ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第137話 スカイ&トールvsパラサイア

パラサイアの強力な一撃にやられそうになったスカイであったがそこに突然現れた男によって助けられる。

 

「ようスカイ。危ない所だったな」

 

「貴方はトール!?なんでここに!?」

 

自分の危機を救った男、キュアトールの登場にスカイは驚きを隠せないでいた。彼は先日ツイスターがハイメット(パラサイア)に洗脳された所為で彼女との繋がりが絶たれ、変身出来ず元の世界へと強制的に飛ばされたのだ。その為、再びここへ来るにはツイスターが元の状態…つまりパラサイアから解放されなければ出来ない筈なのだ。

 

「いやさ、俺も此処へまた来れて変身できる様になったのはスカイ達がツイスターを洗脳から解いてくれたのかと思ってた。だけど、まさかキメラングの奴が俺を呼び出すなんて思いもよらなかったよ」

 

「キメッ、グランさんが?一体どうやって貴方を?」

 

どうやらトールがここに来れたのはグランが携わっているらしくトールはスカイの衣装に刺さったナイフを引き抜きながら説明する。

 

「ああ、どうやら彼奴は俺をこちらの世界へこれる様にツイントーンに宿るツイスターの力で俺の持つスカイトーンとペアリング、要するに繋がりを作ってここへ来る道を作ったみたいなんだが…話の内容理解出来てる?」

 

「えっと…なんとなく」

 

イマイチわからない単語があり内容は全て理解出来ないものの要はグランの力でこちらに来れたのだけは理解する。するとスカイはトールが何か納得してない表情を浮かべている事に気付く。

 

「あの、何か悩みがあるんですか?」

 

「ん?ああ、ちょっとキメラングの力で来れた事がどうも…な」

 

どうやらグランが手助けをした事に何か不満がある様子だ。それもその筈、今までキメラングとして敵対していたグランが突然味方となり手を貸してくれるのは直ぐに納得出来る物ではないだろう。

スカイもグランが洗脳されてたとはいえ今まで敵対して自分も含めて周りの者達も沢山傷つけられてきた。特に一昨日の工事現場では彼女に唆されてツイスターに大怪我をさせてしまった事がありまだ割り切れない所がある。

 

「トール、キメラング…ではなくグランさんに呼び出された複雑なお気持ちは心中お察しします。ですがグランさんはパラサイアからツイスターを助けだそうとしているんです。全てとは言いませんが少しでも彼女を信じてくれませんか?」

 

今はツイスターを助けることを優先してかつて敵であったグランとのしがらみを一旦忘れて共に戦う様にと頼み込むスカイ。すると何故かトールはキョトンとした顔を浮かべる。

 

「いや、そうじゃなくてさ。俺って普段はらんこさんとの繋がりでこっちに来れてたけどそれがキメ、じゃなくてグランによって呼び出されるって…なんだか浮気したみたいでちょっと複雑なんだ」

 

「…はい?」

 

一瞬トールは何を言っているのかスカイは理解出来なかった。てっきり今までの因縁もあって彼女に手助けをして貰った事を気にしているのかと思ったが、そんな事は無く。割とどうでもいい事…とは言わないけど別の理由があるという事で困惑する。ただ、トールはらんこ一筋だ。その為、他の女性に呼び出される事は彼にとって結構大事なのだろうとスカイは判断する。*1

 

「取り敢えず状況はグランとマリさんから簡単に説明は聞いている。ツイスターの身体は今パラサイアっていう寄生虫野郎に乗っ取られているんだろう」

 

「そうです。理解が早くて助かります」

 

ここへ来たばかりなのに直ぐに状況を理解できたトールにスカイは感心する。ちなみにトールは何故理解出来たのかはそれはとある歌女が活躍するアニメのシーズン5にて主人公のヒロインが誘拐されて「オッス、我シェム◯」や「遺憾なり」という口調の神に憑依されラスボスになる場面を見ていた為、飲み込みが早かったのである。余談だがそのラスボスヒロインの声が現在ウィングと共に戦っているヤムヤムとそっくりである。

 

「さてと…おい!よくも人の彼女の身体を乗っ取りやがったなこの寄生虫野郎!」

 

「寄生虫とは心外だぞ。折角ナイフの処理を何もせず黙って見ていたのに寄生虫呼ばわりとはな…それに私はこの身体を有効活用しているつもりだぞ。実際キュアツイスターよりも能力を使いこなせている自信はあるがな。こんな風にな!」

