ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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コラボ第8話をどうぞ。


第58話 ツイスターvsヒューストム

ムーンライズがキメラングからミラージュペンを取り戻した頃、らんこ達は出口の近くまで来ていた。

 

「もうすぐで出口だよ!」

 

オーロラの声に一同は前方を見ると外へ繋がる扉が視界に入り病院の出口を潜り抜ける。

 

『えっ!?』

 

だが、そこで衝撃的な光景を目にする。

 

「よう、遅かったなぁ」

 

「「「ぅぅ……」」」

 

そこにはヒューストムがおり彼の足元には傷だらけで地面に倒れ伏しているスカイ達の姿があった。

 

「スカイ!プリズム!ウィング!」

 

「嘘…あの3人が…!」

 

「まじかよ…!」

 

「そんな…ウィング!」

 

ヒューストムにやられたスカイ達を見てらんこ達は衝撃を受ける。3人の実力は一同がよく知っている。だが、それがヒューストム1人だけにやられるだなんて思っても見なかった。

 

「チィッ、キメラングの奴しくじったな……役立たずが」

 

一方でらんこが此処にいるのを見てキメラングに対して悪態を吐く。

 

「まぁ良い……俺の鬱憤はコイツらで晴らさせて貰った。いやぁ、良いサンドバッグになってくれたよ。コイツらは!」

 

「ぐあっ!」

 

「「「スカイ!」」」

 

良い笑顔を浮かべて気分が爽快したヒューストムはダメ出しと言わんばかりにスカイを蹴り上げる。それを見たオーロラは激昂する。

 

「許さない…スカイ達をこれ以上傷つけさせない!!!」

 

「お、オーロラ待ちなさい!」

 

らんこはオーロラを止めようとするも仲間を傷つけられて頭に血が昇った彼女の耳には入らず一瞬でヒューストムの前でワープして襲い掛かる。

 

「遅えよ」

 

「くっ!」

 

しかし、ワープしてくるのを読んでいたヒューストムは直前に一歩下がるとオーロラの一撃を避ける。その後も彼女は諦めずに連続で攻撃を繰り出すものの、仲間達のやられた姿を見て感情的になり動きが単調となって避けられてしまう。

 

「ったく、攻撃ってのはこうやるんだよ!」

 

「がはっ!?があっ!」

 

ヒューストムから反撃の一撃がオーロラの鳩尾にめり込み、更に回し蹴りをくらわせる。ヒューストムから攻撃を受けて彼女の身体は宙を舞うもオーラを纏って空を飛びそこから光弾を放つ。

 

「はああああああっ‼︎」

 

「ほらほら、狙いが甘いぞ!」

 

ヒューストムに煽られオーロラは更に光弾を放つ量を増やしていくが全て避けられてしまう。そして、先程までの連続攻撃に加え今行っている光弾の雨により体力を多く消費してしまい、光弾の勢いが弱まっていく。

 

「当たって…当たってよ!」

 

「どうした?どんどん遅くなっているぞ!」

 

ニヤリと笑みを浮かべながらヒューストムは両足に竜巻を発生させ、一気に上にいるオーロラの方まで飛び上がる。

 

「そらよっと‼︎」

 

「ああっ!」

 

一気にオーロラの側まで行くと彼女の頭に向かって両手でアームハンマーを決めて彼女は地面へ一気に叩きつけられる。

 

「暫く其処でじっとしてな」

 

「きゃあ!」

 

右手から竜巻を作り出すとそれを地面に倒れているオーロラに向かって投げると彼女は身動きが取れず竜巻の檻に閉じ込められてしまう。オーロラはワープを使えるが今竜巻の中に囚われてしまっている為、身動きが取れなかった。

 

「「「オーロラ!」」」

 

竜巻の檻に捕まったオーロラを見てらんこは彼女を助けようと走り出すが、ヒューストムが3人の前に降り立つ。

 

