ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第133話 グランvsツイスター…?

「はあああああっ!!!!」

 

「そらそらそらっ!!!!」

 

街には激しい戦闘音が響き渡る。その中心にはどちらも目も止まらぬ速さでぶつかり合うツイスターとグランがいた。しかし、厳密に言えばツイスターの方が早く動ける様に見える。

 

「どうしたのマッドサイエンティスト!あの時見せた速さが出てないじゃない!」

 

今のグランはかつて自分達とデリパ組を追い込んだ時と比べると動きが遅く見られていた。ツイスターはまた自分を舐めているのかと思い込み、それならばとあの時見せた速さを引き出すと言わんばかりにグランの背後を取り攻撃しようとする。

 

「おっと、そうは行かないよ!マグネコントローラー!」

 

「うわっ!?」

 

しかし寸前の所でグランはアーマーに装備した自身の発明品であるマグネコントローラーを起動。すると近くに止めてあった自動車がマグネコントローラーの放つ磁力によって勢いよく引き寄せられ、ツイスターは轢かれそうになるもギリギリの所を後退して避けた。

 

「クククッ、悪いけど君と同じ土俵に立って戦うのも面白いけど私は私流のやり方で戦わせてもらうよ」

 

「相変わらず、面倒な物を使って…!それならハリネズミにでもなってなさい!」

 

ならこちらもと言わんばかりに大量の剣と槍を作り出してグランに向かって飛ばしていく。しかし、グランは先ほど引き寄せた車を盾にすると車をツイスターの方に殴り飛ばす。だがツイスターは風の刃を纏わせた手刀で車を真っ二つ。その直後に車の影からグランが現れる。

 

「隙ありだよ!」

 

「なっ!?」

 

突然視界からグランが現れた事にツイスターは驚いて一瞬動きが鈍り、グランはその一瞬を見逃さずツインミラージュでツイスター身体に一刀を入れる。だが、切られたツイスターの身体は霧と化す事でダメージを無効化にする。

 

「あらら、やはり情報通り身体を霧にして攻撃を無効化する様だね」

 

「そうよ。あんたの攻撃なんて私に通用しないわ!」

 

そう言うと先ほど斬られたお返しと言わんばかりに今度はツイスターが霧で作った双剣で切り掛かっていく。

 

「今度は私の剣の切れ味をその身で味わいなさい!」

 

「悪いけど、君のその武器の攻撃力は気になる所だが痛いのはご遠慮するよ!」

 

そう言うとグランは次々と武器を作り使い捨てにするツイスターに対してグランはツインミラージュの剣に加えてドローンから放つレーザー、更には他の発明品を使っていき互角の戦いを見せる。

 

「どうしたんだい。その白い姿は出来損ないの武器を作る事とただ身体を霧にして逃げに徹するしかないのかい?なら、私の様にどれも一級品の発明品達には敵わないよ」

 

「言ってなさいマッドサイエンティスト。そうやって自分の作った物を過信するのがあんたの悪い癖なんでしょ」

 

隙を作ろうと戦いをしながら煽り合いを繰り出していく2人であったがどちらも自分達の企みに察している為、隙が出来ず中々ダメージを与えられない膠着状態が続いていく。

そんな中ツイスターの死角にドローンが現れて銃口を彼女に向けられ彼女に向かってレーザーが放たれようとする。

 

「気付かないと思っているの」

 

しかし、ツイスターはドローンの存在に気づいていた様でグランを相手しながら霧で作り出した槍を投げてドローンはそれが刺さって貫通すると爆散。それを見たグランは焦りの表情を浮かべる。

 

「おいおい勘弁してくれよぉ。私今収入源が0の上にラボに行けないんだから壊れたら修理するのに結構時間が掛かるんだよ」

 

「あら、それは良いことを聞かせてもらったわ。つまりあんたの操れるドローンはこの場にある奴だけって事ね」

 

