プリズムがブラペと組んでバッタモンダーと戦っている頃、パラサイアは目の前で気絶したグランを抱える人物を見つめている。
「お前は…確かキュアフィナーレだったな」
自身の記憶を探って目の前にいるのがデリシャスパーティ♡プリキュアのキュアフィナーレである事を思い出す。
一方でフィナーレもパラサイアの姿を見つめている。
今より数十分前にヨヨからの救援を求められたフィナーレ達はミラーパッドのゲートを使いソラシド市へとやってきたのだ。そこでヨヨから事前に情報を聞いてそれぞれが苦戦しているプリズム達の助けに行き、フィナーレはツイスターの元へとやってきたのだが。
(ツイスター…ヨヨさんから聞いた話では洗脳されていると聞いていたが此処まで変化する物なのか?)
ツイスターが洗脳されたと聞き彼女は自分が正気に戻すと意気込むもいざ対峙すると自身が洗脳、またはグランがキメラングとして洗脳されていた時と比べて違いがある事に違和感を抱いた。
「どうやら勘違いしている様だから訂正させて貰う。この肉体は確かにキュアツイスターの物。だがこの私がその体を乗っ取らせてもらった」
「肉体を乗っ取っただと!?じゃあ、キメラング…いや、グランも今までお前が…!」
思わず自身が抱えているグランの顔をフィナーレは見つめる。今のツイスターの現状は洗脳よりタチが悪い事にフィナーレは表情を歪める。
「ああ、そいつは我が肉体としてこの50年間役割を果たしてくれたよ」
「50年だと!?貴様…一体何者だ!?」
グランの身体を50年も乗っ取っていたと聞いてフィナーレはパラサイアに敵意を向ける。対してパラサイアは落ち着いた態度を見せる。
「落ち着け。そんな焦らずとも答えてやる…ただし、戦いの中でな」
「!」
そう言うとパラサイアは全身から漆黒のオーラ…アンダーグエナジーを放出する。それを見たフィナーレは思わず一歩下がりかけるも地面を強く踏み耐える。
「さて、いざ勝負と言いたい所だがそいつを抱えていてはお前は本来の実力を発揮できないだろうからそいつを片付けておけ。もしくは其処に隠れている者に何処かに運ばせろ」
「バレていた様ね」
すると近くの瓦礫に視線を向けると瓦礫の陰から紫色の髪を生やした人物、フィナーレの仲間であるローズマリーが出て来る。
「マリちゃんどうして?」
「そりゃあなたが心配で来たのよ。プレシャス達の方はお互いに近い所で戦っているから良いけど、こっちは距離があるから」
此処は他の戦場から離れているから援護は難しい。それ故にローズマリーはフィナーレのサポートとして駆けつけたのだ。
「それで隠れて見ていたけど、その子を抱えて戦うのは難しいから私が預かっておくわ」
「すまないマリちゃん」
フィナーレはローズマリーのご好意に甘えてグランをローズマリーへ託した。
「ええ、兎に角この子をヨヨさんの元へ届けたらすぐ戻ってくるからそれまで頑張って耐えて!」
そう告げるとローズマリーはその場からグランを抱えて走り去る。残されたフィナーレはパラサイアの方に向く。
「どうやら戦う準備は出来たとみなして良いか?」
「ああ、時間を取らせたな」
これで心置きなく戦える事にフィナーレは戦いの構えを取るのに対してパラサイアは両腕を地面に垂らして構えようとしない。
「悪いがいきなり全力で行って呆気なくやられたら白けてしまうから。段々とペースを上げさせてもらう」
「それは私を舐めているのか?」
自惚れは無いが最初から本気で戦おうとしないパラサイアにフィナーレは少し苛立ちを覚える。
「不満なら私を満足させる実力を見させるんだな!」
「っ!」
次の瞬間、先程まで10m程の距離が離れていたパラサイアは一瞬でフィナーレの懐まで接近。右手の人差し指と中指を突き出して目を潰そうとしてくるが咄嗟に横に避ける。すかさずパラサイアから追い打ちをする様に拳が飛んでくるとフィナーレは腕で防御して防ぐ。それを見たパラサイアは感心の声を漏らす。
「今のには対応出来たか。ならこれはどうだ」
今度は先程よりも早い拳が連続で打ち込んでくる。フィナーレは直ぐに拳を捌いていくものの、段々と拳を振るう速さが増してきて少しずつ身体を掠り始める。
