ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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先週よりお気に入り登録者数が90人を超えました。ありがとうございます。現状1週間に1話というペースの小説ですが、できる限り1週間に2話投稿出来るように頑張って行きたいです。
今回はコラボ第10話ですが、15000字を超える長さとなっています。長いですが最後まで読んでくれると嬉しいです。


第60話 vsツイスター

アンダーグエナジーによる暴走で漆黒の姿へと変貌したツイスターはオーロラを標的として襲いかかっている。対してオーロラは彼女に攻撃はせず防御や回避を行っている。

 

「やめてツイスター!私は貴女と戦いたく無い!」

 

「シャアアアアッ!!!」

 

戦いを止めるようにオーロラは言うが彼女の声はツイスターに聞こえておらず猫のような声と鋭い眼差しで彼女を睨みつけながら猛攻を仕掛ける。ツイスターとオーロラはどちらも共に機動力に優れているが、ツイスターの方がアンダーグエナジーにより更に機動力が増してオーロラを追い詰めていき、彼女の頬に爪によって引っ掻かき傷が出来る。

 

(このままじゃ、やられる!…こうなったら…!)

 

防御ばかり続けていればいずれはやられてしまう。こうなったら隙を見て反撃を考え拳に力を入れるが、目の前のツイスターの顔を見て思いとどまる。

 

(やっぱり攻撃なんて出来ないよ!)

 

暴走しているとはいえツイスターは自分の友達だ。そんな彼女を手に掛かるなんてオーロラには出来なかった。だが、このまま防御に専念していればいずれはやられることは自身もわかっていた。一体どうしたら良いと悩んでいると、2人のすぐ側に突然エネルギーの玉が飛んできた爆発を起こす。

 

「な、なにっ!?」

 

「ウウウゥゥゥッ…!」

 

いきなりの爆発にオーロラは驚き、ツイスターも驚きのあまりその場から跳び上がって後退し爆発した所を睨み唸り声を鳴らす。一体先程の爆発は何なのかと2人は警戒していると、オーロラの目の前に4人の人影が飛んでくる。

 

「くっ…なんて力なんですか!?」

 

「僕たちの技が全く通用しないなんて…!」

 

「一体どうしたら…!」

 

「諦めるな!まだ何か方法がある筈だ!」

 

そこに現れたのはハイマックスと戦っていたムーンライズ達であった。身体は所々傷が見られるも戦闘に支障が出るものでは無い様子だ。

 

「皆んな!」

 

「「「「オーロラ!?」」」」

 

オーロラの声を聞いて4人は彼女の存在に気付いた。どうやらハイマックスとの戦いで知らずの内にオーロラとツイスターの元へきてしまった様だ。

4人は彼女が無事であると分かると安堵しようとするが先程から唸り声が不思議に思い聞こえた方向に視線を向けると驚愕の表情を浮かべる。

 

「え…まさかツイスター!?」

 

「あれが…ツイスター!?」

 

「嘘…!」

 

「どうしてツイスターがあんな姿に!?」

 

変わり果てたツイスターの姿を見て4人はそれぞれ反応を見せる。自分達がハイマックスとの戦闘中に一体何があったのか不思議に思っていると、

 

「さっきキメラングがツイスターにアンダーグエナジーが入った弾を打ち込んでそれであんな姿に…!」

 

「「「「なんだって(ですって)!?」」」」

 

オーロラから事の経緯を聞くと4人はキメラングと隣にいるヒューストムを睨んだ。

 

「おお、怖い怖いそんな目で睨まれるとビビっちゃうな〜♪」

 

「ははっ、思っても無い事を言いやがって」

 

キメラングは自身の身体を両腕で抱き締めて怖がる様な素振りを見せヒューストムはそれを見て笑い出す。一方でそのやり取りを見たスカイは怒りの表情を浮かべる。

 

「ふざけないで下さい!早くツイスターを「シャアアアッ!」うわっ!」

 

「「「「スカイ!?」」」」

 

ツイスターを戻す様にと言おうとしたが、突然ツイスターがスカイに襲いかかってきたのだ。スカイは咄嗟にツイスターから避けると互いの手を掴み取っ組み合いになる。

 

「くっ、止まって下さいツイスター!」

 

「シャアアアアッ!!!」

 

スカイは彼女に止まるように言うが勿論先程と同様にツイスターは止まらず己の手に力を入れスカイの両手を潰さんとし、スカイは苦痛の表情を浮かべた。

 

「スカイ目を閉じてろ!」

 

「っ!」

 

そこにムーンライズが光弾をスカイとツイスターの側に向かって放つとスカイは咄嗟に目を閉じた瞬間、光弾は閃光弾の様に激しく光りツイスターの目が眩むと彼女の手の力が緩む。

 

「ツイスター!少し痛いですが、我慢して下さい!」

 

「ギャンッ!?」

 

手を一瞬で振り解くと逆にスカイはツイスターの手首を掴むと彼女の身体を放り投げる。放り投げられたツイスターはそのまま地面に叩きつけられるかと思いきや身を反転させて地面に着地すると、5人を睨む。

 

「フゥー!フゥー!」

 

「まるで猫みたいだ……」

 

ウィングの言葉に4人は同意する。先程からの言動と攻撃の仕方、それに加えて機動力、俊敏性が猫を彷彿とさせる。

 

「どうやって止めましょうか…」

 

「やっぱりランボーグの時の様に浄化するしか無さそうですね」

 

「そうなるよね…」

 

スカイとプリズムとウィングはそれしか無いと思い、従来の方法で自分達の浄化技をツイスターにぶつけるしか無いと思い戦いの構えを取る。

一方でオーロラは悲しそうな表情を浮かべる。

 

(やっぱりそれしか…方法は無いのかな…)

 

スカイ達の言う通りツイスターを元に戻すには戦うしか無い。だが、やはり抵抗感があるオーロラは思い悩んでしまう。

 

「オーロラ」

 

「ムーンライズ…」

 

そんな悩む彼女の姿を見て察したのかムーンライズが話しかける。

 

「よく聞いてくれ、ツイスターを怪我させたく無いのは俺たちも一緒だ。だけど、このまま何もしないとツイスターは苦しい思いをしたままだ」

 

「ツイスターが?」

 

