ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

32 / 138
文字数は気づいたら14000字を超えてしまいました。
長いですが是非最後まで読んで下さい。


第32話 集いし者達

和食エリアを歩いていたソラとましろの2人は現在おにぎり専門店に立ち寄って色んな具が入ったおにぎりを頬張っていた。

 

「「おいひ〜!」」

 

ソラとましろはそれぞれ頬張りながら口の中に広がるおにぎりの味に感動している。そして、彼女達の隣には一回りでかいおにぎりを両手で持つ小豆色の髪のセミロングにツーサイドアップと中々のお洒落な髪型をした少女の姿があった。

 

「うーん、デリシャスマイル〜!」

 

そのおにぎりを大きな一口で頬張ると、美味しい笑顔を浮かべる。

 

「本当に美味しいですね。このおにぎりは」

 

「そうだね。これも案内してくれたゆいちゃんのお陰だよ」

 

「えへへ、そう言ってくれると嬉しいな」

 

どうやらソラ達が此処へ来たのは一緒におにぎりを食べる少女…ゆいが案内してくれたようだ。

彼女の名は和実ゆい。彼女との出会いはほんの数分前の事だ。和食エリアで食べ歩きしていたソラとましろは急斜面の坂を勢いよく降るベビーカーを見つけ、中には赤ちゃんが乗っているのを確認した。ソラはすかさず走り出しベビーカーを止めようとした所、同じ様にベビーカーを止めようとするゆいとその時に出会い、ソラと共にベビーカーを止めて赤ちゃんを救出したのがきっかけで仲良くなり、現在ゆいのおすすめのおにぎり専門店にやってきた共に食事をしていたのだ。

因みに自己紹介時にましろがヨヨの孫と知ると大変驚いた様子だった。

 

「それにしてもこのツナマヨと言うのは中々のお味ですね」

 

「私は明太子が良いかな」

 

「うん、どっちも美味しいよね。私も次はその2つを食べるよ」

 

「ゆいちゃん…まだ食べるんだ……」

 

自分達よりも大きいおにぎりを食べても尚、更に食べ続ける彼女の健啖家っぷりにましろは思わず苦笑いをする。対してゆいは今食べているおにぎりを食べ切ると今度は別の具材が入ったおにぎりを食べに行こうおした時だ。ゆいの左手首に巻いているスマートウォッチらしき物から音が鳴る。

 

「あ、2人ともちょっと席を外すね」

 

ゆいは2人から少し離れると手首のスマートウォッチ…もとい、ハートキュアウォッチを触れると、画面には自身の友達である菓彩あまねの姿が映る。

 

《ゆい!》

 

「あまねちゃんどうしたの?」

 

画面に映る彼女の表情は何か焦っている感じだ。

 

《聞いてくれ!今街に大変な事が起ころうとしている!》

 

「大変な事?」

 

彼女の口から出た言葉を聞いたゆいの眉は顰める。冷静沈着で常に落ち着いているあまねが今切羽詰まった状態で何かを伝えようとしている事からそれ程大事な内容なのだろうと思い、それは何なのかと聞こうとした時だ。

 

「な、何これ!?」

 

「味が変わりましたよ!」

 

その時、おにぎりを食べているソラとましろの困惑の声がゆいの耳に入る。

 

「今の声は!」

 

ゆいはあまねの話も気になるが、慌てて2人の元へと戻る。

 

「どうしたのソラちゃん、ましろちゃん!」

 

「それが先程まで食べて居たおにぎりの味が突然変わったんです」

 

「味が変わった?ちょっと一口貰うよ」

 

ソラからおにぎりを貰うとゆいは一口食べると、表情が歪む。

 

「うええ、何この味…?」

 

先程まで自分と同じ店で食べていたおにぎりとは到底思えない不味さにゆいは思わず声を出す。

 

《くっ、遅かったか…!》

 

「遅かった…まさかそれって!」

 

あまねの声を聞いたゆいは先程彼女が言いかけたことについて聞こうとした瞬間、ハートキュアウォッチにアラーム音が鳴り響く。側で聞いて居たソラ達は思わず驚きの声を上げる。

 

「な、なんですかこの音は!?」

 

「ゆいちゃんのスマートウォッチから?」

 

「この音って!?」

 

ゆいは血相を変えてハートキュアウォッチの画面を見てみると其処にはおにぎりのレシピッピが映っている。だけど、画面内のレシピッピは泣いており、助けを求めている様だ。

 

「おにぎりのレシピッピが!」

 

《ゆい、今のでわかったと思うがある奴が捕獲箱を使ってレシピッピを捕まえているんだ!》

 

「なんで!?もうブンドル団は居ない筈だよ!」

 

かつてレシピッピを捕獲していた組織、怪盗ブンドル団は現在解散しており首謀者であるゴーダッツ(フェンネル)は捕まり、団員のナルシストルー、スピリットルー、セレクトルーは現在更生プログラムを受けておりもうレシピッピは捕獲しない筈だとゆいは思い込んでいた。

 

《ゆい、今回の騒ぎの犯人はブンドル団との関係性はわからない。だが今はレシピッピを救出する事が優先して欲しい》

 

