ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第17話 挨拶のやり直し

屋上から教室へ戻ってきた3人は教室の中を覗くと先生を除いて殆どの生徒が教室でお昼の弁当を食べている姿が確認出来た。

 

「皆さん!お食事中にすいません!」

 

ソラは壇上に立つと生徒たちに聞こえる様に声を上げ、食事していた生徒達も手を止めてソラの方に注目する。

一体何だろうかと生徒達は疑問を浮かべる。

 

「転校の挨拶をもう一度やらせてください!」

 

転校の挨拶をもう一度やるというあまり聞かないシチュエーションに困惑しつつも彼女の話を聞こうとする生徒達。対してソラは黒板に大きくソラ・ハレワタールと書いていく。但し最後のルが何故か反転している。生徒達はそれを見て日本に来て日が浅いからまだちゃんと字を覚えていないのだろうと思いそこはスルーする。

 

 

「私、ソラ・ハレワタールです!ましろさんの家でお世話になってます!」

 

「さっきと同じじゃん……」

 

最初の挨拶と同じ事に軽井沢は口を出すが一緒に食べていた吉井と仲田に注意される。

 

「でも、私は恥ずかしがり屋ではありません!私はこの学校に早く馴染みたくて皆さんと仲良くなれるならそれでも良いと思ってました……」

 

後半段々と声が小さくなるソラ。やはり本当の自分を明かすのは勇気がとてもいる事で不安な気持ちが出てきてしまうが、自分を見守ってくれているましろとらんこの顔を見て勇気が湧いてくる。

 

「…でも、気づいたんです!やっぱりちゃんと自分の事を知ってもらわなきゃ駄目だって!」

 

それからソラはクラスに聞こえる程の大きな声で言い、その後軽く深呼吸して再び口を開く。

 

「私はヒーローを目指しています!だから体を鍛えていて運動には自信があります!私は此処にきたばかりで慣れないことも多くて…でも、ましろさんとらんこさんと友達になって、新しい事を沢山知って、この学校に通うのも凄く楽しみで!…だから、もし良かったら……皆さんと友達になりたいです!よろしくお願いします!」

 

自身の本心をクラスの生徒達に打ち明けたソラは深く頭を下げる。彼女の話を聞いていた生徒達は暫く無言で何も反応を見せなかったが、1人の生徒が拍手をするとまた1人、また1人と拍手する生徒が増え、気がつけば教室にいた全員がソラに向けて拍手を送っていた。

 

「話してくれてありがとう!」

 

「スカイナビアだっけ?スカンジランドだっけ?とにかく、遠くの国からようこそ!ヒーローガール!」

 

「あ、その呼び方カッコ良い!」

 

仲田、吉井、軽井沢の3人が声を掛けると次々とソラを歓迎する声が上がっていく。

自身を歓迎する声を聞いたソラは先程まであった不安が吹き飛び笑顔になる。

 

「どうやら、上手くいった様だね」

 

「そうね……」

 

2人もソラの挨拶が上手くいった事に胸を撫で下ろして笑顔を見せる。これで漸くソラもクラスの仲間になった事で一件落着となった。

 

「ありがとうございます皆さん!……そして、最後に一つ…皆さんに伝えたい事があります!」

 

「「ん?」」

 

挨拶を終えてそのままお開きになるかと思っていたが、どうやらまだ何か言いたい事がある様だ。

 

(何かしら……妙に胸騒ぎがする)

 

何かしら嫌な予感を察したらんこは目を細くする。まさか、ソラはこの流れで自分がスカイランドからやってきた事もクラスの生徒達に公にするのではと不安が過ぎる。

 

「私は朝の時、らんこさんみたいな恥ずかしがり屋と言いましたが、それは違います!」

 

「ソラちゃん?」

 

「え、今更何を言っているの?」

 

さっき恥ずかしがり屋では無いと否定したのに再び同じ台詞を言った事にましろとらんこは首を傾げる。そして、ソラは口を再び開くと、とんでもない事を発言する。

 

「らんこさんは決して恥ずかしがり屋では無く!物凄いツンデレです!!!

