ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第39話 決闘、そして来訪する正義の使者

キャンプでの特訓が終わり、一同はローズマリーと別れるとソラシド市へ戻りカバトンの指定された河川敷へ向かう。

 

「……来たか…なのねん」

 

其処には既にカバトンがおり仁王立ちして待ち構えていた。ソラは一同から離れるとカバトンの元へ歩み寄る。

 

「ビビって逃げ出したかと思ったのねん」

 

「約束は守ります。それにヒーローはびびったりしません!」

 

カバトンの煽りに対してソラは強く反論する。

 

「改めて確認だ。これからやるのは1対1の決闘、俺が負けたらこれ以上プリンセスエルとは関わらん。逆に勝ったらプリンセスエルを貰い受けるのねん!」

 

カバトンはルールの再確認としてソラだけではなく後方の茂みで様子を見ているらんこ達にも聞こえるように大声で言う。

 

「カバトンはあんな事言っているけどどう思う?」

 

「普段のカバトンと違って今日は今までに無い以上に真面目ですね」

 

「彼奴が心変わりをしたのか…それとも決闘をせざる得ない状況になったのどちらかでしょうね」

 

やはり普段のカバトンと比べて違和感が凄く、何か、誰かのせいで決闘をやらさせられてる感じにも見えた。

 

「それにしても……」

 

チラッとカバトンの後ろへ視線を移すと其処には少し離れた所で椅子に座って2人のやり取りを見ているキメラングの姿があった。

 

「やっぱりいるわね」

 

らんこの指摘にましろ達もキメラングの存在に気付き、彼女が何か仕掛けてこないか警戒する。

一方でソラもカバトンの後ろにいるキメラングの存在に気付いた。

 

「カバトン確認しますが、今回の決闘に横槍は入れませんよね?」

 

「勿論だ!ちゃんとキメラングの奴には決闘の邪魔をするなと伝えてあるのねん」

 

恐る恐るソラはカバトンに確認を取るとカバトンは正々堂々とサシで戦うつもりらしい。

 

「私としてはどちらでもいいんだけど、カバトン君が邪魔するなって口を酸っぱく言うからさ…まっ、君たちの決闘に横槍を入れる気は無いから安心するといいさ」

 

キメラングも2人の決闘に手を出さないと言うが、その場にいる全員は彼女の発言がイマイチ信用出来なかった。だが、ソラは一々彼女を警戒するわけにもいかずカバトンへ意識を向ける。

 

「貴女の言葉はあまり信用できませんが…兎に角今は決闘に集中させて頂きます!」

 

「よし、ならそろそろ始めるのねん!」

 

ソラが戦う準備ができた事を確認するとカバトンは自身の手から高密度のアンダーグエナジーを具現化させる。

 

「これが俺の奥の手なのねん!この3日で最大限に高めたアンダーグ・エナジーを、俺自身に注ぎ込むのねん!」

 

そう言ってカバトンは自身に向かってアンダーグエナジーを注ぎ込んでいく。

 

「カモン!MAXアンダーグエナジー!」

 

大量のアンダーグエナジーがカバトンの身体に全て注がれると、カバトンの身体はみるみるとデカくなっていく。

 

「ギャハハハ…これが俺の奥の手だ!俺こそ、最強にTUEEE…!」

 

「これが…カバトンの奥の手…!」

 

「デカ…!」

 

まるで特撮の怪人の様に巨大化したカバトンを見て一同は唖然する。今までに無いほどのプレッシャーを放つカバトンにらんこ達は不安になるもソラは自身の頬を叩いて気合いを入れる。

 

「カバトンが全力でやるなら…こちらも全力を尽くします!ひろがるチェンジ!スカイ!」

 

ソラもミラージュペンを構えると一気に変身する。

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

変身が完了したスカイは決め台詞をカバトンに距離を詰めようと動き出す、対してカバトンもその巨体には見合わない速さで迫ると巨大な拳を振るうがスカイは躱わしていく。

 

「オラァッ!!!」

 

「っ!」

 

更にカバトンは拳を地面に叩きつけると地面が大きく崩壊し、その衝撃で地面の破片が舞うとそれを掴みスカイに投げ飛ばしてくる。対してスカイはその破片を全て躱わしていく。