「わかった。それでそのレシピッピを捕まえている人の特徴は?」

 

あまねの言う通り今はレシピッピを助ける事を優先にしたゆいは彼女に犯人の特徴を尋ねる。

 

《そいつの特徴は私達と同じくらいの少女で白衣と白いヘルメットを被っているのが特徴だ!》

 

「白衣…!」

 

「白いヘルメット…!」

 

ゆいとあまねの会話に聞き耳を立てていたソラとましろは犯人の特徴を聞いて驚きの反応を見せる。その特徴の組み合わせに物凄い聞き覚えがある。

 

「わかった。白衣にヘルメットを被った女の子だね!ありがとうあまねちゃん!」

 

ゆいはあまねとの通信を切るとソラとましろの方に向き合う。

 

「2人ともごめんね。私急な用事が出来たからまたね」

 

そう言ってゆいは犯人を探しにおにぎり屋さんを後にするが、ソラとましろは彼女を追いかける。

 

「待ってくださいゆいさん!」

 

「私達も行くよ!」

 

「ええ!?着いて来ちゃ駄目だよ!」

 

ゆいはソラとましろに来ては行けないと忠告するが、2人はその忠告を聞かずゆいの後を追い続けるのであった。

 

─────────

 

一方で中華エリアにも異変が起ころうとしていた。

 

「さて、今度は此処かな」

 

キメラングは中華エリアの一角に現れると周辺を見渡す。そして、視界に入ったのはラーメン屋で其処にはラーメンを食べている客達の姿があった。

 

「普通ならただお客さん達が美味しそうにラーメンを食べている姿しか見えないけど…私には見えるんだよなぁ」

 

するとキメラングは自身の被るヘルメットの側頭部分を軽く指で叩くとヘルメットが一部展開し、其処から目元を覆う様にバイザーが現れ、再びラーメン店に視界を向ける。

 

『ピピピーッ』

 

其処にはラーメンの妖精…レシピッピの姿がバイザー越しで確認出来た。

 

「なんともまぁ、可愛らしい姿だろうか……でも心苦しいけどこれも実験の為さ……悪く思わないでくれよぉ!」

 

彼女は申し訳なさそうな事を吐くが、表情は万延の笑みを浮かべ手に入れた箱の蓋を開く。

 

「モギトル!ウバイトル!ブンドル!」

 

すると、弁当箱から紫色のエネルギーが放出されるとレシピッピを捉える。

 

『ピピピーッ!』

 

「2匹目ゲット〜♪」

 

するとレシピッピは吸い寄せられ、そのまま捕獲箱の中に収まり蓋を閉じて捕獲箱を回収した。

そして、同時刻のパンダ軒ではらんことひかるの目の前に出来立てのラーメンが置かれる。

 

「はい、パンダ麺二丁あがり」

 

「これがパンダ麺…」

 

「お、パンダのナルトが入っているな」

 

目の前に出されたパンダ麺を眺めていると、隣にいたらんが2人に箸を差し出す。

 

「ささ、麺が伸びない内に家自慢のパンダ麺を味わって」

 

「じゃあ、遠慮なく…」

 

「いっただきまーす!」

 

2人は箸で麺を取って口に入れようとした瞬間、ラーメンに変化が起こる。だが、それを知らない2人は麺を啜り喉に流し込む。

 

「味はどうかな?」

 

「……何この味?」

 

「はにゃ?」

 

「なんだか…俺たちが想像していたのと違うような…」

 

らんの予想とは異なりらんことひかるの表情からは美味しいとは異なり、逆に明らかに不味いと感じた様な表情を浮かべていた。

すると、店内にいた客もラーメンの味が急に不味くなったと訴え始める。

 

「ど、どうなっているの!?」

 

らんはこの状況に困惑し、恐る恐るらんこのラーメン丼に視線を移す。

 

「ちょっと一口貰うよ」

 

「あ、やめた方が……」

 

らんこはらんに止めるよう言うが、彼女はらんこの丼から麺を啜ると、思わず顔が歪む。

 

「うえっ!?この味は……って、前にもあった様な…」

 

自身の知るパンダ麺と味が異なる現象に彼女はデジャヴを感じつつ、彼女のハートキュアウォッチにアラーム音が鳴り響く。

 

「はにゃ!?…こ、この音は!」

 

更に聴き覚えのある音に驚きながらもらんは画面を覗くとラーメンのレシピッピが助けを求めていた。

 

「レ、レシピッピが…!」

 

「レシピッピ?レシピッピがどうかしたの?」

 

らんの動揺のあまりに口から出たレシピッピと言う言葉にらんこは不安を感じた。

一方で唯一レシピッピが見えないひかるは何が何だかさっぱりだった。

 

「う、ううん、何でも無いよ」

 

「いや、明らかに何かあったって顔をしているわよ?」

 

らんは誤魔化そうとするがらんこには通じず何があったのか問い詰めようとするが、

 

「えっと……あ、ごめん、2人ともちょっと用事が出来ちゃった!」

 

そう言って逃げる様に店の出入り口へと向かう。

 

「あ、ちょっと!」

 

