それではどうぞ。
「え、◯ーオン?」
「3人とも急に声を上げてどうしたんですか!?」
「◯ーオンジャーってなんですか?」
キメラングとヒューストムが乗り込む巨大ロボを見て大声を上げてしまったムーンライズとツイスターとひかるにスカイは驚きウィングとオーロラは◯ーオンジャーがなんなのか気になった。
一方でプリズムは3人の言葉を聞いて何かを思い出す。
(そう言えば数年前に日曜の朝にアサヒが好きで見ていた番組があったけど、目の前にいるのってその時に出たロボットなの!?)
数年前見たうろ覚えではあるものの過去の特撮番組にいた金と銀の追加戦士が操っていたロボットの存在を思い出す。
「くっ、まさかこんな所で◯イクウオーを目の当たりにするなんて…こう言う状況じゃなきゃ乗ってみてえ…!」
「俺も出来たら◯ンジンオーに乗りてぇ…!」
「あ、あんた達良い加減正気に戻りなさい!」
地面に両手と両膝を突きながら◯イクウオーを見上げるムーンライズとひかるは羨ましがり、いち早く我に返ったツイスターは2人に呼びかけ正気に戻す。
一方で操縦席から様子を見ていたヒューストムはムーンライズの顔を見てニヤつく。
「羨ましいだろうムーンライズ。まっ、お前にこの操縦席の最高の座り心地を味わうなんて先ず無さそうだがな」
「この野郎ゥ…俺の心を弄びやがって…ど、どうせ見掛け倒しなんだろ!ただ見た目が良いだけで首が少し可動する程度なんだろ!」
「あっ、馬鹿っ!」
ヒューストムがここぞと言うばかりに煽るとムーンライズは額に青筋を立て苦し紛れに煽り返す。それを見たツイスターは慌てて辞めさせようとするが、もう遅い。
「へぇ、見かけ倒しね……なら、これを見ても見掛け倒しか!?」
すると◯イクウオーは左腕を動かすとムーンライズ達に照準を合わせて其処からレーザーを放った。
『うわあああああっ!?』
「ハーハハハッ!逃げろ逃げろ!」
「いやいや、逃げてばかりではデータは取れないよ。ほら、プリキュアの諸君ヒーローなら巨悪に立ち向かいなよ」
逃げ惑うムーンライズ達をヒューストムは彼等にギリギリレーザーが当たらない位置に向かって追いかけていく。キメラングは逃げる一同に発破を掛けるが逃げるので必死で声は聞こえてなかった。
「こんの馬鹿っ!何やっちゃってくれてんのよ!?」
「す、すまん!悔しさのあまりつい言っちまった!」
逃げる中ツイスターは挑発したムーンライズに怒鳴り声を上げ、彼も申し訳ない表情を浮かべて謝罪する。兎に角今は逃げる事に専念しようと一同は全力で走ろうとする。
「うわっ!?」
『ひかる(君)(さん)!?』
その時、先程までの激しい戦闘により地面が荒れていた様でひかるが躓いて地面に転んでしまい全員思わず動きを止める。ツイスターは慌てて彼の元に駆け寄り助けようとするが、無慈悲にも2人に向かってレーザーが放たれる。
(ま、間に合わない…!)
今からひかるを担いで離脱しても間に合わないと判断したツイスターはひかるだけでも守ろうと彼の身体を覆い被ろうとするが、その前に声が聞こえる。
「ツイスター!マフラーを!」
「っ!」
ツイスターはオーロラの声を聞いて振り向く。するとこちらに向かって手を伸ばし彼女の身体にはムーンライズ達4人がしがみ付くように掴まっているという奇妙な光景が見られた。ただ、今はそんな事言えないとツイスターは無我夢中でオーロラに向かってマフラーを振るい彼女がマフラーを掴むと同時にその場にレーザーが降り注いだ。
だが、レーザーが彼女達に当たる直前姿が消え少し離れた場所に現れる。
「おっ、今のはオーロラのワープか…どうやら自分以外にも複数人を連れてワープする事が出来るみたいだね」
「外したか…まぁいいさ。そう簡単にくたばると楽しみが無くなるからな」
次こそは当たると言わんばかり操縦桿を握り直すとムーンライズ達の方へ向くのであった。
一方で少し距離を空けた事から一同は◯イクウオーを観察する。
「くっ、やはりあそこまでデカいと逃げるのも厄介です」
「おまけに威力が高いレーザーも出すし…」
「恐らく空も飛べるでしょう」
元が玩具とは思えないその能力に一同はどう対処すればいいから頭を悩ませる。
「しゃあねぇ、此処はいつもの通りのやり方で戦うか」
「うん、今はそれしか無さそうだしね」
相手の弱点がわからない今は取り敢えず戦いの中で弱点を探ろうとムーンライズが提案するとオーロラを筆頭に他の皆んなも賛成する。
「じゃあ私達は戦って来るからひかるは安全な所に隠れていて」
「あ、ああ…」
ひかるはツイスターに返事をし、ツイスターは皆んなと共に◯イクウオーの下へ向かった。
「悪い皆んな、足手纏いになっちまった」
「ううん、気にしないで」
(俺も…皆んなみたいに力があれば…!)