 

「くらえっ!」

 

「な、ああああっ!?」

 

『スカイッ!?』

 

破片に集中してた所為で近づくカバトンに気付かずそのまま拳が振るわれるがスカイはその拳を防ぐ。しかし想像以上にパワーがあり後方に吹っ飛んでしまう。それを見たらんこ達は声を上げるもスカイは何とか地面に着地し、すかさず構えを取る。

 

「どうだ!最強にTUEEEだろ!今の俺の攻撃をもう1発くらえばお前はおしまいなのねん!」

 

カバトンは再び攻撃しようとスカイに迫る。対してスカイはその場を動かず迎え撃つ様だ。

 

「いくぜぇぇぇぇえっ!」

 

先程よりも力をこめてカバトンはスカイに向かって拳を振るうが、スカイはそれを紙一重で避ける。

 

「な、なにっ!?」

 

『おお〜っ!』

 

「ほぉ〜、あの速さを避けるとはね」

 

カバトンは自分の拳を避けられた事に驚き、らんこ達は感心の声を上げる。キメラングも感心する。

 

「ぐ、まぐれなのねん!」

 

先程避けたのは偶々だと思ったカバトンは両手を使って連続で攻撃をするが、スカイは足を動かさずにその場で避ける。

 

「す、すごいよスカイ!」

 

「あの連続攻撃を一歩も動かずに避けるなんて…!」

 

「修行の成果が出ています!」

 

「スカイ!アゲアゲにやっちゃって!」

 

「えるる!」

 

らんこ達はカバトンの連続攻撃を避けるスカイに興奮する。

 

「ち、ちくしょー!」

 

一方でカバトンは先程よりも更に拳の振るう速さを上げるもそれも躱され焦ってきて、攻撃の正確さも荒くなってしまう。

 

「はあっ!」

 

「グホアッ!?」

 

スカイはその隙をついてカバトンの腹に一撃を叩き込み、カバトンは後退りをして腹を抱えて動きを止める。

 

「チャンスだよスカイ!」

 

「そのまま決めちゃって!」

 

「はい!」

 

ましろとらんこから絶好のチャンスと言われるとスカイは追撃しようとしてカバトンとの距離を詰めた。

 

「掛かったのねん!」

 

「なっ!?」

 

逆にカバトンはスカイを蚊を潰すかの如く両手で捕まえる。

 

「捕まえたのねん!このまま潰してやるのねん!」

 

「くっ!」

 

『スカイ!!!』

 

カバトンの両手に力を込めると少しずつスカイを潰そうとする。それを見てらんこ達は心配する。

 

「スカイを助けないと…!」

 

このまま傍観を続ければスカイは潰されてしまうと思ったらんこは助けようとミラージュペンに手を伸ばそうとする。

 

(でも、此処でスカイを助けたら彼女の信頼を裏切っちゃう…)

 

しかし、1対1でカバトンとの決闘を正々堂々挑んでいるスカイを此処で助けてしまったら彼女と自身の友情に亀裂が走ってしまうのかと心配する。だが、助けないとスカイがやられてしまう。どうすれば良いのかと己に自問自答を繰り返していると隣から声が聞こえた。

 

「スカイ負けないで!」

 

「ましろ…?」

 

その時、振り向くとましろがスカイに応援の言葉を送っていた。それを見てらんこは一瞬呆気に取られるも直ぐに彼女に続き自身も応援の言葉を送る。

 

「…そうよ!こんな事で負けるなんて許さないから!」

 

「僕たちがついていますよ!」

 

「スカイ頑張って!」

 

「えーるー!」

 

らんこも応援の言葉を送ると続いてツバサ達も応援を送っていく。それを見たカバトンが彼女達の行動を鼻で笑う。

 

「はん!無駄なのねん!応援なんてYOEEE奴のする事なのねん!そんな事で強くなる筈が無いのねん!」

 

「そんな事…ありません…!」

 

「あん?」

 

らんこ達の応援は無駄な事であると馬鹿にするがスカイは否定する。

 