 

『おおおおおっ!!!』

 

『くそおおおっ!!!』

 

「ちょっと待てい!!!」

 

ソラが堂々とらんこをツンデレ呼ばわりした事にクラスの反応は何故か2つに分かれるも、らんこはすかさず教壇に立つソラの元へ向かう。

 

「この馬鹿ソラ!いきなり何やってんのよ⁉︎クラスのみんなになんで私がツンデレって吹き込むのよ!」

 

「ら、らんこちゃん⁉︎流石に胸ぐらを掴むのは駄目だよ!」

 

突然のソラの奇行に思わずらんこは胸ぐらを掴み問い詰める。その後ろでましろは彼女に胸ぐらを掴むのを止める様に説得をする。

 

「い、いやぁ〜、私はさっきらんこさんの事を恥ずかしがり屋だなんて巻き込んでしまったので正しく皆さんに伝えようと」

 

「善意でやっているから尚のことタチが悪すぎる‼︎っていうか私はツンデレじゃ無いって言っているでしょ!」

 

ソラが悪意を持ってやっていないのは分かるが、ソラの嘘をつけないという体質が此処で裏目に出てくるとは思わなかった。まさか最後の最後で余計なお節介をするとは、取り敢えずらんこはクラスにいる生徒にちゃんと説明しようと生徒達の方へ顔向けたが……。

 

「ほら、やっぱりらんらんはツンデレだって言ったじゃん」

 

「でも本人が否定しているからツンデレじゃ無く恥ずかしがり屋だよ」

 

「あっちはあっちでなんで私の性格で盛り上がっているのよ⁉︎」

 

しかし、らんこの意思に反してまたクラスメイトは彼女の性格で盛り上がってしまっていた。何故此処まで自分の性格でクラス全体が動くのからんこ自身も全くわからなかった。

だが、実の所らんこ本人が知らないだけで新学期になってイメチェンした彼女とその時見せた恥ずかしがる姿やツンデレな言動で自分のクラスだけで無く他のクラスからも評判は良くなり、人気者へとなっていた。

そして気がつくとらんこは恥ずかしがり屋派かツンデレ派の二つの派閥に分かれて現にクラスが騒がしくなり混沌を極めようとしていた。

 

「風波さんはツンデレって言っているでしょ!友達のソラちゃんが言っているんだから確定でしょ!」

 

「何言ってんだ⁉︎さっき、本人が否定したのを忘れたのか⁉︎」

 

そして、段々と口論はエスカレートしていき生徒の口調も荒くなってきている。

 

「ちょ、ちょっと、私の為に争うのはやめて‼︎」

 

あざとい台詞であるとらんこ自身理解しているも本当に自分の性格で争いが起こっているのだからシャレにならない。と言うか自分の性格の所為で争っていると冷静に考えて段々と恥ずかしくなり穴があったら入りたい気分だ。

一方でソラも自分が善意でやった行いがとんでもない争いの火種になるとは思ってもみず動揺していた。

 

「ど、どうしましょう!私のせいで皆さんが喧嘩を始めそうです!」

 

「お、落ち着いてソラちゃん!」

 

折角良い感じで終わりそうになったのに自身の余計な発言がまさかこんな事になこのままでは暴力に発展してしまう。それだけは阻止しなければならないと思った時だ。其処へ1人の男子生徒が駆け込んでくる。

 

「皆んな大変だ!なんかもう一人転校生っぽいのがいるぞ!」

 

『えええっ!?』

 

既にクラスが大変な状態になっているにも関わらず、そこから更に大変な事を持ち出してくるのは勘弁してほしかったが、一時的でも良いこの場を収めて欲しい。そう思った3人はその男子生徒からもう1人の転校生について話を聞く事にした。

なんでも、その転校生らしき人物は頭にモヒカンを生やし、購買のパンを買い占めたり、学食のカレーを飲み干したりと傍若無人な振る舞いをしているらしい。

 

「それは大変ねー!早く止めないとー!」

 

「はい、ヒーローの出番ですねー!」

 

「その子を注意してやめさせないとねー!」

 

3人は教室にいる生徒達に聞こえるくらいな大きな声で棒読みする。それからすかさず教室を出て、謎の転校生を探しに行った。教室に残った生徒達は先程の3人の棒読みの台詞に呆然となって、次第に頭は冷静になっていき口論は中断となるのであった。

 

───────────

 

3人は中庭へ向かうと其処には見覚えのあるモヒカンと顔の人物が学ランを着込んで桜の木の下でメロンパンを食べている姿をみつけた。

 

「うっまぁ~!目を閉じれば、北の大地でたわわに実ったメロンが舞い踊るかのようなのね~ん!」

 

メロンパンを頬張ると食レポをしてそのメロンパンの味を語っていた。それを聞いていたソラは思わず涎が出そうになるも、らんこに小突かれる。

 

「そのパンは形がメロンっぽいだけで、メロンは入ってないよ!」

 

