パラサイアとの戦いから数日が経過する。その数日間はソラ達の働きによって学校とらんこの両親にらんこがパラサイアに乗っ取られていた事は伏せて虹ヶ丘家で勉強合宿していたと誤魔化す事が出来、何とからんこの日常生活に支障は出る事なくいつもの日常を送る事が出来ていた。
「はぁ……」
そして久しぶりの学校にらんこは登校してきたがいつもより早く教室に入って天井を見上げて溜め息を吐いていた。後数日したらやる期末テストに不安があるのか…ではなく別の悩みがあったのだ。
「あいつ…こんな物を渡してくるなんて……」
そういって取り出したのはグランがらんこに託したツイントーンであった。グランは己の罪を償う為に青の護衛隊に自首しその際に次に来るであろう刺客に向けてツインミラージュと共に渡してくれたのだ。だが、グランはパラサイアに操られて先代王の暗殺という大罪を背負う事になってしまった為、彼女が連行されて行ったのは今でも間違いだと思ってた。
(何とかならないの?)
仮に今スカイランドに行っても恐らくグランを牢屋から出す事なんて出来ないそれ故にどうしたら良いかと頭を悩ます。別にグランとは友達では無くキメラングとしてのイメージが強くありその為彼女を助けるのはやや躊躇いを覚える。だが、それでもらんこはグランとソラ達によって助けて貰った恩がある。更にはダークツイスターが暴走しないようにしてくれたのだ。それ故に何とか牢屋から出す方法はないかと再び考える。
「あーっ!らんらんだ!」
「えっ!?本当に!?」
「おっ、風波さん。2、3日くらい見てなかったけど元気にしてたか?」
だが其処へ仲田と吉井と軽井沢の3人が話しかけてきてらんこは思わず考えを辞めて3人に挨拶を返す。
「ん?ああ、仲田達久しぶりね」
数日ぶりに見るクラスメイトにらんこは軽く挨拶を返すが何やら仲田がらんこの顔…ではなく首元をじっと見つめる。
「らんこちゃんその首に巻いているのって?」
「え?」
「あれ、それって休む前まで無かったよな?」
学校を休む前までらんこの首には何もアクセサリーとかは無かったのだが、今の彼女の首に首輪らしき物が装着されている事に気づくと吉井と軽井沢の2人も気になる。
「ああ、これはチョーカーよ。実は少し前から通販で気になって買ったのよ」
「へぇ〜、チョーカーか。何だか大人だね」
首にあるのはチョーカーだと告げると3人はらんこを褒める。対してらんこは褒められたことが照れくさいのか視線を逸らす。
「ま、まぁ、私も中学生らしくもうちょっとオシャレをしようと思った訳よ」
嘘である。本当は先日のパーティーを終えて家に帰った際に首輪を外そうとしたら全く外れなくて仕方なく今日まで首輪を付けてあるのだ。
(グランの奴…せめてこの首輪の取説くらい用意しなさいよ…!)
