ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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今回もまた一万字を超えてしまいました。そして、以前よりあったタグが今回で仕事をする予定です。


第47話 新たな刺客と友情(?)

ベリィベリーを探すため一行は病院を出た後、シャララ達と別れて街の中を探しているのだが、少しトラブルに見舞われていた。

 

「ベリィベリーさん…何処にいるんでしょうか」

 

「それにらんこちゃんも……」

 

今ソラ達は病院を出て商店街に来ているのだが早々にらんこと逸れてしまったのだ。別にらんこが1人突っ走ってしまった訳ではなく夕方という時間と今いる場所によって起きたとある現象により離れ離れになったのだ。

 

「まさか、主婦の軍団がやってくるとは…」

 

「僕も一年振りにスカイランドに帰ってきたからすっかり忘れていました」

 

「まるで平成のアニメみたいだよね…」

 

思い返すのは4人が商店街を歩いていた時、突然ほぼ全ての店からベルの鳴る音が響きタイムセールが始めると言った瞬間、街の至る所から100人を超える主婦たちがそれぞれの店へ駆け込んで行った。これがスカイランド名物の一つ夕方の主婦の大行進と呼ばれる。

そして数分が経つと主婦軍団が消えると共にらんこの姿も消えていたのだ。

 

「僕たちはなんとか巻き込まれずに済みましたが」

 

「らんこさんは気付くのに遅れていましたから…」

 

主婦の軍団が自分達の前から走ってきた時にソラ達は道の端へ避けたが、4人の中で後方にいたらんこだけは主婦達の存在に気付くのに遅れてその人混みに飲み込まれてしまったようだ。

 

「らんこちゃん…やっぱりお祓いした方が良いよ」

 

スカイランドに来てから不運続きならんこにましろは今更だが王様の褒美は国中の僧侶達を集めてお祓いをして貰った方が良いのではと考えてしまう。

取り敢えず3人は引き続き街を歩きベリィベリーに加えてらんこも探すことにする。探す対象が1人増えてしまったが果たしてソラ達は2人を見つけることができるのだろうか?

 

─────────

 

その頃、主婦軍団の大行進に巻き込まれたらんこは1人街の外れで彷徨っていた。先程までソラ達と離れ離れにならない様に行動したが突然周囲からベルが鳴り響く遠くから主婦の軍団が押し寄せ、気づいた時には人混みに飲まれて見覚えのない場所へと来ていたのだ。

 

「最悪…今いる場所が分からないしソラ達と逸れる……もう嫌っ!!!」

 

あまりの不運続きに彼女は泣きそうになる。こうなるのならせめてこちらの世界へ行く前に交通安全のお守りだけでも持ってくれば良かったと深く後悔する。なお、自分の世界のお守りが別世界に通用するかは謎だ。

 

「それにどう言う事よ……青の護衛隊が街にいるんじゃないの!?」

 

周囲を見渡すがベリィベリーを探している隊員達が1人も見かけないのだ。此処にはいない事が分かっているのかはたまた一部区間に集中しているのどちらかだろう。

取り敢えずらんこは自身の勘に頼り歩き出す。暫くすれば見覚えのある道に出るだろうと考え歩き続けるが周りの建物や塀など殆どの色が白であった為、彼女の気分があまりよろしく無い。

 

「はぁ、至る所に白、白、赤に白って嫌になるわ……ん、赤?」

 

視界に映る物全て白と思いきや一瞬赤い物が紛れている事に気付き、周囲を見渡すと其処には階段に座っている赤髪の少女、即ち自分達が探していたベリィベリーの姿があった。

 

「あっ!?あんな所にいた!」

 

らんこは目的の人物であるベリィベリーを見つけると彼女の姿を睨みつけながら近づく。

 

「見つけたわよ!…って、えっ」

 

「え……お、お前は!?」

 

ベリィベリーに話しかけると早速今まで溜まった鬱憤を発散する目的で悪態を吐こうとしたがこちらに向けた彼女の瞳から流れる涙を見て思わず言葉が詰まる。

 

「どうしたのよ…なんで泣いているの?」

 

「な、泣いていない‼︎」

 

涙の事を指摘されたベリィベリーは慌てて服の袖で拭き取って誤魔化すが目が充血して誤魔化しきれてなかった。それを見てらんこは彼女に右手を差し出す。

 

「……あんたには色々言いたい事があったけど、今のあんたを見ると言う気になれないわ。胸に溜まっている物があるのなら話してみなさい。私で良かったら聞いてあげる」

 

「う、うるさい!」

 

「あ、うっ!?」

 

余計なお世話だと言わんばかりベリィベリー右手を叩かれ、らんこは叩かれたショックにより右腕の痛みが甦り思わず右腕を抑えながら地面に蹲る。

 

「ぁ…だ、大丈夫か!?」

 

苦しそうな表情を浮かべるらんこを見てベリィベリーは慌てた表情を浮かべながら彼女を優しく起こす。

 

「だ、大丈夫よ…ちょ、ちょっとびっくりしただけだから」

 

「あっ……」

 

ベリィベリーに余計な心配をさせない様に言うがベリィベリーは包帯で巻かれたらんこの右腕を見て模擬戦時に自身の電撃によって大怪我をさせた事と過去のトラウマが同時にフラッシュバックする。

 

「……ごめん……なさい」

 

「えっ?」

 

「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

 

「ど、どうしたのよ!?」

 

