ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第36話 戦いの決着、そして楽しいパーティ

デリシャスフィールド内を全て吹き飛ばす威力の光線のチャージが終わろうとするアンダーグウバウゾーにプリキュア達はそれぞれ構えていた。

 

「さて、どうしようかしら?」

 

正直ツイスターは今回ばかりは勝つイメージが思い浮かばず冷や汗を流してしまう。

 

「勿論、いつも通りに勝ちます」

 

「うん、スカイとツイスターにウィングがいれば絶対勝てるよ」

 

「ええ、これまでの様にやれば必ずこんな危機突破できます!」

 

しかし、スカイ達は逆に自信に満ち溢れた様子で負けるなんて微塵も考えていないようだ。

 

「ふふっ、あんた達の自信満々なその顔が頼もしく思えるわ」

 

3人の顔を見て思わず笑みが溢れツイスターも次第に自信が溢れてくる。

 

「なら、全力でやるわよ!」

 

「ええ、やりますよ!」

 

「うん!」

 

「僕も出来る限りの事を尽くします!」

 

ツイスターの掛け声に応じてスカイとプリズムはスカイミラージュを構える。

 

「コメコメ、力を貸してくれる?」

 

「コメ!」

 

プレシャスの腰に付いていたコメコメはプレシャスの呼びかけに強く答える。

一方でアンダーグウバウゾーはエネルギーのチャージを終え、キメラングは漸くかと口元を緩ませる。

 

「エネルギーチャージ完了♪…さて、そろそろお終いにしようか!アンダーグウバウゾー!」

 

『アンダーグ、ウバウゾオオオオオッ!!!』

 

アンダーグウバウゾーは溜め込んだエネルギーを合体した大砲から一同に向けて巨大な光線が放たれる。

 

「来ます!」

 

「「「うん(ええ)(はい)!」」」

 

スカイとプリズムはスカイトーンを取り出すとスカイミラージュに装填し、ツイスターはテンペストバトンにスカイトーンを装填する。するとテンペストバトンから竜巻が放たれ、スカイとプリズムの身体を包み青と白のオーラへと変化する。

 

「ひろがる勇気!」

 

「輝く希望!」

 

「嵐を起こす絆と共に!」

 

そこにツイスターが更にエネルギーを照射する。そして、スカイとプリズムが手を繋ぐ。

 

「「エクストリーム!」」

 

「ツイスターズ!!!」

 

スカイとプリズムの空いている手を突き出すと目の前に三つのリングが出現し、それが重なると青と緑と白のエネルギーが放出され、アンダーグウバウゾーの光線に命中するがこちらの方がやや不利で押されている。

 

「くっ!」

 

「ううっ!」

 

「負ける訳に…行かない!」

 

3人は体に残されたエネルギーを全て使ってエクストリームツイスターズを放つもアンダーグウバウゾーの放つ光線の方が威力が高く段々と光線がエクストリームツイスターズを呑み込んでいく。

 

「3人とも頑張ってください!」

 

ウィングがツイスターの背中を支えて自身のエネルギーを彼女に注ぎ込み、エクストリームツイスターズの威力を上げていた。しかし、それでも少し押されるペースが遅くなっただけで焼け石に水の状態だ。

 

「みんな!私達も行くよ!」

 

「「「「ええ(うん)(ああ)!」」」」

 

戦っているツイスター達に協力しようとプレシャス達も自分達の最大の技でアンダーグウバウゾーに打ち勝とうと動き出そうとし、プレシャスの腰についていたコメコメが人間の少女の姿(但し、頭には狐の耳と腰に尻尾がある)へと変化する。

 

「コメコメの力を皆に!」

 

コメコメ(人間体)が胸の飾りからハート型のエネルギーを4人に照射するとプレシャス達3人のハートキュアウォッチとフィナーレの持つハートフルーツペンダントの見た目がリボンと花飾りがあしらわれた物へと変化する。

同時に4人の左手の中指に金色の指輪…パーティアップリングが装着されると、桃、青、黄、紫の花の飾りがついた蝋燭を模した4本の杖が現れる。

 

