ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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ちょっとコロナにかかってしまい投稿が少し遅れてしまいました。


第33話 アンダーグウバウゾーの実力

ツイスター達の目の前であまねがプリキュアに変身した事にその場にいる殆どの人間が呆然となっていた。

 

「キュア…」

 

「フィナーレ…!」

 

「える?」

 

初めて聞くプリキュアの名前に離れていた所で見ていたあげはとひかるは思わず彼女の名を口に出す。エルも2人の様に目を丸くする。その側ではゆい達が不安な表情を浮かべながらフィナーレとブラックペッパーを見つめていた。

一方でツイスター達も目の前にいるキュアフィナーレの姿に数秒間呆然となっていたが漸く我を取り戻す。

 

「プ、プリキュア⁉︎」

 

「まさか、あまねさんがプリキュアだなんて…!」

 

「でも、変身の仕方が私達とは異なるわね」

 

「確かに僕たちとは…いえ、プリンセスの力とは異なる力で変身した様に見えます」

 

先程自分達が変身した姿を見たゆい達と同じリアクションを見せる4人。まさか自分達以外にプリキュアが居たなんて信じられない事だ。

一方でカバトンとキメラングも大きな反応を見せる。

 

「おいおいおいおい!どういう事なのねん!?またプリキュアが増えたぞ!?」

 

カバトンは初めて見るフィナーレにスカイ達率いるひろがるスカイプリキュアの5人目の戦士かと思い込み、焦っている様子。

 

「ほほう、根本的な力は異なるが彼女から発せられる力はキュアスカイ達と似た物を感じる」

 

対してキメラングはフィナーレが自分達と対峙するスカイとは異なる力を見て興味を示していた。

 

「キメラングと言ったな。改めてお前が持つその捕獲箱をこちらに渡すんだ。そうすれば痛い目には合わせん」

 

フィナーレは再び手を差し出し捕獲箱を譲る様にキメラングに言う。

 

「おいおい、折角このアンダーグウバウゾーを作り出したばかりなのにそれを返せだ?生憎だけど私が満足するまでこれを渡す訳にはいかないね」

 

「そうか、なら力強くでその捕獲箱を頂く」

 

やはり彼女は捕獲箱を渡すつもりはないらしく、フィナーレもそれが分かるとキメラングに対して攻撃の構えをするが、

 

「熱くなっている所悪いんだけど、彼奴は中々の強敵よ。無闇に突っ込むのはおすすめしないわよ」

 

そんな時ツイスターがフィナーレを止めるに入る。キメラングはいつも何か武器や道具をもっている。その為、下手に突っ込むとやられる可能性が高い。そうならない様にツイスターは彼女を説得を試みる。

 

「…わかった」

 

「そう、なら私が「ああ、だが私は奴の持つ捕獲箱を取り返す。君たちはあのウバウゾーの足止めを任せる」から…って、ちょっ!?」

 

説得に応じたかと思いきや、フィナーレはキメラングの持つ捕獲箱を目標に単身で突っ込んで行く。

 

「おい、フィナーレ!」

 

「ブラックペッパー!彼女達の援護を任せる!」

 

更にはブラックペッパーの静止を聞かず、フィナーレはキメラングに向かって飛び出す。

 

「おおっ!?いきなりこっちにくるのねん!」

 

「簡単にこれは取り返さないよ。ウバウゾー攻撃開始!」

 

『ウバウゾー!』

 

アンダーグウバウゾーは迫り来るフィナーレに向かって胴体にある大きな冷蔵庫の扉を開けると其処から大量のエネルギー弾を飛ばす。だが、フィナーレは迫り来るエネルギー弾を全て避け、高く跳び上がる。

 

「その捕獲箱はかつての私の罪の証、それなら私がそれを破壊する資格がある!」

 

そう言いながらフィナーレは急降下しキメラングに向かって拳を振るい、彼女に強烈な一撃を叩き込む。

 

 

 

 

 

 

「へぇ、中々の力だね。気に入ったよ」

 

「っ!」

 

だが、フィナーレの拳はキメラングの手によって受け止められていた。

 

「この私が直々に君の戦闘データを測ろうか!」

 