涙を流しながら謝罪を繰り返すベリィベリー、彼女はらんこの右腕の怪我を見てかつて自身が右腕を怪我した時のトラウマと同時に人々を守る青の護衛隊の一員である己が一般人に手を出してしまった罪悪感に襲われていた。

 

「(何かしら……この姿前に何処かで見覚えがある様な……)あっ」

 

一方でらんこは困惑しつつベリィベリーの姿を見て既視感を覚える。それは以前ランボーグの能力によって己の過去に苦しみ、ましろを殴ってしまった時の己の姿とよく似ているのだ。

 

(そう言う事なのね…)

 

今のベリィベリーはまるで昔の自身だ。そう思ったらんこは彼女に話しかける。

 

「ごめんn「大丈夫」…あ」

 

「私は大丈夫よ…だからもう謝らなくていいわ」

 

かつて自分を寄り添ってくれたソラやましろにあげはの行動を思い出し、己もベリィベリーの身体を抱き締めると背中を優しく撫でる。

 

「許して…くれるのか?」

 

「あんたの気持ちはよく分かるわ……私も前に同じ事を体験したから」

 

思い返すのはあげはと邂逅した時の出来事だ。その時のらんこはあげはが仲良くましろと話す姿を見て嫉妬し貶した発言をしていた。今思えば恥ずかしい限りだ。

 

「それでもう一度言うけど、溜まっている物があるのなら話してみなさい。聞いてあげるわ」

 

「……わかった」

 

ベリィベリーは少し考えたが先程の負い目もある為、自身の胸の中にある言葉をらんこに向かって吐き出す。

 

「私は昔……今から数年前、青の護衛隊に入ろうと努力をしていた。両親や周りの人間からも期待を背負って入隊しようとしたんだ…」

 

「……」

 

ベリィベリーの過去については病院にてシャララから事前に聞いていたが、らんこは遮る事無く黙って聞く。

 

「だけど、入隊試験を受ける直前右腕に大怪我を負って右手に力が入りづらくなって……その所為で私はなんども、なんども……!」

 

ベリィベリーの脳裏にはかつて己が入隊試験を繰り返し、その度自分以外の受験者は試験に合格が出来、自分だけが不合格という悔しい思いが蘇り再び涙が溢れてくるが、

 

「……凄いじゃない」

 

「…え?」

 

涙が流れる直前らんこの言葉を聞いて呆然となる。対してらんこは口を開ける。

 

「あんた…何度も落ちたのに諦めずに頑張っていたんでしょ?あんたのいる青の護衛隊って実力あるエリート集団で成り立っているんでしょ?それなのに右腕に怪我のハンデがあるにも関わらず入隊出来た。凄い以外何も言えないわ」

 

らんこの話を聞いてベリィベリーは目を丸くする。対してらんこは煽てているのではなく本心で彼女を褒めていた。怪我の所為で何度も試験に落ちても彼女は挫折せず青の護衛隊の入隊を目指してきた姿勢は彼女にとって賞賛に値する物だ。

するとそんならんこを後押しするかのように脳内にとある声が響く。

 

『飛ぶのが怖い、応援されることも…けど、もう自分から逃げない!わたしはわたしの心に勝つ!未来へ輝く!』

 

それはフィギュアスケートのジャンプの際に失敗して負ってしまった大怪我を乗り越え、未来へと再び飛び立てるようになった少女の言葉であった。……誰だコイツ?

ただ、らんこは彼女と知り合いでは無いので疑問符を浮かべるのみだった。その後、らんこは彼女の声に続くようにしてベリィベリーへと言葉を続けた。

 

「失った右手の力の代わりに血も滲む努力をしてきたんでしょ……誇りなさい。あんたは強いわ」

 

「あ……」

 

らんこの口から放たれた強いという言葉を聞いてベリィベリーの心は張り裂けそうになる。今まで彼女は自分の過去についてシャララやその他を除いて話した事はなく、話したら馬鹿にされると思っていたのだ。だが、目の前にいるらんこは自身の電撃によって大怪我をしたにも関わらず怒ら無いどころか自分の事を褒めてくれた事にベリィベリーは感情を爆発させる。

 

「ぅ、ぅぅ…うわああああああああああんっ!!!!」

 

「ええっ!?ちょ、ちょっと!?」

 

突然大声を上げながら涙を流すベリィベリーに困惑するらんこだったが、何とか宥めようとするのであった。

 

────────

 

それからベリィベリーは泣き止むも先程まで泣いていた事もあり目が充血している。

 

「……見苦しい所をみせたな……それと……色々迷惑をかけた」

 

「気にしなくていいわ」

 

先程までの己の醜態を晒した事にベリィベリーは顔を赤くして恥ずかしそうにしているがらんこは気にしていない様子。

 

「そうか…それと、さっきの事は……」

 

「わかってる。秘密にしておくわ……その代わり条件があるわ」

 

「条件?……まぁ、いいだろう」

 

先程の事を秘密にする代わりに条件があると言われ何なのか気になるが、先程までらんこから散々色々と世話をして貰ったからそれに応えようと思っていた。

 

「別にそんな難しい条件じゃ無いわ……ただ、その……」

 

「?」

 

何やららんこの様子がおかしい。少しではあるものの顔を赤くして後半は声が小さくなっていく。一体どうしたのだろうかと思っているとらんこは後ろを向いて数回深呼吸をすると再びベリィベリーに向き直る。

 

「わ、私と……と、友達にならない?」

 

「え?」

 