このまま続けばいずれ顔面に喰らうと思ったフィナーレはパラサイアの真上を跳び背後に立つとすかさず回し蹴りを放つがパラサイアも同じく回し蹴りで防いだ。
「くっ、まだだ!」
負け時とフィナーレは連続蹴りを放つがパラサイアはその場を一歩も動かず上半身だけを動かして回避するとフィナーレの胴体に掌底を叩き込む。
「ぐあっ!」
「更にもう一撃!」
一撃を喰らったフィナーレは吹き飛ぶも直ぐに体勢を直して地面に着地する。だがそこを狙っていたパラサイアが霧で作った剣をフィナーレに振るい、それをフィナーレはクリーミーフルーレで防いだ。
「今のも防ぐか。少々お前を見くびっていた様だ」
「ああ、そしてその見くびりが命取りだ!」
そう言うとフィナーレはフルーレで剣を弾き飛ばすとパラサイアの胸にフルーレを押し当てそのまま一絞りする。
「プリキュア・フィナーレ・ブーケ!」
フルーレから放たれるエネルギーを至近距離で受けたパラサイアはそのまま吹き飛ばされる。
「なんだこの程度か?」
「なっ!?」
かに思われたがパラサイアは何のダメージを受けている様子は無くフィナーレの腕を掴むと身体を持ち上げ地面に叩きつけた。
「があっ!?」
「こんな技、身体を霧にして無効化にしてしまえばダメージはゼロだ」
追い打ちをかける様に倒れているフィナーレの頭を踏みつけようとするが、フィナーレは咄嗟に転がり避ける。それから立ち上がると直ぐに飛び蹴りを放つが、それもパラサイアは身体を霧にして無効化する。
「これも駄目か…!」
「よもや卑怯とは言ってくれるなよ。能力を使いこなすのは戦いのセオリーだからな」
はっきり言って今のフィナーレには霧化の対処法を持ち合わせていない。グランの様に強力な発電能力または装置なんて当然持ち合わせていない為、パラサイアの霧化は攻略不可能であった。
(くっ、此処は一旦様子見だ)
今の自分では攻撃が通らない事を悟ったフィナーレはやられない様にその場から走り出す。
「逃がすか!」
逃げるフィナーレにパラサイアは霧のボウガンを二丁作り出すとそれぞれ両手で装備しフィナーレに向かって大量の矢を放たれる。
「こんな物当たらなければどうってことはない!」
次々と飛んでくる矢をフィナーレは避けるが次々と矢が飛んできているせいでこちらから攻撃するチャンスが回ってこない。
「ちょこまかと逃げるな!」
一向に当たらない事にパラサイアは苛立ちを覚える。その後も矢を連続で放つもフィナーレには当たらず、代わりに道路や建物に当たっていきその際に砕けた建物破片がパラサイアの頭にぶつかる。だが、パラサイアは全く気にせず撃ち込み続ける。
(今のは!?)
「良い加減当たれ!」
矢が当たらない事に痺れを切らしたパラサイアは両手に装備したボウガンを重ね合わせるとバリスタを思わせる巨大なボウガンとなりフィナーレに狙いを定めて強力な矢を放つ。
「なっ、あああああああっ!?」
迫り来る巨大な矢に気付いたフィナーレは避けようとするも大き過ぎるが故に避けきれず。掠った衝撃で吹き飛び近くのビルの壁に叩きつけられ地面に倒れ伏す。
「どうやら鬼ごっこは終わりのようだな」
「くっ、まだだ!」
最後の悪あがきなのかフィナーレは持っていたフルーレをパラサイアに向かって投げるが簡単に避けてフルーレはパラサイアの後方に落ちる。それを見てパラサイアは呆れるようにため息を吐く。
「全く、無駄な事「はあっ!」ぐぼっ!?な、なにっ!?」
次の瞬間、パラサイアの頬にフィナーレの拳が突き刺さり、そのまま殴り飛ばされるもすかさずするとフィナーレは確信を得たと言わんばかりの表情を浮かべる。
「今のでわかった。お前の身体を霧化する力は常時発動は出来ず、僅かな時間だ。または視界から入らない不意打ちにはその力は使えないな」
先程のボウガンで攻撃する最中でも飛び散る建物の破片が身体をすり抜けずに当たっていった事からフィナーレは霧化の弱点を察し始めており、今殴った事でそれを確信したのだ。
「…正解だ。確かに肉体を霧に変える事は長時間は出来ない」