「「「「パーティキャンドルタクト!」」」」

 

四人はその杖…パーティキャンドルタクトを手にするとそれぞれ言葉を叫んでいく。

 

「笑顔のパワー!」

 

「分け合うパワー!」

 

「情熱のパワー!」

 

「正義のパワー!」

 

「プリキュア!パーティアップ!」

 

コメコメが再びエネルギーを四人に照射すると、4人の衣装が豪華な物…パーティアップスタイルへと変化する。

そして、それぞれパーティアップリングとパーティキャンドルタクトを重ね合わせての力を増幅させると4本のタクトの先端を重ねる。

 

「「「「心を一つに!」」」」

 

四人がハートを描くとそれがエネルギーとして飛んでいき、そのままエネルギーと重なる様に飛ぶ。

 

「「「「プリキュア!ライト・マイ・デリシャス!」」」」

 

四人がエネルギーを纏って巨大な光線に目掛けて突撃する。

 

「「「「ぐぅぅぅ!」」」」

 

「成る程、これが君たちの最大技か!だけど、私には更に奥の手を隠し持っているのさ!」

 

そう言ってキメラングはかつてランボーグを強化していたドーピングカプセルを取り出すとそれをアンダーグウバウゾーに投げ込もうとした。

 

「させるかーっ!」

 

「な、なにぃーっ!?」

 

その時、キメラングの死角からブラペが現れると彼女が持っていた捕獲箱とカプセルを蹴り飛ばした。そして、捕獲箱を手放してしまった事によりアンダーグウバウゾーが放つ光線の出力が下がっていく。

 

「今です!」

 

『うん(ええ)(はい)(ああ)!』

 

捕獲箱を手放した事で光線の威力が下がった今、全員はフルパワーを発揮して光線を押し返していく。

 

「っ、余計な真似を!!!」

 

「があっ!」

 

キメラングは怒りを露わにするとブラペを蹴り飛ばし、彼は近くの岩へと叩きつけられ地面に落ちる。

 

『ブラペ!!!』

 

「俺の事は構わず…やれぇっ!」

 

ブラペの行動を無駄にしない様に全員は力を緩めず最後まで出し尽くしていく。このままアンダーグウバウゾーを貫こうとした。

 

「そうはさせないよ!」

 

キメラングは負けまいとアンダーグウバウゾーの頭部に乗ると自身の胸部にあるドローンを変形させビーム砲にする。

 

「くらえっ!デスメットキャッ!?」

 

キメラングも負けじとデスメットキャノンを放とうとした時、突然身体が重くなり同時に力が抜ける。キメラングは一瞬何が起こったのか理解出来なかったが、直ぐに原因がわかった。

 

(しまった!ドローンがオーバーヒートを!?)

 

なんとタイミング悪くキメラングの纏うドローンがオーバーヒートを起こして、機能が停止したのだ。

 

『はああああああっ!!!』

 

「くっ、キメランラン!」

 

そして、そのままなす術なく必殺技を浴び、その背後に立つアンダーグウバウゾーと共に巻き込まれそうになるも転移して逃げ、アンダーグウバウゾーだけが技を受けてしまう。

 

『オナカイッパ〜イ!』

 

技を受けた事により先程まで恐ろしい表情だったアンダーグウバウゾーの顔は幸福に満ち溢れた表情へと変わる。そしてプレシャス達がキャンドルの火を消すとコメコメと共に合掌する。

 

「「「「「ご馳走様でした!」」」」」

 

アンダーグウバウゾーが浄化されると同時に取り込まれていたレシピッピと捕獲箱の中にいたレシピッピが解放される。

 

『ピピピーッ!』

 

「おかえり」

 

プレシャス達が持つそれぞれのハートキュアウォッチにレシピッピ達が入っていく。

 

「やったなプレシャス」

 

「拓海⁉︎大丈夫なの?」

 

少しボロボロになっているブラペを心配そうに見つめるプレシャス。

 

「心配するな。これくらい大した事ねえよ」

 