「なぬ?」

 

ましろの声を聞くとこちらへ顔を向ける。やはりその正体はカバトンであった。

 

「やっぱりあなただったのね!」

 

「カバトンどうして此処に⁉︎」

 

「今日の俺はツイているのねん!腹を空かせて空を眺めていたその時。目が覚めるような……いや、永遠の眠りにつくような衝撃が全身に走った!」

 

「そのまま永遠に眠っていれば良いのに……」

 

「ら、らんこさん…」

 

「だから物騒な発言はやめてよ…」

 

らんこはカバトンが永遠の眠りにつかなかった事を心底残念そうな顔を浮かべ、ソラとましろからも引かれていた。

 

「相変わらずお前は俺に対して辛辣過ぎるのねん!…まぁ、話を戻すとその衝撃に導かれて来てみれば……ここは美味い物が盛り沢山!しかもお前らまで発見した。どうだ!流石は俺なのねん!」

 

「偶然が重なっただけでしょう!」

 

「調子に乗ってんじゃないわよ豚男!」

 

全ては自分の計算通りと言わんばかりの台詞を吐くカバトンにソラとらんこは声を上げる。

 

「うるせぇ!とにかく、お前たちを倒した後ゆっくりとプリンセス・エルを探してやる!カモン!アンダーグエナジー!」

 

『ランボーグ!』

 

カバトンはアンダーグエナジーを側にあった桜の木に注ぐとランボーグへと変えてしまった。校舎から中庭の様子を見ていた生徒達はランボーグの出現に慌てて逃げる。

 

「よりにもよって、あの桜を!!」

 

「許せない……」

 

「今度という今度はもう許さないわよ!」

 

3人は大事な桜の木をランボーグへと変えたカバトンに対して怒り、ミラージュペンを構える。

 

「「「ヒーローの出番です(だよ)(よ)!」」」

 

その台詞と共に3人はミラージュペンの光に包まれる。

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「大空に広がる一陣の風!キュアツイスター!」

 

「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」

 

3人は変身が完了するとランボーグの前に降り立って、戦いの構えを取る。

 

「やれぇ!ランボーグ!」

 

『ランボォォォグ!』

 

先手必勝と言わんばかりに命令を出すと、ランボーグは両手を合わせ、大量の桜の花びらを3人に向かって飛ばしてくるも、3人は跳んで躱わす。

 

「はあああっ!」

 

躱わしたプリズムが光弾を放つもランボーグの腕で弾き飛ばされる。

 

「そんなYOEEE攻撃が当たる訳無いだろ!」

 

「くっ、はああああっ!」

 

カバトンは攻撃が効かない事をプリズムに向かって煽る。だが、プリズムは負けじと光弾を放つもそれを花びらで相殺する。

 

「こっちですよ!」

 

「ガラ空きよ!」

 

プリズムが攻撃しているのを見てスカイとツイスターは左右からランボーグに拳と蹴りを喰らわそうと迫る。

 

「甘いのねん」

 

『ランボォォォグッ!!!』

 

ランボーグは足を相撲の力士の様に四股を踏むと、スカイとツイスターの目の前から気の根が生え2人の攻撃を防ぐと、そのまま2人を捕まえようと根を伸ばすが、跳んで避ける。

 

「YOEEE〜!そして、俺様TUEEE〜!」

 

カバトンは3人が自身のランボーグの前に太刀打ちできない様子を見て煽りに煽る。

 

「だったらこれはどう!」

 

そう言うとプリズムは先程よりも大きな光弾を放つが、先程と同様に光弾は弾かれてしまう。

 

「だから言っているだろ!お前のYOEEE攻撃が通用する訳ないだろって!」

 

先程弾き飛ばされた光弾は消滅せずランボーグの上を飛び、其処へスカイが光弾の元へ向かうと拳を振るう。

 

「ヒーローガール…スカイショットガン!!!」

 

『ランボォォォッ!?』

 

「ぎゃああああっ!?」

 

プリズムの光弾はスカイのパワーが籠った拳によって弾き飛び、多数に分裂してランボーグへ命中する。そして、カバトンの足元にその弾が多数撃ち込まれ、驚いてひっくり返る。

 

「プリズムの攻撃は弱くありませんよ!」

 

「スカイ…!」

 

スカイの言葉を聞いてプリズムは嬉しくなる。

 

「くそぉ…!何をしているランボーグさっさと攻撃をしろ!」

 

『ランボォォォグッ!!!』

 

