ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第139話 バッタモンダーの決着

ウィング達とバタフライ達の戦いが終わった頃、プリズムとブラペのコンビはバッタモンダーとの戦いが続いていた。

バッタモンダーが召喚し操るバッタ達は新たに増えたブラペもプリズム同様に餌としてしか見ておらず。囲い込んで一斉に襲い掛かる。

 

「「はああああああっ!!!」」

 

しかしプリズム達は互いの背中を守る様に立ち、それぞれ襲い掛かるバッタ達を光弾ではなく拳や足を使って叩き落とすと増殖を防ぐ。更には1人だと死角からの奇襲に対処が難しかったが2人いる事によりお互いの死角から襲い掛かるバッタを叩き出す。

ただ、次々と自分の召喚するバッタが倒されているのを見てバッタモンダーは焦るかと思いきや余裕の笑みを浮かべている。

 

「足元がお留守だぜ」

 

「「っ!」」

 

先程まで視界に現れるバッタ達に集中していたプリズム達だが足元に現れたバッタ達に反応が遅れて下から襲われそうになる。それを見たバッタモンダーも今度こそやったぞと自信満々になる。

 

「ちょっと触るぞ」

 

「えっ、わあっ!?」

 

「なにっ!?」

 

寸前の所でブラパがプリズムを抱えてその場から高く跳び上がる。それを追いかける様にバッタ達も上へと飛ぶ。だがブラペはバッタ達が自分の後をついてくる事は予想済みだ。

 

「プリズム多少目を回すが我慢してくれ。ペッパーミルスピンキック!!!」

 

誘き寄せたバッタ達に向かってブラペは急降下して回転蹴りを放つとバッタ達は纏めて蹴り飛ばされる。しかし、バッタモンダーは下からの攻撃は失敗に終わると見越していたのか。それならば上からはどうだと別のバッタの群れがブラペの上から襲い掛かる。

 

「そうはさせない!はあっ!!!」

 

上から迫り来るバッタに向かってブラペに抱えられていたプリズムが飛び、そのままムーンサルトの要領で蹴り上飛ばすと2人は地面に着地する。

 

「やるじゃないか。何か鍛えているのか?」

 

「うん、だって毎朝ランニングしているからね!」

 

「お、おう、そうか」

 

自信満々で答えるプリズムにブラペは苦笑いを浮かべる。一方でバッタモンダーは地面に倒れているバッタ達に向かって罵倒する。

 

「おい!相手は2人だけだぞ!それなのにお前たちは100匹以上もいるのに何やってやがる!?この役立たず共!」

 

近くに倒れているバッタを蹴り飛ばして非難するバッタモンダーにブラペは呆れた眼差しを向ける。

 

「そいつらはお前の命令を聞いて動いているんだ。なら下手な命令を出しているお前にも問題があるんじゃないのか?」

 

「何だと!?」

 

負けているのはお前の所為だとブラペからの指摘にバッタモンダーは顔を歪める。

 

「このバッタ達の詳しい仕組みを詳しく知らない俺が言うのもなんだが、一度にこの量に指示を出すとしたら複雑の命令なんて難しいだろ。正直これならまだランボーグって奴を操っていた方がまだマシだと思うぞ」

 

「言わせておけばこいつ…!」

 

好き放題言ってくるブラペにバッタモンダーは我慢の限界を迎えて感情のままにバッタ達に再び指示を出そうとするが直前で止まる。

 

(いや、落ち着け。怒りに任せるのは俺の悪い所だ。此処で怒ったらまたいつもと同じパターンになっちまう)

 

今回は昇進の話も聞かされているためアンガーマネジメントをして普段より慎重な姿勢を見せる。

 

(あのタキシード野郎の言う通り幾ら俺でも1匹ずつを同じタイミングで細かい指示を出すなんて出来ねえ。キメラングの奴ならいけたかもしれないが)

 

今までランボーグとかを使役していたバッタモンダーはこのバッタ達に対してはグループ分けをし、その内の1匹を親機と見たて命令を下していた。そして残りの子機にあたるバッタ達への命令は親機が伝達。こうする事で何とかなったが、ここから更に細かい指示を出すとなると難しいだろう。

 

「(くそっ、ランボーグの様に1()()だったらこんな苦労しなくて済んだのに…)ん?1()()なら?」

 