無力な自分を憎んでいると背後から声が聞こえてくる。
「おーい、ひかるくーん!」
「え?」
背後から自分の名前を呼ぶ声が聞こえて反射的に振り返ると其処にはあげは達の姿があった。
「あ、あg「ねぇこれってどう言う事!?一旦ひかる君がヒョウちゃんを連れてきて去ったらその後また病院で激しい爆発音が響いたりしたけど、静かになったら今度は巨大ロボットが現れたんだけど!?」お、落ち着いて下さいあげはさん!」
ひかるの元に駆け寄ったあげはは彼の肩を掴むと前後に揺らして現在の状況を問い詰める。どうやら普段余裕のある彼女でも巨大ロボの出現にはさすがに衝撃を受け、やや混乱している様子だ。
一方でそんなあげはを他所にヒョウと彼女が抱えるエルとかけるは◯イクウオーを見上げている。
「何アレ、前にカバトンが操っていたUFOランボーグよりもデカ過ぎでしょ!」
「でっかい!でっかい!」
「やっぱりアレって◯イクウオー…だよな」
3人はあげはと比べてそこまでは大きく驚いて無い様子だ。エルの場合は笑みを浮かべて指を刺し、かけるもロボットの名前を言える様子から◯ーオンジャーを視聴済みの様だ。
「と、兎に角落ち着いて下さいって!」
「あ、ご、ごめんね。ちょっと驚いちゃってね。それで皆んなはあのロボットと戦っているんで良いんだよね?」
漸く落ち着いたあげははチラッと◯イクウオーに視線を向けながら聞くとひかるは「はい」と返事をするが、その表情はやや暗い。
「…やっぱり皆んなの事が心配?」
「……実はさっき皆んなの足を引っ張って自分の不甲斐無さを感じてたんです」
「え、足を引っ張った?」
ひかるの話を聞いてあげははキョトンとなる。対してひかるは先程自分が転んだ所為で皆んなを危機に晒してしまった事を引き摺っているようだ。更にはそれよりも前の戦いにて敵から守ってくれるツイスターの事が頭の中を過ぎる。
「俺も…皆んなの様に戦えたら…」
「ひかる君……確かに皆んなと一緒に戦え無いのは辛いよ。でも、戦えないからこそ私達は皆んなを信じて見守って応援するんだよ」
「あげはさん……」
あげはの話を聞いてひかるは先程まであった自身の悩みが少しばかり晴れた様な気がした。
「さぁ、かける君達も皆んなを応援しよう!」
『はい(える)!』
あげはの言葉にかける達は返事をすると巨大ロボへ立ち向かう少年少女達を応援する。
そして、ひかるもあげは達に続いて応援をする。
(皆んな…ツイスター、頑張ってくれ!)
───────
一方◯イクウオーとの戦いを繰り広げるプリキュア達は飛んでくるレーザーやミサイルに苦戦を強いられていた。
「くっ、さっきからレーザーをバカスカ撃ちやがって…!」
「このままじゃ攻撃出来ない…!」
自分達の内半数は光弾を放って攻撃出来るが残り半数は主に近距離を得意としている為、飛んでくるレーザーとミサイルを相殺させて回避していく。
「今度はミサイルをプレゼント!」
キメラングは続け様に右腕から大量のミサイルをプリキュア達に向かって撃ち込む。だがそれをムーンライズとオーロラにウィングは飛んで避ける。対して飛ぶ力を持たないツイスターとスカイとプリズムはミサイルを足場に利用して◯イクウオーへ距離を詰めていった。
「「「はあああああっ!!!」」」
その勢いでスカイとウィングとツイスターは胴体に向かって拳を叩き込もうと振りかぶる。
「効かないぜ」
しかし、それは胴体に当たる直前で左腕で防御されてしまい、更にはそのまま3人を地面に叩き落とした。
「「「うわああああっ!?」」」
「スカイ!?くっ、なら今度は俺たちだ!」
「「はああああっ!!!」」
続いてムーンライズ達が大量の光弾を放つがキメラングは余裕の笑みを浮かべる。
「残念だけど、それも効かないんだよねぇ〜」
今度は右腕にあるプロペラが回転しバリアの様になり迫り来る光弾を全て弾き飛ばし、お返しと言わんばかりに3人に向かってミサイルを放った。
「よ、避けられない!」
「くっ、プリズム!」
迫り来るミサイルにプリズムは焦った表情を見せ、ムーンライズは彼女を助けようと手を伸ばす。だが、飛んでくるミサイルが早く2人はそのままミサイルを喰らってしまう……そんな時。
「2人とも私に掴まって!」
「「オーロラ!」」
其処へオーロラが2人の元へ飛び互いに手を掴むとその場からワープをしてミサイルから避ける事に成功し、3人は地上に倒れているスカイ達の元へ現れ、プリズムが心配そうに駆け寄る。
「大丈夫3人とも!?」
「ええ、私は平気です」
「僕もなんとか…」
「右に同じく…」
地上に落とされた3人だが、少し身体に怪我があるもののまだ動ける様子だ。
「こうなったら全員の浄化技を一斉にやるぞ!」
『はい(ええ)(うん)!』