ブラペは岩に叩きつけられたものの其処まで大きなダメージでは無い為、動くのには余裕があった。

 

「皆さん、ありがとうございます」

 

「皆んなのお陰で助かったよ」

 

スカイとプリズムはアンダーグウバウゾーを共に浄化したプレシャス達にお礼を言う。

 

そしてプレシャス達の元へスカイ達がやって来ると彼女達にお礼を言う。

 

「ううん、私達だけじゃ無いよ」

 

「ああ、君達の協力もあって勝てたものだ」

 

スカイ達の言葉に勝てたのは自分達だけじゃなくスカイ達の力もあって勝てたのだとプレシャス達は返す。一方でツイスターとウィングは少々複雑そうな表情を浮かべる。

 

「なんだか私達の技と比べて…プレシャス達の技が物凄く強く感じたわ」

 

「ええ、ほんと…なんと言うか明らかに経験の差が凄いですね…」

 

今回、現状自分達の最大の攻撃力を誇る技を使ったがその後プレシャス達がやった技を間近で見て段違いであると感じ取ってややジェラシーに見合われていた。

それも仕方ない事だ。自分達はプリキュアになってから半年行かないくらいに対して彼女達は一年戦ってきたのだからその差は歴然だ。

そんな2人に対してスパイシーとヤムヤムが話しかけて来る。

 

「そんな事無いわ。みんなも凄かったわ」

 

「そーだよ。らんらん達にも負けないくらいのチームワークであのウバウゾーと戦っていたんだから充分すごいよ」

 

「そ、そうかしら?」

 

「な、なんだか照れますね」

 

2人の嘘偽りのない褒め言葉にツイスターとウィングは照れた表情を浮かべる。

 

「ところで一つ質問良いかしら?」

 

「なぁに?」

 

軽く咳払いをして態度を改めたツイスターがヤムヤムに話しかけると視線をとある人物へと向ける。

 

「…その子誰?」

 

「コメ?」

 

ツイスターの視線の先にはコメコメ(人間体)が立っていた。

 

「なんか知らない内に現れて4人をパワーアップさせていたっぽいけど、誰なの?」

 

「そういえばそうですね」

 

「こんな可愛い子戦い始めてからいなかったよね?」

 

「誰なんですか?」

 

ツイスター達4人は目の前に立つ少女の正体を知らずただプレシャス達が必殺技を出す際に唐突に現れては強化し、最後に台詞を言った印象しか無い少女の正体が気になっていた。

そんな4人に対してプレシャス達は互いに顔を見比べるとクスリと笑みを浮かべて答える。

 

「その子はコメコメだよ」

 

「「「「…え?」」」」

 

プレシャスの発言に4人は思わず固まる。その一方でコメコメ(人間体)頭を撫でるとポフンと音と煙をたてると元の姿へと戻る。

 

「コメッ!」

 

「「「「ええええええっ!?」」」」

 

「すごいリアクションだね」

 

4人の驚く姿にプレシャスは自分達もコメコメが人の姿へ変化した時の事を思い出す。

 

「コメコメだけじゃ無いパム」

 

「メンメン達も!」

 

スパイシーとヤムヤムの腰に付いていたパムパムとメンメンも自分達の頭を撫でるとコメコメと同様にポフンと音と煙をたて、人間の少女と少年の姿へと変わる。

 

「ええええっ!?」

 

「パムパムちゃんとメンメン君も!」

 

「まさか、狐と犬と龍が人間になるなんて…!」

 

「ウィング…やっぱりギャグのつもり?」

 

コメコメと同じく人間の姿になったパムパム達にスカイ達は驚き、ツイスターはウィングの発言に対して"おまいう"と言わんばかりの視線を向ける。

 

一方でギリギリ転移して技を避ける事が出来たキメラングは近くの岩場で一同の様子を見ていた。

 

「まさか、この私が無様に逃げる事になるなんて…!」

 