首輪について何の説明も無く自首したグランに恨みを抱きつつらんこは首輪の事をオシャレの為のアイテムである事を言い張ろうとする。だが其処に軽井沢が何か気付いた様子で口を開く。
「でも、なんかそれってチョーカーって言うよりも何だか犬や猫が付けていそうな首輪に見えるけど」
「は?」
「あっ、そう言われてみたらそう見える」
「なんからんこちゃんが家に飼っている猫ちゃんみたい」
「ね、猫…ですって…!?」
首輪のデザインが犬や猫といったペットが付けてそうなデザインだと言われて恥ずかしくなったのか顔を赤くしていく。実はこの首輪のデザインはメカメカしいと言ったデザインでは無くは 犬や猫などが装着している首輪のデザインを参考に作った物である為、軽井沢達の言っている事はあながち間違いでも無かったのだ。
それ故にその事を指摘されたらんこは3人に誤魔化す様に口を開く。
「こ、これはあれなの!私の彼氏が可愛いから付けて欲しいって言うから仕方なくこのデザインにしただけなのよ!だから私の趣味じゃないんだからね!」
「なーんだ、らんらんの彼氏が決めたんだ……ん?」
「らんこちゃん…?」
「今……なんて?」
先程のらんこの発言に仲田達は聞き捨てならないと言わんばかりに聞き返す。そんな3人にキョトンとしながらも先程の言った台詞を再び吐く。
「いやだから私の趣味じゃないって」
「いや、その前」
「仕方なくこのデザインにした?」
「いや更に前だよ!」
わざとなのかはたまた天然なのかわからないが勿体ぶるかの様に先程らんこの口から出たとんでもない言葉に仲田と吉井は歯痒い思いをしてちるのに対して軽井沢は痺れを切らしたのか核心に迫る。
「風波さん!さっき彼氏って言ってなかった!?」
「え、言ってたけど…それが何?」
別に何らおかしな事は言ってないと思いながららんこは軽井沢の発言を認める。すると…。
『ええええええええーっ!?』
「うわっ!?突然どうしたのよあんた達!?」
突然大声を上げる仲田達にらんこはびっくりしたがよくよく見たら他の生徒達も話を聞いていたのか驚きの声をあげている事に気がつく。
「らんらん彼氏ってどう言う事!?いつの間に作っていたの!?」
「相手は誰!?この学校の生徒か!?」
「カッコイイ系!?それともかわいい系!?」
「お、落ち着きなさいってあんた達!」
生徒達はらんこをアイドルに群がるファンの如く取り囲み次々と彼氏について質問攻めをする。らんこは生徒達の興奮を抑えようとするが自分だけでは事態の収拾がつかない事に頭を悩ませる。
「皆さん!おはよござ…って、何ですかこの騒ぎは!?」
「ソラちゃんどうかしたの…って、皆どうしたの!?」
そんな時、漸くソラとましろが教室に入ってきて早々に目にしたらんこに群がるクラスメイト達に驚きの表情を揃って見せる。
「ソラましろ助けて!なんかよく分からないけど皆んなを落ち着かせて!」
「何だかよくわかりませんが…ましろさん!」
「うん、わかっているよソラちゃん!」
後からやってきて事情が飲み込めないものの、らんこが困っている事だけは理解したソラとましろは彼女を助けようと動き出す。
「「せーの…ターイムッ!!!」」
『うわっ!』
生徒達とらんこの間にソラとましろが割り込み教室に響き渡るくらいの大きな声を出す事でらんこに問い詰めていた生徒は驚き動きを止める。
「皆さん一体何をやっているんですか?」
「何でらんこちゃんの周りを囲っていたの?」
何が原因かは知らないが友達であるらんこを困らせる様な真似をする生徒達にソラ達は怒った表情を浮かべる。そんなソラ達を見て慌てて仲田達は声を上げる
「ご、誤解だよ!私達はらんらんを虐めてた訳じゃないよ!」
「うん、ただちょっと聞きたい事があってつい興奮しちゃっただけなの」
「「聞きたい事?」」
仲田と吉井の言葉にソラ達は揃って首を傾げる。らんこを虐めていた訳ではないと分かり安心するも彼女から何を聞きたいのかソラ達はピンと来ずそれを見た軽井沢が2人に話しかける。
「実はさっき風波さんが彼氏がいるって言ってたからその人は誰なのか皆んなで気になっちゃってさ」
「えっ、彼氏?」