少し言葉が詰まっているもらんこはベリィベリーに向かって提案をする。

 

「どうして…私と…?」

 

「別に…大した理由は無いけど、ただあんたを見ていると他人な気がしないのよね……なんて言うか親近感を感じるのよ」

 

先程ベリィベリーを見つけた時、悲しみに明け暮れる姿とその後の様子を見てらんこは以前までの己と重ねたのだ。

 

「それで……どうする……ん?」

 

らんこはベリィベリーに友達になるかと否かと聞こうとするが何やらベリィベリーの様子が可笑しい。と言うよりもその様子はソラと友達になった時と同様に感極まった顔を浮かべていた。

 

「べ、ベリィ「こ、此方こそ宜しく頼むっ!!!」…って、イッタアアッ!?」

 

ベリィベリーはらんこと友達になったあまりの嬉しさによりにもよって彼女の怪我している右手を強く握ってしまう。そしてらんこは握られた痛みで思わず叫んでしまう。

 

「は、離しなさいよラズベリー!!!」

 

「あ、す、すまない!…あまりの嬉しさについ……」

 

らんこはベリィベリーの手を振り払うと自身の右手を優しく撫で、ベリィベリーもうっかり怪我した手を握ってしまった事に申し訳なく思っていた。そして、その様子からしてベリィベリーは友達が少ない又はソラの様にぼっちなのではと察する。そうでなければ興奮のあまり怪我した右手をの存在を忘れて強く握った事にならないだろう。それ以外の理由だったのなら一瞬どつこうと考えた。

 

「…ところでさっきどさくさに紛れてラズベリーと呼んだか?」

 

「呼んだけどなにか!?」

 

ベリィベリーの質問に対してらんこは額に青筋を浮かべながら返答している事に彼女は怒っているとすぐわかり「す、すまない」と謝罪する。

 

「…あ、後一つ、お前の名前ってまだ聞いていないと思うんだが……」

 

「え?……あぁ、そう言えばそうよね」

 

先程まで色々とあって友達になったと言うのにらんこは自分の名前をまだ教えていない事を思い出すと、軽く咳払いをする。

 

「私の名前は風波らんこよ…らんこで良いわ」

 

「ああ、こっちもよろしく頼むらんこ!」

 

ベリィベリーは漸くらんこの名前を知ると早速呼び、らんこは少し照れ臭そうな表情を浮かべる。

 

「いやぁ〜、泣けるねぇ。弱い者同士の馴れ合いって」

 

「「!?」」

 

その時、その場から第三者の声が響き2人は其処に向かって視線を移すと其処には黒いジャケットを羽織り緑の髪とバッタを連想する触角?を生やした青年がいた。

 

「…誰だお前は?」

 

「……生憎だけど、ナンパはお断りよ」

 

先程までこの場には自分達しかいなかった筈なのにいつの間にか現れた謎の青年に2人は警戒する。

 

「そんな釣れないことを言わずにさ同じ緑の髪同志…仲良くしよう」

 

対して青年は自分が警戒されているにも関わらずキザな台詞を吐きながら2人に近づいていく。

 

「おい、良い加減にしろ。それ以上ふざけた真似をすれば拘束するぞ」

 

ベリィベリーはらんこを守る様に前に立つと青年に向かって警告する。

 

「ああ、そう言えば君、ずっと1人で頑張って来たんだね…さっきの会話を聞かせて貰ったよ。でももう頑張らなくても良いんだよ?君を傷つけるこんな世界、僕が壊してあげるから」

 

「お前は、なにを言って!?」

 

先程らんこだけに話していた己の辛い過去を盗み聞きされた事に動揺する。

 

「下がってベリィベリー!コイツ何か危険よ!」

 

「なっ、らんこ!?」

 

今度はらんこがベリィベリーの前を立つと青年の姿をじっと見つめるとある物に気がつく。

 

「……あんた、その手首に付けている趣味の悪いアクセサリーは見覚えあるわね」

 

「おっ、これでわかっちゃうのか…流石プリキュアだね」

 

「っ!じゃあ、やっぱりあんたは!」

 

目の前の青年がらんこの事をプリキュアと呼んだ事に警戒を更に上げると同時に彼が何者か気付いた。

 

「ご察しの通り、僕はアンダーグ帝国からやってきたバッタモンダーさ」

 

「やっぱり!」

 

「なに、こいつがアンダーグ帝国の敵!?」

 

青年…バッタモンダーは己の正体を明かすとらんこは咄嗟にミラージュペンを構えてベリィベリーも前日に隊長のシャララからアンダーグ帝国について聞かされていた為、敵と分かるとグローブに電撃を帯びる。

 

「おお、怖い怖い…別に僕は弱い者虐めをするつもりはないんだけどなぁ…」

 

「なっ!弱いだと!?」

 

「挑発に乗っちゃダメよ!」

 

バッタモンダーから弱い者と言われベリィベリーは腹を立たせるも、らんこが彼女を宥める。

 

「まぁ、君達が戦う気なら気は進まないけど相手になってあげるよ」

 

そう言うとバッタモンダーは自身のジャケットから長方形の弁当箱らしき物を取り出す。一方でらんこはそれを見て血相を変える。

 

「っ!?ちょ、ちょっと待ちなさい!なんであんたがそれを持っているの!?」

 

「どうしたんだらんこ?」

 