「てっきり惚けるかと思ったら素直に認めるんだな」
己の能力がバレたにも関わらず取り乱さないパラサイアにフィナーレは訝しむ。
「能力の絡繰がバレても私が負けるという可能性は其処まで大きな変化はないからな」
「なんだその自信は?」
負け惜しみ…では無く本音で言っているのだろう。フィナーレもパラサイアの言葉には嘘はないと感じていた。だが、同時に何故其処まで自信があるのか気になった。
「別にそんな大した事ではない。それよりも今直ぐその場を離れる事を勧めるぞ」
「何を言って…っ!これは!?」
フィナーレは周囲を見て顔色を変える。其処には先程までパラサイアが撃ったボウガンの矢が地面や建物に刺さっているがその矢が激しく点滅する。そして先程のパラサイアの忠告がフィナーレの頭を過ぎり、嫌な想像をして慌ててその場から走り去ろうとした。その瞬間、全ての矢が爆発を引き起こしフィナーレは爆炎に呑み込まれた。
それを見ていたパラサイアは鼻で笑う。
「ハッ、意外と呆気ないものだな」
そう言うとパラサイアは残りのプリキュア達を相手にしようとその場から去ろうとするが。
「おっと、まだまだ戦いはこれからだよぉ」
「なに?」
聞き覚えのある声が上から聞こえてきた事にパラサイアは咄嗟に視線を上に向けると其処には先程爆発に巻き込まれた筈のフィナーレに彼女の身体を支えて宙を浮くグランの姿があった。
「キメラング…私を助けたのか?」
「ノンノン、その名前はやめてくれたまえ。私の名はグランさ。それに君は私をさっき助けてくれたみたいだからね。これはその時のお返しさ」
グランはお礼は不要だと言わんばかりの態度を見せているとパラサイアはグランに声をかける。
「貴様、あの傷で動けるとはな」
自分と戦った時に負った傷によって動く事が出来ない筈だ。にも関わらず平気そうでいられるのは不思議に思っているとグランは相変わらず慣れた様に笑いながら答える。
「アーハハハッ!あんな血をドバドバ流していたらこんな風に笑ってもいられないよ。でも、私にはこれがある!」
グランは自信満々に懐からパラサイアに見せつける様に拳銃を取り出し、それを見たパラサイアは目を見開く。
「それはまさか!」
「そう、ご察しの通りこの拳銃に込められたドーピングカプセル、即ちアンダーグエナジーを使って治療したのさ…いやぁ、本当に苦労したよ」
そう言ってグランは此処へ来るまでの事を思い出す。
───────
「…ううっ、いったい…なにが?」
大量の血を流して気を失っていたグランは傷の痛みに耐えながら目を開けると周りの景色が揺れて…否、動いている事に気がつく。
「これは…どうなっているんだ?」
「あっ、気がついたのね!」
すると先程までグランを抱えていたローズマリーはグランの声を聞き目を覚ました事に気が付き足を止める。
「君は確か…マリー…マリーアントワネット」
「ローズマリーよ。兎に角良かったわあれだけ血をメガ盛りってくらいに流していたから死んじゃわないかと心配したわ」
自身の名前を間違えられた事よりもグランが目を覚ました事にローズマリーは安心感を覚える。
「そ、それよりも…パラサイアはどうした?」
「パラサイア?もしかしてツイスターの事を言っているの?それなら今フィナーレが貴女の代わりに戦っているわ。それよりも今は貴女のその傷を治療する為ヨヨさんの所へ運んでいるの」
「いや、足を止めてくれ。治療は此処でするから」
フィナーレの実力はグランは存じているがそれでも単身でパラサイアとの戦いは不利だと確信し一刻も早く自身が戦線復帰をしないと勝ち目がないと悟りローズマリーに止まる様に伝える。
「ちょっと何言っているのよ?こんな屋外で傷口を縫うつもり?そんな事したら傷口にばい菌が入って化膿するわよ」
こんな衛生管理が整ってない場所で治療なんて危険な事をローズマリーがさせるつもりはなく更に言えば見た感じグランは治療道具なんて持っている様には見えずどう治療するのだと疑問を抱く。
「だよね…じゃあ、手っ取り早くこれで」
