこは普段からキメラングに何かと狙われている事が多く。別に特に変わった事はないのではと考える。だが、シャララの様子からしてキメラングの所にいる間ただらなぬ事を聞いたのではと推測する。

 

「そのらんこさんを狙っているって具体的にどう言う意味ですか?」

 

「ああ、その事だが…っ、危ないソラ!」

 

「しゃ、シャララ隊長!?」

 

突然シャララがソラを突き飛ばし、突き飛ばされたソラもシャララの行動に驚き何故こんな事をしたのかと問い詰めようとした。その瞬間、ソラとシャララの間に上から一筋の光線が降り地面を焦がした。

 

「これはまさか!?」

 

「とうとう見つかったか」

 

「ウオーンッ!!!」

 

2人は光線が飛んできた空に向かって見上げると其処にはキメラングの操る複数のドローンが飛んでいたのだ。そして、そのドローンはソラとシャララに迫ってきてシャララは腰の剣を抜きワシオーンも鳴いて翼を羽ばたかせて威嚇する。

 

「来るなら来い!」

 

「シャララ隊長私も戦います!ひろがるチェ──」

 

ミラージュペンを取り出して変身しようとしたソラだがドローンの内一機がレーザーを放ちソラの持つミラージュペンを弾き飛ばした。

 

「しまった!」

 

「ソラッ!はあああああっ!!!」」

 

丸腰になったソラを先ず初めに排除しようとドローンが彼女に迫っていく。そのまま至近距離でレーザーを放とうとするが、そうなる前にシャララがソラの前に立つと一刀両断しドローンを破壊。だが、破壊した事でそのドローンの陰に隠れていた黒いドローンの存在に気づくのが遅れる。

 

「もう一機だと!?」

 

ドローンがもう一機側にあった事に驚くも、そこは流石の対応力と言うべきかすかさずシャララは燕返しの要領で黒いドローンを切り上げようとした。しかし、ドローンはそんなシャララの剣を避けてそのままシャララの頭に黒いヘルメットとして被さった。

 

「なっ、がああああああああっ!!!」

 

「シ、シャララ隊長!」

 

黒いヘルメットを被った途端悲鳴を上げるシャララにソラは彼女を心配する。

 

「オオオーンッ!!!」

 

ワシオーンも主人の苦しむ姿を見て彼女の元へと飛ぶが、同時に地面から大量の黒い何かが飛び出すとワシオーンの身体に纏わりつく。そのせいでワシオーンは身動きが取れず、地面に落下した。

 

「あれはバッタモンダーの黒いバッタ!?」

 

ソラが改めてワシオーンの身体に纏わりついている物を見るとそれは先日の戦いにてバッタモンダーが操る黒いバッタの群れであった。何故ここにそれがあるのかソラは疑問に思っていると其処に激しいエンジン音が鳴り響き工事現場に一台の車が入ってくる。

 

「変形!そしてヘルメットダンク!」

 

「お、オオオオオオオンッ!!!」

 

「なっ、ターボマン!?」

 

突如と現れた車……否、ターボマンは人型になると動けないワシオーンの頭にシャララが被った黒いドローンより二回りも大きなドローンを被せてしまう。ソラはそれを見てターボマンを止めようと足を動かそうとする。

 

「グゥ…ァァ…!」

 

「っ!シャララ隊長!大丈夫ですか!?」

 

しかしそれよりも苦しそうに呻き声を漏らすシャララに気付いたソラは心配して彼女に駆け寄り、肩に手を伸ばそうとする。

 

「ハアッ!」

 

「うわっ!しゃ、シャララ隊長何をするんです!?」

 

突然ソラに向かって剣を振ったシャララにソラは驚いて地面に尻餅をつきいてしまう。それからシャララに何故自分を攻撃したのか聞くがシャララは答えない。その代わりに剣を振り上げるとそのままソラに向かって振り下ろす。それを見たソラは防御や避ける間がない事を悟り、目を閉じて迫り来る痛みに堪えようとする。

 

(……あれ、痛みが…こない?)