ムーンライズの合図に返事をすると6人はそれぞれ技を放った。
「ヒーローガール!スカイパァァァァァァァンチ!」
「ヒーローガール!プリズムショット!」
「ひろがる!ウィングアターック!」
「ひろがる!ムーンライズドリーム!」
「ヒーローガール!オーロラミラージュ!」
「ヒーローガール!ツイスターストライクッ‼︎」
6人同時による技が◯イクウオーに向かって飛んでいき、そのまま命中するかと思いきや、身体に備わっているジェットエンジンが機動し、その場から上昇する。
『なっ!?』
その場にいた一同は驚愕の表情を浮かべる。元は3機の飛行機達が合体したのを覚えており、飛ぶ機能があると最初に予想していたのだが先程からダメージを与えられず焦っていた事により頭から飛ぶかもしれないという事をすっかり忘れてしまったのだ。
そして、攻撃が外れてしまった事に一同に隙が生まれ、その隙をキメラングとヒューストムが文字通り狙い撃つ。
「「◯イクウソニック‼︎」」
『うわあああああああっ!?』
◯イクウオーの全身から放たれるミサイルやレーザーによる一斉射撃が6人を吹き飛ばす。
「おっと、少々やり過ぎた様だね」
「仕方ないだろ?こっちは巨大ロボットを使ってるんだ。同等のサイズ相手ならまだしも人間サイズ相手に手加減なんて難しいだろ」
地面に傷ついて倒れ伏す6人を見て2人はニヤついた笑みを浮かべていた。
──キュアァ
「…ん、ヒューストム何か言ったかい?」
「急にどうした?俺は何も言ってないぞ」
すると一瞬何か声が聞こえたような気がしたキメラングはヒューストムの声かと思い尋ねるが彼はそれを否定する。キメラングは辺りを見渡すが何も無い事から戦いによる疲労で出た耳鳴りと判断し、再び視線を地上にいる6人へ向ける。
一方でツイスター達が倒れている中、ムーンライズとオーロラがヨロヨロと立ち上がる。
「ぐ……だったら強力な技で…オーロラやるぞ!」
「うん!」
ムーンライズの呼びかけにオーロラが強く返事をすると2人の背後に月とオーロラが出現。それと同時に2人がスカイミラージュにスカイトーンを装填して手を繋ぐと光が上空から降り注ぐ。
「輝け、月の力!」
「煌めけ、光の力!」
その光に包まれた2人の周囲は黄色とミントグリーンのエネルギーの球体へと変わって浮かび上がる。
「「集まれ!二つの幻想の力達よ!」」
「「プリキュア!ファンタジーパワー・クレシェンド!」」
掛け声と共に2人が変化した球体は夜の星空の中を流星のように駆け抜けながら突撃していく。
対して◯イクウオーは特に防御や回避をする事なく棒立ち状態で宙に浮いていた。
(さっきの様に避けようとしないのか?それとも何か考えているのか…?)
先程までの行動と打って変わって全く行動をしようとしない◯イクウオーを不思議に思ったムーンライズだったが、これを決めないとダメージを与える事が出来ないと考えオーロラと共に突撃していく。
「へぇ、あれがムーンライズとオーロラの合体技か…中々の物だねぇ♪」
一方でキメラングは迫り来る2人の技に目を輝かせているが、途中で目を細める。
「でも、その技は既にハイマックスのデータから閲覧済みさ。対象が避けるとその度にパワーが増していく技ってね」
キメラングはデータでもその技は先の戦いでハイマックスがデータを収集しているからか、その概要は予習済みであった。そのため、対策も既にある。
「という事は下手に避けずこちらも最大攻撃を放てば対処は可能さ、という訳でヒューストム頼んだよ」
「任せろ」
キメラングに返事をしたヒューストムは操縦桿を強く握りそこにあるスイッチを押す、すると◯イクウオーの胸部にある◯エールの口から光の矢が現れ、左腕を弓の様に見立てると矢を引き絞り徐々にエネルギーを溜めていく。
「「◯イクウインパルス!」」
「「なっ!?」」
限界まで引き絞られた矢はムーンライズとオーロラに向かって放たれる。対して2人は迫り来る光の矢に驚くとそのまま衝突し大爆発が引き起こされる。
「がああああああっ!!!」
「きゃあああああっ!!!」
◯イクウインパルスの威力がムーンライズとオーロラの技であるファンタジーパワー・クレシェンドを上回った事で2人は身体に大きなダメージが身体に与えられ、飛ぶ力も失いそのまま地面に真っ逆様に落ちて行く。このままでは更なるダメージが入る事は目に見える。
「ぐっ…オーロラ…!」
「む、ムーンライズ何を!?」
せめてオーロラだけでも助けようとムーンライズは彼女の身体を地面との衝突に免れる様に抱き締める。オーロラはムーンライズが自分だけでも助けようとしている事に気付き止めるように訴える物のムーンライズはオーロラを守ろうと彼女の身体をしっかりと抱き締めそのまま地面へ衝突する──。
