ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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前回に続き今回も本編2話ラストまで書けずすいませんでした。ですが、次回こそはラストまで書きます。花京院の魂を賭けてもいいです。
それでは第4話をどうぞ。


第4話 ショッピングモールでの戦い 前編

エルに対して妄想を抱きストレスで倒れそうになるらんこだが、その事を知らずに昨日の怪我が悪化したのかと思い心配するソラとましろ。そんな2人にらんこは空腹で目が回っていたと誤魔化して一同は近くのハンバーガー屋で少し早めの昼食を摂った。

 

「何ですかこのサンドイッチは!?新鮮なシャキシャキお野菜に薄いにも関わらずジューシーなお肉とチーズが重なり合いこの酸味のある赤いソースが味を引き立たて、食欲を湧かせます!更に付け合わせの揚げた芋もサクサク食感に適度な塩加減で何本でもいけます‼︎これらは今朝食べた食事よりも味が濃くて暴力的です!」

 

「そ、ソラちゃんハンバーガーも気に入ったんだ…」

 

そんな中で目を輝かせながら目の前のハンバーガーを食べるソラを見たましろ。彼女は今朝見たグルメレポートが今回も起きた事に困惑。ましろはソラがハンバーガーの様なジャンクフードを毎日食べないか不安を抱きつつ、時折横の椅子に座っているらんこの様子を見る。当のらんこは未だに包み紙からハンバーガーを取り出したりポテトを一本も食べずにドリンクをちびちびと飲むだけだった。

 

「……良かったら食べる?」

 

「え、良いんですか⁉︎」

 

あまりの食べっぷりを見てらんこは自分のハンバーガーとポテトをソラに差し出し、ソラも喜んでと言わんばかりに目を輝かせながら受け取ろうとするも彼女は伸ばした手を止める。

 

「あれ、そう言えばお腹を空いていたんじゃ…?」

 

「らんこちゃんお腹空いているならちゃんと食べた方がいいよ」

 

「わ、私は今ダイエット中だからこれだけで充分よ…」

 

自分から此処で食事を摂ろうと言い出して全然ハンバーガーを食べない事に2人から心配されるもダイエットで食事制限をしていると嘘をついて誤魔化す。仮に今彼女が食事をしたら胃がハンバーガーを受け付けなくて2人の目の前で吐き出してしまう。そうなったら余計に心配されてしまうだろう。

 

「そうですか?昨日らんこさんを抱えた時は軽いと思いましたが…」

 

「ソラちゃん女の子同士だからってあまり体重の事は言わない方が良いよ…」

 

平然と体重について発言するソラにましろは軽く注意するも、一応それで納得した2人にらんこは安堵の息を吐くと一口ドリンクを飲むが、少々吐き気を覚える。自身の悩みは未だに解決せずストレスは溜まっていく為、胃はドリンクも受け入れず、表情も次第に悪くなっていく一方だ。

 

「……ねぇ、らんこちゃん。やっぱり何かで悩んでいない?」

 

「え?」

 

隣の席に座っているましろが彼女の表情の変化にいち早く気付く。

 

「さっきから隣でらんこちゃんの顔を見ていたけど、何か辛そうな顔をしているから」

 

「そうですよ。フードを被って解りづらいですが、何か思い悩んでいる顔をしていますよ」

 

ましろだけでなくソラも彼女が何か悩んでいる事に察した様で彼女に追求する。折角2人にバレない様にしていたが、ドリンクを飲んでいた時の表情を見られていた様だ。

 

「別に悩みなんて……」

 

「嘘ですね。その表情は何かとても言いづらい事を言えずに悩んでいる顔です。私も弟がお母さんの大事にしていた花瓶を割ってしまった際に隠していた表情と同じですから解ります」

 

「私たち友達なんだから何か思い悩んでいるなら言ってみて、聞くから」

 

身内で似た経験をした事のあるソラはらんこが悩みを隠している事を確信し、ましろも友達である自分達に悩みを打ち明けて欲しいと伝える。それを聞いてらんこは観念したのか手に握っていたドリンクをテーブルに置いて、10秒ほど無言になった後ゆっくりと口を開ける。

 

「……ねぇ、その…もしエルの正体がスカイランドで結構良い所のお嬢様で昨日私がエルを豚男に差し出そうと事がスカイランドにバレたら私は処されると思う?」

 

