ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第143話 パラサイアの決着 前編

激しい戦闘を終え、パラサイアからツイスターを取り戻して一件落着になって一度は安堵しかけたが間髪入れずに新たなトラブルに遭遇した一同は唖然とする。

 

「う、嘘でしょ…!」

 

「パラサイアが…!」

 

「ターボマンと合体しちゃったーっ!?」

 

思わず大声を上げてしまうのも無理はない。何しろ倒した筈のターボマンが何故か復活してパラサイアが今度はそのターボマンを乗っ取り大きな蜘蛛へと姿を変えたのだ。

 

『流石は奴のアンダーグエナジー。実に身体によく馴染むぞ!』

 

「奴…だって?」

 

新たに得た身体にパラサイアは気分を昂らせる。その最中に気になる言葉を発言した事をグランは聞き逃さなかった。

 

(奴…まさか彼がここに来ているのか!?)

 

パラサイアの言う奴という存在に心当たりがあるのか慌てて周囲を見渡して警戒を強めるグランであったがここに集まっている者以外に気配が感じない事にホッと安堵の息を吐く。

 

「グランさんどうしたの?何か気になる事でもあったの?」

 

「…いや、何でもないよ。それよりもパラサイアに集中するんだ」

 

心配してくるプリズムを誤魔化してグランは今は目の前の敵に集中するべきだと意識を変えると、他の皆もそれぞれファイティングポーズを取る…1人を除いて。

 

「ぐ…身体に…力が入らない…!」

 

「いけない!ツイスターが!」

 

「そうだった!ツイスターはまだダメージが残っているよ!」

 

ガードレールに身体を預けて何とか地面に立ち上がるツイスターは先程パラサイアを身体から追い出す為とはいえ一同の技を受けその際のダメージが身体に残っていたのだ。それ故に彼女は碌に体を動かす事が出来ずにいた。

そんなツイスターをパラサイアは蜘蛛特有の8つの複眼でその姿を捉える。

 

『どうやら貴様は動けない様だな。先程まで使ってたとはいえ一度捨てた身体にはもう興味はない!』

 

動けないツイスターを補足するとパラサイアは鋭い凶器の様な足を彼女の身体に突き刺そうとする。

 

「不味い!」

 

「ツイスター!」

 

それを見たスカイ達は彼女を助けようと一斉に動く。するとその中で稲妻と残像を残す者が一人ツイスターへ真っ先に向かって彼女を抱えるとその場から跳ぶ。直後にツイスターがいた地面へとパラサイアの足が深々と突き刺された。

 

「大丈夫かツイスター!?」

 

「あ、ありがとう…トール」

 

助けてくれたトールにツイスターは彼にお礼を言うが何やら罰の悪そうな顔を浮かべる。

 

「どうしたんだ?まさか身体の痛みが尋常じゃないのか!?」

 

「違う。そうじゃないのよ」

 

そうだとしたら早くツイスターの身体を癒そうとバタフライかブラペの元へと向かおうとするがツイスターはそうではないと否定する。

 

「その…私、あの時トールにも酷い事をしちゃって…」

 

「あの時だって?ひょっとしてホワイトツイスターになって俺と戦った事か?」

 

酷い事と聞いて思い当たる事といえばハイメット、パラサイアに洗脳されていた時の事だろう。

 

「あの時、私…実は薄らと自我はあったの。洗脳されていたとはいえ私…トールやスカイに皆んなを傷つけようとしちゃった」

 

思い返して見ればツイスターがホワイトツイスターと成りスカイ達と話す時。時々悲しそうな顔を浮かべており、恐らく洗脳されたばかりな事も本来のツイスターの人格も薄らと残っていたのだろう。

だからこそハイメットによる洗脳で闘争心を抑えきれずトール達と戦った事や街を破壊して住民に危険を晒そうとした事に強い罪悪感を抱いているのだ。

 

「それなら大丈夫。俺全く気にしてないから」

 