「お前らも邪魔だ」

 

「「う、うわあああっ!!!」」

 

ヒューストムがヒョウとひかるに向かって腕を振ると強風が起き、2人は吹き飛ばされ地面に叩きつけられる。

 

「ひかる!ヒョウ!」

 

らんこは2人の元へ走ろうとした時だ。目にも止まらぬ速さでヒューストムがらんこの背後に現れる。

 

「なっ!?ぐぅっ!」

 

「おっと、何処へ行くんだ?」

 

「ら、らんこさん…!」

 

ヒューストムはらんこの首に腕を回し羽交い締めにして捕まえ、それをひかるが心配そうに見つめる。

 

「さっきは悪い事をしたな。それで改めて提案なんだが、俺の女にならないか?」

 

「えっ?」

 

「なっ!?…ふ、ふざけるな!そんな事認めるか!!!」

 

ヒューストムの発言を聞いてひかるは立ち上がり掴み掛かろうとする。

 

「お前には聞いてねえよクソ雑魚!」

 

「があっ!?」

 

「ひ、ひかる!」

 

それに対して鬱陶しさを感じたヒューストムは強風を起こしひかるを吹き飛ばし、それを見たらんこは彼の元へ向かおうとするがヒューストムに捕まって動く事が出来なかった。

 

「おいおい、落ち着けよ。俺はあくまでも正当防衛でやったつもりだぞ。悪いのは身の程を知らずに俺に襲いかかってきたそいつだろ」

 

「あんた……最低よ!」

 

自分には一切非が無いと言わんばかりの態度を見せるヒューストム。らんこはそれに怒りを露わにする。

 

「そうかっかするなよ。それよりもさっきの俺の誘いだがどうする?」

 

「勿論嫌に決まっているでしょ!」

 

「即決だな…でも、良いのか?見たところお前はキメラングの奴にしつこく狙われている。なら強い奴の側にいた方が良いんじゃ無いのか?」

 

「…え?」

 

その言葉を聞いて先程まで拘束されキメラングに身体をメスで切られそうになった時の恐怖を思い出し身体が震える。

 

「くそぉ…!ヒューストムの奴…!」

 

「あいつは態とらんこさんの恐怖を思い出させたのよ!」

 

当たり所が悪かったのかひかるとヒョウは地面から立ち上がる事が出来ずヒューストムを睨む事しか出来なかった。

 

「さて、もう一度聞くがどうする?」

 

「わ、私は…」

 

自身の腕の中に捕まっているらんこに再び視線を移し自身の誘いの答えについて聞く。対してらんこは顔が青ざめて精神的に弱っていた。その理由は今の彼女にはミラージュペンが無く更には連続で負けている時の事を思い出し心が脆くなっていたのだ。

彼女の顔を見てヒューストムは察する。自身が語りかけ続ければ簡単に引き込めると。

 

「安心しろ、俺は強いからな。俺がお前の中にある風の力の使い方を教えればお前は変身しなくても強くなれるさ。俺の様にな」

 

「……本当に?」

 

「ああ、本当さ」

 

ヒューストムの話に興味がを示したらんこ。彼女の瞳は曇っており正気ではなかった。

 

「っ!…ら、らんこさん…」

 

「らんこさん!そいつの話に乗らないで!」

 

「……」

 

ひかるはらんこがヒューストムの話に乗り掛けている事にショックを受ける一方でヒョウは彼女に呼びかけ説得しようとする。らんこは2人の声が耳に入り視線を向けるも思い悩んでいる様子だ。

 

「耳を貸すな。所詮は力の無い弱者の言う事だ。あーやって力が無い癖に態々戦いに首を突っ込み周りの足手纏いになる役立たず共だ。あんな奴等とつるんでいたら永遠に強くなれないさ」

 

「「うっ」」

 

蔑んだ目で2人を見下しながららんこに語りかけるヒューストム。そして彼の言葉に2人は悔しそうな顔を浮かべる。

 

(…足手纏い……役立たず……ですって?)

