ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第16話 転校してきたソラ、思い出の桜

学校の新学期が始まって数日が経過する。らんことましろがいる教室ではクラスメイト達が1人の少女に視線を集中させていた。

 

「えー、ソラ・ハレワタールさんは海外からの転校生だ。外国生活が長いので不慣れな事もあると思うが、そこは皆でサポートして欲しい」

 

「ソラ・ハレワタールです!ましろさんの家でお世話になっています!よろしくお願いします!」

 

自己紹介を終えると教室内は拍手に包まれる。これから学校生活を共にしていくソラをクラスメイト達は受け入れてくれる証だ。

自己紹介を終えたソラはましろの隣の席に座る。なお、らんこの席はましろの前になっている。

 

「自己紹介お疲れ様」

 

「ありがとうございます。その…私変な事は言ってませんでしたか?」

 

「ううん、大丈夫そうだったよ」

 

自己紹介が上手くいったか不安になるソラだったが2人から変な所は無いと言われ、安堵の息を吐く。

すると、其処へ近くの席に座る仲田と吉井と軽井沢の3人が会話に混ざる。

 

「ましろんと一緒に住んでるんだ」

 

「いいなぁ。楽しそう!」

 

「はい、すごく楽しいです!」

 

話しかけてくる3人に問題なく受け答えできるソラを見てましろとらんこは安堵する。

 

「一緒に住んでいる虹ヶ丘さんは兎も角、風波さんとも仲が良いんだね」

 

「はい、らんこさんは私が初めてこの街に来て困っていた所をましろさんと共に色々と教えてくれた事がきっかけで仲良くなりました」

 

「……なんかこそばゆいね」

 

褒められる事が慣れていないらんこは若干顔を赤くして、窓に顔を向ける。その姿を見たましろがにっこりと笑みを浮かべる。

 

「ところでソラちゃんはなんて国から来たの?」

 

「はい、スカイランドです!」

 

「うん?」

 

「は?」

 

自然に出たソラの発言にましろは思考が固まり、らんこは勢いよく首をソラの方へと向け声が漏れる。

 

「どこにあるの?」

 

「別世界です!」

 

更に詳しく答えるソラ、そんなソラを見てましろとらんこは恐る恐る話しかける。

 

「ソラちゃん…!」

 

「あんたねぇ…!」

 

「…あぁっ!すみません!間違えました!スカイランドではなく…」

 

2人の指摘に気付いたソラは慌てて誤魔化そうとするが、中々良い誤魔化し方が思い浮かばず万事休すかと思われた。

 

「えっと、確か虹ヶ丘さんのおばあさんの話ではスカンディナビア半島の方の国だと聞いたが」

 

其処へヨヨから聞かされたソラの出身国(偽造)を思い出した担任の雑木林が彼女が元々住んでいた国を口に出す。

 

「は、はい!確かそのスカイラン…ジーナビアの方の国です!」

 

「いや、スカンディナビア半島よ」

 

間違えるソラにらんこは訂正をするがクラスメイトからはソラの言い間違いをその国の言語と思い込んでしまい、興味が更に湧き生徒達から沢山の質問を受ける事になってソラも困っている様子だ。

それを見てらんこは軽く溜息を吐きながらもクラス中に響く程の拍手をして場を静かにさせる。

 

「ほら、あんた達……ソラは聖徳太子じゃ無いんだからそんなに一気に質問されるとソラも困るでしょ…ね?」

 

「え……あ、ああ!そうです!私も一気に質問されるとスカイ…じゃなかった!こ、困ってしまいます……」

 

(ナイスアシストだよ!らんこちゃん!)