折角手に入れた捕獲箱もアンダーグウバウゾーが浄化された事により連動して壊された挙げ句、捕まえたレシピッピも解放されてしまった。更には戦いに夢中になりドローンの活動限界時間の事を忘れるとまんまと逃げる羽目になった醜態を晒す事になったキメラングは珍しく悔しい表情を浮かべた。しかし、彼女は割と直ぐに冷静になる。

 

「……まぁ良いさ。捕獲箱のデータは既に手に入れている上に彼女達の戦闘データは取れた。それに……面白い物も手に入れたしね」

 

そう言うとキメラングは一機のドローンを呼び出すとそのドローンはおいしーなタウンの店の一つにあった招き猫をワイヤーで捕獲していた。

 

「この招き猫からはプレシャス達から発するエネルギーを微かに感じる。調べれば何か面白いものが見つかるかもしれないからねぇ〜」

 

街の至る所にあった招き猫からプレシャス達と似たエネルギーを発している事に気付いたキメラングはスカイとフィナーレとの戦いのどさくさに紛れてサンプルとして1つ入手していたのだ。

 

「さて、今日の所は帰るとしようか。この招き猫から発するエネルギーを調べる他にハイスペックアーマーの連続稼働時間を伸ばせる様に改良し無いといけないからね。キメランラン♪」

 

キメラングはそう言って存在を悟られぬ様にその場から撤退していった。

 

─────────

 

一方でプリキュア達はローズマリー達と合流して労いの言葉を貰っていたが、プリズムが何かに気付き一同に話しかける。

 

「ねぇ、みんな……あれはどうしようか?」

 

『あれ?』

 

一同はプリズムが指をさした場所へ視線を向けると其処には気絶しているカバトンがいた。

 

「か、カバトン!?」

 

「そう言えば豚男って、頭をぶつけて気を失っていたのよね」

 

一同は気絶しているカバトンの存在に気付き一体どうしようかと悩む。敵とはいえ気絶した相手を放置する訳にはいかずかと言って起こすのはどうかと殆どは頭を悩ませていると、

 

「豚さん起きて」

 

「起きるコメ」

 

『って、プレシャス!?』

 

なんとプレシャスがコメコメと共にカバトンを揺さぶって起こそうとしていた。そして、カバトンもプレシャスの呼び掛けに反応して意識を取り戻し、瞼をゆっくりと開ける。

 

「んあ、此処は…って、お前は!?」

 

「あっ、起きたんだね豚さん!」

 

「俺はカバトンだ!…って、あれ?アンダーグウバウゾーとキメラングは何処なのねん?」

 

気絶する前に自分が操っていたアンダーグウバウゾーと更にプレシャス達が戦っていたキメラングの姿が無い事に気が付き辺りを見渡すが、視界には先程まで自分が戦っていたプリキュア達と戦いを見ていたローズマリー達しかいない事に気がつく。

 

「ま、まさか…負けたのねん!?」

 

折角プリキュア達を今までに無いくらいに追い詰めたと言うのに結局負けたのだとこの場の状況を見て嫌でも理解せざるおえない。そんな事実にカバトンは思わず両手を地面についてショックを受ける。

 

「元気出して、おばあちゃんも失敗は成功のもとだって言っていたからきっと次は勝てるよ」

 

「うるさいのねん!お前の慰めなんていらないのねん!」

 

落ち込むカバトンを見てプレシャスは不憫に思ったのか敵であるにも関わらず慰めようとするが、カバトンにとっては彼女の行動は煽る様な物に近かった。

余計カバトンの機嫌が悪くなって罪悪感を感じたプレシャスはなんとかいい言葉はないかと考えていると、プレシャスのお腹から大きな音が周りに響き渡る。

 

「た、戦ったらはらぺこった〜……ん?」

 

「へ…な、なんなのねん?」

 

お腹を空かせたプレシャスだったが、じーっとカバトンを見つめる。対してカバトンも何故彼女が自身を見つめているのか分からなかった。

すると、彼女はとんでもない事を口に出す。

 

「……豚丼、とんかつ、生姜焼き、ローストポーク…えへへ、どれも美味しそう」

 

『…えっ?』

 