「ツイスタートルネード!」
「「えっ?」」
かと思いきや。その時、1つの旋風がムーンライズとオーロラの真下に出現するとクッションの様に2人の身体を受け止めるとそのまま優しく地面に下ろされる。
「今のって…」
「ツイスターの…!」
先程声が聞こえた方向に視線を向けると其処にはスカイ達に肩を支えて貰っているツイスターがこちらに向けてテンペストバトンを向けている姿があった。
「2人とも、大丈夫?」
「ああ、ツイスターのお陰で助かった」
「ツイスターありがとう」
助けてくれたツイスターに感謝をするムーンライズ達。対してツイスターは「気にしないで」と謙遜な態度を見せる。
「それよりも今は私達のダメージが大き過ぎます。一旦後退して作戦を考えt「おっと、逃がさないぞ」なっ!?」
スカイが一同に提案をしようとした時、ヒューストムの声が辺りに響き上の方を見上げると、そこには全身の武装を展開し全てこちらに向けている◯イクウオーの姿があった。
「お前たちが弱っているこのチャンスを逃すつもりが無いだろう」
「そう言う訳さ。まぁ、大怪我を負っても後で治療してあげるから有り難く思うと良いよ」
そう言ってヒューストムとキメラングは6人を逃すつまりは全く無くトドメを誘うと操縦桿にあるトリガーに指を添えていつでも一斉射撃を出来る準備をする。
その様子にオーロラは不味いと感じ一同を自分のワープで逃がそうと声かけをする。
「みんな!もう一度私…ぐっ!?」
「お、オーロラ!?」
だが、先ほどの強力な一撃が思った以上にオーロラの身体に応えており、苦痛の表情を浮かべて地面に膝をつく。
「どうやらワープ出来るオーロラが動けない様子だね」
「残念だったな…お前らも遂に年貢の納め時って奴だ!」
『ぐっ!』
『皆んな!!!』
「えるっ!」
なす術も無しかと悔しそうな表情を浮かべる6人。そして、それを遠くから見ていたあげは達が思わず声を上げる。
「じゃあヒューストム、フィニッシュを決めようか」
「そうだな」
2人は6人に向かって照準を合わせると操縦桿のトリガーを引く。
「「トドメだ!◯イクウソニック‼︎」」
再び◯イクウオーの全身にあるミサイルやレーザーが一斉にプリキュア達に向かって放たれる───
かと思いきや、直前に全身にある兵器全てが発射が中断し、更には◯イクウオー目から光を失い、両腕もだらんと下がり動かなくなる。
それを見たツイスター達は不思議に思い◯イクウオーに視線を向ける。
「一体……どうしたのよ?」
「何故、攻撃をしないんでしょうか?」
ツイスターとスカイの疑問はその場にいる一同も全く同じ事を考えていた。先程自分達を確実に倒そうとしていた筈なのにそれを止めるとは何か罠のつもりなのかと警戒する。
一方で◯イクウオーの操縦室ではヒューストムは操縦桿を激しく動かし、周りにあるスイッチなどを出鱈目に押していた。だが、全く反応が無い事が分かると壁に向かって拳を叩きつける。
「クソッ!急にどうした!?あいつらを倒す絶好のチャンスだって言うのに何故止まった!?」
自分達が動けないプリキュア達に一斉射撃をして殲滅させようと操縦桿のトリガーを引いた途端に全く動かなくなった事態にヒューストムは苛立ちを隠せなかった。
「落ち着きたまえヒューs「これが落ち着けられるか!?こんなタイミングで止まったんだぞ!」……君、ひょっとして不良品でも掴まされたんじゃ無いのかい?」
「なに?」
キメラングの発言に思わず目を細める。
「私の設計した電池は完成後は何度もテストをしたが、特に誤作動は起きなかったんだ。そうなると君が電池のエネルギーを注いだ玩具に問題があったんじゃ無いのか?」
「なんだと、俺の所為だとでもっ!?(いや、待てよ…)」
キメラングの発言はまるでヒューストムの落ち度であると言わんばかりに聞こえ、思わず怒鳴り掛けるも踏み止まり冷静に考える。そもそも自身が持ってきた玩具は元々はバッタモンダーから取ってきた物だ。改めてその時の玩具の状態を振り返ると年季が入っている所為なのか所々色が禿げたり一部パーツが欠けている所があり、あまり状態はよく無かった。恐らくは何処かの中古屋で掻っ払ったかゴミ捨て場にあったのを拾った物だと考えられる。
「……だとしたら後でバッタモンダーの奴を締めるか」
本人に黙って盗ってきておいて八つ当たりをする気満々であったヒューストム。そしてこの場にいないバッタモンダーはヒューストムに狙われていると知らない筈だが、彼の殺意が遠くまで届いたのか悪寒を感じていた。
「まぁ、落ち着きなよ。此処はちょっと荒技だけど私の持つダークパッドでハッキングして再起ど───」
再起動すると言おうとした時だった。
──プリキュアァ…!
