ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第134話 助けにくる友達

「ぐう…くそっ…!まさか…こんな事になるなんて…!」

 

地面に力無く横たわり苦痛な表情を浮かべるグラン。身体には脇腹から出来た穴と胸を大きく抉った傷口があり、そこから血がドクドクと流れていくと血の水溜りを作っていく。その血は止まらず、どんどんと血の水溜りが大きくなるとグランの視界は霞んで意識はなくなりつつあった。

そんなグランの元にゆっくりとツイスターの肉体を乗っ取ったパラサイアが近づく。

 

「お前にはこの50年間私の肉体としての役割を果たしてくれた。そして新たなこの肉体を手に入れた事で用済みと化したが、50年間役割を全うしてくれた礼に痛みを与えずに楽にしてやろうか」

 

「ふぅ…ふぅ…ふざける…なっ!」

 

大量の出血によりグランは力の入らない腕を何とか動かしながら拳銃を取り出し、パラサイアに向かって引き金を弾くが放たれた弾丸は大きく外れて後方に停車してあったタンクローリーのフロントガラスを破る。

 

「血を流し過ぎて狙いを定められない様だな。だが、最後に命乞いをせず攻撃しようとする精神は中々なものだ。先程は楽にすると言ったがそれはやめだ。代わりにお前をランボーグにして生かしてやろう」

 

そう言うとパラサイアはグランにアンダーグエナジーを注ごうと手を向ける。もはや逃げる事も出来ないグランはこのままランボーグにされてしまう…その筈なのだが、彼女体が重傷にも関わらず笑みを浮かべる。

 

「はあ…はあ……い、いいや…悪いけどぉ、ランボーグは間に…あってる」

 

「何を言っt『ランボーグ!』なに?」

 

するとパラサイアの背後からタイヤと地面が激しく擦れる音が響き、パラサイアは後ろを振り返ると其処にはランボーグと化したタンクローリーが迫ってきていた。

 

「ツイスター…怪我は後でバタフライに治してもらってくれ…自爆しろ、ランボーグ」

 

『ランボオオオオオオオオオオオオグッ!!!!』

 

命令を受けたランボーグはパラサイアの至近距離まで来ると身体が膨張。グランがいるにも関わらず、周りの建物を吹き飛ばす程の大爆発を引き起こすのであった。

そして爆発によって起きた煙と炎が晴れると其処には無傷のパラサイアの姿があった。

 

「最後の最後にランボーグを使った自爆特攻とはな…科学者にしては中々の骨のある奴だった」

 

そう言うとパラサイアは先程までグランが居たところに視線を向けると其処には勿論グランの姿は何処にも無い。残っているのは血の痕だけだ。それを確認してパラサイアはその場を去ろうとするが、近くに足音が聞こえて思わずそちらに視線を向ける。ひょっとしてグランが渋とく生きていたのかと期待を抱くが、その期待は打ち砕かれる。

 

「ほぉ、あの爆発で生きて…お前は…!?」

 

其処には確かにグランがいた。しかしそのグランは気を失っており、ある人物が彼女を抱えていたのだ。その人物はパラサイアにとっても意外な人物であった。

 

────────

 

一方で少し時間は戻りパラサイアから離れた場所ではウィングとワシオーンが街の中を飛んでいるがウィングはワシオーンに追いかけられている状態だった。

 

「オオーンッ!」

 

「くっ、速い!」

 

猛禽類特有の鋭い爪が光り、ウィングを獲物と見て彼に襲い掛かるワシオーン。だがウィングは小回りが効くことを活かして寸前の所で回避する。しかしワシオーンはウィングを執念深く追いかけて諦める様子はない。

 

(さすがはシャララ隊長のワシオーンだ。空中戦に長けている)

 

追い詰められながらもウィングはワシオーンを称賛する。ワシオーンは後から飛べる様になったウィングと違い生まれながらにして空を飛ぶ戦士だ。これまで彼も相棒のシャララと共に幾つもの戦場にも赴いていた。その為、ウィングとは空中戦に大きな経験の差があるのだ。

 

「でも、僕だってプリンセスのナイト、キュアウィングだ!」

 

こちらも負け時と周りのビルを利用して自身の存在を隠し翻弄しようと動き、更にはビル風を使いワシオーンの機動力を上回り加速する。そのお陰もあってかウィングは後方を見るとワシオーンの姿がいないのを確認した。