うっかりと漏らしてしまった己の失言にグランは慌てて口を塞ぐも既に手遅れだ。そうなるとドローンや今グランが身に付けている装備を破壊すれば彼女は丸腰になる。そうなればツイスターの勝利は確定する。

 

「君は鬼か!?人が丹精込めて作った発明品の数々を容赦無く破壊しようとするなんて人の心とかないのか!」

 

「あんただけに言われる筋合いは無いわよ‼︎」

 

まるで何処ぞのドブカスの様な台詞を言うグランを他所にツイスターは全身に風を纏わせると一気にグランに距離を詰めようとする。対してグランはドローンを操ろうとするが彼女は反応が遅れてそのままツイスターの一撃にやられる。

 

「や、やられる!?…なんてね。ショックキャノン!」

 

「なっ、きゃあっ!」

 

しかし攻撃される寸前にグランはアーマーに装備してある装置を起動させると衝撃波が起こりツイスターを吹き飛ばした。吹き飛ばされたツイスターは宙を飛ぶがすぐに体勢を直して地面に着地する。

 

「ふむ、どうやらショックキャノンの放つ衝撃波は君に有効か。身体を霧へと変えられる君に効くかどうか怪しい所だったけどどうやら効いた様だね」

 

「効いたですって…こんな物ただ吹き飛ばすだけでダメージは0よ!」

 

そういってツイスターは今度は先程よりも速く動きグランに襲い掛かるが、グランはツインミラージュを使って彼女の攻撃を捌いていく。

そんな戦いを遠くから見ていたバッタモンダーは頭を抱えだす。

 

「おいおいおいやべぇぞ!ツイスターとキメラングが戦いをおっぱじめやがった!」

 

「ああ、そうみたいだな」

 

「いや、なんでお前は興味無さ気なんだよ!?」

 

何故が無関心なターボマンにバッタモンダーは思わずツッコミを入れる。目の前で始まった戦いにバッタモンダーは頭を抱えて悩み出す。片や行方知れずであったキメラング(同僚)が知らん内にイメチェンし、更には悪事から足を洗い(?)プリキュア達の仲間入りをしツイスターと戦っている。

 

(本当なら裏切ってあっちに着いたキメラングを倒すのが正解なんだがなぁ…)

 

これは一見すれば自分達に対する裏切り行為に見えるがひょっとしたら先日置いていったことに根を持って自分達への仕返しのつもりでやっているのかもしれなかった。

 

「何を悩んでんだよ。ドクターは裏切ってプリキュア側に着いたのは事実だろう。なら俺たちのやる事は裏切り者を排除する事だろう」

 

「お前…本当にキメラングの奴を見限ったんだな」

 

生みの親に対して情が全く無いターボマンにバッタモンダーは少し引いた。思えば先日グランを置いていく代わりにツイスターを迎え入れようと進言したのはターボマンである。ひょっとしたら日頃からの扱いに対しての不満が爆発して今に至ったのではとバッタモンダーは考える。

 

「はぁ、仕方ない…こうなりゃ裏切り者のキメラングを倒すか」

 

正直今まで援助してくれた事があって気が進まないものの、バッタモンダーは己の出世も掛かっている事から割り切った。そしてバッタモンダーはツイスターの援護をしてグランを倒そうと目論むとバッタを召喚しようとするがプリズム達が立ち塞がる。

 

「そうはさせないよ!2人の戦いの邪魔はさせない!」

 

「何だい?まさか君達、僕達と戦おうと言う訳?」

 

「そのまさかだよ!」

 

バッタモンダーの質問にバタフライは強く返事をする。現状ツイスターに攻撃を与えられるのはグランだ。それなら自分達はグランが戦いに集中出来る様に立ち回るべきだと判断したのだ。

 

「へぇ、戦うね……ぷっ、あーはははははっ!!!!」

 

「何がおかしい!」

 

そしてバッタモンダーは自分達と戦うと聞いて何やら笑い声を上げる。それを見たウィングは思わず笑う理由について問う。

 