突然のらんこの反応にベリィベリーは驚く。だが、らんこが驚くのも無理は無い。何故ならバッタモンダーの持っている物は以前見た時と比べて形は変わっているが、その箱の中央にあるDのマークは見覚えがある。それはかつておいしーなタウンにてキメラングが使っていたレシピッピの捕獲箱だ。だが、らんこの記憶では捕獲箱によって生み出されたアンダーグウバウゾーをデリシャスパーティ♡プリキュアと共に浄化した際に破壊された筈だ。それがどうして目の前にあるのか疑問だった。

 

「ああ、これは僕のビジネスパートナーのキメラングから初任務の祝いで貰った物だよ。話を聞けば以前これに君たちは苦渋を味わったみたいだね」

 

キメラングから貰ったと聞いてらんこは理解する。恐らく今目の前にある物はかつて使った捕獲箱を複製した物だろう。今までの発明品やロボットに強化スーツといったものを作ってきたキメラングならそれぐらい朝飯前だろう。しかし、今バッタモンダーが手にしている物は前見た時と形状が事なっている事に恐らく改良したのだろう。もし、そうなら苦戦を強いられる事は間違いないと思った時、らんこの脳裏にある事が過ぎる。

 

(ん、待てよ…確か捕獲箱って捕まえたレシピッピによってその料理の味が変わる筈……んん?)

 

捕獲箱の機能を思い出すと数時間前に食べた不味いドールボーナツを思い出す。

 

「……一応聞くけど、あんたその中にはどんなレシピッピを入れたの?」

 

「ん?ああ、こっちにやってきた時に側を飛んでいたから捕まえたんだよ」

 

『ピピー!』

 

そう言ってバッタモンダーは捕獲箱の蓋を外し、中を見せると其処にはらんこが食べていたボールドーナツと瓜二つな姿をしたレシピッピが囚われていた。それを見た瞬間、らんこは自身の眉を吊り上げる。

 

「へぇ…そう言う事ね……私があんな思いをしたのはアンタの所為って事ね馬鹿モンダー…!」

 

「ばっ!?…バッタモンダーだ!!!誰が馬鹿だ!?」

 

いきなり馬鹿呼ばわりされた事に怒鳴り声を上げるバッタモンダー。恐らくこれが彼の本性なのだろう。

 

「ふん、あっさり化けの皮が剥がれたわね。優男みたいな見かけと言葉を使って相手を油断させて隙をつく……随分嫌らしい真似をするわね」

 

「うっ、うるせぇ!……ふぅ、まぁいいさ。キメラングから聞いているよ。これによって作り出したウバウゾー…だっけ?それに手こずったって!」

 

「っ!ベリィベリー!」

 

再びキザな態度を取るとバッタモンダーは捕獲箱をベリィベリーへと向け、らんこはそれに気がつくが少し遅れた。

 

「カモン!アンダーグウバウゾー!」

 

「うわぁっ!?」

 

『アンダーグウバウゾー!』

 

捕獲箱から照射されるエネルギーにベリィベリーのグローブが当たり、更に近くの民家にあったはかりにもエネルギーを当てると合体して頭から胴体ははかり、両手はグローブといったアンダーグウバウゾーへ変わる。

 

「大丈夫ベリィベリー!?」

 

「あ、ああ…私は大丈夫だ」

 

倒れるベリィベリーにらんこは駆け寄るが特に目立った外傷は無さそうだ。安心するとアンダーグウバウゾーに視線を移す。

 

(それにしてもグローブとはかりが合体したですって?)

 

今まで戦ってきたランボーグもそうだが、一つのアイテムをベースとして作り出していたが目の前のアンダーグウバウゾーは二つの物を融合させて誕生したのだ。

 

「流石キメラング、中々のアイテムじゃないか…僕が作るランボーグよりも強く感じるよ……さて、悪いけどこれも仕事なんでね。プリンセスは何処か教えてくれないか?」

 

「くっ」

 

自身の作り出したアンダーグウバウゾーを使ってエルの居場所を吐かせようとするバッタモンダーにベリィベリーは苦い顔を浮かべつつ後退りをする。

そんな時、ベリィベリーを守るかの様にらんこが彼女の前を立つと深く息を吸って口を開きつつ叫ぶ。

 

「誰があんたみたいなイカレバッタに教えるのよ!?バッカじゃない!?」

 

「んなっ!?そ、そっか…なら仕方ない。心苦しいけど、少し痛い目を見て貰うよ!」

 

『ウバウゾー!』

 

突然の暴言にバッタモンダーは一瞬驚くも直ぐに冷静さを装いらんこに向かってアンダーグウバウゾーをけしかける。

 

「丁度良いわ。こっちにきてむしゃくしゃしていたから憂さ晴らしに付き合ってもらうわよ」

 

今までに溜まったストレスを発散する絶好の機会であると考えたらんこはミラージュペンを掲げる。

 

「スカイミラッ!?…うっ!?」

 

その時、突然らんこは表情を歪めミラージュペンを地面に落とし、両膝を地面に付けて右腕を抑える。

 

「らんこ!?まさか、痛みがまた!」

 

右腕を抑えるらんこを見てベリィベリーは彼女の右腕の怪我の痛みがタイミング悪く蘇った事に気づく。

 

「だいじょ…っ!危ない‼︎」

 

「え、あっ!?」

 

突然らんこに突き飛ばされたベリィベリーは地面に尻餅をついてしまう。

 

「いたたっ、いきなり何をするんだ…って、らんこ?」

 

文句を言おうとしたベリィベリーだったが先程まで目の前にいたらんこが突然姿を消した事に呆然となるが上の方からうめき声のような物が聞こえてくる事に気がつくと、

 

