ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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まさかの15000字越え、長くなってしまいましたがどうぞ。


第23話 放て、絆の合体技

戦いが終わって一安心した一同の前にキメラングが現れ、更には彼女が作り出した巨大なロボット、デスメットロボの前にスカイ達は戦いの構えを取る。

だが、しかし先程ランボーグを倒したばかりで体力はそれ程残っておらず、ツイスターに至っては貧血による怠さに頭痛や息切れが見られ、満足に戦える様子では無い。スカイ達もツイスターの事を気にしており彼女をフォローしようと考えていると、

 

「うーん」

 

「あ、あげはさん。さっきからアレを見つめていますがどうかされましたか?」

 

先程から顎に手を当ててデスメットロボを見つめるあげはにどうしたのだとスカイは声をかける。

 

「あっ、別に大した事じゃないよ。ただ、あのロボットのデザインはなんか既視感を覚えるんだよね」

 

「あれ、あげはさんも?…実は俺もあのロボット前に何処かで見た気がするんだよ」

 

あげはだけで無くひかるもキメラングのデスメットロボの見た目が既視感がある様だ。

 

「そう言われて見ると私もどこかで見覚えが……」

 

「私も……なんかのゲームで似た様なのがあったような……」

 

更にプリズムとツイスターも見覚えがある様で4人は一緒になってデスメットロボを見つめているとひかるが気づく。

 

「あっ!わかった!デス◯ッグロボだ!ソ◯ックに出るドクター◯ッグマンのデス◯ッグロボだ!」

 

「「「ああ、成る程!」」」

 

「「?」」

 

「える?」

 

ひかるの指摘を聞いてあげはとプリズムとツイスターは納得する。髭ととんがった鼻は無いがそれ以外あのデカい頭に体型と色合いに通りで自分達が既視感を感じていた訳だ。

ただし、スカイとウィングにエルもソ◯ックなんて勿論存じている訳無く4人の話にはさっぱりであった。

 

「おや〜、敵を前にして話とは……余裕だねぇ。だけど、今の君達の姿を見ると癪に触るよ!」

 

彼女達に太い右腕を向けると前腕の部分が変形しガトリング砲が露わになる。

 

「ま、不味い、早く2人の避難を…うっ!」

 

「あっ、ツイスター⁉︎」

 

あげはとひかるを避難させようと伝えるが、貧血により眩暈を起こし地面に膝をつく。そんな彼女にスカイが駆け寄る。

 

「ん?ツイスター…君動けないの?……なら残念だね。このまま蜂の巣になるしか無いよねぇッ!」

 

その台詞と共にキメラングはボタンを押すとガトリングが回転し弾が彼女達目掛けて放たれる。

 

「ッ!プリズム、ウィング!」

 

「「うん(はい)!」」

 

スカイは咄嗟にプリズムとウィングに声を掛けると2人はスカイの言いたい事を察してそれぞれあげはとひかるを抱え、スカイもツイスターを抱えると、屋上から飛び降りて、ガトリングの弾から避ける。

 

「揺れるけど我慢してね!」

 

「わ、わかった!」

 

プリズムに抱えられているひかるはビルの屋上から建物の屋根と屋根を伝って跳んでいく事に若干焦った表情を見せる。

 

「少し飛びますよ!」

 

「オッケー!絶叫系は得意だから任せて!」

 

「えるぅ!」

 

ウィングに抱えられたあげはとエルは空を飛んでいる事に恐怖を感じておらず寧ろ自分が鳥の様に空を飛んでいる事に興奮を覚える。

そして、その後をスカイと彼女に抱えられたツイスターがビルから降り、そこから少し離れた路地裏にプリズム達と合流するとスカイはツイスターを地面に下ろす。

 

「此処にいれば暫くは安全ですね」

 

「どうだろう…前もこう言う所に隠れていたけどカバトンに見つかった事があるから……」

 

プリズムの発言を聞いてスカイは思い出す。以前、電車ランボーグに乗り込んだカバトンにビルとビルの狭い道に隠れていたが見つかってしまった事がある。

もし、此処で見つかったらあげはやひかるとエル、更には疲労が激しいツイスターを守り切れる自信があまり無い。

 

「ならこちらから攻めるべきです。今の僕たちは体力を消費していますが、あの巨体は恐らく動きが鈍い筈です。其処を突けば勝機はあると思います」

 

「わかりました。ウィングの提案に乗りましょう…プリズムもよろしいでしょうか?」

 

「うん、大丈夫だよ。あげはちゃん達は此処で待っていて」

 

ウィングの提案にスカイとプリズムが賛成すると3人はキメラングの元へ向かおうとするが、

 

「わ、私も…いく…わ……」

 

「「「ツイスター……」」」

 

其処へツイスターも3人と共に戦う意思を見せる。だが、その苦しそうな表情を見てプリズムとウィングは不安の表情を浮かべる。そして、スカイは暫く彼女の姿を眺めた後何か決心した表情を浮かべるとツイスターに話しかける。

 

「……ツイスターはあげはさん達と共に此処にいて下さい」

 

「えっ⁉︎」

 

スカイの発言にツイスターは驚きの声を上げる。それは要するに

 

「ま、待って!わ、わたしも…たたかえ…うっ」

 

ツイスターはふらつきながらも立ち上がろうとするが、足に力が入らないのか上手く立ち上がる事が出来ない。

 

「ツイスターは無理しないで下さい。今のあなたでは満足に戦う事が出来ません……後は私達で戦います…プリズム、ウィング行きますよ」

 

「ま、待って……」

 

ツイスターの静止の言葉をスカイ達は聞かず、キメラングのいる所へ向かって行った。

そして、ツイスター達のいる場所からある程度離れた場所に来るとウィングは恐る恐るスカイに話しかける。

 

「あの、良かったんですか?……ツイスターを置いてきて」

 

「……ツイスターは元々私とプリズムを庇って大怪我を負ってその際で疲労が物凄く溜まっています。これ以上戦うのは危険です」

 