ランボーグはスカイショットガンでダメージを受けたがまだ動ける余力はあり、先程よりも強力に花びらを飛ばそうと両腕を構えるが、何処からともなく飛んできたマフラーに両腕を絡め取られる。

 

「私の事を忘れてもらちゃうのは困る……わっ!!!」

 

『ラアァァァァァン!?』

 

校舎の壁に張り付いていたツイスターは自分のマフラーをしっかりと握り大きく振るうとランボーグの巨体は宙を飛び、そのまま地面に叩きつけられる。

 

「ランボーグ⁉︎フード娘、隠れて攻撃するなんて卑怯なのねん!」

 

「うるさいわよ!私たちの大事な桜の木をランボーグにしておいて、あんたとお行儀よく戦いなんてする訳無いでしょ!」

 

カバトンがツイスターの攻撃に文句を言うが彼女はそんな事知ったことではなかった。

ツイスターは早く桜の木を元に戻そうと2人にアップドラフトシャイニングをする様に声をかける。

 

「おっと、私が到着する前に戦いを終わらせないでくれよ」

 

「「「うわっ⁉︎」」」

 

そんな時に突如3人に向かってレーザービームが放たれ、思わず怯んでしまう。そして、ランボーグとカバトンの前に人影が現れる。

 

「どうも〜、ご無沙汰しているよぉ。ドクターキメラング、今回は現地で参上♪」

 

「「キメラング⁉︎」」

 

「やっぱり出たわねマッドサイエンティスト!」

 

カバトンに続きキメラングが現れた事に3人は警戒を強くする。

 

「いやぁ〜、この前手に入れた素材が漸くなんの実験に使うか決めてキリがついた所だから今回はリモート参戦じゃなくて現地に来たという訳だよ〜、それはそれとしてまた私が来なかったらあっさりやられていた様だねカバトン君」

 

「五月蝿いのねん!態々嫌味を言いに来たのなら帰るのねん!」

 

煽るキメラングにカバトンは青筋を立てて怒鳴る。

 

「まぁまぁ、そう青筋を立てない。私はWin-Winって関係って奴だろう?私がこれからプリキュアと対峙して勝ったら君の手柄にすると良い。それで良いだろう?」

 

「チィッ……ならちゃんと勝つのねん」

 

軽く舌打ちをするが、キメラングに戦いを譲るのであった。

 

「と言うわけで此処からは選手交代という奴だよ。これから実験を行うから君たちのデータを取らせてくれたまえ」

 

「巫山戯んじゃないわよ!誰があんたの協力なんてするのよ!」

 

ツイスターは勿論スカイとプリズムも態々キメラングの手伝いをする義理は無かった。一方でキメラングは「ふーん」と残念がる台詞を吐くと黒い鏡を取り出して鏡面を少し弄ると白衣の中に仕舞う。

 

「ならこうしよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

私はこの学校にドローンを複数配置させた。そして、そのドローンは私の命令一つで学校を破壊することができる」

 

「「「なっ⁉︎」」」

 

キメラングの発言に3人は表情が固まる。キメラングは学校を人質に取り、実験に協力しなければ学校と生徒と教師達の命は危うい状態だ。

 

「ひ、卑怯だよ!」

 

「学校の皆んなを人質に取るなんて…そんな事許せる訳ありません!」

 

「あんた前もそうだったけど、そんな事よく出来るわね!」

 

学校を人質に取るキメラングに3人は非難の声を浴びせる。

 

「おいおい、落ち着きたまえよ。何も君たちが動けば人質達の命は無いとは言っていないよ。私はただ実験に協力して貰いたいだけなのさ…その為、君たちが勝とうが負けようがデータを取れればそれで良い。実験が終わればドローンは撤収させるさ」

 

「……つまり、私達がいつもの様に戦えば良いってこと?」

 

「その通りだよ。私の目的はあくまでも実験とデータの収集。私が勝とうが負けようがどっちに転んでも美味しいからね」

 

それを聞いてプリズムは少し安心する。もしも学校の皆んなを人質に取って大人しくやられろと言われたらどうしようと考えたが、そうならずに済みそうだ。それならスカイとツイスターと共に正直嫌ではあるが、キメラングの実験に付き合うしかないと了承の声を掛けようとする。

 

「ちょっと待て!そこはプリンセス・エルを寄越せって脅せばいいだろ⁉︎」

 

しかし、カバトンの意見は違った。現在、自分達がこの場の主導権を握っている。それならそれを最大限に活用すべきだと口を出したのだ。

 