「皆んなの応援が私を強くしてくれます!はあああああっ!」

 

「な、なにっ!?お、押さえきれない!」

 

カバトンは両手の中に捕まっているスカイは叫び声を上げると同時に全身に力を入れ手の中から脱出する。

 

「そんな馬鹿な……パワーじゃ俺が圧倒的に上なのねん!こんな事、絶対あり得ないのねん!」

 

「言った筈です!皆んなの応援が私を強くしてると!」

 

一方でらんこ達も無事脱出出来たスカイの姿を見てほっと胸を撫で下ろし、再びスカイに視線を向けるとらんこは目を疑う。

 

「あ、あれっ?」

 

「どうしたのらんこちゃん?」

 

何故だからんこの視線の先にいるスカイの姿が

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

筋骨隆々の革ジャンを着た男性と重なって見え、対してカバトンは上半身裸の巨大な男の姿と重なって見える。

 

「き、気の所為かしら…スカイの後ろ姿が何故か革ジャンを着込んだ男の人に一瞬見えたんだけど…」

 

「何言っているのらんこちゃん?」

 

らんこの発言にましろは昨日の睡眠不足かスカイとの修行を付き合った疲労感が残って幻覚でも見ているのかと思わず心配する。

 

「あれ、らんこちゃんも見えるのあの革ジャンが?」

 

「え、あげは姉さんも見えるの…あの巨大な裸の男が!?」

 

あげはの発言にらんこは思わず彼女の方に視線を向ける。まさか、自分と同じ光景をあげはも見ているとは思ってもみなく、驚きの表情を浮かべる。

一方でそんな2人の会話にましろ達は小声で会話する。

 

「2人は何を言っているんですか?と言うかいったい何が見えているんですか?」

 

「さ、さぁ…」

 

「えるぅ?」

 

らんこ達が何やら見てはいけないものを見ているのかとましろ達は不安になるのだった。

一方でスカイとカバトンの決闘はクライマックスを迎えようとしていた。

 

「これで決着を付けさせてもらいます!」

 

「ほざけ!最後に勝つのはこの俺だぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

 

勝利宣言をするスカイに向かってカバトンは拳を叩き込もうとするが、

 

「トウッ!」

 

スカイはそれを跳んで避け、そのままカバトンの頭まで高く跳び上がると両手が青く光り輝き、

 

「アタァ!アタァ!アタァ!アタァ!アタァ!アタァ!ォワッタァ!(cv 神◯明)」

 

其処からカバトンの顔から腹に掛けて声が全く違う人に聞こえるくらい叫びながら7回正拳(スカイパンチ)を叩き込むと、地面に着地しカバトンに背を向ける。

 

「の…ああああああっ!?」

 

そして、拳が叩き込まれた7つの箇所から出血するかの如くアンダーグエナジーが吹き出していき、その巨体は地面に崩れ落ちる。

 

「スゥー…オスッ!」

 

「「いや、北◯七死星◯!?」」

 

「ええええっ!?な、何あの物騒な技は!?」

 

思いっきり某世紀末救世主漫画の主人公の技をそのまんま出したスカイにらんことあげはは思わず声を出してしまう。ましろもスカイが普段の彼女とは思えない技を出した事にショックを受ける。まさか、スカイがヒーローとは程遠い一子相伝の暗殺拳の技をするとは思っても見なく彼女達に衝撃が走る。"と言うか何処で習ったんだその技は!?"と彼女に問い詰めようとするが、

 

「おお、あれはまさしく山の主の技!」

 

「え、山の主って…あのリスの事!?」

 

ツバサの言葉に思わずらんこは目がひん剥くんじゃないかと思うくらいに目を開けながら問い詰める。

まさかあの可愛らしいリスがあんなバイオレンス過ぎる技をソラに教えた事が信じられなかった。

 

「実は皆さんが夕食の準備をしている間に僕とソラさんは山の主と共に修行をしていた所に腹を空かせた熊に遭遇したんです」

 

「ちょ、熊って大丈夫!?」

 

「怪我はしてない!?」

 

まさか自分達が楽しく料理をしている間そんな物騒な事が起きているとは知らなかった為、らんこ達は心配する。

 