スカイはウィングにそう告げると己の拳を強く握り締める。最初自分達を庇ってランボーグの攻撃を受けたツイスターが行方不明となりその後、敵のキメラングからツイスターが死にかけていると聞いた時は頭が真っ白になった。その後、彼女の姿を確認したがやはり状態は最悪で何時倒れてもおかしくなかった。そんな彼女をこれ以上戦わせたく無いスカイは技と冷たい態度を取り置いてきたのだ。

 

「私も…スカイの意見に賛成だよ。私もこれ以上ツイスターが苦しむ姿は見たく無いから」

 

「わかりました。それなら僕m「プリキュアみっけぇ〜!」っ!」

 

ウィングも彼女達の意見に同意しようとした時だ。真上からキメラングの操るデスメットロボが降ってきて3人は慌てて回避すると、デスメットロボが着地した衝撃で地面は砕け、アスファルトが辺りに飛び散る。

 

「現れましたねキメラング!」

 

「おや、その様子からして隠れんぼはやめて私と戦いにきたみたいだね……って、あれ?ツイスターがいないな」 

 

「そ、それは……」

 

キメラングの発言を聞いてスカイは此処には居ないと答えようとするが、脳裏にツイスターが泣いている姿が過ぎり答える事が出来なかった。

そんなスカイを見てキメラングは笑みを浮かべて察した。

 

「成る程、手負いのツイスターは足手纏いだから置いてきたって所か…まっ、その判断は間違いじゃ無いよ。足手纏いは目障りだし、戦うのにお荷物は不必要だしね」

 

「っ!」

 

キメラングの発言を聞いてスカイは顔を歪め、側にいるプリズムとウィングは怒りの表情を浮かべる。

 

「ツイスターを侮辱しないで!」

 

「そうです!彼女を馬鹿にする事は僕たちが許さないぞ!」

 

「なにさ、其処まで反応するって事は図星って事なんだろ?まぁ良いさ、それよりも君達にはこのデスメットロボと戦ってもらうよ。ついでに新入りのキュアウィングの実力も確かめるとしようか!」

 

そう言うとデスメットロボを操りスカイ達に迫っていく。3人も迎え撃とうと走り出すのであった。

 

 

───────────

 

その頃、スカイ達がキメラングと戦闘を初めている同時刻、あげは達と共に戦場から離れているツイスターは悲しんでいた。

 

「ううっ…!」

 

「「ツイスター……」」

 

「えるぅ……」

 

ツイスターは自身だけがみんなと戦えず安全な場所でいる事に悔しさのあまりに涙を浮かべる。そんな彼女の姿を見てあげは達は心配そうな表情を浮かべる。

 

「……情けないわね……スカイとプリズムに新しくプリキュアになったウィングが戦って……私だけが戦えないなんて……」

 

「そんな事ないよ。ツイスターは精一杯の事をやったからそう自分を責めないで」

 

「でも…私……」

 

己の今の姿が情けないと思い込むツイスターにあげはがフォローを入れるも、彼女の表情は曇ったままだ。そんな彼女の顔を見てひかるもツイスターを励まそうと声をかける。

 

「大丈夫だ。ツイスターはやれる事を全力で尽くした事を俺たちが分かっている……だから今は身体を休ませるんだ。それにあの3人ならあんなデザインパクったロボに負ける筈が──」

 

負ける筈がない、そう言い切ろうとした時だ少し離れた場所から大きな爆発音が起き、3人の元まで響き渡る。

 

「な、何今の⁉︎」

 

「どうやら戦いが始まったみたいだ」

 

「スカイ…プリズム…ウィング……」

 

離れた場所から聞こえる3人は先程の爆発音に一瞬不安になるも、スカイ達なら負けないと信じ、此処で勝利を祈ろうとするが、続けて連続の爆発音が次々と聞こえてきた事に3人の顔色が段々と怪しくなっていき。

 

 

「「「ああああああっ!!!」」」

 

「「「っ⁉︎」」」

 

「えるっ⁉︎」

 

更にはスカイ達の悲鳴が聞こえた事にツイスター達とエルは驚きの声を上げる。

 

「スカイ達の悲鳴⁉︎」

 

今いる場所からではスカイ達の詳しい状況が把握出来ないが先程聞こえてきた悲鳴からしてスカイ達に危険が迫られている事は明らかだった。

 

「行かなきゃ……スカイ達を助けなきゃ!」

 

目に溜まった涙を拭き取ったツイスターは自身の身体を無理やり起こし、スカイ達の元へ向かおうとするが、

 

「待ってくれツイスター!今のその身体じゃ無理だ!」

 

「そうだよ!下手をすればやられちゃうよ!」

 

ひかるとあげはが彼女を止める。だが、ツイスターは拳を強く握り振り返る。

 

「それでも此処で何もせずにはいられないわ……そもそも私のこの力は友達を助けたい為に得たものよ。それを今使わずにいつ使うって言うの!?」

 

「「ツイスター……」」

 

「える……」

 

ツイスターの想いを聞いて2人はどうやらツイスターは2人の説得に応じる気は無い様だ。そんな彼女を見てひかるはある物を渡す。

 

「……わかった。それならこれ以上何も言わない。だけど、これは持っていってくれ」

 

「え、おっと。…って、これは私のマフラー?」

 

ひかるがツイスターに投げたのは彼女が何時も巻いているマフラーだった。

 

「それが無いとしまらないだろ?やっぱりツイスターはマフラーがないとな」

 

「ひかる……ありがとう!」

 

マフラーを受け取ったツイスターは自身の首に巻いて強気な表情を浮かべる。

 

「じゃあ、行ってくるわ」

 

「うん、気をつけてね」

 

「その代わりちゃんと勝ってきてくれよ」

 

「えるっ!」

 

3人から応援を貰ったツイスターはスカイ達のいる戦場へと走っていった。

 

「……やっぱり、良いな。らんこさんは……」

 

「へ?……ふ〜ん…そう言う事ね」

 

ひかるの呟きと彼のツイスターに向ける眼差しを見てあげははひかるのツイスターに対する想いに察する。

 

「あ、あの……どうしたんですか?」

 