「勘違いしないでくれたまえよ。私は私の目的で動いているだけで君の目的に協力するつもりは無い。あくまでも利害が一致しているだけだよ。」

 

「なんだと⁉︎お前、後からやってきて自分勝手な奴なのねん⁉︎」

 

キメラングの発言にカバトンは不満を訴える。

 

「自分勝手で結構、そもそも君は先程戦いの場を私に譲ったんだから君にとやかく言われる筋合いは無いよ。それとも私が代わりにプリンセス・エルを手に入れても良いんだよ……まっ、そうなれば私の手柄になるけどね」

 

「ぐっ…!」

 

言い返す事が出来ないカバトンは黙っているしかなかった。そして、キメラングは改めて3人の方へ顔を向ける。

 

「さて、待たせたねプリキュアの諸君」

 

「別に待ってなんていないわよ」

 

「全く、そんなツンデレみたいn「誰がツンデレよ⁉︎」

 

ツイスターはキメラングにツンデレ呼ばわりされた事につい怒鳴り声を上げ、キメラングも思わず固まってしまう。

 

「……えっと、なんか気に触ったようだけど……まぁ良いや。はい、と言うわけで今回も行ってみよう!」

 

そう言うとキメラングは白衣のポケットからカプセルを取り出すと、ランボーグに向かって投げ、カプセルはランボーグの体に取り込む。

すると、ランボーグの体に変化が起きランボーグに咲いていた桜の花びらが全て落ち、花びらが無くなったランボーグは元の木へと戻る。

 

「あれ?」

 

「桜の木が……」

 

「元に戻った?」

 

3人もランボーグが特に浄化もせず元の木に戻った事に呆気を取られる。

 

「何やっているのねんキメラング⁉︎ランボーグを自滅させてどうするのねん⁉︎」

 

「慌てない、慌てない。実験はこれからだよ」

 

ランボーグが自滅した事にカバトンはキメラングに掴みかかるが、キメラングは視線を桜の花びらの山へと向ける。

すると、桜の花びらは巨大な球体へと変化し、そこから手足が生える。

 

『ランボォォォォォグッ』

 

桜の花びらの集合体となったランボーグが誕生する。

 

「桜の木から今度は花びら⁉︎」

 

「一応言っておくが、これは弱体化したのでは無く立派な強化さ。さぁ、ランボーグ!実験開始だ!」

 

『ランボーグ!!!』

 

キメラングの台詞と共にランボーグを突撃させる。そのため、ツイスターとプリズムが迎撃しようと構えた。

 

「此処は私にお任せください!」

 

「「スカイ!」」

 

するとスカイが2人の前に立つとランボーグに向かって駆け出していく。

 

「ヒーローガール……スカイ、パァァァァァァァンチィッ!!!」

 

そのままスカイパンチをランボーグに喰らわせようとするが、ランボーグは自身の身体をバラバラにして避ける。そして、その後ろに立っていたキメラングとカバトンにスカイパンチが迫る。

 

「おっと、キメランラン♪」

 

「え、ぎゃあああっ!?」

 

キメラングは咄嗟に転移して避け、反応が遅れたカバトンはスカイパンチを喰らい、吹き飛ばされる。

 

「なんで俺様がこんな目にぃ〜ッ!?」

 

吹き飛ばされたカバトンはそんな台詞を吐きながらそのまま上空へ姿へ消してしまった。

 

「あらら、油断大敵だよカバトン君…それは兎も角ランボーグこっちもパンチでお返しだよ!」

 

『ランボォォォグ!』

 

バラバラになったランボーグは花びらを集合させると巨大な拳になる。そして、そのままスカイへと攻撃する。

 

「うわああああっ!!!」

 

「「スカイ!」」

 

巨大な拳を喰らってそのまま校舎の壁へ叩きつけられそうになったが、ツイスターがマフラーでスカイの体に巻きつけると自分達の方へ引き寄せる。

 

「大丈夫⁉︎」

 

「はい、何とか」

 

攻撃を喰らったスカイであるものの目立った怪我はしておらず、まだまだ動ける様子だ。

 

「ふむ、やはり花びらだけだと些か攻撃力は下がるか、もう少しアンダーグエナジーを追加で出そうかな?」

 

一方でキメラングもランボーグが先程よりも力が下がっているのを見て追加でアンダーグエナジーを入れるか迷っている。

 

「よし、決めたアンダーグエナジーを更にぶっk「やっぱりプリキュアだ!」む……ん?」

 

「「「ん?」」」

 

突然自分達の名を呼ぶ声が聞こえ、キメラングとプリキュア達は声が聞こえた上の方を見ると、

 

