ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第138話 ワシオーンとターボマンの決着

スカイ達がパラサイアと戦っている頃、少し離れた所でも他の戦いは続いていた。

 

「オオーンッ!!!」

 

「バリバリカッターブレイズ!」

 

「はあああああっ‼︎」

 

まずは空中でワシオーンと激しいドッグファイトを繰り広げているウィングと彼の上に乗っかるヤムヤムのコンビだ。ただ、ここの戦いは先程と比べても状況がそこまで変わらない。

 

「くっ、長時間飛んでいるって言うのに全く動きが鈍らないなんて」

 

「しかもヤムヤムの攻撃が全く当たらない…」

 

ウィングやヤムヤムは少しずつ体力が減っていくと言うのに対し、ワシオーンはばてる様子は見られない。このまま戦いが長引くと自分達が負けてしまう。どうすれば勝てるかウィングは頭を働かせる。

 

「せめて一瞬でも動きを止められれば…」

 

動きを止める事が出来たなら一気に加速してワシオーンの頭を覆う洗脳ドローンを破壊しワシオーンを洗脳から解放して戦いは終わる。そう考えていると先程のウィングの呟きが聞こえたのかヤムヤムが彼に声をかける。

 

「え、一瞬だけ動きを止めればいいの?」

 

「えっ、ま、まぁ、動きを止められたら僕が何とかあのヘルメットを破壊出来るんですが…」

 

ヤムヤムの質問にウィングは答える。先程の彼の発言は別に負け惜しみや驕りなどとかではない。ウィングは己の速さには自信があるのだ。実際、彼が初変身した時にてランボーグの放つ攻撃よりも先にランボーグの攻撃の射線上に拘束されてたツイスターを救出すると同時にランボーグに一撃与えて墜落させた事がある。それ以降ウィングは戦う度に己の速さに磨きをかけていった。そのため今回の相手は空中戦に特化したワシオーンにだが、彼には少々劣るも動きが止まればヘルメットに一撃を与える事が出来るのだ。

 

「それならヤムヤムに任せて!トウッ!」

 

「ヤムヤム何を!?」

 

なにか思いついたのかヤムヤムは自信満々の表情を浮かべるとウィングの背中から飛び降りた。そしてそのまま自身の手首に巻いてあるハートキュアウォッチに触れる。

 

「プリキュア・ヤムヤムラインズ!!!」

 

両手から麺状のエネルギーを多数発生させ自分の周囲に展開、そのままワシオーンに向け一斉に伸ばし中心に螺旋状のビームを放たれる。しかし、飛んでくるビームはワシオーンに当たらず避けられてしまう。

 

「まだまだ!とりゃーっ!!!」

 

しかし、ヤムヤムは諦めずに再度ビームを生成しそれをワシオーンに向けて連続で放つが全て外してしまう。ワシオーンはヤムヤムのビームにいい加減鬱陶しく感じたのか。彼女を吹き飛ばしてやろうと自身の翼を大きく広げようとする。しかし、その際に翼が何かが当たって広げる事が出来なかった。

 

「オンッ!?」

 

一体何があったのだろうとワシオーンは首を動かすと其処には先程ヤムヤムが放ったビームが消滅せず空中で静止していたのだ。それだけでは無い。更に周囲を見渡すとあちこちにビームがまるで規制線の様に覆われてワシオーンの動きを制限していたのだ。

 

「やったあ!作戦大成って、あわああああああああっ!?」

 

ワシオーンの動きを止めて喜ぶも自身が落下している事を思い出したヤムヤムは叫び声をあげ、慌てて鳥の翼の様に激しく両腕を振るが当然飛ぶなんてできず。そのまま地面へ真っ逆さまへと落ちていく。

 

「何やっているんですか!?」

 

「あっ、ウィングありがとー!」

 

だかそこへウィングがヤムヤムの元へ飛んで彼女を抱える事で地面に叩きつけられずに済む。ウィングはそんな彼女の姿にため息を吐く。

 

「まさかビームを使ってワシオーンの動きを止めるとは…と言うか飛ぶ手段が無いなら急に飛び降りないでください」

 

「ごめんごめん。でも、これで動きを止められたからあとは任せたよ」

 

「ええ、貴女が作ってくれたチャンスは無駄にしません!」

 

ワシオーンが拘束されている今なら確実に攻撃が与えられると確信したウィングはヤムヤムを背中に背負い直すとワシオーンに向かって突っ込んでいく。

 