「別にぃ〜」

 

ひかるは先程からあげはが自身をニヤニヤと笑みを浮かべて見つめている事に不思議に思って話しかけるが、彼女は誤魔化すと何やら悪戯を思い付く子供の様な表情を浮かべて再びひかるに話しかける。

 

「そう言えば知ってる?らんこちゃんってクラスじゃ結構人気者で最近ラブレターを幾つか貰ったみたいだよ」

 

「そ、そうですか……え、ラブレター!?」

 

あげはの口から出たラブレターを貰ったと言う発言に大きな反応を見せるのであった。

 

──────────

 

その頃、街の中心では地面が砕け周りの建物が崩壊して黒い煙が立ち上っている光景が広がり、そこには全身がボロボロのスカイ達3人とその前にはキメラングが操縦するデスメットロボが立っている。ただしデスメットロボは目立った損傷は見られない。

 

「フフッ、どうだい…私のデスメットロボの力は?」

 

「ま、まさかこれほどとは……」

 

スカイとプリズムとウィングは目の前に佇むデスメットロボを睨む。先程から攻撃をするも装甲に傷一つ付けられず、更にそれぞれスカイパンチやプリズムショットを繰り出すも全く効いていない。今日プリキュアになったばかりにウィングの攻撃はデータが少ないのか少し効いているも初変身による尋常じゃない体力消費に疲れが見られる。

 

「こうなったらプリズム、アップドラフトシャイニングを使いましょう」

 

「で、でも…今の状態でそれを使ったらもう打つ手が無いよ」

 

プリズムは不安になる。先程から各々必殺技を繰り広げるも全く効いていない事から下手に自分達の切り札である技を今使っても良いのかと悩んでしまう。

 

「それでも、現状私たちの中で1番強いのはこれしかありません。それにこれ以上長引くとこちらがやられてしまいます。一か八かアップドラフトシャイニングをに賭けましょう」

 

「……わかったよ」

 

プリズムも覚悟を決めるとスカイの隣に立つ。

 

「ウィングはもしもの為に隠れていてください。何かあった時は頼みます」

 

「あまりそう言う事は想像したくありませんが……わかりました」

 

スカイはウィングの言う事に応じるとその場から離れて近くの建物の屋根に飛び移る。

2人ウィングが離れるのを確認するとスカイミラージュのスロットにスカイトーンを装填させる。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

2人はスカイミラージュを高く掲げると、デスメットロボの真上に円盤が現れ、吸い込まれていく。

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

そのまま円盤の中から気流が噴き出していき、円盤の中にいるデスメットロボは浄化され──────。

 

 

 

 

 

 

 

「されると思ったかい?」

 

「「っ⁉︎」」

 

キメラングの声が聞こえスカイとプリズムは円盤の方へ向くとその瞬間、円盤は砕け散り其処からデスメットロボが姿を見せる。

 

「言った筈だよ……君達の戦闘データは収集済みだと!」

 

「そ、そんな……」

 

「アップドラフトシャイニングが破れるなんて……!」

 

自分達の切り札とも言える技が破れた事に2人は絶望感を味わう。

 

「さて。そちらが最大必殺技を出した敬意を評してこちらも出させてもらおうか」

 

そう言うと胴体が展開しそこから巨大なビーム砲が姿を見せる。

 

「デスメットキャノン!ファイア!」

 

其処から放たれる巨大な漆黒の光線、デスメットキャノンがスカイとプリズムに向かって放たれる。

 

「「う、あああああっ!!!」」

 

スカイとプリズムに命中すると爆発のダメージと共に彼女達は吹き飛び、身体が地面に叩きつけられる。

 

「ハーハッハッハッ!!!どうだい、自分達の最強技が破られる気分は!」

 

「「くぅ……」」

 

スカイとプリズムは何とか立ち上がろうとするが、爆発のダメージが大きく中々立ち上がる事が出来ない。それを見かねたキメラングは彼女達にトドメを刺そうと近づく。

 

「スカイ!プリズム!今助けます!」

 

其処へウィングがスカイ達を助けようとデスメットロボの背後から奇襲を掛けようと飛んでいくが、

 

「甘いよ!」

 

「なっ、ああっ⁉︎」

 

キメラングは背後から迫るウィングの存在を気付いていた様で振り返りながらデスメットロボの右手がトゲハンドから5本の指が付いたアームへと変形するとウィングの身体を捕まえる。

 

「「ウィング!」」

 

捕まってしまったウィングにスカイとプリズムは心配する声を上げる。

 

「おっと、人の心配をするよりも先ずは自分達の心配をするべきだよ!」

 

そう言うと今度は左手も変形しトゲからビーム砲へと変化するとスカイ達に向ける。それを見てスカイは両手を広げてプリズムの前に立つ。

 

「や、やめてください!私はどうなっても良いからプリズムは…!」

 

「ス、スカイ⁉︎」

 

スカイが己の身を犠牲にしてプリズムを見逃してほしいとキメラングに頼むが、

 

「うーん、美しい友情って奴か……いやはや実に泣かせてくれるね。でも、残念な事に君達の友情はもう見れなくなるってのがとても悲しくなるけどね!」

 

「や、やめろ!」

 

ウィングがやめる様に言うがエネルギーが充填されたビーム砲の発射ボタンを押すとスカイ達に向かって強力なビームが放たれる。それを見たスカイはせめてプリズムだけは守ろうと彼女の身体に覆い被さりビームから庇おうとする。

 

 

 

 

 

 

その時、何処からとも無く見覚えのあるマフラーがスカイとプリズムの胴体を巻き付けられると彼女達の身体は宙を飛び、先程まで2人のいた場所はビームにより抉られる。

 

「このマフラーは……」

 

「まさか…!」

 

そしてスカイとプリズムにウィングはマフラーの先に視線を移すと其処にはこの場にいなかった彼女が立っていた。

 

「「「ツイスター⁉︎」」」

 

「おや、足手纏いのツイスターが自分からやってくるとは……余程自分から捕まりたい様だね。それなら望み通り捕まえてあげるよ!」

 

