ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第13話 決めろ!仲間の合体技!

 

「キュア…ツイスター…だって?」

 

そう呟くのはらんこ達がいる場所より少し離れた所のビルの屋上にいるキメラングだった。彼女は現在驚愕の表情を浮かべていた。

先程までカバトンの作り出したランボーグを見て手も足が出ないプリキュア達に落胆し、更には口喧嘩まで始めてその隙にランボーグに倒されそうになった時は"あっ、これはもう駄目だな"とプリキュアの敗北を確信し、これ以上データは手に入らないと考えて帰ろうとしたが、らんこのミラージュペンが引き起こす竜巻と彼女が変身するキュアツイスターの出現により、キメラングは驚きの顔を浮かべたのだ。

 

「まさか、あの一般人である彼女がプリキュアになるなんて……しかもさっきの竜巻のパワー……実に良いよツイスター!!!」

 

そう言うと彼女は白衣から黒い鏡を取り出し、更に三機のドローンを召喚する。

 

「君たちもこれから始まるキュアツイスターのファーストバトルをしっかり観察してデータを取ってくれ、勿論私は特等席で取らせてもらうとも!」

 

そう言って彼女はドローンを引き連れて戦場へと向かっていった。

 

─────────────

 

「これがらんこちゃんのプリキュア」

 

「キュアツイスター……」

 

「えるるぅ!」

 

目の前で変身したらんこにスカイとプリズムはその姿を圧倒されていた。エルも彼女が変身したのが嬉しそうに彼女の周りを飛ぶ。

 

「ま、まさかフード娘もプリキュアになるなんて…だ、だけど、俺のランボーグはTUEEEんだ!プリキュアが今更1人増えたからって結果が変わる訳はないのねん!」

 

『ランボーグ!』

 

「らんこさん!」

 

「危ない!」

 

先手必勝と言わんばかりに変身したてのツイスターに襲い掛かるが、ツイスターは逃げようとせず逆に前へ走るとそのままスライディングをしてランボーグの下に潜る。

 

「はああああああっ!!!!」

 

「ぐえええっ⁉︎」

 

『ランボォ⁉︎』

 

そのまま蹴り上げて宙に浮かせる。ランボーグに乗っているカバトンは下からの攻撃で思わず天井に頭をぶつける。

 

「もう一発ッ‼︎」

 

そう言うと追い打ちをかける様にツイスターは風を纏った拳でアッパーを決めると、そのままランボーグは吹き飛んでいき地面にひっくり返って倒れる。

 

「どうしたのよ豚男?それがあんたの本気?…強いって言った割には大した事なさそうじゃない」

 

「ぐ、初めて変身したからって……良い気になるんじゃないのねん!!!」

 

カバトンはランボーグを起こすと己を煽るツイスターを強く睨む。一方でツイスターはランボーグを見つめる。

 

(さっきは死角から攻撃してひっくり返せたけど……あまりダメージは入っていない様ね)

 

ランボーグに目立った外傷は無いが中にいるカバトンは割とダメージを負っているのを見えた。このまま攻撃を続けて内部にいるカバトンをグロッキーにさせてしまえばランボーグは動かなくなる。そうなれば後は自分達の技で浄化すれば良いと考えていると、

 

「「らんこさん(ちゃん)」」

 

「スカイ…プリズム…」

 

ツイスターの元にスカイとプリズムが駆け寄って来る。

 

「らんこちゃん大丈夫⁉︎何処か怪我していない?」

 

「いや、大丈夫…寧ろ力が有り余っていると言うか…」

 

自分の体に怪我をしていない観察するプリズムに若干困惑する。

 

「もう、らんこさんは変身したばかりなんですから1人で突っ走らないで下さい!」

 

「スカイ…今のあんたにそれだけは言われたく無いんだけど…!」

 

対してスカイの先程までの自身の行動を棚に上げたブーメラン発言にツイスターは思わず青筋を浮かべるも、視線をランボーグの方に戻す。

 

「まぁ、良いわ。所で2人とも良く聞いて…あの豚男は前にも言ったけど、私を目の敵にしているわ。プリキュアになったからなおのこと私に警戒しているわ」

 

「うん、だから私達がらんこちゃんを助k「いや、そうじゃ無いわ…」…え?」

 

「どう言う事ですか?」

 

ツイスターの発言の意味が理解できない2人は何なのかと彼女に問う。

 

「簡単に言えば私が囮になるから2人はその隙にランボーグを倒しなさい」

 

「「なっ⁉︎」」

 

ツイスターは現状この中で変身したばかりでまだ上手く力をコントロール出来ていない。さっきやった事だって、今までのスカイやプリズムの初戦闘時をおもいだして、割と最小限の力のみでやっていたのだ。その為、全然体力は消耗しておらず元の身体能力から格段に上がった自分ならランボーグの攻撃から避ける事は容易く、囮にうってつけと考えたのだ。

 

(変身したばかりでフルパワーでやるとどうなるかわからないから取り敢えず次はもう少し力をいれt「何を言っているんですか!?」……え?」

 

ツイスターが己の力について考えているとそれを遮る様にスカイが声を上げる。

 