 

だが、ヒューストムが2人に向かって放った言葉を聞いたらんこの曇っていた瞳に段々と明るさが取り戻していき、同時に彼女の心に沸々と怒りが湧いてくる。

 

「……なさい」

 

「ん…なんだって?」

 

自身の腕の中にいるらんこが何かを呟いた様だがヒューストムは聞き取れずもう一度聞くと、らんこの声色には怒りが混じっていた。

 

「い……良い加減にしなさいこのトラッシュトム‼︎

 

「とら…あだっ!?」

 

突然呼ばれた渾名と瞳をヒューストムは目が光った瞬間、らんこに腕を万力に挟まれたのかと思うくらいに強く握られ、思わず彼女から手を離しその隙にらんこはヒューストムの腕と胸ぐらを掴む。

 

「はあああああっ!!!」

 

「があっ!?」

 

背負い投げを決め、ヒューストムは地面に叩きつけられた事で背中に痛みが走る。

 

「な、なんだ…何が起きた…!?」

 

先程まで精神的に弱っていた筈の彼女が急に自身を地面に叩きつけた事に衝撃を受けている一方でらんこは彼をゴミを見るような目で蔑んだ目で見下ろす。

 

「あんたは2人の事を良く知らない。2人とも足手纏いでも役立たずなんかじゃ無いわ!」

 

「な、なんだと…!」

 

らんこの発言にヒューストムは思わず反応する。

 

「確かに2人は私達の様に戦う力は持っていないわ。でも、自分達より強いあんた達がいるにも関わらず私を助けようとしたのよ!2人は私やあんたなんか比べ物にならないくらい心が強いのよ!」

 

「「らんこさん…!」」

 

らんこから自分達は強いと言われて2人は心が軽くなる。

 

「自分の目的の為に他者を傷つけて快楽を得ようとするあんたに心の強さなんて分かるわけが無いわトラッシュトム!因みにだけど、トラッシュトムの"トラッシュ"は日本語でゴミよ!」

 

「ご、ゴミ…だとぉ…!」

 

らんこの補足で言葉の意味を知ったヒューストムは段々と険しい顔になり、らんこを睨みつける。だが、らんこも負けじと睨み返す。

 

「あんたの様な最低最悪のゴミクソ野郎の彼女になるなんてまっぴらごめんよ‼︎」

 

「ゴミクソ野郎…だとぉ……調子に乗ってんじゃねえ!このクソアマがッ‼︎」

 

らんこの発言にヒューストムは完全にキレると立ち上がり彼女に向かって強風を起こす。

 

「う……ああああっ!」

 

なんとか耐えようとしたらんこだったが、耐えきれず強風に身体を吹き飛ばされそのまま地面に叩きつけられる──。

 

「「らんこさん!」」

 

だが、その直前身体に痛みがありつつもひかるとヒョウは起き上がり、らんこの身体を受け止める。

 

「あ、ありがとう2人とも」

 

「いや、それを言うならこっちの方だ」

 

「そうよ。私達の為に言ってくれて嬉しかったわ」

 

自分を助けてくれたひかるとヒョウにらんこはお礼を言うと先程ヒューストムに反論してくれた事に2人もお礼を言う。

 

「良かったな。仲良しで…これから先もずっと一緒になるからな」

 

「「「っ!?」」」

 

そう言うとヒューストムは手から強力な竜巻を作り出すとらんこ達に向ける。

ヒューストムから逃げようにもひかるとヒョウは地面に叩きつけられたダメージがあるにも関わらず先程らんこを助けるのに身体を無茶させた為、身体に疲労が溜まってすぐ動く事が出来なかった。

 

「や、やめて!私はどうなっても良いから2人に手を出さないで!」

 

「ハッ!俺の厚意を無碍にして何を今更言ってやがる……纏めてあの世に行け!」

 