「え?」

 

「しょ、処されるなんてどうしたのらんこちゃん⁉︎と言うかエルちゃんがお嬢様ってどう言う事⁉︎」

 

一瞬呆気に取られるソラに対してましろは悩みが重い事に驚きつつ、更にエルがお嬢様という事に詳しく話を聞こうとする。

 

「……いや、あくまでも"もしもの話"だからエルの正体の事は気にしないで…ただ昨日の事を改めて考えてみたの…自分の身の安全の為にやった事はやっぱり公共の場で処分を言い渡されるのかって……」

 

「らんこちゃん…まだ気にしているの?」

 

未だに昨日の出来事を負い目を感じていると思っているましろは心配そうな目で見つめる。一方で彼女の話を黙って聞いていたソラは口を開く。

 

「……私はそうならないと思います。というよりも言わなくて良いと思います」

 

「つまり私がやった事は黙っていろと」

 

昨日のやった事は黙っておいた方が良いと言うヒーローを目指す彼女のらしからぬ発言に目を細くする。だがソラはすぐに「いいえ」と否定する。

 

「そもそもらんこさん貴女はエルちゃんをカツドンに実際渡しましたか?」

 

「それは……」

 

「う、ううん!らんこちゃんは最初は私が抱えていたエルちゃんを渡してと言いかけたけど、途中でやめてザブトンに啖呵を切って私とエルちゃんを守ろうとしたよ!」

 

ソラにエルをカバトンに差し出されたのかと問われたらんこは答えようとする前にましろが彼女の代わりに詳しく答えてくれた。それを聞いたソラは笑みを浮かべる。

 

「ならそれが真実ですよ。あなたはエルちゃんを渡す所かお二人を守ろうとした。悪事なんかに手を染めていません。逆に良い行いをしましたよ」

 

「ソラ……」

 

「それに私とましろさんも友達のらんこさんが居なくなるのは嫌ですからね。エルちゃんも貴女にすっかり懐いていますから例えエルちゃんが貴族の子だとしても処されるなんて無いと思いますよ」

 

「……」

 

実際に悪事は働いていないと指摘された彼女は顔を下の方へと俯く。それは30秒程だろうか、全く動かない事に2人は互いに目を合わせて彼女の事を心配する。

 

 

「……ぷっ、あははははっ!」

 

「ら、らんこちゃん……?」

 

「あ、あれ、何か私変な事言いましたか?」

 

先程まで思い悩んでいたとは思えない程突然笑う彼女に2人は困惑を覚える。

 

「ごめんなさい。気を悪くしたなら謝るわ。でも、さっきまで悩んでいた事が馬鹿らしく思えたわ。お陰でストレスが無くなって胃に来る痛みが軽減してきたし」

 

この店に入ってから顔色が悪かった彼女はすっかり顔色は良くなり2人に笑みを見せていた。ソラに自分は悪い事をしていないとハッキリと言われ、思わず笑い声を上げてしまうが、彼女の中にあったストレスはすっかり発散された。

 

「そうですか。私もお力になれて良かったです」

 

「よくわからないけど、らんこちゃんの悩みが晴れて良かったよ」

 

ソラとましろはただ彼女の話を聞いていただけであったが、らんこの気分が晴れて良かったと喜ばしく思った。

 

「……それよりも早くハンバーガーを食べなさい。冷めちゃうわよ」

 

「あ、そうでした!」

 

ソラはらんこから貰ったハンバーガーとポテトを勢いよく食べるが途中喉を詰まらせかけてしまうが、ましろがドリンクを渡して流し込む。その様子を見てらんこは口元を緩ませるのだった。

 

───────────

 

食事を終えて小休憩を数分取った後、3人は再び服屋へ訪れソラの着る服を選びを再開する。その際にましろはらんこにソラが何故オシャレに疎いのか、その理由を教えた。

 

「───と言う訳なんだけど」

 

「そういう事だったのね。ソラ…あんたはなんと言うか物事に対して一直線なのは良いわ。そこは認める。でも、私が言うのもなんだけど少しはオシャレのオの字くらいはやっておいだ方が良いわよ」

 

「うぐっ」

 

自分の事は棚に上げて置いて辛辣な発言をするらんこにソラは思わず胸を抑える。

 