「大丈夫です。その時は丁度先程スカイがやったあの技で山の主が熊を撃退したんです」

 

「「「嘘ォッ!?」」」

 

ドヤ顔で語るでツバサに3人は戦慄が走る。スカイがやって見せた技もそうだが、それを使いこなして熊を撃退、若しくは見えない場所で爆散させたのではと嫌な想像をしてしまう。ひょっとしてそのリスの前世は北◯神拳の伝承者では無いのかと思い込んでしまう。

一方でカバトンはというと、スカイによって受けた技により身体に取り込んだアンダーグエナジーが浄化…と言うよりも強制的に排出された事により元の大きさまで縮んで地面に仰向けで倒れていた。

 

「俺が…負けた…?」

 

カバトンは己が敗北した事が信じられなかった。この三日間に貯めたアンダーグエナジーを宿した己の肉体は無敵であると自身があった。それなのに今自分が地面に倒れている事実を認めたく無かった。

 

「カバトン!約束だよ!」

 

「もう二度とエルちゃんには…」

 

「ぐ、そんな約束、忘れたのねん!」

 

するとカバトンが起き上がり、エルを捕まえようと動き出そうとする。決闘などもう頭の中には無いカバトンはランボーグを作り出そうとした時だ。

 

 

 

 

 

 

 

その場にパァーンッと何か弾ける音が響き、同時にカバトンの動きが止まる。そして、スカイ達は目の前の光景を見て顔色が青ざめる。

 

「き、キメラング…なんの…つもり…なのねん…?」

 

カバトンは後頭部に鋭い痛みを感じつつも振り返ると其処には拳銃を手に持ったキメラングの姿があった。

 

「フウ…なんのつもり?…アハハッ、決まっているだろう。君とキュアスカイの決闘は終わったから私はいつものように実験をしている所さ」

 

銃口から出ている硝煙を吹き消すとキメラングは笑いながらカバトンの質問を答える。

 

「実…けん…それはいっ!?があああああああっ!!!」

 

『カバトン!?』

 

「豚男!?」

 

突然苦しみ出したカバトンに一同は驚く。

 

「あ、言い忘れたけど先程君に撃ったのは鉛玉じゃなくて私特製のドーピングカプセルを弾丸に加工したものさ…って、もう理性は無い様だね」

 

「グオオオオオオオッ!!!!」

 

先程スカイと戦った時と同じ大きさに巨大化したカバトンであったが、その目からは正気は感じられなかった。

 

「キメラング!なんでこんな事を!?」

 

「んん、なんでって…何が?」

 

スカイはキメラングにカバトンやった事について聞くが、キメラングは首を傾げる。

 

「惚けないで!カバトンは貴女の仲間の筈でしょ!?なのにどうして!?」

 

「なかま〜?……ぷ、アーハハハハッ!!!」

 

ましろの言葉に何がおかしいのかキメラングは地面に倒れながら馬鹿笑いをする。

 

「何がおかしいの!?」

 

「アハハ…い、いや、ごめんね。私が前言った事を忘れている事についおかしくて笑ってしまってね」

 

「前言ったって……あんたまさか!?」

 

キメラングの話を聞いてらんこは何かを思い出す。

 

「どうやらツイスターは覚えていたようだね。前にも私は言ったが私以外の人間は実験道具、モルモットなんだよ。例えそれが仲間でもね♪」

 

『なっ!?』

 

キメラングの発言を聞いて一同は驚愕する。かつて学校で戦った時にも発言をしたが、共に戦うカバトンですら自身の実験の為に使い潰そうとする姿勢に戦慄が走る。

 

「あんた…本当に頭可笑しいわよ!!!」

 

「なんとでも言うと良いさ。カバトン君の身体は人一倍に頑丈だからね。前々から実験をしてみたかったんだよ。だから今回を機にランボーグ用に調整したドーピングカプセルが耐えられるか実験してみたかったんだ……でもどうやら理性は失ったが、その身体はランボーグにならずしっかりとアンダーグエナジーによってパワーアップしているみたいだから中々の結果のようだね」

 

