ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第144話 パラサイアの決着 中編

ボロボロの状態になっているにも関わらず立ち上がるスカイ達を見てパラサイアは嘲笑う。

 

『立っているのがやっとのお前達に何が出来るんだ?』

 

「馬鹿にしないで下さい…ヒーローは、ボロボロになっても最後に立ち上がる物です。私たちは勝つまで…倒れません」

 

「私たちが…揃えばあなたに負けない…!」

 

「その通り、三人寄ればもんじゃ焼きって言うしね」

 

「それを言うなら文殊の知恵だぞ」

 

「良いところで台詞間違えないでくれよ…」

 

お互いに声を掛け合いながら力の入らない身体を無理やり立ち上がるスカイ達。だけど、彼女達は先ほどのパラサイアの攻撃により既に限界を迎えていた。その為仮に攻撃しても碌にダメージが入るか怪しいところだ。それ故に虚勢(ハッタリ)を張り何とか妙案が思い付くまで時間を稼ごうとする。

 

『そんな姿で啖呵を切るとは…なら、口先だけではないか試してやろう』

 

しかし、パラサイアには通用せずスカイ達に向かって再びレーザーを放とうとする。それを見たスカイ達は覚悟を決めて行き当たりばったりの戦いを繰り広げようと残された力を振り絞ろうとする。

 

「待ちなさい!!!」

 

『ん?』

 

「あ、あの声は…!」

 

そこへ聞き覚えのある声が聞こえた事にパラサイアはチャージを止めてスカイ達と共に声が聞こえた方向に振り向く。

 

「後、1人忘れてんじゃ…はぁ、ないわよ…はぁ…!」

 

「「「「「ツイスター!?」」」」」

 

其処には肩で息をしながら啖呵を切るツイスターの姿があった。近くにいなかった事からスカイ達は心配したが自分達の前に姿を見せてくれた事に安心を覚えるが直ぐに不安へと変わる。ツイスターも見たところ自分達と同じく立っているのがやっとの筈だ。それなのに態々パラサイアの前に現れた事にスカイはかつてキメラングが操るデスメットロボの時の様に己の危険を顧みず自分達を助けようとした時のことが脳裏を過ぎる。

 

『ほう、お前もこいつらと同様に虚勢を張りに来たか。それともこの私を倒す策でもあるのか?そんな身体で?』

 

「あら、グラン(彼奴)の身体にいた時に…私の渋とさを何度も見て…ぜぇ、忘れているの?そ、それに今回は奥の手を…用意してぇあるのよ…!」

 

「まさかそれは!?」

 

ツイスターが取り出した物を見てスカイ達はは思わずギョッとする。それは先程までグランやパラサイアが使っていたドーピングカプセルの弾丸が込められている拳銃だ。それを見てスカイ達はツイスターが何をするのか直ぐに察しがついた。

 

「ツイスター早まらないでください!」

 

「ツイスターストップ!それだけはやめて!」

 

「そうだ!暴走しちまうぞ!」

 

奥の手とは恐らくダークツイスターの事だろう。だが、スカイ達にとってダークツイスターは確かに強力だろう。しかし、それはツイスター自身の自我が失う事に目を瞑ればの話だ。

 

「み、皆んなどうしたの?」

 

「あれは…確かパラサイアが持っていた拳銃…まさかランボーグを召喚するつもりか?」

 

一方で慌てて止めるスカイ達を見てプレシャスは首を傾げるのに対してフィナーレはランボーグを使役するつもりなのかと見当違いの事を推測していた。兎に角暴走するリスクが高いダークツイスターに変身すれば最悪自分達がやられると思いツイスターを説得しようと呼びかける。

 

「お願い…皆んな、私を…ふぅ、信じて…」

 

「ツイスター…」

 

真剣な眼差しで懇願してくるツイスターにスカイ達は思わず固まる。かつてダークツイスターに変身して自分達に牙を向いた時の出来事は今でも鮮明に覚えている。その為、ダークツイスターへの変身は避けたい所だが、ツイスターがこちらに頼む姿を見てスカイはどうすれば良いかと頭を悩ます。そんな中、スカイの脳裏にシャララを助けようとするツイスターを信じられず彼女に瀕死の一撃を与えた事が思い出す。

 

(何故こんな時に思い出して…!いや、違う。こう言う時だからこそです)

 

あの時はツイスターを信じられずにいて自身は深い後悔を味わった。そして不思議なことに今回もツイスターを信じるか信じないかでこの後起こりうる事が大きく変化する。それを予感したスカイは後ろにいるプリズムとトールに視線を向けると2人は無言で頷く。

 

(お二人共…そうですよね。私はもう、ツイスターを…らんこさんの信用を裏切らぎりません‼︎)

 