「いや、そうは言っても私は…」

 

トールが気にしてないと言ってもツイスターは直ぐに納得出来ない様子だ。それもその筈、洗脳されてたとはいえ態々デパプリ組までも助けに来てくれたりと迷惑をかけてしまってから罪悪感を凄まじいだろう。

 

「そう思い詰めるなよ。確かに仲間を傷付けるのは心に来るけど、誰も大怪我はしてなかったんだろう。ならそれで良いじゃん」

 

「でも…」

 

再度説得しようとするもツイスターはやはり納得出来ず思い詰めている。そんなツイスターにトールは少し表情を変える。

 

「…まあ、俺としても今回の件は俺にも責任の一端があるからあまり強くは言えないけど」

 

「…え?どういう事?」

 

自分にも責任があると言うトールの発言にツイスターは耳を疑った。今回の件は思い返してもトールに非があるとは思えなかった。にも関わらずトールが責任を感じている事に不思議に思いツイスターはトールに問い詰める。

 

「だって俺…ツイスターの彼氏だろ。それにも関わらずツイスターのピンチな時に直ぐにやって来れず今回だって、俺の速さを使えばスカイがツイスターを傷付けずに済んだのに」

 

自分がもっと上手く立ち回れば今回の様な大事にならずに済んだのではとトールはそんなもしもを考える。

 

「俺はツイスターの…らんこさんの彼氏になる時に必ずらんこさんを守るって誓ったのに全然俺はらんこさんを守れなかった…彼氏として不甲斐ない」

 

「そ、そんな事ない!私が怪我をするのは私の落ち度よ!だから自分を貶す真似はやめて!」

 

自分が悪いと訴えるトールにツイスターは慌てて止める様に言うとトールは「ぷっ」と笑い出す。

 

「ならツイスターもいい加減罪悪感を抱くのをやめてくれよ。皆んな誰もツイスターが悪いなんて思ってもいないからさ。寧ろツイスターが無事戻ってきてくれた事が何より嬉しいよ」

 

「トール…」

 

皆を傷つけようとしたにも関わらず許そうとするトールにツイスターは先程まで暗かった表情に少し明るさを取り戻す。

 

『貴様等、私の存在を忘れている訳では無いだろうな!』

 

「「っ!」」

 

しかし、2人の時間をいつまでもパラサイアが見逃す訳が無く2人に向かって複眼からレーザーを放つ。

迫り来るレーザーにトールはツイスターを抱えて回避しようとするが反応するのが少し遅れてそのままレーザーが2人に命中する。

 

「「させない!」」

 

『なにっ!?』

 

しかし、レーザーが命中する直前にトールとツイスターの前に蝶とパン型のバリアが出現してレーザーを防いだ。そして、そのバリアの出現と共にスカイ達がツイスター達の前に降り立った。

 

「大丈夫ですか2人とも!?」

 

「危ない所だったね!」

 

「あ、あんた達…」

 

心配して声をかけてきたのはスカイとプリズムの2人だ。そしてその周りにはウィングとバタフライだけで無くプレシャス達がツイスターに視線を向けていた。その視線を受けたツイスターは気不味い気持ちが再び浮上して思わず目を逸らそうとしてしまうが。

 

「あー!ヤダヤダ!こんな戦場のど真ん中でイチャついてさ」

 

「ま、マッドサイエンティスト?」

 

そんな空気をぶち壊したのはゲンナリした顔を浮かべてわざとらしくオーバーリアクションを取るグランだった。ツイスターはまさかの人物が口出ししてきた事に驚きの表情を浮かべる。

 

「おっと、私はもう悪の科学者(マッドサイエンティスト)じゃないよ。清廉潔白天才科学者のグランさ!はい拍手ッ!」

 

「え?…え?」

 

名前を訂正させ拍手を促すと周りで何名かがノリ良く手を叩く。そんなやり取りにツイスターは目をパチクリと瞬きさせ呆気にとられる。

 

