ツイスター達の視線の先にはプリキュアになったゆい達が立っており一同はフィナーレの時と同様に暫く放心するも正気に戻る。
「ま、まさかゆいさん達もプリキュアだったなんて…!?」
「お、驚きだよ…!」
「この街にはフィナーレの他にもプリキュアがいたんですね!」
「……」
スカイとプリズムとウィングはそれぞれリアクションを見せるが唯一ツイスターだけは神妙な表情を浮かべゆいが変身した姿…キュアプレシャスを無言で眺めていた。
(何かしら…あの姿何処となく見覚えがある様な)
ツイスターは初めてプレシャスの姿を見るにも関わらず既視感を覚えつつ、頭の中からは以前一度だけ聞いた"ご飯は笑顔、デリシャスマイル〜!"という言葉が過ぎる。
一方でツイスターが悩んでいるのを他所にプレシャス達が話しかけて来る。
「ごめんね。隠していたつもりじゃ無いんだ」
「私達はパムパム達が居ないと変身出来ないから言ってもあまり意味が無いと思って…」
プレシャス達は自分達が先に変身したフィナーレと同様にプリキュアである事を黙って彼女達に先程までボロボロになるくらいに戦わせていた事に罪悪感を感じツイスター達に謝罪する。
「謝らないで下さい。ヒーローは正体が秘密ですから隠すのは当然の義務です」
「そうだよ。私達もソラシド市では正体を隠して戦っているから気持ちは分かるよ」
スカイとプリズムは彼女達の気持ちを同じプリキュアとして理解し、フォローを入れる。
「そうよ。お互いに自分達がプリキュアだって明かしたからこれでおあいこよ」
「ツイスターの言う通りそんなに気にする事はありませんよ」
「うぅ、そう言ってくれると助かるよ」
ツイスター達も特に隠していた事を気にしている様子は無くヤムヤムは安心してホッとする。
「どうやら変に拗れずに済みそうだな…そうだろ品田」
「お、おい!ゆいを泣かせた事をまだ根に持っているのかよ!?」
仲良く会話しているプレシャス達を見てフィナーレは何かを訴える眼差しをブラペに向け、対して彼は心当たりがあるのか気不味い表情を浮かべる。そんな2人のやり取りを見てあげは達は苦笑いを浮かべる。
「おいおいおいおい!プリキュアが更に増えるなんて聞いていないぞ!?しかも3人って!」
目の前で変身したプレシャス達を見てカバトンは動揺する。まさか今日初めて見るプリキュアが4人も出て来るとは思ってもみなく焦った表情を浮かべる。
「成る程、君たちも其処にいるフィナーレと同じ力で変身しているみたいだね」
その隣ではキメラングが冷静にプレシャス達を分析している。
「まぁ、新たに現れた3人以外はボロボロで戦えそうに無いけどね」
『くっ!』
キメラングの指摘にツイスター達は思わず苦虫を噛み締めた表情を浮かべる。先程までの戦いによりプレシャス達3人を除く一同は負傷しており、今は立っているのもやっとな状態なのだ。
(このままじゃ確実にやられる…どうしたら…)
ツイスターは今の状態で全員が戦っても碌に満足に戦えず、プレシャスの足手纏いになる。だが、自分達が戦わなければプレシャスの負担が大き過ぎる事に頭を悩ませていると、
「それなら俺に任せてくれ」
「ブラペ?」
するとブラックペッパーがツイスター達とフィナーレに手を向けると其処から緑色の光が放たれる。
「これは…体の傷が治っていく!?」
「まさか…回復能力!?」
光を浴びたツイスター達は先程まで怪我を負っていた己の体が徐々に治っていく事に驚きの表情を見せる。
「ブラペの力よ。デリシャスストーンを通して自分や他者を治癒する事が出来るの」
「治癒能力って凄っ!」
「えるい!」
「彼奴…万能過ぎないか?」