 

「よし、何とか撒けた。今度は僕がワシオーンの背後を取って─」

 

背後を取ろうと考えたウィングだが近くのビルの壁から何かが突き破って出てくる。それは先程撒いたと思っていたワシオーンであった。どうやらワシオーンはそのパワーでビルを突き破り、ショートカットする力技をしてウィングに迫ったようだ。

 

「なっ、がああああああっ!!!」

 

そしてウィングは突然の出現により思わず動きを止めてしまいワシオーンの足に捕まってしまう。そのままウィングはビルの壁に押し当てられ、そのまま反対側のビルまで投げられてしまう。これによってビルの壁に叩きつけられそうになるウィング。しかし、彼はビルに激突する寸前の所で止まる。

 

「はぁ、はぁ、危なっ「オオオオオオオンッ!!!!」って、うわあっ!?」

 

しかしワシオーンは休む間も与えずにウィングに向かって突進。ウィングはそれを咄嗟に避けるとワシオーンはビルに衝突。この影響で体の半分がビルに埋もれるが、直ぐに抜け出す。しかし、その際ビルの破片がワシオーンの身体に突き刺さり傷つけてしまう。その姿を見たウィングは思わず声を上げる。

 

「もうやめるんだ!それ以上動いたら怪我が余計に酷くなる!」

 

「オオオオオオオンッ!」

 

先程もそうだがワシオーンは己の身体が傷ついても戦うのをやめようとしない。戦いをやめる時は相手、つまり今戦っているウィングを倒した時になる。

 

「こうなったら仕方ない。力強くでも止める!はああああああっ‼︎」

 

「オオッ!?」

 

言葉での説得が無理と判断したウィングはオーラを纏うと先程よりも早く飛ぶ。対してワシオーン再び追いかけるがウィングの速さは先程の数倍も上がっており一瞬でワシオーンの背後に回り込んだ。

 

「一撃で気絶させる!ひろがるウィング─」

 

ウィングアタックを決めようとするウィングだがその時遠くから大きな爆発音と共に煙が立ち上るのに気がつく。

 

「何だあの爆発h「オオオオオオオンッ!!!!」あがっ!?」

 

突然起こった爆発に思わずウィングアタックをキャンセルしてしまい、それをチャンスと捉えたワシオーンはウィングに向かって思いっきり己の翼で彼を地面に叩き落とした。落下するウィングは何とか地面への衝突を避けようとするが、其処に追い打ちをかける様にワシオーンが足でウィングの胴体を捕まえるとそのまま急降下して地面に叩きつける。

 

「がはっ!」

 

受け身もできず地面に叩きつけられたウィングは全身の痛みと共に肺に溜まっていた空気を強制的に排出する。そしてワシオーンは動けないウィングに向かって己の鋭い嘴を向ける。

 

「ぅ、動けないっ!」

 

嘴を向けられたウィングは不味いと感じ、急いで抜け出そうとするが自身の力を持ってしても抜け出せず。更には脚でしっかりと身体を押さえつけられてしまっている為手足も動かせず防御する事もままならなかった。

そしてワシオーンは動けないウィングに向かって鋭い嘴を一気に突きつけ、ウィングも思わずやってくる痛みに少しでも堪えようと目を閉じる。

 

「……あれ、痛くないぞ?」

 

しかしどういう事か痛みがやって来ずそれどころか攻撃を受けた感じもしない。一体何故なんだと疑問に思い恐る恐る目を開けると其処にはギリギリ嘴が顔の数cm手前まで来ており、ウィングは驚くも直ぐにその嘴がエネルギー状の縄に縛られて動けない事に気がつく。

 

「これは…縄?」

 

「違うよこれは麺だよ」

 

「めん?…って、あなたは!?」

 

ウィングの疑問に答えるかの様に声が聞こえウィングは聞こえてきた方向に視線を向けると其処にいた人物を見て思わず驚きの声を上げる。

 

────────

 

そして同時刻、ウィングの所から少し離れた場所ではバタフライもターボマンと戦闘を繰り広げている。

 

「そらよ!」

 

「おっと!」

 

ターボマンはホイールをバタフライに投げるが彼女は飛んで避け、その状態からターボマンの頭を潰さんと言わんばかりにかかと落としを繰り出す。

 

「はあああああっ!」

 

「効かねえなぁっ!」

 