オーロラは恐る恐るツイスターに視線を向けると彼女は先程から自分達を威嚇しているが顔からは玉のような汗が出ており更には肩で息をして表情も辛そうだった。

 

「ツイスターも俺と同じように身体がアンダーグエナジーによって侵されている。俺の場合はライトピラーとルーセントムーンのお陰で抑えられているがツイスターは2人の様なサポートは無い。そうなると最悪の事態になるかもしれない……」

 

「最悪の…事態……」

 

ムーンライズの言葉にオーロラの脳裏には今もスカイランドで目覚めない王と王妃の姿、それにもしもライトピラー達の手助けが無かったら今も目が覚めないアサヒの姿が思い浮かんだ。

 

「わかったか?このまま何もせずにいたらツイスターは…らんこさんは手遅れになるかもしれないんだ!だから協力してくれ!」

 

「…うん、わかったよ!らんこちゃんを助ける為だもんね!」

 

ムーンライズの言葉で諭されたオーロラは戦う事を決心するとスカイ達と同様に戦う姿勢を見せる。それと同時にツイスターは姿勢を低くすると駆け出す。

 

「ウゥゥ……シャアアアアアア!!!」

 

「来ます!」

 

「「「「うん(ああ)(ええ)!」」」」

 

ツイスターが襲いかかってくるとスカイ達も迎え撃とうと彼女の元へ突っ込んでいき、戦いが始まる。

一方で少し離れた所でハイマックスは一同が戦い始めるのを確認すると一同に手を向ける。

 

「纏めて一掃する時だ」

 

ハイマックスは絶好の機会と見越しツイスター諸共プリキュア達を倒そうとデスボールを放とうとしていた。

 

「まぁ、待ちなよハイマックス。そう事を早めようとしなくて良いよ」

 

「ドクターキメラング…」

 

その直前にキメラングが止める。

 

「君の今の実力なら彼等を一掃するのは容易いが、私としては今のツイスターの戦いがどんな物か見てみたいから君は少し休んでいてからたまえ」

 

「……良いだろう」

 

ハイマックスはキメラングの命令を聞くと攻撃を中止し腕を組んで様子を見る事にした。

 

「あいつらを纏めて倒すチャンスをみすみす逃して良いのか?」

 

「なに、問題は無い。さっきも言ったがムーンライズとオーロラのデータを更新してより強くなったハイマックスの実力ならあっという間さ。それよりもアンダーグエナジーによって強化されたツイスターの戦闘データが欲しいからね」

 

そう言うと指を鳴らして幾つのドローンを召喚する。

 

「さて、君達もバリバリ働いて貰うよ。何せこの状況は中々無い事だからしっかりとデータを取らないと」

 

「はあ、これだから研究者って奴はな…」

 

目の前の戦いのデータ収集に夢中になるキメラングにヒューストムはやれやれと言わんばかりに両手を広げ呆れた表情を見せるのであった。

 

 

────────

 

場面はムーンライズ達へと戻る。ツイスターはムーンライズ達よも戦闘能力が上がっているのに対してムーンライズ達は人数とそれぞれ異なるバトルスタイルを駆使してツイスターとの戦いを挑んでいた。

 

「「はああああっ!」」

 

スカイとウィングが突貫して行くと猛攻を仕掛ける。対してツイスターも2人掛かりにも関わらず対応し、攻撃をいなすと爪でウィングを切り裂こうと腕を振った。

 

「はあっ!」

 

「ウッ!?」

 

ウィングはそれを見越していたのかすかさずバク転する要領で彼女の腕を蹴り上げると、スカイがツイスターの懐に潜り込む。

 

「はあっ!!!」

 

「ギャァッ!?」

 

スカイはツイスターの胸部に掌底を決め彼女は衝撃で大きく後退。ただ、ツイスターは咄嗟に地面に拳を突き刺して止まるとスカイとウィングの元へ再び襲い掛かろうとしていた。

 

「させないよ!」

 

「俺たちも!」

 

「忘れないで!」

 

そこに三方向からプリズムとムーンライズとオーロラが光弾を放って牽制する。対して彼女は飛んでくる光弾を持ち前の機動力で躱していくとプリズムに狙いを定めて彼女の元は突っ込んでいくが、そうはさせまいとムーンライズ達が光弾で翻弄させるも全て避けそのままプリズムに迫っていく。

 

「そうは行かないよ!」

 

「シャアアアアアアッ!!!」

 

プリズムは迫り来るツイスターに向かって光弾を放つもあっさりと受け止められそのまま襲われそうになる。

 

「煌めけ!」

 

「アアアアアッ!?」

 

だが、直前に先程放った光弾を激しく光らせるとツイスターの目が眩みその場で動きを止める。そこにすかさず左右からムーンライズとオーロラが迫り。

 

「「捕まえた!」」

 

ツイスターの両腕をムーンライズ達が掴み拘束した。ツイスターは抜け出そう力の限りを持って振り払おうとするが2人も負け時と力を込めて腕を押さえ続けた。

 

「2人ともそのまま押さえて下さい!」

 

「荒っぽいですが、後は僕たちに!」

 

ツイスターがしっかりと取り押さえられているのを確認したスカイとウィングはそれぞれ浄化技を発動させる。

 

「ヒーローガール…スカイ、パアアアアアンチッ!!!」

 

「ひろがる、ウィングアターック!!!」

 

それぞれの技を発動させたスカイとウィングはツイスターの中にあるアンダーグエナジーを浄化させようと突っ込んで行った。

 

「ウ、ガアアアアアアアアアッ!!!