 

だが、一向に痛みが来ないことに不思議に思ったソラは恐る恐る目を開く。

 

「危ない所だったわね…ソラ…!」

 

「ら、らんこさん…?」

 

其処にはキュアツイスターがテンペストバトンで剣を防いでいたのだ。ソラは何故この場にツイスターが居るのか疑問を抱く。その答えは恐らく先程のレーザーによる音やターボマンのエンジン音を聞いて駆けつけてくれたのだろう。

 

「らん…いえ、ツイスターありが…!」

 

助けてくれたお礼を言いかけたソラ。だが先程自身がらんこにやってしまった行動が脳裏を過り、途中言葉を止めてしまう。更によくツイスターの顔を見れば目が充血しており、先程まで泣いていた事が想像出来てしまったためソラは心を痛める。

 

「ソラ、何か言ったかしら?」

 

「い、いえ…そ、それよりも其処にいるシャララ隊長は!」

 

「言われなくても分かるわ。この感覚…忘れたくても忘れられない。仮隊員時代でしごかれた時と全く変わらないわッ!」

 

ソラは自身の心情が悟られない様に誤魔化す形で今対峙しているシャララは本人である事をツイスターに伝えようとする。その言葉を言い終わる前にツイスターは剣から伝わってくる力とプレッシャーによってシャララ本人であると見抜く。ツイスターはそれから力の限りシャララを押し飛ばすと落としたミラージュペンをソラに渡して話しかける。

 

「ソラ、シャララ隊長の頭に着けているあの黒いヘルメットって」

 

「はい、あのヘルメットを無理やり被されてシャララ隊長は私を襲い始めたんです」

 

ソラの説明を聞いてツイスターはかつてキメラングが並行世界にてその黒いヘルメット…否、ドローンを使ってひかるを洗脳した物と同一のものであると確信する。

 

「成る程…出てきなさいマッドサイエンティスト!あんたの事だから近くで見ているのはわかっているのよ!」

 

工事現場内に響き渡る様にツイスターは大きな声を上げる。すると何処からとも無く笑い声が響き渡ると鉄骨で作った骨組みしかない建物の上にキメラングとバッタモンダーが姿を見せる。

 

「どーもツイスター。言われた通り出てきてあげたよ」

 

相変わらず呑気に話しかけるキメラングにツイスターは少し苛立つも冷静になり彼女を睨む。

 

「よくもシャララ隊長を…しかもソラに手を出させるなんて悪趣味な事をしてくれるわね」

 

「ハハッ、お気に召してくれたかな?何せこの作戦はバッタモンダー君に提案した所彼も気に入ってくれたからね」

 

「本当、キメラングのえげつない作戦には感服するよ。お陰で良いもの見させてもらったよ」

 

キメラングの隣に立つバッタモンダーは先程までシャララがソラを襲う所を見ていた様でご満悦な表情を浮かべており、キメラングに拍手を送っていた。

 

「満足したなら早くシャララ隊長を元に戻しなさい!」

 

「あー、戻したいのは山々なんだけどバッタモンダー君が言うにはもっと見たいって強い要望を貰っててさ。無理なんだよね」

 

「その通り。僕としてはもっと君達が苦しむ所を見たいんだよ。……その中で特に君だよ、ソラ・ハレワタール」

 

「わ、私!?何故私を!?」

 

バッタモンダーから名指しされた事にソラは驚きの表情を浮かべる。何故自分の苦しむ姿を見たいのかソラは頭に疑問符を浮かべる。

 

「おや、心当たりが無いのかい?この僕がどんなに憎んでいるのか知らないって実に残念だなぁ」

 

「憎む?」

 

「そう言えば前に公園で恥をかいたとかいってたわね」

 

ツイスターはかつてバッタモンダーが初めてこちらの世界で戦う際にソラに対してただらなぬ恨みの感情をぶつけていた事を思い出す。

 

「本当に覚えてないのかい?…はぁ、仕方ない。なら思い出させてあげるよ。あれは大型ランボーグを使ってスカイランドを襲撃した日だった…」

 

そう言ってバッタモンダーは語り始める。

 

──────────

 

スカイランド上空に大型ランボーグが出現しスカイとプリズムが浄化しようと奮闘している頃、バッタモンダーは騒ぎに乗じてエルを攫うと城内に侵入していた。だが、エルのいる謁見の間にはとエルの他に王と王妃。護衛にはツバサとらんこが待機しておりバッタモンダー1人ではエルを攫う事は難しかった。その為キメラングにひと暴れして兵士たちを一掃し、ツイスターを連れ去って貰った。

ツイスターが居なくなれば恐れる物はなかったバッタモンダーは謁見の間に入ると既に満身創痍なツバサを簡単に倒し、エルを守ろうとした王と王妃も呪いで眠らせた。後はエルを連れて帰れば任務は達成になる筈だった。