もうあの時の様な事は体験したくないスカイはツイスターの信用を2度も裏切らない事に強い決意を抱いた。

 

「分かりました。ツイスター…貴女を信じます!」

 

「スカイ…皆んな、ありがとう」

 

自分を信じてくれるスカイ達にツイスターは胸が暖かくなるのを感じつつ彼女達の信頼に応える為に自身のこめかみに拳銃の銃口を押し当てる。

 

「ツイスター!?何をやっているの!?」

 

「お、おい!馬鹿な事はやめろ!早まるな!」

 

何をとち狂ったのか突然ツイスターが自殺する様に見えたその行動にプレシャス達は慌てて止めるように説得を促す。

 

「大丈夫…だいじょう…ぶ…だから……」

 

死なないと分かっているがこれでもし、暴走して目の前のスカイ達をまた襲ってしまったらとそんな嫌な想像をしてしまう。もしそうなったら折角自分を信じてくれたスカイ達を裏切る事となりツイスターの心は完全に崩壊して廃人と化してしまうかもしれない。

 

(大丈夫、暴走はしない。しない筈なんだから…お願い引き金を引いて…!)

 

そんな中、過呼吸を引き起こし思わず首に手をやるがその際に首に装着した首輪型の制御装置の感触に気付き、同時にここへ来る途中に首輪を渡したグランの顔とその時の台詞が脳内を過ぎる。

 

『だからこそ私は私の発明が正しい事に使われたい。それが私の償いと人生最後の望みだ』

 

「(グラン…私は貴女を信じる)…行くわよ!」

 

覚悟を決めたツイスターは引き金を弾くと銃声と共に発射された弾丸がツイスターの頭を貫く。

 

「ぐっ…う、あああああああああああっ!!!!」

 

頭に来る痛みと共に全身からアンダーグエナジーが放出されるツイスターは慣れない苦しみと痛みに声を上げる。グランから貰った首輪のお陰で以前の時と比べてマシになったが今のツイスターの体力と身体に溜まったダメージが大きい為も苦痛に耐えきれずにいた。

 

(駄目…また…意識が飛ぶ…)

 

せっかくグランから受け取った首輪を装備しても焼け石に水と言わんばかりに効果は無くツイスターの意識は薄れていき次第にアンダーグエナジーがツイスターの身体を黒く染めていき彼女の意識が乗っ取られそうになる…。

 

「「「「「ツイスター!!!」」」」」

 

「うっ…み、みん…なぁ…」

 

しかし、そこへ自身の名を呼ぶ声に反応したツイスターは視界が霞むも声が聞こえた方向に視線を向けるとそこにはスカイ達がツイスターを見つめていたのだ。

 

「頑張ってくださいツイスター!」

 

「ツイスター負けないで!」

 

「俺や皆んなはツイスターがアンダーグエナジーに打ち勝つって信じているぞ!」

 

「戦いが終わったら皆んなでイチゴパーティーをするって約束したでしょ!」

 

「そうだ!私達は皆んなツイスターを信じている‼︎」

 

スカイ達は苦しむツイスターに応援の言葉を贈るとそれを聞いたツイスターの目つきが変化する。

 

「そうよ…私は…もう、暴走しない‼︎はあああああああああああっ!!!

 

仲間達のエールを受けてツイスターは全身から更にアンダーグエナジーと緑色のオーラを放出するとそれに反応するかの様に首輪が緑色の光を放ち、そのまま辺りを光で呑み込む。

 

『こ、この光はっ!?』

 

「くっ、眩しい!」

 

アンダーグエナジーと同時に放たれる緑色の明るい光にパラサイアとスカイ達は思わず目を閉じる。そしてそれから光が落ち着き漸く目を開けられる程になるとそこには漆黒の衣装と蝙蝠の翼を彷彿とさせるマフラーを身につけた黒いツイスター…ダークツイスターが立っていた。

 

「つ、ツイスター…?」

 

「私達のこと…分かる?」

 

恐る恐るツイスターに話しかけるスカイとプリズム。すると2人の声に反応したツイスターはアイシャドウにより威圧を感じさせる瞳をスカイ達に向け、スカイ達は思わずドキッとする。そしてまるで獲物を発見したと言わんばかりに物凄い速さでツイスターはスカイ達の元へ走ってくる。

 

「ツイスター!?」

 

「止まってツイスター‼︎」

 

まさか正気を失ったのではと思ったスカイ達はツイスターに止まる様に言うがツイスターはその言葉を無視してスカイに向かって飛び込みそのまま獣の様に鋭く伸びた爪を振るう。

 

『ぐっ!何だと!?』

 

「えっ?」

 

だが、ツイスターが切り裂いたのはスカイを背後から襲おうとしたパラサイアの足であった。スカイは一体何が起きたのか理解できず呆然となっているとツイスターの口が開く。

 