するとバッタモンダーは何か思いついたのか次第に口角が上がって笑い声を上げる。

 

「ハハハハッ!そうか、何でこんな簡単な事に気づかなかったんだ」

 

「な、なんだ?」

 

「急に笑ってどうしたんだろう?」

 

突然笑い出したバッタモンダーにブラペとプリズムの2人は互いに顔を見合わせ不思議そうな表情を浮かべる。

一方でバッタモンダーは笑い声が収まると先程まであった怒りが消失し余裕のある顔を浮かべる。

 

「確かに君の言う通りだ。僕は大量のバッタ達を1匹ずつ指示を出せる程器用じゃない。だからこそ其処で隙が生まれるだろう。ならさ、バッタの数が減れば指示もより複雑な内容を出せるんじゃないかな?」

 

「お前…何が言いたいんだ?」

 

「数を減らす…まさか!」

 

イマイチバッタモンダーの言葉の意味が理解出来ないブラペは首を傾げるのに対してプリズムは何か察した様子だ。

 

「プリズムと違って君は察しが悪いな。つまりこう言う事だよ。カモン、アンダーグエナジー!」

 

答え合わせだと言わんばかりにバッタモンダーはアンダーグエナジーを放出するとバッタ達はアンダーグエナジーを求めて一斉に飛びつく。そして次第にバッタ達はパズルの様に組み合わさっていきどんどん大きくなっていく。そのサイズは従来のランボーグ並みの大きさでバッタのグロテスクな顔が顕になる。

 

「「なっ…あっ…」」

 

「驚きのあまり声に出ない様だね。まぁ、仕方もないだろうねまさかこうなるとは想像もしなかっただろうからね」

 

目の前の物を見て愕然とするプリズム達にバッタモンダーは優越感に浸る。それもその筈だ。先程まで沢山いたバッタの群れはアンダーグエナジーにより一つの巨大なバッタへと化したのだ。

 

「最初は数が多ければ一斉に襲い掛かって勝てるなんて単純な考えをしていた僕だけど、よくよく考えれば態々ちっこいバッタ達にたくさん指示を出すよりも1匹に指示を出した方が楽って気づいたよ」

 

そう言ってバッタモンダーは語る中プリズム達は未だに驚いていた。

 

「アンダーグエナジーと融合して…デカくなっちゃった」

 

「いいや、寧ろ纏って1匹なったのは好都合だ。こんだけデカけりゃちまちまと1匹ずつ倒さなくて済むしな!」

 

「あ、待ってブラペ!」

 

巨大化した事でよりリアルなバッタの顔を目の当たりにして臆しかけるプリズムに対してブラペは寧ろ絶好のチャンスであると判断して飛び出した。

 

「ペッパーミルスピンキック‼︎」

 

高速移動をして一気に間合いを詰め、其処から必殺の蹴りをバッタに放つがその瞬間、バッタは姿を消す。

 

「な、消え「ブラペ後ろだよ!」なにっ!?」

 

プリズムの声に反応して後ろに振り返ると其処にはバッタがおり、更にバッタは特徴ある後脚によるキックをブラペの背中へ決める。

 

「があっ!!!」

 

「ブラペッ!!!」

 

バッタの蹴りをまともに受けたブラペは地面に叩きつけられる。その際にクレーターが出来、その蹴りの威力を物語っていた。

其処から更にバッタはブラペに向かって追撃しようと突撃するがブラペは咄嗟に起き上がり突進してくるバッタを避けてバッタは地面に頭をめり込ませる。

 

「なんだ、結局1匹になっても虫には変わりないか!ペッパーミルスピンキック!!!」

 

動けない今が攻撃のチャンスであると判断し、ブラペは今度こそ自身の蹴りを浴びせようと再び距離を詰め蹴りをバッタの胴体にお見舞いする。しかし、ブラペの蹴りはまるでゴムを蹴ったかの様に衝撃を吸収し其処から反発する様にブラペを吹き飛ばした。

 

「なっ、んだと!?」

 

吹き飛ばされたブラペは状況がすぐ理解出来なかった。先程蹴りを浴びせたつもりが気づいたらトランポリンの上を飛んだかの様に吹き飛ばされた彼は直ぐに体勢を直して地面に着地しようとする。だがそこへバッタは自身の羽を伸ばし羽を激しく動かす。