 

「うおっ!?」

 

「きゃっ!?」

 

しかし、ツイスター声を上げながら全身から漆黒のオーラを放ち、ムーンライズ達に取り押さえられているにも関わらずその場でベイゴマの如く高速で回転をし、ムーンライズ達は回転による遠心力で吹き飛ばされる。更にそのままツイスターは回転を早め彼女を中心に竜巻を発生させるとそれを迫り来るスカイ達に向かって放つ。

 

「なっ、危ない‼︎」

 

「うわっと!」

 

迫り来る竜巻にウィングは不味いと感じ、自身の技を解除すると共に技を発動させていたスカイの身体を掴むと高く飛び上がって竜巻を避ける。

 

「あ、危なかった…」

 

「あ、ありがとうございますウィング」

 

スカイは自分を竜巻から助けてくれたウィングに御礼を言うと下にいるツイスターを見下ろす。対してツイスターも空を飛ぶスカイとウィングを見上げて特に攻撃してくる様子は無かった。

 

「どうやら此処にいれば攻撃される心配も…っ!?」

 

攻撃される心配は無いと安心仕掛けた時だった。ツイスターに異変が起きる。彼女は突然その場で蹲ると蝙蝠の翼を模したマフラーが大きく広がりそれを翼の如く羽ばたかせ飛んだのだ。

 

「そ、空を飛んだ!?」

 

「ば、馬鹿な!?」

 

まさかマフラーの見た目が変わったといえ、本当に飛ぶとは思っても見なかった為、2人は衝撃を受けるも直ぐに正気になり自分達の元に飛んでくるツイスターを見てウィングはスカイを連れてその場から逃げる。だが、今のウィングはスカイを抱えている為、普段よりも飛ぶ速さが落ちている。それにより、直ぐにツイスターと距離を詰められると彼女に少しずつ攻撃されていく。まるで詰め将棋のように段々と追い詰められていく様だ。

 

「スカイ!ウィング!」

 

下から様子を見ていたプリズムは傷付いていくウィングとスカイの姿に悲痛の叫びを上げる。何とか自分も援護をしようと光弾を放とうとするが、下手をすればスカイ達に当たると思い中々攻撃する事が出来なかった。一体どうすれば良いと悩んでいると、先程ツイスターに吹き飛ばされたムーンライズとオーロラがプリズムの元へ駆け寄る。

 

「プリズム此処は俺たちに任せてくれ!」

 

「私達が飛んで2人を助けるよ!」

 

「2人とも…うん、お願い!」

 

ムーンライズ達にスカイ達の事を託すと2人は光のオーラを纏うと空を飛んで行きツイスターの元へと飛ぶ。

 

「そこまでだツイスター!」

 

「私達が相手だよ!」

 

「ウウウウウッ!!!」

 

ツイスターとスカイ達の間にムーンライズ達が割って入る。ツイスターはもう少しでスカイ達を倒せそうな所に邪魔が入った事で不機嫌そうに唸り声を上げると、両手に竜巻を作り出してそれをムーンライズ達に向かって投げつけるもムーンライズ達は避ける。

 

「今度は俺たちの攻撃だ!行くぞオーロラ!」

 

「うん!」

 

高速でツイスターの周りを飛び彼女に向かって光弾を大量に放つもツイスターは初めて飛ぶにも関わらず地上と変わらずに機動力を生かして全て避けるとオーロラ目掛けて突っ込んで行きそのまま彼女に向かって腕を振った。

 

「悪いけど、あなたの攻撃は受けるつもりは無いよ!」

 

「っ!?」

 

しかし、ツイスターの腕が命中する直前オーロラが目の前から消える。ツイスターはその事に驚きの表情を浮かべ、そのまま彼女の攻撃は空振ると周囲を見渡す。その視線の先、ムーンライズの側にオーロラがいる事を確認するとムーンライズもろともオーロラを攻撃しようと突貫しようと構えた。

 

「おっと、待ちな!周りをよく見ろ!」

 

「ウッ?」

 

ツイスターはムーンライズの言葉に釣られて周りを見ると其処には先程避けた筈のムーンライズの光弾がツイスターを取り囲む様に全て宙に止まっていた。

 

「この前◯ッコロの技を見て思い付いたんだ。くらえ!」

 

「ガアアアアアアアアア!?」

 

両腕を振り下ろすとそれに伴いムーンライズの光弾がまるで◯空包囲弾を連想させる様に一斉にツイスターへ襲いかかっていき、ツイスターは光弾の雨により大ダメージを受けるも彼女は負け時とその状態でムーンライズ達の元へ突っ込んでいき、更には翼として使っていたマフラーの先端が鋭利になり2人を突きさんとする。

 

「ヤベッ!オーロラ危ねえ!」

 

「え、む、ムーンライズ!」

 

危険を察したムーンライズはオーロラを突き飛ばすと彼の腹部にツイスターのマフラーが勢い良く突き刺さる。

 

「ガ…ハッ…」

 

「「「ムーンライズ!!!」」」

 

「ムーンライズ!そんな…嫌ァァァァァァッ!!!」

 

ツイスターによってやられたムーンライズを見てスカイ達は思わず彼の名を呼び、オーロラは目に涙を溢れさせる。自分を庇った所為で恋人である彼がまたスカイランドの時の様に傷ついてしまった事に深く悲しみを覚える。

一方でツイスターは先ずは1人仕留めたと思い、ムーンライズの身体からマフラーを引き抜こうとするが何故か引き抜けない。なぜ引き抜けないのか不思議に思っていると彼が平然と話し始めた。

 

「1人目を倒したと思っているが…悪いけど、それは違うぜ」

 

「ニャッ!?」

 

「「「「ムーンライズ!?」」」」

 

腹部を刺されて瀕死状態になっていたかと思っていたムーンライズは平気そうな顔をしてツイスターに話しかけたのだ。それを見たスカイ達は驚きの表情を見せる。何故、彼は腹を刺された筈なのに平気な顔をしているのか全員が不思議に思って彼の腹部を良く見てみると……。

 

「あっ!あれは…!受け止めてる!」

 

「「「えっ!?」」」

 

スカイの言う通りムーンライズは腹部に刺さる直前にマフラーを両手で受け止めていたのだ。だが代償は大きく、マフラーは鋭利になっている事により掌は切れており血が流れていた。

 

「いちち…あんまりやりたく無かったが、これしか方法が無かったからな…でも、漸く捕まえた!」

 

「ニャッ!?」

 

「ツイスター少し我慢してくれよ!!!オラアアアアッ!!!」

 

ムーンライズはマフラーをしっかり掴むとグルグルとぶん回しだす。首にマフラーが固定されているツイスターも振り回される。

 

「大・回・転!プリキュア投げ!」

 

「ニャアアアアッ!?」

 

ある程度の速さまで振り回すとその勢いを利用してツイスターを地面に向かって投げ飛ばすとムーンライズは地上にいるプリズムに声を掛ける。

 

「よし、プリズム今だ!」

 

「わかったよ!」

 