「…ん、ヒューストム何か言ったかい?」
「だから何も言ってないって言ってるだろ」
再び何かが聞こえたキメラングはヒューストムにもう一度聞くが、ヒューストムは自分では無いと否定し、では何だろうかと周囲を確認するが特に何も無い様子だ。
「やっぱり気のs「プリキュアァ…!」っ!?誰だい!?」
「なんだ!?俺たち以外に誰かいるのか!?」
今度はヒューストムと共にはっきりと声が聞こえ、しかもすぐ近くから聞こえた事から辺りを警戒する。
「おい、キメラング。何かさっきから変な気配を感じるぞ」
「ああ、先程突然動かなくなったロボットに今聞こえた声に加えて嫌な気配……これはプリキュアじゃ無い。どちらかと言えば我々に──」
我々に近いと言いかけた時だ。壁や操縦盤から大量のケーブルがキメラングを襲う。
「があっ!?」
「おい、キメッ!?グアッ!?」
ケーブルに襲われるキメラングにヒューストムは驚くも彼も同様にケーブルが襲い掛かり四肢や首に巻き付かれる。更にそれだけでは無い身体に巻き付いたケーブルから光が発せられると同時にヒューストムとキメラングの身体から力が抜けていく様な感覚を見舞われる。
「(まさか、俺のアンダーグエナジーを…!?)ぐっ、このガラクタがッ!!!」
アンダーグエナジーが吸収されている事に気付いたヒューストムは手に風の刃を纏わせると身体に巻きつくケーブルを一気に切り落とす。キメラングも白衣の袖から隠し持っていたメスを数本取り出し彼女もケーブルを切り落とし拘束から抜け出す。
「何がどうなっている!?」
「わからないよ。兎に角今は脱出するよ!キメランラン!」
「チィッ、ヒューストストム!」
キメラングとヒューストムが操縦室から転移するとその直前其処には漆黒のエネルギーが溢れかえっていく。
そして、ヒューストムとキメラングが慌てて転移した事で転移先を考えておらず偶然にもツイスター達のすぐ側に現れた。
「なっ!?あ、あんた達…!」
「ヒューストムにキメラング!」
「いきなり俺達の前に現れるとはどういう要件だ!?」
先程まで自分達を◯イクウオーで圧倒していたにも関わらず突然動きを止めて中で操っていた2人が突然目の前に現れた事に一同はより一層警戒をする。
「お前には関係ねえよ」
「なんだと!?」
「お、落ち着いてムーンライズ」
ムーンライズの質問にヒューストムは一蹴し、彼の態度にムーンライズは怒るがオーロラが宥める。
一方でツイスターはキメラングに話しかける。
「マッドサイエンティスト。あんた達どうしてあのロボットから出てきたのよ?」
「ああ、別に隠すつもりは無いさ。ただ少々…いや、割と中でとんでも無い事が起きたから避難したまでだよ」
「とんでも無い事?避難?…一体中でなにg「プリキュアァ…!」ッ!誰!?」
「み、見て下さい!」
すると、いち早くウィングが何かに気付き全員はウィングが指し示した場所に視線を向けると、其処には機能が停止した筈の◯イクウオーのボディから至る所に漆黒のエネルギーが噴き出すとそれがボディに纏わりつき段々と黒く侵食され形も変化していく。
「一体全体何が起きているのよ!?マッドサイエンティストこれもあんた達の企みなの!?」
「いやいや、今回ばかりは私達は関与してないよ。寧ろ被害者さ」
目の前の謎の現象がキメラング達の企みとツイスターを筆頭に一同はそう思ったが、キメラング本人がそれを否定する。
そして、◯イクウオーだった物は漆黒の巨人へと姿を変える。
「我が名はダークネス…今一度この地に蘇り、我が野望を妨げたプリキュアへの復讐を果たす!!!」
「な、何よあの巨人は!?」
突然自分達が戦っていたロボットの中から食い破る様に現れた禍々しい巨人を見てツイスターは驚愕を隠せないでいた。だが、それ以上にスカイとプリズムとムーンライズとオーロラの4人は驚愕していた。
「だ、ダークネスですって!?」
「そんな馬鹿な!?なんでダークネスが!?」
「え、皆んなあれを知ってるの?」
何やら目の前の巨人の存在を目の当たりにして初めて見たリアクションでは無い事からツイスターは気になってプリズムに話しかける。
「うん、あの巨人はダークネス。前にツイスターがこっちにやってくる少し前にソラシド市を襲った敵だよ」
「ええ、あの時は私達とブラック達の協力があって漸く倒す事が出来た強敵です!」
「そ、そんなのが……て言うか、ブラック?誰それ?」
話の中から出てくる知らない名前に反応するツイスター。ブラックって聞くと目の前に現れたダークネスの全体的な色が黒である事からあまり良い印象を抱けない。
「ブラックって言うのはその時ダークネスを倒す為に俺たちと共に戦った11人のプリキュアの内の1人だ」
「え、11人?」
話を聞く限りその11人の中には恐らく虹ヶ丘家で聞いたヒーリングっと♡プリキュアの4人は時系列的な事を考えると入って無いだろう。だとしても11人は多いだろう。恐らくこちらの世界にもいるだろうデリシャスパーティ♡プリキュア達の人数と合わせるとプリキュアが19人もいるのだから。
(
この時ツイスターの中ではプリキュアは伝説の戦士という事から神秘ある存在と見ていたが別の街に結構いる事からそれぞれの街に住むご当地ヒーローへ認識が変わった瞬間である。
その瞬間、ツイスターの脳裏にまた不思議な声が聞こえてきた。
『ええっ!?プリキュアが……』
『こんなに沢山!?どうなってるの!?』
『その気持ち、凄くよくわかります!』
『私達も驚いたもんね』
『てゆうか』
『凄いです!』
『全員でえっと……』
『21人!』
『いつの間にか凄い数だな?プリキュア!』
誰だコイツら?
