ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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今回はコラボ第3話となります。それではどうぞ。


第53話 黒に染まっていく風

ツイスターの変身が完了しキメラングとの戦闘が始まってから5分が経過する。

 

「はあああっ!」

 

「おっと、遅い遅い!そんなんじゃ当たらないよ」

 

先程からツイスターはキメラングへ攻撃を繰り出すも当たらず、対してキメラングは避けるだけで特に反撃などをしてこなず、まるで大人が子供を相手にしているくらい涼しい顔を浮かべている。

そんな2人の戦いを後方からひかるが見守っているが彼は辛い表情を浮かべている。

 

「やっぱり駄目だ…今のツイスターはまともに戦える状態じゃ無い…!」

 

ひかるの言う通り今のツイスターは怪我がまだ治っておらず更には戦う直前に右腕を怪我している為、普段の実力を発揮出来ずにいたのだ。

 

「ほら、1発でも当ててみなよ。私はさっきから攻撃せずに避けているだけなんだからそろそろ当てて欲しいものだよ♪」

 

「くっ…調子に乗ってるんじゃっ!?」

 

挑発してくるキメラングにツイスターは乗ってしまい、彼女に迫ろうとするもタイミング悪く今までの身体の疲労が限界を迎えてしまい足に力が抜けて勢いよく地面に倒れてしまう。

 

「おや、やっぱり身体は既に限界の様だね」

 

「くっ…!」

 

倒れたツイスターを見てキメラングが滑稽に思えたのか彼女を見下ろしながら軽く笑う。

 

「ほら、まだ戦いは始まったばかりだよ。もっと抵抗しなよっ!」

 

「ああっ!」

 

「つ、ツイスター‼︎」

 

地面に倒れるツイスターをキメラングが強く蹴り上げると彼女の身体は宙を舞いそのまま堤防の下にある川に落とされてしまう。そんな光景にひかるは思わず彼女の名を叫んでしまう。

 

「くそっ!俺はまた傍観しか出来ないのかよ‼︎」

 

川からずぶ濡れになった状態で立ち上がるツイスターはもうボロボロだ。更には戦いで激しく動いた事により傷が開き彼女の緑色の衣装が所々赤く滲んで痛々しく見える。そんな彼女の姿を見て何も出来ない自身に怒りが湧いてくる。だが、怒りのままにキメラングへ戦ったら返り討ちに遭うだけじゃなく、ツイスターにも迷惑が掛かってしまう。一体どうしたらいいんだと考えていると、

 

「…あっ、そうだ!こういう時は皆んなを呼べば!」

 

今までらんこを探すのに必死になったり戦いに夢中になっていた事で自分のスマホの存在をハッと思い出すとポケットから取り出しひかるは何処かに通話を掛けるのであった。

 

────────

 

一方その頃、らんことひかるを探しに街へとやってきたアサヒとユキ達は現在街のコンビニの駐車場へいた。

 

「どうですか、そっちは見つけましたか?」

 

「ううん、全然見当たらないよ」

 

「街の人にも聞きましたが駄目でした」

 

2組に別れていた一同は街をしばらく捜索して一旦情報共有の為にこの場に集合したが互いの成果は見られない様子だ。

 

「らんこちゃんとひかる君何処に行ったんだろう」

 

「ひかるは兎も角らんこさんはあの怪我だ。早く見つけないと…」

 

あげはとかけるはこの中では年長者である為、人一倍2人の事を心配している。夜の街はあまり中学生がうろつくの宜しくなく、危険な事がそれなりにあるのだ。

 

「まさか、2人とも誘拐されたんじゃ…」

 

聞き込みをしてでも目撃情報が無い為、ひょっとして何かの事件に巻き込まれたのではとヒョウは嫌な想像をしてしまい不安になっている。

一方でましろはアサヒに話しかける。

 

「アサヒ、ひかる君のスマホに電話したの?」

 

「何度もしたんだけど彼奴一回も出やしないんだ」

 

此処に来るまでアサヒは何回もひかるに電話を掛けたがひかるはらんこを探すのに夢中になっていた為、出る事は無かったのだ。

 