しかし、ターボマンは腕で防ぐとバタフライの足を掴もうとする。そのためバタフライは素早く後退して唇に指を添える。

 

「だったらこれはどう!」

 

今度は投げキッスを放つがターボマンはそれをマフラーから放射する火炎で投げキッスを爆発させ、周囲が爆煙に包まれる。

 

「やばっ、これじゃ視界が見えないじゃん」

 

目の前が煙で覆われてしまったことでターボマンの不意打ちが来ると恐れたバタフライは不意打ちを避けようとその場から高く跳び上がる。

 

「読めてるぜ。お前の行動はよぉ!」

 

「きゃあああっ!」

 

しかし、ターボマンはバタフライの動きを読んでいた様で彼もまた跳び上がってバタフライを殴り飛ばす。これにより彼女を地面に叩きつけると更に追い打ちを掛けるために跳び膝蹴りを放つ。バタフライはこれに対して横に転がる事で蹴りを避けた。

 

「逃がすかよ!」

 

「もう、しつこいな!」

 

今度は連続で拳を振るうターボマン。バタフライはそれを後退して避ける。だが、何度も避け続けていると電柱にぶつかり動きを止めてしまう。

 

「追い詰めたぜ!」

 

これ以上後退は出来ず追い詰めたと確信したターボマンは拳をバタフライ目掛けて大きく振るう。しかし、バタフライは拳がぶつかる直前しゃがみ込み拳を回避。そのままターボマンの股の間をスライディングして通り抜けて後ろに回り込んでからターボマンの膝裏に向かって回し蹴りを放つ。

 

「はあっ!」

 

「おっと、そうはいかねえぜ!」

 

「なっ!?」

 

回し蹴りが膝裏に直撃する直前、ターボマンのマフラーから大量の排気ガスが噴出。バタフライはそれをモロに浴びてしまい咳き込んで動きを止めてしまう。

 

「ゲホッ、ゴホッ!またみえっ「そら、ホームランだっ!」あああっ!?」

 

その場で立ち尽くすバタフライにターボマンは側の電柱を引っこ抜くとそれをバットのように大きく振りバタフライを吹き飛ばした。吹き飛ばされたバタフライは地面に数回バウンドしてから倒れ、その後何とか立ち上がる。

 

「なんだ、まだ立ち上がるのか?」

 

「あったり前でしょ!他の皆んなも頑張っているのに私だけリタイアする訳にいかないよ!」

 

このまままともに戦ってもターボマンに勝てるヴィジョンが見えないバタフライは自身を強化しようとミックスパレットを取り出した。

 

「二つの色を一つn「そいつはやらせねえよ!ターボタックルッ!!!」きゃあっ!!!」

 

しかしターボマンはそれを妨害する様にバタフライにタックルを決めるとその衝撃でバタフライは吹き飛ばされ、手からミックスパレットが落ちてしまう。ミックスパレットを使用する時は時間が少し掛かる事で隙が出来てしまう弱点がある。今までは仲間達が使用時に己を守ってくれたが、今回は追い詰められて焦ってしまったためバタフライが普段と同じ様に使ってしまうというミスを犯していた。

 

「悪いなぁ、お前が使うその力は俺が初めて戦った時にも苦しめられたからな。あの時の屈辱はもう味わうつもりはないぜ」

 

己の初戦闘にて逆転負けした時の事が過ぎるターボマンからは絶対にミックスパレットを使わせないという強い意思が感じられる。対してバタフライは強烈な突進の痛みを堪えながらも立ち上がりミックスパレットの元に走り出す。

 

「くっ、ミックスパレットを!」

 

「おっと、取らせはしねえぞ!」

 

「あっ!」

 

ミックスパレットを回収しに行こうとしたバタフライだがそれよりも早くターボマンはミックスパレットを取り上げると装甲を開き、その中に仕舞い込んだ。

 

「ちょっと返してよ私のミックスパレット!」

 

「返す訳ねえだろ!さっきも言ったがお前にこの力を使わせたらまた負けるかもしれないからな。こいつは没収だ!そして今度こそ倒れて俺の白星を寄越しやがれ!」

 

そう言うとターボマンは再びバタフライに突進を繰り出す。対してバタフライは自身の前に何枚も重ねたバリアを作り出す。

 

「無駄だ!例え何十枚重ねても俺のターボタックルは止まらねえよ!!!」

 