 

らんこの意図を読み取ったソラは質問を切り上げると、生徒達も彼女の困っている姿を見て一旦質問タイムを終了となる。

 

「ごめんねソラちゃん、ちょっと興奮しすぎちゃった」

 

「あ、いえいえ…お気になさらずに。私もこんなに質問される事がなかったので驚いてしまいました」

 

ソラの事を考えず質問攻めした事に仲田が謝ると、ソラは特に気にしている様子はなかった。

 

「もしかして、ソラちゃんってらんらんみたいな恥ずかしがり屋さんなのかな?」

 

先程からソラの技心地ない反応を見て吉井は新学期に登校してきたばかりのらんこの姿を思い出し、ソラもそうでは無いかと思った。

 

「そうです!私はらんこさんみたいな物凄い恥ずかしがり屋です!」

 

「そうそうソラは私みたいな物凄い恥ずかしがり屋……って、誰が恥ずかしがり屋よ⁉︎しかも物凄いって何よ⁉︎」

 

一方でソラは吉井の発言を聞いて自身は恥ずかしがり屋であると強く肯定。話を近くで聞いていたらんこはソラの発言を流そうとした所、自身が恥ずかしがり屋として認識されている事に思わず声を上げて否定する。

 

「らんらんの言う通りだよ!らんらんは恥ずかしがり屋じゃ無いよ!」

 

「仲田⁉︎…そうよ仲田言ってやりなさい!」

 

仲田が擁護してきたのは驚くも自身の味方をする彼女に恥ずかしがり屋では無いと強く言ってもらおうとするが、

 

「どちらかと言えばらんらんはツンデレだよ!」

 

「その通り私はツンデレ……って、違うわよ!」

 

『あははははははっ』

 

まるで漫才みたいな彼女達のやり取りにクラス中は笑いで満ち溢れるのであった。

 

 

─────────────

 

波乱のホームルームを終わると、3人は教室のベランダの方に集まっていた。

 

「すいません…ついスカイランドの事を口に出してしまいました」

 

「ううん、大丈夫だよ。何とか誤魔化す事が出来たからバレていないと思うよ」

 

「まぁ、仮にバレたとしても異世界から来ましたなんて普通は信じられないからそこまで気にしなくて良いわよ」

 

またしてもスカイランドの事を口に出してしまった失態に落ち込むソラに2人はフォローを入れる。

 

「それにしてもまさかクラスの皆んなが私の事を恥ずかしがり屋だったりツンデレなんて性格って思われているなんてね」

 

「まぁ、それに関して事実だと思うけど?」

 

らんこをよく知るましろにとって彼女の性格を一番把握しており、恥ずかしがり屋とツンデレな性格は事実であると認識している。

 

「何言っているのよ?そもそも恥ずかしがり屋に関しては百歩譲っても私はツンデレでは無いわ」

 

「そうだったんですか?……所でましろさんツンデレって何ですか?」

 

「今まで知らずに会話していたの⁉︎」

 

今まで話に合わせていたが、ツンデレという言葉を聞き慣れないソラはそれがどういう意味なのかわかっていなかった様だ。

 

「……簡単に言えばらんこちゃんみたいな性格の人だね」

 

「成る程、わかりました」

 

「いや、成る程じゃ無いわよ!ましろも適当な事をソラに吹き込むんじゃ無いわよ!」

 

ツンデレ=らんこの様な人と言ったましろにらんこは思わずツッコミを入れる。

しかし、らんこ自身は自覚していないが彼女は間違いなくツンデレである。そもそもツンデレの定義とは普段はツンツン…人に対してのあたりが強くぶっきらぼうな態度をとっているものの、何かのきっかけでデレデレして好意的な態度をとる事を言う。

今までの彼女の言動を振り返るとがっつりツンデレ定義に当て嵌まる。

 

(適当じゃ無いんだけどな……)

 

本人は自覚していないもののましろは彼女がツンデレである事を既に確信している。だが、しつこく言うとらんこが怒る為これ以上性格に対して指摘はやめる事にした。

 

「とにかく、これ以上私がツンデレなんてネタにされる様な事を避けないと面倒くさい事になるわ」

 

折角新学期デビューを果たして不良のレッテルを剥がしたと言うのにあらぬ噂を流されて学校生活に悪影響が出るかもしれない。そう思い込んでいるらんこは何とかしようと考える。

そんな彼女を見てソラも何か思う事があるか何か悩んでいる表情をする。

 

「…らんこさん……らんこさんも自分の性格で苦労している事はよく理解出来ました。私も薄々でしたが自分の性格についてとんでもない事に難点に気づいてしまいました」

 

「ソラちゃんの性格に難点?」

 

「なによ…そのとんでもない難点って?」

 