「さてさて、君がさっきまでイチャイチャしながら罪悪感を抱いた所為で口の中から砂糖、いや練乳を吐き出しそうになりそうだよ。そう思わないかいキュアプレシャス」

 

「うんうん、分かるよ。練乳をイチゴに掛けて食べる!想像しただけで腹ペコったよ!」

 

「練乳を付けてイチゴを食べるのを良いけど私はイチゴジャムが塗られたトーストが良いわね」

 

「あっ、そういえば最近はいちごメロンパンって言うのもあるって聞いたよ」

 

「ほお、それなら私はイチゴパフェやイチゴサンデーとかが良いな」

 

「お前たちは何を言っているんだ?」

 

グランに話を振られたプレシャス達だが、彼女達は本来の話をそっちのけでイチゴ系スイーツの話を始めた事に隣で見ていたブラペは呆れた顔を浮かべる。

 

「それじゃあこうしましょう。この戦いが終わったらツイスターにイチゴのスイーツを奢って今回の事はそれでチャラにしましょう」

 

「ちょっとマリちゃん!?何を勝手n「あ、私それに賛成ー!」バタフライまで…」

 

スイーツを奢るなんて言ってないのにいつの間にか奢る流れになっているこの状況にツイスターはゲンナリした表情を浮かべると其処にシャララとベリィベリーが口を開く。

 

「誰もお前の事を悪いなんて思う奴は何処にも居ないぞらんこ仮隊員」

 

「シャララ隊長の言う通りだ。いい加減自責の念に囚われるのはやめておけ」

 

「シャララ隊長、ベリィベリー…」

 

2人の言葉に続く様にスカイとプリズムにウィングも声を上げる。

 

「そうですよ。元を正せば私が原因なんですからツイスターは謝らないでください」

 

「これ以上貴女が責任を取る事はありませんよ。そもそも貴女を操ろうとしたパラサイアが悪いんです」

 

「そうだよ。皆んなツイスターが大好きなんだから。ツイスターが罪悪感を感じるなんて誰も望んでないよ」

 

「スカイ、ウィング、プリズム…」

 

仲間達からの声にツイスターは先程まであった罪悪感は完全に消えていく。そして最後にもう一度トールが話しかける。

 

「どうやら杞憂だったみたいだなツイスター」

 

「…そうね。私とした事が…皆んなが私の事をどう思っているかわかっていた事じゃない」

 

一瞬スカイ達の優しさに泣きそうになるもこれ以上余計な心配をさせまいと涙を拭くと強気な眼差しを浮かべる。

 

「皆んなありがとう。ならこれが終わったら盛大に打ち上げをしましょう。その為にも私の身体を乗っ取って好き勝手にしてくれた寄生中、パラサイアを倒すわよ!」

 

『ええ(はい)(うん)‼︎』

 

一同はツイスターと心を一つにすると目の前の敵、パラサイアへ一斉に視線を向ける。

 

『クククッ、漸く戦う気になったか。全く、くだらない話で無駄に時間を潰すのではない‼︎』

 

そう言うと再びレーザーを放つが、ツイスター達は一斉に跳びレーザーを回避する。そして直様ツイスターがパラサイアに向かってテンペストバトンを構え、その隣ではパラサイアがアーマーをジェットモードに切り替えてウィングを分割させる。

 

「受けてみなさい!ツイスタートルネード!!!」

 

「オプションで剣は如何かな‼︎」

 

パラサイアの巨体がツイスタートルネードで覆われて其処に向かってグランは六枚の剣を飛ばし、強力な竜巻の流れに合わせてパラサイアの身体を斬っていく。

 

『こんなもの私にとってそよ風に過ぎん!』

 

しかし、パラサイアは自身の身体を竜巻とは逆回転に回る事で竜巻を掻き消すと同時にパラサイアの剣を弾き飛ばしてしまう。

 

「くっ、やっぱり傷が癒えてないと本調子が出ないわね」

 