 

『動くな!!!』

 

『ひぃっ!?』

 

だが、それを邪魔したのはランボーグの爆発によって外で気を失っていたはずのスカイだった。彼女はエルの泣き叫ぶ声を聞いて覚醒し、即座に駆けつけてバッタモンダーを牽制。その際バッタモンダーが見たスカイの顔は普段穏やかな彼女と比べ物にならない程気迫を感じさせる物で、バッタモンダーはあまりの恐ろしさに撤退してしまったのだ。

 

──────────

 

「それ以来ソラ・ハレワタール!俺はお前に復讐する事を誓ったんだよ!」

 

「そ、そんな事で私に復讐を…!?」

 

ソラに対して恨む動機を明かすバッタモンダーのその姿はまるで某伝説の超野菜人な息子を持つ何処ぞの親父ぃとそっくりであった。そんな動機を聞いてツイスターは呆れる顔を浮かべる。

 

「あんた…そんなくだらない事で八つ当たりって滑稽もいい所よ逆恨モンダー!」

 

「くだらなくねえ!あと誰が逆恨モンダーだ!?俺はバッタモンダー様だ!」

 

名前を間違えて呼ばれた事にバッタモンダーは思わず怒鳴りながら訂正する。そんなやり取りを黙って見ていたキメラングは軽く咳払いをすると自身に注目を集める。

 

「まぁ、そんな事はどうでもいいとして君達にはこれからこのシャララ隊長と戦って貰うよ」

 

「なっ、シャララ隊長と私達が!?」

 

「そんな事するわけないでしょう!」

 

キメラングの話に勿論ソラとツイスター達は付き合うつもりはさらさら無かった。

 

「良いや、君達には付き合って貰うよ。無論拒否権は無い!インストール、アンダーグエナジー!」

 

「グアアアアアアッ──ランボーグッ!』

 

「「シャララ隊長!?」」

 

キメラングはシャララに向かってアンダーグエナジーを放つとシャララの身体は大きくなり剣を携えマントを身に纏ったシャララボーグへと変貌する。

 

「ああ、そんな…シャララ隊長が…!」

 

「ぐっ…シャララ隊長」

 

シャララボーグとなったシャララを目の当たりにしたソラは絶望感を味わいツイスターはシャララボーグを見て悔しそうな顔を浮かべる。

 

「さぁランボーグ。いや、シャララボーグよ。ツイスター達と戦いを始めるんだ!」

 

「そうだ。特にソラ・ハレワタールを念入りに痛ぶってやれ!」

 

キメラングとバッタモンダーの指示を聞いたシャララボーグは剣を持つといつでも攻撃出来る姿勢を見せる。

 

「こうなったなら仕方ないわね。ソラあんたも変身s「シャララ隊長私です!戻ってください!」って、ソラ何やっているのよ!?」

 

ツイスターがソラに変身する様に言いかけるも、ソラは変身せず。それどころかシャララボーグの前に立ち必死にシャララボーグに呼びかける。対してシャララボーグは躊躇う事なく剣をソラに向かって振り下ろす。それを見たらツイスターがソラを抱えて走ると先程までソラが立っていた地面に剣が突き刺さり地面を大きく抉った。それを見てツイスターは肝を冷やすが即座にソラを叱る。

 

「馬鹿っ!丸腰で突っ込んでいくなんて死にたいの!?」

 

「すいません。ですが…」

 

ソラも己の行動が浅はかである事を理解している…理解しているつもりなのだが、やはりシャララへの説得を諦めきれず。シャララがランボーグになって自我が僅かでも残っているのではと思い無茶な行動をしたのだ。そんなソラの落ち込む姿にツイスターもこれ以上怒る気が失せる。

 

「…とにかく変身してシャララ隊長を止めるわよ」

 

「待ってください!」

 

「ソラ?」

 

そう言ってツイスターはソラが変身する間出来るだけシャララボーグの動きを止めようと先に戦おうとする。しかし、ソラはツイスターの腕を掴んで止める。ツイスターはソラが1人でシャララボーグと戦おうとする自分を心配して止めようとしてくれたのではとそう思ったが。

 

「あれはシャララ隊長ですよ!シャララ隊長に攻撃するつもりですか!?」

 