「彼氏って…もしかしてひかる君のことですか?」
彼氏と聞いてソラはひかるの事を口に出すとそれを聞いた吉井が聞き返す。
「ソラちゃんはらんこちゃんの彼氏について知っているの?」
「はい、ひかる君は私達の友達で此処とは別のソラシド市から「らんこチョオーップ!!!」いだっ!?」
「らんこちゃん!?」
いきなりの出来事にましろは驚く。突然らんこがソラを背後からチョップを繰り出して頭部へ叩きつけたのだ。突然の奇襲にソラは対応出来ずに頭を押さえているとらんこがソラにしか聞こえない声の大きさで話しかける。
「あんたね…ひかるが別世界の人間だという事はあんたと同じ秘密だって事忘れるんじゃないわよ」
「あっ!そうでした。すいません。久しぶり過ぎてすっかり忘れていました」
頭を押さえつつも己の失言に気付き反省するソラ、そんなソラにらんこはやれやれと言わんばかりに溜め息を吐くがこちらに期待の眼差しを向けている仲田達の視線に気がつく。
「…仕方ないわね。まぁ、別に隠す様な物じゃないし…可能な限り答えてあげるわ」
「それじゃあ教えてらんこちゃんはそのひかる君っていつ会ったのか」
先ずはじめに2人の出会いについて仲田はらんこに問うと彼女は懐かしむ様に語りだす。
「そうねあれは今年の春休みが終わる数日前だったかしら…私が(別の世界で)迷子になっていた時にひかると偶然出会ったのがきっかけよ」
「らんらん迷子って…」
「風波さん…案外抜けている「何か言ったかしら?」い、いえ別に!あっ、それよりもその後!その後が聞きたいなぁ」
うっかり失言してしまった軽井沢は目を光らせて睨んでくるらんこにギョッとして慌てて誤魔化す。
「話を戻すわ。ひかるは初めて会ったばかりなのに私に付きまとおうとしてきた時は鬱陶しく思ってたわ。まぁ、でもその時迷子で心細かった私にとって少しだけど頼もしかったわ」
「ほほ〜う」
若干照れ臭そうに語るらんこの姿に仲田は目を細めてニヤニヤしてそれに気付いたらんこはハッとなり咳払いをする。
「その後はひかるはこっちに迷子になって寂しい思いをしていた私に寄り添うとしてきたりとカバ…じゃないその街の不良に絡まれて危ない目に遭いそうになったりしたり…まぁ、結構色々とあってひかるに助けて貰ったのよ」
厳密には違うのだが下手に並行世界について教える訳には行かずらんこはそれっぽい話に改竄して生徒達に伝えると生徒達も興味津々で聞いてくれた。
「その日以降、度々ひかるは私に会いに来てくれて私を助けてくれたり一緒に遊んだりして行ったわ。そして…それで気付いたら私はひかるに惚れていたって事を理解したの…」
そして思い出すのはひかるにお仕置きと称してデートへ行き楽しい事やトラブルもあったりしたが最後は自分の心に従ってひかるの唇を奪った事だ。
その時の事を思い出したらんこは自然に自身の唇に指を当てる。それを見た仲田を筆頭とした女子生達が察する。
「あっ、もしかしてらんらん!」
「そのひかる君とキスしたの!?」
「らんらん乙女の顔になっているよ!」
「そ、それは…と…とうぜん////」
『キャーッ♡!!!!』
恥ずかしそうにしながら肯定するらんこにクラスの女子は一斉に声を上げる。ツンデレで中々に素直になれない事で人気があるらんこが彼氏を作ってキスをすると言う恋バナ大好きな仲田達にとっては大好物な話だ。
『グハーッ!!!!』
「うわぁぁぁぁ!?皆さんどうしたんですか!?」
「一斉に床に倒れたけど大丈夫!?」
盛り上がる女子生徒達とは対称的に軽井沢を除く一部男子生徒が血反吐を吐きショックを受けて床に倒れ込みそんな男子生徒達をソラ達が心配する。
「ソラちゃんにましろん。その子達は前にらんらんに告白した子達なの」
「だかららんこちゃんが彼氏が出来たことがあまりにもショックで立ち直れないみたいなの」
「な、成る程…」
「皆んな…らんこちゃん好きだったんだね」
倒れ伏す男子生徒は全員らんこに告白、または好意を抱いていた者で自分達の知らぬ間にらんこに彼氏が出来た事は心に大きなダメージを与えて酷く落ち込んでいたのだ。
『いい真っ暗闇を持っているね』
誰だこいつ?