「…全く、油断し過ぎよスカイ」

 

「っ!ツ、ツイスター…私が…分かるのですか?」

 

てっきり暴走して見境も無く襲うと思っていたツイスターが自分に話しかけてきた事にスカイは驚いた。一方でツイスターはスカイに振り向くと己の理性を象徴させるかの様に瞳を緑色に輝かせて笑みを浮かべる。

 

「勿論よ。信じてくれてありがとうスカイ、それに皆んなも」

 

「ツイスター‼︎って、おわっ!?」

 

思わず嬉しさのあまりツイスターの身体を抱き着こうとするスカイであったが体が思った様に動かせずスカイは倒れそうになるも咄嗟にツイスターが支える。

 

「ちょっと、あんたはもう立っているのがやっとなんだから無理しないでよ」

 

「す、すいません。嬉しくてつい」

 

暴走すると思っていたダークツイスターの力をコントロール出来た事にスカイはしゃいでしまうのも無理はないだろう。そんなスカイを見てツイスターも内心嬉しく思ってた。

 

「まぁ良いわ。それよりも皆んなは少し下がってて、あの蜘蛛は私が倒すから」

 

「ツイスター1人で?」

 

「幾ら今のその姿が強いからって無茶だよ」

 

「そうだよ!私達も戦うよ!」

 

「我々も今は激しい戦闘は難しくてもサポートなら出来るぞ」

 

幾らダークツイスターが強いからといって単身でパラサイアと戦おうとするツイスターに無謀であると思ったスカイ達は自分達も戦おうとする。

 

「いや…ここはツイスターに任せようぜ」

 

「「「「トール!?」」」」

 

だが、その中で唯一トールだけはツイスターにパラサイアとの戦いを託そうとする。それを聞いたスカイ達は思わず彼の方を向いて信じられないと言わんばかりの表情を浮かべる。

 

「皆んなも分かっている筈だろ。今の俺達は立っているのがやっとだ。そんな状態でツイスターの援護に回ったら確実に足手纏いになるのが関の山だ」

 

「た、確かにそう…ですが」

 

トールの言い分は最もだ。此処でバタフライかブラペが自分達を回復させてくれれば話は別だが2人とも倒れていて回復の力は使えない。

だが、それでも自分達はただ見ているだけでツイスター1人に託すのは心が痛む。

 

「心配しないで。確かに私だけだと不安だけど丁度近くに彼奴がいたから協力を頼んだから大丈夫よ」

 

『ハッ、またハッタリか。仲間を心配させまいとそんな出まかせを言うとはな』

 

周りにいるスカイ達を除いてバタフライ達は地面に倒れて誰もツイスターの様にまともに戦える者は居ないとパラサイアは判断する。しかし、其処へ猛スピードでパラサイアに向かって何かが飛んでくる。

 

「おや、ハッタリかどうかこの一撃を受けてから判断すると良いよ!」

 

『ぐおっ!?な、なんだと!?』

 

突如横から強力な一撃を受けたパラサイアは地面に倒れ伏し、パラサイアは攻撃した人物の存在に視線を向けると其処にはグランが立っていた。

 

「ご機嫌は如何かな?パラサイア」

 

『貴様はグラン!』

 

「グランさん!?まさか、ツイスターが言ってた彼奴ってグランさん!?」

 

まさかグランがやってくるとは思わなかったパラサイアとプリズム達は彼女の登場に驚いているとスカイとトールがグランの姿を見て彼女が頭に黒いヘルメットらしき物を被っている事に気がつく。

 

「あれ、あのヘルメットは…シャララ隊長を洗脳したヘルメット!?」

 

「あの時俺を洗脳したドローンじゃねえか。なんでそれを着けているんだ?」

 

スカイとトールにとって碌な思い出が無い洗脳ドローンを見て顔を歪めるのも無理はない。だが、それはそれとして何故それをグランが装着しているのか疑問でしかない。

 

「なに、所謂裏技って奴さ。私も君達と同様に身体のダメージが大きく戦闘は出来ないからこの洗脳ドローンの洗脳機能を使って身体を操って貰っている訳さ」

 

「自分を洗脳して身体を動かすって、そんな事が出来るの!?」

 

思わずプリズムを筆頭に一同は驚きの表情を浮かべる。洗脳と聞いてあまり良いものを想像出来ないがそれを応用して動けない身体を動かす。まるで下半身が不自由な人間の足を動かす歩行ユニットの様な事が出来た事に一同はグランの技術力を改めて実感させられる。

 

「まぁ、無理やり動かしている事もあって身体が滅茶苦茶痛いけどさ」

 

「だ、大丈夫ですか!?」

 

「無茶しちゃ駄目だよ!」

 

だが、ボロボロの身体をドローンで無理やり動かしている事もあってその度に身体に痛みが走るグランにスカイとプリズムは心配する。

 