 

パラサイアが指を鳴らすと一瞬で螺旋状の槍が10本形成され、スカイ達に向かって撃ち込まれると咄嗟に2人は避ける。するとパラサイアの分身がスカイに向かって殴りかかった。

 

「くっ!このっ!」

 

分身の拳を避けたスカイはお返しと言わんばかりに殴り返す。しかし、殴った瞬間分身の身体をすり抜けてスカイは殴った勢いを殺せずバランスを崩して転倒してしまう。それを見て隙ありと判断した分身はスカイに向かって拳を振るう。

 

「はあっ‼︎」

 

『っ!』

 

だが、その直前に足に電撃を纏わせたトールが分身に蹴りを入れて反対側のビルへと吹き飛ばしたのだ。スカイは助けてくれたトールにお礼を言おうとするが突然叫び出す。

 

「あああああああっ!!!くそっ!幾ら偽物とはいえ顔がツイスターと同じだからマジでやり辛え!」

 

「トール…えっと、確かにお辛い気持ちは分かります。ですが耐えて下さい。私もツイスターを戻す為に多少の我慢を!」

 

「ああ、わかってる」

 

苛立つトールをスカイが宥めていると分身は先程蹴りを入れられたにも関わらず平然と立ち上がりその隣にパラサイアが並び立つ。

 

「ふむ、丁度人数は互いに同じか。ならお前はキュアトールをやれ。私はキュアスカイだ」

 

「おい、何勝手に対戦相手を決めてやがる!俺は寧ろ彼氏として彼女の身体を取り戻すつもりで来たんだ!」

 

勝手に対戦相手を決めるパラサイアの上から目線の態度にトールはパラサイアに今直ぐ飛び掛かろうとするが、其処へスカイが止めに入る。

 

「待ってくださいトール!お願いです。此処は私にパラサイアと戦わせてください」

 

「スカイ、お前まで何を言ってるんだ?」

 

態々敵の挑発に乗るつもりトールだがスカイが1人で戦おうとする姿に疑問符を浮かべる。普段から複数人で戦い慣れている自分達なら協力する事によりパラサイアを追い詰められるかもしれないのだ。実際先程もスカイが分身と戦っている最中にトールの一撃が分身を吹き飛ばしたのだから。

 

「確かに2人で戦った方が勝率が高いでしょう。ですがツイスターがパラサイアに乗っ取られる原因となったのは私の所為なんです。だから私にケジメをつけさせて下さい!」

 

そう言ってスカイは頭を下げる。その姿にトールは一瞬、戸惑いの表情を浮かべる。

 

「スカイ……わかった」

 

「ありが「なんて言うと思ったか」って、ええええっ!?」

 

自分の要望に応えてくれるかと思ったらまさかの引っ掛けにスカイは驚愕の表情を浮かべる。

 

「お前なぁ。俺が言うのも何だけど何で戦いを有利な方向ではなく態々不利な方向に運ぼうとするんだよ。あんまり言いたくないが馬鹿なのか?」

 

「ば、ばかぁっ!?」

 

スカイはツイスターに続きトールからも馬鹿と呼ばれた事に思わず面食らってしまう。

トールが駆けつける前にパラサイアと分身による2人掛かりにスカイは追い詰められており、折角トールがやってきて人数が同じになったにも関わらず態々難易度を高めるスカイにトールは呆れてつい馬鹿呼ばわりしたのだ。まぁ、トールはツイスターの彼氏でもあるから馬鹿呼ばわりされた事は自然かもしれないが。

 

「こう言う自分のやらかしを何とかしようとするシチュエーションはアニメでよくあるぜ。俺としてもそう言う展開は好きだ…だけど、今回の場合ツイスターが乗っ取られているんだ。俺としてはそれを黙って見ていられるなんて出来ねえよ」

 

「確かに…そうですが…」

 

トールの言葉にも一理ある。スカイももしトールと同じ状況…否、現に大切な友達であるツイスターを他の誰かが助けるとなれば納得いくまい。

 

「まぁ、俺みたいに常時こちらに来れない非常勤な奴が言うとあまり説得力がないかもしれないけど、そう自分で1人で背負い込もうとするなよ。俺達は仲間なんだから一緒に苦難を背負って幸せを分けて共に戦おうぜ」

 

「トール…」

 

その言葉を聞いてスカイの脳裏にはかつてらんことましろを戦いに巻き込ませず自分1人で戦おうとして最終的には2人に助けられて励まされた言葉を思い出す。

 