「いやね、まさかだと思うけど戦う人数が丁度僕達と同じ数だから互角に戦えるとか思っていないかい?」

 

「それがどうした!我々は4人!お前達はシャララ隊長にワシオーンを含めれば数は4、丁度同じで互角じゃないか!」

 

確かにベリィベリーの言う通り敵味方それぞれの数が丁度同じだ。普通なら戦力的に互角と思うだろう…それはあくまでも"普通"ならの話だ。

 

「確かに人数は同じだ。でも君達の実力と僕達の実力の差を考えてもみなよ」

 

「実力の差?」

 

バッタモンダーの指摘にプリズムはイマイチ理解できてないのか聞き返す。

 

「君達はまだわからないのかい?前までの僕なら兎も角、今の僕は物凄く強くなっている。しかも僕1人で君達を追い詰めるくらいにね」

 

バッタモンダーの発言に否定はできなかった。確かに彼はこの前の畑での戦いの時に新たに得た力でプリキュアを追い詰めていた。あの時は何とか起点を効かせてアップドラフトシャイニングを使い、ギリギリ勝てたのだ。

 

「この前の様にアップドラフトシャイニングって技があれば何とかなるなんて甘い考えは捨てた方がいいよ。何せその技は君とキュアスカイがいないと使えない技だしね」

 

「「「「くっ!」」」」

 

痛い所を突かれてプリズム達は苦い表情を浮かべる。確かにこの場にはソラ(スカイ)が居ない為、前回の様な攻略法は使えないだろう。ウィングとバタフライの放つタイタニックレインボーは対象を巨体で潰すといった技である為沢山のバッタを一箇所に全て纏めない限り一度に浄化なんて出来ないのだ。つまり、バッタを1匹ずつしらみ潰しに排除するなんて気が遠くなる作業をしない限り現状彼女達に勝ち目は薄い。

 

「おいおい、ひょっとしてだがバッタモンダーだけが脅威だなんて思ってないか?だとしたらこの俺も舐められたものだなっ!!!」

 

「なっ、危ない!」

 

その時、バッタモンダーとの会話に夢中になっているプリズム達にターボマンがマフラーから火炎放射を繰り出した。プリズム達は突然の不意打ちにも関わらず咄嗟の判断で避ける事に成功するが、それが罠だとは気付かずそれぞれバラバラの方向に避けてしまう。

 

「お前達もいけっ‼︎」

 

「オオーンッ!!!」

 

「しまっ、があっ!?」

 

「「「ウィング!」」」

 

バラバラになった所を狙われてワシオーンに捕まってしまったウィングは遠くへ飛んでいく。それを見てベリィベリーは直様電撃を放ってワシオーンの動きを止めようとするがその前にシャララボーグが動き出す。

 

『ランボーグッ!!!』

 

「ぐあああああっ!!!」

 

「「ベリィベリーさん(ちゃん)!」」

 

今度はベリィベリーがシャララボーグが操る巨大な剣によって叩き出され、彼女は吹き飛ばされてビルの壁に激突する。バタフライもすかさずシャララボーグに攻撃を仕掛けようとシャララボーグの後頭部に向かって回し蹴りを放とうとする。

 

「おっと、そうは問屋は卸さないぜ」

 

「なっ、あんた!」

 

しかし其処にターボマンが割って入りバタフライの足を掴むと腕を振り上げて其処から勢いよく地面が減り込むくらいにバタフライの身体を叩きつけたのだ。

 

「ガハッ!」

 

「バタフライ‼︎」

 

ターボマンによって傷つくバタフライとビルに叩きつけられて痛む身体を庇いながら立ち上がるベリィベリーを見比べる様に見たプリズムはどちらを助けにいくかと悩み足を止めてしまう。

 

「仲間の心配かい?でも、自分の事も気にした方がいいよ」

 

「っ!?」

 

背後から聞こえてきた声にプリズムは咄嗟に振り返ると其処にはバッタモンダーが立っていた。プリズムは反射的にバッタモンダーに手を向けて光弾をいつでも放てる準備をする。