「馬鹿な事を言わないで下さい!らんこさんが危険な目に合うなら私が囮をします!」

 

「いや、ちょっと待ってスカイ……この中で一番体力が有り余っている私が囮をやった方が合理的であるから……後、今はツイスターだけど…」

 

「そうだよ!またらんこちゃんが危険な目に合うなんて私も嫌だよ!」

 

「うん、プリズムもだけど少し話を聞いて……後、今の私はキュアツイスターだからせめてツイスターって呼んで……」

 

ツイスターが囮になると言い出すと、スカイとプリズムが彼女を止めようと言い争い。ツイスターも全く話を聞かない2人に最早お手上げ状態である。そんな中3人が言い争いをしているとランボーグは近くに停めてある車を持つと、

 

「戦いの中でよそ見をするなんて…間抜けなのねぇぇぇぇん‼︎」

 

『ラン…ボォォォグッ!』

 

「「しまっ⁉︎」」

 

スカイとプリズム飛んでくる車を見て、2人はツイスターの前に飛び出して彼女を守ろうとするが、

 

「フンッ!」

 

その時、ツイスターが自身の首元に巻いていたマフラーを解くとそれを飛んでくる車目掛けて振るう。するとマフラーは伸び、ムチの様にしなりながら車に巻き付く。

 

「はぁぁぁぁぁっ!!!」

 

「え、ぎゃぁぁぁぁっ⁉︎」

 

『ボオオオオオオッ⁉︎』

 

そのまま勢いを利用して投げ返し、カバトンの乗るランボーグに命中する。

 

「……はっ!す、凄いですよらんこさん!」

 

「そのマフラーってそうやって使うんだね……」

 

「えるるい!」

 

2人は彼女の行動に一瞬無心になるが、我を取り戻すとツイスターのマフラー捌きに感服する。エルもペチペチと軽い音を鳴らして拍手する。

対してツイスターは一見落ち着いた様に見え、冷静さを装っているが内心は動揺していた。

 

(言えない…つい反射的にやったけど、私のマフラーがこんな事出来る事を知らなかったなんて言えない……)

 

反射的にやってしまったが、ツイスター自身自分のマフラーがまるで身体の一部の様に操れる上にゴムの様に伸びるとは全く思っても見なくてついやったら出来てしまった。

それを2人に明かす事は今のツイスターはしたくなかった。何故なら自分に向ける眼差しが純粋に凄い人を見る様な目で見ている為、今更まぐれでしたなんて言える訳なかった。

 

「ゴホン…2人とも感心している暇があったら、今直ぐランボーグを倒すわよ」

 

「あ、そうでした!」

 

「うん、それならみんなで行くよ!」

 

ツイスターは話題を逸らすと、3人はランボーグに向かって迫る。

 

「ぐっ……甘いのねん。お前たちが3人ならこっちも数を増やすまでよ!連結解除!…なのねん!」

 

すると、カバトンは身体を起こすと操縦席にあるレバーを捻ると、ランボーグの身体が光ると、ランボーグは三体に分離し、宙を飛ぶ。

 

「ええええっ!?3体に分かれました!?」

 

「成る程……元が電車だから連結を外して分裂する事が可能なのね…」

 

「いや、冷静に分析している場合じゃ無いよ」

 

3人は上空を飛ぶ三体のランボーグにそれぞれ反応を見せていると、

 

『『『ランボオォォォグッ!!!』』』

 

「「「うわああああっ!?」」」

 

「えるぅぅぅぅっ⁉︎」

 

上からそれぞれ三体のランボーグが3人に向かって迫ってくる。3人とエルは慌ててその場から走り出す。

 

「どうしましょう⁉︎まさか、3体になるなんて思っても見ませんでした!」

 

「でも、これならもう囮なんて意味ないよね?」

 

「プリズム……呑気な事を…」

 

3人はそれぞれ街の中を走りながら会話をする。だが、一向に作戦は思い浮かばず、どうしたら良いかと悩んでいると、ツイスターはある場所に目がつく。

 

「ん…あれは?」

 

彼女の視線の先にあるのは一番最初にスカイが変身してランボーグと戦ったビルであった。それを見てツイスターはある事が思いつく。

 

「ねぇ、作戦を思いついたけど……聞いてくれるかしら?」

 

「え、何ですか?」

 

「教えて?」

 

「える?」

 

2人とエルはツイスターの言う作戦とは何なのか気になり、ランボーグから逃げているこの状況からでも2人とエルは彼女に耳を貸して作戦の内容を聞く。

 

「その作戦……上手く行くでしょうか?」

 

スカイはツイスターの作戦を聞くと成功する事が出来るかと不安になるが、

 

「大丈夫だよ。だって今までも私達はらんこちゃんのお陰で勝つ事が出来てきたんだから今回も上手く行くよ」

 

「ましろさん……」

 

「そうよ……あんたはいつもの様に勝つ事を想像していなさい…何せ正義が最後に勝つって言うのが定番でしょ?」

 

「らんこさん……」

 

2人からの励ましの言葉を聞いてスカイは胸の中に温かい何かが湧き上がる。

 

「それと、今はらんこじゃない……ツイスターって呼んで」

 

「っ!……はい、ツイスター!」

 