「ぐぅ、うぅっ!」

 

「ら、らんこ!?」

 

らんこはアンダーグウバウゾーの手の中に捕まっていた。

 

「待ってろ!今助けるぞ!」

 

らんこを助けようとアンダーグウバウゾーに向かって攻撃をしようといつもの様に電撃を放とうと右手を突き出すが、彼女の気持ちに反して何も起きない。

 

「しまった!グローブが…」

 

自身の唯一の武器である電撃を操るグローブが今アンダーグウバウゾーの素体に使われていることを思い出す。それを見てバッタモンダーは彼女を煽る。

 

「悲しいね…力が無いと何も出来ないなんて」

 

「わ、私は…!」

 

バッタモンダーの発言がベリィベリーの胸に刺さり動揺を見せる。失った筋力の代わりに使っている己のグローブが無ければ彼女は青の護衛隊の中で実力が低い事を思い出してしまう。

 

「に、逃げて!ベリィベリー!」

 

「らんこ?」

 

そんな時、捕まっているらんこがベリィベリーにこの場から逃げるように言ったのだ。

 

「こいつは普通の攻撃じゃ効かない!ソラ達や他の隊員達を呼んできて!」

 

「…くっ!」

 

らんこの言う通り攻撃手段を持たない自分は今は逃げるしか無いと判断し、他の隊員達に応援にきて貰おうとその場から走ろうとした。

 

「あっれ〜?逃げるんだ…まぁ、別に逃げても構わないけど、その代わり彼女が傷付くんだけどね」

 

「う、あああああああっ!!!」

 

「ら、らんこっ!!!」

 

その時、アンダーグウバウゾー拳から電撃が発生しらんこの全身に電流が走り悲鳴を上げる。それを聞いたベリィベリーは足を止めて振り返る。

 

「や、やめてくれ!それ以上私の友達を傷つけないでくれ!」

 

折角仲良くなった友達が目の前で傷つく姿にベリィベリーは耐えられずバッタモンダーにやめるように言う。それを見てバッタモンダーはニヤニヤと表情を浮かべながら電撃を止めさせる。

 

「可哀想に…弱さって罪だねぇ…弱いと友達も守れないんだから」

 

「わ、私は……」

 

再びバッタモンダーの言葉がベリィベリーの心を深く突き刺す。今の自分は実力を半分も発揮できない弱者であると、そしてそんな今のベリィベリーの顔を見て更に追い打ちを掛けようとする。

 

「ベリィベリーを……馬鹿にしないで…!」

 

「ん?」

 

そんな時にアンダーグウバウゾーに捕まっているらんこが声を上げ、バッタモンダーはそれに反応する。

 

「彼奴は自身の弱さを理解してその弱さを補おうとする努力家よ。これ以上馬鹿にするのなら……許さない!

 

「ヒィッ!?(な、なんだ?…こいつの目が光っている!?)」

 

捕まっているにも関わらず鋭く睨まれた事にバッタモンダーはビビり、同時に彼女の目が光っている事に気がつく。

 

「はっ!?ゆ、許さないだって?今君は捕まっているんだぞ!?そんな状態で何g「ふぐぐぐっ!」…って、えっ!?」

 

『ウバッ!?』

 

バッタモンダーの視線の先には信じられないものが映っていた。それは変身していないにも関わらずアンダーグウバウゾーの拳を少しずつこじ開けて行く姿だ。

 

「こんのっ……馬ッ鹿モンダァァァァァァァアッ!!!」

 

なんと無理矢理拳をこじ開けると抜け出して地面に落ちていた自身のミラージュペンを回収してベリィベリーの側に立つ。

 

「ら、らんこ大丈夫か!?」

 

「ええ、まだちょっと身体がピリつくけど大丈夫よ」

 

心配してくるベリィベリーに対してらんこは少し痺れが残っているが動くのに支障は無いと言って彼女を安心させる。

 

「あ、有り得ねえ!?なんで抜け出せるんだよ!?」

 

「そんな事…私が知るかっ!!!」

 

バッタモンダーが酷く動揺している隙にらんこは改めて変身しようとした時だ。

 

「「「らんこちゃん(さん)!」」」

 

「っ!み、みんな!」

 

其処へ丁度ソラ達が駆けつけたのだ。そして、ソラ達は彼女の近くにいるベリィベリーの存在とアンダーグウバウゾーの存在に気がつく。

 

「ベリィベリーさんに……あれって前に戦ったアンダーグウバウゾー!?」

 

「でも、どうして!?」

 

ソラとましろも以前戦ったアンダーグウバウゾーが目の前に存在している事に驚き。ツバサはバッタモンダーが捕獲箱を持っているのに気が付きらんこに話しかける。

 

「らんこさん、もしかしてあそこにいるのは?」

 

「そうよ。彼奴はアンダーグ帝国の新たな刺客のイキリバッタよ」

 

「おい、俺の名前ば馬ッ鹿モンダッ!…じゃなくて、バッタモンダー様だ!」

 

悪意ある渾名で呼ぶらんこにバッタモンダーは訂正するも自身も間違えて呼んでしまう。

 

「とにかく、みんな行くわよ!」

 

「「「はい(うん)!」」」

 

らんこの掛け声に応えると一同はミラージュペンを構えて変身する。

 

「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「お、大空に広がる…い、一陣の風!き、キュアツイスター!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュ……あれ?」」」

 