仕方ないと言わんばかりにグランは拳銃を取り出すと中にある弾を確認。こめかみに銃口を押し当て引き金を引こうとする。それを見たローズマリーはギョッとする。
「ちょっ、ちょっと馬鹿な事はやめなさいよ!」
「あっ、何をするんだ!?」
引き金を引く直前にローズマリーは慌ててグランから拳銃を取り上げたのだ。
「何するんだじゃないわよ!?幾ら死にかけだからって自決はだめよ!幾ら辛い事を体験したからって人生はまだこれからよ!それに世の中には美味しい料理が沢山あるんだから生きるのを諦めないで!」
突然頭に拳銃を突き付けた事から自殺する様に見えたローズマリーは必死にグランを説得しようとする。そんなローズマリーにグランは呆れた表情を浮かべる。
「いや、誤解しないでくれたまえ。その拳銃には私の傷を治す薬の様な物が入っているんだよ」
何とかローズマリーから誤解を解き拳銃を返して貰ったグランは拳銃に入っている弾丸を確認する。そんな姿にローズマリーは何か不安を感じたのか彼女に話しかける。
「ねぇ、貴女は本当に死ぬつもりはないのよね?」
「疑り深いな。安心したまえ、私は奴に…パラサイアへの仕返しをやりきるまで死ぬつもりはないよ」
そういうと再びこめかみに押し当てて引き金を引くのであった。
───────
「まっ、そう言う事があった訳だ」
此処へ来るまでの事を説明するとそれを側で聞いていたフィナーレが恐る恐る話しかける。
「グラン、確かそのドーピングカプセルというのはおいしーなタウンの戦いでウバウゾーを強化させようとした物じゃなかったのか?」
ドーピングカプセル……それはかつてグランがまだキメラングとしてフィナーレを筆頭としたデリシャスパーティ♡プリキュアと戦った際に使役していたアンダーグウバウゾーに使おうとしていたアイテムだ。その時はブラペの活躍により不発に終わるものの、その後のパーティーによりらんこ達からカプセルの恐ろしさについて聞いてそんな危険なものを人体に使った事に身体に異変は無いのかと心配する。
「そうだよ。これは使い様によってはウバウゾーやランボーグを強化する事も可能、それに加えて人間の身体に打ち込めば超絶パワーアップも可能なお手軽なアイテムさ」
「それって人に使っていい物なのか!?」
ランボーグやウバウゾーの強化に使われる物を身体に打ち込んだと聞いてフィナーレは人間にとって毒にもなる物なのではと思い込む。
一方でパラサイアも何かしら思う事があるのか何やら考えている様子だ。
「ドーピングカプセルの中に入っている大量のアンダーグエナジーをその身で受けてもランボーグにならないとは…かつてはカバトンやキュアツイスターに使った際は暴走をしたが私が貴様に長年取り憑いていた事で耐性でもできたのか?」
「ああ、皮肉にも君のおかげで私にもアンダーグエナジーの耐性が付いたからカプセルを使っても意識は保ててるよ。まぁ、それでもカバトン君やツイスターを暴走させる事が出来る量だから結構ギリギリって所かな」
よくよく見るとグランの顔色は悪い。怪我は完治したがやはり大量のアンダーグエナジーを取り込む行為はキメラングの時と比べて悪影響があるようだ。
「おい、大丈夫か?やはり休んでいた方がいいんじゃないのか?」
「大丈夫さ。多少は怠さを感じるがアンダーグエナジーのお陰で闘争本能が刺激されて今すぐ戦いたくてウズウズしているからさ」
フィナーレは心配するがグランは特に問題ないと答える。
「さて、そろそろ話は終わりにして戦いの再開と行こうじゃないか!」
「え?うおおおおっ!?急に投げるなぁっ!!!」
突然グランがフィナーレをパラサイア目掛けて投げつけるといった不意打ちにフィナーレは悪態を垂れつつも投げられた勢いを利用してそのまま蹴りを放つ。しかしパラサイアは身体を霧にしてあっさり無効化する。
そしてパラサイアは身体を戻すと直様フィナーレに攻撃しようとするが。
「私がキタァーッ!!!」
「ごっ!?」
其処へ背中のジェット噴射を噴かしながら一気に加速したグランがパラサイアの顎に膝蹴りをお見舞いしパラサイアは吹き飛ばさるも宙返りをして地面に着地すると顎に手を当てながらグランを睨む。