らんこの罵倒を気にせずドーピングカプセルによって強化…と言うよりも凶暴化したカバトンを見て笑みを浮かべる。

 

「じゃあ、カバトン君。早速リベンジといこうか!キュアスカイと戦え!」

 

「ぐおおおおおおっ!!!!」

 

キメラングの指示を聞くと己の本能のままスカイへと迫っていく。対してスカイは理性を失ったカバトンを見て辛そうな表情を浮かべつつ拳を構えようとすると、その前にらんことましろとツバサがミラージュペンを構えて立つ。

 

「皆さん!」

 

「決闘は終わったからこれで漸く戦えるわ」

 

「うん、相手がカバトンでも助けなきゃ!」

 

「はい、それがヒーローですからね!」

 

そう言うと3人のミラージュペンが光出す。

 

「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「大空に広がる一陣の風!キュアツイスター!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

変身が完了するとスカイの隣に立ち戦う構えを取る。

 

「プリキュアアアアアアア!!!!」

 

「「「「っ!」」」」

 

カバトンは拳を地面ごと4人に向かって振るうが、4人は跳んで避けるも地面が大きく割れて破片も周辺に飛び散ってしまう。

 

「先程よりもパワーが桁違いだ!」

 

「どうする?」

 

「何か彼奴を倒す作戦を考えないと…」

 

先程の決闘よりもパワーが増したカバトンを見て下手に近づけばやられると思ったツイスター達は作戦を考えようとする。

 

「大丈夫です!我々4人が揃った今、負ける筈がありません!」

 

「「「スカイ…」」」

 

スカイの言葉に3人は嬉しくなり笑みを浮かべる。

 

「なら、いつも通り勝つわよ!」

 

「そうだね!」

 

「はい、仲間を道具のように扱うキメラングに僕たちの絆の力を見せましょう!」

 

「ええ、皆さん行きましょう!」

 

4人は互いに声を掛けるとカバトンに迫っていく。対してカバトンも迫る4人に向かってその剛腕を振るうが4人は避けるとそれぞれの角度から攻撃を繰り出す。

1人が攻撃をすると続いてもう1人が攻撃し、カバトンに隙を与えずに少しずつダメージを与えていく。

 

「ふむ…巨大な身体である故に死角が大きくなって更に理性を失っているから複数による攻撃には対応が難しいか……成る程これは中々のデータが取れるぞ」

 

そして、そんな光景をキメラングは観察して分析をしている。先程からやられているカバトンを全く心配しない様子から彼女の薄情さがよく分かる。

一方で戦いも大詰めを迎えようとしていた。先程から別々の角度による攻撃をする事でカバトンは対応出来なくなっていき、足がもつれていく。それを見たウィングが好機と見て己の必殺技を発動させる。

 

「ひろがる!ウィングアターック!!!」

 

「ウオオオオオッ!?」

 

ウィングアタックがカバトンの胴体に命中するとバランスを崩して地面に倒れる。

 

「今です!」

 

「「「はい(うん)(ええ)!」」」

 

3人はウィングに返事をするとスカイトーンを取り出す。ツイスターはテンペストバトンに嵌め込み、スカイとプリズムはスカイミラージュにそれぞれスカイトーンを嵌め込む。

するとテンペストバトンから竜巻が放たれ、スカイとプリズムの身体を包み青と白のオーラへと変化する。

 

「ひろがる勇気!」

 

「輝く希望!」

 

「嵐を起こす絆と共に!」

 

そこにツイスターが更にエネルギーを照射する。そして、スカイとプリズムが手を繋ぐ。

 

「「エクストリーム!」」

 

「ツイスターズ!!!」

 

スカイとプリズムの空いている手を突き出すと目の前に三つのリングが出現し、それが重なると青、緑、白のエネルギーが放出されカバトンを飲み込み浄化する。

 

「スミキッタ…のね~ん…」

 

カバトンは浄化され元の大きさへと戻ると地面に倒れる。

 

「ぐ…俺は確かキメラングに…!」

 