実際ソラが心配しているのはツイスターではなくシャララボーグと化したシャララであった。ツイスターは自分の事よりも敵になってしまったシャララを心配した事に思わずムッとなる。

 

「何言っているのよ!このまま何もせずシャララ隊長を助けず放置しろって言うの!?」

 

「そ、それは…」

 

ツイスターの発言にソラは反論出来なかった。幾ら元がシャララでも今はシャララボーグ。即ち、ランボーグとなったシャララを放置する事は出来ない状況だ。勿論ツイスターの言う事は正しい。だが、わかっていてもそう直ぐに呑み込めなかった。

 

「おやおや、敵を前にして喧嘩なんて呑気だね」

 

「こうして見ると君達の絆ってハムサンドのハム並みに薄っぺらい物の様だね」

 

2人が言い争う姿を見てバッタモンダーとキメラングは気分よく笑いだす。

 

「まぁ良いわ。別に戦いたくなかったら良いわよ。私1人で戦うから」

 

「あ、待ってください!」

 

ツイスターはソラの静止を振り切り一気にシャララボーグに向かって走り出す。対してシャララボーグは迫り来るツイスターに対して剣を振るがツイスターはそれを避け、シャララボーグの頭の高さまで跳び上がると足に風を纏わせる。

 

「シャララ隊長ごめんなさい!多少痛いかもしれないけど我慢してください!

 

謝罪をしながらツイスターはシャララボーグの頭部に向かって蹴りを放つ。だがシャララボーグは一歩下がって蹴りを回避すると剣を再びツイスターに向かって振る。

 

「させるかっ!」

 

迫り来る剣に向かってツイスターは咄嗟にマフラーを投げつけるとそれは剣の刀身に巻き付く。そのままツイスターはブランコの様に大きく動いて避け、距離を離したところで風の塊を作り出しシャララボーグへと放つ。だがこれはシャララボーグがマントを盾代わりにして防いでしまう。

 

「流石シャララ隊長ってところね。それならギアを上げていくわよ!

 

オーラを放ったツイスターはシャララボーグの周りを高速で動き回る。対してシャララボーグは動きが早くなったツイスターに目で追えず翻弄されてツイスターに背後を取られる。

 

「貰ったッ!」

 

今度こそ一撃を叩き込もうと一気に距離を詰めていきその勢いでツイスターは拳に力を込めるとそのままシャララボーグの背中へ放とうとする。

 

「ウオオオーンッ!!!」

 

「えっ、きゃあっ!」

 

だが、其処に洗脳されてしまったワシオーンが横から突っ込んできてしまう。彼女は咄嗟に体勢を変えたために直接命中はしなかったものの、ツイスターはその風圧で吹き飛ばされて地面に落下する。更に其処へ激しいエンジン音と共にターボマンが迫り来る。

 

「ターボタックルッ!!!」

 

「危なっ!」

 

轢かれそうになるも咄嗟に前転した事でツイスターはギリギリ轢かれずに済み、お返しと言わんばかりに風の塊をターボマンにぶつけようと両腕に風を纏おうとする。

 

「おっと、そうはさせないよ」

 

「なっ、これは!?」

 

だがその時、ツイスターの真下にある地面からの大量のバッタ達が現れてツイスターの四肢に纏わりつき彼女の動きを止めてしまう。

 

「どうだい?てっきり僕達は手を出さずシャララボーグだけが戦うとでも思ってたのかい?」

 

「ぐっ、この!」

 

必死に両腕を動かすも四肢に纏わりついたバッタ達はツイスターのエネルギーを吸収していく。そのため次第に彼女の抵抗する力は無くなっていく。

 

「さて、このまま僕が攻撃しても良いけどここはシャララボーグに任せるとするよ」

 

『ランボォーッ!』

 

シャララボーグは動けないツイスターに近づくと剣を振り上げてそのままツイスターに向かって振り下ろそうとする。

 

「ツイスター危ない!」

 

ツイスターのピンチに先程までシャララボーグと戦う事を躊躇っていたソラは意を決して変身しようとミラージュペンを構えるが。

 

「プリキュア・タイタニック・レインボー・アタック!!!」

 

『なっ!?』

 

其処へ巨大なプニバードと化したウィングがシャララボーグの頭上目掛けて降ってきてキメラング達はその声に驚く。それに対してシャララボーグは後方に跳んでウィングのヒップドロップを回避する。その隙にツイスターの元へ2人の人物が駆けつける。

