ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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今回はコラボ5話となります。どうぞ。


第55話 囚われの風

ひかる達が攫われたらんこを救出しにスカイトーンの光を頼りに探している中、ソラシド市の某所にある一室にらんこはいた。

 

「……ん、此処は…?」

 

意識が回復しゆっくりと瞼を開けたらんこは周囲を見渡す、視界に映るのは窓無く生活に必要な家具も無い天井の灯と扉しか無い殺風景な部屋だった。

 

「私は…うっ!」

 

何故こんな場所にいるんだろうと記憶を思い返そうとすると頭に激痛が走ると同時に気絶する前の出来事を思い出す。

 

「そうだ…私は負けたんだ……」

 

思い出すのは自分が再び敗北をした事だ。今回は自身の強化を使って有利に戦えた。だが、今思うとあの強化した己は戦う事を楽しんでいる様子だった。

 

(あんなの…私じゃ無い…!)

 

思い出せば確実にキメラングの息の根を取ろうとした自身の行為にらんこは恐怖が沸いてくる。まるで力の暴走だ。自分の理性では抑える事が全く出来なかった。そして、何度も自分を止めようとした彼の存在も脳内に蘇る。

 

「…ひかる」

 

自分が戦いの最中に何度も心配してくれた彼に散々酷い事をした事を思い出し、腕に巻かれたひかるのハンカチにそっと触れる。

そんな時、部屋の扉がゆっくりと開かれて誰かが入ってくる。

 

「ようやく目覚めたか」

 

「っ!あ、あんたは…!」

 

部屋に入ってきたのは自身を倒したヒューストムと名乗る男だ。らんこは直ぐに変身しようと腰にあるミラージュペンに手を伸ばすが空振り、不思議に思ったらんこは腰に視線を移すとそこにはミラージュペンが存在してなかった。

 

「わ、私のペンが…!」

 

ペンがない事を知り今の自分に戦う術がないらんこは不安そうな表情を浮かべる。

 

「落ち着けよ。別にお前を害を与えにきたわけじゃ無い」

 

「その言葉を信じると思ってんの?」

 

そんならんこを相手に敵意は無いと安心させようとするヒューストム。しかし、らんこにとってはキメラングの戦いに乱入して体力を消耗した所を狙って自分を倒したイメージが強く信用できなかった。

 

「まぁ、第一印象は最悪だったから警戒するのも無理は無いな」

 

「ならとっとと消えて、私は今機嫌が悪いのよ」

 

出来るだけ威嚇してヒューストムを追っ払おうとするらんこにヒューストムは軽く溜息を吐く。

 

「まあまあ、そう警戒するな。お前のその性格は虐められないようにしているんだろ?昔虐められたようにならないためにな」

 

「な、なんでそんな事を知っているのよ!?」

 

自分の性格と過去を突然言い当てられた事にらんこは表情を一変させる。

 

「それはキメラングから聞いたぞ。どうやらあいつはお前や他のプリキュア達を調べる為にそれぞれの過去も調べてるらしい」

 

話を聞く限りそれはストーカー行為に該当するのだがらんこは今そんな事を考えている余裕が無い。敵に自分の過去を知られた事に顔が酷く真っ青になっていく。

 

「おいおい、そう怯えるなって俺はお前が虐められたからって軽蔑なんてしない。寧ろお前の力になってやりたい所だ」

 

「…どう言う事よ?」

 

自分の力になると言ったヒューストムにらんこは恐る恐る彼を見る。

 

「お前は俺と同じ風の力を操る。だが、まだまだお前は自分の力を使いこなしてない」

 

そう言うとヒューストムは掌から小さな旋風を3つ作り出してらんこに見せる。

 

「どうだ…俺の所に来ないか?そうすればお前は強くなり過去の事やこれからの未来でも怯える事はなくなるぞ」

 

「…なんであんたが私を気にかけるのよ?」

 

敵である自分の力になろうとする姿勢を見せるヒューストムにらんこは不思議に思い問い詰める。

 