落下してくるツイスターに向かってプリズムは両手で大きな光弾を作り出し。

 

「ヒーローガール!プリズムショットォォォォォォォォ!!!」

 

「ニッ!?ガアアアアアッ!!!」

 

それを落下するツイスターに向かって放つもツイスターは何とか逃げようとマフラーを羽ばたかせプリズムショットの軌道から避けようとするが上空にいるムーンライズは両手にエネルギーを溜め込むとツイスターの姿を捉える。

 

「逃すかっ‼︎ひろがる!ムーンライズドリーム!」

 

「ニャアアアアアアアアアッ!!!!」

 

2つの浄化技がツイスターを逃げられない様に挟み込む形で命中し彼女は苦しそうな声を上げるが段々と姿が元に戻って行くと浄化された事による反動か、彼女は意識を失い地面へと落ちていく。

 

「いけない!ウィング!」

 

「分かりましたぁッ!」

 

それを見たスカイがウィングに投げ飛ばして貰うと彼女はツイスターの身体を受け止めてそのまま地面に着地し、ゆっくりとツイスターの身体を地面の上に置くとムーンライズ達がスカイ達の元へとやってくる。

 

「スカイ、ツイスターは?」

 

「見た感じ元の姿に戻ってます。身体からは邪気も感じません」

 

「よ、よかったぁ…」

 

ウィングとプリズムがツイスターについて聞くとスカイがツイスターの状態を確認して元に戻ったと告げると安心して胸を撫で下ろす。

 

「ふぅー、どうやら上手く行ったみたいだな」

 

「うん、これもムーンライズや皆んなのお陰だよ!」

 

内心ムーンライズは少しやり過ぎたかと不安になるもスカイの言葉とツイスターの姿を実際に見てプリズム達と同様に安心しオーロラもムーンライズ達にお礼を言っていると、辺りから拍手の音が響き渡り一同はそれが何なのかと音の発生源に視線を向ける。

 

「いやぁ、素晴らしい。見事な物だったよ」

 

「まさか元に戻すとはな…大したものだな」

 

其処には一同を称賛するかの様に拍手をするキメラングと感心した表情を浮かべるヒューストムが立っていた。

 

「キメラングにヒューストム!」

 

「よくもそんな言葉が…!」

 

ツイスターをアンダーグエナジーによって暴走させた元凶の2人が自分達がツイスターを止めた事に称賛を送るのは一同の琴線に触れるに等しく怒りの表情を見せる。

 

「よくもツイスターを散々酷い目にあわせたね!」

 

「覚悟は出来ているんだろうな…!」

 

オーロラとムーンライズを筆頭にスカイ達もそれぞれいつでも戦える姿勢を見せる。それを見てキメラングはキョトンとした表情になる。

 

「何を言うか?彼女はここ最近負け続きだったんだ。新たな力を得て強くなるのは本望だろ」

 

「その通りだ。そいつはどうも自分の力の使い方を理解してないからな。今回の事はそいつにとって良い勉強になっただろう」

 

キメラングとヒューストムは全く罪悪感を感じておらず逆に自分達はツイスターに力を貸したと言って寧ろお礼を言って欲しいくらいの態度を見せる。

 

「よくもそんな台詞が……あなた達を絶対許しません!」

 

「ああ、お前らの様な性根が腐った奴は絶対ぶっ飛ばす!」

 

一同はキメラングとヒューストムに向かって怒りを露わする。対してキメラングはとんでもない事を暴露する。

 

「ハハハッ、よく言うね。その性根の腐った私の身体で欲情した癖に」

 

『えっ?』

 

「ほぉ〜」

 

「ちょっ、おまっ!?」

 

キメラングのカミングアウトにスカイ達は言葉を漏らし、ヒューストムはニヤついた表情を浮かべる。対してムーンライズは慌てた表情を浮かべていると彼の肩にガシッと背後から誰かに掴まれ恐る恐る後ろに振り向くと。

 

「ねぇ、ムーンライズ…それってどう言う事…?」

 

「ご、誤解だ!俺は欲情なんてしてない!後、肩を凍らせるのはやめてくれ!!!」

 

其処には目からハイライトが失ったオーロラがおり、更には掴んだ肩を中心にムーンライズの身体を凍らせていく。身の危険を感じたムーンライズは慌てて彼女に機嫌を直して貰おうと弁明する。

 

「ハハハハハハッ!!!面白い物を見せてくれるなぁ!」

 

「まさかそれくらいの事で怒るとはね。いやぁ、愛って怖いねぇ♪」

 

2人の修羅場を見てキメラングとヒューストムは面白がっていた。それを見たスカイは2人に向かって怒りを露わにする。

 

「嘘のことを言ってムーンライズとオーロラの仲を悪くするなんて卑怯です!」

 

((いや、どうだろう?))

 

キメラングの先程の発言はムーンライズを陥れる作戦と思ったスカイであったが、プリズムとウィングはムーンライズの焦り様から本当なのではと思った。

 

「いやはやごめんね。冗談さ、冗談。だからオーロラもそんな青筋立てなくて良いよ」

 

「え…冗談?」

 

まさか自分とムーンライズの仲を悪くした張本人が先程の発言は嘘であると言った事にオーロラはムーンライズの肩から手を離した。対してムーンライズは凍りかけた肩を摩擦して温める。一方でプリズムはキメラングの行動に疑問を浮かべる。

 

「キメラング…あなたは何がしたいの?」

 

あのまま黙っていればムーンライズとオーロラは喧嘩をする所だったのにそれを止めるような行動をしたキメラングに理解出来なかった。

 

「何って、時間稼ぎだよ」

 

『時間稼ぎ?』

 

あっさりと目的を話したキメラングに拍子抜けになるも彼女の口から出た"時間稼ぎ"とは一体なんの時間を稼ぐつもりかと考えようとするが、その事に対しても彼女の口から明かされる。

 

「ほら、その証拠に君達の背後を見てみなよ」

 

『背後…っ!?』

 

ムーンライズ達はキメラングに言われた通り背後を振り返ると其処には先程まで気絶していたツイスターが立っている。だが、姿は再び漆黒の姿へと戻り更には手に竜巻を作り出しそれをムーンライズ達に向かって振るう。

 

「シャアアアアアアアッ!!!」

 

『うわあああああああっ!?』

 