プレシャスの発言に一同は思考が凍る。先程から彼女は料理の名前を口に出しているが、全て豚肉を使った料理。そして、それはカバトンを見て思いついたのだ。という事はプレシャスはカバトンを食べる気なのかと彼女を除く一同は思い込む。

 

「ぎゃああああああっ!?く、食わないでくれえええええっ!!!カバトントン!!!」

 

プレシャスの発言にカバトンは顔を青ざめ怯えながら撤退するのであった。そして、プレシャスとカバトンのやり取りを見ていた一同は彼女に近づく。

 

「お、おい、プレシャスさっきのは冗談だよな?」

 

「まさか、カバトンを食べるつもりだったんですか!?」

 

ブラペとスカイからカバトンを食べるつもりだと疑われてしまったプレシャス。

 

「ご、誤解だよ!豚さんを見ていたらつい豚肉を使った料理を思い浮かんじゃって…」

 

「いや、明らかにあんたあの豚男を食べる気満々だったわよね」

 

弁明しようとするプレシャスだったが、ツイスターを筆頭にあれは正に弱肉強食、食物連鎖を表した光景であったとその場にいた一同はそう思ったのであった。

 

─────────

 

それから数時間が経ち、一同はゆいの実家兼、彼女の母が営んでいる定食屋なごみ亭へやってきていた。

普段はこの時間帯は普通に店をやっているが急遽店は休む事になっていた。その訳は─────。

 

「さぁ、みんなグラスを持った?それじゃあ、これより遠い街からやってきたひろがるスカイプリキュアの歓迎パーティーをやるわよ!乾杯〜♪」

 

『かんぱぁーい!』

 

お店を貸切にしてパーティを開いていたのだ。あの後、激しい戦いもあって全員揃って空腹になり何処かの店で食事を摂ろうと考えたが、ゆいが今回のプリキュア同士の出会いを記念にパーティを開こうと提案し、一同は彼女の提案を賛成したのだ。その際にゆいの母親である和実あきほから許可を得て、更には店を貸し切りにしてパーティー会場にしてくれたと言う訳だ。そう言う事があって一同は大きめのテーブルに並んでいる沢山の料理を少しずつ小皿に取り食べていたのだ。

 

「あーん、うーん!この料理は物凄く美味しいですねましろさん!」

 

「ほんとそうだね!」

 

ソラは料理を頬張ってその美味しさに笑みを浮かべ、ましろも同じ物を食べて同じ笑みを浮かべる。

 

「やったー!漸くサンドイッチが食べられるね!」

 

「ええ、僕たちはタイミングが悪かったから食べらませんでしたが、今はちゃんと食べられますね」

 

あげはとツバサはタイミング悪くサンドイッチが食べられなかった為、早速テーブルに並べられていたサンドイッチを頬張ろうとした。

 

「あ、あの…2人と一緒に食べていいですか?」

 

その時、ここねが2人の元へやってきて一緒にサンドイッチを食べても良いかと恐る恐る聞いて来る。

 

「勿論だよここねちゃん!」

 

「はい、ご飯は一緒に食べた方が美味しいですから」

 

「っ、あ、ありがとうございます!」

 

ここねは2人の話を聞いて嬉しく思い、お礼を言うと共にサンドイッチを頬張って美味しそうな表情を浮かべる。

一方でらんは料理は食べずに辺りを見渡して何かを探している様子だ。すると、そんな彼女が気になったのか先程までたらふく料理を食べていたひかるが話しかける。

 

「おーい、らんさんどうしたんだ?」

 

「あ、ひかる君。実はメンメンを探しているんだけど何処に行ったか知らない?」

 

「メンメンってあの小さい龍の事か?」

 

どうやら彼女が探しているのはメンメンのようだ。ひかるも辺りを見渡すがメンメンは見当たらなかった。

 

「いや、俺も知らない」

 

「そっか、パーティーが始まるまでいたのにな。何処に行ったんだろう……ん?」

 

するとらんは店の隅っこで椅子に座って何かをしているらんこの姿が目に入る。

 

「おーい、らんこちゃん料理を食べずに何をしてるの……って!」

 