「まあ、先ずは俺と同じ風を使う事に加え、お前のその緑の髪は美しい。そしてその瞳もまるでエメラルドの様な輝き……ん?」

 

「ちょ、ちょっと、やめてよ…そんな事言われたって、わ、私はそれくらいの事で靡くなんて…お、思わないでよね…!」

 

(あ、こいつ…チョロいな)

 

顔を赤くして戸惑う彼女の反応を見てあと一押しすれば確実に頷くと確信する。

 

「…そ、それに私は……あんたの事をよく知らない。それに私の過去を知っておいてあんたは何も語らないなんて不公平よ」

 

「……確かにその通りだな。良いだろう全てまでとは行かないが、俺の過去を少し話そう」

 

そう言うとらんこの隣に座り込み自分の事を語り出す。

 

「あれは少し昔の話だった。俺が学校に通っていた頃、とある一人の女が気になった」

 

(え、恋愛の話なの?)

 

てっきり壮絶な過去が語られるのかと思ったらまさかの惚気話にツッコミを入れたかったが其処は我慢し続きを聞く事にした。

 

「そいつは健気で儚い、正に雪の結晶の様に美しかった。俺はそいつを一目で見てわかった。俺はその女に一目惚れした」

 

(雪の結晶…なんだか聞いた事ある特徴ね)

 

雪の結晶と聞いてなんだからんこは知り合いにその特徴と一致する人物が思い付くが、多分別人だろうと判断する。

 

「俺は彼女を手に入れようと様々なアプローチをしてきた。だけど、あいつは俺の気持ちを踏み躙った!俺はこんなにも愛していたのに、友達としか見られないだとよ……巫山戯るなっ!!!」

 

「っ!?」

 

突然感情を爆発させるヒューストムにらんこは一瞬驚くものの、彼の話を引き続き聞いた。

 

「それでな。俺の心を弄んだそいつに相応しい罰を与えてやった。いやぁ、今思い出してもスカッとする…俺は当時の仲間達と共にそいつの身体と心を痛ぶった!アーハハハハッ!!!もう、最高だ‼︎」

 

「……」

 

あまりの出来事に愉快だったのか大きな声で笑い出すヒューストムにらんこは黙って聞いていた。

 

「だが、その後、他の奴らが手の平を返してあいつの味方をしやがってよ。俺は居場所を無くして今の俺がある。全くとんだ悪女だよな?皆んなを騙すなんてよ!」

 

興奮した自身を落ち着かせようと深呼吸をすると、隣にいるらんこに視線を向ける。

 

「これが俺の過去だ……他の奴等にはあまり聞かせて無いが、どうだった?」

 

「あんた馬鹿!?それとも脳みそ腐ってんの!?」

 

「……え」

 

ヒューストムはらんこからの辛辣な発言に言葉を失う。続いて彼女は口を開く。

 

「何処に同情する要素があるのよ!?失恋させられたからってその子に八つ当たりするなんて最低よ!それで自分が悪くないなんてあんたはとんだナルシストね!」

 

「んな…んだとぉ…!」

 

らんこから投げられる暴言にヒューストムは段々と表情が険しくなっていき、彼は己の拳を強く握りしめる。

 

「……調子に乗ってんじゃねぇ!このあまっ!」

 

「え、きゃっ!」

 

癇に障ったヒューストムはらんこの頬を叩くとらんこは床に倒れ、その上にヒューストムが覆い被さる。

 

「な、何するのよ!?」

 

「気が変わった…俺のストレス発散に付き合って貰うぜ!」

 

そう言うとヒューストムはらんこの服に手を掛けるとそのままビリビリと音を立てながら引き裂き肌を晒した。

 

「い、いやあっ!」

 

「へぇ〜、さっきまでの強気な態度とは思えない反応だな…それがお前の本当の姿か。なんともまぁ、弱い姿だ」

 