ツイスターの放たれた竜巻によりムーンライズ達は宙に舞い、更にはツイスターが5人の元へ飛んでいき猛撃をし、地面へと叩きつける。

 

「ぐっ…つ、ツイスター…元に戻ったんじゃ…?」

 

先程まで元の姿に戻っていた筈のツイスターが再び漆黒の姿へ化した事に一同は"何故"という言葉が頭の中に埋め尽くされる。彼女はムーンライズとプリズムの技が当たってアンダーグエナジーは浄化された筈だ。それにも関わらず再びその姿へどうしてなってしまったのか。

 

「何故、ツイスターが戻らなかったのか気になるよね?」

 

「キメ、ラング…!」

 

倒れているオーロラを見下す様にするキメラングは笑みを浮かべながら話しかける。

 

「ツイスターは元々プリキュアになる少し前からその身にアンダーグエナジーを宿らせたんだ。そしてプリキュアになってから今日まで戦い続けて早数ヶ月…それくらいの期間ならすっかり彼女は我々アンダーグ帝国の仲間入りさ。まぁ、要するに長い時間その身にアンダーグエナジーを宿した事で今の彼女は普通の浄化技では戻せないって事だよ。ご理解頂けたかな?」

 

「そ、そんな……」

 

ツイスターを元に戻せない。そんなの嘘に決まっているとオーロラは口に出したかったが言えなかった。先程自分達を不意打ちして襲い今も獣の様に唸り声を鳴らしている彼女の姿を見て絶望に打ちひしがれる。

 

「ウゥゥゥゥ…コ、コロス…マッド…!」

 

「あれま、私だけ個人で認識出来るってどれだけ私の事を考えているのやら?」

 

唯一キメラングの事を認識して敵意を剥き出していることに彼女は笑みを浮かべる。一方でツイスターは身体を地面にしゃがみいつでも襲い掛かる準備をしていた。

 

「どうする?俺が変わろうか?」

 

「それには及ばないよ。何せ…」

 

「シャアアアアアアアッ!!!」

 

キメラングとヒューストムが会話をしている所を隙と見たツイスターは足に力を入れると一気に飛び出しキメラングに向かって鋭い爪を振りかざそうとする。対してキメラングは何も対策はせずそのまま彼女に切り裂かれそうになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かと思いきや突然ツイスターの真横から巨大な黒い腕が彼女の腕を掴み上げられる。

 

「ニャアッ!?」

 

「……」

 

「何せ私にはハイマックスがいるからね♪」

 

「おお、忘れてた」

 

ツイスターの腕を掴んだハイマックスの登場にヒューストムは彼の存在を思い出す。対してキメラングはツイスターを捕まえたハイマックスに命令を下す。

 

「じゃあ、ハイマックス!ツイスターの戦闘データをある程度取れた事だから死なない程度に痛めつけて」

 

「了解」

 

命令を受けたハイマックスは自身の手で捕まえたツイスターを見る。彼女は腕を掴み上げられた状態であまり動けないにも関わらずもう片方の自由な手でハイマックスの腕を引っ掻き抜け出そうとしている。だが、ハイマックスにはあまり効いておらず捕まえたツイスターを振り上げると一気に地面に叩きつける。

 

「ガァッ‼︎」

 

地面に叩きつけられた事で彼女の肺に溜まっていた空気は一気に放出され苦痛を味わうがハイマックスはそれをさせずに再び彼女の身体を宙に振り上げると再び地面に叩きつけるのを何度も繰り返し、ある程度彼女に気力が無くなって行くとハイマックスはツイスターを放り投げると拳にエネルギーを溜め込んだ。

 

「吹き飛べ」

 

「ニャアアアアアアアアアッ!!!!」

 

『ツイスター‼︎』

 

そのままツイスターにデスボールを放つと彼女はそれを受け吹き飛んでいき、後ろにある病院の壁に叩きつけられると地面に落ちて横たわる。

 

「アア…ァァ……」

 

「まだ息はある様だな」

 

ツイスターがまだ意識を失っておらず辛うじて保っているのを見ると更に追撃を掛けようと彼女へと近づく。対してツイスターは暴走した時からあったギラギラした瞳の輝きは失われハイマックスの恐怖しか無かった。一歩ずつ近づいてくるハイマックスにツイスターは近くにあった石を投げて追い払おうとするが勿論効果は無く、ハイマックスはツイスターにトドメを刺そうと手を向ける。

 

「これで私の任務は終了だ」

 

「ニャ、ニャアッ!」

 

再び手にエネルギーを溜め始めるハイマックスを見てツイスターは逃げようとするが先程までのムーンライズ達との戦闘に加えてハイマックスの攻撃によるダメージが残っておりその場から逃げる事が出来ずにいた。一方でムーンライズ達もツイスターを助けに行きたいがツイスターによる攻撃が重くその場から動く事ができなかった。オーロラはすぐ側にいるキメラングに話しかける。

 

「や、やめて!ツイスターをもう傷つけないで!」

 

「それはできない相談だ。彼女は見ての通り知能が獣並に下がってしまったからねこの後ラボに連れ帰ってもまた私に襲い掛かってくるのも面倒だからこうやって調教させてやるのさ」

 

「そう言う事だ。まぁ、悪く思うなよ」

 

オーロラの懇願を蹴るとキメラングとヒューストムはハイマックスを止めようとせず介入せず黙って見ているだけだった。

 

(こ、こうなったら…私が…!)