そう言ってキメラングはフィナーレに向かって回し蹴りを放つがフィナーレは掴まれた手を振り払い宙返りをして避ける。

 

「カモーン!我が愛機(ドローン)達!」

 

しかし、キメラングは追い討ちをかけるようにドローンを5機出現させるとフィナーレに向かってレーザーを放つ。

 

「くっ!」

 

飛んでくるレーザーに対してフィナーレは回転しながら全て避け、地面に着地する。

 

「ほほう、連続のレーザーを全て避けるとは…反応速度も申し分無いっと!」

 

避けられたにも関わらずキメラングは嬉しそうな笑みを浮かべ、フィナーレに向かって駆け出すとインファイトを繰り広げる。

その様子を見ていた一同はキメラングとフィナーレの戦いに呆然となる。

 

「キメラングってあんなに強かったんですか!?」

 

「私も驚いているよ…」

 

スカイやプリズムはキメラングが肉弾戦をしている事に驚いていた。基本的に彼女もカバトンと同じ様にランボーグや道具に頼って戦っているイメージがあったが、目の前で起こる激しい攻防を見て自分達の中のイメージが崩れる。

 

「ええ、厄介な事に彼奴は肉弾戦もできるの」

 

この場で唯一キメラングとの直接戦った経験のあるツイスターはスカイの問いに肯定する。

 

「そんな事よりも僕たちもフィナーレの手助けを!」

 

「そうだね!」

 

ウィングの提案に一同は賛成し、フィナーレの元へ駆け出そうとするが、

 

「待ってくれ!こいつの相手は私がする!君たちは手を出さないでくれ!」

 

『えっ!?』

 

何とフィナーレが手助けは不要とツイスター達の協力を拒否したのだ。ツイスター達も彼女の発言に思わず足を止める。

 

「何を言っているんですか!?キメラングは1人で勝てませんよ!」

 

「わかっている!拳を交えてわかる。こいつは強いと!」

 

迫り来るキメラングの攻撃に腕を交差させて防ぎながらフィナーレはキメラングの実力を語る。

 

「なら、尚更1人じゃなくて皆んなで戦った方が良いよ!」

 

「確かにその方が良い。だが、今回の出来事は私の不手際によって起きた事なんだ!ケジメをつけさせてくれ!」

 

続いてプリズムがフィナーレに話しかけるも彼女が必死の形相で訴え、その顔を見てツイスター達も手助けがしづらくなった。

 

「フィナーレ…一体どうしたんだ?お前らしく無いぞ」

 

ブラックペッパーは普段の彼女の戦い方を知っている為、猪突猛進とも言える戦いをするフィナーレに驚いている様子だ。

一方でツイスター達から離れた店の陰からあげは達が戦いを覗いており、ゆいとここねとらんはフィナーレを心配していた。

 

「フィナーレ…どうしたんだろう?」

 

「なんからしく無い戦い方をしているわね」

 

「……」

 

普段の彼女を知っているゆい達はブラックペッパーと同様に彼女の行動に違和感を感じており、そんな中ゆいはある事を推測する。

 

「……もしかして、フィナーレ…あまねちゃんは焦っているんじゃ?」

 

「え?」

 

「どう言う事ゆいぴょん?」

 

ゆいの発言にここねは疑問符を浮かべ、らんは詳しく彼女に聞く。

 

「ほら、今回使われた捕獲箱って味が変わるタイプでしょ。それってつまり…」

 

「「あっ!」」

 

ゆいの言葉にピンと来たのかここねとらんは同時に声を上げて何かに気付いた様子だ。

 

「えっと、どう言う事?」

 

「良かったら俺たちに聞かせてくれないか」

 

側で話を聞いていたあげはとひかるだが、彼女達が何を話しているのかイマイチ分からず詳しく聞こうとする。ゆい達も一瞬答えるべきか迷うも意を決して口を開く。

 

「実はあまねちゃんはかつてブンドル団って組織に利用されていた事があったんだ」

 

「「ブンドル団?」」

 

「える?」

 

まるで◯ケット団を連想する名前にあげは達は首を傾げつつもそれは何なのか追求する。

 

「そのブンドル団は全てのレシピッピを手に入れて料理を自分達の物にしようとしていた組織なの」

 