ソラが自分にも性格に難があると明かす2人は気なってそれはなんなのか問い詰める。それを聞いたソラも「わかりました」と返事をすると、口を開く。

 

「私の性格の難点はズバリ……嘘をつけない体質です」

 

「「嘘をつけない体質?」」

 

シリアスな顔をして吐く彼女の発言に2人はオウム返しする。

 

「思い返せばあげはさんの時だってそうでした。スカイランドの事は言っては駄目なのに聞かれたらつい喋ってしまいました」

 

「まぁ、あんたは面倒臭い程の馬鹿真面目だから嘘を吐くなんて難しいと思うわ」

 

「うっ!」

 

「ら、らんこちゃん其処は素直か正直過ぎるって言ってくれないかな?」

 

平然と毒を吐くらんこにソラは胸に手を当ててショックを受ける様子にましろはらんこに発言をオブラートに包む様に注意する。

 

「と、兎に角!これ以上質問されない様に目立たない方が良さそうです!そうすればクラスに馴染めるはずです!」

 

「いや、その理屈はおかしいわよ」

 

謎の理屈を言うソラに思わずらんこはツッコミを入れる。

 

「というかソラは目立たない様に出来るの?」

 

「はい、何と目立たない様にやって見せます!」

 

「あ、ははは……」

 

何が何でも目立たない様に学校生活を過ごそうとするソラにましろは苦笑いを浮かべる。

だが、らんことましろの脳裏には春休み中のソラの姿が浮かぶがその時の彼女はショッピングモールの様々な設備や色々な物に対して大きなリアクションを見せていた。そんな彼女が目立たずに学校生活が過ごせるとは思い辛い。取り敢えず2人は出来るだけカバーをしていこうと思った。

 

──────────

 

それからいくつかの授業を受けた後、3人のクラスは体育の授業が始まる。今日はスポーツテストを行う為一同は体育着に着替えグランドに行きそれぞれの種目を行う。

 

「ソラちゃん、スポーツテストってやったことある?」

 

「はい!ちょっと自信があります!いえ、自信はありますが、あまり目立たないように皆さんの真ん中くらいの記録を狙います!」

 

先程言った通り目立たない様にするつもりでソラは本気は出さずに他の生徒達と合わせてクラスの平均を狙おうと考えている。

一方でらんこは1人考え事をしていた。

 

(スポーツテスト……思えば一年の時はやっていなかったわね)

 

思い出すのは一年前のこの日、その時らんこはまだ性格的に荒れており、あまり人前に顔を見せたく無い理由で仮病を使ってズル休みをしていた。しかし、今回はそうする必要はなく寧ろ新学期デビューには丁度良い。己の新たな姿をクラスメイトに見せつけるには絶好の機会だ。

 

「次はらんこちゃんの番だよ」

 

「行ってくるわ」

 

ましろの呼びかけにらんこは反応すると50m走を受けに複数の生徒と共にスタートラインに並んだ。

 

「らんこさん頑張って下さい!」

 

「らんこちゃんファイトー!」

 

近くにはソラとましろが応援してくれる。らんこはその応援を聞いて思わず口元が緩む。友達が自分の為に応援してくれる。次第に心と体が軽くなる様な思いだった。新しい己の姿を応援してくれる友達に見せようと体の内から力が湧いてくる。

 

『分かるよその気持ち!何でもできる、何でもなれる、輝く未来を抱き締めて!新しい自分になろうとする貴女を私は応援するよ!フレー!フレー!』

 

誰だコイツ?

またしても知らない誰かの声が聞こえる。だが、今回はがっつり自分に応援してくれる事に感謝しつつ、走る構えを取る。是非とも2人の応援や脳内から聞こえる謎の人物からの応援に報いたい。その為、このスポーツテストで自身の今の全力を出し切ろうと思った。

 

「よーい、スタート!」

 

そして、スタートのホイッスルが鳴るとらんこを含めた生徒達は一斉に走り出す。他の生徒達はなかなかの好スタートで走り出したが、らんこは今まで体育の授業をサボったり運動などをしてこなかった為、一番後ろであった。すると30mを走った辺りで彼女の動きが変わる。

 

「久しく忘れていたわ……この感じ!」

 