ローズマリーの説明を聞いてあげはとエルは回復能力を持つブラペに驚くもひかるだけは先程の戦いを見て多才過ぎるブラペの存在に苦笑いを浮かべる。
「そうなんだよ。拓海は昔から色々出来て私達を助けてくれるんだよ!」
「お、おい、プレシャスいきなり変な事を言うなよ!」
ローズマリーの話を聞いていたプレシャスがここぞとばかりにブラペを褒め、それを聞いたブラペはマスクで分かりづらいが顔を少し赤くし恥ずかしそうな態度を見せる。
「どうした、顔が赤いぞ品田」
「お前はわかって言っているだろ!」
フィナーレから指摘に思わず怒鳴るブラペ。彼女のニヤつく表情からブラペを揶揄っているのは明白であった。
「おいおいおい!あのオマケに傷を癒す力があるなんて…聞いていないのねん!」
「ほう…まさか、彼はヒーラーの役割もあったのか」
そして徐々に傷が治っていくツイスター達を見てカバトンは慌てふためき、キメラングはブラペを興味深く眺める。
「か、回復なんてさせないのねん!おい、アンダーグウバウゾー!彼奴等にトドメを刺すのねん!」
『っ!』
回復が終わる前にトドメを刺そうと考えたカバトンはアンダーグウバウゾーの指示を出す。対してツイスター達は急いで迎え撃とうと考えた。しかし、治癒の力を使うブラペはツイスター達と同じく怪我をしており、更には治す対象が多い為回復の時間が掛かるのだ。その為、プレシャス達は時間を稼ごうとアンダーグウバウゾーに立ち向かおうとする。
「……いや、待ちたまえカバトン君。此処は彼女達を回復をさせてあげようじゃ無いか」
『えっ?』
「な、何を言っているのねん!?」
だが、キメラングの発言にその場にいる全員は思わず声を出し、カバトンは彼女に問い詰める。
「いやね、先程まで私のハイスペックアーマーが強過ぎて一方的過ぎてあまり良いデータが取れなくてね。新しいプリキュアが3人も現れたから改めて万全な状態で戦って戦闘データを取ろうと思った訳さ」
「巫山戯るな!データデータって、今はそんな事よりもプリキュア達を倒せるチャンスだろ!?」
こんな千載一遇とも言える機会を見逃せと言わんばかりのキメラングカバトンは怒鳴り声をあげる。
「とは言っても別に君が彼女達を追い詰めたんじゃなくてこの私が追い詰めたんだよ?それを君が倒せとか言う権利はあまり無いと思うけどなぁ…これ以上文句を言うなら君から排除してもいいんだよ」
「いいっ!?」
キメラングはカバトンの態度が気に食わないのかバイザー越しから敵意の眼差しを向けるとカバトンは思わず声を上げ、後退りする。
「わ、わかったのねん…だ、だけどこれで勝てないのなら許さないのねん!」
「はいはい、わかってるって…」
せめてカバトンは負けたら承知しないと言わんばかり態度を見せ、キメラングも軽い返事をするとツイスター達に視線を向ける。
「という訳で君達は安心して回復すると良いよ」
「……後悔する事になるわよ」
「なら、私を後悔させてくれ……出来るものならさ」
ツイスターの台詞に対してキメラングは自信満々に答える。その様子を見てキメラングは再び勝つ余裕があるのだろう。それに対して自分達は先程まで一方的にやられていた為、再び戦って勝てるのかと不安になる。
「大丈夫だよ。私達が力を合わせれば勝てるよ!」
「し、しかし…私達がキメラングと戦った際には一方的にやられてしまって」
「回復をしてもまた負けるかも…」
「「……」」
スカイとプリズムはすっかり自信を無くし、ウィングとツイスターも不安に駆られていた。
「ううん、きっと勝てるよ」
「……あんたもさっきまで見ていたでしょ?あのマッドサイエンティストだけじゃなくアンダーグウバウゾーにすら勝てないのよ。どうやって勝つって言うのよ?」