スカイ達はいつものように決め台詞を言うが、1人分声が足りない事に気付くと、ツイスターがその場にいない事に気がついた。

 

「ツイスターは?」

 

「あ、あそこに!」

 

ウィングが指をさした方向にはツイスターがいたが、何故か3人から距離を取ってベリィベリーの背後に隠れていた。

 

「お前は……何をやっているんだ?」

 

「べ、別になんでも無いわ」

 

自分の背中に隠れるツイスターにベリィベリーは不思議に思い、彼女はなんでも無いと答える。

 

「つ、ツイスター?」

 

「なんでベリィベリーさんの所に?」

 

スカイとプリズムは何故彼女が変身の決め台詞を言わずに自分達と距離を開けるのか不思議に思った。

 

「あっ!そうだった!」

 

「え、どうしたんですか?」

 

「何かわかったの?」

 

突然何かに気付いた様子のウィングにスカイとプリズムが話しかける。

 

「ほら、今のツイスターは白い物が苦手…となると……」

 

「あっ!」

 

「……えっ、私っ!?」

 

ウィングは視線をプリズムの方へ移すとスカイも気づき、更に少し後に遅れながらプリズムも気付いた。

そう、ツイスターは現在白い物にトラウマ的な物があり髪の色を除いてガッツリと白いプリズムに対して怯えていたのだ。

そして思い返せばフォーチュンクッキーで験担ぎした際にプリズムの事について言及していたのだ。

 

(ええっ、まだ克服できていないのぉ…)

 

一方でプリズムはツイスターがまだ白を克服出来ていない事で自分との距離を開けていることにほろりと涙を流す。彼女とは中学1年からの付き合いだからこんな対応を取られるとプリズムの心にも傷が付く。

 

「おやおや、敵を前にしてお喋りって…油断し過ぎだよ!」

 

『ウバウゾォォォ‼︎』

 

そんな時、隙ありと言わんばかりにバッタモンダーがアンダーグウバウゾーに指示を出すとスカイ達に向かって電撃を放つが、それぞれ近くの建物の屋根に飛び移って避ける。ベリィベリーはツイスターに抱えられて同様に屋根に移っている。

 

「ベリィベリーは此処にいて!」

 

「あ、ああ」

 

ツイスターは安全の為に彼女をその場に置くとスカイ達と共にアンダーグウバウゾーに攻撃を仕掛ける。

 

「はああああっ!」

 

「やああああっ!」

 

『ウバウ、ゾッ‼︎』

 

「「なっ!?」」

 

先ずスカイとウィングが同時にキックをするがアンダーグウバウゾーはそれを頭にあるはかりの上皿で防ぐと攻撃を吸収してバネのように2人を吹っ飛ばした。

 

「物理がダメならこれはどう!?」

 

今度はプリズムが自身の周りに光弾を幾つも出現させると、キメラングのドローンのようにそこから更に小さな光弾を発射させる。その光弾は周囲からアンダーグウバウゾーに襲い掛かるが、それをアンダーグウバウゾーは電撃で全て相殺する。

 

「そんなっ!?」

 

「ふふっ、どうだい?アンダーグウバウゾーのちk「あと1人誰か忘れちゃいませんかってんだ‼︎」うおっ!?」

 

まるで某自称天才バスケットマンを連想する様な台詞を吐きながらツイスターは強烈な風を起こしてアンダーグウバウゾーに向かって放った。あまりの風圧にバッタモンダーは倒れそうになる。だが、アンダーグウバウゾーは地面をしっかり踏み込み倒れないようにすると

 

『ウバッ!』

 

「っ!危なっ!?」

 

自分の頭についている上皿を外してツイスターに向かって投げるが彼女は迫り来る上皿を横に避けるが、上皿はそのままベリィベリーに向かって飛んでいく。

 

「「「「ベリィベリー(さん)!!!」」」」

 

「なっ!?」

 

4人の声にベリィベリーは迫り来る上皿に気付いたが彼女は今いる場所が屋根である為逃げ場が無く、更に武器であるグローブが無い為に防御する事が出来ない。スカイ達が駆けつけようとするも間に合わずそのまま受けそうになった。

 

「ベリィベリー!」

 

そんな時ツイスターが地面が抉れるほど強く踏み込むと一気にベリィベリーのいる屋根へ飛び上皿を受け止める。

 

「無事かしら…ベリィベリー」

 

「ら、らんこ…!?」

 

ツイスターはベリィベリーの無事を確認すると何処も怪我をしていない事を確認するが、そんな時受け止めた上皿が回転を始める。

 

「んなっ!?何ですって…!」

 

突然丸鋸の様に回転をする上皿に驚くとすかさず自身の握力を使って止めようとする。

 

「ぐうっ!?」

 

「らんこ!」

 

突然右腕に痛みが走り辛そうな顔を浮かべるツイスター。そんな彼女を見て心配そうにするベリィベリー。

 

「ツイスター!?まさか、まだ怪我が完全に治っていない!?」

 

スカイは苦痛の表情を浮かべるツイスターを見て心配する。

 

「僕たちも助けに行きましょう!」

 

「うん!」

 

ウィングの意見に同意してスカイとプリズムは2人を助けに行こうとした。

 

「おっと、君たちの相手はこっちだよ」

 

『ウバウ、ゾオオオオオオッ!!!』

 

「「「なっ、あああああああっ!!!」」」

 