今3人を助けられる者はいなかった。スカイ達は先のヒューストムとの戦いで気絶し、オーロラも3人を助けようとするが竜巻に囚われて身体を自由に動かす事が出来ない。3人はそのままヒューストムの放つ竜巻を受けそうになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「みんな!待たせたな!」

 

『っ!?』

 

その時、その場から聞き覚えのある声が聞こえて一同は聞こえてきた声の方向へ向くと其処にはここまで全力疾走したのか肩で息をするムーンライズの姿があり、その手にはキメラングから取り返したらんこのミラージュペンが握られていた。

 

「こんの馬鹿ぁ‼︎あんた遅すぎるのよ‼︎」

 

「な、なんだヒョウ?急に怒鳴っ!?」

 

だが、ムーンライズは辺りを見渡して倒れているスカイ達と拘束されているオーロラと今にもヒューストムの手でやられそうになっているらんこ達を見て険しい顔へ変わる。

 

「ヒューストムお前…スカイ達だけじゃなくオーロラまで…!」

 

「今更来たか。お前が早く来てればこいつらは傷付かずに済んだのにな。更にこれからこいつらも消える所を見ていろ!」

 

「っ!」

 

そう言ってヒューストムはらんこ達に向かって竜巻を放とうとする。それを見たムーンライズは光弾を放とうとするが直ぐに止める。仮に光弾を放ってヒューストムに命中させても彼の性格上らんこ達を葬る為に意地でも竜巻は消さないだろう。なら、どうすれば良いかとムーンライズは短い時間の中で何をすれば良いのか決める。

 

「それなら、らんこさん受け取れぇ!」

 

「っ!」

 

ミラージュペンを持つ腕を勢いよく振るうとダーツの様にらんこに向かって投げる。一方でらんこはムーンライズの声に反応してこちらに向かって飛んでくる自身のミラージュペンを視界に入れると手を伸ばし受け止める。だが、それと同時に竜巻が彼女達を襲い3人は竜巻の中へ姿を消した。

 

「残念だったな…お前の無駄な行動のせいであいつらはくたばっちまったな」

 

ヒューストムはらんこ達を助けられなかったムーンライズの悔しがる顔を見てやろうと彼の方に視線を向けるがムーンライズは悔しい顔ではなく逆に何かが成功した様な喜びの表情を浮かべていた。

 

「なんだその顔は……お前、あいつらを助けられなかったのになんでそんな顔を浮かべているんだ!?」

 

普通此処は悲しむか悔しがるの感情が露わになる筈。なのにムーンライズからは一切その感情が感じられなかった事にヒューストムは違和感を感じる。

 

「お前こそよく見てみろよ。らんこさん達はやられていないぞ」

 

「はぁ?なにを言って──」

 

ムーンライズに言われた通りヒューストムは自身の放った竜巻で葬ったらんこ達のいる場所に再び視線を向ける。

すると、どういう事か竜巻の勢いが落ちていくと同時に小さくなっていく。やがてその竜巻から人影が見えてきた。

 

「なっ!?ば、馬鹿なっ!?」

 

其処には変身したキュアツイスターに変身したらんこが立っておりその手にはテンペストバトンが握られていた。ヒューストムの放った竜巻はパトンの中へ吸い込まれており、更に彼女の背後には怪我を1つもしてないひかるとヒョウの姿があった。

 

「2人とも大丈夫?」

 

「ああ、俺はなんとか」

 

「私も…らんこさんのお陰で助かったよ」

 

竜巻を全てテンペストバトンで吸い込むとひかる達から怪我をしてないと聞くと安心して胸を撫で下ろす。

 

「そう…良かった。サンライ…じゃなくてムーンライズも私のミラージュペンを取り戻してくれてありがとうね」

 

「ああ、気にしなくて良い。だが、それよりもオーロラを助けないと!」

 