「ほら、言っただろうプリキュアがいるって!」

 

「ちょっと軽井沢!此処は危ないわよ!」

 

「そうだよ!私達も避難しないと!」

 

屋上から仲田と吉井と軽井沢の3人が彼女達を見下ろしていた。

 

「「ええええっ!?」」

 

「何であの3人が此処にいるのよ⁉︎」

 

スカイ達は思わず驚きの声を上げる。先程のランボーグの出現により生徒達は此処から離れたかと思っていたが、3人だけ自分達の闘いを見る為に戻って来たようだ。

 

「おやおや、いけない子達だ。避難したらUターンせずに現場から離れないと……でないと怪我するよぉ」

 

屋上にいる3人を見てキメラングは怪しげな笑みを浮かべる。

 

「「「ま、まさか⁉︎」」」

 

そんなキメラングの顔を見て、何をするのか察してしまう。

 

「ヒーローならヒーローらしく弱きものを守らないとね!」

 

『ランボォォォグ!』

 

ランボーグは再び姿を変え今度は大砲になり、砲台を屋上の方に向ける。

 

「砲弾の代わりにインストール、アンダーグエナジー!」

 

鏡を取り出しそこからアンダーグエナジーを射出し、砲口へと貯めていく。

 

「レッツ、ファイア!」

 

『ランボォ…グッ!!!』

 

アンダーグエナジーの塊を屋上へ目掛けて放たれる。

 

「うわっ⁉︎こっちに飛んで来た!」

 

「逃げないと!」

 

「でも、間に合わな…ッ!」

 

仲田と吉井と軽井沢は逃げようとするが、間に合ずアンダーグエナジーの塊に衝突する…その直前、3人の前にスカイとプリズムとツイスターが現れ、アンダーグエナジーを受け止める。

 

「「「ぐ、はああああああっ!!!」」」

 

3人はアンダーグエナジーを上に向かって弾き、そのまま上空へ飛んで爆発を起こす。そして、プリキュア達は先程の行動で思った以上に体力を持っていかれ、肩で息をしながら地面に膝をつく。

 

「あ、あのぉ…!」

 

「大丈夫ですか⁉︎」

 

「もしかして、さっきので怪我を…?」

 

3人は自分達を守ったプリキュア達に声を掛けるが、

 

「は、早く、逃げて…下さい!」

 

スカイの必死な言葉を聞いて、プリキュア達に申し訳なく思いつつも彼女達の言う事を聞き、屋上から避難する。

 

「いやぁ、お見事だよ。それなりの密度のアンダーグエナジーだったけど、流石はプリキュアだ」

 

キメラングとランボーグも屋上へやってくると3人に称賛の声を掛ける。

 

「話が違います!」

 

「ん…何の事だい?」

 

スカイの発言に対してキメラングはキョトンとなる。

 

「惚けないで!私達が戦えばみんなには手を出さない。その約束でしょ⁉︎」

 

巻き込まない為にキメラングの言う事を聞いたのにそれを違えた彼女にプリズムも怒りを露わにする。

 

「何か勘違いしていないかい?私は巻き込まないなんて一度も言っていないよ」

 

「それでもあんた!関係無いあの3人を戦いに巻き込むなんて何を考えているのよ!」

 

友達である仲田達に容赦なく攻撃をしたキメラングにツイスターは非難の声を上げる。

 

「あのさ…ツイスター。並行世界でも言ったけど、私以外の人間は実験道具……モルモットなんだよ。実験過程で犠牲が出るのは当たり前の話だよ。それに此処は何百人の人間が居るんだから生徒の2、3人減った所でこれと言った変化もないだろう?」

 

それを聞いて3人は今までに無いほどの怒りが湧いてくる。特にツイスターの場合は並行世界にて自分の心に寄り添ってくれたひかるを巻き込んだ時の事も思い出し、より怒りが増して自身の拳を強く握り血が滲む。

 

「私はあなたの様な人の命を何とも思わない心を持った人は初めてです…!」

 

「仲田達やクラスのみんなは今の私を受け入れてくれた」

 

「みんなあなたの実験の犠牲に巻き込ませない!」

 

3人はキメラングに対して強く睨むと、同時に口を開く。

 

「「「これ以上私達の友達を傷つけるなら絶対許さない!!!」」」

 

プリキュア達は怒りを露わにすると直ぐには突っ込まず。その場で戦いの構えを取る。

 