 

「なにっ、うおおおおおおっ!?」

 

「ブラペ!」

 

まるで巨大な扇風機と錯覚させる程の強力な風にブラペは吹き飛ばされるもプリズムが飛び、彼の身体を受け止める。しかしバッタの行動はそれだけでは終わらなかった。バッタの羽の動きは更に激しくなり周囲の瓦礫も台風の如く吹き飛ばしていき、その内の幾つかはプリズム達に襲い掛かる。

 

「「ああああああっ!!!」」

 

飛んできた瓦礫にプリズム達は避ける間もなく衝突して2人とも地面に吹き飛ばされる。そんな光景を見たバッタモンダーは気分を良くする。

 

「いやぁ、やっぱり1匹にしたのは正解だったね。しかも今までのバッタ達が合体している分強い様だ」

 

普段ランボーグを使役する様にしたお陰でバッタ達を今まで以上の実力を引き出し、プリズム達を追い詰める事にバッタモンダーは気分を良くする。

 

「これなら僕の昇進も確実になりそうだよ。ああ、見えるよ…僕の栄光あるマイロードがっ!!!」

 

バッタの圧倒的な実力に己の勝利を確信したバッタモンダーは自身の妄想に夢を見る。一方でプリズム達はブラペの回復の力で身体に当たった瓦礫の傷を治していた。

 

「すまないプリズム。俺が油断しちまった」

 

「ううん、気にしないで」

 

「しかし、どうする?打撃が無理なら光弾を…いや、1匹になったとはいえあれは元々俺たちのエネルギーを食うバッタだ。撃っても食われるのがオチか」

 

ブラペの予想は当たっている。この巨大バッタは元は大量のバッタがパズルの様に合体した事によって誕生し、全身の何処からでも光弾を撃ち込んでも食べられてしまうのだ。その為、光弾による攻撃は効果はあまりない。一体どうすれば良いかと悩んでいると近くから地面が砕ける音が響き渡る。

 

「「っ!」」

 

『ギチギチッ!』

 

どう倒すか考えているとバッタが漸く地面から抜け出すと大きくなった顎を鳴らして威嚇して近づく。

 

「くっ、考える時間も与えてくれないか」

 

迫り来るバッタにプリズムとブラペの2人は後退りする。そんな姿にバッタモンダーは愉快に笑みを浮かべる。

 

「良いよ。そのままその2人を追い詰めるんだ。それでゆくゆくは残りのプリキュア達も倒してプリンセスをあのお方に献上し、僕はアンダーグ帝国のNo.3に昇進できる!」

 

「No.3!?昇進!?ふざけるな!誰がお前の出世なんかの為にやられてたまるか!」

 

思わずバッタモンダーに吠えるブラックペッパーではあるが現状今の彼には今にも襲いかかってきそうな巨大バッタへの対抗する術は持ち合わせておらず、一体どうすれば倒せるか頭を悩ます。するとそんな時少し何かを躊躇った様子のプリズムが意を決して口を開く。

 

「…一つ可能性があるよ」

 

「本当か!?」

 

「うん。もしかしたら私の技なら倒せるかもしれない」

 

「プリズムの技?でも、お前の技って」

 

プリズムの技と聞いて思い浮かべるのは強力な光弾を放つプリズムショットを思い浮かべる。しかし、プリズムはそうではないと言わんばかりに首を横に振る。

 

「実は前にお婆ちゃんをグランさん、キメラングに傷つけられそうになった時に出たあの光弾を再現しようと練習して出来た技なんだけど、この技はあまりにも危険で恐らく威力は私の中では一番大きいと思っているんだ」

 

「危険だって?兎に角その技にはそれ程自信があるってことなんだな?」

 

「うん、だから少しの間だけ時間を稼いで!必ず当ててみせるから」

 

「プリズム…わかった!なら一発強いのを頼んだぜ!」

 

自信満々に答えるプリズムを見てブラペは躊躇いも無く返事をするとバッタに向かって走り出す。

 

「また1人で突っ込んできやがったか。其処まで死に急ぎたいなら望み通りにしてやるよ!」

 

「悪いが死ぬつもりはない!」

 

そう言うとブラペは自身の高速移動を使ってバッタを翻弄しようと動く。

 

「ハッ、幾ら早く動こうとしてもこいつはもうご存知の通り木偶の坊じゃないんだよ!」

 