「ん、らんどうしたの?」

 

らんは思わず目の前の光景に一瞬思考が停止する。其処にはらんこの膝の上にメンメンだけでなくパムパムとコメコメが幸せそうな表情を浮かべていた。

 

「めぇ〜ん」

 

「ぱむぅ〜」

 

「こめぇ〜」

 

「はわわっ!?な、何しているのらんこちゃん!」

 

「うおっ、ものすげぇ幸せそうな顔を浮かべている…」

 

パーティーの最中だと言うのに食事せずエナジー妖精達と何やら戯れているらんこに思わずらんは声を荒げ、ひかるも3匹が彼女によって幸せそうな表情になっている事に思わず驚いている。

 

「何って調査よ。調査」

 

「「調査?」」

 

らんとひかるはらんこの口から今やっている

 

「そうよ。この子達はこの世界の生き物と違って空を飛べて人の言葉を話せるし、人の姿にもなれる。更にこの子達はらん達をプリキュアに変身させる力もあるから興味が湧いてこうやって調べているのよ」

 

「へぇー、そうなんだ」

 

「随分勉強熱心なんだな」

 

──嘘である。

本当は先の戦いにて見た時からその愛くるしさにらんこは触ったり抱き締めたいと思い、身体を調べるなんて口実を作って合法的に触れようと考えていたのである。(2回目)

更に言うと、前回のツバサから反省して動物の撫で方について勉強して撫でテクをマスターしていたのだ。

 

(ああ〜、何かしらぁ〜ツバサも良かったけど、この子達も負け劣らず良い感触をしているわ〜。コメコメとパムパムは毛並みが良いし。可愛いわ〜。メンメンは毛がなくて鱗でザラザラかと思ったけど、そんなに硬くなくて寧ろ柔らかくてモチモチしていて生き物として温かさを感じるわぁ〜」

 

心の中ではすっかりツバサの時の様にエナジー妖精達の虜になっていた。気が少しでも緩めば今の心の声が表に出て、一同に見せている己のキリッとした表情も崩れて気が抜けた顔になってしまう。そうならない様になんとからんこは保ち続けていた。

 

「…らんこちゃん本当は調査なんて嘘だよね」

 

「思いっきり心の声が口から出ていたぞ」

 

「……え?」

 

ただ、どうやら後半の部分の心の声が口に出てしまって2人に聞かれたようだ。それを知ったらんこは段々と顔を真っ赤に染めていく。

 

「そ、そんな事よりもお腹が空いたわ!ほら、皆んなもそろそろパーティの食事を食べるわよ!」

 

((誤魔化した…))

 

強引に話題をずらしてらんこはコメコメ達を連れてパーティの料理を食べに行く。そんな彼女を見てらんとひかるは思わず苦笑いを浮かべる。そして、らんこは先程の己の恥ずかしい姿を見られた事を忘れる様に料理をヤケ食いしていると、ツバサの声が聞こえる。

 

「あれ、あげはさんピーマン残していますよ」

 

「んむぅ?」

 

直ぐ側から聞こえてきた声に反応してそちらへ視線を向けると其処には何やら苦い表情を浮かべるあげはとツバサがいた。

 

「どうしたのツバサ?」

 

「あ、らんこさん聞いて下さいよ。あげはさんがさっきからピーマンを残しているんですよ」

 

「ピーマンを?」

 

ツバサの説明を聞いてあげはの方へ視線を移すと彼女の持つ皿には青椒肉絲が乗っており、其処からピーマンが端っこに寄せてある。これはツバサの言う通り、残しているようだ。

 

「あはは、どうも昔からピーマンが苦手でね」

 

「いや、子供ならまだしも大人のあげは姉さんは残さないでよ」

 

苦手なピーマンを残すあげはを見てらんこはツバサと同じく呆れた表情を浮かべると、

 

「あげはさんもピーマンが苦手なんですか?」

 

「あ、ここねちゃんそれにコメコメちゃん」

 

会話が聞こえてきたのか彼女達の元へここねがやってきて、更にはコメコメ(人間体)があげはの側に駆け寄ると不安そうな顔を浮かべる。

 