「そう落ち込むなツイスター」

 

「そうだ。此処は我々に任せてくれ!」

 

自身の攻撃が効かないツイスターをフォローしつつ今度はトールとベリィベリーの電撃コンビが動き出す。

 

「これでも喰らえ!」

 

「ベリィベリーさんに負けねえぜ!ひろがる!トールハンマーッ‼︎」

 

ベリィベリーの電撃と共にトールの雷のハンマーが放たれるとベリィベリーの電撃を吸収して普段より一回り大きくなったトールハンマーがパラサイアの身体に向かって叩きつけようとする。

 

『無駄だ!』

 

するとパラサイアは胴体にアンダーグエナジーを纏わせ襲い掛かってくるトールハンマーをその身で受けるが傷が一つもつかなかった。

 

「ちっ、なんて頑丈な!」

 

「もっとパワーを上げねえとな!はあああああああああっ!!!」

 

自分達の攻撃に傷つかないのを見てトールは己のオーラを放出して青白から紫に変化する。其処から更に力を出そうと黒い稲妻を全身から放ち始める。

 

「うおっ!?おい!危ないだろうが!」

 

「ああっ!ご、ごめんベリィベリーさん!」

 

しかしすぐそばに居たベリィベリーに向かって黒い稲妻が飛んで行った事にトールは慌ててオーラを消した。

それを見ていたパラサイアはチャンスと言わんばかりに笑みを浮かべる。

 

『敵の前で力を消すとはな、私に向かって攻撃しておいて今更止めるなんて虫のいい話は通用せん!』

 

すると今度はパラサイアが口元から牙を連続で放つ。飛んでくる牙にトールはベリィベリーを抱えて避難しようとする。

 

『パラサイサイ』

 

「「なっ、ぐああああっ‼︎」」

 

「トール!ベリィベリー!」

 

しかし、パラサイアが呪文を唱えると牙はトール達の逃げた先に転移するとトール達は牙に衝突して地面に撃ち落とされてしまう。

 

「ならこれはどう!バリバリカッターブレイズ‼︎」

 

「出し惜しみはなしだよ!ヒーローガール!プリズムスライサー!!!」

 

続いてはヤムヤムの斬撃に加えてプリズムの新技であるプリズムスライサーがパラサイアの蜘蛛の足を切断しようとする。

 

『甘いな』

 

対してパラサイアは迫り来る斬撃にアンダーグエナジーを足に纏わせると全て叩き落とした。

 

「なんて事!4人の攻撃が効かないなんて…それなら今度は私達の番よフィナーレ!」

 

先の4人の攻撃が効かない事に一瞬焦りの表情を浮かべるスパイシーだが臆せずにハートジューシーミキサーを取り出して隣に立つフィナーレに協力するように声をかけるが何やらぶつぶつと呟いていた。

 

「フィナーレ?」

 

「丸鋸…シュルシャガナ…シン◯ォギア…うぅっ、調ぇ」

 

「フィナーレどうしたの!?まさか攻撃でも受けたの!?」

 

何やら頭を抱えて苦悩している様子のフィナーレにスパイシーはパラサイアから知らずのうちに攻撃されたのかと心配して肩を揺さぶると「ハッ」と声を上げる。

 

「大丈夫だ。何も心配はないデス」

 

「そう、それなら良かった…デス?」

 

普段のフィナーレを知っているスパイシーは彼女があまり聞き慣れない語尾を口にした事に思わず固まるがきっと連戦によって疲れによる幻聴が出たのだろうとスパイシーは判断し各々得物を構える。

 

「行くわよ!プリキュア・デリシャススパイシー・ベイキン!!!」

 

「ならこちらもプリキュア・デリシャスフィナーレ・ファンファーレ!!!」

 

2人が放つ強力なエネルギー。これならばダメージを与えられるだろうとその場にいる一同は確信をするが。パラサイアは尾から糸を放つと直ぐさま網を作りそれを目の前に出すと2人のエネルギーを包み込む。