ムーンライズは動けないオーロラを助けに行こうとするが、ヒューストムが呼び止める。

 

「おっと待ちな。言っとくがあの竜巻は俺の力で作り出した牢屋だ。俺の意思でしか解放できない仕組みになっているんだ」

 

「そんなのハッタリだろ!」

 

ヒューストムの話は嘘だと思い込んだムーンライズはオーロラを解放しようと彼女が囚われている竜巻に向かって光弾を放つも効果が無かった。

 

「なにっ!?」

 

「だから言っただろう。俺の意思でしか解放出来ないって、力づくで破壊しようとしても無駄なんだよ」

 

自分の行動は無意味だと嘲笑うヒューストムにムーンライズは悔しそうな顔を浮かべるが、ヒューストムの話が本当なら竜巻を解除するには彼の意思じゃ無いと出来ない。だが、そんな事をヒューストムがする筈がない。更にオーロラも辛い表情を浮かべておりこれ以上は彼女が持たない。どうすれば良いか悩んでいると、ツイスターの声が聞こえた。

 

「ツイスタートルネード!」

 

「な、なんだ!?」

 

「ツイスター!?」

 

自身の思考を遮るかのようにツイスターがオーロラが囚われている竜巻に向かって自身も竜巻を放ったのだ。

 

「お前も話を聞いていなかったのか!?そいつは俺の意思じゃないと解除できないって言っただろう!」

 

「ツイスター」

 

「大丈夫よ。私に考えがあるから…はあっ!!!」

 

ツイスターからオーラが現れると同時にテンペストバトンから放たれる風の威力が大きく上がり再び激突すると互いに消滅してオーロラが解放されると、ムーンライズが彼女の元へ走り受け止める。

 

「お大丈夫かオーロラ?」

 

「う、うん、ありがとう」

 

「なっ!?嘘だろ…!お前、一体どうやって俺の竜巻を!?」

 

解放されたオーロラを見てヒューストムは信じられないと言わんばかりの表情を浮かべ、ツイスターに何故破壊出来たのか聞く。

 

「さっき私達に向かって放ったあの竜巻をこのテンペストバトンの中で吸収して解析して、あんたの力に合わせて同じ竜巻を放って破壊したのよ」

 

「なんだと!?」

 

自身と全く同じ竜巻を放って破壊したと聞いてヒューストムは信じられなかった。

 

「らんこさん。その道具ってそう言う使い方も出来たの?」

 

「いや、勘よ」

 

『勘!?』

 

彼女の口から出た言葉に一同は思わず同じ言葉を放つ。最初から知っていたのではなく勘で自身の持つテンペストバトンの可能性に掛けた彼女に一同は唖然となる。

 

「ま、まぁ、良いや。オーロラは解放されてツイスターも力を取り戻した。後はヒューストムお前を倒すだけだ」

 

「へぇ、やる気か?なら、相手になってやるよ」

 

ムーンライズはオーロラとツイスター、それに倒されたスカイ達の借りを返そうとヒューストムに戦いを挑もうとする。

 

「待ってムーンライズ。あいつとは私にやらせて」

 

その時、2人の間にツイスターが入りヒューストムへ戦う意思を見せる。

 

「ツイスター?だけど、身体は…」

 

戦える様になったとはいえ、彼女の身体は調子では無い。そんな状態で戦わせる訳には行かないと思ったムーンライズは彼女を止めようとする。

 

「大丈夫よ。私には奥の手があるから、それよりも気絶したスカイ達をお願い」

 

「奥の手……わかった。危険になったら手助けするぞ」

 

ムーンライズは一瞬悩むも自信満々なツイスターの顔を見て了承する。だが、話を聞いていたひかるが不安そうな顔を浮かべる。

 

「ツイスター…まさか、その奥の手ってあの強化の事か?」

 

「ええ、その通りよ」

 

「なっ!?だ、だとしたら駄目だ!またあの時みたいな凶暴な姿になっちまうぞ!」

 