「わかったよツイスター!」

 

3人は話を終えると決心した表情を見せる。

 

「それじゃあ……作戦開始!2人ともあのビルの屋上で会うわよ!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

「える!」

 

ツイスターの掛け声にスカイ達は返事をするとそれぞれがスカイは右の道へ、プリズムは左の道、そしてツイスターとエルは前の道に別れて走り出す。

 

「な、お前たちも別れただとぉ!?ぐ、それならお前は右、お前は左なのねん!俺はこの先にいるフード娘とプリンセスを追いかけるのねん!」

 

『『『ランボーグ!』』』

 

カバトンは三つの道に別れたプリキュア達を追うため、それぞれ追跡する様に指示出すと三手に分かれる。

 

「待つのねん!プリンセスと共に止まるのねん!」

 

「やっぱり追いかけて来たわね!…エル捕まって、少し激しくなるわよ!」

 

「える!」

 

エルはツイスターの左腕の中に収まると、ツイスターはマフラーを外して近くのビルの屋上に向かって振るう。ツイスターのマフラーは手すりまで伸びていくと巻き付いてしっかり固定され、そのまま勢いよく手すりの方へ飛んでいく。

 

「んな、クソォッ!待つのねんこのフード娘!」

 

「だからツイス…ああ、もう良いわ。兎に角こっちまでついて来なさい」

 

カバトンがついて来ているのを確認すると、ツイスターは再びマフラーを振るい更に高いビルへ登っていく。その姿はまるで蜘蛛の力を宿したヒーローの如くビルとビルの間を飛んでいった。

そして、暫くしてツイスターは目的地であったビルの屋上へ着くと同時にスカイとプリズムもやって来た。

 

「2人ともランボーグは引き付けてきた⁉︎」

 

「はい!」

 

「勿論だよ!」

 

3人は互いに確認すると屋上の中央へ集まると、数秒してから3方向にランボーグがやってくる。

 

「ギャーハッハッハッ!最初別れて何をするかと思ったが、ただひたすら逃げるだけだったみたいねん!」

 

カバトンは3人を追い詰めた事に大きな笑い声を上げると彼女達をコケにする。

 

「さぁ、プリンセスをこちらに渡しな。そうすれば痛い目にに合わさずに済むのねん」

 

カバトンは最終通告としてエルを渡す様に言う。

 

「フン、あんたみたいな豚面の悪党の言う事を聞く義理はないわ!」

 

「チィッ!相変わらずムカつく奴なのねん!それなら潰れやがれ!!!プリキュアァァァッ!!!」

 

『『『ランボオォォォォォ!!!』』』

 

3人に向かってランボーグ達は押し潰そうと3方向から突っ込んでいく。

 

「今よ!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

ツイスターの合図にスカイとプリズムは返事をすると3人一斉にその場から高く跳ぶ。

 

「え、ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

『『『ラ、ランボォッ!?』』』

 

対象のプリキュア達がその場からいなくなった事にランボーグ達は互いに正面衝突してしまい、揉みくちゃになる。その上から3人が同時に攻撃する。

 

「「「プリキュア!トリプルキック!」」」

 

「グヘェェェェェ!!!」

 

『『『ボォォォォッ!!!』』』

 

3人の同時のキックがランボーグ達に命中すると、ランボーグ達はその場に崩れ落ちる。

 

「ぐぞぉぉぉぉ!やっぱり一体に纏めるのねん!連結!」

 

3体に分裂した事が不利と思ったカバトンは分裂したランボーグを連結させ、再び元の一体となる。

 

「更にアンダーグエナジー!フルパワー!」

 

『ランボーグ!』

 

ランボーグは宙に浮かぶと特急のマークから超特急へと変わり、全身から赤いオーラを放出する。

 

「どうしましょう……あの様子からして先程よりも強くなっていると思います」

 

「多分、私達の攻撃が通用するとは思えないしね……」

 

先程よりも明らかに強さが増しているランボーグにスカイとプリズムは不安になる。特にスカイの場合は最初の状態でスカイパンチをしたが効かなかった事を思い出し、更に今のランボーグには確実に効かないそう思っていた。

 

「大丈夫よ…さっきも言ったでしょ。最後は正義が勝つって」

 

「「ツイスター……」」

 

2人はツイスターの方に視線を向けると彼女は自信に満ち溢れていた。そんな彼女の顔を見て次第に2人の心に余裕が生まれつつある。

 

「あっちが合体…厳密には元に戻ってパワーアップしたのならこっちも合体するわよ」

 

「合体?」

 

「えったい?」

 

「ツイスター…一体何をするつもり?」

 

ツイスターの合体という言葉の意味がわからない2人とエルは首を傾げる。そんな彼女達にツイスターはカバトンに聞こえないくらいの小さな声で話をする。

 

「おい、また敵を前にして呑気に話とはやっぱりふざけているだろう!?……まぁ、良いのねん。どうせお前らには俺のTUEEEランボーグに勝てないからせめて最後の話でも楽しみな」

 

一方でカバトンは自分を放置してまた何か話をしている3人に対しせめてもの情けとして話をしている間は攻撃せず黙って見ていた。そして、3人は話を終えるとそれぞれ縦一列になる様に立つ場所を変える。