 

『ほら、返すぞ』

 

「「なっ!?」」

 

「危ない!」

 

「掴まれ!」

 

跳ね返されたエネルギーにスパイシーとフィナーレは避ける間も無くその身で浴びそうになるも間一髪シャララとローズマリーが乗るワシオーンに助けられて2人は回避する。そしてそのままワシオーンはパラサイアの周りを飛んで撹乱する。

 

『チィッ!鬱陶しい小蝿が!』

 

パラサイアはワシオーンを撃ち落とそうと再びレーザーを放とうとするものの其処にスカイとプレシャスが側のビルの屋上から飛び降りてパラサイア目掛けて拳を振るう。

 

「ヒーローガール!スカイパーンチッ!!!」

 

「2000キロカロリーパーンチッ!!!」

 

『ぐうっ!!!』

 

ワシオーンに集中していた為、2人の存在に気づかなかったパラサイアは強力な一撃を叩き込まれてあまりの衝撃に地面に崩れ落ちる。

 

「ウィング私達も!」

 

「ええ、スカイ達に続いて!」

 

倒れているパラサイアに更に追い討ちを加えようとバタフライはミックスパレットのボタンを全て押して火の鳥と化したウィングの背に飛び乗るとそのまま一気にパラサイアに向かって飛んでいく。

 

「いくよ!プリキュア!タイタニックレインボー!アタークッ!!!」

 

地面に倒れている今なら確実に当てられると思ったバタフライ達はそのままトンデモ質量と化したウィングの我儘ボディでパラサイアは押し潰される。

 

「…手応えが…ない?」

 

『惜しかったな』

 

押し潰した感触が無く更には上から聞こえてきた声にバタフライは上を見ると其処にはビルの壁にしがみついているパラサイアの姿があり、バタフライ達は慌てて離れようとするもその前にパラサイアの牙ミサイルが飛んでいく。それを鋼鉄の剣が横から飛んできて牙が粉砕される。

 

「おっと、そうはさせないよパラサイア!」

 

再びグランが現れて自身のアーマーのウィングを分割させてパラサイアの全身を切り刻もうとする。だが、幾ら切り刻んでも全く効果は無く。パラサイアは煩わしく感じてきてグランをレーザーで吹き飛ばそうとするが、突然遠くから飛んできたマフラーによって足を絡め取られてレーザーの軌道が大きくズレてしまう。パラサイアは己の足を縛りつけるマフラーの先を見ると其処には2人の男女が立っていた。

 

「ぐっ、ブラペもっと力を入れなさい!」

 

「そうは言ってもお前の回復とこの綱引きを同時にやるのって結構酷だぞ!」

 

其処にいたのは自身のマフラーを綱引きの如く引っ張るツイスターに彼女の傷ついた身体を癒しながら共にマフラーを引っ張るブラペの姿があった。更に其処にワシオーンに乗るローズマリーが鞭で他の足を縛り付けてパラサイアの動きを止める。

 

『小賢しい真似を!』

 

「小賢しくて結構!寧ろ褒め言葉だよ!」

 

「皆さん!今がチャンスです!」

 

ツインミラージュの剣を構えるグランはパラサイアの足を斬り、更には彼女に続いてスカイ達も再び攻撃を加えていく。全身から伝わるダメージにパラサイアは我慢出来ずにいた。

 

『鬱陶しいぞ小蝿どもがーッ!!!』

 

我慢の限界を迎えたパラサイアは目だけで無く全身からレーザーを放っていき辺りの建物や地面を抉っていく。

 

『うわぁああああああっ!!!』

 

そしてレーザーはプリキュア達にも襲い掛かり、全員がレーザーの餌食となり地面に倒れて表情を歪ませる。

 

「まだだ!」

 

「ワシオーン頑張って!」

 

『カトンボが…落ちろッ!』

 