自信満々にターボマンはバリアを粉砕しながら突進。最後の1枚もそのまま突き破るとバタフライを吹き飛ばそうとする。だがその直後にバタフライは高く跳び上がる。

 

「なにっ!?」

 

「前ばかり見て上がお留守だよ!ひろがる!バタフライプレスッ!!!」

 

突進を避けて隙だらけとなった背中に向かってバタフライは自身の技であるバタフライプレスを繰り出してそのまま押し潰そうと迫っていく。

 

「甘えな!お前の技のデータは俺の電子頭脳に入っているんだぜ!」

 

そう言うとターボマンはマフラーから炎を噴かし、更に激しくエンジン音を響かせるとバタフライに向かって跳び上がり拳にエネルギーを溜める。

 

「アクセル全開!ターボナックルッ!!!」

 

エネルギーが溜まった拳をバタフライのバリアに向かって叩きつけると全体的にヒビが入る。バタフライは一瞬驚きの顔を浮かべるも直ぐに力を入れて対抗するが。

 

「ぶち破れろッ!!!」

 

「な、あああああああっ!!!」

 

そのままターボマンは己の拳でバリアを突き破りバタフライを殴り飛ばしたのだ。そしてバタフライはそのまま近くにあった車のボンネットに叩きつけられる。そしてターボマンは苦痛の表情を浮かべるバタフライを見てほくそ笑む。

 

「さぁて、どうやら今日という今日は俺が得る初の白星の様だな。まっ、本音を言えば全員纏めて相手にして俺の実力を知らしめたかったけど、そんな贅沢な事は言えないな」

 

「一気に決めるぜ、俺の勝利のロードをよぉ‼︎」

 

己の勝利を確信したターボマンは動けないバタフライに向かって走り出し拳を振りかざす。一方でバタフライは何とか攻撃を防ごうとバリアを貼る。

 

「またそれか!良い加減学習しな!お前のバリアは俺の力の前では無意味だってなぁ!」

 

そう言うとターボマンはバタフライが作り出したバリアごと彼女を叩き潰そうと拳を振るうがその直後ターボマンの左右から何かが出現しターボマンの身体を押し潰す勢いで挟み込んだ。

 

「ぐおおおっ!?な、なんだぁ、こいつはぁ!?」

 

「え、突然なに?」

 

先程まで己の絶体絶命のピンチだった筈が突然ターボマンが何かに挟まれて悲鳴を上げた事に放心状態になるもターボマンの身体を挟んだ何かを見てふと気付く。

 

「あれ、もしかしてこれって…パン?」

 

「ええ、そうよ」

 

するとバタフライの言葉を肯定するかの様にその場に声が聞こえ、バタフライは反射的に聞こえてきた所に視線を向ける。

 

「えええっ!?なんでここに!?」

 

すると其処に立っていた人物を見てバタフライが驚きの表情を浮かべる。

 

────────

 

「はああああああっ!!!」

 

一方でこちらではプリズムとバッタモンダーが戦っており、プリズムは自身の光弾をバッタモンダーに向かって放つが無力化されていた。

 

『ギチギチッ!』

 

「どんどん食べるんだよ。僕のバッタ達」

 

それは戦い始めてからプリズムはバッタモンダーに攻撃をしているも全ての光弾をバッタ達が貪り食ってしまっていたのだ。バッタ達の食欲は今も止まらず次々と撃ち込んでくるプリズムの光弾を食っていた。するとその光弾は暫く経ってピタッと来なくなる。

 

「どうしたのかな?もしかして餌やりの時間は終わりかな?」

 

「くっ」

 

自分の攻撃を餌やりと称した事にプリズムは少なからず悔しさを覚える。自分は必死に戦っているのに対してバッタモンダーは自身の放つ光弾を全く脅威と思っておらず、それどころか使役するバッタの餌としか認識してなかったのだ。

 

「さて、こいつらにやる餌がなかったらもう君を倒しても良いよね。という訳でプリズムのエネルギーを全て喰らい尽くしな」

 

『ギチギチギチギチッ!!!』

 

顎を鳴らしながらバッタ達は羽を動かして一斉にプリズムへと襲いかかっていく。だが、プリズムは再び光弾を放った。それを見たバッタモンダーは「無駄な事を」と呆れた顔を浮かべる。どうせバッタ達の餌になると分かりきっていると思ったバッタモンダーは特に警戒はせずバッタ達に任せようとするが。