カバトンは無理矢理膨大なアンダーグエナジーを注がれた事による反動で体のあちこちに痛みが走り指が一本も動かす事ができない程の疲労に見舞われる。

そして、そんなカバトンを心配そうにスカイ達が駆け寄ろうとした時だ。

先程まで綺麗な青空が突然黒い雷雲に覆われ、辺りにゴロゴロと音が響き渡る。それを聞いたカバトンはビクッと身体を震わせる。

 

「ま、待って下さい!まだ俺はやれます!だからチャンスを…!」

 

雷雲に向かってカバトンは必死に慈悲を乞う。その様子にスカイ達は何やらただ事では無いと思い近づこうとした時だ。

 

『うわっ!?』

 

自分達とカバトンの間を遮る様に雷が落ちてきて、思わずその場で足を止めて反射的に目を閉じてしまう。

 

「う、うわああああ!!!た、助けてくれぇぇぇぇぇっ!!!」

 

『っ!?』

 

そして、カバトンの叫び声を聞いて直ぐに目を開けると先程まで動けなかったカバトンが上空に浮いていた。様子からしてカバトンの意思とは関係なく何かの力によるものだろう。

 

「何が、何が起きようとしているんですか!?」

 

あのカバトンが物凄く怯えながら助けを求める姿に何かよからぬ事が起きようとするのではとスカイが推測していると、

 

「処刑だよ」

 

『なっ!?』

 

スカイの疑問に答える様にキメラングの口から出た言葉に一同は驚愕する。

 

「しょ、処刑って…」

 

「どう言う事か説明しなさい!」

 

あまりに物騒な発言にプリズムは思わず動揺をみせ、ツイスターは詳しい説明をキメラングに求める。

 

「我々アンダーグ帝国は強者が生きる権利を与えられ、逆に弱者はその存在を認める事はない…正に弱肉強食を体言した世界なのさ」

 

『アンダーグ…帝国…』

 

キメラングの話を聞いて彼女達の組織、又は世界のルールを聞いて戦慄する。その話が本当なら今まで敗北を重ねてきたカバトンはこれが最後のチャンスだと一同は察して、この後本当にカバトンが処刑させると理解した。

一方でカバトンの周りには先程よりも沢山の雷が落ちていき今にもカバトンに雷が命中しそうだった。

 

「ひ、ひいいいいっ!嫌だぁぁぁぁぁぁ死にたくないのねぇぇぇぇぇん!!!」

 

「っ!」

 

カバトンは情けなく泣きながら死にたく無いと叫ぶ、その姿を見たスカイは居ても立っても居られずカバトンに向かって跳び上がる。

 

「カバトン!今助けます!」

 

「な、なんでお前が!?」

 

今まで何度もひどい事をしてきたのに自分を助けようとするスカイの姿にカバトンは頭の中が疑問だらけだった。

 

「わかりません!でも、こうする事が正しいと思ったからです!」

 

スカイも何故自分が動いているのか分からなかった。しかし、それは彼女の困っていたら誰であろうと助けようとする人間性が働き、カバトンを助けようと動いていたのだ。

そして、スカイはそのままカバトンへ距離を詰めて助けようとするが、彼女の元へ雷が落ちてくる。

 

「うわあああっ!!!」

 

『スカイ!』

 

雷はスカイに命中しなかったが激しい光と音にスカイは耐えられなくなり、地面に向かって真っ逆さまに落ちていく。だが、それをウィングが間一髪飛んで彼女の体を受け止める。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「私は大丈夫です…ですけどカバトンが!」

 

自分は大丈夫と返事をするが、上空に浮いたままのカバトンはこのまま雷によって処刑されてしまうとスカイは不安になる。ウィングはスカイの気持ちに答える様にカバトンを助けようと動き出すが、先程からカバトンと自分達の間に雷が落ちて近づく事が出来ずにいた。

そんな光景にもうカバトンを助ける事ができないと思ったプリズムとあげはは思わず目を逸らしてしまうが、ツイスターだけは決心した眼差しを見せる。

 

「カバトン‼︎」

 

「ふ、フード娘!?…さ、最後に俺の名を呼んで…うん!?」

 