 

「ん、何をするつもりなのねん?……まぁ、今更何をしようとも俺のマックスパワーになったランボーグに勝てる筈無いのねん!行けランボーグ!」

 

『ランボォォォォォォォグッ!!!』

 

ランボーグは3人に向かって突っ込んでくる。

 

「2人とも準備は良い?」

 

「はい!」

 

「ええ!」

 

スカイとプリズムはツイスターに対して元気よく返事をする。

 

「行くよ、最初は私から、ヒーローガール…プリズムショット!!!」

 

プリズムは迫り来るランボーグに向かってプリズムショットを放つ。

 

「はん、今更そんな技効くわけないのねん!」

 

『ランボーグ!』

 

ランボーグがプリズムショットを両手で防ごうとせず、敢えてそのまま受けようとすると今度はスカイが動きを見せる。

 

「ヒーローガール……スカイ、パァァァァァァァンチッ!!!」

 

「うおおっ!?」

 

彼女のスカイパンチがプリズムショットの光弾ごと、ランボーグの身体にぶつける。

 

「はっ!一瞬驚いたが、お前たちの必殺技なんて通用しないと言っただろうが!ランボーグ突っ切れ!」

 

『ラン、ボォォォグ!!!』

 

「ぐ、ぐぅぅぅぅぅ!」

 

2人分の技を受けながらもそのまま突っ切ろうとする、スカイも自身の身体に残る力を振り絞ってスカイパンチを維持している。

 

「諦めるのねん!お前たちの負けなのねん!……ん?」

 

自分の勝利を確信しているカバトンはスカイとプリズムのやっている事は無駄な足掻きであると判断して、2人に負けを認めろと言うが、先程から辺りの風が強く吹いている事に気づく。

 

「風って……まさか!」

 

先程まで吹いていなかった風の存在に違和感を感じたカバトンはとある場所に視線を移すと、そこには宙に浮かびその場に身体を回転させて強力な風を纏っているツイスターの姿があった。

 

「待たせたわね……覚悟は出来てるかしら!?」

 

「んな、フード娘ぇ!?」

 

忘れていたツイスターの存在にカバトンは漸く気づいたが、時既に遅し、ツイスターは更に回転を強め高く上昇する。

 

「喰らいなさい!ヒーローガール…ツイスタァァァ、ストラアァァァァイクッ!!!」

 

其処から急降下して、ドリルを思わせる様なキックが2人の技と重なる様にランボーグの身体に命中する。

 

「「「はあああああああっ!!!!」」」

 

スカイの拳とツイスターの蹴り更にプリズムの光弾が重なり合っていくと、威力が増していきカバトンの乗る操縦席の窓ガラスにヒビが入る。

 

「ヒィッ!カバトントン‼︎」

 

「「「「いっけえええええええっ!!!!」」」

 

カバトンは咄嗟にその場から撤退するとスカイとツイスターはプリズムの光弾と共にランボーグの体を貫いた。

 

『スミキッター』

 

ランボーグが浄化された事により戦いによって出来た街の至る所に出来た戦闘痕跡が修復され、建物も道路も元の状態へと戻っていく。

 

「「ふぅ……」」

 

スカイとツイスターはランボーグが浄化出来た事を確認すると、安心したのか息を吐く。

 

「スカイ、ツイスター!やったね」

 

「えるぅ!」

 

其処へプリズムとエルがやってきて自分達は勝つ事が出来たと喜び、2人もその姿を見て釣られて笑みを浮かべると

 

 

 

 

 

 

 

「インストール、アンダーグエナジー!」

 

「「「え⁉︎」」」

 

突如辺りから響いて来た言葉に3人は呆気に取られると、次の瞬間頭に大砲を備えたランボーグが3人の目の前に現れる。

 

『ランボーグ!』

 

「ランボーグ⁉︎」

 

「もう一体いるなんて⁉︎」

 

「まさかカバトンがまだいるんですか⁉︎」

 

2体目のランボーグの出現に3人は咄嗟に戦いの構えをする。先程逃げたカバトンが隠れて2体目を使ったのかと3人は思っていると、

 

「そのランボーグは私の作り出した物だよ」

 

「「「ッ⁉︎」」」

 

彼女達の問いに答える様にランボーグの後ろから現れるのは黒い鏡を手に持ち、ドローンを引き連れるキメラングであった。

 

「誰ですかあなたは⁉︎」

 

「ランボーグを操っているって事はカバトンの仲間⁉︎」

 

「狙いはエルなの⁉︎」

 

カバトンでは無いランボーグを召喚する少女に3人は一斉に質問する。

 

「おいおい、一度に三つも質問をしないでおくれよ。少々戸惑うだろ?」

 

「あ、すいません!」

 

「スカイ何普通に謝っているのよ⁉︎」

 

反射的に謝罪するスカイにツイスターは思わず彼女にツッコミを入れる。

 

「フフ、プリキュアってのは強いだけじゃ無く中々のユーモアも持っている様だね」

 

「あ、それほどでも……」

 

「だからスカイなんで照れるの⁉︎」

 