奥の手の正体が彼女の使う強化だと知るとひかるは彼女を慌てて止めようとする。

 

「なんだ、ひかるの奴は何慌てているんだ?」

 

ひかるの慌てっぷりを見て不思議な表情を浮かべるムーンライズ。すると側にいるオーロラが話しかける。

 

「ツイスターはね。どうやら身体能力を上げる強化能力があるの。でも、その力を使うとツイスターの中にあるアンダーグエナジーが育って性格が好戦的になって意思を乗っ取られる危険性があるの」

 

「アンダーグエナジーだって!?」

 

ツイスターの強化について全く存じなかったムーンライズはオーロラからの説明を聞いて驚きを隠せなかった。

 

(ツイスターの身体にアンダーグエナジーって、一体何時身体に入ったんだ?)

 

自分と同じ様にアンダーグエナジーが彼女にもあると聞かされて一瞬親近感が湧き、どういう時に身体に宿したのか気になった。一方でひかるはツイスターを説得しようと声をかける。

 

「ツイスターやっぱりその力を使うのは危険だ。みんなと戦った方が良い」

 

「…確かにその方が良いかもしれない…だけど、私自身はあのトラッシュトムに借りがあるの。だからお願い!此処は私に任せて!」

 

「借り…?それって一体なんだ?」

 

ツイスターの口から出てきた借りという言葉にひかるは反応し、それはなんなのか聞くと彼女は恥ずかしそうに顔を赤くする。

 

「実は捕まった時、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アイツに無理矢理裸にされたから

 

「ツイスター遠慮するな!!!」

 

「そうよ!!!そこにいる女の敵をやっつけて!!!」

 

「っておい!お前達が焚き付けてどうするんだ!?」

 

彼女の口からヒューストムにされた事を伝えるとひかるとヒョウが先程までの態度から反して全力で戦えと言ったのだ。それを見たムーンライズは思わずツッコミを入れる。

 

「何言ってんだ!?ツイスターが裸にされたんだぞ!」

 

「そうよ!しかも無理矢理よ!そんな事をされたのにあんたは許せって言うの!?」

 

「いや、そう言う訳じゃなくてな…」

 

「ふ、2人共落ち着いて」

 

ヒューストムがらんこにした事を聞いて怒りを露わにするひかるとヒョウの2人を何とか宥めようとするが全く効果がない。そんな中ひかるはムーンライズにある話をする。

 

「じゃあ、逆に聞くけどユキさんが同じ様にされt「絶対ゆるさん!」って、お前もじゃねえか!!!」

 

「む、ムーンライズったら……」

 

例え話とはいえユキが無理矢理裸にされた事を想像したムーンライズは怒りを露わにする。そんな彼を見てオーロラは苦笑いを浮かべる。

一方でツイスターはヒューストムと対峙する。

 

「覚悟良いかしらトラッシュトム」

 

「お前こそ俺にやられた事を忘れてないか?」

 

「ふん、私が弱っている上に乱入による不意打ちで勝った気になっているなんて随分おめでたい頭をしているわね」

 

「なんだと…!」

 

ヒューストムはツイスターに自信を無くさせようとするが、彼女から逆に煽られてしまい反応してしまう。

 

「なら、俺の実力を…その身体で確かめてみろ!」

 

両手に竜巻を纏ったヒューストムは一気に距離を詰めると腕を振るって襲い掛かるがツイスターは避ける。そこにヒューストムはもう片方の竜巻を纏った腕で攻撃をし、ツイスターはこちらは避ける事が出来ないと悟り腕を交差させて防ぐ。

 

「うっ…あああああああっ!!!」

 

『ツイスター!』

 

ただ、ヒューストムの力は凄まじく。ツイスターは耐えきれず吹き飛ばされると直ぐに首に巻いてあるマフラーを使って近くの電柱に巻きつける。そのまま吹き飛ばされた勢いを利用してそのままヒューストムの元に戻り蹴りを繰り出した。