「ほぉ…激昂しながらも感情のまま突っ込まないか。そこは評価に値するよ……さぁ、実験の続きとしようか」

 

 

キメラングは怒りに身を任せずちゃんと理性を保っているプリキュア達を褒めると、両腕を広げる。

 

「スカイ、何か作戦はある?」

 

「すいません。あいにく良い作戦が思いつきません」

 

未だに花びらで身体を作るランボーグにどう太刀打ちするかプリズムがスカイに相談するが、スカイも未だに攻略方法が思いつかずにいた。

 

「それなら私に任せて良い案があるわ……でも、今はあいつに悟られない様にひたすら攻撃するわよ」

 

「わかりました」

 

「わかったよ」

 

スカイとプリズムは詳しい作戦内容は把握できていないが取り敢えず今はランボーグと戦う事にする。

 

「何をするのかは知らないけど取り敢えずだ。ランボーグ、彼女達が動かないのならこっちから攻撃するよ!」

 

『ランボォォォグ!』

 

キメラングの命令を受けたランボーグは身体をバラバラにして巨大な釘へと変わるとプリキュア達に襲いかかる。

 

「はあああっ!」

 

迫り来るランボーグに対してプリズムが連続で光弾を放つが、バラバラにして避ける。

 

「「はあっ!」」

 

今度はスカイとツイスターがランボーグに迫って殴り、蹴りかかったりするがそれも身体をバラバラにして避け、2本の釘へ成るとスカイとツイスターに攻撃する。

 

「「あああっ!!」」

 

2人は釘の尖端を胴体に打ち込まれる。先程の追加のアンダーグエナジーにより強化されランボーグの攻撃力は増し、2人は苦痛の表情を浮かべる。何とか身体を動かして自分達の身体に打ち込むランボーグに殴りかかるがその直前またしてもランボーグはバラバラになって2人から離れると今度は大蛇の姿となり、プリズムに迫る。

 

「ヒーローガール…プリズムショット!」

 

それに対してプリズムはプリズムショットをランボーグに向かって放つが、ランボーグは蛇の身体を利用してうねって避ける。

 

「弾けて!」

 

しかし、プリズムは先程プリズムショットを弾けさせるとランボーグの身体に向かって降り注ぐ。

 

「甘いよ!その技はもう体験済みさ!」

 

『ランボーグ!』

 

ランボーグは身体をバラバラにせず、全ての光弾を唸って避けるとプリズムへ一気に迫り、巨大な尾を振ってプリズムを叩き飛ばす。

 

「きゃあっ!」

 

「「プリズム!」」

 

弾き飛ばされるプリズムを見てスカイとツイスターは飛ばされる彼女の元へ行き受け止める。だが、見た所スカイとツイスターは先程の攻撃が思ったよりも大きかったのか片手で攻撃された所を押さえていた。

それを見てキメラングが笑みを浮かべる。

 

「さて、どうやらそろそろ終わりの様だね。ランボーグ、最後はフルパワーでやるんだよ!」

 

『ランッボォォグッ!』

 

再び形を変えると巨大なミサイルと姿を変え、キメラングはフィンガースナップを構える。

 

「では、次に起きた時は仲良く私のラボで会おう!」

 

『ランボォォォグ!』

 

キメラングはそう言って指を鳴らすとランボーグはそれに反応して動けない3人に迫る。

だが、それに対してツイスターは口元を緩める。

 

「今よ!ツイスタートルネード!」

 

「なに⁉︎」

 

『ランボッ⁉︎』

 

テンペストバトンを取り出すと、ランボーグに向かって竜巻を発生させるとその中へ囚われる。

そしてランボーグの身体は竜巻の風により次々と一枚一枚の花びらとなってバラバラになる。何とか脱出しようとするが、ランボーグはバラバラである為、その状態からは力が物凄い弱く、竜巻からの脱出は不可能であった。

 

「今よ2人とも!」

 

「はい!」

 

「うん!」

 

ツイスターに返事を返すと2人はスカイミラージュを構えるとスロットにスカイトーンを装填させる。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

2人はスカイミラージュを高く掲げると、竜巻に閉じ込められたランボーグの真上に円盤が現れ、竜巻ごとランボーグは吸い込まれていく。

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

そのまま円盤の中から気流が噴き出していき、円盤の中にいるランボーグは浄化される。

 

『スミキッター』

 

ランボーグが浄化された事により破壊された校舎は修復される。

 

「素晴らしいよ!まさか、私のランボーグのバラバラになる所を弱点として突いてくるなんて……今日も実験に付き合ってありがとう!ドローンは約束通り撤収させるよ!」

 