自信のあるプレシャスに対してツイスターは勝てる根拠でもあるのか聞く。
「おばあちゃんが言ってた。人の力も出汁も、合わせるのがミソだって」
「人の力も…」
「出汁も…」
「合わせるのがミソ?」
「どういう意味よ?」
プレシャスの口から出た言葉にツイスター達は彼女の言葉を反芻するが、意味を理解出来ず彼女にそれはなんなのかと問う。
「一緒にやればきっと出来るって事だよ!」
「プレシャス…」
そしてプレシャスの隣に立つスパイシーは彼女の言葉を聞いて何処か懐かしむ表情を浮かべる。
「私達は今までブンドル団からレシピッピを助ける為に戦って来たんだよ。時には強すぎて勝てそうに無い事があって、他にも仲間との意見が合わず喧嘩した事もあるけど、そんな時は仲直りをして更に絆を深めて一緒に強くなってきたんだ。みんなもそうじゃない?」
『っ!』
プレシャスの話を聞いてツイスターはハッとなり、思い返す。彼女の言う通り自分達もそうだ。プリキュアになって力を手に入れても勝てそうに無く、戦いの中で喧嘩をした事もあった。しかし、その度に戦いの中で和解し共に困難に打ち勝ってきたのだ。
「……そうだよね」
「思えば単純な事よね」
「僕たちが今一度力を合わせれば…!」
「きっと勝つ事が出来ます!」
4人はプレシャスの言葉が効いたのか先程まで不安だった表情から一変して自信が満ち溢れていた。
それから一同はブラペにより完全に身体の回復を終えると、カバトンとキメラングに視線を向ける。
「どうやら回復は終わった様だね」
「はい、回復するまで待って頂きありがとうございます」
「だけど私達は手加減はしないよ!」
「さっきまでの私達と一緒だとは思わない事ね」
「今の僕達はあなた達に勝って見せます!」
スカイを筆頭にそれぞれ自身に満ち溢れた表情を浮かべる。それを見てキメラングも嬉しそうに口角を上げる。
「良いよ。こっちもドローンの排熱処理は済んだからこちら全力で相手をしてあげるよ。カバトン君も引き続きウバウゾーのコントロールを任せるよ」
「チィッ、まぁ良いのねん。このアンダーグウバウゾーもTUEEEからお前たちを倒すなんて屁でも無いのねん!行けっ!アンダーグウバウゾー!」
『アンダーグウバウゾォォォォォ!!!』
キメラングとカバトンはアンダーグウバウゾーに乗ると動き始め、一同も戦いの構えを取る。
「みんな!いつも通りにやっちゃって!」
「「「「「うん(ええ)(ああ)!」」」」」
ローズマリーが発破をかけるとプレシャス達が返事をしてプレシャスを筆頭にスパイシーとヤムヤムとフィナーレにブラペは駆け出す。
「我々も行きましょう!」
「「「ええ(うん)!」」」
続いてスカイを筆頭にツイスター達も駆け出す。
「さて、カバトン君。プレシャス達とスカイ達どっちを相手にする?」
「なら俺は戦い慣れている彼奴等をやるのねん」
「それなら私はプレシャス達を相手にするよ」
キメラングからどちらと戦うかと聞かれ、何時も戦っているスカイ達と答えるとキメラングはプレシャス達の元へ駆け出す。
「さぁ、君たちのデータを取らせてもらおうか!」
「みんな行くよ!」
「「「「ええ(うん)(ああ)!」」」」
迫り来るキメラングにプレシャスはスパイシー達に声を掛けると5人はそれぞれバラバラに感覚を開ける。
「たああああっ!」
「はん!甘いよ!」
「え、うわっ!?」
プレシャスはキメラングに拳を入れようとするがキメラングは避けると同時に胸ぐらを掴み足払いをすると彼女を投げ飛ばす。
「やあああっ!」
「はあああっ!」
「同時攻撃は評価するが、軽い!」
続いてスパイシーとヤムヤムが攻撃を仕掛けて来るが2人の拳をを受け止める。