「レシピッピを…もしかして、今キメラングが持っているのはそのブンドル団が使っていたアイテムって事!?」

 

あげはの問いに対して3人は頷いて肯定する。

 

「けどよ、さっき言っていたその…あまねさんが利用されていたって言うのはどう言う事なんだ?」

 

レシピッピが見えないひかるにとってあまり話がついていけないので何とか話を逸らすのを兼ねてあまねについて聞こうとするが、

 

「「「……」」」

 

「あれ……ひょっとして聞いちゃ不味い奴か?」

 

突然口を閉じて言いづらそうな表情を浮かべるゆい達を見てひかるはもしかして地雷を踏んだのではと思わず不安になる。対してらんはゆっくりと口を開く。

 

「あまねんは……以前、ブンドル団に洗脳されてレシピッピの捕獲をしてた事があったの」

 

「「えっ!?」」

 

洗脳されたと聞いてあげは達はそれを聞いてブンドル団に対して怒りを募らせる。ソラ達と同年代の女の子を洗脳した挙句に犯罪の片棒を担がせたのだから怒りを覚えるのは当然だ。

 

「そして、今あのヘルメットの子が持っているのはその時のあまねちゃんが使っていた捕獲箱なの」

 

「「なっ!?」」

 

「えるっ!?」

 

ゆいの口から出た衝撃の事実にあげは達は絶句する。かつて洗脳されてたとはいえ、その時使っていた捕獲箱が再び自分の前に現れた事に複雑な心境を抱いているであろうあまねにあげは達は彼女に視線を向けるのだった。

 

──────────

 

一方でフィナーレはキメラングとの戦闘を続けているが、次第に動きが鈍くなっている。洗脳されてたとはいえ自分が大好きなレシピッピを捕まえていた捕獲箱が目の前で過ぎると精神的にもキツくなって動きにも影響が出ている。

 

「どうしたのかなぁ?動きがさっきよりも遅くなっているよぉ〜」

 

「くっ…」

 

フィナーレの動きが鈍くなってきた事にキメラングの攻撃に対応しづらくなっていた。

 

「不味いです。段々とフィナーレが押されています」

 

「どうしよう…このまま黙って見てる訳にはいかないよ」

 

スカイとプリズムはこのままではフィナーレがやられてしまうと思い今すぐにでも助けに行きたいが、本人が手出しは無用と訴える為助けにいけなかった。

 

「フィナーレ!どうしてそんなに1人で戦おうとするんですか!」

 

「お前らしく無いぞ!」

 

一方でウィングとブラックペッパーは彼女を説得しようと試みるもフィナーレは彼等の説得に応じようとしなかった。

一方でツイスターはキメラングとフィナーレの戦いに何も言わず黙って見ているが、段々と体が行きたくて仕方ない状態となって震え始める。

 

「……ああもう、見てられないわ!みんな介入するわよ!」

 

「え、良いんですか?」

 

「良いのよ!フィナーレとあのマッドサイエンティストに何の因縁があるのかは知らないけど、因縁の深さ的にこっちが深いから私達の方が優先されるから問題ないわよ!」

 

「いや、どう言う理屈ですかそれは?」

 

とうとう良い加減我慢出来なくなったツイスターは意味不明な理屈を訴えて、戦いに介入しようとする。対してウィングは彼女の理屈を聞いて呆れた表情を浮かべる。

 

「そうですね。ヒーローはこの状況を黙って見ている訳にはいきません!」

 

「うん、フィナーレを助けよう」

 

「悪いな。けどありがとう」

 

満場一致でフィナーレを助ける事に決めると一同は彼女の元へと向かおうとする。

 

「おっと、君たちのデータを更新したい所だが今は彼女の相手で忙しいのでね。カバトン君任せるよ!」

 

「おう!よし、アンダーグウバウゾー!プリキュアと其処にいるオマケをやっつけるのねん!」

 

「オマケって……俺かよ!?」

 

だが、そのタイミングでカバトンがキメラングから投げ渡された捕獲箱を受け取ると彼はアンダーグウバウゾーに指示を出す。

因みにオマケと言うのはブラックペッパーの事を指している。

 

『ウッバ〜!』

 