 

「おいおい落ち着いてよ。僕は君に攻撃するつもりは無いよ。何せ僕は優しいから争いは出来たら避けたいんだよ」

 

一体どの口が言っているとツッコミたくなるプリズムだが、バッタモンダーの操るバッタは凡ゆるエネルギーを食う。そのため下手に光弾を放ってもバッタ達が食べて強くなっていく為、攻撃することができなかった。

 

「君もこれでわかっただろう。僕達と君達じゃ力の差があるって、でも僕は争い事なんて血生臭い事は苦手でね。だから此処は平和的に解決をする為に一つ提案をしよう」

 

「提案?」

 

一体何を提案するつもりなのかと警戒しつつもプリズムは耳を傾けるととんでもない事を聞かされる。

 

「なに、別に難しい事を頼むつもりはないよ。ただ、プリンセスをこちらに引き渡して欲しいんだよ」

 

「なっ、そんな事出来るわけないでしょ!」

 

思わず声を荒げてしまったプリズム。バッタモンダーからエルの引き渡しを要求された彼女は当然それを聞くわけが無く、交渉決裂だと言わんばかりにすぐ様光弾を放とうとする。そのためバッタモンダーが「待て待て」と慌てる様子で再び止める。

 

「別にただで引き渡せなんて言わないよ。プリンセスをこちらに渡せばシャララ隊長とそのペットを元に戻す。それだけで無くツイスターもそちらに返してやるからさ」

 

「シャララ隊長と…ツイスターを…?」

 

提示された条件にプリズムは固まる。今自分達はツイスター達を取り返そうと奮闘しているつもりだ。しかし、誰も傷付かずに出来らたそれに越した事はないだろう。

 

「…因みに聞くけどエルちゃんを渡したらエルちゃんはどうなるの?」

 

「さぁ、それについては僕も知らない。なにせアンダーグ帝国では僕は悲しい事に下っ端だからね。どうするかは知らされていないのさ」

 

恐らくエルの力が目的とあればエルに無闇に危害を加える事は無いだろう。だが、それでもプリズムはエルを渡すつもりはさらさら無い。

 

「バッタモンダー、確かに私はツイスターとシャララさんを取り返したい。でも代わりにエルちゃんを渡すつもりはないから」

 

「…はぁ、全くこれだk「それに」…ん?」

 

一瞬バッタモンダーはプリズムが渡さない事に呆れるも続けて何か言おうとしている事が気になり耳を傾ける。

 

「エルちゃんの目の前で王様達に呪いを掛けた貴方を私は許さないから」

 

「……言いたい事はそれだけかい?なら話は終わりだ。此処からはいつものやり方で行こうか!」

 

王様の呪いの事を指摘された事にバッタモンダーは表情を変えずに足元からバッタ達を召喚するとプリズムに向かって襲わせ、対してプリズムは光弾を撃ち込んで迎え撃つ。

 

────────

 

その頃、グランとツイスターの戦いはまだ続いているがグランの身体は所々傷が出来ており肩で息をしている。一方でツイスターは傷は一つもなく息も安定していた。

 

「なによ、あんな大口を叩いていたのにこのザマなんてね」

 

「ふぅー、ふぅー…そんな事言わないでおくれよ。これでも精一杯なんだからさ」

 

そう言って強がりを見せるグラン。最初はツイスターをアーマーと発明品の力を駆使して追い込んでいたが、ツイスターは身体を霧にして攻撃を無効化する上にグランの肉体はかつてのキメラングと違い大幅にスペックダウン。そのため体力が大幅に減ってアーマーを完全に使い熟す事が出来ず、そこを突かれたグランはドローンや発明品をツイスターによって破壊されていったのだ。

 

「薄々思ってたけど、あんたやっぱりこの前と比べると弱くなっているわよね?」

 

「くくっ、何を根拠に言っているのかな?」

 