「ノープロブレム、こんな痛みは如何ってこと無い。これまでパラサイアに好き勝手にされてきた借りを返せるなら安い物さ…!」

 

「グラン…だが、ツイスターと違って身体が万全では無いのならあまり無茶しない方がいいのでは?」

 

パラサイアへの復讐心が存在するグランだが動く度に悲鳴をあげる身体の事を考えるといつかガタが来て最悪命を落としてしまいその後も肉体だけがドローンによって操られるなんて事があり得るかもしれない。そう思ったフィナーレはグランに無理はしない様にと告げる。

 

「それなら君達はいつでも戦える準備をしておいてくれたまえ」

 

「え、それってどう言う事?」

 

グランの言葉に一同は首を傾げる。自分達は今まともに戦える状態では無いにも関わらず動く準備をしろと言うのはどう言う事なのか理解できなかった。

 

「兎に角君達にも機会を作るからそれまで戦いに巻き込まれない様に離れていてくれたまえ」

 

「そう言う事よ皆んな。今は私達に任せて」

 

「お二人とも…良くわかりませんですがわかりました!」

 

ツイスター達が何を言っているのかイマイチ理解出来ないスカイであったが彼女達が何か自分達にとって状況を良い方向へ運ぼうとしているのは察しプリズム達と共に戦いに巻き込まれない様にその場から下がる。

 

「さて、待たせたねパラサイア」

 

「言っとくけど待ってくれたからってお礼の言葉は言わないわよ」

 

その場に残されたツイスター達はパラサイアに向き直りそれぞれファイティングポーズを取るのに対してパラサイアは余裕の声を出す。

 

『別に貴様らだけでも私には勝てる実力が備わっているから態々後ろから狙う必要はないと判断したまでだ』

 

今の自分は態々不意打ちなどせずとも勝てると言う自信を語るパラサイアだが、それを聞いたグランは何やら笑い出す。

 

「クククッ、聞いたかいツイスター。彼奴あんな騎士道精神を語っているけど先程スカイを背後から狙おうとした事を忘れているよ」

 

「態々指摘する事もないでしょ。所詮他人の身体を乗っ取らないと碌に戦えない寄生虫よ。図体がデカくても結局は中身の器は小さいのよ。寄生虫だけにね」

 

「おっと、そうだった。私とした事がすっかり忘れていたよ。何せ強くて新しい身体が目の前にあれば今使っている身体を捨てる子供みたいな精神だからね。言ってあげるのは無作法ってやつか♪」

 

ハハハハッと笑い声を浮かべるグランに煽り言葉を放つツイスターにパラサイアは顔を引き攣らせて怒りを露わにして2人に向かってレーザーを放つも避けられてしまう。

 

『き、貴様らぁ!』

 

「あら、図星だったかしら?」

 

「だろうね。あんなに冷静さが欠けていれば当たるはずのレーザーも当たらないからねぇ」

 

次々と飛んでくるレーザーをツイスター達は煽り言葉を口に出しながら回避していく。そんな中ツイスターはチラッとスカイ達の方を見る。流れ弾が当たらず無事である事を確認する。

 

(皆んなの安全は大丈夫みたいね)

 

誰も流れ弾を喰らっていない事を確認して安全を確保すると視線を隣を飛ぶグランに向ける。

 

「それにしても不思議なものね。今まで敵として戦ってたあんたが私の隣に立って一緒に戦うなんてね」

 

「おやおや、忘れたのかい?並行世界でのダークネスとの戦いに手を貸したじゃないか」

 

レーザーを避けながら以前ツイスターと共闘した時の事を語るグラン。確かに並行世界でのダークネスの戦いは緊急事態だったとはいえお互いに敵同士の状態で一時休戦し戦った事は事実だ。

その事を指摘されたツイスターは懐かしむ様な表情を浮かべる。

 

「そうだったわね。まぁ、あの時はあんたがトールのミラージュペンをどさくさに紛れて手に入れた下心はあったけど」

 

「まあまあ、そんな過ぎたことを今更掘り返さなくても良いじゃないか。それよりも充分パラサイアのヘイトがこちらに集中してきたから攻撃に移ろうか」

 

そう言うとグランはツインミラージュから刀身を生やし、対してツイスターはテンペストバトンをバトンモードに変えてかつてゼインとの戦いで見せたバトンの先端に風の刃を生成する事でなるサイスモードに変化させる。

 

「あんたは無理やり身体を動かしているんだから無茶して倒れるなんて事はしないでよね!」

 

「大丈夫さ。ちゃんとペース配分して戦うからねっ!」

 