「じゃあソラの服だけど…ましろはテーマとか決まったかしら?」

 

「取り敢えず私は色々着させてそこから決めようかと思って」

 

「それだと時間がかかり過ぎよ」

 

これと言ってテーマが思いつかないから手当たり次第服にを着させてそこから着る服を絞るましろの案にらんこは非効率的だと言わんばかりに却下する。

 

「それじゃあらんこちゃんは何かテーマとかある?」

 

「そうね……私としては青と白を基調とした方がいいと思うわ。名前だってソラだし…キュアスカイになった時だって青と白の色がメインとなっていた服を着ていたし」

 

「ああ!確かにそうだったね。ソラちゃんキュアスカイの時の姿かっこよかったもんね」

 

2人の脳裏にはキュアスカイへと変身したソラの姿を思い出し、その時身につけた青と白の格好良さと可愛いを合わせ持った服を着こなしていた事が脳裏によぎる。

 

「そ、そうですか…何だか照れちゃいますね……」

 

あまり人から自分の事が褒められる事が少ないのか頭を掻きながら嬉しそうな表情を浮かべた。

 

「じゃあ、青と白色の服を基準として服選びを始めましょうか」

 

「うん」

 

「よろしくお願いします!」

 

こうして2人はソラの服のコーディネートを始めるのであった。

それから数十分かけて青と白を基準に色々な服を試してみた結果、白と水色のツートンカラーの長袖シャツと青いスカートに水色のニーハイソックスを買い、更に近くの靴屋さんにも寄りスニーカーを購入した。

因みにだが服の代金の一部はらんこのポケットマネーからである。ましろは服の代金は用意してあるから払わなくて良いと言うが、本人は悩みを聞いてくれたお礼だと言って一歩も譲らない為、3割程はらんこが残りはましろが払う事でお互い納得した。

一方で2人にコーディネートして貰ったソラは近くの鏡で自分の姿を見て嬉しそうな表情を浮かべる。

 

「らんこちゃんセンス無いって言ってたけどとてもソラちゃんに良く似合っている服を選んだね」

 

「た、偶々よ…」

 

鏡の前で様々なポーズを取るソラを見て、らんこの服選びのセンスはとても良いとましろは褒めるが、彼女はそうでも無いと謙遜な態度を取る。

 

「あ、そうだ。この機会にらんこちゃんも服を買うのはどう?」

 

「え?」

 

「そうですよ!今度は私も選びますから!」

 

服選びを終えたかと思ったら唐突にましろかららんこに新しい服を買う事が提案された。鏡を見ていたソラもましろの提案に賛成の様子だ。

 

「いい……私はあまりオシャレしないから。それに可愛い服なんて私に似合わないと思うし」

 

「そんな事ありませんよ。ほら、フードで顔が見づらいですがとても綺麗な顔をしていますよ」

 

そう言いながらソラはらんこのフードを外そうと手を掛けようとする。

 

「ッ…触るなッ!」

 

「え…?」

 

「ら、らんこちゃん……?」

 

「……あっ」

 

だが、それをらんこはすごい剣幕で怒鳴ってソラの手を叩く。豹変したらんこの様子にソラとましろは思わず呆気に取られる。一方で彼女も自身がしでかした事に気付く。

 

「ご、ごめんなさい!フードを外されるのかそんなに嫌でしたか?」

 

「い、良いのよ……私も手を叩いて悪かったわ……」

 

すごい剣幕で怒るらんこにソラは慌てて彼女に謝る。対してらんこも思わずやってしまった事に後悔しながらもソラヘ謝る。

 

「そういえばらんこちゃんは何時もフードを被っているんだよね学校の日や休みの日も一日中被っていて外している所をあまり見た事無いんだよね」

 

「そうなんですか?……もしかして病気ですか⁉︎」

 

一日中フードを被っていると聞いてソラは彼女が病気や複雑な事情があるのでは無いかと心配する。

 

「違うわよ…ただあまり人に顔を見られるのは嫌なのよ。それに私は静かなのが好きだからフードを被れば静寂を感じられるのよ。……あと、人付き合いが苦手だからって言うのも理由ね」

 

「そうでしたか…すいません軽はずみな事をしてしまいました」

 

「いいわ……次から気をつけなさい」

 

病気では無いと聞いて安心するソラであったが、一方でましろは何か考える。

 

(さっきのらんこちゃん顔はなんだろう……?)