「「なっ!?」」
「ほら、動きを止まると痛い目に遭うよ!」
そのまま両肩のドローンから2人に対してレーザーを放とうとするが、
「させるかっ!」
「うおっ!?」
背後からブラペの放つ光弾を受けて、怯んでしまい2人の手を離してしまう。スパイシーとヤムヤムはその隙にキメラングから距離を取る。
「はああああっ!!!」
「今度は君かフィナーレ!」
間髪を入れずに続いてフィナーレが猛攻を仕掛け、対してキメラングは防いでいくも。
「戦っているのがフィナーレだけだと思うな!」
「ぐあっ!?やってくれるじゃ無いか!キメランラン!」
「な、ごあっ!?」
死角からブラックペッパーの蹴りがキメラングの脇腹に命中し、動きが止まるも直ぐに転移しブラぺの懐に入るとそのままアッパーカットを決める。
「ブラペ!「人の事より自分の心配をしな!」っ!」
やられるブラペを見て思わずキメラングから意識を逸らしてしまいその隙にキメラングはフィナーレに一撃を叩き込もうとするが、
「させない!」
その時、キメラングとフィナーレの間にスパイシーがメロンパン型のバリアを形成し、キメラングの一撃は防がれる。
「なにっ?」
キメラングは突然のバリアに目を丸くする。今まで彼女はスカイ達との戦闘経験はあるもののスパイシーの様なバリアの使い手とは相手をした事が無かった為、突然目の前で自分の攻撃を防いだスパイシーのバリアに一瞬動きが止まる。
「動きが止まっているぞ!」
「っ、ぐおっ!?」
動きが止まって隙を見せたキメラングにフィナーレはバリアを回り込むと彼女の胴体に掌底をくらわす。
「ぐ、やるねっ!」
キメラングはお返しと言わんばかりに両膝に装着しているドローンを飛ばしてフィナーレに向かってレーザーを放つも、フィナーレは飛んでくるレーザーを華麗に避けていく。それを見て更に攻撃するドローンを増やそうとするが、
「今度はこっちだよ!」
「っ!態々声を出して存在を示すとは少し馬鹿じゃ無いかな!」
その時、背後からプレシャスの声が聞こえキメラングは振り返るとこちらに向かって迫る彼女の姿を確認する。キメラングはプレシャスを迎え撃とうと拳を構える。そして、段々と距離が詰まりキメラングの間合いにプレシャスが入ろうとした時だ。
「プレシャス!」
その時再びスパイシーがプレシャスの側にバリアを発生させるが、出現した位置がプレシャスの斜め前である。
「はっ、バリアの出現場所を間違えた様だね」
プレシャスの前では無く別の場所にバリアが現れた事からスパイシーがミスしたのかと思いキメラングは鼻で笑うが、
「ううん、これでいいっ!」
「なにっ!?」
なんとプレシャスは出現したバリアを足場にすると一気にキメラングへも跳び上がる。それを見てキメラングは跳んでくるプレシャスを避けてしまう。プレシャスは入れ違う形でそのまま通り過ぎるのかと思いきや、彼女の跳ぶ先にスパイシーがバリアを形成させると再び足場にしてキメラングへと迫る。
「まさかこれを狙って!?」
プレシャスとスパイシーの相談無しにやってのけるコンビネーションに驚くキメラング。対してプレシャスは跳ぶ勢いを利用して拳を構える。
「2000キロカロリーパーンチッ!!!」
プレシャスの腕に2000の数字が現れ、それを右腕に纏わせるとキメラングに向かって一撃を叩き込む。
「くっ、カウンターパンチ!」
右肩に付いているドローンが一瞬で右手へ装着しボクシンググローブの様に変形し、プレシャスのパンチを相殺する様にキメラングも拳を打ち付ける。
威力は同等だった様で衝撃によりお互いは後ろに吹き飛ぶ。ただ、キメラングは直ぐに反撃するべく右手に装着したドローンを元に戻してドローンに装備してあるミサイルを発射しようとした時だ。