高速移動を使うブラペにバッタモンダーも己のバッタに指示を出すとバッタも後ろ脚を使って一気に飛びブラペを追いかける。

 

「はああああああっ!!!」

 

高速移動で勢いがつき強烈な一撃を浴びせようとするブラペであったが、その一撃はバッタに避けられてしまう。それでも諦めずに何度も繰り返すが一瞬の隙をつかれて逆にバッタから強力な後ろ蹴りを喰らってしまう。

 

「ぐあっ!くそっ、やはり速いか…!」

 

認めたくないが速さに自信があったブラペは己の速さを上回るバッタに悔しそうな顔を浮かべる。

 

「ならこれだ!」

 

速さで不利と悟ったブラペは光弾を作り出すとそれを地面に叩きつけて煙幕を張る。

 

「くそっ、小癪な真似をしやがって!」

 

煙はバッタモンダーの方まで広がっていく。このままでは何処からブラペが襲いかかってくるかと周囲を警戒しているとバッタはとある方向へ顔を向けると其処に向かって突っ込む様に飛び込む。するとその衝撃で煙は晴れバッタが突進した先にはブラペがおり、攻撃をモロに喰らってしまい地面に倒れる。

 

「な、一体…どうやって…!?」

 

突進されたブラペは苦しみのなかで何故自分の場所がわかったのかわからなかった。

バッタを筆頭に昆虫の触覚は周囲の物や餌の匂いを感じ取れる仕組みになっている。しかもこのバッタの触覚には本物以上の性能があり、その為ブラペの臭いを感じ取り場所が把握できたのだ。

 

「ハッ、どうやら最後の策だった様だがうまくいかなかった様だな。後はお前にトドメを刺して続いてはキュアプリズムを倒してやる」

 

倒れているブラペを逃さない様にバッタモンダーはバッタに指示を出し、前足でしっかりと地面に押し付けて逃さない様にする。ブラペの絶体絶命、という状況にも関わらずブラペ自身は口元を緩める。

 

「なんだ…急に笑いやがって?もう何もかも諦めたか?」

 

「違えよ。お前らがまんまと俺に注目してくれた事につい笑っちまっただけだ」

 

「何を言って…いや待て。何故お前がピンチにも関わらずプリズムは助けに来ないんだ?」

 

先程までブラペと共に戦っていた筈のプリズムは気が付けばブラペの側におらず、更には人一倍優しい性格の彼女がブラペを助けに来ない事にバッタモンダーは漸く不審に思った。

 

「今更気づいてももう遅えよ。俺の仕事はここまでだ」

 

「仕事って…まさかテメェ!時間稼ぎのつもりで!?」

 

「気づいてももう遅いよ!」

 

すると遠くからプリズムの声が聞こえてバッと聞こえてきた方向に振り向くと其処にはプリズムが立っている。しかし彼女はただ立っているだけで無く右手を上に上げて其処にはいつもの様な光弾…では無く光の円盤を手の上に作り出していた。

 

「ブラペありがとう!そして、これが私の新しい技。ヒーローガール!プリズムスライサーッ!!!」

 

技名と共に腕を振ると光の円盤はブラペを取り押さえるバッタに向かって高速回転しながら飛んでいく。

 

「ハッ、何が出るかと思ったらそんなフリスビーで俺の自慢のバッタの身体は傷つかないぜ」

 

得意気に笑うバッタモンダーであったが対してバッタの方は飛んでくる円盤に身の危険を感じたのか慌てて避けようとするが。そうはさせまいとブラペが前脚を掴む。

 

「おっと、そうはいかないぜ!」

 

『ッ!』

 

先程までブラペを取り押さえていたが今度は逆にブラペに脚を掴まれたバッタは逃げることが出来ず円盤によって後ろ右脚を切断される。

 

「はっ?」

 

それを見たバッタモンダーは呆気に取られる。先程までフリスビーと馬鹿にしていたプリズムのプリズムスライサーはてっきりエネルギーで出来ているから切られる事なく食べると予想していたがそれを裏切り足を切断された事にフリーズしてしまう。

 

「まだ終わらないよ!はあっ!」

 

一方でプリズムは自身の指を演奏団の指揮者の様に巧みに動かしバッタの後ろ足を切断して飛んで行ったプリズムスライサーが方向転換して再びバッタに向かって襲い掛かる。

 