キメラングに褒められた事にまたしてもスカイは反応して今度は照れてしまう。そんな彼女に対し今度はプリズムがツッコミをいれる。

 

「話を脱線させるんじゃないわよ!…結局あんたは何者なのよ!」

 

「おっと、申し遅れたね。初めましてプリキュアの諸君、私の名はキメラング…ドクター・キメラング!!!……まぁ、昔ある事をやらかして博士号は剥奪されてしまったから今は自称ドクターになってしまうけどね…プフッ!…受けるだろう」

 

「「「は、はぁ」」」

 

若干自虐とも思うネタで笑うキメラングに3人は思わず呆れた声を漏らす。そんな3人に「あ、後」と思い出したかの様に言う。

 

「同僚のカバトン君が世話になっているね」

 

「っ!やっぱりカバトンの仲間!」

 

「と言う事はやっぱりエルちゃんを狙っている⁉︎」

 

「エル!私達の後ろに隠れて!」

 

キメラングの口からカバトンの名前が出た事とランボーグを召喚した事で彼女がカバトンの仲間であると3人は認識すると戦いの構えを取る。

 

「君たち何か勘違いしている様だね」

 

「勘違い?」

 

キメラングの勘違いという発言に3人は眉を顰める。

 

「生憎だけど、私はプリンセス・エル捕獲任務から外されていてね……彼女を狙うつもりはさらさら無いのさ」

 

「嘘をつくんじゃ無いわよ!」

 

3人はキメラングがエルを攫わないなど嘘だと判断する。

 

「本当だよ……なんせ、私の狙いは…!」

 

しかし、当のキメラングはそう言うと視線をツイスターに絞ると笑みを浮かべた。

 

「君なんだからね!」

 

『ランボオオオオオオオオ!!!』

 

「え、ああああっ!?」

 

直後に一瞬で間合いを詰めてきたランボーグの不意打ちをツイスターはまともに受けてしまい、近くのビルの壁へ叩き込まれる。

 

「「ツイスター⁉︎」」

 

攻撃を受けたツイスターを見てスカイとプリズムは助けに行こうとする。

 

「おっと、手助けには行かせないよ」

 

『ラン……ボッ!!!』

 

「「うわっ⁉︎」」

 

ランボーグ手の大砲から何かを放つと2人の足に命中。その何かは謎の液体であり、それが足に掛かると液体は石のように固まった。

 

「な、何ですかこれは⁉︎足が動かせません!」

 

スカイは足を動かしたり、殴って破壊しようとするが全然ヒビが入らない。一方で自分達の足を固めた液体に恐る恐る触れるとそのざらざらした肌触りにプリズムは覚えがあった。

 

「これって…セメント⁉︎」

 

「ご名答、暇で作った玩具なんだけど中々の使い勝手が良くてね…まぁ、発明品の紹介をするのも良いけど私はこれから楽しい楽しい実験があるのでプリキュアを1人お土産に貰っていくよ」

 

そう言うとキメラングはランボーグと共に壁に叩きつけられたツイスターの元へ向かう。

 

「スカイ!プリズム!」

 

ツイスターは動けない2人を見て助けに行こうとするが、

 

『ランッボッ!』

 

「きゃぁっ!」

 

ランボーグの放つセメント弾がツイスターの両手と両足に当ると、彼女は四肢を壁に固定されて動かす事が出来ず、風を起こす事もできない。

 

「君の場合は風を纏って攻撃力を高めたり、その厄介なマフラーもあるからね。だから四肢を固定させて貰ったよ…まぁ、ラボに連れ帰ったらセメントは剥がすから安心してくれたまえよ♪」

 

「ぐっ……」

 

迫り来るキメラングとランボーグを見てツイスターはこのまま何も出来ず捕まるのを待つ事に悔しい顔を浮かべる。

一方でスカイとプリズムは何とか足を固定するセメントを壊そうとするが、

 

「ぐぅっ、私の力でも壊せません…!」

 

スカイのスカイパンチを使えば破壊は可能だと思うが、既に二度もスカイパンチを使用している為、もうスカイパンチをする気力はなかった。

 

「ツイスター…待ってて!今助けるよ!」

 

対してプリズムは自分達の拘束よりもツイスターに迫るランボーグを倒そうとプリズムショットの構えをする。

 

「ヒーローガール……プリズムショットォォォォォッ!!!」

 

プリズムから放たれたプリズムショットはランボーグの背中に迫る。このまま命中すれば浄化される……筈だった。

 

『ランボオッ!』

 

だが、ランボーグは迫るプリズムショットを振り向いて腕で弾き飛ばす。

 

「そ、そんな……⁉︎」

 

自分の残りの力を振り絞って放ったプリズムショットは難なくランボーグの腕に弾かれた事にもう自分達にはなす術もなく、このまま目の前で友達(ツイスター)が攫われていくのをただ黙っているしかないのかと彼女は絶望した。

 

「……諦めません!」

 

「え?」

 

しかし、隣にいるスカイの言葉にプリズムは反応する。彼女の目を見ると諦めている様子は無く何度も拳でセメントを殴って壊そうとする。

 

「私は諦めませんよ!ツイスターは……らんこさんは私達の大事な友達!その友達をみすみす攫われていく所を黙って見ていられません!」

 