そう言うと白衣から黒い鏡を取り出して鏡面に触れようとした瞬間だ。キメラングの腕にツイスターのマフラーが巻かれる。

 

「おや?」

 

「あんただけは一発殴んないと気が済まないわ!」

 

「「ツイスター⁉︎」」

 

そう言ってツイスターはキメラングに距離を詰めて殴り掛かるが、キメラングは一歩下がって避ける。

 

「おやおや、まだ3人を戦いに巻き込んだ事を怒っているのかい?」

 

「当たり前よ!」

 

それからもツイスターはラッシュをするがそれを軽くあしらう。

 

「全く、今日の実験はもう終わったと言うのに熱いねぇ…だけど、その熱さが命取りだよ。キメランラン♪」

 

「ッ、ハァッ!」

 

キメラングの呪文の声に反応し背後に向かって回し蹴りをするが、そこにはキメラングの姿は無かった。

 

「ブラフだよっと!」

 

「ああああっ!?」

 

背中を向けたツイスターに向かって蹴りを喰らわせると、彼女の身体は吹っ飛ばされる。

 

「「ツイスター!」」

 

吹っ飛ばされるツイスターをスカイとプリズムが受け止める。

 

「熱くなって攻撃力が上がるのも良いけど、冷静さを無くすのは頂けないねぇ〜」

 

「くっ…」

 

キメラングの言葉を聞いて言い返せないツイスターは悔しい表情を浮かべる。

 

「取り敢えずだ、今日の所は帰らせてもらうよ。キメランラン♪」

 

そう言ってキメラングは今度こそ3人の目の前から転移するのであった。

 

────────────

 

キメラングが去った後、3人は学校内を一通り回ってドローンが何処にもない事を確認を終える。幸いにもキメラングは約束を守ったそうで3人は桜の木の下に集まると、一気に疲れが現れて桜の木に寄りかかる。

 

「はぁ……転校初日、色々ありすぎてあっという間に終わってしまいました!」

 

「本当ねぇ…もう肉体的に精神的にもうへとへとよ」

 

「うん……一時はどうなるかと思ったよ」

 

今日はソラの転校初日だった。思い返すと、ソラが似合わない恥ずかしがり屋を自称したり、その際にらんこが巻き込まれたり、その後はスポーツテストを終え、ソラが本当の自分を曝け出したまでは良かったが、らんこがツンデレであるとクラスの生徒達に伝えると大騒ぎしたり、更にカバトンとキメラングの襲来で大忙しだった。

 

「お、いたいた!ヒーローガール!」

 

其処へ仲田と吉井と軽井沢の3人が駆け寄ってくる。彼らは戦いの最中キメラングに襲われたが、何処も怪我ない事を確認するとソラ達は安堵の息を吐く。

 

「みんな無事だったんだね」

 

「うん、私たちプリキュアに助けて貰ったんだ。それで怪我は一つもしてないよ」

 

「まっ、元々は軽井沢がプリキュアがいるかもって言うから私たちは巻き込まれたんだけどね」

 

「そ、その事については本当に悪かったよ…」

 

軽井沢はバツ悪そうな表情を浮かべる。最近街で噂になっているプリキュアを一目見ようとして、屋上に行った所戦いに巻き込まれた様だ。なお、仲田と吉井はそんな軽井沢を止めようとして付いて行ったようだ。

 

「おれさ、プリキュア達に迷惑かけたから今度会う時に迷惑かけた事を謝ろうと思っているんだ」

 

「私も命を助けられたからプリキュアに命を助けられたからお礼を言いたい」

 

軽井沢は自分の行動でプリキュアに迷惑をかけた事に罪悪感を感じ、会う機会があったら謝罪をしたい。対して仲田は自分達を助けてくれた事にお礼の言葉を言いたい様だった。

 

「いえいえ、お気になさらず。大した事はしていませんから」

 

「え、何でソラちゃんが照れるの?」

 

「え⁉︎…あ、いえ、これは…その……」

 

2人の話を聞いてソラはつい照れてしまい、その事を吉井に指摘されると我に返り慌てふためく。

 

「そんな事よりも今日はもう学校終わったから帰るわよ」

 

「そ、そうだね。今日は色々大変だったから家に帰ろうか」

 

「それもそっか……じゃあ、みんなで帰ろうか」

 

やや強引ではあるものの、らんことましろが話題を変えると吉井も納得してこれ以上の話はやめると、ソラ達を誘い家に帰るのであった。

 

 

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