「ピリッtoヘビーサンドプレス!」
「うおっ!こ、拘束技だと!?」
スパイシーが両手にそれぞれ二枚重ねの食パン型のエネルギーを出現させるとキメラングの身体をサンドイッチの如く挟み込み拘束する。
「こ、こんな物、ハイスペックアーマーの出力で直ぐに抜k「バリバリカッターブレイズ!」んなっ!?」
その時スパイシーの拘束から抜け出す事に意識していた為、近くにいたヤムヤムの存在に気付くのに遅れ、彼女の放つ斬撃を浴びてしまう。
「ぐ、小癪な!キメランラン!」
「はにゃ!?消えた!」
キメラングがその場から姿を消した事にヤムヤムは驚きの表情を見せる。そして、彼女の背後に転移したキメラングが現れる。
「背中がガラ空きだよ!」
「「ヤムヤム!」」
「っ!」
プレシャスとスパイシーが彼女の名を叫ぶとヤムヤムは背後に立つキメラングに気付くも時既に遅く、キメラングはヤムヤムの背中に手刀を叩き込もうとするが、
「させるかっ!」
「なっ!?」
その時、ブラペが高速移動するとキメラングの手を蹴り上げる。キメラングは距離を取って再びミサイルを放とうとした。
「プリキュア・フィナーレ・ブーケ!」
「くっ!」
更にフィナーレの放つ攻撃にキメラングは慌てて避ける。そして、彼女の視線の先にプレシャス達5人が並び立つ。
「…やるじゃないか!これは実にデータの取り甲斐があるじゃないか!」
キメラングも先程までとは全然自分にやられていたフィナーレとブラペがプレシャス達と共に自身を追い詰めている事にまるで新しい玩具を手に入れた子供の様な笑みを浮かべる。
─────────
一方でカバトンの操るアンダーグウバウゾーと戦っているツイスター達は防戦一方であった。
「ギャーハッハッハッ!!!お前等YOEEE!そして俺様TUEEE!!!」
「「「「くっ!」」」」
折角4人揃って戦っているが先程まで自分達が苦戦していた敵だ。簡単に逆転させてくれない。更にはカバトンはツイスター達とは何回も戦っている経験がある為、攻撃パターンを把握している。
(不味いわね。このままじゃ、逆転が難しい…)
アンダーグウバウゾーは今までカバトンが作り出してきたランボーグと比べてとても強力である為下手に戦えば全滅する。どうすれば良いかと悩んでいると、
「…ん?」
その時、地面に軽く足を引き摺らせると砂が大量に舞う。
「…そうだ、これよ!」
「ツイスター…何か良い案が思いつきましたか?」
大量に舞う砂を見て何か作戦を思いついた様子のツイスターにスカイは妙案が思いついたのかと思い話しかける。
「みんな私の話を聞いてくれる?この状況を打開する策を思いついたわ」
「本当ですか!?聞かせて下さい!」
ツイスターは自分の考えた作戦を聞いてくれるかと声を掛けると、スカイ達は彼女を信頼して思いついた作戦について聞く。
「何をごちゃごちゃ話しているのねん?よく分からないが、隙ありなのねん!」
『アンダーク、ウバウゾォォォォッ!!!』
作戦会議をしている4人に向かってカバトンはアンダーグウバウゾーの大量のエネルギー弾を放つが、4人は飛んでくるエネルギー弾に気付きその場から跳び上がってエネルギー弾を回避する。
「みんな準備は良いかしら?」
「「「はい(うん)!」」」
ツイスターは3人に声を掛けると3人とも返事をし、それを見たツイスターはテンペストバトンを取り出すとスカイトーンを装填する。
「大いなる風よ!私達に力を!」
そう言うと手元からテンペストバトンが離れ、ハート型からバトン形態に変形すると回転して強烈な風を発生させる。
「プリキュア!ストームフィールド!」