下衆な笑みを浮かべながらヒューストムは裸の姿を舐め回すように見つめる。一方でらんこは突然自身裸同時にかつて虐められていたトラウマを思い出す。

だが、こんな性的な虐めは受けた事が無い為らんこはより一層の恐怖が湧く。

 

「や、やめて!」

 

「おいおい、そんな恥ずかしがるなよ。安心しろお前にも気持ち良い思いをさせてやるからさ!」

 

抵抗するらんこの両手を片手で押さえ込むと万力の様に固定されらんこは抜け出す事が出来なかった。

 

「嫌っ!…誰か…助けて…!」

 

「アーハハハッ!!!こんな所にお前を助けに来るやつなんて1人も居ねえよバァーカ‼︎」

 

誰でも良いからこの状況を助けて欲しいとらんこは懇願し涙を流す。だがそんな都合良く誰かが此処に来る筈がなかった。そして、ヒューストムは彼女の下着に手を伸ばして中学生ながら成長途中の乳房を晒そうとした時だ。

 

「はい、そこまでだよ。サービス時間はこれにて終了♪」

 

「あん?」

 

「…え?」

 

その時、部屋の扉の方から新たに第三者の声が聞こえて2人は揃って視線を移すと、そこにはキメラングが立っていた。

 

「マッド…サイエンティスト……」

 

「キメラング、何の真似だ?俺が良いというまで部屋に入るなって言っただろう」

 

折角此処からが盛り上がる所なのに水を刺された気分のヒューストムはキメラングに呆れた眼差しを向ける。

 

「そこから先は有料サービス。お値段は応相談…と洒落を入れたら面白いけど困るんだよねぇ勝手に私のモルモットに手を出すのは…」

 

「別に良いだろう。こいつは見た目は良いんだからお前のよく分からない実験とかにされるよりも俺がこいつを使った方が良いだろ」

 

自分ならもっと有効的に使えるとヒューストムは言うが対してキメラングは腹を抱えて笑い出す。

 

「はははっ、面白い事を言う。彼女の心に付け込もうとしたが、自分の器の狭さを晒す羽目になって凌辱をしようとするその姿は滑稽に思えるよ」

 

「テメェ…!」

 

「おっと、悪いね。私は思った事はつい口に出てしまうタイプなんだ。お気に触ったのならご容赦の程を…」

 

キメラングの言葉にヒューストムはギリィッと音が鳴るくらい葉を食いしばり彼女を睨みつける。2人の間にはあまりよろしく無い雰囲気が漂っていた。

 

「さて、いつまでも年頃の少女の裸を異性の前に晒す訳には行かないからね。ほら、君は出て行って外の空気でも吸ってきたまえ」

 

「チッ…わかりました…よっ!」

 

キメラングとのすれ違い様に風を纏った手刀を彼女の首に向かって叩き込もうとした時だ。ヒューストムの左右からドローンが現れ銃口を向ける。

 

「っ!」

 

「私もさ、結構相手を煽って怒らせる事は自覚していてね。こうやって襲われそうになった時に備えて常にドローンには防御システムをオンにしているんだよね〜。まぁ、此処でやり合っても良いけど君としてもタダじゃ済まないだろ?」

 

このまま動けば確実にキメラングに重症の傷を負わせる事が出来る。だが、そうしたら彼女のドローンによって自身も蜂の巣にされてしまう。

 

「このままだと私も君も同士討ちになる。私としても無駄な争い事は避けたいからその手を引っ込めてくれ。そうすれば私も君を怪我させずに済む」

 

「なら、お前が先にドローンを引っ込めろ。銃口を頭に向けられてうっかり手が滑るかもしれないだろ?」

 

互いに譲るつもりは無くどちらか自分が引けばその瞬間にやられると思い込んでいた。

 

「いやいや、其処は自分から引くものだよ。君に紳士的心が存在してればやってくれると信じて…あ、いや無理か。怒りに飲まれて彼女に凌辱の限りを尽くそうとした君にそんな心は無いか」

 

(こいつ‥言わせておけば…!)