2人はそう言うとパラサイアに向かって突撃する。対してパラサイアは迫り来るツイスター達に向かってレーザーや牙を連続で放つ。だか、ツイスター達は現在速さに特化した姿である為飛んでくるレーザーは簡単に回避して牙もそれぞれの得物で切り落とした。

 

「貰ったよ!」

 

そしてそのまま間合いを詰めたグランはパラサイアの8本ある足の内1本を切り落とそうとツインミラージュの剣を振るう。しかし、剣は足を切断出来ずガギィンと音と共に弾かれてしまう。

 

『無駄だ。貴様の攻撃など他の奴らと同様にこの身体に傷をつける事は出来ん』

 

アンダーグエナジーによるバリアでグランの攻撃を無効化にして嘲笑って余裕の表情を浮かべるパラサイアだったが次の瞬間、身体に激痛が走る。

 

『な、何…!?』

 

「おっかしいわね。あんたの身体を傷つけられないって話なのに切り落とせたわよ」

 

そう言ったのはテンペストバトンを肩で担ぐツイスターの姿があり側にはパラサイアの切断された足が地面に置かれていた。

 

『馬鹿な…何故私に攻撃が通用する!?』

 

「おや、わからないのかい?今のツイスターはダークツイスター、つまりアンダーグエナジーで変身した姿だよ。そして君の使うバリアは彼女と同じアンダーグエナジーで出来ているんだ。それ故に同じアンダーグエナジーを纏わせた攻撃なら君のバリアも無効化出来ずダメージが入ったと言う訳だ」

 

『なんだと!?』

 

グランの解説に思わず声を荒げる。ツイスターがダークツイスターと成るまでは己のバリアに過信したパラサイアはツイスターの身体を乗っ取って時の様に一杯食わされた事に動揺してしまう。それと同時にツイスターの脳裏に声が聞こえてきた。

 

『貴様、一体何を……ッ!もしや、シンドイーネを利用したか』

 

『やはりビョーゲンズはビョーゲンズの力を吸収する。さぁ、続けて参ります!』

 

誰だコイツら?

 

そこに聞こえてきたのは最凶の病原菌を相手に立ち向かうお医者さん達が同じ病原菌の力を借りてその守りを突破する様だった。

 

「っと、そんな事よりも。アンタ、隙を見せたわね。喰らいなさい‼︎」

 

『ぐおっ!?』

 

更に追い討ちをかける様にツイスターはパラサイアの腹を切り裂き、そのまま足を2本切断した。

 

「どうよ。勝手に人様の身体で好き勝手したツケをその身体で味わう気分は?」

 

『おのれぇ!パラサイサイッ‼︎』

 

怒りながらもパラサイアは冷静に呪文を使うとツイスターの背後に回り込み糸を放ちツイスターを拘束しようとするが其処にグランが糸を切り落とす。

 

「おっと危ない所だね」

 

「グラン、一応礼は言っとくわ」

 

助けてくれたグランにお礼を言うツイスターは再びパラサイアに攻撃しようと一気に迫りテンペストバトンを強く握る。

 

『そうはさせるか‼︎』

 

パラサイアは足を地面に深く突き刺すと其処からアンダーグエナジーで出来た漆黒の柱が次々と地面や周りの建物に生えてきてそのままツイスターに向かって襲い掛かろうとする。

 

「邪魔ッ‼︎」

 

ツイスターは己の身体を高速回転させると漆黒の竜巻を身体に纏わせ迫り来る柱を弾き飛ばし一気に間合いを詰める。そしてテンペストバトンを強く握り締めると彼女のオーラがテンペストバトンの方に移り風の刃が三つに分かれる。

 

「受けてみなさい‼︎」

 

切・呪リeッTぉ

 

形状が変化したテンペストバトンを大きく振ると先端にある3つの風の刃がパラサイアに向かって飛んでいく。*1

 

『こんなもの!』

 

迫り来る風の刃にパラサイアはレーザーを放ち撃ち落とすがそのうちの一つをグランが自身のツインミラージュの刀身に合体させる。

 

「どっせええええいっ!!!」

 

『ぐあっ!?』

 

再び足を切断されたパラサイアは悲鳴をあげる。アンダーグエナジーが使えなくなったグランは恐るるに足りんと意識を疎かにしていたがまさかツイスターの放った刃を使って攻撃してくるとは思ってもいなく完全に油断していた。

 

「一気に決めるわよ!」

 

足を複数無くした事でバランスを崩して地面に倒れたパラサイアを見て決着をつけるチャンスと判断してその場から高く舞い上がる。

 

「受けてみなさい‼︎ヒーローガール!ダークツイスターストライクッ!!!」

 

マフラーを全身に覆って螺旋状に回転して一気に急降下していくツイスターはそのままパラサイアの身体を貫こうとする。対してパラサイアは地面から立ち上がれず更にはその場から動けられない事でツイスターの一撃を喰らいそうになる。