「実は私も少し前までピーマンが苦手だったんです」

 

「え、そうなの?」

 

「あれ、過去形って事はもう既に克服済みって事?」

 

ツバサが気になって聞くとここねはうんと頷く、それを聞いたあげはは少々残念な顔を浮かべるとコメコメが話しかける。

 

「あげはもピーマン大王と仲良くしなきゃ駄目コメ」

 

「「「ピーマン大王?」」」

 

ピーマン大王という初めて聞く言葉に3人は思わず揃って口に出す。

 

「コメコメもピーマン苦手だったけど、ここねと一緒に食べれる様になったコメ!」

 

「へぇ、やるじゃんコメコメちゃん(ピーマン大王?)」

 

「苦手な物を克服するのは凄いですよ(ピーマン大王?)」

 

「見た感じ幼そうなのにピーマンを食べられるなんて偉いわね(ピーマン大王?)」

 

コメコメがピーマンを食べられると知ると3人はそれぞれ彼女を褒めるが、コメコメの口から出たピーマン大王と言う言葉が脳裏に残っていた。

そんな中あげははコメコメとここねを見て決心する。

 

「よし、決めた。私もピーマンを食べるよ!」

 

「急にどうしたんですか?」

 

突然ピーマンを食べる宣言するあげはにツバサは先程までと考えを変えた彼女を見て不思議に思う。

 

「ここねちゃんとコメコメちゃんが頑張って克服したんだから大人である私も此処でピーマンを食べないと思ったんだんだよ」

 

どうやら2人を見て感化したあげはは自分もいつまで苦手にしたおかず、ここいらで克服しようとするつまりだ。

 

「随分やる気ねあげは姉さん」

 

「うん、それに最強の保育士を目指す私がピーマンを克服出来なきゃカッコつかないでしょ?」

 

そう言ってあげははピーマンを箸で取るもその手は震えている。やはり苦手なピーマンをいざ口にすると思うと拒否反応があるのか顔も強張っている。しかし、側には以前まであげはと同様にピーマンが食べられなかったここねとコメコメが緊張した様子で見ている。

此処で食わなければ最強の保育士を目指す自身の名折れという物だ。

 

『ここで決めなきゃ女がすたる!』

 

誰だコイツ?

 

「よし、聖あげは食べまーす!」

 

いつものように何処からとも無く聞こえてきた謎の声を他所に覚悟を決めたあげははピーマンを口の中に運ぶ。それから暫く咀嚼をしてゴクンと音を立てて飲み込んだ。

 

「……あれ、美味しい!」

 

「やったコメ!」

 

「これであげはさんもピーマンを克服出来ましたね」

 

ピーマンを食べられたあげはにコメコメとここねは彼女の手を取って嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「良かったわねあg『ニガニガ、ピーマンを克服出来た事を褒めてやるニガ〜』っ!?」

 

ピーマンを克服出来たあげはに褒め言葉を送ろうとした瞬間、背後から聞き覚えのない声が聞こえてくるも振り返るが、其処には誰も立っていなかった。

 

「なに…今のは?」

 

「どうしたんのらんこちゃん?」

 

何やら挙動不審ならんこに気付いたましろが話しかけて来る。

 

「いや、一瞬気配を感じたけど気の所為だった」

 

「そう…なら良いんだけど?」

 

ましろは少々引っかかるもらんこの言葉を信じ其処まで気にする事は無かった。

一方であげはは先程まで食べていなかったピーマン料理を次々と口にしていく。

 

「いや、なんかほんと自分の知っているピーマンの苦味が然程しなくて私も驚いているよ。あっ、もしかしてこれってあまり苦く無い品種?」

 

自分がピーマンを食べられたのは其処まで苦い物では無いのかと思っていると、そこに拓海が答える。

 

「あー、それは俺がピーマンの苦味を抑える様に切ったからだぞ」

 

「え、そうなの?っていうか、拓海君が作ったのこの料理」

 

どうやらあげはが食べた青椒肉絲やその他の料理は拓海が作った物らしい。すると、ゆいが会話に混ざって来る。

 