ウバウゾーはツイスター達に向かって腕を振り下ろすと5人は避ける。そこにウバウゾーが追い打ちをかける様に胴体の扉を開けてエネルギー弾を放つ。それを見てプリズムは光弾を放って相殺しようとするが、ブラックペッパーが4人の前に出てマントでエネルギー弾を防いだ。

 

「ありがとうございます!」

 

「礼は良い。それよりもこいつをどうにかしないとな」

 

目の前で仁王立ちするアンダーグウバウゾーをどうにかしない限りフィナーレの助太刀にいけない。

 

「それなら私達は5人もいるからそれぞれ役割分担して戦うわよ」

 

「役割分担って…何をするの?」

 

「そうね…ブラックペッ…長いからブラペね。ブラペの攻撃は何かしら?」

 

一々ブラックペッパーと言うのがくどく感じたツイスターは彼をブラペと略して呼び、攻撃手段について聞く。

 

「俺か?俺の攻撃は主に遠くにいる敵に光弾を撃ち込んだり、肉弾戦にも自信がある」

 

本当は他にも治癒能力や高速移動、更には生身による飛行能力が備わっているのだがブラペは攻撃について問われた為、攻撃方法しか答えなかった。

 

「そう…それならあんたはプリズムと一緒にウバウゾーの目潰し、私はその隙に足払いをするからスカイとウィングは攻撃して!」

 

一同はツイスターの作戦に反対せず返事をすると、一同はツイスターを除いて2人1組に分かれる。

 

「はっ!何をするのかは知らねえが、アンダーグウバウゾーそいつらを蹴散らせ!」

 

『ウバウゾー!』

 

カバトンの指示を受け、ウバウゾーは5人に迫って攻撃しようとするが、それぞれ距離を空けて散らばる。

 

「「はあっ!」」

 

『ウバッ!?』

 

先ずは跳び上がったプリズムとブラペは手から光弾を連射してアンダーグウバウゾーの顔に命中させ煙を撒き散らす。アンダーグウバウゾーは視界が見えなくなった事に動揺する。

 

「はあ!」

 

『ウゾッ!?』

 

その隙にツイスターがスライディングをしてウバウゾーを足払いするとウバウゾーの巨体はバランスを崩して膝を地面につかせる。

 

「ウィング行きますよ!」

 

「はい!」

 

スカイとウィングは高く跳び上がり、そのまま急降下して拳と蹴りを同時に頭部に向かって叩き込むと、アンダーグウバウゾーは声を上げる間も無く地面に倒れる。

 

「あれ、あんまり強く無い?」

 

てっきりもっと手こずるかと思ったが、あっさりと倒れた事に5人は拍子抜けする。

一方でカバトンは自分が使役するアンダーグウバウゾーが倒れた事に焦りを覚える。

 

「お、おいキメラング!こいつ全然YOEEEじゃねえか!?」

 

あんな自信満々で言った割には全然強くないアンダーグウバウゾーにカバトンはキメラングに対して文句を言う。

 

「慌てる事はない。そろそろそのアンダーグウバウゾーの真価が発揮するよ」

 

『真価?』

 

キメラングの発言に一同は疑問符を浮かべる。現状ツイスター側が優勢であるにも関わらずに焦った様子は無く余裕な笑みを浮かべるキメラングに一同は訝しむ。

 

『ウバ…ウ……ゾオオオオオオッ!!!』

 

『っ!?』

 

すると、アンダーグウバウゾーの目が光ると胴体にある冷蔵庫の扉が開き、其処から物凄い勢いで周りにある物が掃除機の如く吸い込まれていく。ツイスター達は持ち前の力で踏ん張って耐えている。

隠れていたあげは達は吸い込まれない様に店の壁や電柱などにしがみついていると、

 

『ピピピーッ!?』

 

「あ、アレって!」

 

ここねが見たのは2匹のレシピッピがウバウゾーの扉の中に吸い込まれていく所だ。そして、アンダーグウバウゾー吸い込みを終え、全身からオーラらしき物が纏われる。

 

「な、何ですか!?」

 

「突然雰囲気が変わった!」

 

先程まで戦っていた同一の存在とは思えないプレッシャーを感じ、思わずスカイやウィングの顔に嫌な汗が流れる。

 

「怯まないで!兎に角もう一度さっきと同じ手順で行くわよ」

 