『うん、それだよ。こうやって仲間…友達がいれば悩みを一緒に考えて1人じゃ思いつかない解決策だって思い浮かぶのよ』

 

『ましろの言う通りよ……悩みもそうだけど、幸せの場合は人が沢山いればもっと多く感じる事が出来るのよ』

 

2人から貰ったその言葉に込められた想い、そして両手でそれぞれ2人の手を握った時に感じた暖かさは今でも忘れない。

そんな自分にとって大きな思い出が蘇るとスカイは笑みを浮かべる。

 

「…ありがとうございますトール。お陰で大事な事を思い出せました」

 

「え?…よく分からねえけど、役に立ったのならなによりだ」

 

別にお礼を言われる様な事をしたつもりはないトールであったが先程までスカイはケジメをつける姿勢が見られていたが今は自分と共に戦う事を選んだ事に笑みを浮かべ、再びパラサイア達の方に向き直る。

 

「という訳だ。俺とスカイはお前の口車には乗らん」

 

「なんだ、怖気ついたか。つまらない奴等だ」

 

後少しでスカイは挑発に乗ったのにそれがトールによって止められた事に落胆した表情を浮かべる。

 

「そう言うがパラサイアさんよぉ、あんたは俺の事を恐れているだろ」

 

「何の事だ?」

 

「惚けるなよ。これもグランから聞いた話だが、あんたの……いや厳密に言えばそのツイスターの霧の能力の弱点は俺の電気らしいじゃねえか」

 

電気が弱点、その事を指摘するとパラサイアは黙り込む。対してトールは話を続ける。

 

「その身体、ホワイトツイスターは一見すると身体を霧に変えるワ◯ピースでいう所のロギア系の悪魔の実の能力を連想させる。でもって俺の電気は覇気って所か。まぁ、俺が何が言いたいかって言うのはお前にとって俺は天敵って事だ」

 

「…」

 

「無言は肯定とみなすぜ」

 

図星と言わんばかりの指摘をされたパラサイアは反論出来ずトールを睨む。すると観念したのかため息を吐くと口を開く。

 

「確かにそうだな。お前のその電撃はこの身体にとって脅威だと思っている」

 

「何だ、誤魔化さないのか?」

 

「別に既に弱点を知られているのなら誤魔化した所で意味はない。下手に誤魔化して墓穴を掘るよりも堂々と貴様らを倒せば問題はないだろう!」

 

そう言うとパラサイアは分身を引き連れてトール達に向かって襲いかかる。

 

「行くぜスカイ!」

 

「はい!」

 

対してトールとスカイもパラサイアの動きに合わせてその場から駆け出し迎え撃つ。

 

 

「「ダダダダダダダダダッ!!!」」

 

「はああああああっ!」

 

『!』

 

2対2といった入り乱れた戦いが繰り広げられ。お互いに拳、または蹴りを入れたりと激しくぶつけ合う。スカイは自身の攻撃が躱されても相方(トール)がいる事によりフォローをし逆にトールが不利になれば今度は逆にスカイがフォローに回るといったチーム戦として理想的な戦い方をしていた。

 

「「プリキュアダブルパンチッ‼︎」」

 

そして2人が同時に放つ拳はパラサイアに命中するかと思いきや咄嗟に大きく後退して避けられてしまう。

 

「今度はこっちの番だ!」

 

「望むところです!」

 

パラサイアは霧で棒を作り出すと連続で突きを放ちそれをスカイが受け流し、その中でトールはパラサイアに向かって電撃を放とうとする。それは横からパラサイアの分身が襲い掛かり不発に終わる。

 

「くっ、邪魔しないでくれっ!」

 

『!』

 

オーラを纏ったトールは分身に向かって回し蹴りを放つが分身は大きく跳躍して回避。その後分身が霧の手裏剣を作り出しトールに向かって放つ。トールは電撃を放ち全て撃ち落とすが分身はそのまま落下の勢いを利用してトールに向かって蹴りを放った。対してトールはバク転して避ける。

 

「やっぱりやり辛い、スカイそっちは大丈夫か!?」

 

「ええ、問題ありません!」

 

分身と戦いスカイのサポートができないトールは彼女を心配するが、スカイはパラサイアの扱う棒術を捌いている所である。そしてパラサイアが棒を大きく振った所を受け止める。

 

「取りました!」

 

「ほう、それでこれからどうするんだ?」

 

「勿論この棒をへし折って…ん?」

 