「そうなんだよ。拓海は料理が美味しい上に色々工夫しているんだよ」

 

「べ、別にこれくらいの事大した事じゃねぇよ」

 

ゆいに褒められた事に拓海は頬を赤く染め、彼女に顔を見せぬ様に背を向けた。

 

「どうした、顔が赤いぞ品田ァッ!」

 

「う、うるせえよ!」

 

其処にあまねがやってきて拓海を揶揄う。そんなやり取りをらんこは目を細めた状態で見ている。

 

「なんだか拓海ってゆいに対して素直になれていないわね」

 

「うん、でも拓海君の様子からしてゆいちゃんの事が好きだってわかるよ」

 

拓海のゆいへ向ける感情がなんなのからんことましろは察している様だ。

 

「でも、あんな態度を取ってばかりじゃ自分の気持ちがゆいに伝わらないわね。見ているこっちがもどかしく思うわ」

 

「らんこちゃん……それってギャグのつもり?」

 

自覚のないブーメラン発言をするらんこにましろは苦笑いを浮かべる。そんな中ゆいは近くにある料理を小皿によそるとそれを口にする。

 

「あーん、うーん!デリシャスマイル〜!

 

「っ!?」

 

ゆいの口から出た言葉を聞いてらんこは何やら色々と衝撃を受けるのであった。

それから楽しいパーティが1日を通して終わりを迎え、翌日にはおいしーなタウンのお土産を手にしてソラ達は帰りのバスに乗る為にバス停に来ていた。そしてゆい達が見送りに来ていた。

 

「それでは皆さん今回は色々とありがとうございます」

 

「ううん、こちこそソラちゃん達と仲良くなれて良かったよ」

 

ソラとゆいは仲良く握手して笑顔を浮かべる。

 

「らんこちゃんも元気でね」

 

「らんもね…あと、キュアスタ楽しみにしているわよちゅるりん

 

「はにゃ!?…ば、バレてたか〜」

 

どうやららんこはらんがちゅるりんだといつの間にか察していた様でらんは一瞬驚くも照れ臭そうな表情を浮かべる。

 

「みんなも今回の騒動の解決には本当に感謝している」

 

「もし困った事があったら呼んで。今度は私達があなた達を助けるわ」

 

あまねはレシピッピと街を守れた事に感謝を伝え、ここねも何か困った事があったら助けてくれる様だ。

 

「それでは皆さん、また会いましょう」

 

「うん、ソラちゃん今度ソラシド市へ行ったら何か美味しい物を紹介して」

 

「それなら雲パンを作ってあげるよ」

 

「雲パン…どんなパンかその時教えて!」

 

それぞれが別れの挨拶を済ませると一行はバスに乗ると窓から手を振ってお別れをし、おいしーなタウンの皆んなも彼女達に向けて手を振ってお別れの挨拶をする。

今回はちょっとした旅行気分で来たが、その街のプリキュアと知り合い共闘して自分達に出来た絆を深める濃密な出来事となった。

そして、帰りのバスではひかるがらんこに今回の旅行のお礼を伝えていた。

 

「らんこさん…今回俺をこの旅行に誘ってくれてありがとう」

 

「別に大した事じゃ…ああっ!?」

 

「ど、どうしたんだ!?」

 

突然声を上げるらんこにひかるは驚き、ソラ達もどうしたのか心配になる。

 

「食べて…ない」

 

「え、なんだって?」

 

わなわなと何か物凄く動揺しているらんこに一同の代表としてひかるが確認する。

 

 

 

 

 

 

 

「私…結局パンダ麺を食べ損ねたぁ〜っ!!!」

 

『ズコォー!?』

 

おいしーなタウンで一番楽しみにしていたらんの店のパンダ麺の本来の味を食べ損ねた事にショックするらんこ。それを見て一同はずっこけると言うなんとも締まらないオチで今回のおいしーなタウン旅行は幕を閉じるのであった。




今回でデパプリとのコラボは終わり、次回から本編に戻ります。
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