 

同時に先程の豹変した彼女の様子を思い返す。あの時はフードを外されるのが嫌だったからつい手を叩いてしまった事に納得した。しかし、気になる所はそこではなく彼女の表情だった。

 

(らんこちゃんはあの時怯えていた様に見えた……)

 

あの時自身の手が彼女のフードに手を掛けた瞬間、一瞬ではあるが怯えている表情に見えたのだ。それはソラに対してでは無い、なら誰にと疑問が浮かぶ。もしくはフードを外される事自体に過去に嫌な経験があるのかと思った。

一方でましろが彼女の事について考える中ソラもある事に気付いた。

 

「あ、でも昨日会った時にはましろさんと一緒にいましたが?」

 

人付き合いが苦手と称しているらんこが自身との邂逅時にましろと一緒にいたのは何故なのかと疑問を口にする。

 

「そ、それは……ましろは……と、とも……だち

 

「え、なんて言いましたか?」

 

「……何でも無いわよ!」

 

「えわっ⁉︎す、すいません!」

 

「ふふっ……」

 

2人の掛け合いを見て思わず笑みが溢れる。何より小声ではある物の自分の事を友達と言ってくれたのが何より嬉しかった。ましろはフードの件についてはまた別の時に聞こうと考えたのだった。

 

────────────

 

その後、らんこの新しい服に関しては本人の要望の通り次の機会に見送り3人は服屋を後にしてお昼を食べたハンバーガーショップの近くにあるベンチに座って休んでいた。

ましろは隣でミラージュペンをじっと見つめるソラを見て一つ気になる事があった。

 

「ねぇ、聞いても良い?ソラちゃんはどうしてヒーローになろうと思ったの?」

 

「私もそこは気になった……ソラ、あんたは何かとやる事にヒーロー、ヒーロー言っているから何かこだわりがある様に見えるわ」

 

ましろに便乗する形でらんこも同じ質問をする。対して質問されたソラは一瞬キョトンとなるが、少しして何か懐かしむ様な表情を浮かべる。

 

「……本物のヒーローを見てしまったからでしょうか」

 

「「本物のヒーロー……?」」

 

2人は気になるとソラも語り始める。小さい頃にソラは行ってはいけないと言われる森へと入り迷い込んで、そこにいる植物のモンスターに襲われそうになった。そんな時青い服を着込んだ女性が駆けつけ、剣でモンスターを薙ぎ払い自身を助けて家まで送ってくれた。そんな女性が物語に出てくるヒーローの様に見え、彼女はその人物を憧れの目標としてヒーローになる事を決めたのだ。

 

「あの人みたいなりたい。その為に毎日トレーニングをしてヒーロー手帳をつけて、いつか本物のヒーローになろうって…」

 

「ヒーロー……」

 

「手帳……?」

 

「「あっ」」

 

2人が思い出すのは昨日カバトンによって破り捨てられた手帳だ。あの手帳こそがソラがヒーローになる為、日々己の修行と共に書いて彼女のヒーローになりたいと思いが詰まった大事な物であったのだろう。

 

「あの手帳……そんなに大切なものだったんだね」

 

「益々許せないわね……あの豚男…!」

 

ソラにとって一番大事な物だとわかると昨日の出来事を思い出し、ましろは憐みの気持ちが湧き、対してらんこは手帳を破ったカバトンに対して怒りを募らせる。

 

「でも、心配ありません。ヒーロー手帳は無くなってしまいましたが、そこに書いたヒーロー目指す心意気は今も私の胸の中に叩き込んであるので大丈夫です」

 

ソラは元気よく答えるが先程ヒーロー手帳について語ったときに見た悲しそうな表情を見て、2人は自分達を心配させない為の空元気である事にすぐ気付いた。

 

「……そうだ!ねぇ、ソラちゃんこの後なんd「助けてくれー!」…えっ⁉︎」

 

助けを求める声が聞こえ、3人はそちらへ振り向くと其処には見覚えのある豚顔の男が先程まで自分達が昼食を摂っていたハンバーガー屋の前に立っていた。

 

「ここのハンバーガー全部俺の物なのねん!」

 