「な、何やっている早く逃げろ!」

 

戻ってくるプリズムスライサーに気づいたバッタモンダーは慌ててバッタに指示を出すがブラペが前足を捕まえて逃げられない様にし、更には後ろ脚を一本切られた事で力が大幅に減り、ブラペから振り解く事が出来ない。

そしてそのまま残りの後ろ脚に加えて前足と中足も切断されて達磨状態と化してしまう。

 

「これならもう動く事が出来ないよな。ペッパーミルスピンキック!!!」

 

文字通り手足が出ないバッタにブラペはこれまでの恨みを晴らさんと言わんばかりに回転蹴りを放ちバッタモンダーに向かって蹴り飛ばした。

 

「ウギャーッ!?こっち来んなぁー!」

 

飛んでくるバッタに慌ててバッタモンダーは逃げるが彼の足では逃げ切れずそのままバッタの巨体に下敷きになってしまうだろう。だが、そこへプリズムは再びプリズムスライサーを作り出す。

 

「ヒーローガール!プリズムスライサー!!!」

 

再び投げ出される円盤はバッタモンダー…では無く彼を押し潰そうとしたバッタを真っ二つにしてバッタモンダーは真っ二つにされた胴体の間に収まり下敷きを避けられた。

 

「た、助かった…」

 

危うく潰されかけたバッタモンダーは腰が抜けて地面に尻餅をつく。一方でブラペはプリズムにバッタモンダーを助けた事を問い詰めていた。

 

「なんで奴を助けたんだ?」

 

正直バッタモンダーとは其処まで顔を合わせた回数は少ないブラペだが彼の素行と言動からして弱者を痛ぶる性格をしている事を察していた。だからこそそんなバッタモンダーを助けた事が不思議で仕方なかった。

 

「…確かにバッタモンダーは今まで私達に酷いことをしてきたよ。でも私はプリキュア、ソラちゃんやらんこちゃん達の様なヒーローガールは戦意がない相手を過剰に傷つけたりはしないから私もバッタモンダーをこれ以上傷つけたくないの」

 

「お前…」

 

敵とはいえ傷つけたくない…そんなプリズムの優しさにブラペは正直言って"お人よしだな"という印象を受ける。しかし、それは悪い事ではなく寧ろブラペにとっては好印象であった。

 

「罪を憎んで人を憎まず…か」

 

敵に慈悲の心を見せるプリズムを見てブラペは脳裏にある記憶が過ぎる。それは去年のクリスマスにて目の前で父に大怪我を負わせたブンドル団のボス、ゴーダッツことフェンネルに復讐しようとするがそこへ必死に止めに入り自身を説得しようとしたキュアプレシャスの事を思い出す。

 

「…あいつと似ているな」

 

「え、何か言った?」

 

「いや何でも」

 

プリズムとプレシャス、他人とはいえ同じプリキュアとして志しは似ているものはあるのだとブラペは実感するのだった。

 

「は、ハッ!とんだお人よしだな!俺がお前に助けられたからって恩を感じるつもりは無いぜ!何せ今回は俺の出世が掛かっているんだからそう簡単に引くつもりはないぜ!」

 

「おい、あいつ全然懲りてねえぞ」

 

やはり一発蹴りを入れた方がいいかと悩んでいると突然プリズムが二つに切ったバッタが点滅する。

 

「あ?何で急に光出して…あっ、そう言えば」

 

点滅するバッタを見てバッタモンダーはある事を思い出す。それはバッタモンダーがバッタを作り出す力を手に入れた翌日、まだパラサイアに乗っ取られていたグランことキメラングがバッタモンダーにある事を忠告していた。

 

『バッタモンダー君、君の作り出すバッタは底無しの食欲に満ち溢れているけどエネルギーを摂取した状態で合体させると個々にあったエネルギーが一気に化合して爆発する恐れがあるからくれぐれも合体させるのは控えておくんだよ』

 

『あー、はいはい。わかった、合体はしねえよ』

 

キメラングはこの時珍しく忠告をしたがバッタモンダーはバッタ達を操る練習で全く聞いておらず、空返事をするだけであった。

その時の事を今になって思い出したバッタモンダーだが慌てて転移して逃げようとするもその前にバッタは大きな爆発を引き起こした。

 