「ヤムヤム多少加速しますが我慢して下さいね」

 

「まっかせて。ウィングは気にせず決めちゃって!」

 

「ではお言葉に甘えさせていただきます!」

 

ヤムヤムから確認を取るとウィングは一気に加速していきオレンジ色のオーラを纏う。

 

「ひろがる!ウィングアタークッ!!!」

 

オレンジ色の光と化したウィングはワシオーンの頭を貫く、ではなく頭部を覆っていたヘルメットを破壊した。

 

「オオオオオオッ!!!……オン?」

 

「やったあ!鳥さんが正気を取り戻したよ!」

 

「ええ、やりました!」

 

洗脳が解けて辺りを見渡すワシオーンの姿にウィングとヤムヤムはハイタッチをして喜びを分かち合うのであった。

 

────────

 

その頃、地上ではターボマンが地面を走りそれに対するのはバタフライとスパイシーのコンビが戦っていた。ここは先程までバタフライのミックスパレットを取り上げた事でターボマンがバタフライを追い込んでいたのだが、途中でスパイシーが加勢に入った事で形勢が逆転しつつあった。

 

「うおおおおおおっ!!!」

 

「「はああああああっ!!!」」

 

マフラーから激しく煙を噴かして拳を振るうターボマンに対してバタフライ達も拳をぶつけ合っていた。

 

(チッ!さっきまで俺が優勢だったのに2人になっただけなのに互角になるなんてどうなってやがる!?)

 

スパイシーが加勢するまではバタフライを一方的に追い詰めていたターボマンだったがスパイシーがバタフライと共に戦い始めてからは戦いの流れが変わり、五分五分の戦いとなっていたのだ。

そんな時、バタフライは口を開ける。

 

「なんで勝てないって顔をしているね。そりゃそうだよ。普通1人で戦うよりも2人やそれ以上で戦った方が有利に決まっているじゃん」

 

「バタフライの言う通りよ。それに私たちプリキュアはチームで戦う事1人で戦っている時以上の力を発揮できるの!」

 

「物は言いようだな。裏を返せばお前らは1人じゃ何も出来ない役立たずって事じゃねえか!」

 

ターボマンがホイールをバタフライ達に投げるが、バタフライ達はそれに合わせて後退して避ける。ターボマンはそのタイミングでエンジンを鳴らして突っ込む。

 

「ターボタックル!」

 

「おっと!」

 

「くっ!」

 

突撃するターボマンに2人は避け、ターボマンは地面に手を当てて直ぐに反転すると側にあった電柱を引っこ抜き2人にむかって投げつける。

 

「させない!」

 

飛んできた電柱をスパイシーがバリアを貼って防ぐが其処へ追撃する様にターボマンが拳を振り上げながら突っ込む。

 

「ターボナックル‼︎」

 

バリアに向かってターボマンの拳が炸裂するとバリアは破られてそのままその場にいたスパイシーを殴り抜こうとする。

 

「させない!」

 

「グオッ!?」

 

しかし、その直前にバタフライがターボマンの顎に向かって飛び膝蹴りを喰らわすとスパイシーを殴ろうとした拳はズレてしまい空振る。

 

「ぐっ、まだだ!」

 

膝蹴りを喰らったターボマンはのけ反るもせめて一撃を入れてやると言わんばかりの執念を燃やして直ぐ様ムーンサルトの要領で反撃をバタフライに向かって蹴りを浴びせようとする。

 

「そうはさせない!」

 

「なにぃーっ!?なんてな」

 

しかし、今度はスパイシーがバタフライを守ろうとターボマンの足に向かって蹴りを浴びせて相殺する。そのまま一気にターボマンへ攻撃を決めようとバタフライ達は距離を詰めるがターボマンはマフラーから煙を大量放出して煙幕を張る。

 

「やばい、視界を遮られたら彼奴は一気に私たちに攻撃をしてくるかも!」

 

「大丈夫よバタフライ。私に任せて!」

 

何やらこの煙幕をどうにかする考えがある様子のスパイシーは手首に巻いてあるハートキュアウォッチに触れる。

 

「プリキュア・スパイシーサークル!」

 

両手で自身の身体を覆う様な大きな正円を描き、そこから螺旋状のビームを目の前の煙幕に向かって放つと一瞬にして周りの煙は吹き飛びターボマンの姿が露わになる。

 

「なんだと!?」

 

「すごいじゃんスパイシー!」

 

「ありがとう。でもそれよりもバタフライは私のバリアの上に乗って」

 