そこに道を塞ぐようにアンダーグウバウゾーが立ち塞がると両手から強烈な電撃を放ち、それが3人を襲う。そして、その様子を見ていたベリィベリーが自分の為に助けようと苦しんでいるスカイ達を見て涙を浮かべる。

 

「くっ、らんこ!私の事は放っておいて3人を助けに行ってくれ!」

 

「な、何を言っているのよ!?そんな事出来るわけないじゃない!」

 

ベリィベリーの発言にツイスターは声を上げる。要はベリィベリーを犠牲にしてスカイ達を助けにいけと言っている事だ。

 

「良いんだ!元はと言えば私が弱いから…弱いから皆んなの足を引っ張っているんだ…!」

 

「ベリィベリー……」

 

涙をポロポロと流す彼女の姿にツイスターは心配する顔を浮かべる。

 

「だから私を見捨t「ふざけた事を言わないで!!!」…え?」

 

見捨てろと言おうとした時、ツイスターの怒声が彼女の言葉を遮る。

 

「あんたが弱いですって!?そんな事ないわ!あんたは強いわよ!だって、今まで努力したおかげで今の青の護衛隊の一員であるあんたがいるんでしょ!」

 

「あっ……」

 

彼女の言葉を聞いてハッとなるベリィベリー、それを見て先程まで怒っていたツイスターの表情は笑みへと変わる。

 

「それにこんなただデカいだけのフリスビーでこの私がいつまでも時間を潰している訳ないわっ!!!

 

その時、ツイスターの目に緑色に光と全身からオーラの様な物が現れると彼女の力は増していき、両手の指が上皿を深く突き刺すと回転が止まる。

 

「大回転、プリキュア返し!てぇぇぇぇぇいっ!!!」

 

『ウバッ!?』

 

「ええええっ!?」

 

上皿を円盤投げの如くアンダーグウバウゾーに向かって投げると見事に命中してアンダーグウバウゾーはその巨体が吹っ飛び、近くで見ていたバッタモンダーは衝撃を受ける。

 

「行くわよウィング!私に続いて!」

 

「は、はい!」

 

ウィングに声を掛けると彼は多少の痺れは残っているがツイスターの呼びかけに答えて飛び上がると、ツイスターと共に技を出す。

 

「ヒーローガール!ツイスターストライク!」

 

「ひろがる!ウィングアターック!」

 

『ウマラバッ!?』

 

なんとか起き上がろうとしたアンダーグウバウゾーだったが、追い打ちの同時技に大きなダメージを受け再び倒れてしまう。その光景を見たスカイとプリズムは互いに目を合わせる。

 

「プリズム!久しぶりにアップドラフトシャイニングで行きますよ!」

 

「うん、わかったよ!」

 

スカイと共にプリズムはスカイミラージュを取り出すとスカイトーンを装填する。

 

「スカイブルー!」

 

「プリズムホワイト!」

 

2人はスカイミラージュを高く掲げると、アンダーグウバウゾーの真上に現れた円盤に吸い込まれていく。

 

「「プリキュア!アップ・ドラフト・シャイニング!」」

 

『オナカイッパ〜イ』

 

そのまま円盤の中から気流が噴き出していき、円盤の中にいるアンダーグウバウゾーが浄化されて元のグローブとはかりに戻る。

 

『ピピピーッ!』

 

「んなっ!?」

 

そしてアンダーグウバウゾーが浄化された事により中にいたレシピッピが解放され、バッタモンダーも捕獲箱がバラバラになった事に驚く。

 

「ふ、ふざけんなよ‼︎…あ、おめでとう。お互いいい戦いだったよね。また会おう、バッタモンモン」

 

一瞬本性を表しかけるが直ぐに冷静に装うと買ったツイスター達を賞賛してバッタモンダーは撤退した。

 

─────────

 

それからというもののアンダーグウバウゾーの出現と戦闘音によって気が付いたシャララ率いる青の護衛隊が駆けつけ現場の安全と民間人に被害はないか確認していた。

 

「はい、あんたのグローブよ」

 

「ありがとう…らんこ」

 

元に戻ったグローブをベリィベリーに返すとらんこにお礼を言う。そして、彼女の隣に立つソラと目が合うとベリィベリーは気不味い顔を浮かべながらも恐る恐るソラに話しかける。

 

「ソラ……その、嘘つき呼ばわりして……ごめん」

 

「いいえ、私は気にしていませんよ」

 

ソラに向かって実力を疑った事に謝罪をするとソラは彼女の謝罪を受け入れる。それを後ろから見ていたましろとツバサは小声で相談する。

 

「なんだか今のベリィベリーさん…らんこちゃんに似ているね」

 

「そうですね…」

 

最初は強気な態度だったベリィベリーはすっかり2人に心を許している事かららんこと通ずるものを感じた。

 

「ソラ」

 

「あ、シャララ隊長!」

 

其処へ先程まで他の隊員達と会話をしていたシャララがソラ達の元へとやってくる。

 

「お前の入隊テストについて話がしたい」

 

「あ、そう言えばテストは…」

 

色々あってテストは中断されてしまいまだソラは青の護衛隊へ入隊が決まっていなかったのだ。

 

「ああ。さっきはアクシデントがあって中断となってしまった。……だからその結果はベリィベリーの判断に任せたい」

 

「え、私…ですか?」

 

突然ソラのテストについて話を振られた事にベリィベリーは面食らった顔をする。

 

「そうだ。ソラと直接拳を交えたお前なら合格に値するか否か分かるだろう」

 

要するにソラを合格にするも不合格にするもベリィベリーの判断で決まると言うことだ。そして、彼女の中ではソラはどちらにするか既に決まっていた。

 

「……勿論合格です!」

 

「わあっ、ベリィベリーさんありがとうございます!」

 

「うわっ!?こ、こら急に抱きつかないでよ!」

 

ベリィベリーから合格を言い渡された事にソラは嬉しさのあまりベリィベリーに抱きつき、彼女も口ではそう言うが満更では無い表情を浮かべる。

 

「所でらんこ。君にも話があるんだが良いか?」

 

「え、私?」

 

何故かシャララに話かけられたらんこは疑問を浮かべる。特に己はシャララと話す話題はこれと言って無いのだが、取り敢えず話を聞こうと耳を貸した。

 

「君も

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青の護衛隊に入隊しないか?