テンペストバトンから放たれる風が4人の身体を覆うと緑のオーラへと変わる。
「みんな行くわよ!」
ツイスターを先頭に4人は物凄い速さで駆け出していく。それを迎え撃とうとアンダーグウバウゾーは再びエネルギー弾を放つも全て避けられていく。一方でツイスター達は攻撃を避けるとアンダーグウバウゾーの周りを物凄い速さで回っていく。そして地面の砂が大量に舞い上がると共にアンダーグウバウゾーの巨体を覆うほどの砂の竜巻が発生する。
「うえっ、ぺっぺっ!周りが見えないのねん!」
『ウ、ウバ…』
カバトンとアンダーグウバウゾーは竜巻に閉じ込められその中に発生する砂嵐により周りが見えなくなってしまった。
「くそっ、このままじゃ何処から奴等が攻撃を仕掛けて来るのか分からないのねん!」
カバトンは目を凝らして辺りを見渡すと砂嵐から人影らしき物がこちらに迫っている事に気がつく。
「見つけた!そこなのねん!」
『ウバウゾー!』
カバトンの指示した場所にアンダーグウバウゾーは腕を伸ばしてその影を捕まえるが、その影の正体はただの大きな岩であった。
「な、これは違うのねん!」
だが時既に遅し、四方八方から何かが飛び出して来るとアンダーグウバウゾーの胴体に巻き付き動きを止める。
「げげっ!?これは、フード娘のマフラー!?」
アンダーグウバウゾーの身体を拘束する物の正体がツイスターのマフラーだとわかった瞬間、前方から四つの影が飛び出し襲いかかってくる。
「「「「プリキュア!クアドラプルキック!」」」」
『ウバァーッ!?』
「のねーん!?」
スカイとプリズムとツイスターとウィングによる同時のキックがアンダーグウバウゾーの胴体に命中しその巨体を倒す。同時に乗っていたカバトンもアンダーグウバウゾーから転がり落ちる。
「ぐげっ!?」
しかもカバトンは運悪く落ちた先にあった岩に頭をぶつけて気絶してしまう。
そして、周りに発生していた竜巻が止むと同時に周りを見えなくしていた砂嵐も収まり4人は辺りの景色を把握するとカバトンが気絶し捕獲箱を手放している事に気がつく。
「しめた!豚男の奴が箱を手放したわ!」
「アレを取ればアンダーグウバウゾーを制御できます!」
ツイスター達は捕獲箱を手に入れようと駆け出していく。そして、その様子がプレシャス達と戦闘しているキメラングの視界に入る。
「全く、カバトン君は何やっているんだい。キメランラン」
キメラングは転移するとカバトンの側に出現し地面に落ちている捕獲箱を拾い上げると、背後にある大きな岩へ跳び上がり、スカイ達とプレシャス達がその岩の前へとやって来る。
「観念しなさいキメラング!」
「大人しくその捕獲箱をこっちに渡すんだ!」
スカイとフィナーレはキメラングに負けを認めて捕獲箱を渡す様に言う。
「いや、まだ、奥の手がある。インストール、アンダーグエナジー!」
倒れているアンダーグウバウゾーに向かってアンダーグエナジーを注ぎ込むとアンダーグウバウゾーは顔つきが更に鋭くなり、頭部に巨大なヘルメットが装着され腕もそれぞれ巨大な大砲へと変化する。
「暴れろ!アンダーグウバウゾー!!!」
『アンダーグ、ウバウゾオオオオオッ!!!』
更に強化されたアンダーグウバウゾーは両手の大砲からそれぞれ巨大な光線を放ち、一同を吹き飛ばす。
『うわあああああっ!!!』
一同はダメージが深く、全身の痛みに悶えて中々立ち上がる事が出来ない。
「皆んな!」
「スカイ!プリズム!」
「ツイスター!ウィング!」
「える、ぷいきゅあああっ!」
倒れる一同にローズマリー達は思わず飛び出しそうになる。