「もう一回掛けてみる?」

 

「そうしてみる。ったく、ひかるの奴…まさか、らんこさんを探すのに必死になってスマホを家に忘れたんじゃ──」

 

忘れたんじゃないかと言おうとした時、アサヒの持つスマホから着信音が鳴り響き、一同は一斉にアサヒのスマホを注目する。

 

「アサヒ誰から!?」

 

「待ってくれ…あっ!ひかるからだ!」

 

なんと丁度良い時にひかるから電話が掛かってきたのだ。アサヒは自分達に心配させたんだから文句の一つや二つを言おうと思いスマホの画面をタップすると通話を始める。

 

「おい、ひかるお前今まd《悪い‼︎説教は後で聞くからそれよりも河川敷へきてくれ!》ん?おい、どうしたんだ?」

 

心配をかけた事に文句を言おうとしたが、何やら通話先のひかるの声が切羽詰まっている様子から只事では無い事に気づく。

 

《今、らんこさんを見つけたんだがキメラングがやってきて戦っているんだ!》

 

「キメラングが!?」

 

居なくなったらんこを見つけたと聞いて一安心しかけるもその後にキメラングの名前が出た事にアサヒは表情を一変させる。

 

《頼む!このままじゃらんこさんがやられちまう!》

 

「ああ、わかった!すぐ向かうから待ってろ!」

 

通話先のひかるに安心させるとアサヒは通話を切る。一方で周りにいた一同はひかるとの通話を詳しく聞いていなかったが、アサヒの表情と言動からして只事ではない事に気付きユキが彼に話しかける。

 

「アサヒ君どうしたの?」

 

「ああ、ひかるがらんこさんを見つけたんだけど、今河川敷でキメラングと戦っているみたいなんだ」

 

「えっ、本当に!?」

 

自分達の知らぬ間にらんこが戦っていると聞いて表情を一変させる。

 

「そんな無茶だよ!らんこちゃんまだ全然怪我は治ってい無いのに戦っているだなんて…!」

 

「なら一刻も早く私達も河川敷に向かいましょう!」

 

心配するましろを安心させるようにソラが自分達もらんこの元へ向かおうと声をかける。

 

「じゃあ皆、早く車に乗ろう!」

 

そう言ってあげはが自身の車の元へ行こうとした時だ。

 

「っ!危ない‼︎」

 

「え、きゃっ!」

 

突然かけるがあげはを引き寄せるとそのまま勢い余って倒れてしまう。

 

「いたたた…かける君急になに──」

 

何をするのと言いかけた瞬間、あげはのそばに何か大きな物体が降ってきて、先程まであげはがいた地面が衝撃音と共に深くめり込んでしまう。そして、衝撃音に気付いた近くの人達やコンビニの店員達は慌ててその場から離れていく。

 

「な、なに!?」

 

「あげはさん!かけるさん!大丈夫ですか!?」

 

「な、何このデカいの…!?」

 

目の前には3mもありそうな漆黒のボディに覆われた巨大な人型のロボットが見下ろしていた。ロボットらしく感情が一切感じることのない無機質な眼差しを向けられた事に一同は一瞬恐怖を感じる。

 

「あなたは何者ですか!?」

 

そんな中ソラはその恐怖に負けず目の前のロボットに話しかける。

 

「我が名はハイマックス。ドクターキメラングの命令によりお前たちを排除しにきた」

 

「なっ、ハイマックス!?」

 

その名を聞いて一同は目の前にいるロボットこそがらんこを一方的に倒した存在である事に驚くと同時に警戒をする。

 

「ハイマックスといえばらんこさんが言ってたロボット…!」

 

「しかも私達のデータを持っている厄介な存在だって…」

 

一同の脳裏にはらんこが負けた原因がプリキュアの戦闘データをインプットしており自身の攻撃や戦術が通用しなかったと言っていた事を思い出す。

 

「どうしよう…あの様子からして通してくれないみたいだよ」

 

「ですが、倒さないと二人の元へ行けません」

 