あげは達と共にいた筈のツイスターがこの場にやってきた事に3人は思わず驚愕の声を上げる。そしてキメラングも彼女の姿を見てニヤリと笑みを浮かべる。

 

「ウィング、今助けるわ!」

 

「無駄さ!君の技も学習済みだからこのデスメットロボには通用しない!」

 

迫り来るツイスターに向かってビームを放つが彼女はそれを跳んで避ける。

 

「だったらあんたが知らない技を出せば良いだけよ!」

 

するとマフラーを右腕に巻き付けるとそこから激しい風を纏ってデスメットロボに迫る。

 

「ツイスター…ストライクパンチ!」

 

「うおっ⁉︎」

 

マフラーが巻かれ更に旋風を纏う事により威力が増したツイスターのパンチがウィングを捕らえている腕に叩き込まれる。そして、その一撃によりデスメットロボの右手の力が緩む。

 

「ウィング今よ!」

 

「は、はい!」

 

力が緩んだ事によりウィングはすかさず右手から脱出し自由になるが、キメラングもタダで逃すつもりは無い。

 

「チィッ、余計な事をするんじゃないよ!」

 

「うああああっ!!!」

 

キメラングはツイスターに対して右腕を叩きつけ、彼女の体は宙を飛びそのまま地面に叩きつけられそうになる。

 

「危ない!」

 

その時、ウィングが彼女を受け止めてスカイ達の元へ連れて行く。

 

「「ツイスター!」」

 

「ごめん。助けに来たのに逆に助けられるなんてね」

 

駆け寄ってくるスカイ達の姿を見る。戦いにより体はボロボロではあるが命に関わる様な怪我をしていないとわかると安堵する。

対してスカイとプリズムはツイスターに顔を顰めて口を開く。

 

「ツイスター……なんて無茶を!」

 

「そうだよ……下手すれば大怪我する所だったんだよ!」

 

「ふ、2人ともツイスターを責めないで下さい」

 

スカイとプリズムはツイスターの身を案じている為、彼女を責めてしまう形となりウィングは2人を宥めようとする。

そんな中ツイスターが口を開く。

 

「……あんた達を失いたく無いのよ!」

 

「「「…え?」」」

 

突然ツイスターの発言にスカイ達3人は彼女の方へ顔を向ける。

 

「私だけ戦わずに安全な場所にいるのにその間みんなが傷ついていく姿を見たく無いの!…私の力は元はスカイとプリズム……友達を助ける為に得た力なの!…なのに私はこんなボロボロでみんなを助けられないと思って悔しいの!……わかっているわ。一番動けないのは私なのに馬鹿な真似をしたって……けど、私にとって掛け替えのない友達が戦っているのを見て…やられている姿を見て……我慢出来ないよ……できるわけ無いよぉ……!」

 

「「ツイスター……」」

 

「……」

 

段々と口調が崩れて涙を流すツイスター。いつもの強気な彼女では無く弱く普通の女の子の様に泣き崩れる。そんな彼女の姿を見てプリズムとウィングは心を痛める。そんな中スカイはツイスターに近づくと、

 

「え……スカイ?」

 

スカイが無言でツイスターの身体を抱き締める。その行動にツイスターは困惑の表情を浮かべていると、

 

「……ごめんなさいツイスター」

 

「え?」

 

突然スカイが謝罪の言葉を口に出したのだ。それを聞いたツイスターは驚きの表情を見せると、

 

「ツイスターの気持ちも考えずに私はまたあなたを傷つけてしまいました!私はこれ以上あなたが苦しむ姿を見たく無い……そう思ってあなたを突き放す様な真似をした。そこにあなたの気持ちを考えず置いていってしまった……本当にごめんなさい!!!」

 

「スカイ……私の方こそ…ぅぅ…ごめん…ごめんねっ!心配させてぇ!」

 

涙を流しながら語るスカイにツイスターも涙を流しながら彼女に謝る。互いに本心を語り合う様子にプリズムとウィングは安心した表情を浮かべる。

 

だが、其処へ水を差す様にキメラングも会話に入ってくる。

 

「いやぁ〜、泣かせるねぇ……よし、気が変わった。…君達は纏めて私の実験用モルモットとして捕獲しよう。安心してくれたまえ、君達が抵抗しなければ痛い思いをしなくて済むよ」

 

一体何様だと言わんばかりの態度で提案をするキメラングにツイスターは涙を拭き取ると普段の強気な目つきへと戻り、彼女に非難する目を向ける。

 

「前から思っているけど……あんたの実験って絶対碌な事じゃ無いわよね!」

 

「そりゃそうだよ。何せ私は()()()()()()()()()()()なんだからねツイスター。所で私の先程の提案についての答えを聞こうか」

 

「勿論…ノーよ!」

 

当然キメラングに降伏する訳がなくスカイ達も対抗の意思見せる。

 

「はぁ……そうか、一応最後の警告のつもりだったのになぁ。まぁ良いさ。私の好意を無下するからには相応の痛みを覚悟して貰おうかっ!!!」

 

キメラングは一歩ずつゆっくりとツイスター達の元へ近づく。対してツイスターは3人の前にその場に踏みとどまりいつでも迎え撃つ様に構えていると、隣にスカイ達も並ぶ。

 

「共に戦いましょう」

 

「今度は置いて行ったりしないよ」

 

「ええ、ですから私達4人でキメラングに勝ちましょう」

 

「スカイ…プリズム…ウィング……うん!わかったわ。今度は一緒に!」

 

ツイスターはそう言うと互いに顔を見合わせて笑みを浮かべる。そんな時だったツイスターに異変が起きる。

 

「え、なに⁉︎」

 

「どうしたんですかツイスター?」

 

突然声を上げるツイスターにスカイは気になって彼女の方へ顔を向くと其処にはツイスターの意思とは関係無くテンペストバトンが召喚され、彼女の前を浮くと緑色に光り出していた。

 

「何をしたのツイスター⁉︎」

 

「わ、私は何も……!」

 