 

再び煽るキメラングに対してヒューストムの額に青筋が浮かび上がる。

我慢の限界に達して攻撃しようとするその時だ。部屋から新たなドローンが入ってきて何かをキメラングに訴えている。

 

「おや、どうやらお客さんが来たみたいだね」

 

「お客?…出前でも頼んだか?」

 

「生憎、私はそんな物頼んだ覚えは無いさ。恐らくツイスターを助けに正義のヒーロー、プリキュアが此処に来たんだと思うよ」

 

(プリキュア……皆んなが私を…!)

 

2人の話を聞いてらんこはアサヒ達が自分を助けに来たと思ったが、その時自分が黙って家を飛び出した事とひかるへ酷い事をした事を同時に思い出すと気分が沈んだ。

 

「よし、早速君の出番だヒューストム」

 

「はぁ?なんで俺が?…つうか指図するんじゃねえよ」

 

先程まで互いに殺気を出していたばかりなのに何事も無かったのように指示を出すキメラングに呆れた眼差しを向ける。

 

「あれ、忘れたのかい?最初此処にきた時に私と協力するって契約したじゃないか」

 

「チッ、確かにそうだが…」

 

気は進まないがキメラングの言う通りだ。ヒューストムは彼女がこちらの世界にきた時に接触しこちらの世界のプリキュアを倒す為に協力を申し入れたのだ。

 

「というか契約通りならお前も戦ってこいよ」

 

「それなら既に私の作ったハイマックスが代わりに戦ったんだ。順番を考えれば次は君がやるのが当然だろ?」

 

「戦ったのはお前のロボットじゃねえか!」

 

屁理屈をこねるキメラングにそれは自分で戦った事にならないと指摘するが「いやいや」と首を横に振って否定する。

 

「ハイマックスは私が作り上げた…言わば私の力で生み出された彼が私の代わりに戦ったんだ。例えるなら君が私とツイスターの戦いに現れて、君の作り出した強風でツイスターを倒したと同じ行為にあたるよ。それとも君は沢山の人数相手に恐れているのかい?」

 

「なんだと?」

 

キメラングの口から再び出た煽り言葉にヒューストムは青筋を浮かべる。

 

「いやいや、恐るのも仕方ない事だ。それなら代わりに私が彼女達を倒してあげるよ」

 

そう言ってキメラングは部屋から出ようとすると、ヒューストムは声を上げる。

 

「待て、俺は別に恐れていねぇよ。寧ろこの溜まった鬱憤を発散できるチャンスだ。仕方ないからちょっと行ってきてやるよ」

 

そう言うとキメラングを押し退けてヒューストムは部屋から出て行った。

 

「やれやれ、彼には困ったものだよ。それにしてもツイスター君にも迷惑を掛けたね。彼の代わりに謝罪するよ」

 

「別に…あんたの謝罪なんて要らないわ」

 

だが、あの場にキメラングが入って来なければ自分はヒューストムに凌辱の限りを尽くされたと思うと複雑な心境になる。

 

「そっか…まぁ良いよ。実験の準備が出来たから一緒に来てもらうよ」

 

「あんたの言う事を私が素直に聞くとでも?」

 

「嫌なら無理矢理でも従わせる。それとも洗脳して意識を乗っ取った方が良いかな」

 

そう言うとキメラングは黒いドローンを呼び出すとらんこに近付ける。

 

「くっ……わ、わかった。だからそれをしまって!」

 

「ならよろしい。まだ多少の疲れはあると思うけどこちらへ来てくれたまえ」

 

らんこはキメラングに頷くと共に部屋から出て行く。今のらんこには戦う術は無い為、ただ黙ってキメラングの言う事を聞くしかなかったのだった。

 

 

────────

 

一方その頃、スカイトーンの光を頼りにひかる達はとある場所へやってきていた。

 

「此処だな」

 

「此処って…病院か?」

 

一同が光を頼りに辿り着いた場所はもう使われていない廃病院だ。

 

「なんだか、如何にも敵が隠れそうな場所だね」

 