そう呟くと彼女は地面を強く踏み込み其処から勢いよく走り出す。先程までの彼女と異なり、物凄い速さで前にいた生徒を全員抜き去りそのままゴールする。

 

「凄い、らんらんってあんなに足が速いんだ!」

 

「一年生の時は体育に出てなかったけど、運動神経良いんだね!」

 

生徒達かららんこに対して声援が上がる。一年前の彼女の姿を知っている生徒達からはこんなに早く走れるとは思ってもみなかった為、いくつか驚きの声が聞こえる。

 

「凄い!現状この学年のトップだ!」

 

『凄っ⁉︎』

 

タイムを測っていた先生もそれを聞いた生徒達も更に驚きの声が上がる。

 

「凄いですよらんこさんこの学年で一番ですって!」

 

「別に……そんなに凄くないわ」

 

「らんこちゃん……凄いドヤ顔だね」

 

いつもの様にらんこを褒めるソラであったが、彼女は相変わらず謙遜な態度を取るが、普段と異なりらんこはドヤ顔である事にましろが指摘するのであった。

 

「よーし、私もらんこさんに続いて真ん中を全力で取って見せます!」

 

そう言ってソラも50m走をしにスタートラインに並びに行った。

 

「……ねぇ、真ん中を全力で取るって言葉……違和感が凄すぎないかしら?」

 

「まぁ……ソラちゃんは今回手を抜くのが目的だからね」

 

その場に残った2人は先程のソラの台詞に複雑な思いを感じつつも彼女の走る姿を見守るが、スタートしたソラはゴール先にいる怪我をした生徒を見つけるとその生徒に向かって全速力で走り、その結果学園の新記録を叩き出す羽目になり、更にその後も彼女は全ての種目をうっかり一位を取る事になるのであった。

一方でらんこは殆どの種目を二位から五位まで収まる成績を出した。

なお、運動部に入っている生徒達はソラとらんこの記録の前に物凄く悔しがっていた模様。

 

 

───────────

 

「結局、全ての記録で学園の新記録を出してしまいました…」

 

「まぁ、落ち込まなくてもいいと思うな。凄いことなんだから」

 

「まぁ、こうなる事は薄々予想していたけど…」

 

スポーツテストが終わり3人は廊下で先程の出来事を振り返っていた。らんこやましろの記録はまだしもソラだけは他の生徒達との記録の差がとんでも無かった。まるで◯ラゴン◯ールの孫◯飯の高校時代にあった野球で周りの生徒達と比べて物凄いスペックの差を披露した時の事を連想する。

 

「うう、目立たない様にしようとしたのについうっかり本気でやってしまいました……」

 

「そんなうっかりで全ての種目を一位取ったのは恐らくこの学園であんたが最初でしょうね」

 

「まぁ…それがソラちゃんの良いところでもあるけどね」

 

本当にうっかりで一位を取ったソラにらんこはツッコミを入れ、ましろはそれがソラの一つの個性であると前向きに捉える言い方をする。

 

「どうしましょう……きっと他の皆さんも私の事を変だと思ってます。もし、これで別の世界から来たことまでバレてしまったら!もう、皆さんと友達には……!」

 

「ソラちゃん?」

 

「え…あんたその事を心配して今までの自分を隠そうとしていたの?」

 

「はい、実は……」

 

少々恥ずかしがりながら肯定するソラ。周りの生徒達の常識と自分の常識が異なり、それで気味悪がられクラスから浮いたらどうしようと悩んでいた様だ。

 

「……そっか」

 

それを聞いていたらんこは自身の過去の記憶が蘇る。自分が周りと比べて高成績を叩き出してチヤホヤされ、その結果虐めに遭ってクラスから疎外された事がある。

そんな過去を持つ彼女はソラの不安になる気持ちに共感を覚える。

 

「ソラ……あn「ソラちゃ〜ん!」

 

不安になっているソラに話しかけようとしたらんこだったが、それを遮る様にソラの名を呼ぶ声が聞こえ、3人はその方向へ顔を向けると其処に仲田、吉井、軽井沢の3人がやってくる。

 

「ソラちゃん!凄いよ。さっきの宙返り!」

 

「今度さ、俺達に宙返りを教えてくれよ!」

 