「って言うか、今21人って言った!?まだ他にいるの!?多すぎでしょ!」
ツイスターは今自分が考えたプリキュアが他に19人いるという最高人数を一瞬にして更新された事に唖然とする。
そんなツイスターを他所に復活を遂げたダークネスはプリキュア達の存在に気づく。
「ほお、そこにいるのは以前俺を倒したプリキュアたちか。復活して早々復讐の機会に巡り合わせられるとは幸先がいいな」
『っ!』
自分達の存在を認識したダークネスにスカイを筆頭に6人は警戒していつでも攻撃できるように戦いの構えを取り、スカイ達は恐る恐るダークネスに話しかける。
「ダークネス…どうやって蘇ったんですか!?」
「あの時、私達や他のプリキュアの皆んなに倒されたはずだよ!」
スカイ達の脳裏には自分達とブラック達の力を合わせて浄化されたダークネスの姿が蘇る。
「その通りだ。かつて俺はお前たちによって身体を構成する闇のエネルギーが浄化された事で消滅した。だが、お前たちは俺という存在を完全には浄化出来ては無かった」
「なにっ!?」
ダークネスとの戦いの日、11人のプリキュア達の力もあったにも関わらずダークネスの全て浄化し切れなかった事にムーンライズは驚く。
「しかし、残った俺の一部はほんの僅かで俺は意識なく街を飛んでいたが、そこに居るお前」
『え?』
一同は突然ダークネスが誰かに向かって指をさした事に一同はその指の先へ視線を向けると、その先にはキメラングがいた。
「え…私?」
まさかのキメラングが突然指名された事に彼女自身目を丸くする。一方でダークネスは続けて口を開く。
「あの時お前が俺の残骸を興味本位で持ち帰った事により俺は何とか存在を保ち、お前が作り出した電池とやらのエネルギー源と改造されたのだ」
「あー、成る程。それで今回ヒューストムが用意した玩具を依代にして復活を遂げたという訳だね」
『んなっ!?』
ダークネスとキメラングの会話のやり取りに一同は驚愕の表情を浮かべると同時に彼女に向かって怒りを露わにする。
「キメラングお前なんて事をしてくれるんだ!?」
「やっぱりアンタの仕業じゃない!」
知らなかったとはいえダークネスの復活の手助けをしたキメラングに一同は怒声を浴びせる。
「まぁ、取り敢えず私は君の命の恩人という認識で良いわけだね」
「ついでに言えば俺は新たな身体をくれてやった事になるな。なら、蘇られせたお礼に何かしてくれるのか?」
キメラングに便乗する様にヒューストムも恩着せがましい発言をする。
「そうだな。なら、
プリキュアと共に死をくれてやろう」
「「は?」」
ダークネスの発言にヒューストムとキメラングは思考が停止し、そんな2人に向かってダークネスは口から複数のエネルギー弾を放つ。
「みんな避けて!」
『っ!』
オーロラの声に一同は咄嗟に避け、ヒューストムとキメラングもエネルギー弾を避ける。一方で不意打ちを仕掛けたダークネスは2人の事よりもプリキュア達を最優先し引き続きエネルギー弾を放っていく。
「あの野郎ぅ、恩を仇で返しやがった…!」
「しかも私達を気に留めずプリキュアを最優先とは…!」
襲いかかってきたダークネスにヒューストムだけでなく珍しくキメラングも怒りを露わにしつつもダークネスとプリキュア達の戦いを暫く眺める。
────────
一方でダークネスを相手をするプリキュア達は各々攻撃を仕掛けるが、ここまでの連戦によって溜まりに溜まった疲労が身体に影響し、動きが鈍くなっていた。
「くっ、力が…!」
「やっぱり、連戦続きだと…キツイ」
自分達の身体はたった数時間でキメラング達との戦いを休憩など挟まず行っていた事で体力が限界に近かった。更には今回かつてのダークネスとの戦いの様に他のプリキュア達はおらず自分達6人で対処しなければならなかった。
「どうした?俺を倒した時と比べて弱くなっているぞ!」
『くっ!』
ダークネスの煽り言葉に一同は辛そうな顔を浮かべる。そんな中ツイスターがダークネスに向かって飛び出す。
「五月蝿いわね!!!あんたはとうの昔にやられた敗者なんだからとっとと元いた場所に帰りなさい‼︎」
そう言いながらツイスターは身体を回転させて自身の技を発動させる。
「喰らいなさい!ヒーr「喧しい」ああああっ!?」
『ツイスター‼︎』
ツイスターストライクを喰らわせようとしたツイスターであったが、その直前ダークネスはその巨体に存在するリーチのある腕を使ってツイスターを地面に叩き落とす。それを見たスカイ達は彼女の元へ駆けつける。
一方で遠くから戦いを見ていたひかるは辛そうな顔を浮かべる。
「ぐ、ツイスター!」
「駄目だよひかる君!」
「そうだ!大怪我をするぞ!」
再びツイスターが傷ついている姿を見て居ても立っても居られず彼女の元へ飛び出しそうになるが、咄嗟にあげはとかけるの2人に止められる。
「ひかる冷静になって!悔しいけど、行ったところで皆んなの足手纏いになるのが目に見えるわ…」
「ぐっ…!」
ヒョウの言葉にひかるは冷静さを取り戻す。確かに彼女の言う通り自分が行ったところでダークネスに勝てるかと聞かれたら勝てない事は自分が良く理解している。
(でも、俺はもうツイスターが傷付く姿を見たく無い!)