自分達が勝てるのか不安になっているましろに対してツバサはそれでも勝たなければならないとミラージュパンを取り出すと、それを同意するかの様にアサヒもミラージュペンを取り出した。

 

「ツバサの言う通りだ!こいつを倒してひかるとらんこさんの元へ行くぞ!」

 

「ええ!皆さん、行きますよ!」

 

『うん(はい)(おう)!』

 

ソラの呼びかけにアサヒ達は応えるとミラージュペンを構える。

 

「「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「夜空にひろがる煌めく幻想!キュアオーロラ!」

 

「日暮れにひろがる輝く月!キュアムーンライズ!」

 

「「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」」

 

5人は変身が完了するとハイマックスの前に立ち塞がる。一方でハイマックスは自身の目に5人の姿を確認すると何やらピピッと音を鳴らして目を点滅させる。

 

「データ照合…キュアスカイ照合率84.77%、キュアプリズム照合率82.54%、キュアウィング照合率83.42%」

 

「な、なんですか?」

 

突然ハイマックスがスカイ達を見つめると何か数値のような物を呟き、スカイは思わず反応する。

 

「多分、私達を調べているんじゃないかな?」

 

「恐らくは…彼奴は僕達を見て自分の中に予めインプットされたデータと照合して強さや弱点を調べているんだと思います」

 

ウィングの推測を聞いて一同は警戒する。恐らく今やっているデータを照合させた事によりツイスターを倒したんだと思っている。一方でハイマックスは続いてムーンライズとオーロラに視線を移した。

 

「データ照合……む、どれも該当しない」

 

『え?』

 

その場にいた一同はハイマックスの言葉に思わず声を漏らした。

 

「どう言う事だ、彼奴は俺たちのデータも持ってる筈だろう?」

 

「その筈…だよね?」

 

ムーンライズの疑問にオーロラも首を傾げる。らんこの言っていた話ではハイマックスはキメラングがかつて戦った事のある10人のプリキュア達のデータが入っていると言っていた。勿論2人は以前キメラングと戦った事がある為、10人の中に該当するはずなのだが、先程ハイマックスはデータに該当しないと発言した。これはどう言う事なのだろうか。

 

「まぁ良い、例えデータが無くても私は任務を遂行する」

 

そう言うとハイマックスはまずスカイに突っ込んで行くとその勢いで巨大な拳を振るうと、5人はバラバラになり拳を避けると、ウィングが空を飛びハイマックスき向かって突撃してくる。

 

「先手必勝!はあああああっ!!!」

 

ウィング加速を利用した自身の渾身の蹴りをハイマックスの胴体にお見舞いすると金属を思いっきり叩いた音が辺りに響き渡る。

 

「無駄だ」

 

「なっ!?があっ‼︎」

 

「ウィング‼︎」

 

だが、ハイマックスには効いている様子は無く胴体も凹みすら見られず、ウィングも攻撃が効いてない事に驚いているとその隙にハイマックスは彼を地面に叩きつける。それを遠くから見守っていたヒョウが思わず彼の名を呼ぶ。

そして、ハイマックスは追い打ちを掛けようと自身の足を上げてウィングを踏み潰そうとした。

 

「させません!」

 

其処へウィングが踏み潰される直前スカイがスライディングをしてギリギリウィングを回収し、少し離れた位置に彼を地面に置くとハイマックスに向かっていく。一方でハイマックスは迫るスカイに拳を振るう。

 

「馬跳び!」

 

スカイはそれに合わせて迫り来る拳を体育の跳び箱の如く飛んで避けると拳を強く握りしめる。

 

「いきなり行かせて貰います!ヒーローガール…スカイ、パァァァァァァァンチ!!!」

 

ハイマックスの顔面に向かって自身のスカイパンチを叩き込むといったカウンターを決める。スカイ自身もこれなら効いただろうと自身の技に自信を持っていると、

 

「…データ通りだな」

 

「なっ!うわっ!?」

 

「危ない!」

 

だが、ハイマックスはダメージを受けている様子は無くスカイが驚いている内に手で払い除けて彼女を吹っ飛ばすが、先程彼女に助けられたウィングが飛んで彼女を受け止める。

だが、その間にもハイマックスは手を2人の方に向けてデスボールを放とうとするが、

 