自分の意思とは無関係に動くテンペストバトンにツイスターは困惑していると更にスカイとプリズムのスカイトーンも光り出す。

 

「わ、私たちも⁉︎」

 

「どうなっているんですか⁉︎」

 

「何故、皆さんに異変が……?」

 

ウィングを除きスカイ達のスカイトーンとツイスターのテンペストバトンの光が強くなる。そして、それぞれの光が天に向かって放たれると、安全地帯にいるエルに向かって降り注ぐ。

 

「えるっ!?」

 

「「エ、エルちゃん!?」」

 

あげはとひかるは突然降ってきた光がエルに命中し、身体が光出した事に心配してしまうが、エルの身体には特に外傷はなく青、白、緑と言った3色のオーラを体に纏い。

 

「ぷいきゅああっ!」

 

そして、その光が今度はエルの手によって天に向かって放たれ、それがスカイとプリズムとツイスターの元へ落ちてくると、それが新たなるスカイトーンが生成されると3人が手にする。

 

「これは、新しいスカイトーン!」

 

「私たちの絆の証…!エルちゃんが私達に新しい力を!」

 

「エルありがとう!絶対勝ってみせるわ!」

 

3人は新たなスカイトーンを強く握るとデスメットロボへ目を向ける。

 

「全く、プリキュアは未知の可能性を秘めているからこう言う展開を見せてくれると普段ならゾクゾクするんだだけど、生憎今はそういう気分じゃないんだよ!」

 

そう言うとデスメットロボの肩のや腿の装甲が開き大量の小型ミサイルが姿を見せる。

 

「新技については少し気になるけど、変に欲をかいて身を滅ぼしたく無いんでね。さっさと倒れてもらうよ!」

 

そう言ってキメラングはミサイルをいつでも発射できる様に発射ボタンに指を置く。

 

「不味い、このままでは」

 

折角手に入れた新たな力を使う前にやられてしまう。そう思った3人だったが、

 

「あのミサイルは僕がなんとかします。その間に皆さんはそのスカイトーンでキメラングを倒して下さい」

 

其処へウィングが3人の前に立ち時間を稼ぐと言ったのだ。

 

「無茶です!」

 

「そうだよ!ウィングは今日初変身したばかりでこれ以上は負担を掛けられないよ」

 

「プリズムの言う通りよウィング!」

 

3人はウィングに止める様に言うが、彼は首を横に振り拒否する。

 

「……この中で一番疲れているツイスターも頑張っているんです。なら僕も戦わないと……それにこの中では一番動ける自信があるんですよ」

 

「「「ウィング……」」」

 

どうやらウィングも譲る気は無いようだ。それを見たツイスターはある事を思いつく。

 

「それならウィング、私が力を貸すわ」

 

「え?」

 

ツイスターの発言に思わずウィングは彼女の方へと振り返ると、ツイスターはテンペストバトンをウィングに向けている。

 

「大いなる風よ!私達に力を!」

 

そう言うと手元からテンペストバトンが離れ、ハート型からバトン形態に変形すると回転して強烈な風を発生させる。

 

「プリキュア!ストームフィールド!」

 

テンペストバトンから放たれる風がウィングの体を覆うと、それは緑のオーラへと変化してウィング体に変化を与える。

 

「こ、これは……凄い…力が漲ってきます!」

 

「あんたに一時的だけど身体を強化させたわ。これならもっと早く動けるはずよ」

 

「ツイスター……ありがとうございます!」

 

力を貸してくれたツイスターにお礼を言うとウィングはデスメットロボに向かって飛んでいく。

 

「おやおや、大した勇気だね。1人で突っ込んでくるなんて……でも、私は容赦しないよ!ミサイル、フルファイア!」

 

キメラングもデスメットロボに搭載された全てのミサイルをウィングに向かって放っていく。

 

「はあああああああっ!!!」

 

だが、そのミサイル群は強化されたウィングにより全て撃墜され、そのままデスメットロボに突進や蹴り、殴ったりなどする。

 

「チィッ、4人の中で機動力が高い上に更にツイスターの力で強化したのかっ!ああ、面倒くさいなぁっ!!!」

 

物凄い速さで飛び回るウィングにキメラングは苛立ちを隠せないでいた。ドローンがあればそれぞれのカメラを使ってウィングの動きを把握出来たが、今はそれも無い為ウィングの動きに翻弄されるのだった。

 

「行くわよ!」

 

「「はい(うん)!」」

 

ウィングが時間を稼いでいる間、3人は新たに手に入れたスカイトーンをそれぞれスカイミラージュとテンペストバトンに嵌め込む。

すると、まず最初にツイスターの持つテンペストバトンをハート型に戻すと胸の辺りに持ってきて両手で支えるように持つ。その瞬間、バトンからとてつもないほどの竜巻が放出される。

 

「こ、これは……⁉︎」

 

バトンから放出される竜巻に見覚えがあったツイスターだったが、今は強力な竜巻を抑え込もうと何とか堪える。

そして、竜巻はスカイとプリズムに照射され2人の体を包み込む。

 

「「ッ!」」

 

2人はその竜巻を身に受けると体が緑色に光り輝く。だがそれも一瞬の事ですぐに青と白のオーラへと変化した。そして、二人はポーズを取りつつ叫ぶ。

 

「ひろがる勇気」

 

「輝く希望」

 

「嵐を起こす絆と共に」

 

そこにツイスターが更にエネルギーを照射する。そして、スカイとプリズムが手を繋ぐ。

 

「あの構えは…エクストリームツイスターズか!?」

 

以前並行世界で自身の強化したランボーグを倒してみせた事のあるサンライズとスノーとツイスターの合体必殺技、エクストリームツイスターズの構えにキメラングは驚愕の表情を見せる。

 

「なら、デスメットキャノンで迎え撃つだけだよ!」

 

「させるかっ!」

 

「君は良い加減に引っ込んでいろ!」

 

先程から周りを飛び回って翻弄するウィングに苛立ちを感じるキメラングは操縦桿に嵌め込んである黒い鏡を弄ると、デスメットロボのバックパックから2本のアンテナが出現。其処から電撃を発生させてウィングへと攻撃した。