 

「当たるかよ」

 

「くっ!」

 

ただ、ヒューストムはすぐに反応して後ろに跳びつつ避ける。だが、ツイスターは諦めず自身も両腕に風を纏わせるとヒューストムに肉弾戦を挑む。

 

「はああああっ!!!」

 

「なんだ…それで攻撃のつもりか?」

 

ツイスターのラッシュ攻撃を簡単に捌いていくヒューストムは呆れた表情を浮かべると再び自身も腕に竜巻を纏わせる。

 

「攻撃ってのはこうするんだよ!」

 

「ぐうっ…ああっ!」

 

竜巻を纏った腕でツイスターに襲い掛かるも彼女も負け時と拳を振るい互いにぶつけるが、ヒューストムが打ち勝ってツイスターは地面に倒れ込む。

 

「どうだ?漸く俺の実力がわかったか」

 

「くっ…!」

 

自身を見下ろすヒューストムにツイスターは思わず睨む、だがヒューストムはその睨みに全く動じず愉快な笑みを浮かべる。

 

「ハーハハハッ!!!いい気味だ!あんな台詞吐いたのに結局自分が弱かった事を証明する事になるなんて、ピエロの才能があるぜ!」

 

「くっ、うわああああっ!!!」

 

自暴自棄になったのかツイスターは声を上げてヒューストムに殴り掛かるも彼は一歩横に避け、更には彼女の足を引っ掛けるとツイスターは地面に倒れそうになり、ヒューストムは彼女を背後から叩き潰そうと拳を振るう。その様子を見ていたムーンライズ達は不味いと思い助けようと動き出すが、もう間に合わずそのままツイスターの背中に拳が叩きつけつけられようとする───

 

「……は?」

 

「……」

 

──と思いきやヒューストムの拳は背を向けた状態のツイスターが手で受け止めていた。

 

(俺の拳を……背を向けた状態で掴んだ?)

 

自身は彼女にトドメを刺すためにそれなりの力を込めてやったつもりが、簡単に拳を受け止められた事に呆然となる。しかも背を向けた状態である。呆然となったヒューストムであったが、すぐにハッとなり掴まれた手を振り払って抜け出そうとするが、全く振り払えなかった。

 

「どうなって、やがるっ!」

 

自分が圧倒的な実力であると思っているヒューストムは弱い筈のツイスターに腕を振り払う事が出来ない事に信じられなかった。

 

「……本当はこの力をあまり使いたくないけど…今はそんな事を言っている暇はないわ!

 

「なっ!?があっ!」

 

こちらに顔を向けたツイスターの目がまた光った事に驚いたヒューストムだったが、彼女に腕を引き寄せヒューストムに頭突きを喰らわせ、ヒューストムはよろける。

 

「はぁっ!」

 

「ぐあっ!」

 

更に追い打ちと言わんばかりにツイスターから一発殴られる。

 

「ぐ、調子に乗るなっ!」

 

殴られた仕返しと言わんばかりにヒューストムは襲い掛かるもツイスターは目にも止まらぬ速さで一瞬にして背後に回ると蹴りを入れる。

 

「ぐおっ!…ど、どうなってんだ!?さっきまでと全然力も速さも違うじゃ無いか!?」

 

先程まで自身に一方的にやられていたとは思えない動きにヒューストムは驚きの顔を浮かべる。

 

「私としてはこの力はあまり使いたく無かったわ……でも、今この力を使わないとあんたに勝てないし!ひかる達を守れない!!!」

 

「そのオーラは…!」

 

そう言うとツイスターは全身から緑色のオーラを発し、それを見たヒューストムは再び驚きの表情を浮かべる。

 

「覚悟しなさいトラッシュトム!ここから先は容赦しないわ!」

 

そう言うと彼女はヒューストムへと迫っていく。

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