煙が一瞬にして消されたことに唖然してターボマンが動きを止めている隙にスパイシーはバリアを作り出すとバタフライを乗せる。

 

「成る程、スパイシーのやりたい事がわかったよ」

 

「察しの通りよ。バタフライ準備は良い?」

 

「うん、いつでもどうぞ」

 

バリアから落ちない様に姿勢を屈めたバタフライを見てスパイシーは彼女の乗ったバリアをソフトボール投げの要領でターボマンに向かって投げたのだ。

対してターボマンは迫り来るバタフライに向かって拳を構える。当然この程度の投擲よる速さはターボマンは対応出来、バタフライを地面に叩き落とそうと目論むがバタフライはある程度ターボマンとの距離を詰めるとバリアを踏み台にしてターボマンに向かって飛び出した。

 

「バタフライ、キィークッ!!!」

 

「ターボナッ、ぐおおおおっ!?」

 

一気に加速して飛んできたバタフライの蹴りをまともに受けてしまったターボマン。そしてバタフライの放った蹴りによりターボマンの胸部の装甲は凹み、大きな隙間が出来ると其処から奪われたミックスパレットが姿を見せる。

 

「これは私のだから返してもらうからね」

 

すかさずその隙間に手を入れてミックスパレットを回収したバタフライ。彼女は後退するとスパイシーにハイタッチする。

 

「ありがとうスパイシー」

 

「ええ、それじゃあそろそろ決めましょう」

 

パレットは取り返すことができた。それなら後は倒すだけだと判断したスパイシーがハートジューシーミキサーを取り出すとバタフライもミックスパレットを構える。

 

「それじゃあいくよ!2つの力を一つに!ホワイト!イエロー!速さの力、アゲてこ!」

 

ミックスパレットを使いバタフライはスパイシーに速さを上げるバフを付与。同時にスパイシーはターボマンへ突っ込んでいく。

 

「俺とスピード勝負か?良いだろう!望み通り相手になってやるぜ!」

 

対してターボマンもスパイシーに合わせて彼女に向かって突っ込みぶつかり合っていく。その最中でスパイシーはハートジューシーミキサーの先端にあるレバーを3回程押す。

 

「シェアリン、エナジー、ミックス」

 

エネルギーが最大まで溜まるとミキサーを銃の様に持ち方を変えてターボマンに向ける。

 

「プリキュア・デリシャ「させねえよ!」きゃあっ!」

 

「スパイシー!」

 

引き金を引いてエネルギーを放出しようとしたスパイシーであったがその直前にターボマンの巨大な拳に捕まり身動きが取れなくなってしまう。

 

「俺とのスピード勝負の最中で足を止めるなんて馬鹿だな。そんなもの俺に捕まえて下さいって言っている様なものだぜ」

 

「は、離して!」

 

必死に拳から抜け出そうとスパイシーはもがくがプリキュアの力を持ってしても抜け出せず、ターボマンは動けないスパイシーにマフラーを向けるとマフラーの先から熱が帯び今直ぐでもスパイシーを焼こうとしていた。

 

「さて、そいつで俺をローストにするつもりだった様だがそうはいかねえぞ。ローストになるのはお前だ!」

 

そう言うとスパイシーを焼こうとターボマンはマフラーから炎を放とうとする。しかし、それを黙って見ているバタフライではなかった。

 

「そうはさせない!2つの色を1つに!レッド!ブルー!ワンダホーにアゲてこ!」

 

「ハッ!今更何をしようがもうおせえよ!」

 

ターボマンが火炎放射をする前にミックスパレットで何かをしたバタフライ。ターボマンはそれを見つつもお構いなしにスパイシーに向かって火炎を放射する。

 

「ハッハッハッー!焼けろ焼けろ!ローストプリキュアの完成……ん?」

 

炎に身を包まれたスパイシーにターボマンは違和感を覚える。並の人間なら普通は悲鳴を上げる前に炭と化す。しかし、プリキュアの身体なら直ぐに燃やし尽くせないので悲鳴を上げる事が出来る筈だ。それでも全く悲鳴を上げないスパイシーにターボマンは不思議に思い、更に先程からスパイシーの身体を握る拳から伝わる感触も先程まであった物と異なる。ターボマンはそれが気になって火を消すと先程まで燃やし尽くされていた物の存在を見て驚きの声をあげる。

 

「な、なんじゃこりゃ!?」

 

其処にいたのはスパイシーではなく先程ターボマンが投げた電柱であった。だが、スパイシーはターボマンに身動きが取れないくらいに身体を掴まれていた。それなのに何故か彼女はターボマンに気が付かれる事なく入れ替わったわけで。

 

(や、奴はどこに!?)