 

オーロラは身体に痛みがありながらも何とか転移してツイスターを助けようと考える。

 

「おっと、君の考える事は想定内だよ」

 

「あああああっ!?」

 

しかし、オーロラの考えを予測していたキメラングがドローンを呼び出すと彼女に電撃を浴びせる。

 

「お、オーロラ!…お前ェ、オーロラをよくも…!絶対許さねぇっ!」

 

「おっ?君もオーラを纏えるのかい?」

 

電撃によって苦しむオーロラを見てムーンライズは怒りを露わにし全身からオーラを纏って立ち上がる彼の姿にキメラングは驚きの表情を見せる。対してムーンライズはそんな彼女に向かって猛スピードで迫るとそのまま拳を振るうが、ヒューストムが間に入り拳を受け止める。

 

「おっと、お前の相手は俺だぜ」

 

「ドケェッ!!!」

 

目の前にいるヒューストムを怒りに身を任せて猛攻するムーンライズに対してヒューストムも彼の動きに対応して肉弾戦を繰り広げる。

 

「さて、ムーンライズの力をじっくりと見たいが先ずはこっちが先だね」

 

そう言ってキメラングはハイマックスの方に視線を向けると既にエネルギーは溜まっておりいつでもツイスターに向かって放つ準備が出来ていた。

 

「ハイマックス、エネルギーが溜まった事だからそろそろやって良いよ」

 

「承知した」

 

キメラングに許可を得たハイマックスはエネルギーをツイスターに向かって放とうとする。対してツイスターは涙を浮かべて恐怖の感情が露わになっていた。

 

「これで終わりだ」

 

「「「や、やめろぉぉぉぉぉっ!!!」」」

 

ハイマックスがツイスターに向かってエネルギーを放とうとする時スカイ達は彼女を助けに行きたかったが身体が言う事を聞かず声を上げるくらいしかできなかった。

そして、ハイマックスの手から極太の光線がツイスターに向かって放たれると彼女はそれに呑み込まれていく─────。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───かと思いきやその直前何者かがツイスターの身体を突き飛ばして襲ってく光線を避ける。

 

『えっ?』

 

『なに?』

 

確実にツイスター当たると思われていた光線が避けられた事にその場にいた一同は驚きの表情を見せ、避けたツイスターに視線を向けると、

 

「だ、大丈夫かツイスター?…ってあれ、何か服の色とか所々変わってね?」

 

『ひ、ひかる(君)(さん)!?』

 

ツイスターの直ぐ側に彼女を心配する様に見ていたひかるの姿があった。スカイ達はひかるがツイスターを助けた事に驚きの表情を見せる。彼は少し前にヒョウと共に気絶していた筈だった。

 

「ひ、ひかる君いつの間に起きていたんですか?」

 

「ん、ああ、実はさっき起きたばかりでな。まだヒョウが気絶していたから先にあげはさん達に預けた後戻ってきたら、なんかツイスターが黒いロボットにやられそうなのを見て思わず助けたんだ」

 

ひかるがツイスターを助けてくれたのは幸いだった。スカイ達は安心仕掛けるが先程自分達がツイスターにやられた事を思い出して彼に慌てて話しかける。

 

「ひかる君!ツイスターから離れて下さい!」

 

「今のツイスターは私達の事を仲間って認識していないの!」

 

「怪我をしちゃいますよ!」

 

「え、何を言ってるんだ?」

 

スカイ達から今のツイスターは危険と言われてピンっと来なかったひかるは危機感を感じておらずツイスターに視線を向けると、

 

「にゃ、にゃあ…!」

 

「つ、ツイスター!?(可愛い…ってか何だ今のにゃあって?)」

 

ツイスターは涙目になりながらひかるの服を掴み彼を襲おうとはせず縋る様な様子だ。対してひかるツイスターがまるで猫の様な鳴き声を出した事に困惑する。

一方で2人のやり取りを見ていたスカイ達は更に困惑する。

 

「あ、あれって……どう言う事ですか?」

 

「わ、私に言われても…?」

 

「あ……」

 

先程まで自分達を襲っていたツイスターが何故かひかるにだけ襲わない事に疑問を浮かべる。すると、ウィングが手を叩いて何か合点がいったと言った声を出した。

 

「そうか…わかったぞ!」

 

「え、何がわかったの?」

 

「私達にも教えて下さい」

 

何か理解した表情を浮かべるウィングにスカイとプリズムはどうしたのかと説明を求む。

 

「ツイスターはキメラングを個人として認識して人一倍敵意を持っているのに対して先程のハイマックスにも唯一恐怖を抱いている様にひかるさんはツイスターとは仲が良く好意を抱いていたから恐らく彼女の中に残っていたひかるさんに対する思いが彼女にとって安心な存在と認識しているんだと思います」

 

ウィングの話を言って納得する。ツイスター(らんこ)は以前の事件で関わったひかるとはそれ以降も関わっていき2人の間に深い関係が築かれていく仲となっている。一見すればそんな馬鹿なと思うが実際ひかるは自分の危険を顧みず彼女を何度も助けようとしていた。その事もあってか彼女は彼の側にいれば安心出来ると本能か理性なのかわからないがそう認識したのだろう。

 

「外したか、まぁ良い次こそ当てれば良い」

 

『っ!?』

 

すると、いつの間にかハイマックスがツイスターとひかるの前に立っており2人を見下ろしていた。

 

「ヤベッ!ツイスター逃げるぞ!」

 

慌ててツイスターを連れてその場から逃げようとするひかるだったが、ツイスターがその場から立ち上がれず、ハイマックスに対して怯えて足がすくんで動けないようだ。

 

「どうやら動けない様だな。なら、そのままじっとしているんだ」

 

そう言うと今度こそツイスターに光線を放とうと手を彼女に向けるが、ひかるの次の行動に困惑する。

 

「やめろっ!」

 

「むっ?」

 

「にゃっ!?」

 

「「「ひかる(君)(さん)!?」」」

 

何とハイマックスの攻撃を邪魔する様にひかるがその腕にしがみついていたのだ。

 

「お前だろ!ツイスターをボコボコにしたロボットってのは!?」

 

「だとしたらなんだ?」

 

「なら、これ以上ツイスターを…らんこさんを傷つけるんじゃねぇ!!!」

 

ツイスターの怯え様からして目の前の存在が彼女を以前完膚なきまでに倒したハイマックスと察したひかるはこれ以上ツイスターを傷つけまいと彼女を守ろうとする。

 

「ツイスター逃げてくれ!こいつは俺が食い止める!」

 

「っ!?」

 

「無茶ですひかる君!」

 

「そうだよ‼︎私達でも敵わなかったんだから!」

 

「貴方は逃げて下さい!」

 

自分がハイマックスの相手をすると聞いてツイスターは大変驚いた表情を浮かべ、スカイ達は無謀であると彼に止めるように言う。

 

「お前が私の任務を邪魔をすると言うなら先ずはお前から排除する!」

 

「うわああああああっ!?」

 

「「「ひかる(君)(さん)‼︎」」」

 

「にゃあっ!」

 