そう言ってカバトンは山ほどのハンバーガーを一気に平らげる。周りの店員やハンバーガーを買おうとした客からチラチラと「金を払え!」や「俺のバーガー返せ!」などの声が聞こえる恐らく無銭飲食と窃盗をしてハンバーガーを食べているのだろう。そんな声が聞こえているにも関わらず躊躇無く無銭飲食を働くカバトンの姿に3人は常習犯だと確信した。

 

「うっめー!パワーが漲ってくるのねん。これだけ食べれば……ん、お、お前ら!」

 

「ザ、ザブトン!」

 

「ザブトンじゃないのねん!カ・バ・ト・ン!」

 

「性懲りも無くまた悪い事を!許しませんよカツドン!」

 

「カバトンって言っているだろわざとか!」

 

ましろとソラに2回も名前を間違えられたカバトンは段々と怒り紫色の顔が赤くなっていく。其処に追い打ちをかける様にらんこも口を開く。

 

「豚男……なんであんたまで此処にいるのよ」

 

「だからカバトンって言っているだろ!なんでわからないのねん⁉︎」

 

「カバトンって……トンの要素はわかるけどカバ要素なんて何処にあるのよ!それとあんたみたいな無銭飲食と幼児誘拐を働く上にソラの大事な手帳を破り捨てる悪党は豚男で十分よ!わかったのなら重ねた罪の分精肉工場に行って肉になってきなさい!」

 

「な、何恐ろしい事言っているのらんこちゃん⁉︎」

 

「幾ら悪者でも流石にそれは言い過ぎですよ⁉︎」

 

丁度手帳の話をしていて、ソラの大事な日記を破り捨てたカバトンに対して怒りを募らせ、更に腹に溜まった鬱憤を全てカバトンに吐き出すかの様に好き放題いう。それを隣で聞いたソラとましろの2人からはドン引きされる。

 

「お、お前俺に対して当たりが強すぎるのねん⁉︎」

 

「喧しい‼︎どうせあんた何時も食ってばかりで碌に運動もしてないでしょ!少しは筋トレや鍛錬でもしてその肥えたブヨブヨな身体を引き締めて素行をよくしなさい!」

 

「……ふ、ふざけやがってー!!!名前の事だけじゃなくて俺の気にしている事も言いやがって…!しかも()()()みたいな事を言って余計腹が立つのねん!最初はソラからにしようと思ったけど標的を変更!お前からボッコボコにしてやるのねんフード娘!」

 

「…え、私?」

 

悪口がヒートアップしたらんこは知らずの内にカバトンの地雷を踏んだらしく本来戦う予定だったソラから標的をらんこへと変わる。そして、彼女自身もこの事は予想していなかったのか呆気に取られる。

 

「カモン!アンダーグエナジー!」

 

『ランボーグ!』

 

その間にカバトンはアンダーグエナジーを使って側にあった自動販売機からランボーグを作り出す。

 

「行けランボーグ!あのフード娘をコテンパンにするのねん」

 

『ランボォ…グッ!』

 

命令を受けたランボーグはらんこの元へ迫る。

 

「らんこさん逃げて下さい!」

 

「兎に角走って!」

 

「っ!え、ええっ!」

 

呆気に取られていた彼女は正気に戻り慌ててその場から逃げ出す。幸いにも昨日のランボーグと比べて足は遅く距離は離れていきこのまま撒くことができると確信したらんこは全力疾走しようとする。

 

「逃すなランボーグ!」

 

『ランボゥ…グッ!』

 

「「「え?」」」

 

ランボーグの取り出し口からペットボトル型のミサイルが放たれ、らんこに向かって飛んでいく。

 

「み、ミサイルなんて聞いていないわよ⁉︎」

 

らんこは慌てて飛んでくるミサイルを横で避けるとその先に停車していた車に命中して車は爆発する。

 

「きゃあああああっ!?」

 

「「らんこさん(ちゃん)!」」

 

爆発の風圧に巻き込まれたらんこは吹き飛ばされ地面に倒れてしまう。

 

「今だランボーグ!狙い撃つのねん!」

 

『ラン、ボボボボボッ!!!』

 

「ッ!くうっ⁉︎」

 

地面に倒れた事より格好の的となったらんこに向かってランボーグの無数のミサイルを放たれる。それを見た彼女も急いで逃げようと立ち上がろうとした瞬間、彼女の右足首に痛みが走る。

 

(ね、捻挫⁉︎こんな時に!)