 

そうなるとスパイシーはどこに行ったのかとターボマンは慌てて周りに視線を向けようとした瞬間、背中に何かが当たる感触を感じると同時にスパイシーの声が聞こえてくる。実は先程バタフライが使ったワンダホーの力でスパイシーと電柱の位置を瞬間的に入れ替えたのだ。それによってスパイシーはフリーになったのである。

 

「これなら当たるわね」

 

そして、スパイシーは再度ターボマンに接近。ハートジューシーミキサーを銃の様に構えて先端を彼の背中に突きつけ今にもエネルギーを放つ所だった。

 

「ちょっ、まっ!」

 

「プリキュア・デリシャススパイシー・ベイキン!!!」

 

「グ、ウオオオオオオオオッ!?」

 

スパイシーが引き金を引くとハートジューシーミキサーから強力なエネルギーが放たれてターボマンはまともに受けてしまう。このままエネルギーを受け続ければターボマンは機能が停止する。

 

「ま、また、負けてタマルガァヨォオオオオッ!!!」

 

「え、嘘っ!?」

 

しかしその前にターボマンはエネルギーの中を川の流れに逆らう鮭の様にゆっくりとスパイシーに近づいていき、スパイシーもそんなターボマンに驚愕の表情を浮かべる。ターボマンがスパイシーに距離を詰める度にターボマンの装甲は段々と崩れていくが止まろうとしない。そのままターボマンはスパイシーに向かって手を伸ばす。

 

「ダ、たオスゥゥゥゥゥゥゥゥッ!!!」

 

「こ、来ないで!」

 

対してスパイシーは体が一部崩れ落ちて尚自分を倒そうとするターボマンの執念と気迫に恐怖を感じて足がすくんでしまいその場から逃げ出せずにいた。

 

「スパイシー危ない!」

 

そんなスパイシーの危機にバタフライは彼女を助けるべくターボマンに向かって飛び足元にバリアを形成するとターボマンの背中に向かって急降下する。

 

「ひろがる!バタフライプレスッ!!!」

 

「ガアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!!!」

 

バタフライとスパイシーの技に挟まれたターボマンは断末魔の叫びと共に2人の技に耐え切れず爆散する。そして爆散した事で辺りにはターボマンのパーツが転がり、それを見たスパイシーはターボマンを倒せた事に安堵の息を吐く。

 

「た、倒せた…」

 

「スパイシー大丈夫!?」

 

倒した事によって安心したスパイシーは足の力が抜けて地面に倒れそうになるも咄嗟にバタフライが彼女を支えた。

 

「スパイシー、疲れているなら少し休む?」

 

「いえ、休んでいる暇は無いわ。私達の方は倒せたけど他の皆んなはまだ戦っているかもしれないというのに私達が休む訳にはいかないから」

 

自分達が他よりも早く倒せたのなら他の面々の加勢をしにいくべきだとスパイシーは提案するとバタフライはそれに了承する。

 

「わかった。だけど他の皆んな所へ行く前に回復はしておこっか」

 

そう言うとバタフライはミックスパレットの力で自身とスパイシーの体力と傷を回復させるとその場から去る。

そして、その場に残されたのはターボマンの残骸だけなのだがその残骸の元に1人の人物がやってくる。

 

「…あれほど己の事を最強と謳っておきながらたった2人にやられるとは…」

 

その人物は残骸に向かって呆れた眼差しを向けると興味を無くした様子でその場から去ろうとするが側にあった残骸から声が聞こえてくる。

 

「…オ、レは…マダ…」

 

「ほう」

 

残骸からまるで壊れたラジオの様にターボマンの声がノイズ塗れになりながら発せられる。それを聞いた男は興味が湧いたのか残骸に向き直る。

 

「バラバラにされても尚意識が保っていられるのか…いや、これはもう執念か」

 

原型を保てて無いにも関わらず意識が僅かに残っているターボマンに男は手を向ける。

 

「どうやら貴様の強さに対する執念は並のものでは無い様だな。ならばもう一働きをしてもらう。アンダーグエナジー、召喚」

 

そう言うと男…スキアヘッドはアンダーグエナジーを放出すると残骸に向かって注いでいく。するとアンダーグエナジーが宿った残骸は大きな変化を見せるのであった。

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