「はい、なんだか悪党の匂いがぷんぷんしてきます」

 

ユキとソラは目の前にある廃病院を見て緊張感を覚える。

 

「よし、なら早速らんこさんを助けに突撃だ!」

 

「ちょっと待てひかる!お前が先に行くなよ!」

 

この中で一番らんこを助けたい気持ちがあるが此処にはらんこを攫ったキメラングとヒューストムがいると思われる為、戦う術が無いひかるが1人で突っ走ろうとするのは無謀に等しい。

 

「取り敢えずお前は此処であげは姉達と一緒に……待てなそうだから俺たちの後ろにいてくれ」

 

「流石、わかってるな」

 

此処で待っていろと言ったら間違いなくひかるはこっそり建物の中へ入って行くのを察したアサヒは最悪な事態を避けるために共に行動をする事にした。

 

「ユキ姉さん、私も連れて行って」

 

「えっ、駄目だよ!危ないって!」

 

ひかるに続いてヒョウがらんこの救出に参加しようとするのを見てユキが止める。

 

「わかってる。でも、私も仲良くなったらんこさんを助けたいの。だからお願い何でもするから!」

 

「でも……」

 

ヒョウがらんこを助けたい気持ちはユキにもわかる。だが、以前力をキュアライトピラーから借りていたが今はユキがキュアオーロラに変身する力として使っている為、ヒョウは自分を守る事が出来ないのだ。ユキはヒョウに何とか諦めようと説得しようとする。

 

「ユキさん僕からもお願いします」

 

「「ツバサ(君)」」

 

そんな時、ツバサがヒョウを擁護する。

 

「今のヒョウに自分を守る力が無いことは分かってます。僕も本当は安全な所にいて欲しい……だけど、彼女は以前僕と同じくプリンセスがカバトンに捕まった際に助け出そうとする勇気と行動力があります。今回もらんこさん救出に活躍してくれると思います」

 

「ツバサ……あ、ありがとう」

 

ヒョウはツバサから其処まで褒めてくれるとは思ってもみなく顔を赤くして照れた表情を浮かべる。それを見たユキは微笑ましく思った。

 

「わかったよ。それならヒョウも私達のすぐ側にいてね」

 

「勿論!」

 

ユキはヒョウが同行する事を認めるとヒョウは強く返事をした。

 

「あげはさんとかけるさんはエルちゃんと共に此処にいてください」

 

「うん、私もらんこちゃんを助けに行きたいけど流石に全員で行くと足手纏いになるから私の分まで頑張って」

 

「その代わりエルは俺たちがちゃんと守ってるから!」

 

「ありがとう2人とも!」

 

「えるる!」

 

あげは達にエルと共にこの場で待機する事になり、それ以外は廃病院へ侵入する事となった。

 

「じゃあ、先ずは何処から入るか」

 

「勿論ヒーローらしく正面突破です!」

 

ソラはそう言って病院の入り口に指を刺し示した。

 

「でも、ソラちゃん此処は敵のアジトだよ」

 

「そうだよ。ひょっとしたら幾つも罠が仕掛けてあるかもしれないよ」

 

「うっ……言われてみれば確かに」

 

ユキとましろから罠の存在を聞かさせると下手に正面から侵入するのは得策では無いとソラも考える。

 

「それなら僕が鳥になって通気口とか侵入できる場所から入って中を探索してみます。それで安全が確認出来たら皆さんは後に続いて下さい」

 

「ツバサ私も手伝うよ」

 

「ああ、2人とも任せ…ん?あれは…!」

 

ツバサとヒョウに偵察を任せようとしたとき病院の出入り口から人影が出てくるのが見えた。

 

「よう、会いたかったぜクソ雑魚共」

 

『ヒューストム‼︎』

 

病院の出入り口から現れたのはヒューストムだ。彼はキメラングに何度も煽られて不機嫌な表情を浮かべている。

 

「今俺は無性に腹が立っているんだ。俺のストレス発散に付き合って貰うぞ‼︎」

 