何やら親友と共にアイドルを目指そうとするがオーディションに落ちて代わりに親友が受かったことに嫉妬心を抱き闇堕ちした人物の声がらんこの頭に響きつつも彼女は倒れ伏す男子生徒達に申し訳なさそうな顔を浮かべる。
「なんか…ごめん」
ひかるの事を異性として好意を抱く前に自分に今まで告白してきた男子生徒達の気持ちをらんこは少なからず理解していた。自分がひかるを好きになる様に彼等も自分の事を好きになり勇気ある告白をしてきたのだ。それを断っていったらんこは落ち込む男子生徒達を見て罪悪感を抱く。
「ぐっ…謝らないでくれ風波さん…!」
「俺たちゃ、風波らんこファンクラブだ…!」
「推しが幸せであるならファンが喜び讃えるのは当たり前…!」
「だからこそ言わせてくれ…おめでとうらんこさん…!」
「あ、あんた達…!」
男子生徒もといらんこファンクラブの面々は推しであるらんこの幸せを願っており自分達の恋が実らなかったのは残念だが、その代わり先程見せた幸せそうな顔を見れただけでも彼等は幸せだったのだ。
「ぐっ…らんこさんの幸せの為なら身を引く皆さんの心意気…正にヒーローに通ずる物があります!」
「な、なんだろうなぁ。ツッコミを入れた方が良いのかな?」
男子生徒達にソラは感動をするのに対してましろは何か一言入れるべきかと悩んでいる。尚、ましろは男子生徒の姿が同じくらんこの事が大好き(百合)なベリィベリーに重なって見えて目眩を起こしそうになる。
「良いなぁらんこちゃん…そんな相思相愛の彼氏さんが出来るなんて」
「ねぇねぇ、他に何かないの?そのひかるって子の最新の思い出とか」
「勿論あるわよ。なんたってひかるは…」
最近のひかるとの思い出について語ろうとするらんこは脳裏に最近起きた出来事を思い浮かべる。パラサイアによって操られひかるとソラに酷い事したにも関わらず助けに来てくれた事やパラサイアとの戦いが終わりパーティーをしようとするが其処でひかるがグランの胸に釣られて…。
「………」
「あれ、らんらん?」
「どうしたの?」
突然固まるらんこに仲田達は首を傾げる。先程まであれほどひかるについて語っていたらんこは何故か映像を停止したかの様に固まるその姿に一体どうしたのだろうと思っているとらんこは再び喋りだす。
「…けんな」
「えっ、なんて?」
「なんて言ったんだ風波さん?」
何かを言った様だが聞き取れなかった一同は再度発言をお願いするとらんこは怒りの表情を露わにして机をバンッと音が鳴るくらいに叩き出す。
「ふざけんじゃないわよ彼奴‼︎私を助けに来てくれたかと思ったらよりにもよってあのマッドサイエンティストの胸なんかにまんまとつられて!何よ!?胸がデカい方が偉いの!?」
「らんらん!?」
「急にどうしたの!?」
「胸って、え?胸ッ!?」
先程まで砂糖を吐きそうなくらいに惚気話を語っていたらんこが豹変してひかるへの不満を訴え始めた事に一同は困惑する。そんな中ソラとましろは驚きつつもらんこに話しかける。
「らんこさんまだ怒っているんですか!?」
「あったり前よ‼︎彼奴あの日以降全然私に謝りに来ないのよ!」
「ええ…ひかる君はまだ謝りに来なかったの?」
パーティーの日から既に数日経っているにも関わらずひかるがこちらの世界にやって来てないと知ったましろは呆れた顔を浮かべる。
「ひかるったら…私が一回でも素直に謝ってくれさえすれば許してあげるのに何度も呼び掛けをしているのに彼奴は全然来ないのよ!」
(そりゃそんなに怒っていたらひかる君も来ずらいよ)