握った棒を自慢の腕力でへし折ろうとしたスカイだが突然棒の感触に違和感を覚える。先程まであった硬い感触が少し柔らかく更には表面がざらつくといった感触に変わる。一体どう言う事なのだろうと疑問に思ったスカイは棒の方を確かめると棒の先端からはチロチロと細い舌を出す蛇へと変化して驚く。

 

『シャーッ!』

 

「ウグッ!い、息が…!」

 

驚いた隙に蛇から手を離してしまったスカイは蛇に首を巻きつかれて強く締め付けられる。そのため息が出来ず苦痛の表情を浮かべた。

 

「どうした?苦しそうだなっ!」

 

「ぐあっ!」

 

首を締め付けられて思う様に動けないスカイはパラサイアによって腹を殴られ、更に其処から一方的に殴られていき更には酸欠により段々と意識が失いつつあった。

 

「スカイ!今助ける!」

 

『!』

 

スカイを助けに行こうとしたトールを分身が止めようとするが、トールは青白いオーラを放つと残像を残す速さで一気にその場から走るとパラサイアに向かって飛び蹴りを放つ。しかし、パラサイアは後退して蹴りは不発に終わる。それでもスカイからパラサイアが離れた隙にトールはスカイの首を傷つけない様に巻かれている蛇だけを電撃を放って消し飛ばす。

 

「スカイ大丈夫か!?」

 

「げほっ、ゲホゴホッ!…え、ええ。おかげさまで助かりました」

 

トールにお礼を言うとスカイはパラサイアを見つめる。対してパラサイアは分身と合流してボウガンを2丁作り両手に持たせる。

 

「さて、こちらもチームの力とやらを見せてやるか」

 

『…』

 

分身は返事はしないものの頷きパラサイアの命令に応じると分身はパラサイアの後ろに達其処からパラサイアと共にスカイ達に向かって走り出す。

 

「くるぞ!」

 

「ええ!」

 

何か仕掛けてくる事を察したトールとスカイはそれぞれ迎え撃てる様に拳を構えてパラサイア達を待ち構える。そしてパラサイアが自分達から3m以内に入ってくるとトールは先手必勝と言わんばかりに電撃を放つが当たる直前に霧となって身体を散り散りにして避けたのだ。

 

「くっ、外したか!」

 

「あれ、後ろにいた分身は何処に!?」

 

先程までパラサイアの後ろに着いていた筈の分身が消えており2人は何処に消えたんだと周囲を見渡している上から殺気を感じて上を向くと其処には上空を飛び、ボウガンを2人に向ける分身の姿があったのだ。

 

「やばっ!スカイ逃げるぞ!」

 

「え、ちょっ!」

 

嫌な予感を察したトールはスカイの手を握るとその場から離脱しようとするが分身は雨の如くボウガンの矢を放ったのだ。迫り来るボウガンの矢にトールは焦りを覚える。

 

「仕方ねえ!悪いスカイ多少痺れるかもしれないが我慢してくれ!」

 

トールはスカイに謝罪すると紫色のオーラを纏い稲妻を放つと一気にその場から離れて矢の雨を避け建物間の道に隠れる。

 

「ふぅー、何とかなったな。大丈夫かスカイ」

 

「え、ええ、だ、大丈夫です」

 

逃げるとはいえ咄嗟に手を握り尚且つその際にトールの身体から発生した電気がスカイに流れ込んだ為、トールは彼女を心配するが多少の痺れはあるものの動くのには然程問題はなさそうだ。それなら今度はこちらが反撃に移ろうと提案した時だ。

 

「なんだ?あんな啖呵を切っておいて逃げるとは情けない奴等だな」

 

「なっ、ぐあっ!?」

 

「と、トール!?」

 

突然横から飛んできた白い拳がトールの頬を貫き、彼の身体を吹き飛ばした。それを側で見たスカイは拳が飛んできた方向に視線を向けると先程消えたパラサイアが立っていたのだ。

 

「パラサイア!」

 

「そんな名前を一々呼ばなくても返事はしてやる。ただし、拳でだがな!ホワイト・ブロー!」

 

まるで煙の能力を使う某海軍中将の様な技の名と共に霧に変化させた腕を勢いよく噴出しスカイに向かって拳を放つ。対してスカイは無駄だと頭では理解しているがつい反射的に迫り来る拳を自身の拳で相殺しようと拳を振るう。しかし、やはりパラサイアの放つ拳はスカイの拳をすり抜けて彼女の顔を捉える。