「華満さん!?」

 

「すぐにラーメンの味を取り戻すから待ってて!」

 

2人は待つ様に言うが、らんは2人の静止を聞かずに店を出て何処かへ向かって行った。

 

「一体どうしたんだ華満さんは?」

 

「……怪しいわね」

 

先程自分達が食べたパンダ麺は恐らく本来の味では無いだろう。そして先程店を出て行ったらんの発言が頭の中を過ぎる。

 

「さっき味を取り戻すとか言ってたけど……まさか、誰かがラーメンの味を盗んだり……なんてな」

 

「いや、多分そうかもしれないわ」

 

「え?」

 

らんこが自分の冗談を肯定したことに思わず声を漏らす。

 

「思い出して、私達が来る前からいた他のお客さん達は私達と同じパンダ麺や他の麺類を先に食べていた。それも美味しそうにね」

 

そして、自分達が注文した麺を啜って味が不味いと感じたと同時に他のお客さんも同様の訴えをする。

 

「私達の様に最初から味が不味かったなら兎も角、お客さんは全員同じタイミングで不味いと訴えた」

 

「そう言えばそうだな」

 

らんこの説明を聞いてひかるは納得する。

 

「だけど、ラーメンの味を盗むなんて事が本当に出来るのか?」

 

そんな非現実的な事が起こり得るなんて信じ難い話だ。ひかるはらんこに原因は分かるのかと質問を投げる。

 

「……確証は無いけど、さっきらんが"レシピッピ"の事を口に出していた。もしかしたらレシピッピに何かあったのかもしれないわ」

 

お料理の妖精レシピッピ、らんこは詳しい事について分からないがらんの慌てっぷりとレシピッピの発言を聞いて今回の騒動の中心はレシピッピに関係あるのだと推測する。

 

「なぁ、さっきも聞きそびれたけどレシピッピって何なんだ?」

 

対して、話を聞いていたひかるはレシピッピの存在が見えていない上に説明を聞かされていない為、らんこの話を聞いてもさっぱりであった。

 

「悪いけど説明は後よ。兎に角私達もらんの後を追い掛けるわよ!」

 

「あ、待ってくれよらんこさん!」

 

らんこは店を出たらんの後を追いかけに行き、ひかるも遅れながららんこの後を追つのだった。

 

────────────

 

その頃、洋食エリアではあげは達は漸くPretty Holicから出てサンドイッチ専門店へと訪れていた。

 

「スッゴイ!此処のサンドイッチ屋さん種類が豊富じゃん!」

 

「本当そうですね。色々あってどれを選べば良いか迷ってしまいます」

 

流石専門店、サンドイッチの種類は中の具材だけで無く具材を挟むパンも種類が豊富であげはとツバサはどれが一番美味しいのかわからなかった。

 

「そうだ。ここねちゃんは何かおすすめのサンドイッチはない?」

 

「そ、そうですね……私がお勧めするのはハムサンドですね。此処のお店のハムサンドはレタスはシャキシャキ、ハムも特製のソースによって味が引き出せていますから。あと、パンは食パンが良いですよ」

 

「では、そのハムサンドにしましょうか」

 

そして、あげはとツバサはここねのオススメするハムサンドを購入し、ここねも同じくハムサンドを購入し近くのベンチに座る。

 

「「「いただきま〜す」」」

 

3人は一緒にそれぞれのハムサンドを食べようとした瞬間だった。

 

「モギトル!ウバイトル!ブンドル!」

 

「「「ん?」」」

 

「える?」

 

3人とエルはその場から聞こえてきた声を聞いて思わず動きを止め、次の瞬間一同の目の前にはサンドイッチのレシピッピが鳴き声を上げながら何処かへ吸い寄せられていく光景だ。

 

『ピピピーッ!』

 

「レ、レシピッピ!?」

 

ここねは吸い寄せられていくレシピッピを目で追うと、そのままキメラングの持つ捕獲箱へと吸い込まれていく所まで見た。

 

「ふふ、3匹目ゲット〜♪」

 

一方でキメラングは新たなレシピッピを捕獲した事に彼女はゲーム感覚の様に痛快さを感じていた。

 

「さて、3匹目も手に入れた事だしそろそろ実験を第2段階n「レシピッピを返して!」…ん?」

 

突然話しかけられた事にキメラングは反射的にそちらの方に振り向くと其処にはここねがキメラングを睨んでいる。

 

「おや、もしかして君はさっき私が捕まえた妖精の存在を認知していたのかい?」

 

「ええ、はっきりと見えていたわ!何故貴女がその捕獲箱を持っているのか知らないけど、レシピッピを捕まえるなんて許さないわ!」

 

料理が好きな彼女にとってレシピッピは大切な存在。そんなレシピッピを捕まえるキメラングにここねは怒りを募らせる。

 

「ほほう、大した度胸だね。でも、度胸だけでどうにかn「キメラング!」ると…ん、その声は…」

 

再び自分の声を遮られるも、遮った声がキメラングにとって聞き覚えのある声が聞こえ、ここねから視線を移すと彼女のすぐ側に立つツバサ達の存在に気付く。

 