寛大な心で対応するつもりのらんこだがましろや第三者から見れば弁明を聞いてもらえずお仕置きと称して一方的に血祭りに上げられるかもしれないだろう。
そんならんこに一体どの様に声をかけたら良いかと頭を悩ませていると軽井沢が恐る恐る手を上げる。
「あのさ、これ以上風波さんの彼氏さんについての話をすると風波さんが更に荒れそうだから話題を変えようと思うんだけど」
「そ、それが良いです!」
軽井沢の提案にソラは大賛成と言わんばかりに声を上げる。だが、話題を変えるにしても一体どんな話題をすれば良いのかソラ達は頭を悩ませていると其処に軽井沢が得意気な笑みを浮かべる。
「実はここだけの話プリキュアに新しい仲間が加わったらしいんだよ」
「えっ、新しい仲間?」
「それって一体なんなの?」
プリキュアに新メンバーが出たと聞いて仲田と吉井は興味津々で聞いて来る。対してソラとましろは嫌な予感を覚える。
「ああ、実は黄色い衣装を着たキュアウィングと同じ男の子の「うわああああっ!別の話題!別の話題にして!」え?なんで?」
突然話を遮る様に声を荒げるましろに軽井沢は頭に疑問符を浮かべる。軽井沢からしてみれば新しいプリキュアはらんこの彼氏であるひかるとは全く関係無いと思っている。だが、その黄色いプリキュアことキュアトールの正体はひかるである為下手にキュアトールの話をすれば余計にらんこの怒りは火にガソリンを注ぐ様に燃え上がるだろう。
「あー…じゃあ、新しいプリキュアの敵についてはどうかな?」
「「新しいプリキュアの敵?」」
次に軽井沢が出したプリキュアの新しい敵については当事者であるソラとましろからしたら心当たりが無かったのだ。
「実はさっき言っていた黄色いプリキュアと共キュアスカイ達が黒いプリキュアみたいな敵と戦っていた所を俺は見た事あるんだ」
「黒い?」
「プリキュアみたいな……敵?」
軽井沢の発言にソラとましろは恐る恐るらんこの方に向くと其処には先程怒っていたのが嘘みたいに静かに黙り込み気まずそうな表情を浮かべている。
『私はプリキュアを倒すために造られた、ダークプリキュア』
誰だこいつ?
何やら出生が訳ありかつとある月の名を持つプリキュアと色々と因縁ある闇の女戦士の声がらんこの頭に響き渡っていく。同時にらんこは己の醜態もといダークツイスター(暴走状態)の姿を自分の知り合いに見られた事についてまるで黒歴史が知られたかの様な恥ずかしい気持ちが膨れ上がる。
そんならんこの気持ちを察したましろは誤魔化そうとする。
「き、きっと、何かの見間違いだよ」
「そ、そうですよ!ダークツイスターは敵なんかじゃありませんからね!」
「ソラちゃん!?」
誤魔化すつもりが墓穴を掘ったソラにましろは思わず声を荒げてソラも慌てて口を塞ぐがもう手遅れであった。
「ダークツイスター?あっ、そういえばその敵って顔がツイスターに似ていたからひょっとしてツイスターを模して作ったアンドロイドかも!」
だが軽井沢はダークツイスターがツイスター本人とは気付かずアンドロイドもとい別人であると都合のいい解釈をしてくれた事にソラ達は胸を撫で下ろす。
「あっそう言えば俺は見た事ないけどこの前白いツイスターみたいな子がキュアプリズム達と戦っていたって噂g「も、もう良いよ!ありがとうね軽井沢君!」え?まだ話はこれからなのに…」
まだまだ話し足りない軽井沢であったがこれ以上ダークツイスターやホワイトツイスターの話を続けていくとらんこはその時の罪悪感に押し潰されるかもしれないとましろは話を切り上げる。