ひかるの存在が鬱陶しく感じたハイマックスは腕を振るうと掴まっていたひかるは宙に放り投げられそのまま地面に叩きつけられてしまう。それを見てスカイ達は彼を助けようと傷ついた身体を何とか起こし彼の元へ向かおうとする。ツイスターも自分を助けようとしたひかるが地面に叩きつけられるのを見て涙を流す。

 

「ぐっ、クソォ…!」

 

ひかるは地面に叩きつけられた際に打ちどころか悪かったのか中々立ち上がれずにいた。そんな彼にハイマックスが近づくと自身の足を振り上げる。

 

「悪く思うな…これも任務だ」

 

「っ!」

 

そう言うとハイマックスはひかるを踏み潰そうと振り下ろす。対してひかるは間に合わないと思い思わず目を瞑り、スカイ達は彼を助けようとするが間に合わず、そのまま大きな音を立ててハイマックスはひかるのいる地面をめり込む程踏み潰した。それを見たスカイ達は足に力が抜け地面に膝をつく。

 

「そ、そんな……」

 

「ひかる君…!」

 

「ぐ、クソォ…!」

 

目の前で自分達の友達が文字通り踏み潰された事に3人は絶望する。そして何よりショックなのはツイスターだろう。彼女も自分達と同様、いやそれ以上に悲しんでいるだろうとスカイは恐る恐る彼女の方に視線を向けるが、それは自分達の思っていた光景とは違った。

 

「あ、あれ?」

 

視線の先にいるはずのツイスターは何処にもいなかった。彼女は先程まで怯えてその場から動けない筈なのに一体何処に消えたのかと考える。一方でハイマックスがゆっくりとひかるがいた地面から足をどかすと突然声を上げる。

 

「む…なにっ!?」

 

「「「?」」」

 

ハイマックスが珍しく驚きの声を上げた事にスカイ達は彼の方に視線を向ける。すると、先程までハイマックスが踏み付けていた地面にいる筈のひかるの姿も見当たらなかった。それを見たスカイ達もツイスターと同様に彼の身体は何処に消えたのか考えているとプリズムがある方向を見て声を上げる。

 

「あ、見て!2人ともあれを!」

 

「「え?……あっ!」」

 

プリズムが上の方に指を指し示すと其処には蝙蝠の翼を羽ばたかせ、ひかるを抱えるツイスターがいた。一方でひかるは目を丸くしながら彼女の顔を見つめる。

 

「ツイスター…俺を助けたのか?」

 

「……」

 

ひかるの問いに対してツイスターは返事をせず地面にいるハイマックスを見つめていた。

 

「そいつも生きていたか…まぁ良い。キュアツイスター諸共倒せば良いことだ」

 

「っ!」

 

するとハイマックスの発言にピクリと眉が動き、先程まで沈黙していた彼女の口がゆっくりと開く。

 

「ユル……ニャイ…」

 

「え、ツイスター?」

 

先程まで猫の様な鳴き声を上げて一言も喋らなかった彼女が呂律が回っていないが喋り出した事にひかるは面食らった顔をする。そして、そんな彼を他所にツイスターは喋り続ける。

 

「ゼっちゃい…ゆるサ無い……」

 

段々と呂律が周り始めた彼女は言葉に少しずつ感情を乗せていくと、

 

「アンタだけは…… 絶対許さない!!!

 

彼女は先程まで黒に近かった緑色の瞳は明るい緑色へ戻りさらに光輝かせて、ハイマックスへの怒りを向けると一瞬で彼の懐に潜り込むと胸部に向かって強烈な蹴りを浴びせる。

 

「グハアッ!?」

 

ハイマックスはツイスターの攻撃に反応出来ずその巨体は10m程後ろ下がって行くも何とか踏み止まる。

 

「ど、どういう事だ?貴様のデータは私の電子頭脳にインプットされて攻撃は通用しない筈…あり得ない…!」

 

先程まで無機質な表情だったハイマックスはツイスターの攻撃に動揺を見せる。

 

「勉強熱心な事は良いけど、現実って物は自分の思い通りにならないものよ」

 

「ぐっ、グヌゥ!」

 

ツイスターは抱えたひかるを下ろすと煽り言葉を放ち、それを聞いたハイマックスは悔しそうな顔を浮かべる。ツイスターは今までやられてきた事で溜まった鬱憤を晴らそうとハイマックスへ更に攻撃をしようとすると、

 

「「「ツイスター!」」」

 

「スカイ!プリズム!ウィング!」

 

そんな時スカイ達がツイスターの元へ駆けつける。

 

「ツイスター…元に戻ったんですね!」

 

「ええ、何とか元に戻れたわ」

 

ツイスターは正気に戻った事を伝えるがプリズムとウィングは少し不安そうな顔を浮かべていた。

 

「でも、見た目は変わったままだよ」

 

「それに身体の具合は大丈夫なんですか?」

 

プリズムの言う通りツイスターの見た目は暴走していた時のままであり、更には先程まで自分達との戦闘にハイマックスの奇襲で傷ついたりした事からウィングは彼女の身体を心配する。

 

「大丈夫よ。正直まだ軽い立ち眩みや吐き気はあるけど力が湧いてくるわ……所でだけど…」

 

「「「「?」」」」

 

何やらツイスターが申し訳無さそうな顔を浮かべた事にスカイ達はどうしたのだろうと不思議に思っていると、彼女の口が開く。

 

「皆んな……あんまり覚えていないけど私が皆んなを傷つけたのよね…ごめんなさい」

 

スカイ達の身体に見られる傷や周りの戦闘痕跡を見て自分がやったのだとすぐ察したツイスターは彼女達に頭を下げて謝罪する。

 

「そ、そんな、謝らないで下さい!」

 

「ツイスターは悪く無いよ!」

 

「そうです!悪いのは貴女にアンダーグエナジーを与えて暴走させたキメラングの所為ですよ!」

 

「でも、それでも私が皆んなを傷つけたのは変わりないわ」

 

スカイ達はツイスターをフォローするも彼女自身友達である一同を傷つけた事に負い目を感じているとひかるが話しかける。

 

「確かにツイスターは皆んなを傷つけたのは事実だ。でも、それはツイスター自身が好きでやった事じゃ無いだろう?今回の件はウィングの言う通りキメラングが悪い。それに皆んなは許してくれているんだ。勿論ムーンライズやオーロラだって許しくれるに決まっている」