「おや、君は確かウィングじゃ無いか。そして、そこにいるのはプリンセスにベビーシッター君もいるね」

 

「べ、ベビーシッターって…」

 

まさかこんな所で再会するとは思わなかったキメラングは珍しく驚きの表情を浮かべる。対してあげはは自分がベビーシッターと呼ばれた事に複雑な心境を抱く。最強の保育士を目指す彼女としては同じ子供を預かり世話をするベビーシッターと呼ばれるのは嬉しいが呼んだのが敵であるキメラングである事に喜んで良いのかよく無いのかイマイチわからなかった。

 

「何故お前が此処にいるんだ!?それにさっきの妖精に何をした!?」

 

ここ暫くツバサ達はキメラングとは会っておらず、何故ソラシド市では無いこの街にいるのかわからなかった。そして、ツバサも以前の歓迎パーティーにてレシピッピの存在を認知している為、彼女がレシピッピを捕獲する一連の流れは見ていたのだ。

 

「実はこの街に我々のアンダーグエナジーと似たエネルギー波を探知したからやってきたらコレを見つけてね。解析した所によると特定の生命体を捕獲する事を目的とした装置だとわかったんだよ」

 

そう言ってキメラングはツバサ達に見せつける様に自身の手の中にある捕獲箱を見せつける。

 

「その道具を使って一体何をするつもりなんだ!?」

 

「それは秘密さ、何せネタバレをしたら実験する楽しみが半減してしまうからね」

 

人差し指を自身の唇に当てながら話すキメラングにツバサは警戒する。彼がキメラングと戦ったのは自身が初めてプリキュアになった日しか無いが、それでも彼女の危険な思想はよく理解していた。

 

(何をするか分からない……でも、絶対碌な事じゃ無い)

 

チラッと視線をあげは達に向ける。この場で戦ったら一般人のあげはやここねにエルが巻き添えを食らってしまう。

 

「あげはさん!僕がキメラングと戦うのでその間にプリンセスとここねさんを連れて逃げてください!」

 

「オッケー!ここねちゃんとエルちゃんは私に任せて!という訳ででここねちゃん行くよ!」

 

「え、ちょっと待ってください!」

 

あげはに手を掴まれたここねは無理矢理その場から離されそうになるが、

 

「おいおい、折角の私の復活記念なんだからオーディエンスは多い方が良いと思うよ」

 

そう言ってキメラングは指パッチンをするとあげは達の逃げ道を塞ぐ様にドローンが現れる。

 

「うわっ!?」

 

「な、なに!?」

 

「えるっ!?」

 

あげは達は目の前に現れたドローンを見て思わず足を止めてしまう。

 

「プリンセス!?」

 

「そう焦らなくて良いよ。別に彼女達を攻撃するつもりは無いからさ……今の所はね」

 

「ぐっ…!」

 

ツバサはキメラングを思わず睨む。あんな事を言っているが恐らく人質のつもりなのだろうと思い込んだ彼は自身のミラージュペンを強く握りしめる。

 

「さて、では君たちにも見せるとしよう我が実験の第2d「見つけたぞ!」階…今日はやけに私の話が遮られるなぁ…で、今度は誰?」

 

ウンザリした表情を浮かべつつも声が聞こえた方向に視線を向けると其処にはあまねが立っていた。

 

「あ、あまね!?」

 

「ここね、君も来ていたのか!」

 

「え、ここねちゃんの友達?」

 

2人の会話の様子を見てあげはは彼女がここねの友達なのかと推測する。一方でやってきたのがあまねだと知るとキメラングは意外そうな顔を浮かべる。

 

「おや、まさか本当にやってくるとはね。どうやって私のいる場所を知ったのかは気になるが、どうやら私の実験を止める気の様だね」

 

「当然だ。お前の悪事を見過ごす訳にはいかない。その捕獲箱をこちらに渡して貰おう」

 

あまねはキメラングにこれ以上のレシピッピを捕獲するのを辞めて捕獲箱を渡す様に言うが、彼女は渡すつもりはさらさら無い。

 

「生憎まだ実験はこれからが良いところなんでね。邪魔はさせないよ」

 

「なら、力強くでもその捕獲箱を渡して貰う!」

 

あまねは自身の首に掛けているペンダントを手に取りキメラングに向ける。その様子にツバサは黙って見ていた。

 

(なんなんだこの人は!?…この人から途轍もないプレッシャーを感じる!)