 

「ああああっ!?」

 

「「「ウィング‼︎」」」

 

電撃を全身に浴びたウィングは気を失い地面に堕ちる。それを見た3人は思わず声を上げるも時間を稼いでくれた彼の意思を無駄にしない様に技の名を叫ぶ。

 

「「エクストリーム……!」」

 

「ツイスターズ!!!」

 

スカイとプリズムの空いている手を突き出すと目の前に三つのリングが出現し、それが重なると青、緑、白のエネルギーが放出されデスメットロボに向かって飛んでいく。

 

「デスメットキャノン!!!」

 

即座にエクストリームツイスターズに対抗する為、キメラングもデスメットキャノンを放つと、互いの技がぶつかり合う。威力がほぼ同じなのか互いにエネルギーを相殺し合う。

だが、よく見るとデスメットキャノンがエクストリームツイスターズが押している様子だ。

 

「「「ぐぅぅぅ!」」」

 

「ハーハハハッ!!!諦めるんだね!!!君たちは最早立っているだけでやっとだろう?…例えその技が君たちにとって最強技でもそれを扱える体力と精神力が無い今は宝の持ち腐れって奴だよ‼︎」

 

キメラングの言う通りだ。3人は先ほどまでの戦闘によりもう立っているのもやっとだ。これ以上は技を維持するのも難しい。

 

「くぅ、駄目です……これ以上は…!」

 

「体がもう……持たない!」

 

「頑張って……2人とも…!」

 

ツイスターが2人を励ますが、突き出した手は段々とブレていきエネルギーの放出が維持出来なくなっていく。そして、2人は耐えられなくなり地面に倒れそうになった時だった。

スカイとプリズムの側に2人の人影が現れ、彼女達の身体を支える。

 

「誰…ですか……?」

 

「あなた……たちは……?」

 

スカイとプリズムは自分達を支える人物の姿を見る。スカイの身体を支えるのは炎を彷彿させる男の子。そしてプリズムを支えるのは雪のお姫様を彷彿させる白い格好をした女の子だ。だが、よくよく姿を確認すると2人とも自分達と同じプリキュアに似ている。だけど、スカイとプリズムはそんな2人を初めて見る為、何者なのか全くわからない。

すると、ツイスターはスカイとプリズムを支える2人の姿を見て驚愕の表情を浮かべる。

 

「う、そ……なんであなた達が……」

 

ツイスターは驚きの余り身体が固まる。何故なら其処に立つのは本来この世界にはいない2人であるからだ。

 

「サンライズ……それにスノー?」

 

「「え、サンライズにスノー⁉︎」」

 

スカイ達を支える2人の正体は並行世界でツイスターと共に戦い友になったプリキュアのキュアサンライズとキュアスノーだった。

 

「キュアサンライズとキュアスノーだって⁉︎なんでここに⁉︎」

 

そしてキメラングも驚愕の表情を見せる。並行世界からひかるがやってきたが、サンライズとスノーの存在は確認できなかった。何故今になって現れたのか考えようとするが、サンライズ達の姿を見て何かに気づく。それは身体が薄らと透き通っている事だ。

 

「いや、あれは本物じゃ無い……思念体か!」

 

キメラングの言う通り其処にいる2人は本物ではなくツイスターの持つテンペストバトンに宿る思念体だ。本物のサンライズとスノーでは無いものの其処にいるのは並行世界でツイスターを助けてくれた2人に変わりはなかった。

 

「あなた方がツイスターの言っていたキュアサンライズにキュアスノーですか……」

 

「2人とも私たちに力を貸してくれるの?」

 

喋りはしないが笑みを浮かべながらプリズムの問いに頷いて肯定すると2人はエネルギー体となりスカイとプリズムの身体に纏うと2人の身体にあった傷は治り更には不安定だったエクストリームツイスターのエネルギーが安定し、デスメットキャノンを押し始める。

 

「な、なんだ、突然押し返した!?」

 

先程まで劣勢だった3人が今度は押し返して来た事にキメラングは慌てて黒い鏡を弄ってデスメットキャノンの出力を上げるが、それでもキメラングの方が劣勢であった。

 

「そんな馬鹿なっ!?」

 

出力を上げているにも関わらず、何故自分が負けているのかキメラングは理解出来なかった。

 

「これは私たちの絆の力です!」

 

「それも私たち3人だけじゃ無い!」

 

「サンライズとスノーを含めた私たち5人の力よ!!!」

 

3人はそう言って残された自分達の力を振り絞る。

 

「「「はあああああああっ!!!」」」

 

先程よりもスカイとプリズムの放つエネルギーの量が増大し、デスメットキャノンを飲み込むとそのままデスメットロボの胴体を貫く。

大きな風穴が出来る。そして、半壊した操縦席に座るキメラングは表情を歪ませる。

 

「ぐっ、今回は此処までにするよ!だが、次はもっと強力なドローンと兵器を用意して君達との実験(戦い)を挑ませて貰うよ!キメランラン!」

 

3人をひと睨みすると、キメラングは黒い鏡を回収して退散するのであった。

そして、デスメットロボはキメラングが去ると爆散し中に入っていたアンダーグエナジーが浄化された事により周辺の建物や道路が修復されていく。

それが確認すると、3人は変身を解く。

 

「……やりましたね」

 

「うん、私たち勝ったよね」

 

「ええ、私たちの新たな技で勝つことが出来たわ」

 

互いに自分達の力がキメラングに勝った事を確認すると、3人は笑顔になり笑い声を上げる。

 

「おーい、皆さーん!」

 

「「「ウィング!」」」

 

其処へ電撃を浴びて気絶していたウィングが3人の元へやってくると変身を解除する。

 

「ツバサ……あんた大丈夫だったの?」

 

「はい、でも流石に初変身で連戦はキツいですね」

 

今日初めて変身したばかりに加え、キメラングとの連戦もあった為、物凄く疲れていたのだ。

3人はツバサに労いの言葉を送ろうとした時だ。

 