 

「大丈夫かツイスター!」

 

「今助けるよ!」

 

「悪いわね」

 

ツイスターの元に駆けつけたのはプリズムとベリィベリーだ。2人はツイスターの身体についているバッタ達を全て引き剥がすと丁度元の姿に戻ったウィングとバタフライもやってくる。

 

「バタフライ!ツイスターの体力を回復させて!」

 

「任せて!パパッと回復させちゃうよ」

 

プリズムの頼みを聞いたバタフライは早速ミックスパレットを取り出すと回復の力でツイスターの失った体力を回復させた。

 

「助かったわ。皆んなありがとう」

 

「ううん気にしないで。寧ろもっと頼ってよね」

 

バタフライはツイスターに己をもっと頼ってと言う一方でベリィベリーは周囲の敵を確認する。見た所今回は敵の数が多く、加えて普段なら自分達が全員揃って相手をしているが今回は戦っていたのはツイスターだけだった。そこのため自分達が来るまで相手をしていた事を褒めようとする。

 

「それにしてもよくお前達だけでこいつらの相手を持ち堪えてくれた…ん?」

 

するとベリィベリーはシャララボーグの存在に気がつく。特徴からしてランボーグなのは間違いないが彼女はその姿に既視感を覚える。

 

「あのランボーグって何がベースになっているんだ?」

 

「見た感じマントに剣を持っているけど」

 

「なんだかまるで騎士っぽいね」

 

「ですがあのマントに剣…立ち振る舞いが気のせいかシャララ隊長に似ている気が…まさか!」

 

ウィングの言葉にベリィベリー達は嫌な想像をする。まさかだとは思うが目の前のランボーグは自分達が探していたシャララ隊長なのではと。

 

「ええ…あのランボーグはシャララ隊長なんです」

 

「なんだと!?どう言う事なんだ?」

 

目の前にいるランボーグの正体がシャララであるとソラから明かされた事にツイスターを除く一同は驚きの声を上げる。

 

「私の所為なんです…シャララ隊長は私を庇ってランボーグになって…!」

 

「ソラちゃん…」

 

悲しい顔を浮かべるソラを見てプリズムは彼女を心配する様な眼差しを向ける。だが其処にやや低めの声が響き渡る。

 

「それでなにか?お前はシャララ隊長と戦うのが嫌でツイスターに戦いを押し付けていたのか?」

 

『えっ?』

 

「べ、ベリィベリーさん?」

 

ベリィベリーの言葉に一同は唖然となりベリィベリーの顔を見ると呆れた顔を浮かべていた。

 

「全く、シャララ隊長がランボーグとなって助けようとせずツイスターに押し付けるとは…情けないな」

 

「ベリィベリーちゃん!?」

 

「ちょっと何を言っているんですか!?」

 

まるでソラと邂逅した時の様に冷めた対応をするベリィベリーにバタフライとウィングは思わず声を出してしまう。

一方でソラはベリィベリーの発言を聞いて何も反論しない訳がなく思わず口を開く。

 

「べ、ベリィベリーさんこそ…シャララ隊長と戦う事が怖くないんですか!?」

 

ベリィベリーもソラと同じシャララ率いる青の護衛隊の一員だ。それなら隊長であるシャララと戦うのに躊躇いがあるのではとソラは指摘するがベリィベリーは首を横に振る。

 

「確かに相手がシャララ隊長である事に多少の躊躇いはある…だが、何もせずただ見ているなんて事、私は絶対にしない!」

 

「なっ、あ…」

 

全く嘘偽りない気持ちをベリィベリーにぶつけられたソラは思わず言葉を失う。其処にベリィベリーが更に追い打ちをかけるかの様に口を開く。

 

「それにソラ…確か以前にツイスターがアンダーグエナジーによって暴走して止めるために戦ったと聞いた。ツイスターが相手の時は戦えたのにシャララ隊長は駄目とはどう言う事なんだ?」

 

「そ、それは…」

 

ベリィベリーに痛いところを突かれたソラは言葉を詰まらせる。今のシャララと以前アンダーグエナジーにより暴走したツイスターの状況は似ている。

だが、ソラは無意識にもツイスターよりシャララは大事な存在と思い込んでしまってシャララを傷つけるのは駄目であると己の中で決めつけていたのだ。

 