「今度はこっちだよ!はあっ!」

 

続いてプリズムが周りに光弾を作りだすとそこから光弾を放って行き、全身に命中していく。彼女は更に一際デカい光弾を作り出す。

 

「ヒーローガール…プリズムショット!!!」

 

自身の技プリズムショットを放つと命中し、ハイマックスを中心に爆煙が舞う。

 

(少しはダメージ…入ったよね)

 

先程からスカイとウィングの攻撃が効いてない様子を見て自分もいつも以上の力を出したつもりで攻撃した事からダメージは幾らか入っただろうと希望を持った。しかし、そんな気持ちも束の間。

 

「お前も…想定内の強さだな」

 

「なっ!?」

 

煙が晴れると其処には一切傷が一つもついていないハイマックスが立っており、お返しと言わんばかりに手に球状のエネルギーを作り出しプリズムに向けられていた。

 

「デスボール」

 

迫り来る巨大な球状のエネルギーにプリズムは慌てて避けると、彼女の背後にあったコンビニに衝突し、コンビニは爆発する。

 

「な、なんて威力…!?」

 

破壊されたコンビニを見てプリズムは青ざめる。あれを受けたら一溜まりもないと考えた。

 

「プリズム‼︎」

 

「え、あっ…」

 

そこに突然遠くからあげはがプリズムを呼ぶ声が聞こえ彼女はその声に反応した時、目の前にはハイマックスが立っており拳を振り下ろしてくる。スカイとウィングはプリズムを助けようと向かってくるが間に合わないだろう。

 

(駄目、もう逃げられない…!)

 

もう回避する事は不可能と悟ったプリズムは目を閉じ、そのまま攻撃を受けそうになる。

 

「「プリズム!」」

 

「む?」

 

その時、プリズムを守る様に彼女の前に光の障壁が出現しハイマックスの拳を防ぎ、更にはハイマックスの目の前に光弾が現れると激しく光るとハイマックスの目が眩み動きが止まる。

 

「うおおおっ!」

 

「ぬっ!?」

 

其処へムーンライズが隙をついてハイマックスの顔面に蹴りを入れるとよろけてしまう。更にムーンライズがハイマックスに攻撃している間にオーロラがハイマックスの足元に向かって移動。

 

「氷雪拳!氷ノ型!」

 

「ぐおっ!?」

 

地面に向かって拳を叩き込むと地面が凍りつき、ハイマックスは凍りついた地面を踏んで滑ってしまい後ろに倒れてしまう。

 

「よっしゃ!やったぜ!」

 

「プリズム大丈夫?」

 

「ムーンライズ、オーロラありがとう。私は大丈夫だよ」

 

先程自身の危機を救ってくれた事に感謝し、怪我は負っていない事を伝えると「そう、よかった」とオーロラは安心する。そして、スカイとウィングも合流すると倒れたハイマックスに視線を向ける。

 

「驚いた…まさか、この私の背中に地面に付けるとは」

 

「おいおい、驚いた割には全く効いてなさそうじゃないか」

 

起き上がるハイマックスを見て目立ったダメージが無い事を見てムーンライズは少しがっかりする。だが、そんな彼とハイマックスをウィングが見比べるように見ると口を開く。

 

「でも、なんかさっき違和感を感じませんでしたか?」

 

『違和感?』

 

ウィングが口にした言葉に一同は聞き返す。

 

「はい、僕たちのデータは既にハイマックスが持っていて攻撃が全く効いていないのは一目瞭然ですよね」

 

「はい、悔しい事に私達では勝つ事が難しいです」

 

ウィングの話を否定せずスカイは認めたくないがハイマックスは自分達が一斉に戦っても勝てるかどうかわからない不安を抱いていた。

 

「でも、さっきのムーンライズとオーロラの攻撃だけ反応が異なってませんでしたか?」

 

「「え?」」

 

「俺達の…」

 

「攻撃が…」

 