「スカイ……」

 

スカイのツイスター(らんこ)を助けたい気持ちにプリズムは彼女に感化される。

 

「プリズムも諦めないで下さい」

 

「……うん!」

 

スカイの眼差しを見てプリズムは身体には残っていない筈の力が湧き上がってくる。

 

「「私たちがツイスターを……助ける‼︎」」

 

「える…」

 

エルは2人のツイスターを助けたいという姿を見て彼女たちの思いを感じたのか、エルの身体が光り出す。

 

「ぷいきゅあああああっ!!!」

 

すると、エルの両手から紫色の光が発せられる。

 

『ボルッ⁉︎』

 

「あの光は…エル⁉︎」

 

「なんだい、あの光は…?」

 

様子を見ていたツイスターとキメラング達も突然の光の出現に動揺を見せる。

一方でエルの手から放たれた光はスカイとプリズムの手の中に収まり、光が晴れると其処にあったのは自分達がプリキュアに変身する時に使うスカイトーンだった。

 

「これは…スカイトーン?」

 

「でも、私達の奴とは違うよ…」

 

ただしプリズムの言う通り先程エルから貰ったスカイトーンは自分達の持つ物とは異なり、青とピンクのツートーンカラーに真ん中には太陽とハートをイメージしたマークが入っていた。

 

「エルちゃんが今出したって事はツイスターを助ける事が出来るって事でしょうか?」

 

このタイミングからエルが作り出した事からこの状況を変えることが出来るのかとスカイは考えていると、プリズムが声をかける。

 

「やろうよ!この力でツイスターを…らんこちゃんを助けるよ!」

 

「プリズム……はい!必ず助けましょう!私達の友達を!」

 

2人はスカイミラージュのスロットにエルから貰った新たなスカイトーン…スカイストーンWシャイニングを嵌めると、マイク部分が回転する。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

二人がそう言って手を繋ぐと水色と桃色の光が頭上へと放たれた、それは巨大な円盤に形成される。

円盤から放たれる光線を浴びたランボーグとキメラングはそのまま円盤の方へと上昇していく。

 

「こ、この力は……不味い‼︎キメランラン‼︎」

 

身動きが取れず円盤に吸い込まれそうになったキメラングは慌てて、転移して回避する。そして残されたランボーグはそのまま円盤の中へ吸い込まれる。

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

ランボーグを吸い込んだ円盤の穴から大量の気流が噴き出していく。そして、円盤の中にいるランボーグは浄化される。

 

『スミキッター』

 

ランボーグが浄化されるとスカイ達を拘束していたセメントも消えて彼女達は拘束から解かれる。もちろんツイスターもだ。

 

「今のは……何だったの?」

 

ツイスターは2人が自分を助ける為に使った新たな技について考える。それは先程カバトンのランボーグを倒す為に自分達の技を合体させた時よりも威力が上な事に困惑の表情を浮かべつつも、2人の元へ向かう。

 

「スカイ、プリズム大丈夫?」

 

「「ツイスター!」」

 

「え〜る!」

 

スカイとプリズムとエルはやってきたツイスターに振り返る。

 

「はい、私達は大丈夫……と言いたい所ですが流石にへとへとです……」

 

「うん、私もこんなに疲れるのは初めてだよ……」

 

スカイとプリズムはその場で倒れ、もう彼女達には立つ気力すら無い事がわかるが、目立った外傷は無くツイスターは安心の息を吐く。

 

「2人とも……ありがとう」

 

残りの力を振り絞って自身を助けてくれた2人にツイスターは感謝の言葉を言う。

 

「まさか、私の予測を超えると……やってくれたねぇ…君たち…」

 

「「「っ!」」」

 

3人は聞こえた声を聞いて振り返ると其処には険しい表情で自分達を見つめるキメラングの姿があった。

スカイとプリズムは今動く事が出来ない。動けるのはツイスターのみで、彼女スカイとプリズムを守る様に彼女達の前に立つと首のマフラーを手に巻いていつでも戦える構えを取る。

 

「……ふふ…フッ、ハハハハハハハハハハハッ!!!!プリキュア!やっぱり私の目に狂いは無かったよ‼︎君達こそ私の研究…いや、人生を賭けた研究テーマに相応しいよぉ!!!」

 

「「「……え?」」」

 

狂った様に笑うキメラングは自身の作ったランボーグ倒した事に怒るのでは無く逆にその場でくるくると回り喜びを全身で表現する。

その姿を見て3人は思わず呆然となる。

 

「今日は沢山の戦闘データが取れたから帰らせてもらうよ。今後も君達の戦いを見させて貰うからよろしく!では、またね。キメランラン♪」

 

嵐の様に言いたい事を言って帰ったキメラング。彼女がいなくなって、数分間彼女達は立ち尽くしたままだった。

 

──────────

 

それからと言う物の漸く我を取り戻した3人は体力が残っているツイスターにスカイとプリズムを運び、近くのベンチに休憩を取っていた。その時は既に3人は変身を解き、近くの自販機で買ったドリンクを飲んでいた。

 

「……何だか今日は色々あったわね」

 

「「そうですね(だね)」」

 