「さて、今度こそ終わりかな…。まっ、君たちは良くやったよ。私の作り出したこのアーマーとアンダーグウバウゾーによく奮闘出来た物だよ。誇るといいよ」
キメラングは倒れたプリキュア達を見て自身の勝利を確信する。
「ま、まだよ…!」
「おっ?」
しかし、キメラングの気持ちとは裏腹に腕を庇いながらもツイスターがその場から立ち上がり、それに続いて他の皆も立ち上がる。
「これくらいの困難…私達は何度も乗り越えました」
「そうだよ。私達が揃えばどんな事でも出来る」
「僕たちは諦めません!」
「何せ、私達は仲間なんだから!」
スカイを筆頭にそれぞれまだ諦めておらず互いに支えなあいながら立ち上がる。
「みんな…私達も」
「そうね…」
「負けていらねないよ!」
「ああ、今一度我々の本気を見せる時だ!」
「そうだな!」
プレシャス達も彼女達を見て自分達もダメージでフラフラではあるものの何とか立ち上がる。
「大した物だね…なら、アンダーグウバウゾー!全エネルギーを集中、この辺りを吹き飛ばせ!」
『アンダァァァァァグゥゥゥゥゥゥゥゥゥウッ!!!』
両手の大砲を合体させ先程よりも一回りも二回りも巨大な大砲へと変わり、エネルギーをチャージじていく。
そして、その光景を離れた場所でローズマリー達が見ていた。
「不味いわ!あのウバウゾーはこのデリシャスフィールドの中のを物を全て消し飛ばすつもりよ!」
「な、なんだって!?」
「それってやばいじゃん!」
「えるぅ〜」
ローズマリーはアンダーグウバウゾーが何をするのか見抜き、それを聞いたあげはとひかるは焦りの表情を見せ、エルも泣き出しそうになる。
「…貴方達はデリシャスフィールドの外へ避難して、此処は危険だから」
せめて戦えない2人とエルを逃がそうとデリシャスフィールドの外へ連れ出そうとするが、
「待ってマリちゃん。最後までここに居させて」
「ええっ!?駄目よ!此処は危険なのよ!」
あげはの発言に思わずローズマリーは目がひん剥きそうになるくらいに驚きつつ、彼女を説得しようとする。
「年下のあの子達が戦っているのに大人の私が逃げる訳無いじゃん!」
「でも、あの子達と違って貴女達はただの一般人よ。悔しいけど、此処は逃げるのが正解よ」
「私は今日あの子達の保護者代わりとして今日一緒にいるんだよ。それなのにあの子達を置いて逃げる訳に行かないよ!」
「あげは…」
あげはの発言にローズマリーはゆいとここねにらんが自身の危険を顧みずデリシャスフィールドに入ってウバウゾーに逃げず立ち向かおうとする姿勢を思い出す。
「……わかったわ。これ以上は説得しても無駄みたいね。良いわよ」
「ありがと、マリちゃん」
ローズマリーから許しが出た事にあげは感謝の言葉を伝える。
「ひかる君とエルちゃんはどうする?」
続いてローズマリーは視線をエルとひかるに移してこの場に残るかそれとも一緒に見守るか相談する。
「俺もこの場に残ります。ツイスター達の戦いを最後まで見て行きたいんだ」
「えるっ!」
ひかるもどうやら残る様だ。エルも先程まで泣きそうだったが2人に感化された様でこの場に残ると言わんばかりの表情を浮かべる。
すると、ローズマリーはひかるの様子を見て何か気が付いたみたいで恐る恐るあげはに話しかける。
「ねぇあげは。もしかしてひかる君って…」
「あっ、わかっちゃった?ひかる君はツイスターにぞっこんなのよ」
「ええっ!?やだ、それって本当!」
ローズマリーはひかるがツイスターに向ける感情を察して彼に温かい眼差しを向ける。
「え、えっと…何か?」
「なんでも…ひかる君。私は応援しているからね」
「?」
ひかるに対してウインクをしながらサムズアップをするローズマリー。彼は大人として恋する少年を心から応援するのであった。