『うん(おう)!』

 

ツイスターの指示に従いプリズムとブラペは再び光弾を放つ。但し今度は顔だけじゃなく全身を対象に撃ち続けアンダーグウバウゾーは爆煙により見えなくなる。

 

「続いて私g『ウバウゾォォォォォッ!』…えっ、うわああっ!!!」

 

『ツイスター!?』

 

ウバウゾーを再び足払いをして地面に倒そうと近づくも爆煙から飛び出してきたウバウゾーの拳がツイスターに命中し、彼女はそのまま吹っ飛び近くに止めてあったキッチンカーに叩きつけられる。

 

「な、何よ…この力は?」

 

先程までとは明らかに異なる事にツイスターは全身にくる痛みに耐えながらもアンダーグウバウゾーを見つめる。

 

「なら、空中からの攻撃で!」

 

ウィングは空を飛んでアンダーグウバウゾーに攻撃しようするが、

 

「ひろがる!ウィンg『ウバウゾー!!!』なっ、ああああ!?」

 

再び胴体にある扉が開くとそこから吹雪と勘違いしそうな冷たい風が吹き、ウィングを襲いそのまま彼の身体は凍りつきそのまま空中から落下する。

 

「ウィング‼︎」

 

スカイは落下するウィングを助けようと跳び上がって受け止めるも、

 

『ウバウ…ゾオオオオオオッ!!!』

 

「なっ、うわあああ!?」

 

なんと、アンダーグウバウゾーの腕が伸びていき、スカイをウィング諸共地面に叩き落とす。

 

『スカイ!ウィング!』

 

地面に落ちた2人にプリズムとブラペは駆け寄ろうとするも、アンダーグウバウゾーがその場から跳び上がり、2人の前に立ち塞がる。そんなアンダーグウバウゾーに苛立ちを感じプリズムは攻撃の構えを取る。

 

「邪魔をしないでよ!」

 

「待て!無闇に攻撃するのは危険だ!」

 

「ヒーローガール…プリズムショット!!!」

 

だが、ブラペの静止を聞かずプリズムはプリズムショットを放ってしまう。だが、アンダーグウバウゾーは胴体の扉を再び開くとそこにプリズムショットを吸い込んでしまう。

 

「え、プリズムショットが…!?」

 

『ウバウゾオオオオオオッ!!!』

 

自身のプリズムショットが吸収された事に呆気を取られるプリズムだったが、お返しと言わんばかりにアンダーグウバウゾーから光線が放たれる。

 

「プリズム‼︎」

 

「えっ!」

 

迫り来る光線にブラペはプリズムを抱えるとその場から跳び光線を避け、プリズム達が立っていた地面が光線により大きく抉られ、周りにあった店も一部吹き飛んでしまう。

 

「つ、TUEEEEEEEEッ!!!」

 

先程までプリキュア達にやられていたアンダーグウバウゾーを見て不安になっていたカバトンだが、次々と倒されていくプリキュアを見て興奮していた。

 

「これなら今日こそは勝てる…勝てるのねん!!!」

 

今まで負けていた分が帳消しになるくらいの爽快感を感じつつも、カバトンは今日こそは憎っくきプリキュアに勝てると確信を抱いた。

そして、先程までキメラングに集中していたフィナーレも光線の衝撃で漸くウバウゾーの変化に気づいた。

 

「なんだ、急に力が増しただと?」

 

「ふふ…これは予想以上の力だね」

 

アンダーグウバウゾーの変化に作ったキメラングは驚きの表情を見せる。対してフィナーレは何故急に強くなったのか考えるとある事実に気づいた。

 

「まさか、レシピッピ!?」

 

「ご名答。この捕獲箱を解析した際に君達の言うレシピッピについての情報もあったよ。何せ世界中の料理を司るんだ。そうなるとたったの1匹だけでもどれくらいのエネルギーが満ちているか…ああ!考えただけでもゾクゾクするよぉ〜!」

 

キメラングはうっとりとした表情を見せながら己の身体を抱きしめる様子にフィナーレは引いていた。だが、彼女はかつてブンドル団に操られていた時にその時対峙していたプリキュアに勝つ為に知らなかったとはいえ、レシピッピを傷つけた事を思い出す。