 

「なっ、グアアアアアアアッ!?」

 

「…え?」

 

かと思ったが現実は違った。スカイの拳はパラサイアの拳の実体を捉えて弾き、その際にスカイの拳から電撃が放たれパラサイアの拳を通して身体に電撃のダメージが入ったのだ。

 

「これは一体…?」

 

恐る恐るパラサイアの拳を殴った自身の拳を見ると電気を帯びていた。しかし、先程パラサイアにダメージを与えた事で今にもその電気は消えそうであった。

 

「もしかして…トール!」

 

「いててて、なんだスカイ」

 

殴られた頬を押さえながらトールは立ち上がるとスカイの声に反応をする。

 

「トール!私に電撃を撃ち込んでください!」

 

「はあっ!?急に何を言ってるんだ!?」

 

突然自分を攻撃しろと発言するスカイにトールは正気を疑った。そんな某マサラ人の様に「◯カチュウ俺に向かって10まんボルトだ」なんてノリに電撃を放ったら当然スカイは電気で痺れて動けなくなるだろうと思いトールは拒否しようとする。だが、スカイは気迫が籠った顔でトールに頼んだ。

 

「お願いします!考えがあるんで私を信じてください!」

 

「スカイ……ああ、もうわかった!やれば良いんだろうやれば!」

 

スカイの気迫に押される形でトールは折れてしまいスカイに向かった電撃を放った。そして当然と言わんばかりにスカイは電撃による痺れとダメージが身体を襲い悲痛の叫びを上げる。

 

「グッ、アアアアアアアアアアアアアッ!!!」

 

「だから言っただろう言わんこっちゃねえな!」

 

苦しそうにするスカイを見てトールはその痛々しい姿を見てられなく今すぐ電撃を止めようとするが其処にスカイが「待って…ください」と止める。

 

「おい、まさかこのまま電撃を流せなんて言わないよな。このままじゃぶっ倒れるぞ!」

 

「こ、コレが良いんです…この電撃が私に新たな力を与えてくれ…ます!うおおおおおおおおっ!!!

 

するとスカイは心の底から雄叫びを上げると彼女の身体から電気だけでなく青いオーラが燃え盛る炎の様に噴き出る。

 

「こ、これは…!?」

 

「くっ、何が…起きている!?」

 

尋常じゃないオーラを放つスカイにトールと漸く痺れが抜けたパラサイアは驚きを隠せないでいた。そしてオーラを放出していたスカイは漸くオーラの量が落ち着いてきて両手には全身を走っていた電撃がまるでグローブの如く腕に纏わりついていた。

 

「以前らんこさんが見せてくれたアニメでこう言うことわざがありました。稲妻を喰らい、(いかずち)を握り潰すように打つべし…と」

 

「え、それってもしかしてあのOTONAが言ってた台詞の事じゃ…あとそれことわざじゃないから」

 

物凄く聞き覚えのある台詞にトールは脳裏にある事が過ぎる。某歌姫が活躍する筈のアニメなのにラスボスを特殊能力や武器の類は使わずにフィジカルのみで半殺しにした明らかに出る作品を間違えた男の存在を。

 

『飯食って映画見て寝るッ!男の鍛錬は、そいつで十分よッ!』

 

そんな台詞がトールの脳裏を過った。一方でパラサイアはスカイの発言に目を細める。

 

「アニメだと!?訳の分からない事を!ホワイト・ブロー!!!」

 

「スカイ!来るぞ!」

 

当然パラサイアは◯ンフォギアを見てはいない為、スカイの言葉は戯言と判断して再び霧を纏わせた拳を飛ばす。対してスカイは迫り来る拳を避けると目にも止まらぬ速さでパラサイアの懐に入る。

 

「なっ、早っ「はあっ‼︎」グホッ!!!な、馬鹿な!?」

 

そしてスカイがパラサイアの胸に向かって掌底を放つと、衝撃がパラサイアの胸を貫いたのだ。対してパラサイアは胸を苦しそうに押さえる。

 

「何故だ。私は先程身体を霧に変えたつもりなのに何故貴様の攻撃が入った…!」

 

「ええ、通常なら私の攻撃は滅多に入らないでしょう。しかし私は先程トールの電撃をこの身で受けたお陰で身体に電気を宿す事に成功しました」

 

「高圧の電気を付与(エンチャント)したのか!?」

 