力が無い事で自分は離れた所で彼女の戦いを今まで見ていたその度に傷付いていく所を見てひかるの心は張り裂けそうな痛みを感じた。自分も戦う力…
「俺も…ツイスター…いや、皆んなを守れる力を!」
その時、ひかるの胸に黄色い光が宿りそれが一同の見覚えのある形へと変化して目の前に現れる。
「こ、これは…!」
「え、それって!?」
「ミラージュペン!?」
「マジかよ!?」
「えるぅ〜!」
ひかるの目の前にはツイスターやムーンライズ達が変身するアイテム…ミラージュペンが現れた。その様子にそばに居たあげは達も驚いた表情を見せる。
一方でひかるは先程まで呆気に取られた顔をするもハッとなりミラージュペンを見つめる。
「これさえあれば俺も…!」
戦えると確信しミラージュペンを手に取ろうとしたその時。
「む、強力な光を感じる…そこかっ!!!」
『えっ?』
先程までダークネスはプリキュア達と戦っていたが、ひかるのミラージュペンの存在に気付くとひかるやあげは達に向かってエネルギー砲を放った。一方でひかるはミラージュペンを手に取ろうとした瞬間、ダークネスのエネルギー砲を見て動きが止まる。
「ひかる!」
「エルちゃん!」
「あげはちゃん!」
「ヒョウ!」
「「かけるさん!」」
エネルギー砲がひかる達のの方へ飛んで行くのを見てツイスター達はひかる達を助けようと彼等の元へ走り割って入るとエネルギー砲が一同を襲い、爆発が引き起こされると辺りに爆煙が舞う。
「フッ、雑魚共を俺の攻撃から庇う為にその身を犠牲にしたか…愚かな奴等だな」
ダークネスは意図してやった事では無いにしろプリキュア達を倒したと確信し倒されたプリキュア達の姿を拝もうと煙を自身の手で掻き分けて露散させた。
「な、なにっ!?」
ダークネスは驚愕の表情を浮かべる。其処には本来なら自身の攻撃により地面に崩れ落ちているプリキュア達の姿がある筈なのだが、そこにいる全員は怪我を負っている様子は無かった。
「……あ、あれ、痛く無い?」
一方でひかるも身体にダメージが無い事に不思議に思っていると、ツイスターが彼の元へ駆け寄る。
「大丈夫ひかる!?」
「あ、ああ、俺は大丈夫…あれ?」
心配するツイスターにひかるは問題ないと答えるも先程まであったミラージュペンが何処にもない事に気がつく。
「お、俺のミラージュペンは何処に!?」
「ミラージュペン?ひかる急にどうしたのよ?」
先程の攻撃の爆風でもしかしてどこかに吹っ飛んだのではと思い慌てて周囲を探し出す。対してツイスターは状況を把握出来ず慌てる彼に恐る恐る話しかけようとした時だ。
「どうやら全員無事の様だね♪」
『っ!?キメラング!!!』
その場から聞き覚えのある声が聞こえ、一同は一斉にそちらへ視線を向けると其処には先程まで敵対していたキメラングの姿があった。
「あんた…私達の前に姿を表すなんてどういうつもり!?」
「まさか、ダークネスと共謀して俺達を倒すつもりか!?」
だとしたら厄介だ。自分達のすぐ側には戦えない者達がいる。そうなると彼等を守りながらダークネスだけでなくキメラングやヒューストムと戦わなければならないきつい状況になる。
「よしたまえよ。そんな敵意剥き出しの顔をするのは…一応私は君達の恩人だよ」
「恩人?それはどう言う事ですか?」
キメラングの口から自分達の恩人と言う発言にスカイは思わず聞き返す。
「自分達の周りを見てみなよ」
「周り?……あっ!」
キメラングの指摘に一同は周囲を見ると其処にはキメラングのドローン達が自分達を覆いつくす程の半球体状のバリアが張られていた。
「あの時のエネルギー砲が君たちに当たる直前に私がドローン達を操って君達を守ってあげたんだよ」
「守った?」
「キメラング、一体なんのつもりだ?」
自分達をダークネスの攻撃から守ってくれたのは理解したが、守る理由についてはわからない。自分達は敵同士だ。それにもかかわらず守る理由は何なのかムーンライズは警戒しながら聞く。
「簡単な話さ。君たちに恩を売る為さ」
「俺たちに恩って……何を企んでいるつもりだ」
堂々と恩を売ると言って何か邪な事を考えているのかと思って追求する。
「なに、簡単な事さ。今からあのダークネスを倒す為に一時的に共闘しようって話さ」
『なっ!?』
まさか敵対者であるキメラングが自分達と協力してダークネスを討ち倒すという発言をした事に一同は驚きを隠せなかった。
「いったいどういう風の吹き回しよ?」
「別に大した理由は無いよ。ただ、知らなかったとはいえこの私が蘇る手伝いをしたにも関わらず恩を仇で返したあのダークネスを倒したいだけさ…!」
普段のキメラングならこういう時捕まえて研究したいと堂々と言う筈なのだが、それは言わず怒りの感情を言葉に乗せている事からダークネスを倒したいという彼女の感情が感じられる。