 

ツバサはあまねから放たれる威圧感に冷や汗をかく、とても一般人が放てる物では無く、幾つかの場数を踏んでいる様な感覚にツバサは何も喋る事が出来ずただ2人のやり取りを黙って見るしかなかった。

 

「行くぞ!プリ「あまねちゃ〜ん!」っ!ゆい!」

 

ペンダントを掲げて何かをしようとするあまねだったが、その直前ゆいが駆けつけ、あまねは動きを止める。

 

「待ってくださいゆいさん!」

 

「ま、待って〜…!」

 

「ソラさんにましろさん!」

 

更に其処へゆいとその後を追い掛けるソラと少し遅れてヘトヘトになったましろがやってくる。

キメラングはソラ達の姿を見ると笑みを浮かべて話しかける。

 

「やぁ、スカイにプリズム。君たちも元気してたかい?」

 

「キメラング!」

 

「やっぱりあなたが今回の騒ぎの犯人なんだね!」 

 

ソラとましろはキメラングの姿を見て警戒する。

 

「その通り。さて、君たちが此処にいるとするならツイスターもそろそろやって来るかな」

 

ソラ達が此処にいるとなれば必然的にらんこもこの街に来ていると予想したキメラング。

 

「見つけた!レシピッピ泥棒!」

 

「アレが犯人…って、マッドサイエンティストじゃない!?」

 

「彼奴は確かキメラング!」

 

「はにゃ!?らんこちゃん達ついて来たの!?」

 

すると、彼女の予想通りソラ達がやってきた反対側の道にらんと彼女を追い掛けるらんことひかるが現れる。

 

「らんちゃんも来たんだね。所で其処にいる2人は…?」

 

「あー、らんらんの新しい友達だよ。そう言うゆいぴょんも其処にいるのは知り合い?」

 

ゆいとらんはそれぞれ一緒にいるソラ達やらんこ達を見つめる。

 

「そんな事よりもマッドサイエンティスト!ラーメンの味を盗んだのはあんたなの!?」

 

「そうだよ。全ては私がこの街で見つけたコレの仕業さ」

 

そう言ってその場にいる一同に見せつける様に捕獲箱を見せつける。

 

「な、何でそれを持っているの!?」

 

らんはキメラングの手に持つ捕獲箱を見て驚きの表情を露わにする。

 

「なにあの箱は?」

 

「お弁当箱か?」

 

らんが驚いている隣ではらんことひかるはキメラングの持つ捕獲箱が何なのか分からなかった。

 

「アレはレシピッピを捕まえる捕獲箱だよ!あれにレシピッピが捕まるとその料理の味に影響が出るんだよ!」

 

「何ですって!?」

 

らんの話を聞いたらんこは驚愕の表情を浮かべる。まさかレシピッピが捕まると料理の味に影響が出るとは信じられなかったが、らんの真面目な表情を見て本当だと確信する。

 

(結局俺ってレシピッピって何なのか知らないけど、聞いた感じ重要そうだな)

 

なお、未だにレシピッピの事を全く知らないひかるはこの状況でレシピッピについて聞ける訳が無く取り敢えずは周りを観察しながら話に合わせようと考えるのだった。

そして、話は戻りキメラングとらんの話を聞いたソラは口を開く。

 

「では、私たちが食べていたおにぎりの味が変わったのも…!」

 

「その通り、私の持つこの捕獲箱の力さ」

 

ソラの質問に対してキメラングは得意気に答える。

 

「あれ、て事は話の流れからしてサンドイッチも!?」

 

「はい、サンドイッチのレシピッピが捕まった事により味が変わってしまいました」

 

「ええっ!本当に!?」

 

一方で彼女の話を聞いていたあげはも恐る恐る確認すると側にいるここねが肯定する。

 

「ちょっとあなた!お料理を元に戻して!私達はこの街へ来てまだお料理も一つも食べていないんだから!」

 

「あ、あげはさん!相手を刺激する様な発言は控えて下さい!」

 

「そうですよ!落ち着いて下さい!」

 

キメラングに怒りを向けるあげはをここねとツバサが宥めようとする。

 

「おいおい、まだ実験も始まったばかりなんだからそう簡単にコレらを解放しないよ」

 

レシピッピを返す気はさらさら無いとキメラングは答えるとそれを聞いたゆいは口を開く。

 

「実験実験って、さっきから聞いていればあなた!レシピッピの事をなんだと思っているの!?」

 

この場で一二を争う程お料理が大好きな彼女にとってキメラングの発言に思わず口を出す。

 

「ん、何を言っているんだ?話の流れからして実験をする為のモルモットに決まっているだろ?」

 

『なっ!?』

 

キメラングの血も涙も無い発言を聞いてゆいとここねとらんとあまねの4人は思わず面食らった表情を浮かべる。

そんなあっさりと答えたキメラングに思わず思考が停止するも次第に彼女達はキメラングに対しての怒りを段々と募らせていき、ゆいは再び口を開こうとする。

 

「あなたの様なレシピッピを何とも思わない人なんて、絶対n「おい、ゴラァアアアッ!!!」許さ…え?」

 

『ん?』

 

その時、その場に新たな声が響き一同はそちらに視線を向けると、

 

「キメラング!料理が突然不味くなったのはお前の仕業か⁉︎」

 

『カバトン!?』

 

「豚男!?」

 

其処にはコートを纏って変装したカバトンが立っていた。そして、カバトンの手にはそれぞれおにぎりとサンドイッチが握られていた。

現れたカバトンを見てソラ達は驚きの声を上げる。

一方で初めてカバトンを見るゆい達の反応はと言うと、

 

「ええええっ!?ぶ、豚さんが喋っている!?」

 

「アレってマスク……じゃ無いわよね?」

 

「まさか、とんかつや生姜焼きになった豚のお化け!?」

 