「そ、それよりもプリキュアとは別の話題とかありませんか?ほんの些細な事でもいいので」
「プリキュアと関係ない話?うーん……プリキュアと比べるとイマイチインパクトに欠けると言うかあまり大した話じゃないと思うけど…聞きたい?」
「何でもいいよ!是非教えて!」
らんこの傷ついたメンタルを癒そうとプリキュアの話題とは関係のない話を聞こうとソラとましろは軽井沢に問うと彼はあまり気が進まない表情を浮かべながら語りだす。
「そうだな…俺は見た事ないけど知り合いが巨大な鷲を見たって話なんだ」
「「巨大な鷲!?」」
「なんですって!?」
軽井沢の話に出て来た巨大な鷲にらんこ達は大きく反応する。巨大な鷲といえばシャララの相棒であるワシオーンを思い浮かべる。パラサイアとの戦いでシャララを庇いパラサイアの攻撃によって吹き飛ばされて行方不明となったワシオーンかもしれない情報がこの時聞くとは思わなかった為、らんこ達は驚きの表情を浮かべる。
「ちょっと軽井沢!その話を詳しく聞かせなさい!」
「その巨大な鷲って今どこにいるの!?」
「教えて下さい軽井沢君!」
「えっ、なに?皆んな鷲に興味があるの?」
先程まで話していたプリキュアとは真逆に巨大な鷲についての話にまるで餌に群がる鯉の如く詰め寄る3人に軽井沢は困惑の表情を浮かべる。
「まぁ、俺も詳しい事は分からないけど数日前に此処から離れた街で巨大な鷲を見たって話なんだけどそれから詳しい情報は無くてガゼネタかもしれないかもよ」
「カゼでも良いです!」
「それでその街ってなんて街なの?」
仮にガゼだとしても今はワシオーンの情報が一つでも欲しい。その為軽井沢にワシオーン(仮)が目撃された街について問い詰める。
「確か、アニマルタウンっていう街だよ」
「アニマルタウン…ね…」
聞いたことの無い街ではあるが其処にワシオーンがいる可能性があるならば足を運んで見る価値があるかもしれない…らんこ達は互いに目を合わせる。
「次の休みの日は予定を空けといて」
「うん、ツバサ君達にも伝えるよ」
「はい!その日にはアニマルタウンへ向かいましょう!」
全てはシャララとの約束を守る為、らんこ達はワシオーンを探そうとアニマルタウンへ向かう事を決めるのであった。
─おまけ─
「ところで気になってたんだけど、軽井沢って何でそんなにゲームとかに居そうな情報屋並みに色々と詳しいわけ?」
朝の出来事から数時間後の昼休みにてらんこ達は軽井沢が何故色々と情報を持っているのか気になっていた為、声をかけていた。
「いやな、俺の親戚にテレビ局のキャスターさんがいてさ。その人は進んで取材やレポーターとか色々と情報の集め方について教わったんだ」
「キャスターさんの親戚さんか。それなら納得だね」
中学生にも関わらず世間ではあまり広まってない
「因みにそのキャスターさんってどんな人なんですか?」
「ああ、その人は増子美代さんって名前なんだ」
「ああ、あの人ね…」
実際に会った事はないもののテレビでよく見かけて他のキャスターと比べてものすごい熱意で取材をしたりするのだが、その性格上やや強引さが目立ち取材される側の気持ちに配慮出来ない所がある為、らんこの中では喧しい部類に入る人だ。
(まぁ、テレビを見る限り此処へ取材しに来た事無さそうだからその人に取材をされるなんて無いと思うけど)
恐らくこの先会う事は無いだろうとらんこは内心そう思っている。だが後日、軽井沢が増子美代にひろがるスカイプリキュアの面々の情報を送ってしまい彼女の取材魂に火をつける事になるのだが…。