 

「ひかる……ありがとう……いや、ちょっと待って」

 

ひかるの言葉を聞いて彼女は少し心が軽くなり彼に御礼を言うもひかるの身体を見て何かに気付く。

 

「あんたは何で無事なのよ?あんたも話からして私の近くにいたんでしょ。それなのに無傷って…隠れていたの?」

 

「いいや、ツイスターは俺に一切攻撃しなかったぜ。逆に俺に甘えていたぞ猫みたいに」

 

「ね、猫ぉっ!?」

 

ひかるに手を出してない事に安心するも彼から自分は猫の様だと聞かされると顔を赤くするも軽く咳払いをして冷静になる。

 

「ね、猫の事は置いとくけど、なんで私はひかるを傷つけなかったのかしら?」

 

スカイ達を見て自身は無差別に攻撃していたと理解するが、それでも何故ひかるだけ攻撃しなかったのか疑問に思っているプリズムが何やらニヤニヤと笑みを浮かべながら彼女の疑問に答える。

 

「ふふーん、それはね。ツイスターがひかる君の事が大好きって事だよ!」

 

「は、はあああああっ!?あ、あんた何を言っているの!?」

 

突然のプリズムから自分はひかるの事が大好きと指摘された事に再び顔を赤くして声を荒げる。更にウィングとスカイがプリズムの説明に補足を入れる。

 

「いやいや、真面目な話ですよ。恐らく貴女はひかるさんの事を普段から人一倍想っている事から幸いにも手を出さなかったんです」

 

「つまりこれはですね!」

 

「何故そこで愛っ!?」

 

スカイ達に思わずツッコミを入れたツイスターだったが、その時彼女達を巨大な大玉のエネルギーが襲い掛かり爆発に巻き込まれ、そのエネルギーを放ったのはハイマックスだった。

 

「フッ、やはり先程のはまぐれだったか」

 

ツイスター達が自分をそっちのけで会話をした事を隙と見てデスボールを撃ち込み何も対応が出来ず爆発に飲まれたと思い、ハイマックスは口元にうっすらと笑みを浮かべた。

 

「会話している時に攻撃をするなんて無粋ね」

 

「っ!」

 

爆炎の中からツイスターの声が聞こえた事にハイマックスは驚愕の表情を浮かべると次の瞬間爆炎が突然消える。消えた理由はツイスターが己のマフラーを大きく広げて羽ばたかせた事により風圧で消したのだ。そして、爆炎から姿を表したツイスター達は誰一人怪我を負っていなかった。

 

「貴様ら…どうやって…!?」

 

「それは私のこのマフラーを大きく広げてあんたの攻撃を防御したのよ」

 

「なんだと!?」

 

ツイスターの発言にハイマックスは驚く、彼女のマフラーは元の姿からゴムのように伸ばして大きく広げる事は出来ていたが、防御力についてはそこまで無かったと自身の中にあるツイスターのデータにそうあった。だが、今の彼女はアンダーグエナジーによる強化で姿も変わりマフラーも性質が大きく変化していた為、鋭利な武器や防御に転用出来たのだ。

 

「さて、皆んなは下がってて、あいつは私がけりをつけるわ」

 

「「「「えっ!?」」」」

 

スカイ達はツイスターの発言に驚きの表情を見せる。1人で挑むのは無謀であると止めようとするが、

 

「ごめん…無茶な事はわかるわ。でも、彼奴はスカイランドで借りがあるからそれを返さないと私の気が済まないわ」

 

「ツイスター…」

 

ツイスターの一歩も譲るつもりはないという態度を見てスカイは彼女を暫く見つめた後、プリズムとウィングに目配らせすると互いに頷く。

 

「……わかりました。此処は任せました」

 

「私達はムーンライズ達を助けに行ってくるから」

 

「それまで負けないで下さい!」

 

「ええ、勿論よ」

 

ツイスターにハイマックスの相手を任せるとスカイ達はムーンライズ達を助ける為、その場を去っていく。そしてツイスターはその場に残ったひかるに視線を向ける。

 

「ひかるも少し下がってて、戦いにあんたを巻き込みたく無いから」

 

「ああ、そうするよ。だけど本当に1人で大丈夫なのか?」

 

今まで傷ついてきた彼女の姿を何度も目の当たりにしたひかるは心配そうにするが、ツイスターそんな彼を心配させまいと笑みを浮かべる。

 

「大丈夫よ。この姿は見た目はアレだけど力が湧いてくるから負ける気はしないわ…」

 

「だ、だけど…」

 

自信ありげな発言をするツイスターだが、やはりハイマックスに完膚なきまでにやられた事がまだトラウマになっているのか若干肩が震えている。そんな彼女の姿にひかるはやはり危険だと止めようと考える。

 

「大丈夫よ…もう私はあんたの目の前でやられるなんて無様なら姿を晒すつもりは無いわ」

 

「っ!」

 

ひかるはその言葉を聞いて目を見開いて固まる。まるでその言い方は自分の為にカッコいい姿を見せたい様にも聞こえて来る。そんな台詞にひかるは特別感を感じて顔が少し赤くなる。

 

「じゃあ、行ってくるから」

 

そう言ってツイスターはひかるから背を向けてハイマックスの元へ向かおうとする。

 

「あ……ま、待ってくれ!」

 

「ひ、ひかる?」

 

これから戦いに行くと言うのに突然手を掴んで止めたひかるにツイスターは困惑の表情を浮かべる。

 

「そ、その……ま、負けるなよ。俺……ツイスターが勝つって信じてるから」

 

「っ!……勿論よ!」

 

一瞬ツイスターはひかるの言葉にキョトンとなるも直ぐに笑みを浮かべて強く返事をすると少し名残惜しくもひかるから手を離すとハイマックスへと立つ。

 

「ハイマックス…あんたを今度こそスクラップに変えてあげるわ!」

 

「笑止……貴様が私を超える確率は……いや、不可能だッ!!!」

 

ハイマックスに対してツイスターは最初戦った時の様な宣言をするのに対してハイマックスは先程から自分の中にあるデータとは予想外な出来事を認めたく無いのか声を荒げてツイスターに襲い掛かるのであった。

 

 

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