「「おーい!」」

 

「えるっ!」

 

其処へあげはとひかるにエルも駆けつける。

 

「お疲れ様。みんな凄かったよ!」

 

「ああ、本当だ!あんなロボットに勝てるなんてすげぇよ!」

 

あげはとひかるの言葉に4人は照れた表情を浮かべる。

 

「いやぁ、そう褒められると照れますね」

 

「うん、ほんと4人全員のおかげで勝てたしね」

 

「ここにいる誰か1人でも欠けていたら勝てなかったと思いますよ」

 

ソラとましろとツバサがそれぞれ反応を見せる。

 

「そうね。まさに絆の力って、うわっ⁉︎」

 

その時、疲労の余り自身の足に力が抜け、らんこは地面に転びそうになるが、

 

「おっと、らんこさん大丈夫か⁉︎」

 

転びそうになった彼女をひかるが受け止める。

 

「え、ええ……ありがとう。ひかるにはまた助けられたわね」

 

「いや、俺は大した事は出来ていない。寧ろ何度もらんこさんに助けて貰ってばかりだよ」

 

らんこにお礼を言われるがひかるは謙遜な態度を見せる。

 

「そんな事無いわ…ひかるが来てくれなかったらあのマッドサイエンティストに捕まったりお腹の怪我も治せなかったわ。あなたがいたお陰よ。少しは自分のやった事を認めなさいよね」

 

「そ、そうか……そう言われると照れるなぁ」

 

満更ではない表情を見せる。その2人のやり取りにましろとあげははコソコソと話す。

 

「ねぇ、もしかしてひかる君ってらんこちゃんの事……」

 

「うん、間違いなくアレだね。だけど、らんこちゃんは気付いてないみたい」

 

「ああ、そう言う事でしたか……」

 

「えっと、どう言う事ですか?」

 

ひかるが異性としてらんこを気になっていると察したましろはあげはに確認する。そして、ツバサもひかるとらんこの関係について察するがソラは分からず首を傾げるのだった。

 

「あっ、そう言えばらんこさん一つ聞きたい事があるんだけどいいかな?」

 

「へ、聞きたい事?何かしら?」

 

「その……らんこさんってラブレターを貰ったって聞いたけどそれって本当?」

 

「ラブレター?確かに貰ったk「そ、それで返事は⁉︎返事はどうしたんですか⁉︎」……なんで食い気味で聞いてくるのよ?しかも敬語になっているし……」

 

緊張のあまりにひかるが敬語になり、その様子を見てらんこは呆れた表情を浮かべる。

 

「え、えっと、それは……そ、そう!友達がもし悪い男に騙されたりしたら気が気じゃ無いからだよ!」

 

「うーん、何か腑に落ちないけど……別にラブレターを送って来た男子達には申し訳ないけど全部断ったわ」

 

「え、マジ?」

 

「マジよ…て言うか何でそんな反応するの?」

 

自分が悪い男子に騙されないか心配していたと言っている割には思ってた反応とは異なった反応を見せるひかるに不思議に思うらんこ。対してひかるはらんこに男が居ないと分かると数回深呼吸して自身を落ち着かせる。

 

「ふぅーはぁー……よし……らんこさん!」

 

「何よ、さっきから変だけど……大丈夫?」

 

先程からひかるの情緒が不安定な事にらんこは段々と心配になってくる。

一方でひかるは心配するらんこに「大丈夫だ」と返事をすると続けて彼女に今まで自分が思ってた想いを今度こそ伝えようと口を開く。

 

「実は……俺、らんこさんの事が……!」

 

好きだと告白しようとした時だ。ひかるの持つスカイトーンが光り出し、彼の背後にこの世界にやって来た時と同じ穴が開くとひかるの身体が吸い込まれていく。

 

「な、なんで⁉︎」

 

「ひ、ひかる⁉︎」

 

よりによってこのタイミングで元の世界に強制送還されるとは思っても見なく穴に吸い込まれそうになるひかるだが、足に力を入れ踏み止まる。

 

「な、何ですかあの穴は!」

 

「あれって、もしかして並行世界に繋がる穴⁉︎」

 

ソラとましろは突然現れる驚きの反応をする。

 

「へぇ〜、あれが別世界に行ける穴ね。実際目で見るとテンションがアガるね〜」

 

「何呑気な事を言っているんですか⁉︎」

 

そんな並行世界に繋がる穴に感想を言うあげはにツバサは思わずツッコミを入れる。

 

「ぐ、くそおっ!らんこさん俺は諦めないからな!次会った時に言わせて貰うかあああああああああっ!?」

 

「ひ、ひかるぅぅぅぅぅぅっ!?」

 

まるでギャグアニメの様に穴に吸い込まれたひかるは元の世界に強制送還されると穴は閉じる。

 

「な、何が言いたかったのよ……気になるじゃない……」

 

ひかるが何を伝えたかったのか結局わからなかった事にらんこはもどかしく思うのであった。

 

「だ、大丈夫でしょうかひかる君は?」

 

「ええ、私の時とは異なるけど間違いなく元の世界に帰ったと思うから大丈夫……な筈……多分」

 

自分の時とは帰り道があんな荒かった訳では無い為、いまいち確信は得なかった。

 

「ねぇねぇ、らんこちゃん。確認だけど、ひかる君の事をどう思っているの?」

 

そんな時、らんこにあげはが話しかけひかるの事について聞いてくる。

 

「突然どうしたのよ、あげは姉さん?」

 

「いやね、ひかる君がらんこちゃんの事を人一倍に気にしていたかららんこちゃんはどう思っているのかなって……」

 

あげははひかるがらんこの事を異性として好きだと確信していた。対してらんこもどこまでひかるの事が好きなのか気になり聞いてみたくなったのだ。

 

「そうね……ひかるは私があっちの世界に1人迷い込んだ時に一番最初に気にかけて、その後も私の事を心配をしてくれる優しい男の子よ」

 

今思い出すと並行世界で自身の家も家族や友達も無く途方に暮れていた所を当初は知り合いでも何でもなかった他人の自分に優しくしてくれた事に感謝の言葉が頭に思い浮かぶ。

 