らんこの発言に2人は同意する。今日は強いランボーグを引き連れたカバトンが街で暴れたり、らんこがプリキュアになったり、カバトンの仲間のキメラングとの邂逅……本当に色々あった。

ソラはらんこの方を時々チラチラと視線を移し、後ろめたい表情が見られる。どうやら、彼女を守る為に冷たい態度を取って泣かしてしまったことを気にしている様だ。

それからソラは軽く深呼吸をすると、らんこに向かって口を開く。

 

「その…らんこさん…さっきはごm「別に謝らなくて良いわ」

 

ソラが彼女に謝ろうとしたがらんこが止める。

 

「やり方はあれだけど、私を思ってやった事なんでしょ?……なら、謝る必要はないわ……逆にあんたが私の事を大事に思い過ぎて……はず、恥ずかしぃ…し…」

 

「え……すいません。最後の方はなんて言いましたか?…ところで顔が赤いですが、まさか風邪ですか⁉︎」

 

最後の方が聞き取れなかったソラは彼女に聞いて見るが、その時らんこの顔が普段と違ってフードで隠していない為、顔が若干赤くなっている事に気づき、ソラは風邪を引いたのかと思い込む。

 

「〜〜〜っ!!!だから、恥ずかしいって言ったのよ!!!この鈍感!!!」

 

「うええっ!?す、すいません!」

 

「あははは、2人ともすっかり元通りだね」

 

「えるえ〜る」

 

以前にも見た事がある2人の掛け合いに間近で見ていたましろは安堵する。

 

「全く……それよりもソラ…あんたは私とましろがプリキュアになった事をまだちょっと、責任を感じてるでしょ?」

 

「ええ……まぁ、まだ少し……」

 

「ちょ、らんこちゃん⁉︎」

 

このままいけば何事も無く話は終わりそうまた雲行きが怪しくなってきた事にましろは不安になる。

 

「けどねソラ…人って言うのは支え合って生きていく生き物なのよ。ヒーローも然り…仮◯ライダーだって、スー◯ー戦◯も強大な敵に対して1人じゃなく、"仲間"と共に戦っているのよ」

 

「仲間……ですか…」

 

(らんこちゃん……仮◯ライダーやスー◯ー戦◯も見ているのかな?)

 

ソラは彼女が発言した仲間と言う単語が少し気になったのか反応を見せる。

 

「そうよ…仲間がいれば1人で出来ない事だって出来るのよ……現に私達の力が合わさった事で豚男のランボーグを倒せたし、私が捕まった時だってましろと編み出したあの技で窮地を脱する事が出来たのよ……」

 

「確かに……そうですね……」

 

思い返してみるとそうだ。最初1人でランボーグに立ち向かった時は自身の技は通用せず、やられていた。だけど、プリズムとツイスターの協力であの強かったランボーグを倒す事が出来た事は仲間のお陰だった。

 

「っ、で…でも、自分の悩みが仲間の迷惑になったり、傷付けさせたりするのは……」

 

ソラは一瞬納得しかけるも、己の問題に仲間を巻き込んでしまうのはあまり良くないと2人に伝えようとするが、

 

「そう言う時はこうすれば良いんだよ……」

 

すると、ソラの隣にいたましろがソラの手を握る。

 

「ま、ましろさん?」

 

突然彼女が自身の手を握った事に動揺するも、彼女の手から伝わってくる熱にソラは心地よさを覚える。

 

「ほら、らんこちゃんもソラちゃんの反対側の手を握って……」

 

「何でそんな事……わかったわよ。ほら、手を貸しなさい」

 

「ら、らんこさんまで?」

 

ましろに言われたらんこであったが、彼女の意図を察してらんこはソラの空いている手を握る。

 

「どうかなソラちゃん、何か感じる?」

 

「な、なんでしょうか……こう、手から2人の熱が伝わってきて胸が暖かい感じがします」

 

「うん、それだよ。こうやって仲間…友達がいれば悩みを一緒に考えて1人じゃ思いつかない解決策だって思い浮かぶのよ」

 

「ましろの言う通りよ……悩みもそうだけど、幸せの場合は人が沢山いればもっと多く感じる事が出来るのよ」

 

1人よりも2人、2人よりも3人の方が多く分かち合い、それに伴い大きな辛い事も3人なら励まして気持ちを和らげ、力が掛け合わせれば3倍にもなる。更に幸せならその倍以上を感じる事が出来るのだ。

 

『みんな一緒にいればウルトラハッピーだよ!』

 

誰だコイツ?