『っ!』

 

苛立ちが隠せないヒューストムはアサヒ達に向かって不意打ちと言わんばかりの竜巻きを放ち、アサヒ達の姿は竜巻きの中に消えたと思いきや、竜巻きの中に5つの光が輝くと次の瞬間竜巻きが掻き消され変身したアサヒ達5人とその背後には彼等に守られたヒョウとひかるの姿があった。

 

「そうこうなくちゃな…!」

 

健在な一同の姿を見ると笑みを浮かべて両腕を風で纏っていつでも戦う姿勢を見せる。それを見てムーンライズ達も警戒した。

 

「おい、ヒューストム!らんこさんは何処だ!?」

 

「お、おい!ひかる!」

 

すると、ひかるが5人の前に飛び出してヒューストムに向かってらんこの居場所についた問い詰める。

 

「誰かと思ったらあの時の腰抜け野朗か。まぁ良い…あの女ならキメラングの奴に一番奥の部屋に連れて行かれたと思うぜ」

 

「随分簡単に教えてくれるね」

 

特に渋る事なくあっさり教えたヒューストムにオーロラは嘘を言っているのではないかと思い込む。

 

「はっ!キメラングは俺を苛つかせるからな…これで彼奴が少し痛い目を見れば俺としてもスカッとするからな」

 

「あまり…仲が良さそうじゃ無いみたいだね」

 

一同はヒューストムの様子からしてキメラングとは関係が良好では無い事に以前キメラングがこちらに来た時はシャドーと協力してた時と関係が対になっていると判断した。

 

「教えてくれてありがとうございます。それでは皆さん建物の中h「おいおい、場所は教えても誰が簡単に此処を通すと言った?」…なっ!?」

 

スカイが病院へ入ろうとした時、それを邪魔する様に無数の風の槍を作り出しそれをスカイに向かって打ち込む。それに対してスカイは慌ててバク転して避ける。

 

「俺は言ったはずだ。ストレスの発散に付き合ってもらうってよ!」

 

どうやら居場所は教えたがヒューストムは己のストレスを発散するまで此処を通す気は無い様だ。

 

「どうしよう。此処は皆んなでヒューストムを「いいえ、此処は我々に任せて下さい」スカイ!?」

 

全員が力を合わせてヒューストムと戦おうとオーロラが提案しようとするが、その前にスカイとプリズムとウィングがヒューストムの相手をすると言ったのだ。

 

「スカイ、相手は並の敵じゃ無いぞ。此処は全員で戦った方が良いんじゃないか?」

 

「確かにその方が良いかもしれません…ですが、らんこさんの側にキメラングがいるとなるとらんこさんの身が心配です」

 

「らんこさん…!」

 

スカイの言葉にムーンライズ達はらんこの姿を思い浮かべる。キメラングは何かと彼女に執着しており、ひょっとしたら彼女の身に危険が迫っているかもしれない。そうなると此処は二手に分かれた方が得策であると一同は納得せざる得なかった。

 

「わかった。俺とオーロラにひかるとヒョウは病院でらんこさんを助けに行く。此処は任せた!」

 

「そう簡単に通すと思っているのか!?」

 

廃病院に入ろうとするムーンライズ達に向かって竜巻を放つが一同はそれぞれ飛び、ムーンライズはひかる、オーロラはヒョウを背負って病院の方へ向かっていく。それを見たヒューストムは指鉄砲を放とうとするが、それを妨げるかの様にプリズムが光弾で相殺される。

 

「チィッ!邪魔をしやがっt「はあっ‼︎」うおっ!?」

 

その時、死角から飛んできたウィングの飛び蹴りを腕を交差させて防御する。

 

「生憎ですがあなたの相手は私達です!」

 

「良いだろう。なら、お前たちが俺の憂さ晴らしに付き合ってくれよなぁ!!!」

 

声を上げながら全身にオーラを纏うとヒューストムはスカイ達に突っ込んで行った。

 

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