だがその時、パラサイアの胴体がメキメキと音を立てながらひび割れていく。

 

「っ!ツイスター!技を止めろ!何か仕掛けてくるぞ‼︎」

 

「え?」

 

嫌な予感がしたグランは慌ててツイスターに技を中断する様に呼びかける。だが、ツイスターはグランが何を言っているのか聞き取れずそのままパラサイアへ突っ込んで行こうとした時にパラサイアの胴体が割れて其処から何かが飛び出す。

 

『フッ!』

 

「があっ!?」

 

「ツイスター!」

 

突然パラサイアの身体から突き破って出てきたの何かがツイスターに回し蹴りを放ち彼女を側の建物の壁に叩きつける。

そしてその何かは形を変えて凡そ2m半の人型の姿を取る。

 

『ふむ。肉体の最適化は完了か』

 

「まさか、進化…いや、変態をしたのか…!」

 

目の前にいる人型をした生物はすぐにパラサイアであるとグランは察した。どうやら先程までの巨大な蜘蛛は仮の姿で今の人型に至るための蛹としての役割をしていた様だ。

 

『そうだ。時間は掛かったがこの姿になれば貴様等を倒すのは容易い。この様になっ!』

 

「っ、ぐうっ!」

 

先程までの身体とは全く違って物凄い速さで一気に間合いを詰めてきたパラサイアはグランに向かって拳を振る。対してグランは慌てて腕を交差させて防御の姿勢をとるもそのまま吹き飛ばされるも姿勢を直して着地するとアーマーの翼を6枚の剣に変えるとパラサイアに向かって飛ばすがパラサイアはそれを避けながらグランに距離を詰めていく。

 

「くっ、このおっ!」

 

『遅い!』

 

「がっ!」

 

迫り来るパラサイアに向かって剣を振るもパラサイアは避けて拳をグランの鳩尾に叩き込み彼女は苦痛の表情を浮かべながら地面に崩れ落ちる。

 

『先ずは1人』

 

倒れているグランを見下ろすパラサイアは足を彼女の頭部の上に持ってきてそのままグランの頭部を踏み砕こうとする。

 

「やめなさいっ!!!」

 

『むっ』

 

しかし、其処へツイスターがパラサイアに背後から襲いかかった事でパラサイアの足はグランの頭から外れる。そしてツイスターはそのままパラサイアに向かって鋭く伸びた爪で切り裂こうと連続で振るが全て避けられ拳を掴まれてそのまま振り回されてツイスターは地面に叩きつけられる。

 

「ガハッ!ま、まだよ!」

 

諦めずにツイスターは逆立ちをするとその状態で回転し、蝙蝠の翼の様なマフラーを伸ばしてパラサイアの胴体を切り裂こうとするが難なく手で受け止められてしまう。だが、それこそツイスターの狙いだった。

 

「そこ!」

 

マフラーによる攻撃は囮で本命は手に溜めた風の塊をパラサイアに叩きつける事だった。風の塊はツイスターの目論見通りパラサイアの顔面に向かって放たれたがパラサイアはマフラーを掴んでいないもう片方の手で受け止めるとそのまま握り潰してしまう。

 

『こんなものか…お前の実力はっ!』

 

「ああああっ!!!」

 

落胆した態度を見せるパラサイアはツイスターの身体を振り回して地面に数回叩きつけるとそのままグランの近くに投げ飛ばす。

 

「ぐっ、グラン!ちょっと手を貸し…!」

 

「ぐっ…ぅぅ」

 

自分だけでは不利と悟ったツイスターは側に倒れているグランに協力を求めようとするがグランが辛そうな顔を浮かべているのを見て口が止まる。

 

(そうだった…確かあのドローンで無理やり身体を動かしていたんだから身体に大きな負担が…!)

 

無理やり身体を動かしていた事で起きた後遺症を受けるグランの姿を見てツイスターは胸を痛める。

こうなったら自分だけの力で戦うしかないと立ちあがろうとするもの其処へパラサイアが彼女の胸を踏み付ける。

 

「ぐうっ!」

 

『敵の前で考え事をするとはなんと愚かな…』

 

踏みつけられて地面に押さえられてしまったツイスターは何とか足を退かそうとパラサイアの足に肘打ちを喰らわすが全く効果が無い。

 

『さて、少々勿体無い気もするがこちらとしてもそろそろ終わりの時間だ』

 

「ぐっ、不味い!」

 

動けないツイスターの顔にパラサイアは手を向けてエネルギーを溜めていく。それを見てツイスターはなんとか抜け出そうと必死にもがくが抜け出せずそのままパラサイアは溜めたエネルギーを一気に放出しようとする。ツイスターはもう逃げられないと悟り目を強く瞑り覚悟を決める。

 

「〜♪」

 