「ほほう。フィナーレとの戦いを見させて貰ったがどうやら霧化攻略は高圧電気だけでなくフィナーレが見つけたように不意打ちも効くみたいだねぇ」
「貴様ぁ…!」
「おや、怒ったかな?でも、私の方がもっと怒っているよ!」
更に追撃をしようとグランは再びパラサイアに突撃するがパラサイアは迫り来るグランに対して霧で作った丸鋸を大量に作るとそれを一斉に放つ。
「グラン止まれ!全身切り刻まれるぞ!」
迫り来る大量の丸鋸にフィナーレはグランに忠告をするが彼女はフィナーレの声が耳に入ってないのかそれともジェット噴射が止まらずそのまま丸鋸の方へと突っ込んでしまう。
「遅い遅い!」
しかし、グランは丸鋸には当たらずそれどころか丸鋸と丸鋸の間を掻い潜り傷を一つもつかずに通り抜けたのだ。
「なんだと!?」
「ハハッ!驚いたかい!ドーピングをした事で今の私はかつて君達をこのアーマーで一網打尽にした時までは行かないものの私の身体能力が上昇してアーマーを使い熟す事が出来るんだよ!」
そういうとグランはツインミラージュを取り出すと刀身を生やしてパラサイアに切り掛かり、パラサイアは霧化して攻撃を無効化し今度は霧で作った剣でグランに向かって切りかかる。
「させるか!」
「ぐっ、フィナーレ!」
だが、パラサイアとグランの間にフィナーレが入り込み真剣白刃取りで受け止める。
「ナイスだよフィナーレ!」
「ぐおっ!」
白刃取りをして動きを止めている間にグランはパラサイアへツインミラージュで一撃を叩き込む。
「どうだい。私達って中々のコンビネーションだろ?」
「調子に乗っていると足元を掬われるぞ」
攻撃が決まって天狗になっているグランにフィナーレは注意をすると彼女は「はいはい」と返事をしてツインミラージュに装填されてあるツイントーンを外し再度装填すると背中のジェットがキャノン砲へ変化する。
「さて、一気に勝負を決めるよ」
「ああ!」
キャノン砲をパラサイアへ向けると其処から電撃を放ち同時にフィナーレもそれに合わせて動き出す。対してパラサイアは迫り来る電撃を避け、続けて攻撃してくるフィナーレも再び霧化して避ける。これによりそのままフィナーレは再びすり抜けるが、それはフィナーレの狙い通りだった。彼女はそのまま走ってある物を回収する。
「よし、フルーレを回収した」
先程の戦いにて投げ飛ばした自身の得物であるクリーミーフルーレを回収すると直様4回絞りそれぞれ桃、黄、緑、紫色のエネルギーが放出される。
「ブルーミン・ダンシンフルーツ!」
無限大の字を描く様にクリーミーフルーレを振るうと、エネルギーが溜まっていきキメラングへと向ける。
「プリキュア・デリシャスフィナーレ・ファンファーレ!!!」
フィナーレの掛け声と共にクリーミーフルーレから4色に輝く極太のエネルギーが放出され、パラサイアへと襲い掛かる。
「無駄な事をその技を素直に喰らうとでも「いいや、喰らってもらうよ」がああああっ!?な、なにっ!?」
突然身体が激しく痺れた事にパラサイアは背後を振り返ると其処にはグランがキャノン砲を向けてほくそ笑んでいた。
「くっ、まだだ!それなら盾を作れば!」
パラサイアはグランを強く睨むも迫り来るエネルギーを防ごうと両手から大きな盾を作ろうとするが、何処からとも無く鞭状のエネルギーがパラサイアの両手を縛られる。
「なんだ!?」
「悪いけど、図工の時間はお終いよ!」
声が聞こえた方向に振り向くと其処には今まで何処かに隠れてタイミング探っていたのかローズマリーが立っており、彼が操る鞭でパラサイアの動きを止めたのだ。
そして気がついたら時にはエネルギーはもう目の前に迫り、今から防御も避ける事も出来なかった。
「ぐっ、くそおおおおおおおおおおおっ!!!」
強力なエネルギーをまともに受けてしまったパラサイアは断末魔を上げながら吹き飛ばされ地面に倒れる。
「やっ、やったのかしら?」
「さぁ、どうだろう?」
地面に倒れ伏すパラサイアを見てローズマリーは不安気になるのに対してグランは警戒を緩めずパラサイアを見つめる。