戦いの中でもツイスターは以前自分達を追い詰めた時と比べてグランが弱体化している事を察する。それに対してグランは悟られないように惚けようとするが、それは効果をなさなかった。

 

「惚けたって無駄よ。あんたの実力は私がよく知っている。そのアーマーは前使った時は私だけでなくその時その場にいたプリキュア達全員を圧倒していた。でも今はその時あった圧や力が感じないわ」

 

「ぐっ」

 

弱体化している事を完全に気付かれてしまった事にグランは顔を歪める。対してツイスターは怪しげな笑みを浮かべる。

 

「それで漸くわかったわ。なんであんたがこのヘルメットを執着しているのか…あんた今まで強かったのはこのヘルメットのお陰って事よね」

 

「ああ、認めたくないがその通りだ。それはハイスペックヘルメットと言ってそのハイメットを被った物は文字通り身体能力がハイスペックになり他にも幾つかの恩恵を与えてくれる代物だよ」

 

「ふーん、通りでこのヘルメットを被ったら調子が頗る良くてこんな風に前まで出来なかった事ができるのね」

 

そう言ってツイスターは霧で剣を作り出しまるで品定めをするかの様に眺め出す。

 

「だが、そのハイメットは製作者の私でさえ気付かなかった装着者を洗脳させるという恐ろしい機能があった。以前君達が洗脳されていると指摘されても私はそれは戯言であると認識する程強いものをね。そして今そのハイメットを着けている君は洗脳されているんだ」

 

「洗脳ね…まぁ、私は洗脳されていようがされてなかろうが関係ないわ。何故なら…」

 

身体を霧にしてツイスターはグランの前から姿を消すとグランは慌て彼女を探し出そうと周囲を見渡そうとする。しかし、直後に突然身体の動きが止まってしまう。グランは突然何が起こったのかと混乱しかけるも背後から気配を感じ、辛うじて首を動かして振り返る。そこにはアーマーの一部である両翼を掴んでいるツイスターの姿があり更にはグランの背中に足を乗せる。

 

「あんたを虐めるのに全く心が痛まないからねっ!!!」

 

「があああああっ!!!」

 

背中を思いっきり蹴飛ばされたグランは十数mも吹き飛ばされ、更には蹴られた際に両翼が引き千切られてしまったのだ。

 

「あんたには今まで散々色々とされてきたからね…これまでの分を此処から返してあげるわ」

 

そう言うと千切った翼をぶつけ合い火花を散らすと双剣の様に構えて地面に倒れているグランに向かってゆっくりと歩いていく。

 

「く…やはりと思ったけど、私は君にそれ程まで恨みを募らせていたか…まぁ、当然のことだろうね。これも私の罪の一つだから」

 

「何ぶつぶつと言っているのよ」

 

アーマーを破壊された事による現実逃避かとツイスターは考えるも直ぐにどうでも良いと判断してグランの前に立つと彼女に声をかける。

 

「じゃあ、これからあんたをコレで切り刻むつもりだけど、その際の命の保証は出来ないから遺言の様な物を聞いてあげるわ。一応聞くけど何か言い残す事はあるの?」

 

「ほう、これから私を惨殺する前にその様な事をしてくれるなんて優しいね……では一言いいかな?」

 

「何かしら?」

 

グランを斬る前にツイスターは彼女が最後に言う言葉を聞く為、耳を傾ける。するとグランは暫く黙っていると口を開く。

 

「他人の作った物には下手に触れない方が良いよ」

 

「はあ?何を言って…って、えっ!?」

 

すると先程までツイスターが持っていた翼は変形して2丁のキャノン砲になり更にはグランの纏っているアーマーにある緑色のラインが黄色へと変化する。

グランの変化した姿にツイスターは思わず呆気に取られて動きを止めると彼女が持っていたキャノン砲の砲口がツイスターに向けられてそこから電撃が放たれる。

 

「ああああああああっ!?」

 