 

どうやら先程の風圧に倒れた際に足首を捻った様で地面から立ち上がる事が出来ず逃げる事ができなかった。そして、気が付いた時にはミサイルはすぐ側まで迫っており今から逃げることはもう不可能であった。

 

「いやあああっ!らんこちゃぁぁぁん!」

 

その光景を見たましろは思わず悲鳴を上げる。このままではらんこはただで済まない事は予想しなくてもすぐ分かる事だ。だが、ましろの隣に立っていたソラが腰に付けていたミラージュペンを握り飛び出す。

 

「ひろがるチェンジスカイ!」

 

その言葉と共にソラは眩い光に包まれる。

 

「無限に広がる青い空!キュアスカイ!」

 

一瞬で変身するとマントを靡かせながら一気にらんこの前に立ち、迫り来るミサイルを拳で全て弾き飛ばす。

 

「私の友達には手を出す事は許しません!」

 

「ぐっ…!」

 

自分では無く友達であるらんこを狙った事にカバトンを睨むスカイ、それを見てカバトンは思わずたじろぐ。その隙にスカイはましろを呼ぶ。

 

「ましろさん!らんこさんを連れて逃げて下さい!」

 

「わかったよ!」

 

スカイに言われましろは2人の元へと駆け寄るとらんこに向けて手を差し伸べる。

 

「立てるらんこちゃん⁉︎」

 

「ええ、痛っ!……やっぱり右足が捻挫したみたいで立ち辛いわ…」

 

差し伸べてくれたましろの手を握って立ちあがろうとするが右足首に痛みが走り辛い表情を浮かべる。

 

「だ、大丈夫⁉︎…なら私おんぶするから背中乗って!」

 

「えっ⁉︎」

 

立って歩く事ができないらんこをましろはおんぶして行こうと身を屈めるが、それを見てらんこは驚きの声を上げる。

 

「い、いや、肩を貸すだけでいいわよ…」

 

「大丈夫こう見えても力はそれなりにあるから!」

 

そう言いながら右腕の袖を巻いて二の腕にある力瘤を見せてアピールをするが、肝心の力瘤は無く女子中学生らしい柔らかいぷにぷにとした肌しかなかった。

 

「で、でも「いいから乗って‼︎」は、はい…」

 

あまり見かけないましろの圧に押されたらんこは思わず返事をしてしまい、不本意ながらも彼女の背中にゆっくりと乗る。その際ましろの長い髪がらんこの顔に触れ、その際ましろの甘い香りが鼻腔を刺激し、女の子同士でありながららんこはドキッとなる。

そして、ましろはらんこが自身の背中に乗ったのを確認すると立ち上がる。

 

「ま、ましろ…重かったなら言って、肩を借りれば何とか歩くことは出来るから…」

 

友達におんぶしてもらう恥かしさと同時に髪の匂いで興奮し、フード越しで見えづらいが顔を赤く染めるらんこは今からでも遅くは無いと言わんばかりに遠回しに降ろす様に言う。

 

「ううん、全然平気だよ!寧ろ軽すぎるよ!」

 

「え、私…そんなに軽いの?」

 

昼食時にソラに対して注意した事を棚に上げて言うましろ。フィジカルが強いソラならまだしも二の腕の筋肉があまり無いましろから軽過ぎると言われた事に少しショックを受けつつもおんぶされた状態でましろと共に戦場から離れていく。

 

「あ、待つのねんフード娘と脇役‼︎ランボーグ彼奴等を追いかけるのねん!」

 

『ランボォーグ‼︎』

 

「待ちなさい!あなた達の相手は私です!」

 

ランボーグを使って2人の後を追おうとしたがそれをキュアスカイが立ち塞がる。

 

「ソラ、いやキュアスカイ!昨日は油断したが今日はそうはいかないのねん!カロリーを摂取した事によってパワーアップしたランボーグの強さを味わってみろ!」

 

『ランボォーグッ!!!』

 

「望む所です!」

 

標的をスカイへと変えるとカバトンはランボーグをけしかける。対してスカイもランボーグに向かって走り出すのであった。

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