 

「くっ、なんて事を…!今すぐウバウゾーを止めろ!」

 

フィナーレはこれ以上アンダーグウバウゾーを放置していたらレシピッピの身も危険になる上、更に強くなると厄介と考え作り出した彼女に止める様に言うが、

 

「何を言うか。これからお楽しみなんだ…そう簡単に止める訳無いだろっと!」

 

ドローンを呼び寄せ、手からエネルギーを放つとドローンと接続して鞭状にしつつフィナーレに向かって振るう。

 

「くっ、はあああっ!」

 

「うおっ!?」

 

鞭の様に振るわれるドローンをフィナーレは蹴り上げて弾き飛ばす。対してキメラングは弾かれた反動に思わず後退りする。

 

「ふむ、鞭では少々やり辛いね。なら、リーチを短くしよう」

 

そう言うと手から放つエネルギーの量を少なくするとドローンとの間に伸びるエネルギーが短くなり、まるでメイスの様になる。

キメラングはフィナーレとの間合いを詰めると己の得物を振るい彼女に襲いかかる。対してフィナーレは先程から戦い方がコロコロ変わるキメラングに厄介に感じる。これ以上戦いが長引けば対応出来なくなる。

 

「ならば!クリーミーフルーレ!」

 

するとフィナーレはクリームの絞り機に酷似したクリーミーフルーレを取り出し、キメラングの攻撃を防ぐ。

 

「成る程、それが君の武器か…面白い!その力を見せておくれ!」

 

「生憎、お前の実験にこれ以上付き合う義理はない!」

 

互いに武器をぶつけ合うも、フィナーレは一歩下がりキメラングが空振りした隙を見て更に距離を空けると、クリーミーフルーレを一回絞り回しエネルギーを溜める。

 

「プリキュア・フィナーレ・ブーケ!」

 

キメラング目掛けてフルーレを突き立てると先端から強力なエネルギーが放出される。

 

「それが君の技か!だけど甘い!」

 

メイス状になったドローンを放り投げるとドローンは元に戻り、更には他のドローンが彼女の前に現れると、迫り来るエネルギーに対して合計6機のドローンがバリアを発生させてフィナーレの技を防ぐ。

 

「なにっ!?」

 

「アーハハハッ!!!どうやら君の技はドローンのバリアを破るには少しばかり威力が足りない様だね」

 

最後に残念だったねと煽り言葉を入れるがフィナーレは悔しそうな顔を浮かべておらず寧ろ強気な笑みを浮かべる。

 

「そうか…なら、これはどうだ!」

 

クリーミーフルーレに再び手を掛けると今度は4回絞り回すと、それぞれ桃、黄、緑、紫色のエネルギーが放出される。

 

「ブルーミン・ダンシンフルーツ!」

 

無限大の字を描く様にクリーミーフルーレを振るうと、エネルギーが溜まっていきキメラングへと向ける。

 

「プリキュア・デリシャスフィナーレ・ファンファーレ!!!」

 

フィナーレの掛け声と共にクリーミーフルーレから4色に輝く極太のエネルギーが放出される。

 

「っ!これは、威力が先程よりも段違い!?」

 

先程とは比べ程にもならないエネルギー量にキメラングは再びドローンのバリアを張るが段々とバリアはヒビが入っていく。そして遂にバリアは完全に破れ、膨大なエネルギーがキメラングを襲う。

 

「う、おおおおっ!?」

 

腕を交差させてその場に踏みとどまりフィナーレの攻撃を耐えようとするが、耐えきれずキメラングの身体は吹っ飛び地面に倒れる。

 

「んな、キメラング!?」

 

キメラングがフィナーレの技に倒された事にカバトンは焦りの表情を浮かべる。

 

「良くやったフィナーレ!」

 

「まさか1人で倒すなんて…!」

 

「なんて強さよ…」

 

一方でブラペとプリズムに合流したツイスターもその様子を見ており、ブラペがガッツポーズをする隣で2人は唖然となる。

 

「す、すごい、あの子1人であんなに力を出せるなんて…!」

 

「もしかしてスカイやツイスター達よりも強いんじゃ?」

 

「えるっ!」

 