そんな中、シャララとローズマリーはワシオーンの機動力によりレーザーを回避出来た為一気にパラサイアの元へ突っ込んでいく。対してパラサイアは迫り来るシャララ達を撃ち落とそうとレーザーを連射するが其処もワシオーンの機動力で回避し、ある程度の距離まで来るとシャララとローズマリーはワシオーンから跳びパラサイアの無数にある目を潰そうと剣と拳を振る。

 

『甘いな』

 

しかし、2人の攻撃がパラサイアの目に当たる瞬間にパラサイアは全身をアンダーグエナジーで纏わせると2人の攻撃を防いだ。

 

「なっ!バリアだと!?」

 

「これじゃあ私達の攻撃が通じない!」

 

『目を潰そうとしたのは戦略的に良いがそう簡単に潰せる程私の目は安くない。従って代償は払って貰う!』

 

「「しまっ!?」」

 

レーザーが再び発射されようとした時にやられると確信したシャララ達。このままレーザーをまともに喰らえばタダでは済まされないだろう。せめてダメージを軽減する様に2人は両腕で頭を守るようにする。

 

「オオーンッ‼︎」

 

「ワシオーン!?」

 

「何をして!?」

 

しかしレーザーが放たれる直前にワシオーンはシャララとローズマリーにタックルを喰らわせてレーザーの射線上から遠ざけた。そして発射レーザーはシャララ達ではなくワシオーンの身体を容赦無く襲う。

 

「オオオオオオンッ!!!」

 

「「ワシオーン‼︎」」

 

強力なレーザーを大量に浴びたワシオーンは羽を撒き散らかせながら遠くの彼方へと吹き飛ばされていき、シャララとローズマリーはワシオーンの行動でレーザーを喰らわなかったがレーザーの余波により吹き飛ばされ近くの建物に叩きつけられて気を失ってしまう。

 

『さて、これで戦う者はいなくなった。つまり私の勝利で良いな』

 

目の前で倒れ伏せるプリキュア達を見て自身の勝利を確信して余韻に浸かろうとするが、直ぐそばから声が聞こえてくる。

 

「ぐっ…ま、まだです!」

 

「まだ、戦える…!」

 

全身にダメージを受けても尚、立ち上がるスカイとプリズム。無論、2人だけでなくプレシャスやフィナーレにトール達も立ち上がる。

 

「うっ、足に力が…!」

 

「私も…力が…入らない…!」

 

しかし、それ以外の面々はレーザーを多く受けた、または当たり所が悪かったのか立ち上がることが出来ずにいてその中にはツイスターもいた。

 

「ぐっ、ブラペ起きて!私も立ち上がらないと…いけないのに……!」

 

「ぅぅ…」

 

折角ブラペによってある程度まで回復したが先程のレーザーの雨を受けてしまったツイスターは振り出しに戻りその場から立ち上がれずブラペに再び自身を回復させるようにと頼もうとする。しかし、ブラペは受けたダメージが大きく気を失っている。どうしたら良いと頭を悩ませていると其処へ側に倒れているグランが話しかける。

 

「無茶はいけないよツイスター。此処は一旦冷静になれば解決策が思いつくはずさ」

 

「グラン…あ、そうだ!」

 

グランの姿を見て何か思いついたようでツイスターは何かを取り出した。

 

「確か…この弾を撃ち込めば強くなれるのよね」

 

「おいおいそれを使う気かい?」

 

ツイスターが取り出したのはドーピングカプセルが入ったピストルであった。どうやらパラサイアが憑依され、そのままツイスターが持っていたようだ。まさかツイスター自身がドーピングカプセルを進んで使おうとする事にグランは驚くがツイスターはそれを否定する。

 

「ううん、これを使うのはあんたよ」

 

「は?私が?」

 

てっきりツイスターが使うと思ったら自分に向かって使わせようとする事にグランは呆然とする。

 

「あんたはこの力に使い慣れている。それならあんたが使った方が有意義ってものよ。それに弾の数を確認したら一個しかないし」

 