「し、信用できない!」
「そうだよ!今までツイスターに酷い事をしてきた貴女の言葉なんて信じられないよ!」
だが、彼女の行いを知る一同からすればもしかしたら自分達をダークネスと戦わせて背後から襲って漁夫の利でも狙おうと考えているかもしれない。
「なら、約束しよう。もし、ダークネスとの戦いに協力するのなら私はその後何もせず元の世界に帰るよ」
『えっ!?』
キメラングの発言に一同は再び驚きの声を上げる。ダークネスとの戦いに協力したらツイスターや他の者達に手を出さずに帰ってくれるのだ。もしそれが本当なら一部は協力しても良いかも知らないと考えるが、目の前の彼女は一般人を自分の目的の為なら平然と巻き込む悪党だ。そんな奴の言う事を正直に信じても良いのかと悩んでしまう。
「…信じても良いと思うわ」
『ツイスター!?』
なんとキメラングに散々な目にあわせられていたツイスターが信じると言う発言をしたのだ。これにはどういう事かと全員が問い詰めると彼女は答える。
「このマッドサイエンティストについてはよく知っているわ。こいつは性根が腐っている極悪人よ。でも、自分の言った事は一度も嘘をついた事は無いわ」
「え、でも…」
それでもキメラングと協力するのは抵抗を感じる。
「なら、こいつを信じる私を信じて。そうじゃ無いとあのダークネスって奴にこの街が荒らされる事になるわ」
『ツイスター……』
一同はツイスターの言葉を聞いて思い悩む。今ダークネスと戦うには自分達は疲労もある為、満足に戦える事が出来ない。まさに猫の手も借りたい状況だ。それでもキメラングの手を借りるのはどうかと思ったが、ツイスターの真剣な眼差しを見て一同は決心する。
「わかりました。仕方ないですが、これも街を救う為です」
「納得は行かないけど協力するよ」
「そうで無いとあのダークネスは倒せませんから…」
スカイ達は思う所はあるもののソラシド市とそこに住む街の人々を守る為、共に戦う事を決意する。
「仕方ねえな。俺も手伝うよ」
「うん、キメラングの事は許せないけど今は協力するよ」
ムーンライズとオーロラもやれやれと言わんばかりの表情を浮かべつつスカイ達と同様に共闘する事を選んだ。
「おおっ!さすがプリキュア諸君、話がわかるぅ〜!いやぁ、まさか君が説得してくれるとは思わなかったよ。ありがとねツイスター」
キメラングは一同が自分と共闘するという意思を見せてくれた事に笑みを浮かべ、率先してくれたツイスターに握手を求めるが彼女はそれをパンっと音が鳴るくらいに勢いよく払い除ける。
「勘違いしないで。私はあんたと仲良くするつもりは一切ないわ。世界は違えど私の住むソラシド市をあんな奴に滅茶苦茶にされたく無いから仕方なく戦うだけよ」
「おやおや、相変わらずのツン「最後まで言ったらあんたのそのヘルメットをかち割る」おお〜、怖っ」
ツイスターの決して心を許してない眼差しを見て怖がる仕草をするキメラングだが、それが癪に触るのかツイスターは内心舌打ちをする。
「話は終わったか?そろそろ攻撃をさせて貰う!」
『っ!』
先程まで何もしてこなかったダークネスが再び自分達に向かって口からエネルギー弾を放とうとしているのを見てキメラングを含めた一同が迎え撃とうと構えを取った。
「下がガラ空きだぞ。木偶の坊」
「なにっ、ゴブッ!?ボアアアアアアアッ!!!」
その時、ダークネスの真下からオーラを纏ったヒューストムが現れると顎に向かって膝蹴りをお見舞いして口を閉じさせると口の中でエネルギー弾が暴発し、ダークネスは口元を抑えながら悶え苦しむ。
『ヒューストム‼︎』
「俺も不本意だが、お前たちと協力する。彼奴は俺達を復活に利用した挙げ句恩を仇で返した。そんな奴を一分一秒俺の目の前で存在するのは俺のプライドが許さない!」
どうやらヒューストムもキメラングと同様に共闘する意思がある様だ。
「キメラングだけじゃなくヒューストムもか……気が進まないが協力するか、言っとくけど足を引っ張るなよ」
「それはこっちの台詞だ。お前こそ怒りで我を忘れて仲間を傷つけないように精々気をつけな」
「んだと!?」
「お、落ち着いてムーンライズ!」
ヒューストムの煽り言葉にムーンライズは青スジを立てる。そんな彼をオーロラが宥めようとする。
「兎に角です。ダークネスを再び倒す為、皆で一緒に戦いますよ!」
『おおっ(ええ)(うん)‼︎』
「ククッ」
「フンッ」
ダークネスを倒そうとスカイの発言にツイスター達は強く同意するのに対しキメラングは笑みを浮かべ、ヒューストムも一応は共闘する意思はあり返事をすると、それぞれがダークネスに向かって飛び出して行った。