『ん?』

 

しかし、そんな緊張感漂う現場に場違いな口笛が聞こえてきた事にパラサイアは思わず攻撃を中断して口笛が聞こえてきた方向に視線を向ける。すると其処にはやられそうになっているにも関わらず呑気に口笛を吹くグランの姿があった。

 

『貴様…なんのつもりだ?』

 

「何って見てわからないのかい?口笛を吹いているんだよ」

 

『そうではない!何故この危機的状況にも関わらず口笛を吹いているのか聞いているんだ!』

 

ツイスターの危機的状況にも関わらずグランは呑気に口笛を吹いている事にパラサイアはその行動が理解できずに問い詰める。

そんなパラサイアにグランは特に誤魔化す事なく口笛を理由について明かす。

 

「ああ、それね。まぁ普通に時間稼ぎだよ」

 

『時間稼ぎ?それは一体…ん?』

 

なんの時間稼ぎなのかパラサイアは疑問に思いかけたが此処で今のグランの姿を見て何か違和感を覚える。先程までグランが身につけていた何かが今は無くなっている様に思えたのだ。そして何が無くなっているのかすぐにわかった。

 

『いや待て、貴様…ドローンはどうした?』

 

そう、それはグランが己の身体を動かす為に頭に装着していた洗脳ドローンが無くなっていたのだ。先程グランの頭を潰そうとした時には間違いなくあったがそれが消えている事から彼女が意図的に外して何処かに隠したのではと考える。

 

「クククッ、それはね。君の後ろを見るといいよ」

 

「なに?」

 

後ろを見ろと言われたパラサイアは反射的に背後を振り向くと同時に其処から聞き覚えのある声が聞こえてくる。

 

「2つの力を一つに!イエロー!ブルー!癒しの力、アゲてこ!」

 

『なにっ!?』

 

其処には動けずに倒れ伏していたバタフライの姿が立ち上がってミックスパレットを使っていたのだ。しかも彼女の頭には先程までグランが被っていた洗脳ドローンであった。

 

『まさか最初からこれが目的か!?』

 

「「ご察しの通り‼︎」」

 

『ぐおっ!』

 

地面に倒れていたツイスターとグランはバタフライの回復の力により体力と傷が癒えると同時にツイスターはパラサイアの足の下から抜け出すとグランと共にパラサイアの顔面と胸部に向かってドロップキックを決めて数m後方へ吹き飛ぶ。

 

『ぐっ…まてよ。と言う事は!?』

 

「ええ、その通り!ツイスター達だけでなく!」

 

「私達も復活だよ!」

 

パラサイアの疑問にスカイとプリズムが筆頭に答えると先程まで倒れていた者たちが全員立ち上がりパラサイアを取り囲む。

 

「まさかグランの言っていた戦える準備とはこの事を言っていたとはな」

 

「ああ、お陰で元気もりもりだぜ」

 

身体が回復したフィナーレとトールは己の拳を開いた閉じて身体が全快した事を実感する。

その隣では洗脳ドローンを頭から外して抱えるバタフライとウィングの姿もあった。

 

「それにしてもこれが操られる感覚か…なんだかとっても不思議な体験をしたよ」

 

「まぁ、普通洗脳される経験なんて滅多に無いと思いますからね」

 

貴重な体験をした事にバタフライは感慨深く感じ、その様子にウィングは苦笑いを浮かべる。

 

「それじゃあ、再び戦える様になった事だし一気に行くよ!」

 

「ああ、この戦いにも終止符を打つぞ!」

 

『うん(ええ)(はい)!』

 

プレシャスとブラペはスパイシー達に発破をかけると彼女達は強く返事をする。そんな様子にパラサイアは怖気づくこもなく高笑いを浮かべる。

 

『ハハハハッ!!!良いだろう。面白い!何人増えたところでこの私が全員叩き潰してくれるッ‼︎』

 

「クククッ、強い自信だね。そう言ってくれるとこっちも容赦なく君を倒しに行けるわけだ!」

 

「大人数だからって今更卑怯って言うんじゃないわよ!行くわよ皆んな‼︎」

 

グランとツイスターはパラサイアへの闘志を燃やしスカイ達に呼び掛けると全員は一斉にパラサイアへと突撃するのであった。

 

─おまけ─

 

それはツイスターがダークツイスターに覚醒し、グランと共にパラサイアと戦う所まで時間は遡る。

ツイスター達に言われて戦いに巻き込まれない様に距離を置き戦いを見守っていたスカイ達は悔しい表情を浮かべる。

 

「くっ…ツイスター達が戦っているというのに私達は黙って見ているなんて…!」

 

「スカイ…」

 

自分達の無力さを悔しく噛み締めるスカイ。そんな彼女にプリズムは不安そうな顔を浮かべる。彼女もまたスカイと同じ気持ちでパラサイア相手にツイスターとグランだけが戦っている事に納得は出来ずにいた。