思い返して見れば確かに最初スカイ達3人がそれぞれ攻撃したが、どれも全くダメージを受けておらず簡単にあしらわれてしまう。だが、その後ムーンライズとオーロラのコンビネーションは焦った声を出していたのだ。

 

「言われてみれば…確かに…」

 

「でも、何でだろう?」

 

ウィングの言う通り確かに2人だけ反応が異なっていたのだが、何故異なっていたのかがわからない。予めスカイ達やツイスターの他に自分達のデータも取られている筈、それにもかかわらず自分達の攻撃が効いている理由がわからない。一体それは何なのか考え始める。

 

「……あっ、わかった!そういう事なんだ!」

 

「どうしたんだあげはさん?」

 

「何かわかったの?」

 

遠い位置で見守っていたあげはが何かに気付き声を上げると一緒にいるかける達だけでなくムーンライズ達も気になっていた。

 

「きっと、ハイマックスはムーンライズとオーロラのデータを持っていないんだよ!」

 

「え、それはおかしくない?キメラングの会ったプリキュアって事だから私達も間違いなく持っている筈だよ」

 

あげはの発言にオーロラは矛盾点があると指摘するが、あげはは「ううん」と首を横に振る。

 

「確かに前に2人はそのキメラングと戦ったみたいだったけど、その時ってまだ2人がサンライズとスノーだった時でしょ?多分だけど、ハイマックスが持っているデータにはサンライズ達があるけど、今のアサヒ、ムーンライズ達のデータは無いと思うんだ」

 

『あっ!』

 

あげはの説明にその場の全員は納得の声を上げる。言われてみれば確かにそうだ。キュアサンライズとキュアムーンライズ、キュアスノーとキュアオーロラはそれぞれ同一人物であるのだが、見た目も戦闘スタイルが全く異なっている為、ハイマックスも同一人物と理解出来ていないのだろう。

 

「そうか…確かに言われてみれば納得できるな」

 

「そうなるとハイマックスとまともに戦えるのは私達だけって事になるかな」

 

オーロラの言う通りハイマックスにダメージを多く与えられる事が出来るのはデータの無いムーンライズとオーロラの2人という事だ。

 

「なら、私達がサポートに回ります!」

 

「うん、2人ともお願い」

 

「僕も飛んでハイマックスを牽制しますのでその隙をついて下さい!」

 

「「ああ(うん)、わかった(よ)!」」

 

スカイ達が自分達のサポートに徹すると聞いてムーンライズ達も3人の期待に応える様にし、ハイマックスへ視線を向ける。

 

「という訳だデカブツ。こちらの世界に来て悪いがスクラップになって貰うぞ」

 

「らんこちゃんを傷つけた件はきっちり返して貰うから!」

 

「良いだろう。お前達はデータに無いイレギュラーだが、先ずはお前たちから排除させて貰おう」

 

そう言うと2人はらんこの仇を取ると言わんばかりの表情を浮かべ、ハイマックスも2人に宣言すると互いに駆け出して行くのだった。

 

────────

 

その頃、同時刻の河川敷では所々地面が抉れたり焼け焦げたりと戦いの痕が見られる。そしてその中央にはキメラングが立っており、彼女の目の前には地面に膝を突き、息を荒くするツイスターの姿もあった。

 

「ふむ…此処まで一方的だとつまらないねぇ」

 

「はぁ…はぁ……」

 

失望したと言わんばかりの眼差しをツイスターに向けるも、ツイスターは溜まった疲労で言い返したり睨んだりする余裕はなかった。

 

(全く、折角ハイマックスをこちらの世界のスカイ達の元へけしかけて1対1の戦いにしてあの力をよく見たかったのに。これだと計画が台無しだね)

 

キメラングは自分の目的が果たせない事にがっかりする。しかし、これ以上ツイスターを倒さず手加減して戦っても時間の無駄と判断してツイスターを捕まえようとするが、

 

「負けるなツイスター!アサヒ達を呼んだからいずれ此処に来てくれる!だからもう少しだけ持ち堪えてくれ!」

 

「うん?」

 

「ひ…かる……」

 

その時、堤防にツイスターを応援するひかるの存在に気がつく。

 