 

「煌めけ‼︎」

 

「がああああああっ!!!め、目がああああああっ!?」

 

光弾は激しく光り、警戒してなかったバッタモンダーは思いっきりその光を見てしまう。そのため目が眩んで思わずその場で悶え苦しみ、バッタ達もその光に統率が乱れる。そしてバッタモンダー達が動けないこの状況をプリズムが逃すはずが無く彼の背後に回り込んだ。

 

「今なら行ける!ヒーローガール!プリズムショット!!!」

 

ガラ空きとなった背中に向かって放たれたプリズムショットはそのままバッタモンダーの背中に命中する。

 

『ギチギチッ!!!』

 

「えっ!?」

 

かと思いきや先程までバッタモンダーと共に動けなかった筈のバッタ達が突然バッタモンダーを守るかの様に壁となりプリズムショットを受け止めて喰らってしまう。

 

「そんな!」

 

確実に決まると思っていたプリズムショットが食べ尽くされた事にプリズムは思わず動きを止めてしまいその隙にバッタ達が動かないプリズムに襲い掛かる。プリズムは慌てて逃げようとするがバッタ達の動きが早く囲まれてしまい四方八方から攻撃される。

 

「あああああああっ!!!」

 

バッタ達から全身を噛みつかれ、体当たりを受けるプリズムは悲痛の叫びを上げる。この猛攻撃に彼女は何とか耐えようとするが、次第に全身の痛みに加えて自身の体力も吸われていった。そのせいで最後には立つ事すら出来ず地面に崩れ落ちる。それと同時に漸く目が慣れたバッタモンダーがプリズムに視線を向ける。

 

「ふぅー、どうやら僕が目を眩ましている間に決着がついたみたいだね」

 

「うう…」

 

近づいてくるバッタモンダーにプリズムは何とか抵抗しようとするも、先程まで体力を吸われてしまい足に力が入らず立ち上がれなかった。それを見たバッタモンダーは好機と見る。

 

「どうやら立ち上がる力も残ってないみたいだね。それじゃあ、トドメはこのバッタモンダーがしてあげるよ」

 

そういうとバッタモンダーは掌にアンダーグエナジーを溜めてそれをプリズムに向かって放とうとした。プリズムもどうにかしようとするも光弾を作り出す体力も残っておらず、もはや絶体絶命の危機であったその時だ。

 

「させるかッ‼︎」

 

「ぐべぼっ!?」

 

「えっ!?」

 

突然バッタモンダーが真横に吹き飛んでいった。プリズムも突然の出来事に驚きを隠せないでいた。すると先程までバッタモンダーが立っていた所には別の人物が立っている事に気が付き、その人物を見て思わず「あっ」と声を漏らす。

 

「間一髪の様だったな。プリズム」

 

「あ、貴方は拓海さん!?」

 

「ブラックペッパーだ」

 

其処にいたのは以前のヨヨの畑でデリシャスパーティ♡プリキュアと共に戦った品田拓海ことブラックペッパーだった。

そしてブラペによって吹き飛ばされたバッタモンダーは蹴りを顔にくらったようで頬を抑えながら立ち上がる。

 

「な、何でお前が此処にいやがる!?」

 

「そうだよ。何でおいしーなタウンにいるブラペが此処に?」

 

本来はこの街にいない筈の戦士であるブラペが何故自分の前に現れたのかバッタモンダーもそうだが、プリズムも分からなかった。

 

「実はヨヨさんから頼まれたんだ」

 

「お婆ちゃんが!?」

 

彼が此処に来たのは祖母のヨヨから救援要請を受けてきたと聞いてプリズムは驚くのに対してバッタモンダーはすぐに冷静になる。

 

「ふ、ふん!まぁ良い。君1人が来たからってターボマンやシャララボーグ達に勝てる訳がないから戦局は大きく変化しないよ」

 

そう言ってバッタモンダーは自信満々な態度を見せ、自分達の方が強いとアピールを見せるもその姿にブラペは鼻で笑う。

 

「何を勘違いしているんだ。助けに来たのは当然俺だけじゃないぞ」

 

「なに?…ま、まさか…!」

 

ブラペの言葉にバッタモンダーは嫌な予感を察する。すると遠くの方から何かが近づく音が聞こえ、そちらの方を向いたバッタモンダーは顎が外れるんじゃないかと言わんばかりに口を大きく開ける。