「それでツイスター…じゃ無くてパラサイアという奴をどうやってツイスターの身体から追い出すんだ?」
「ああ、その事に関してだが推測ではあるが奴はハイメットの中に潜んでいるからツイスターからハイメットを取り除けばツイスターは元通りになる筈だよ」
そう言うとグランは倒れているパラサイアに近づきハイメットに手を伸ばす。そんな中フィナーレはパラサイアに視線を向けると気絶している筈のパラサイアの口角が釣り上がるのを見たのだ。
「っ!?グランそいつから離れろ!」
「えっ、どうしたのフィナーレ?」
突然グランに警告するフィナーレにローズマリーは驚いていると次の瞬間、その場からドスッという生々しい音が響き渡り彼は恐る恐る音のした方向に視線を向ける。
「ゴフッ、な、なんだと…!?」
突然鋭い痛みが腹部にやってくると同時に血を吐くグランは何が起きたのかすぐに理解は出来なかったが、痛みの発生源である自身の腹部を見ると其処には鋭い針の様な物が突き刺さっていたのだ。
「愚か者め。最後の最後で油断するとはな」
「ま、まさか…!」
聞き覚えのある声を耳にしたグランは視線をそちらに向けると其処には気絶していたと思われていたパラサイアが目を開け、ヘルメットから蜘蛛を彷彿とさせる鋭いアームが生えており、その内の一本がグランの腹部に突き刺さっていたのだ。
「「グラン‼︎」」
再度負傷したグランを見てフィナーレとローズマリーは彼女を助けようと動き出すが、その前にパラサイアが立ち上がり迫り来る2人を睨みアームを向ける。
「失せろ」
「「ああああああっ!!!」」
残りのアームを使って2人を一瞬で吹き飛ばして地面に叩きつけたのだ。そしてパラサイアは再びグランに視線を向けると彼女を釣り針に引っ掛けた魚の様に腹部に突き刺したアームで引き寄せると何やら身体を触り始める。
「な、なんのつもりだい?まさか…今更
「勘違いするな。用があるのは貴様の持っているアイテムだ」
そう言うとパラサイアはグランの身体を手探りで触っていると腰にある拳銃を手に取る。
「ああ、…悪いけど、それは非売品なんだ。代わりにマグネコントローラをあげるよ」
「そんな物に興味は無い。私の欲しい物はこれだけだ」
拳銃を手に入れたパラサイアはグランの腹部からアームを引き抜くと乱暴に放り投げ、グランは受け身を取れず地面に叩きつかれる。
「ぐっ、ほんと君って慈悲や情けっていう物が無いのかい?」
「それならあるぞ。何せ痛みで苦しんでいる貴様をこれから楽にしてやるからな」
そう言うとパラサイアは霧で剣を作るとグランに引導を渡そうと天高く振り上げる。
「グラン!」
「やめなさい!!!」
フィナーレ達は痛む身体を庇いながらもグランを助けに走り出そうとするが、既に剣は振り下ろされグランの首に向かって行る。
グランも逃げようにも身体がドーピングカプセルの後遺症もあり更には腹部の傷によって動かす事が出来ず脱出不可能と悟った彼女は潔く目を閉じて人生の終わりを受け入れる。
だが、いつになっても首からやってくる痛みが来ない事に不思議に思ったグランは気になって恐る恐る瞼を開ける。
「…っ!?な、なんで君が!?」
思わず目を開けた先にあった物を見てグランは驚きを隠さないでいた。其処には確かにパラサイアの操る剣が存在していた。しかしその剣はグランの首の手前で止まっており、それはとある人物によって止められていたのだ。
青を基調とした衣装を身に包み肩に装着したマントと水色のツインテールの特徴の人物は今までこの場に居なかった筈なのだ。そんな彼女はグランに安心させる様にいつもの台詞を吐く。
「お待たせしました。ヒーローの出番です!」
その表情は先日まで落ち込んでいたとは思えないくらい元気に満ち溢れた笑顔をキュアスカイはグランに見せつけるのであった。
今更ながらグラン達のイメージCVを公開します。
キメラング(グラン)……小林ゆう
パラサイア……大塚芳忠
ターボマン……森久保祥太郎
ハイマックス……若本規夫
以上がイメージCVになります。若本さんは昔ギンガマンやダンバインのナレーターをやってた頃の落ち着いていた感じをイメージしてください。