「言っただろう。他人の作った物には下手に触れない方がいいってね」

 

強力な電撃を受けたツイスターは身体を霧に変えて無効化が出来ず痺れてその場で動きを止めてしまう。そしてグランは立ち上がるとツインミラージュをツイスターに向ける。

 

「さて、君はいま動けないのに対して私はちゃんと動ける。前までの私なら生殺与奪の権を握って君の身体を隅々調べたいという気持ちがあったが、今は正義の為!…なんて今までのやってきた事を考えるとらしくないけど君を助ける為に今からそのハイメットを破壊して君を洗脳から解いてあげるよ」

 

「ふ、ふざけた事を言うんじゃないわよ、マッドサイエンティストの癖に…!」

 

グランの発言に思わずツイスターは動かないほど痺れているにも関わらずグランを睨みつける。対してグランは怯まずツインミラージュを上段に構える。

 

「そんな睨まないでくれ。私は君を傷つけるつもりは無い。このツインミラージュの刃は目的の物だけを斬る様に設計してあるから君には一切傷つけない…では、覚悟したまえ!」

 

「っ!」

 

そう言うとグランはツイスターが動けない内にハイメット目掛けてツインミラージュを振り下ろす。対してツイスターは動けずそのまま一刀をそのまま受け入れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

かと思いきやグランはハイメットを斬る直前に動きが止まる。更にグランの口から血が流れる。

 

「ゴフッ…な、なん…だと…!?」

 

突然の吐血にグランは何が起きたのか直ぐ理解は出来なかったが、次第に脇腹から焼ける様な痛みをじわじわと感じ始めて恐る恐る視線を下す。其処には動けないはずのツイスターがグランの脇腹に手刀を突き刺していたのだ。

 

「ば、馬鹿な…き、君は痺れて動けない…そのはずだ…!」

 

「……悪いがこのハイメットは壊される訳にはいかないからな。抵抗させて貰った

 

「!?」

 

その時、こちらを見つめるツイスターが先程までの声色から喋り口調が大きく変化し瞳の色も赤から紫へと変化する。それだけでなく先程までツイスターが放っていた圧力とは全く違う重さを感じさせる。

 

「き、君は…何者だ…」

 

「ふむ、正直我が名を広めるのはあまり好みでは無いが貴様は元我が肉体だったからな。特別に名を聞かせてやろう」

 

「元我が肉体って…まさかお前は!?」

 

痛みに耐えながらもグランは目の前のツイスター…厳密に言えば彼女の身体の中にいる存在について気がつく。

 

我が名はパラサイア、アンダーグ帝国No.3の実力者だ

 

怪しい笑みを浮かべながら自身の名を語るツイスター…否、パラサイアにグランは息を呑む。

 

「ぱ、パラサイアだと…!まさか、君が私やツイスターの洗脳の原因…いや、ハイメットに寄生していた黒幕か!」

 

「流石は私の元肉体だ。私の正体に直ぐ気付けるその頭脳は相変わらずの物だな」

 

自分の正体を言い当てた事にパラサイアはグランを褒めるがグランはその言動が気に入らないのがパラサイアを睨む。

 

「黙れ!お前のお陰で私はこの50年もやりたく無い事をやらされてはらわたが煮える思いをしたんだ!50年分の恨み!今すぐお前が隠れているそのハイメットごと斬る!」

 

そう言うとグランはツイスターに蹴りを入れて脇腹から無理やり手刀を引き抜くも、その際に血が流れ激しい痛みに見舞われる。グランはどうにかそれに堪えながらパラサイアに向かってツインミラージュを振るう。しかしパラサイアはツインミラージュの刀身をあっさりと受け止めるともう片方の手に紫色のエネルギーを纏わせる。

 

「愚かな…身の程をしれっ!」

 

「なっ、がああああああっ!!!!」

 

パラサイアの放った手刀により胴体を大きく切られたグランは数十m吹き飛ばされ地面に力無く倒れるのであった。

 

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