 

「お二人とも……ありがとうございます」

 

「ううん、気にしないで私達は友達だから」

 

「そうよ…前にも言ったけどまた、困ったことが有れば言いなさい。今度は相談だけじゃ無くてこっちの方も協力するわ」

 

少し久しぶりな気がする知らない誰かの声が過ったが、らんこはソラ達に手に入れたミラージュペンをスカイトーンを見せる。

 

「ましろさん……らんこさん………はい、それなら私も困ったことが有ればお二人の事を友達として助けます」

 

「ええ……まぁ、出来たら困る事はあまり無い方が良いんだけど」

 

「はは、それもそうだよね」

 

らんこの皮肉にソラとましろは思わず笑った。そして、その後はましろがプリキュアが3人が揃った記念として近い日にパーティをしようと提案をし、ソラは勿論らんこも「仕方ないわね…」と言いつつも笑顔でましろの提案に賛成し、早速何か近くのケーキ屋に予約しに行こうとした。

 

「……ん、何かしら?」

 

その瞬間、突如らんこは自身のパーカーのポケットから謎の光が漏れている事に気づくと中に入っている物を握って取り出した。

彼女は手を恐る恐る開き、中の物を確認するとそれは彼女のスカイトーンが激しく光っていた。

 

「え、何がどうなっているの⁉︎」

 

「らんこさん?どうされましたかって、えっ⁉︎」

 

「ちょ、らんこちゃん何やっているの⁉︎」

 

2人はらんこの声を聞いてらんこの方へ向くと激しく光るスカイトーンを手にする彼女の姿に驚愕する。

 

「し、知らないわよ⁉︎私だってわからないわよ!……あ、そうだ!エルこれってなんなのかわかる⁉︎」

 

スカイトーンは元々エルが生み出した物だ。それならこれが何なのかエル自身わかっている筈と思ったらんこはましろの腕の中にいるエルに聞いてみる。

 

「えららい!」

 

「いや、知らないじゃ無いわよ!」

 

らんこの期待に反して知らないと言いかけたエルに思わずらんこは突っ込む。その間にも光は強さを増していき、光がらんこの身体を包み込む。

 

「ちょ、本当にシャレにならない程光って…きゃあっ!?」

 

「「ら、らんこさん(ちゃん)⁉︎」」

 

「えるぅ⁉︎」

 

あたり全体に広がる光にソラとましろとエルは思わず目を瞑り、暫くして光が晴れる。

 

「うう……一体何が起こったのでしょうか?」

 

「うん、私も分からない…あっ、らんこちゃん大丈夫⁉︎」

 

ソラとましろは目を開けるが先程まで目の前にいた筈のらんこの姿は何処にも無かった。

 

「ら、らんこさん⁉︎」

 

「何が、どうなっているの…?」

 

「える、ええるぅぅぅぅ!」

 

3人は目の前で消えたらんこにソラとましろは呆然となり、辺りにはエルの泣き声が響き渡った。

 

─────────────

 

らんこが消える数十分前、キメラングのラボでは彼女が作業台で何かを作り上げていた。

 

「いや〜、今日は前回よりも多めに例の素材手に入ったなぁ〜」

 

彼女の隣にはランボーグが浄化された際に現れるキラキラしたエネルギー体が入った瓶が置かれていた。

 

「まさか、プリキュアが最後の最後にあんな隠し技を持っていたとは私も予想外だったよ……ほんと、まさかの逆転されるとは、笑わざる負えないねぇ〜、ア、ハハハハッ!!!」

 

己のランボーグを倒したスカイとプリズムが放った技…アップ・ドラフト・シャイニングを思い出す。キメラング自体はプリキュア達の戦いを前回と今回くらいしか見ていないが、カバトンから聞かされた情報ではあんな奥の手とも言える技は無かった。

これは一本取られたと額に手を当てて思い出し笑いをするが、

 

「ハハ…ハ……いや、生み出したか…」

 

先程の馬鹿笑いから一変し、真面目な表情になるキメラング。思い出すのはツイスターを捕まえようとする時、彼女を助けるスカイとプリズムの気持ちに応える様にエルが新たなスカイトーンを生み出し、それを使ってランボーグがスカイとプリズムの合体技、アップドラフトシャイニングで浄化した事だ。

 

「私の予測を超える……無限の可能性……か……まぁ、そのお陰で新たなデータを得る事が出来たけどね…」

 

プリキュア達の自分の予測を超えた行動に無限の可能性を考えていると、その間にも作業は進み最後のネジを装置に締める。

 

「よーし、出来た。昔作ろうとしたけど使用するエネルギーが無くて断念したがこの前手に入れた素材をコイツの専用のエネルギーに変換すれば動く事は計算上可能だ……さてと、試運転と行きますか♪」

 

そう言うと何も無い場所に装置を向けると、赤と白の空間が広がる穴が出来上がる。

 

「ッ!…ふ、ふは、ハーハハハッ!!!やった‼︎成功だ‼︎」

 

装置が問題なく起動出来た事に新しい玩具を手に入れた子供の様にその場で大きくはしゃぐキメラングはその状態でフィンガースナップをすると、作業していたドローン達が一斉に彼女の元へやってくる。

 

「さて、早速この先にある未知なる場所に行ってみて前々からやってみたかった研究を始めるとしようか…いざ行こう。並行世界ってね♪」

 

そう言うとキメラングはドローンを引き連れて目の前に開けた異空間の穴へ入っていくと、穴は消滅して無人となったラボには静寂が漂っていた。

 




お知らせします。この度、BURNINGさんが執筆されている。ひろがるスカイ!プリキュア 〜太陽と雪の物語〜とコラボする事が決まりました。

コラボ相手の作品のURLを貼っておくので気になった方は是非読んでみてください。

https://syosetu.org/novel/330971/

次回も楽しみにしていて下さい。
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