「お、お化け!?」

 

まさかの人では無い二足歩行の喋る豚というファンタジー過ぎる存在を見てそれぞれリアクションを見せる。ただし、らんのお化け発言を聞いてあまねは顔を青ざめる。

 

「誰がお化けなのねん!?いきなり失礼過ぎるだろ!」

 

らんとあまねからお化け呼ばわりした事にカバトンは怒りの表情を見せる。

 

「それよりもキメラング!おにぎりやサンドイッチの他にラーメンの味が不味くなったのはお前の仕業か!?」

 

そう言ってカバトンは自身が食べ掛けているおにぎりを突きつけてキメラングに確認する。

 

「いやぁ、ごめんごめん。それは私がこの子達を捕まえた事に出た影響だと思うよ」

 

「なら、早く味を戻すのねん!」

 

せっかく戦いを忘れておいしーなタウンにやってきたカバトンは料理を食べていた途中で味を変えられて気分がぶち壊されたからキメラングに戻すように言う。

 

「悪いけど、実験に犠牲は付き物さ、こっちにも都合があるから暫くおにぎりとサンドイッチにラーメンの味は諦めてくれ」

 

「巫山戯るな!」

 

だが、キメラングに戻すつもりはさらさらない。それをカバトンに伝えると彼は紫色の顔が真っ赤になる程にキメラングへと怒りをぶつける。

 

「まぁまぁ、そんなカッカしない。それよりもほら、運がいい事に君の最優先任務の対象であるプリンセスエルが其処にいるよ」

 

「なに?」

 

カバトンはキメラングの指摘された方向に視線を向けるとソラ達の存在に漸く気付いた。

 

「お、お前達がどうして此処に!?…まぁいいのねん。此処でプリンセスを捕まえりゃ褒美におにぎり以上の美味いもんがたらふく食えるのねん」

 

ついでにキメラングに向けていた怒りを彼女達に代わりにぶつけようと考えたカバトンは纏っていたコートを脱ぎ捨てる。

一方でソラ達もカバトンが戦う気であると理解すると、それぞれミラージュペンを手に取る。

 

「そんじゃいくぜ!カモン、アンダーg「待ちたまえカバトン君」…何なのねん!?」

 

ランボーグを作り出そうとしたカバトンだったがキメラングに遮られる。水を差すような真似をする彼女にカバトンは睨みつける。

 

「此処は従来のランボーグで戦うよりも丁度手に入れたコレで戦ってみようじゃ無いか」

 

「何だそれ?」

 

キメラングがカバトンにレシピッピの入った捕獲箱を見せつけるもカバトンにとってそれが何なのかさっぱりわからなかった。一方でソラ達もキメラングが何をするのか見当がつかない様子。

 

「キメラングは一体何をするつもりなんでしょうか?」

 

「分からないけど、あのマッドサイエンティストのやる事よ。どうせ碌な事じゃ無いわ」

 

キメラングの行動にソラとらんこは警戒し、ましろ達も同様に警戒心を見せる。

 

「まさかアレを出すつもりじゃ!?」

 

「ゆいちゃん?」

 

ましろのすぐ側を立つゆいはキメラングが何をするのか察して顔色を変える。

 

「先ずは下準備からだ。インストール!アンダーグエナジー!」

 

ダークパッドからアンダーグエナジーが放出され捕獲箱に注ぎ込まれると蓋にあるBのマークがDのマークへ変化する。

 

「捕獲箱が変わった?」

 

あまねは捕獲箱の見た目が変化した事に驚く。捕獲箱の事を知っている彼女は捕獲箱が自分の知識には無い変化をした事に嫌な予感を覚える。

 

「さて、待たせたね!それでは実験を始めようか!」

 

キメラングは変化した捕獲箱を掲げる。

 

「スタンバイ!アンダーグウバウゾー!」

 

捕獲箱から放たれる光が近くの店にある冷蔵庫に照射されると巨大な怪物へと変化する。

 

『アンダーグウバウゾー!』

 

「何アレ⁉︎」

 

「ランボーグ…じゃない?」

 

目の前に現れた怪物がランボーグでは無い事にらんこ達は困惑の表情を見せる。そして、その怪物が現れた事により周辺にいた人々は逃げ出した。

 

「あれはウバウゾーだ」

 

「え、うばうぞー?」

 

らんこ達の疑問に答えたのはあまねであるが、その表情は険しく目の前のウバウゾーとキメラングの持つ箱を睨んでいた。

 

「まさか再びウバウゾーと相見える事になるとは……!」

 

「あまねちゃん…」

 

あまねの表情を見てゆいは心配そうに彼女を見つめる。よりにもよってキメラングの使う捕獲箱はあまねと深く関係する物だ。それが再び姿を見せウバウゾーを生み出しているとなると思う事はあるだろう。ゆいはそんな彼女を見て励まそうと口を開こうとすると、

 

「ゆいー!」

 

「え、拓海!?」

 

『拓海(君)(さん)!?』

 

「品田!?」

 

其処に新たに駆けつけたのはらんこ達に街のパンフレットをくれた拓海だった。

 