まさかあの拷問行為で電気を身体に宿した事にパラサイアは驚きを隠せないでいた。

 

「さぁ、更に行きますよ!」

 

この調子で一気に畳み掛けようとスカイは動こうとするがその時、スカイの後ろから気配を悟らせずパラサイアの分身が出現しボウガンの矢をスカイの背中に向かって放とうとする。

 

「させねえよ!」

 

『!?』

 

だがその直前にトールが動き分身に殴り飛ばした。吹き飛ばされながらも分身はトールに向かって矢を連続で放つが全ての矢を受け止める。

 

「お返しだ!」

 

受け止めた矢を分身に向かって全て投げ返すが、分身は再びボウガンの矢を放ち全て相殺しするとパラサイアの横に降り立つ。対してトールもスカイの横に並び立つ。

 

「トールありがとうございます」

 

「気にすんな。それよりも此処からが正念場って奴だ。気合いを入れるぞ!」

 

「はい!」

 

そう言うと2人は互いにハイタッチをするかの様に拳を叩きパラサイア達に突っ込んで行くのであった。

 

ーおまけー

 

時はグランがトールをこちらの世界へ呼び出した時まで遡る。グランの作り出した装置によって再びこの世界へと来れたトールは目の前に立つグランを見て驚愕の表情を浮かべる。

 

「お、お前はキメラング!?」

 

「やぁ、待っていたよキュアトーって、その拳に電気をビリビリさせるのやめてくれないかい!」

 

「敵を前にして止めるわけねえだろ!」

 

てっきり自分を呼び出したのはツイスターだと思ってたトールはまさかのキメラング(グラン)によって呼び出された事に何か自分を罠に嵌める気ではと判断して今にでもグランに飛び掛かろうとする。

 

「ストップストップ!話を聞いてちょうだいトール!」

 

「え、マリさん!?」

 

だがその直前にグランの隣に立っていたローズマリーが慌てて2人の間に入りトールを止める。対してトールもグランの側に知り合いであるローズマリーがいる奇妙な状況に思わず動きを止めて彼から事情を聞く。

 

「と言う訳なのよ。だから貴方もスカイと共にツイスターの身体を乗っ取っているパラサイアと戦って欲しいの」

 

「勿論戦いますよ…ただ、なぁ…」

 

戦う事には問題はないが洗脳されていたとはいえ先日まで敵であったグランが味方になった事にイマイチ納得が出来てない様子だった。

 

「君が私の事を不信に思うのは無理はない。故に私はこの戦いが終わったら君に謝罪の品を渡すつもりだよ」

 

「謝罪の品?言っとくけど俺は金は興味ないぞ」

 

「いや、悪いけど今私は一文なしでね。だから代わりの物を渡すよ」

 

「代わりの物?」

 

金で無ければ一体何を渡すつもりなのだろうと少しばかり気になったトールは聞き返すとグランは口を開く。

 

「ああ、金の代わりに身体で支払うつもりだよ

 

「え?」

 

「ふーん、身体ねぇ……なんだって?」

 

一瞬聞き流そうとしたトールであったが数秒間を置いて聞き返す。一方でローズマリーはグランの発言に思考が停止する。

 

「だから身体で支払うって言っているんだよ」

 

そう言ってグランはその豊満な胸を自身の手で揺らした。漫画やアニメならボイーンという擬音が付く様な感じに。

そんなグランの胸にトールは暫く釘付けになる。彼女の胸が揺れるたびに瞳が動くそれくらいまで注目をしていた。

 

「それでどうする?」

 

「……はっ!と、兎に角俺はツイスターを助ける為にスカイと共に戦ってくる!い、言っておくがお前の謝罪の品なんてこれぽっちも興味ないからな!良いか?これぽっちもだぞっ!!!」

 

そう言うとトールは誤魔化す様に慌てて紫色のオーラを纏うとその場から一瞬で去っていった。

そしてその場に残されたグランは悪戯が成功した子供の様に笑みを浮かべる。そんなグランにローズマリーは呆れた様子で話しかける。

 

「彼女持ちのトールにあんな事を言うなんて…貴女、根っからの悪ね」

 

「クククッ、私はあー言う子を悪戯するのが好きなんだよ。何せマッドサイエンティストだからね」

 

洗脳が解かれてもそこまで前の性格と変わらないグランの姿にローズマリーはため息を吐くのであった。

*1
尚それはそれとして胸がデカいグランに呼び出されたのは内心少しばかり嬉しい気持ちがあったのは秘密である。

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