 

「やっぱり我慢できないよ!私、2人を加勢しに行く!」

 

「私もですプレシャス!」

 

「ま、待って2人とも!」

 

いち早く我慢出来なくなったプレシャスはこうなりゃ捨て身の覚悟だと言わんばかりに戦いに行こうとして彼女に便乗する形でスカイも行こうとする。そんな2人をプリズムは止めようとするも彼女達は止まらずそのまま戦場へ向かおうとするが其処にトールとフィナーレが2人の肩を掴んで止める。

 

「まぁ、待てって気持ちは分かるが作戦も無しに突っ込むのは無謀過ぎるぞ」

 

「そうだ。今の私たちが行ったところで足手纏いにしかならないぞ」

 

「「でも…!」」

 

トール達の言い分は最もだ。だがスカイとプレシャスは自分達の性格上「はいわかった」で納得出来るものではなかった。

 

「悔しい気持ちは皆んな一緒だ。でも、ツイスターとグランは何か作戦があるみたいだったぞ」

 

「その通りだ。ここで我々が行ってその作戦を台無しにしてしまったらどうする…信じて待つ。それも一つの信頼、友情の証だろう」

 

「「友情の…証…」」

 

スカイ達とはトール達の話を聞いて思わず反芻する。確かに友達を心配して助けに行くのは正しいだろう。だが、信じるのも友情の一つである事に2人は無言になって暫く考える。

 

「…確かにそうですね。此処で焦ってツイスター達の迷惑になったら本末転倒ですしね」

 

「うん、それに急がば回れって言うし。此処は2人を信じようか」

 

先程まで助けに行こうとしていたスカイ達だったがトール達によって説得され、此処は待つ事を選ぶのであった。

 

「凄い…2人ともスカイ達を説得するなんて!」

 

「へへっ、まぁこれくらい大した事じゃないぜ」

 

「まぁ、私達もプレシャス達の気持ちは共感できるから尚のことあの2人を信じて待つのが良いと思っただけだ」

 

プリズムに褒められて2人は謙遜するが満更でも無い顔を浮かべる。取り敢えず5人は待つ事を選び再びツイスター達の戦いを見守ろうとする。

 

「んん?」

 

「どうしたフィナーレ?」

 

何やら目を細めるフィナーレを見てトールは気になって彼女の視線の先を見つめるとそこにはツイスターがテンペストバトンをサイスモードにして戦っている姿が確認された。

 

「すげぇ、ツイスターってあんな事が出来たんだ。なぁフィナーレ…ってあれ?」

 

フィナーレに声をかけるトールだったが何やらフィナーレがぶつぶつと何かを呟いていた。

 

「大鎌…緑…イガリマデース!!!」

 

「うわっ!?急に大声を上げてどうしたのフィナーレ!?」

 

突然声を上げる奇行を見せるフィナーレにプレシャスは驚きつつも彼女に声を掛ける。するとフィナーレはプレシャスに声を掛けられたことで「あ、ああ」と返事をする。

 

「す、すまない。何故か分からないがツイスターが大鎌を使っていたら突然叫ばずに得られなくなったんだ」

 

「叫ばずにって…何か病気でも掛かっちゃったの?」

 

「あー…多分中の人繋がりで反応しちゃったんだろうな」

 

フィナーレが何かの病気を患っているとプレシャスが心配する中で唯一トールは何やらメタイ事情を察した模様だ。

 

「兎に角心配はもう不要だ。先程は醜態を晒したが私はもう2度と取り乱さない」

 

「そう?…なら良いんだけど」

 

胸を張って自信満々な態度を見せるフィナーレにプレシャスはそれ以上心配をせずに再び戦いに視線を戻す。すると、ツイスターが問題のアレを放ってしまう。

 

「受けてみなさい‼︎」

 

切・呪リeッTぉ

 

「ちょっと待つデース!!!それは私の技デース!!!」

 

「うえええっ!?フィナーレ本当にどうしたの!?」

 

「マジかよ!?あれって切◯の切・呪リeッTぉじゃねえーか!完成度たけーなオイ」

 

「プリズム見ましたか!?何やら技名っぽいのが表記されましたよ!?」

 

「ええ…いったいどうなっているの?」

 

ツイスターの放った技を見て暴走するフィナーレを筆頭にその場には混沌がひろがるのであった。尚、この後グランがバタフライにドローンを装着させてミックスパレットを使うまでフィナーレは「著作権の侵害デス!訴えてやるデース!」と常識人が常識人(笑)に格下げになって騒いでいたのは秘密である。

*1
尚、余談だが遠くからこの技を見ていたフィナーレは「それは私の技デース!!!」と叫んでいた。

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