 

「は?」

 

『えっ?』

 

シャララの発言にらんこは固まり、ソラ達とその場にいた青の護衛隊の隊員達全員が彼女の発言に思わず声を出す。

 

「……んん、すいません。どうやら雑音でよく聞こえなかったのでもう一度言ってくれますか?」

 

「だから我が隊へ入隊しないかと言っているんだ」

 

どうやら聞き間違いでは無い様だ。シャララの言葉にらんこは段々と顔を青ざめていく。

 

「い、いやいやいやっ!なんで!?なんで私を入隊!?って言うか推薦するの!?おかしいでしょ!?」

 

これと言って自分が青の護衛隊へ入隊するキッカケなど全く無い事にらんこはテンパりつつもシャララに訳を問う。

 

「あの時の模擬戦の最中に私とベリィベリーを除く隊員達を全て倒したからな。君の実力は申し分無い」

 

思い返すのは模擬戦の時、大柄なアリリの身体を使ってその場にいた隊員達を倒した事をシャララは評価した。また、それだけではなく狙った獲物は逃さないと評判の自身の相棒ワシオーンの一撃を逃れた事も評価となっている為、シャララとしては充分青の護衛隊へやっていけると思っていた。

 

「い、いや、それはまぐれだから!私は変身しないと板割りすらも出来ない貧弱だから!」

 

「「えっ?」」

 

らんこの言葉に思わずましろとツバサは声を出す。街の食堂にて分厚いテーブルをワンパンで破壊した光景を見ていた事から思わず"何言ってんだこいつ?"と言わんばかりの視線を送る。

 

「ら、らんこさん凄いですよ!まさかシャララ隊長からの直々のスカウトなんて…!」

 

「え、いやいや入る訳無いでしょ!それにプリキュア以外これと言って対人戦の経験が無いから!」

 

ソラはシャララから推薦された事に素直に喜ぶも、らんこは慌てて実力はないと訴える。

 

「あ、そうよ!ベリィベリーは駄目よね!?青の護衛隊は実力があるものしか存在を許さないものね!?」

 

ソラが護衛隊に入る時だって不満があったのだ。そういう所が厳しいベリィベリーなら自身の思った気持ちを伝えてくれる筈だ。

 

「い、いや…私は別に構わない…寧ろ良いと思う」

 

「ほら、ベリィベリーも構わないって、ええええっ!?」

 

自身の予想とは裏腹にベリィベリーはらんこの入隊を認める。

 

「それに…私はらんこが側にいれば……それで////」

 

「え、もしかしてベリィベリーさんって……」

 

「あの様子からして……恐らくは」

 

何やら顔を赤くして両手を頬に当てながらモジモジとしながら呟き、らんこへ視線を向けるベリィベリーにましろとツバサはまさかの彼女の性癖に衝撃を受ける。

尚、らんこの性癖はノーマルな上に並行世界のひかると良い関係になっている為、彼女の想いには気づかない。

 

「らんこ、入隊するのなら私が手取り足取り教えるぞ……そして、夜は……」

 

「夜?……よく分かんないけど、私は早く寝たいから夜勤とかは勘弁願いたいわ!って、そうじゃなくて入らないわよ!」

 

ベリィベリーの気持ちに気付かないらんこは彼女の言葉の真の意味を理解せず、入隊を強く断る。

 

「な、なんで駄目なんだ!?わ、私の事が嫌いになったのか!?」

 

「いや、落ち着きなさい。普通は嫌いな人と友達になる訳無いでしょ?」

 

らんこの発言にベリィベリーは嫌われたのかと思い詰め寄り、興奮するベリィベリーをなんとか宥めようとする。

 

「らんこさん。ベリィベリーさんと仲良くなれて良かったです」

 

「いや、あれを仲良くなったの一言で済ましていい物なのかな?」

 

「やめときましょう。下手に関わると面倒くさい事になりそうですから」

 

ソラは2人のやり取りをみて普通に仲が良いと思っているが察しの良いましろとツバサはベリィベリーがらんこに向ける世界に広がるビッグな愛について黙っている事にした。

 

「兎に角推薦するのは嬉しいですが、お断りさせて頂きます!」

 

「むっ、仕方ない。私も無理にとは言わない。だが、君をいつでも歓迎しているぞ」

 

「ええ、考えておきます」

 

考えておくと言っているがらんこは絶対スカウトは受けないつもりだ。態々異世界へやってきて何故働かなければならないんだと内心ツッコミをいれ、取り敢えず明日からは観光を楽しもうと考えるのであった。

だが、彼女は忘れている。自身の今の不運とおみくじに書いてある事は必ず当たると言わんばかりの効力について……。

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