あげは達も1人でキメラングに勝ったフィナーレに驚きの反応を見せる。

 

「流石フィナーレ!」

 

「これで後はあのウバウゾーを何とかするだけね!」

 

「フィナーレ!この調子でレシピッピ達も解放して!」

 

ゆい達もフィナーレが勝てた事に喜び、このままウバウゾーにも勝ってほしいと応援する。

一方でフィナーレは地面に倒れているキメラングに近づいた。

 

「本来はウバウゾーを浄化する技だが威力は加減した。お前のくだらない実験もここまでだ…さぁ、ウバウゾーを止めろ」

 

「……」

 

フィナーレは地面に倒れるキメラングに降参を薦めるが、技の威力が思った以上に強かったのか彼女は目を閉じたまま動きや返事が見られず気絶したのかと思い、フィナーレは恐る恐るキメラングに近づくと、

 

「……くく、クハハハハッ!!!」

 

「っ!?」

 

先程まで気絶していたかと思っていたキメラングは突然目を開け、狂った様に笑いフィナーレは思わず驚き、2、3歩下がる。

 

「いいね…いいねぇ〜!今の攻撃はっ!いてて…実に良かったよ」

 

ダメージが思った以上に大きく右腕を庇いながら立ち上がるとフィナーレに視線を向ける。

 

「1人でアレほどまでの高威力の技を出せるとは…キュアフィナーレ、益々君の戦闘データが欲しくなったよ」

 

「おい、無茶をするな!お前はもうボロボ…っ!?」

 

体はボロボロで動けないと言おうとしたが、フィナーレは己の目を疑った。先程までボロボロで動けそうになかったキメラングの全身の傷は映像を巻き戻すかの様に治っていき、あっという間に全快する。

 

(馬鹿な!傷が回復しただと!?)

 

フィナーレはキメラングをカバトンと違ってかつて自分達が戦ったブンドル団と同じ人間と思っていたが、傷を薬や特殊な技などを使わずに治した事に彼女は不気味に感じた。

 

「お前、本当に人間…なのか?」

 

「んー?……まぁ、少なくとも身体は君たちと同じ人間だよ」

 

「身体は…だと?」

 

何か含みのある言い方にフィナーレは眉を顰める。対してキメラングは己のヘルメットを軽く指で叩く。

 

「さて、キュアフィナーレ。君との戦闘データを更に集めるには今の私の装備では難しいだろう…よって君には敬意を表して私の新型のドローンのお披露目をさせて貰おう」

 

「何だと?」

 

するとキメラングの周囲を浮いていたドローンは指を鳴らす事によってその場から消え、新たに赤いドローンが6機出現する。

 

「ふふ、バージョンアップしたのをわかりやすくする為このドローンの色は赤にしてみたんだよ」

 

見た感じ先程まで使っていたドローンとは色が白から赤へと変わったくらいで見た目の変化はあまり感じない。

 

(色が変わっただけで何も変化が感じない様な……)

 

「おや、その表情からして色が変わっただけでそれ以外の変化が分からない様子だね。なら、このドローンの機能を見せてあげるよ♪」

 

「っ!何をするつもりだ!」

 

キメラングの台詞に何か嫌な予感を覚え、フィナーレは彼女の動きを止めようと駆け出すがその前にキメラングは自身の着ている白衣を脱ぎ捨てると下には黒のアンダースーツを着込んでいる。

 

「さぁ、瞬きせずに見たまえ!これが私の研究成果だ!」

 

すると6機のドローンはそれぞれキメラングの両肩と両膝、そして背部と胸部に装着されるとそこからアンダースーツを覆う様に赤い装甲が展開されていく。最後は彼女のヘルメットの色が身体に装着されたドローンと同じ赤へ変わり、更にはバイザーも下ろされる。

 

「その姿は!?」

 

目の前でキメラングが自分達の様に変身した事にフィナーレは驚きの表情を浮かべる。

 

「どうだい私のパワードスーツは?君達のと比べると些か不格好だけど戦闘能力は君達を越える様に設定してある。あと、この姿を名付けるとするなら…ハイスペックアーマーって事にしよう」

 

そう言って唯一露出した口は笑みを浮かべる。対してフィナーレは額に汗をかき後退りをするのだった。

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