 

「今だ!プレシャス!」

 

「うん、2000キロカロリーパーンチッ!!!」

 

『ランボオオオオオオグッ!!!』

 

其処にはシャララボーグと戦うベリィベリーの姿があるが、彼女の側には桃色の戦士…キュアプレシャスがシャララボーグと戦闘を繰り広げていたのだ。

 

「プレシャスも!という事は…!」

 

「勿論俺やプレシャスだけじゃない。スパイシーにヤムヤム、そしてフィナーレも来ている」

 

そういうとその近くから聞き覚えのある声が響き渡ってくる。

 

「ヤムヤム僕に乗って攻撃を!」

 

「まっかせて!バリバリカッターブレイズ!!!」

 

「オオオオオオオンッ!!!」

 

上空ではウィングの背中に乗ったヤムヤムがワシオーンに向かって斬撃を放つドッグファイトをしていた。

 

「スパイシー、どでかい食パンを2枚お願いね!」

 

「ええ、ピリッtoヘビーサンドプレス!」

 

「くそっ!この組み合わせは俺のデータにねえ!」

 

更に地上ではバタフライが小型のバリアを大量に作り出し、それをターボマンに撃ち込むと外れたバリアをスパイシーが食パン型のエネルギーを使って卓球やテニスの様に打ち返してターボマンを追い詰めていく。

あちこちから響く聞き覚えのある声を耳にしたプリズムは思わず嬉しい気持ちが込み上がってくると同時に申し訳ない気持ちが芽生える。

 

「ありがとう…でも、ごめんね。関係の無い皆んなを私達の戦いに巻き込んで」

 

以前もそうであるが本当ならアンダーグ帝国との因縁があるのは自分達だけで他のプリキュア達を戦いに巻き込むのは心苦しかったのだ。

 

「謝らないでプリズム!」

 

「え?」

 

だが、其処に否定の言葉をあげたのはベリィベリーと共に戦っているプレシャスだ。

 

「私達は皆んなを助けたいから此処に来たんだよ!それに私達は関係なく無い。同じ釜のご飯を食べた仲、友達だから関係あるよ!」

 

「プレシャス…」

 

プレシャスの言葉がプリズムの心に響き、胸が温かくなる感覚を覚える。そんな彼女にブラペが肩に手を乗せて話しかける。

 

「そういう事だ。それに元々俺たちはこの前の戦い以降お前達に手を貸すつもりだから気にする必要はないぞ」

 

「ブラペ…」

 

プレシャスに続いてブラペの言葉にプリズムは更に嬉しくなり2人にお礼を言おうとした時、それを遮る様にバッタモンダーが声を上げる。

 

「なに良い感じの雰囲気を出してやがる!それにさっきはよくも俺の顔を蹴りやがって…絶対許さねぞっ‼︎」

 

蹴られた上に自分の存在を忘れて話をしているブラペ達にバッタモンダーは怒りを募らせるとそれに反応するかの様にバッタ達も顎を鳴らして羽を動かし音を響かせる。

 

「悪いがお前に許しを貰うつもりは無いからな。プリズム立てるか?」

 

「ごめん、さっき体力を持ってかれて…あれ?」

 

体力が無く立ち上がれなかったプリズムだったが、身体の力が全てでは無いものの半分くらいに戻っている事に気が付きその場から立ち上がれた。

 

「もしかしてブラペの力?」

 

「ああ、俺の力で回復させたんだ。本当なら全快するまで回復させたかったんだが其処までの時間がなくてな。それでも行けるか?」

 

「うん、充分だよ。ありがとう」

 

体力を回復させてくれたブラペにお礼を言うとブラペは照れ臭そうにする。

 

「チッ、まさか回復の力を持っている奴だったか…まぁ、良い。どうせお前以外の奴は他の奴等と戦っている。ならプリキュアじゃないお前1人が加わった所でこの俺に勝てる訳がねえ!」

 

「そいつはどうかな。こう見えても俺の実力はプレシャス達にも匹敵するからな。舐めてみると痛い目を見る…と言ってもさっき痛い目を見たばかりか」

 

「ほざくなこのタキシード野郎!!!」

 

そう言ってバッタモンダーはバッタ達をブラペ達に向けて襲わせ、ブラペとプリズムも互いに目を合わせ戦いの構えを取るのであった。

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