「ゆい無事か…って、なんでお前達が此処に居るんだよ!?」

 

『それはこっちの台詞(です)(だよ)!!!』

 

拓海はらんこ達の姿を見て思わず声を出し、らんこ達もそんな彼に向かってツッコミを入れる。

 

「まぁ良い。それよりもお前たちは逃げてくれ此処は俺が何とかする」

 

「無茶ですよ!相手はあんなデカい怪物ですよ!」

 

拓海はらんこ達に逃げる様に言うがツバサが一般人である拓海が立ち向かうなんて自殺行為に等しいからやめる様に説得する。

 

「心配するな。それと今見る事は秘密にな」

 

「何を言って…」

 

拓海の発言に疑問符を浮かべ様とするが、その間拓海はズボンのポケットから緑色の宝石が嵌められているハート型のアクセサリーを取り出す。

すると、彼の姿は一瞬で白いタキシードの様な銃士服とマントにハット、黒い仮面が装着され、更には髪も茶色から白に変わる。

 

『変身した!?』

 

「た、拓海君!?その姿は…!」

 

変身した拓海の姿にらんこ達は驚愕する。そして、ましろの質問に対して答える。

 

「今の俺はブr「拓海君が白いタ◯シード仮面になった!?」ック…はぁ?」

 

自身の名前を告げようとした時、あげはに遮られ思わず声に出す。

 

「みんな見て!拓海君がタ◯シード仮面になったよ!」

 

あげはは興奮気味に一同に姿が変わった拓海を見るように言う。

 

「いや、あげは姉さんアレはどう見ても月下の奇術師、怪盗◯ッドでしょ!…あ、でもモノクルが無いわね」

 

だが、あげはの指摘を否定する様にらんこが今度は拓海の事を怪盗○ッド呼ばわりする。

 

「どっちも違う!俺はブラックペッパーだ!」

 

自分を勝手にタ◯シード仮面や怪盗◯ッド呼ばわりするあげはとらんこを否定する様に自分の今の変身した姿の名前がブラックペッパーであると叫ぶ。

 

「いや、ブラックペッパーと言うよりも白いからホワイトペッパーじゃないのか?」

 

「あ、それらんらんも前々から思ってた」

 

「お前らなぁ…!」

 

しかし、ひかるがホワイトペッパー呼ばわりにし、それを側にいたらんが同意する。そんなやり取りを見て拓海ことブラックペッパーは声を荒げる。

 

「もうこの際、ブラックでもホワイトでもどっちでも良いじゃ無いか品田ペッパー!」

 

「菓彩!お前ふざけているだろ!?」

 

あまねの発言にブラックペッパーは思わずツッコミを入れる。

 

「おい、お前ら!なにさっきから俺たちを無視しているのねん!?良い加減こっちをみやがれ!」

 

「ふむ、あの少年の姿…プリキュア?いや、それとは違う気がする」

 

一方でカバトンは自分達の存在を忘れて会話を繰り広げる一同に向かって声を出し、キメラングは変身したブラックペッパーを観察している。どうやら不意打ちをする気はないがそろそろ相手をしないとカバトン辺りが攻撃を仕掛けるかもしれない。

 

「とにかくお前達は危ないから下がってろ。こいつらの相手は俺に任せろ」

 

ブラックペッパーは一同に逃げる様に言うが、ソラ達はブラックペッパーよりも前に立つ。

 

「おい、何をやっているんだ!?下がってろって言っただろ!」

 

「みんな何しているの!?危ないよ!」

 

逃げようとせず立ち向かう姿勢を見せる4人にブラックペッパーとゆいはやめる様に説得しようとする。

 

「心配御無用です!私達も戦えますから!」

 

「戦えるって、コレは遊びじゃ無いんだぞ!」

 

引き下がるつもりは無いソラを見てブラックペッパーは再度説得を試みようとする。

 

「問題無いわ。戦える力ならあるから」

 

そう言ってらんこはブラックペッパーやゆいに見せつける様にミラージュペンを取り出す。

 

「何だそれは?」

 

「ペン?」

 

ミラージュペンを知らないゆい達は疑問符を浮かべる。一方でソラ達は互いに目を合わせる。

 

「皆さん行きますよ!」

 

「「「うん(ええ)(はい)!」」」

 

4人はミラージュペンを構えるとミラージュペンが光だし、4人の身体を包み込む。

 

「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「大空に広がる一陣の風!キュアツイスター!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

変身が完了した4人はアンダーグウバウゾーの前に降り立つ。

 

『ええええええっ!?』

 

そして、目の前で変身したソラ達にゆい達は驚きの声を上げる。

 

「ソラちゃん達、プリキュアだったの!?」

 

「ツバサ君も!?」

 

「はにゃ!?らんこちゃんまで!」

 

「まさか、彼女達がプリキュアだったなんて…!」

 

「戦える力ってそう言う事かよ…」

 

それぞれが変身した4人の姿を見て驚いている一方でツイスターは気になる発言があった。

 

(あれ、私達ってそんなに知名度高かったの?)