(何かしら……この感じ?胸に温かい何かを感じる)

 

自身の胸に起きる不思議な感覚に戸惑っている一方であげはは少しではあるもののらんこがひかるの事が気になっている事がわかると、笑みを浮かべる。

 

「らんこちゃん、今日は疲れたよね?良かったら家で休んで行かない?」

 

「うん、そうね。今日は色々あって疲れたから少しお邪魔するわ。それにしても誰1人欠ける事なく無事でよか……ん?…あああああっ!!?」

 

「ど、どうしたのらんこちゃん⁉︎」

 

ましろの提案に応じて家にお邪魔しようと考えたらんこであったが突然大声を上げる。そんな彼女に全員は驚き、ましろが心配して話しかける。

 

「ま、不味いわ……忘れてた」

 

「忘れてた?」

 

「何を忘れたと言うんですか⁉︎」

 

「まさか、誰か戦いに巻き込まれたんですか⁉︎」

 

ツバサとソラも加わりらんこが何に対して動揺しているのか詳しく聞く。すると、彼女は身体を震わせながらゆっくりと口を開く。

 

「お、オレンジの鳥の存在をすっかり忘れてた!!!」

 

「「「……へ?」」」

 

「オレンジの……鳥?」

 

「える?」

 

らんこの発言に一同(あげはを除く)はキョトンとなる。すると、あげはは気になって話しかける。

 

「らんこちゃん…その、オレンジの鳥ってなに?」

 

「実はランボーグがエルと共にオレンジの鳥を吸い込む所を見たのよ!」

 

思い出すのはひかるのスカイトーンで怪我を治した後、ランボーグに追われていた謎のオレンジの鳥と出会し、エルと吸い込まれた後を最後に行方が不明になっていたのだ。

もしや、炎上するランボーグの中で焼き鳥にでもなったのではと恐ろしい想像を浮かべ顔を青ざめる。

 

「あ、あのぉ…らんこさん」

 

「あ、そう言えばツバサあんたってあの時ランボーグの中に居たわよね?あの時見なかったとか言っていたけど……まさかあの鳥って豚男達の仲間だったの⁉︎」

 

実はランボーグに追われていたのは内輪揉めってオチなのではと思い込むらんこ、そんな彼女に言いづらそうにツバサは口を開く。

 

「その、オレンジ色の鳥なんですが……それ……僕です」

 

「へ?……どう言う事?」

 

「だから、僕がオレンジ色の鳥なんです。僕の種族はプニバード族で今は人間の姿をしていますが、変身してオレンジ色の鳥になる事が出来るんです」

 

らんこの動揺っぷりを見てツバサは彼女が自分を普通の人間の少年と思い込んでおり、プニバード族だと知らないと分かると彼女に自身の正体を伝えて落ち着いて貰おうとするが、

 

「ツバサ……あんたが私を励まそうとする気持ちは嬉しいわ。確かにキュアウィングってオレンジで鳥の様に飛んでいるわ…でも、私が言っているのはこう…魔法少女のアニメに居そうなマスコットみたいな鳥よ」

 

「いや、そうじゃ無くて!」

 

だが、らんこはツバサの言っている鳥の事をプリキュアの姿と勘違いしている事に思わず声を上げる。対してらんこは完全にツバサが自分に優しくしてくれていると思い込んでしまっている。

 

「はぁ……仕方ない」

 

ツバサは軽くため息を吐くとらんこの前に立つ。対してらんこも急に距離を詰めてくるツバサに不思議に思っている。

 

「え、急にどうしたのよツバ───」

 

ツバサの名前を言い切ろうとしたがそのツバサが突然目の前からボフンと音と煙を立てて消える。

 

「え……つ、ツバサが消えた⁉︎」

 

目の前から姿を消したツバサに辺りを見渡して彼を探すが、何処にもその姿は確認できない。

 

「ま、まさか……私と同じ様に並行世界に飛ばされたんじゃ……」

 

かつての自分の様にこことは違う別世界に飛ばされたのではと心配するが、ソラとましろが話しかける。

 

「らんこさん落ち着いて下さい」

 

「らんこちゃん…下を見て」

 

「へ、下?」

 

ましろに言われた通り目線を下に向けると其処には自身が目にしていたオレンジの鳥が存在していた。

 

「お、オレンジの……鳥」

 

「これでわかりましたか?僕がさっき言っていたオレンジの鳥だって…」

 

ツバサの姿が消え、彼が立っていた場所には行方知れずだったのオレンジの鳥がおり、更には喋っている事にらんこは思考が固まる。そんな彼女にオレンジの鳥もといツバサが不思議に思って話しかける。

 

「あの、どうしましたか?らんこs「可愛いいいいっ!」って、うわああああっ!?な、何をするんですか!?」

 

突然あげはがツバサを抱き上げるとそのまま頬擦りをしてまるで犬や猫の様に愛撫する。それを見ていたソラは笑顔を浮かべる。

 

「どうやらあげはさんもツバサ君と仲良くなれそうですね」

 

「そ、そうかな……私は一方的に見えるんだけど。らんこちゃんはどう思う?……あれ、らんこちゃ……ん⁉︎」

 

らんこにも意見を聞こうと思ったましろは話しかけるも返事が無いことに不思議に思い彼女の方へ振り向くと、驚きの声を上げる。

それはらんこが白目を剥いて立ったまま気絶していたのだ。どうやら人が鳥になる超常現象を見てキャパオーバーが起き、更に戦いによる疲労と貧血が重なってとうとう限界が来てしまって気を失ってしまった様だ。

すると其処へ風が吹き気絶したらんこの身体は石像の様にその姿勢を維持したまま地面に倒れ伏す。

 

「「「「ら、らんこちゃん(さん)!?」」」」

 

「えるっ!?」

 

この後、あげはに車を用意して貰って気絶したらんこを虹ヶ丘家に運び込みヨヨのお手製の治療薬に加えて何故からんこと血液型があった輸血パックで輸血して介抱するのであった。

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