(あのモルモット君…そう言えば以前にも彼に手を出そうとしたらツイスターは物凄く怒っていたね)

 

初めてこの世界へ来た時、キメラングが彼を利用した事にらんこが怒りを露わにした事と更には元の世界でもひかるに手を出そうとしたら重傷の怪我にも関わらずとんでもない力を発揮した事を思い出す。

 

「(試す価値はありそうだね)全く、夜中だと言うのに五月蝿いねぇ」

 

「あんた……何を…?」

 

突然演技くさく大袈裟な動作を見せるキメラングにツイスターは困惑の表情を浮かべる。そして、ツイスターがちゃんと話を聞いている事にキメラングはニヤリと笑みを浮かべる。

 

「近所迷惑な騒音は元から断たないとねっ!」

 

「なっ!?」

 

両膝に装着していたドローンが外れると、遠くにいるひかるに向かってエネルギーをチャージする。対してひかるは突然ドローンの銃口を向けられた事に足がすくんで動けなかった。

 

「ひ、ひかる‼︎」

 

ツイスターは慌ててひかるの元へ向かおうとするが、今までの戦いの疲労により膝から崩れ落ちて地面に倒れる。

 

「さて、それじゃあねモルモット君」

 

「や、やめてぇ…!」

 

ドローンにエネルギーが溜まりいつでもひかるにレーザーを放てる準備が出来るとキメラングは別れの挨拶を言い。ツイスターは悲痛な表情を浮かべながら止めるように乞いた。

 

「や・だ・よぉ〜!」

 

「ぐ、くそぉ…!」

 

だが、キメラングは彼女の願いを拒否するとドローンにレーザーを発射させようとした瞬間、ツイスターの脳裏にはランボーグの爆発に巻き込まれたシャララの姿が過ぎる。

 

「(させない…またあの時の繰り返しを…) させるものかぁぁぁぁぁぁっ!!!!

 

その時、ツイスターの瞳が緑に光と全身にオーラを纏うと同時にドローンからひかるに向かってレーザーが発射されるとひかるの姿はレーザーによる爆発の中に消えた。

 

「あ、あれ?…何処も…怪我が無い?」

 

しかし、レーザーにやられたと思っていたひかるは全く痛みが来ない事と自身の身体を確認しようとすると目の前の緑色の風の存在に気がつく。

 

「つ、ツイスター‼︎」

 

其処には緑のオーラと風を纏ったツイスターが立っており、先程の疲労が嘘と思うくらいの姿勢が安定していた。

 

「ひかる…無事?」

 

「あ、ああ、無事だ!ツイスターが助けてくれなかったら俺はやられていたさ!」

 

ひかるはツイスターに命を救われたと言って感謝の言葉を送ると彼女はチラッとひかるの方を確認し何処も怪我をしてないと確認すると安心した表情を浮かべ直様キメラングへ視線を向ける。

 

「あんた…よくもひかるを狙ったわね!」

 

「悪かったね。でも、結果的に彼は助かったし同時に君のその力を引き出せたじゃないか」

 

「っ!あんた、それでひかるを…!」

 

キメラングの発言にツイスターは目が見開く、スカイランドの時の様にシャララに手を出してそれを利用して彼女に力を発動させた時と全く同じ事をした事にツイスターは沸々と怒りを湧き立たせる。

 

「シャララ隊長といい、ひかるといい… やっぱりあんたは許さない!

 

「つ、ツイスター…!?」

 

キメラングに改めて怒りを向けるツイスター、しかしその背後に立っているひかるは困惑の表情を浮かべる。先程、キメラングへの怒りを露わにした際に一瞬だけだがツイスターの全身のオーラが緑から黒へと代わり、更には衣装の色も緑から黒への変わった様に見えた。

 

「(俺の見間違いか?)ツイスター、大丈夫か?」

 

「ええ…大丈夫よ」

 

一瞬の出来事だった為、見間違いかと思ったひかるだが恐る恐る彼女に話しかける。対してツイスターは大丈夫と答えるがその瞳は普段と比べて明るい緑ではなく黒に近い緑の瞳をしていた。

 