 

ソラシド市で活躍しているから街ではほぼ住民から知られているが遠く離れたおいしーなタウンでも自分達が活躍が知られていた事にキョトンとなる。だが、今はそんな事よりも目の前のアンダーグウバウゾーとカバトンとキメラングに意識を向ける。

 

「さて、役者は揃った様だし。そろそろアンダーグウバウゾーを動かせて貰うよ」

 

4人がプリキュアへとなった事にキメラングはいざ戦いを始めようとアンダーグウバウゾーに指示を出そうとするが、その直前カバトンがキメラングに話しかける。

 

「おいキメラング。こんなランボーグ擬きで彼奴らに勝てるのねん?」

 

今までキメラングの戦いを近くで見て彼女の発明品やそれを元にしたランボーグを使って黒星を上げた事が一度もない為、カバトンは今回ランボーグの代わりに出したアンダーグウバウゾーを見てあまり勝つ自信が湧いて来なかった。

 

「心配御無用さ、既に捕獲箱はアンダーグエナジーで強化してあるからそれで作ったウバウゾーは少なくとも君や私が作り出すランボーグよりも強い事がデータで判明してあるから君の期待に応える筈さ」

 

「そこまで自信があるのなら信じてやるのねん」

 

「任せておきたまえ。さて、アンダーグウバウゾー!君の実力を私達に見せておくれ!」

 

自信満々の態度を見せるキメラングをカバトンは信じる事にし、対してキメラングもアンダーグウバウゾーに指示を出そうとする。

 

「プリズム!あげはさん達の側を飛ぶドローンを!」

 

「わかった!」

 

今が好機と判断したウィングはプリズムにドローンを打ち落とす様に言うと、あげは達の側を飛ぶドローンに向かって光弾を放つ。だがドローンは飛んできた光弾を避けるが、二段構えでツイスターがマフラーを振り、ドローンを捕まえると遠くに投げ飛ばす。

 

「あげはさん今です!皆さんを連れて避難して下さい!」

 

「ひかるあんたも安全な所に逃げて」

 

「わかった。それじゃあ、ここねちゃん達は私達と一緒に逃げるよ!」

 

「ま、待ってください!」

 

スカイとツイスターから避難する様にあげはとひかるはゆい達を連れてその場から避難しようとするがゆい達は渋り、連れて行くのに手間取っているとその隙にあまねがスカイやブラックペッパー達の元へ行く。

 

「待ってくれ。私も戦わせてくれ」

 

「え、戦わせてくれって…」

 

あまねの発言にツイスターは驚く、彼女の事は詳しく知らないが見た所やや大人びているが普通の少女に見え、とても戦える力を持っているとは思えなかった。

 

「無茶ですよ!アレがどれくらいの力を有しているのかは知りませんが、普通の人では敵いっこありません!」

 

ウィングの発言にスカイとプリズムとツイスターは同意する。見た目が普通の少女に見えるあまねをあげは達と共に避難する様に言うが、其処にブラックペッパーが会話に入り込む。

 

「待ってくれ、菓彩なら問題無い。充分俺たちの力になってくれる」

 

「力になるって拓海さんどう言う事ですか?」

 

先程までの2人のやり取りを見ていた一同はブラックペッパーとあまねは知り合いであるとわかっており、彼の発言からして彼女に何かあるのかと詳しく聞こうとするが、あまね自身が答える。

 

「君達と同じさ…私も戦える力は持っている」

 

「持っているって……まさか!」

 

あまねの発言について何かを察したましろ、対して彼女は首に掛けていたハート型のペンダント…ハートフルーツペンダントを外すとを手に持ち構える。

 

「プリキュア!デリシャススタンバイ!パーティーゴー!」

 

あまねは叫びつつジャンプをすると変身が始まる。

 

「フルーツ、ファビュラスオーダー!」

 

彼女がペンダントをカスタネットの如く数回叩くと周囲に数多のフルーツの形をしたエネルギー体が出現する。

 

「シェアリンエナジー!」

 

エネルギー体は彼女の真上に集まり融合していき、紫色のハートへと変わる。

そして、そのハートはあまねの両手に収まり、彼女はそれを食べる。すると、彼女の髪はボリュームが増え金色のポニーテールへと変化する。更にペンダントが彼女の両手に再び収まると着ていた服もカットアウェイショルダータイプのワンピースへと変化。両手にはフィンガーレスグローブタイプの手袋が装着される。スカートは苺や葡萄の飾りがついた洋菓子を彷彿とさせ、ヒールはショートケーキのようなデザインとなっている。

 

「トッピング!ブリリアント!」

 

再びペンダントを叩くと腰にミニエプロンが追加し、更に叩くと頭部に紫色のハートのカチューシャが付けられる。

 

「シャインモア!」

 

そして、ペンダントを撫でる様に触れると両耳にさくらんぼをイメージする耳飾りが付き、髪にも様々な色の金平糖の様な飾りが付き、最後にはペンダントを胸に飾る。

 

「ジェントルにゴージャスに咲き誇るスウィートネス!キュアフィナーレ!食卓の最後を、このわたしが飾ろう」

 

此処にかつて料理の味を奪い、その罪を償う為にこの街で戦った伝説の戦士が姿を現す。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。