「ぎゃああああああっ!!!俺の出世がーっ!?」

 

爆発の中心にいたバッタモンダーは全身黒焦げになって吹き飛ばされ、嘆きの声と共に遠い空の彼方へと消えていくのであった。

そんなバッタモンダーの退場する所を間近で見ていたブラペは呆れた表情を浮かべる。

 

「ったく、最後まで出世の事を気にする辺り逞しい…いや、卑しい奴だな」

 

「だ、大丈夫かな。思いっきり吹き飛んで行ったけど」

 

普段の様に転移して撤退せずお星様と化したバッタモンダーにプリズムは敵にも関わらず心配する。そんなプリズムにブラペは思わず肩をすくめる。

 

「あーいう奴は結構しぶといタイプだから問題はないだろ。それにロ◯ット団みたいに飛んで行ったんだ。多分その内またやってくるだろ」

 

「そ…そうなんだ」

 

まるでらんこみたいにアニメに例えるブラペにプリズムは苦笑いを浮かべる。

 

「にしてもあの技、プリズムスライサーだったか?凄い切れ味だな」

 

「ま、まぁね」

 

褒められているにも関わらずあまり嬉しそうな顔をしてないプリズムにブラペは気になって話しかける。

 

「どうした?何かあの技に不満があるのか?」

 

「だ、だって…あんな丸鋸みたいな物騒な技で誤って皆んなを傷つけそうだから」

 

一応プリズムの意思で操れるからあまり誤射する事はないがそれでも自分らしくないバイオレンスチックな技がもし味方を傷つけたらと思うと不安になってしかたなかった。

 

「気持ち分かるぜ。俺も前にウバウゾーとの戦いで俺の攻撃が受け流されてそれがプレシャス達に当たりそうになったからな。お陰で自信を無くして戦うのをやめようと思ったくらいにな」

 

「そうなの?」

 

実力のあるブラペにもミスをして自信が喪失した事があると聞かされた事にプリズムは驚く。

 

「まぁ、その後色々あって自信を取り戻したんだ。というか物騒な技って言ったらヤムヤムだって斬撃を飛ばしたりしているから今更だし。他にも此処とは違う場所にいるプリキュアだってお前と似た様な技を主力として使っているかもしれないぜ」

 

「ははっ、まさか」

 

幾らプリキュアが沢山いるからといってそんな物騒な技を使うプリキュアは早々いないだろうとプリズムは判断する。

尚、余談だが同時刻にて此処から遠く離れた街にある和菓子屋の娘が趣味である小説を書いている最中にクシャミをしたとか。

 

「ありがとうブラペ、お陰で少し自信が湧いてきたよ」

 

「気にするな。それよりも気づいたか?さっきまで周りから聞こえていた激しい音がだんだんと静かになっていく事によ」

 

「え?」

 

ブラペの指摘にプリズムは辺りに耳を澄ませる。最初は他のプリキュア達があちこちに分散して敵と戦っていた事により発生した戦闘音は気が付けば全て無くなった訳ではないが半分程の大きさしか聞こえなくなっていた。

 

「恐らく俺たち以外も何人か戦いにけりをつけたみたいだ」

 

「それじゃあ、まだ戦っている所は苦戦を強いられているという事?」

 

そう考えると急いで助けに行った方が良いだろう。勿論先に戦いが終わった方は仲間が勝ったと2人は信じている。

 

「じゃあどうする?今の所聞こえているのは2つ…かな?どっちに行った方が良いかな?」

 

「そうだな…俺としては」

 

どちらの方へ行くかブラペは口に出そうとした瞬間、比較的近くの方から大きな2000という数字が浮かび上がったのが目に入る。

 

「……今のはプレシャスだな」

 

「うん、間違いなくプレシャスだね」

 

先程目に入ったのはプレシャスの技である2000キロカロリーパンチによるものだと察した2人は近くで戦っているのがプレシャスであると確信した。

 

「なら、プレシャスの方へ行くか。もう一つの方はプレシャス達を助けてからだ」

 

「うん、私もそれが良いと思う。プレシャスとベリィベリーさんが戦っている相手はランボーグにされたシャララ隊長だから早く助けないと」

 

2人は先ずプレシャス達とシャララを助ける事を決めると直様プレシャス達の方へと向かうのであった。

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