「ッ!?(やっぱり、様子が変だ!らんこさんの身体に一体何が起こっているんだ!?)」

 

何か闇を感じさせる瞳にひかるは思わず後退りし、今のツイスターが普段の彼女ではないと思い込む。

 

「ツイスター兎に角時間を稼ぐんだ!アサヒ達を呼んだから無理せず「助けなんて必要無いわ」な…なんだって?」

 

彼女の口から助けは不要と言った事にひかるは驚きの声を上げる。

 

「元々は私の問題よ。これ以上あんた達に迷惑をかけるつもりは無いわ」

 

「だ、だけど、今のツイスターは…その、言い表しづらいけど、なんか変だ」

 

「大丈夫よ。今までこの力を使ってきたけど特に後遺症なんて無かったわ」

 

これ以上ツイスターを戦わせたら何か嫌な事が起こりそうだとひかるは思い戦いを辞めるように言うが、ツイスターは止める様子は無い。ただ、何処と無く好戦的な様子が見られる。

 

「心配しなくて良いわ。あんたはもう少し遠くに離れて、さっきみたいに助けられる保証はどこにもないから」

 

「ま、待ってくれ…!」

 

そう言うとツイスターはひかるから離れていき、ひかるは彼女を呼び止めようとする。

すると、ツイスターは笑みを浮かべながらひかるに振り返る。

 

「大丈夫よ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼奴はこの手で息の根を止めるから」

 

「え…息の根……」

 

ツイスターの最後の発言にひかるは固まる。それは普段彼女が乱暴な言動を吐く事が度々見られるが、それでも人を殺すなどの発言は決してしない筈だ。だが、今彼女が言った言葉、"息の根を止める"その発言を聞いたひかるは慌ててツイスターを止めようとする。

 

「ま、待ってくれツイスター!」

 

だが、ひかるの静止の言葉が聞こえていないのかツイスターは地面が抉れる程踏み込むと一気にキメラングとの距離を詰め、その勢いを利用して蹴りを喰らわそうとする。

 

「おっと」

 

「チィッ、避けるんじゃ無いわよ」

 

キメラングは後ろに下がった事によりツイスターの攻撃を避け、ツイスターの蹴りはキメラングがいた地面に大きなクレーターを作り出す威力を見せる。

 

「いやはや、見事な力だね…思わずビビっちゃう所だよ」

 

「生憎だけど、もうビビる事は無いわよ。何せあんたは私がこの手で息の根を止めるから」

 

そう言うと再びツイスターはキメラングに襲い掛かる。対してツイスターは迎え撃とうとレーザーを繰り出していくが、ツイスターはそれを避けそのままキメラングに殴り掛かると、キメラングは右腕で防ぐ。

 

「いっだっ!?」

 

だが、ツイスターの拳の威力が高かったのか思わず痛みを和らげるように腕を振るもその隙を与えないと言わんばかりにツイスターはキメラングに回し蹴りを喰らわせ、彼女は吹っ飛ぶ。

 

「ぐっ、凄いねぇ…今のツイスターの力は」

 

「そう言うあんたはしぶといわね…まぁ、良いわ。今までの分の借りを返すまでやられるんじゃないわよ!」

 

そう言ってツイスターはキメラングに対するストレスを発散するかの様に拳を鳴らすと彼女へ近づいていく。しかし、その顔はまるで戦いを楽しんでいるような好戦的な笑みを浮かべているのだ。

一方でキメラングは少しずつ迫ってくるツイスターの姿をじっと見つめる。

 

 

(それにしても薄々感じていたが、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まさか、彼女がアンダーグエナジーを使うとはね)

 

内心そう思ったキメラングはチラッと視界にツイスターの姿を入れると、彼女の纏う緑のオーラが点滅するかの様に黒へ変化する所が確認される。

 

「くくっ…これは良いデータが取れそうだ!」

 

キメラングも好戦的な笑みを浮かべるとツイスターに攻撃しようと迫るのであった。




コラボ相手の作品のURLを貼っておくので気になった方は是非読んでみてください。

https://syosetu.org/novel/330971/

次回も楽しみにしていて下さい。
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