「ベリィベリー…気持ちは嬉しいけどソラにとってシャララ隊長は大事な存在なのよ。さっき私もソラに似た様な事を言ったけど、無理に強要するのは良くないわ」

 

「ツイスター…わかった。なら、シャララ隊長と戦うのが無理ならそれ以外と戦ってもらうからな」

 

ツイスターの説得によりベリィベリーはそれ以上ソラに何も言わなかった。一方でソラはツイスターに気を使わせてしまった事に心の中では申し訳ない気持ちが一杯になりそうであった。

 

「おーい、話し合いはそろそろ終わりでいいかい?」

 

「また律儀に待っていてくれたんだ」

 

隙は明らかにあったにも関わらず自分達に手を出さなかったキメラング達にツイスター達は視線を向ける。

 

「まぁ、こちらは戦力が増えてある程度の余裕が生まれたからさ。ハンデとして悪くないと思ってね」

 

「よく言うわよ。あんたこの前使ったアーマーが使えない癖して見栄を張ろうとするんじゃないわ」

 

アーマーが使えないと聞いてキメラングは一瞬驚いた顔を浮かべるもすぐに冷静の表情になる。

 

「へぇ、どうやら無くしたツイントーンは君達が持っている様だね。予め聞くけどツイントーンをこちらに返すつもりはないかい?」

 

「ある訳ないでしょ」

 

勿論ツイントーンを返すなんてする訳がない。キメラングは「そっか、残念」と言って素直に諦めた事にツイスター達は一瞬驚きの表情を浮かべる。

 

「…あんた。何か企んでいるの?」

 

前回の戦いで自分達だけでなくデリシャスパーティ♡プリキュア達も倒すほどの実力が備わったアーマーを使用できない事はキメラングにとって辛い…筈なのだ。にも関わらず態度が崩れない様子に怪しく思った。

 

「別に。アーマーはあくまでも戦う手段の一つに過ぎないからね。使えなければ別の手段を取る。戦いのセオリーって奴だよ」

 

キメラングの言葉に一同は警戒する。彼女はこれまで何かしら戦う手段を幾つか持っており、前回使ったアーマーが使えなくても彼女自身単独での戦闘は出来るのだ。

 

「それにほら、私達にはシャララボーグとそのペットがいるからね。アーマーの力を完全に補えるとは言えないけど、中々の戦力だと思わないかい?」

 

「無理矢理シャララ隊長達を洗脳している癖に…!」

 

シャララ達を貶すキメラングにソラは苛立ちを覚える。そんな彼女を見てキメラングはある提案をする。

 

「だったら私を倒してみるのはどうだい?洗脳ドローンは私の意思で動いているから倒す事が出来たら洗脳ドローンが壊れるかもしれないよ」

 

「なんですって!?」

 

キメラングの提案にソラは驚く。今のソラはシャララボーグとは戦う事が出来ない。でも、キメラングと戦って勝てればシャララ達の洗脳が解けて元に戻るかもしれない。だが、それはキメラングが言っているだけで嘘かもしれない。

 

(でも…それでも私は…!)

 

ソラが考えに考えた結果を口に出そうとした時、プリズムとウィングが話しかける。

 

「ソラちゃんキメラングの話に乗らないで」

 

「そうですよ。態々あんな事を言うなんて怪しいですよ。罠かもしれません」

 

2人だけでなくツイスター達も何かキメラングがよからぬ事を企んでいるのではと思っている。

 

「皆さん…ご忠告ありがとうございます。でも、私はシャララ隊長を戻せるなら僅かな可能性でも賭けます!」

 

『ソラ(ちゃん)(さん)!』

 

ソラは周りの静止を振り切るとキメラングの方に走り出しミラージュペンを構える。

 

「へぇ、やる気になった様だね。なら、戦いを始めようか!」

 

そう言うとキメラングはツインミラージュを取り出すと紫色の刀身を生やしていつでも戦える準備をする。対してソラは一瞬でキュアスカイへと変身する。

 

「行きますよキメラング!」

 

「かかってきなよキュアスカイ」

 

そう言ってキメラングはスカイを挑発すると彼女はキメラングに距離を詰めて拳を振るう。対してキメラングはツインミラージュの刀身で防いだことで衝撃音が響き、それが戦いのゴング代わりとなるのであった。尚、拳を防いだ際にキメラングの瞳の色が紫色に変化した事にスカイは気付かず。後にキメラングとの戦いが誤りの選択であると後悔するのであった。

 

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