「あんたはグイグイ行き過ぎ。ソラちゃんだって困るでしょ」

 

どうやら3人は先程のスポーツテストで見せたソラの姿を見て興奮している様だった。

一方でソラは3人に寄られて褒められるとは思っても見なかった様で放心になる。そんな彼女を見て3人は恥ずかしがり屋である事を思い出すとまた空いた時間に話をしようとその場を去っていった。

 

「どうやらソラが心配している事は起きなそうね」

 

「ええ、まぁ…」

 

ソラの心配していた事は杞憂に終わった様ではあるが、それでもまだ不安が残っている顔を見せる。そんなソラの顔を見てましろはある事を思いつく。

 

「そうだ、ソラちゃんこっち来て。らんこちゃんも」

 

「え、どちらに?」

 

「ましろ?」

 

ましろは2人を連れて学校の屋上へ向かう。すると其処から学校の中庭を見下ろすと春となり花が満開に咲いている大きな桜の木があった。

 

「わあぁぁぁ〜!とても綺麗な木ですね!」

 

「そうでしょ」

 

風が吹くたびに桃色の花びらが舞う桜の美しさにソラは思わず目を輝かせる。先程まで不安の表情を浮かべていたが桜の美しさの前にそれは吹き飛んだようだ。

 

「あれはなんて言う木ですか?」

 

「初めて見るの?……あれは桜よ。毎年春に花を咲かせてくれる木で春の象徴よ」

 

「あの桜の木はこの学園ができた時からずっとあそこにあるんだって」

 

2人から目の前に存在する桜の木の説明を聞いてソラはますます興味が湧き出す。

 

「ソラちゃんはもっと自分を出した方が良いと思うよ」

 

「え?」

 

ましろの自分を出した方が良いと言う発言に思わずソラは聞き返す。

 

「実はね、私も……入学した頃に新しい友達と話せなくてどうしよう、どうしようって気持ちばかりが焦っちゃって……そんな時、ここに来たらあの桜とらんこちゃんがいたんだ」

 

「え、らんこさんが?」

 

「そういえば……そんな事もあったわね」

 

ましろの話から此処らんこがいたと聞くとソラは思わずらんこの方へ向く。らんこも一年前屋上でましろと初めて会話した事を思い出す。

 

「今思うと私とらんこちゃんが話すキッカケになったのはあの桜が合ったからだ思うんだ」

 

「ではあの桜の木は2人を巡り合わせてくれた象徴って事ですね」

 

「……かもしれないわね」

 

桜が自分達を巡り合わせてくれた事にらんこは同意する。仮に桜の木が無かったらましろは屋上にこなかったと思う。そうなるとらんこはましろと友達にはならず過去を引き摺り一年経ってもフードは被り続けて人との関わりを避けていただろう。

そう思うとこの桜の木はある意味らんこも変えてくれたキッカケになる。

 

「らんこちゃんと関われるキッカケになったのもそうだけど、あの桜を見て私は元気を貰って何だか肩の力が抜けたんだ…」

 

そのお陰で緊張のあまり話す事が出来なかったましろはすっかりと緊張が解け、クラスの皆んなと友達となる事が出来た。

 

「ソラちゃんは皆んなと友達になろうとしていつもの自分を隠しているけど、私はいつものソラちゃんで良いと思うな…」

 

「いつもの……私」

 

ましろの自分を肯定してくれる発言にソラの心に響く、そしてらんこも口を開く。

 

「まぁ……はっきり言えばソラが恥ずかしがり屋だなんて全く似合わないわ…なにせ、困っている人が目の前にいたら誰であろうとも助ける底抜けのお人好し…いえ、ヒーローの精神を持っているからそっちの方を出してくれないとこっちも調子が狂うわ」

 

「らんこさん……!」

 

らんこもヒーローを目指すソラを必要としてくれる事に段々と元気が湧いてくる。

 

「ましろさん、らんこさん……ありがとうございます!お陰で吹っ切れました!」

 

2人に元気付けられたソラは何時もの様に自信溢れる表情となる。

 

「此処からはいつもの私にチェンジします!」

 

「うん!」

 

「全く、世話が焼けるんだから」

 

2人もソラが何時もの彼女に戻った事に安心するのだった。

 

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