カバトンはツイスターからいつもの様に豚男ではなくちゃんとカバトンと名前で呼んだ事に驚く、自分の最後に名前を呼んでくれた事にカバトンは思わず涙を流しそうになるもツイスターの様子がおかしくテンペストバトンを構えていた。

 

「今までの件はこれでチャラよ!」

 

「ちょ、待て待て待て!まさかお前!?」

 

ツイスターがこれから何をしようとするのか察したカバトンは待つ様に言うもツイスターはそれを聞かずテンペストバトンの力を発動させる。

 

「吹き飛べ!!!ツイスタートルネードッ!!!」

 

「ぎゃあああああっ!?」

 

カバトンはテンペストバトンから放たれる竜巻に飲み込まれ間一髪落雷から免れるとそのまま遠くの彼方へ飛んでいった。

そして、カバトンの処刑が失敗した事に先程まで浮いていた黒い雷雲は消え、元の青空が広がる。

 

「おや、カバトン君を助けたのかい?」

 

キメラングは今までカバトンに散々ひどい目にあわされてきたツイスターがカバトンを助けた事が意外に思っていた。

 

「今までの事を考えれば簡単には許せないわ…でも、命が無くなったらそれで何もかもおしまいよ」

 

ツイスター自身も彼を助けようとした事に思う事はあるものの、だからといって必死に助けを求めている者を見殺しには出来ず、カバトンを助けたのだ。

 

「へぇ〜…流石は正義の味方だね。立派な行動だよ」

 

ツイスターの話を聞いてキメラングは彼女に賞賛し拍手する。だが、それも直ぐに終わる。

 

「さて、カバトン君の決闘はこれにて終了…続いては私の相手をしてもらおうか」

 

「「「「くっ…!」」」」

 

拍手を辞めるとキメラングはツイスター達に向かって戦う宣言をする。それを聞いて4人は戦いの構えを取る。薄々感じていたがやはりキメラングとの戦う事は避けられない。

 

「皆さんお疲れの所すいませんが、まだ付き合ってください」

 

「勿論だよ。それにこの中で一番疲れているのはスカイだよ」

 

「そうです。貴女は出来るだけ休んでて下さい」

 

「そうよ、せっかく彼奴との戦いに向けて特訓したんだから今こそ特訓の成果を見せる時よ」

 

スカイは連戦による消耗が激しいがツイスター達は彼女の前に出て出来るだけ自分達が戦おうと考えるのであった。

対してキメラングはドローンを呼び出して4人と戦おうとしたその時だ。

 

『ッ!?』

 

その場に重い空気が流れる。先程まで感じなかったこの息苦しさに一同は困惑を覚える。

そして、同時に何者かの気配を感じ一同は気配が感じた堤防に視線を集中させる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、其処には金と水色の線が入った白を基調としたボディに顔は青い複眼が特徴で笑顔を表現したマスク、更には表は白で裏は水色のマントを羽織ったまるで正義の味方を連想する人物が立っていた。

 

「何者なんでしょう…あの人は…?」

 

「ヒーロー…でしょうか?」

 

「でも、なんだか怖い…」

 

スカイとウィングにプリズムはそれぞれその人物に対しての印象を語る。だが、ツイスターは黙ってその人物を見ていた。

 

(なに…彼奴から感じるこの感覚は!?)

 

見た目に反して氷の様な冷酷さを感じ、身体が重くなる様な錯覚をする。

一方でキメラングも冷や汗を掻きつつも恐る恐る話しかける。

 

「君…何者だい?」

 

「ゼイン…世界の悪意を駆逐する存在だ」

 

そう言って白き執行者(ゼイン)は語り出す。

本来この世界に現れる筈の無い、全ての悪意を根絶する正義の使者が善意(プリキュア)達と悪意(キメラング)と邂逅した瞬間だ。

 




今回の最後にikkunさんが執筆される『ゼインの世界渡り』に登場する仮面ライダーゼインこと善井 正義が出ると共にコラボが始まりました。
コラボ相手の作品のURLを貼るので気になった方は是非読んで下さい。

https://syosetu.org/novel/344015/

ちなみに番外編らしいので先にこちらの作品から見る事をオススメします。
https://syosetu.org/novel/343046/
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