確かにツイスターの言葉に一理ある。グランは元々ドーピングカプセルの開発者だ。キメラングの時にも頻繁に使ってそのおかげでドーピングに耐性が出来たようでパラサイアから解放後も自身の身体の回復と強化の為使い熟すことが出来ていた。その為、此処はグランが使った方が良いのだろう。

 

「魅力的な提案ありがとう。でも、お断りさせていただくよ」

 

「は?なんでよ」

 

何故かドーピングを拒否するグラン。普通ならドーピング慣れしているグランが適材の筈なのにそれを断った事にツイスターは理解出来なかった。

 

「確かに私が使っても良いだろう。だけど、君がカプセルを使ってダークツイスターとなれば勝率はそれ以上に跳ね上がると思うよ」

 

「っ!」

 

グランの指摘にツイスターは固まる。確かにアンダーグエナジーによって変化した己の姿、ダークツイスターの戦闘能力であればパラサイアに勝てるかもしれない。だが、ダークツイスターに成るにあたってある一つの不安要素があった。

 

「あんたのいう通りよ。でも…あの黒い姿はまだ完全にコントロールが出来ないのよ」

 

思い返してみれば今までダークツイスターへ変身した際はツイスターの自我が失い、まるで血に飢えた獣と化すと視界に映るものを全て敵と判断し暴れると言った厄介な所がある。それでも成功した例は並行世界での初めての変身、そしてゼインとの戦いであった。1回目はトールことひかるへの想いで2回目はアンダーグエナジーではなく悪意のデータを取り込んだ事によるイレギュラーな事態による物だ。3回目、というより最後に変身した時だってコントロール出来ずスカイやトール達を傷つけそうになったのだ。

 

「だから私があの姿に変身できたとしてもあんたや他の皆んなをパラサイアと共に傷つけるかもしれない…だからこれは私には使えない」

 

仮に弾を今自分に撃ち込んでダークツイスターになったとしても今までの事を考えて自我を保てる自信がツイスターになかったのだ。

 

「なに、心配する必要はない。その為に私はある物を作っておいたんだよ。受け取りたまえ」

 

「え、それは…!」

 

今度はパラサイアが何かを取り出すとそれをツイスターに見せつけるとツイスターは何やら驚きの表情を浮かべる。

 

「クククッ、覚えているかい?かつてゼインとの戦いで君が苦しんでいた時につけた首輪の事を。コレはその時の奴をバージョンアップした物だよ」

 

「あの時の…でも、どうしてもそれを持っているの?」

 

かつてその首輪によって窮地を救われていた記憶はいまだにツイスターの中では印象に残っている。だけど、何故今この時に持っているのかツイスターにとって疑問でしかなかった。それに対してグランは暫く口を閉ざして意を決してぽつりと呟くように答える。

 

「…罪滅ぼしと言えば信じるかい?」

 

「え?」

 

グランの発言に思わず唖然になるツイスター。対してグランは話を続ける。

 

「私達科学者は元は人の為、世の為に研究や発明をするものだ。だけど私はハイメット、いやパラサイアによってその気持ちは見失い己の私欲の為に科学を利用してしまった」

 

「…」

 

語りかける表情は普段のトンチキめいた物ではなく、まるで罪人が己の罪を懺悔するかのように真面目な表情であった。そんなグランにツイスターは黙って聞いていた。

 

「だからこそ私は私の発明が正しい事に使われたい。それが私の償いと人生最後の望みだ」

 

「グラン…わかったわ。あんたの願いは必ず叶えてあげる」

 

グランの目を見て嘘偽りの無い言葉であると確信したツイスターは首輪を受け取る。

 

「それであんたはどうするの?此処でブラペと共に留守番をするの?」

 

「いやいや、私にはまだコレがあったよ」

 

そう言うとグランが取り出したのは先程までシャララの頭に装着していた洗脳ドローンだった。果たして、グランはそれを使ってどうするつもりなのだろうか。

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