ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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今回でコラボは最後となります。長い間お付き合いしてくれてありがとうございます。
それではコラボ最終話をどうぞ。


第64話 奇跡の合体技

ムーンライズは先程まで倒れていた時と比べて生き生きしており、更にはオーロラを庇った際に出来た傷も消えていた。そんな彼にプリズムは恐る恐る話しかける。

 

「む、ムーンライズだよね…?」

 

「おいおい、何言ってんだプリズム。俺以外誰に見えるって言うんだ?」

 

何をおかしな事をと言わんばかりの表情を浮かべるムーンライズの様子にプリズム達は互いに顔を見合わせる。

一方でムーンライズは不適な笑みを浮かべてダークネスを見つめる。

 

「さて、ダークネス。お前の作り出した奴等は全く強く感じねえな。それともお前の俺たちに対する復讐心はそんな大した事ねえって事か?」

 

「っ‼︎お前達‼︎奴を始末しろぉっ!!!」

 

「「「■■■■ーッ!!!」」」

 

ムーンライズの言葉に癪に触ったダークネスは他のプリキュア達やキメラングとヒューストムと戦わせていた怪物達をムーンライズの排除を優先させる。

そして、指示を受けた怪物達は一斉にムーンライズへ襲い掛かった。

 

「俺に…ついて来られるか?」

 

そう言うとムーンライズは残像が残る速さで迫り来る1体の四肢を切り落とし、地面に倒れるのを見計らい頭部を踏み潰した。

 

「1体目」

 

続いて左右から怪物達がムーンライズを挟み込むように襲い掛かるが、ムーンライズはその場から足を動かさず上半身を少し動かすだけで避けると左右の怪物達の胴体に腕を突き刺すと、そこに光弾を大量に入れて内側から爆発をさせて消滅させる。

 

「2体目と3体目…残りは4体だな」

 

「チィッ!何をしている!相手は1人だぞ!頭を使え、頭を!」

 

残る4体の怪物達に視線を向けると、怪物達は容赦なく同胞を倒していくムーンライズの冷たい目を見て思わずたじろぎ、そんな様子にダークネスは苛立ち怪物に指示を出す。

一方でその戦いを見ていたスカイ達はムーンライズの変貌が信じられずにいた。

 

「ムーンライズ…一体どうしちゃったの?」

 

「わかりません。ですが、間違い無くよく無いことが起きてます!」

 

「だけど、ムーンライズがあいつらを相手している間にオーロラを助けないと!」

 

3人はムーンライズの事も気になるが負傷して動けないオーロラを助ける為、彼女の元へ向かう事にする。一方でツイスターは自分達が手も足も出せなかった怪物を複数相手するムーンライズの姿に既視感を覚える。

 

(あれは……あの時の私みたい…)

 

脳裏に思い浮かぶのキメラングがひかるに手を出そうとした時に自分がキメラングを殺そうとした恐ろしい姿だった。それが今のムーンライズと重なって見えていた。

 

「まさか、ムーンライズ…あんたも…!」

 

自分と同じ様な事がその身で起きているのかと推測する。一方でキメラングとヒューストムもその様子を眺めていた。

 

「これは凄いねぇ‼︎まさか、ムーンライズにあれ程の力があるなんて…暴走したツイスターに匹敵するんじゃないかなぁ!?」

 

キメラングは興奮した様子で一方的とも言えるその光景にアンダーグエナジーが暴走したツイスターと比較する。その隣ではヒューストムが顔を酷く歪ませていた。

 

(あり得ねえ…!彼奴がここまでの実力があるなんて…!)

 

先程まで同じ怪物と戦っていたヒューストムはその身を持ってして怪物の実力を理解していた。だが、信じられないのはその怪物相手を諸共せず1体ずつ残酷に倒していくムーンライズの姿だった。ヒューストムにとってムーンライズの実力は把握しており、少なくとも自分よりも下回っていると理解していた筈だ。だが、実際はどうだ?自分は怪物を1体だけでも手こずっていたのと比べてムーンライズはそれを1体どころか既に5体も倒していた。

 

(認めねぇ…俺よりも実力が上だなど…!」

 

「ククッ、別に恥じる事なんてないよヒューストム」

 

「なっ、聞いていたのか!?」

 

いつの間にか心の声が口から出ていた様でそばに居たキメラングがニヤニヤとヒューストムを見つめていた。

 

「ヒューストム…今のムーンライズは君からすれば腹立たしいだろう。彼は我々が苦戦していた相手を次々と倒していくからね」

 

「あんな奴が俺よりも上って言いたいのか!?」

 

キメラングのその言葉は煽りに等しく、ヒューストムは思わず掴みかかりそうになる。

 

「おっと、気を悪くしたのなら謝罪しよう。でも、成長とは生命にとって平等だ。ムーンライズが仮に今の君の実力を上回ってるとしよう。それを君が更に上回る可能性はある筈さ…」

 

「どういう意味だ?」

 

キメラングの言葉がイマイチ理解できないヒューストムは思わず聞き返す。

 

「恐らく…いや、間違いなく今の彼はツイスターの時と同様にアンダーグエナジーをその身に宿しているだろう。だが、君は少なくとも彼等よりも多くのアンダーグエナジーをその身に宿しているだろう。しかも扱う熟練度は彼等よりも上だ。君がその身に宿している力の使い方を考えれば彼等をあっという間に上回るだろう」

 

「……」

 

要するに己の身にある力を見つめ直せば更に強くなれるという事をキメラングはヒューストムに伝えると、彼は暫く黙って何かを考えるとキメラングを背にしてその場から離れる。

 

「おや、帰るのかい?」

 

「フンッ…ダークネスって奴は結局の所一度あいつらにやられたんだろう。それで今いるの残り滓だ。そんな奴を倒したとして俺の気が晴れるとは限らないからな…それなら時間をもっと有効に使わせて貰う」

 

そう言ってヒューストムはダークネスとの戦いをその場に残っているキメラングやプリキュア達に任せるとその場から離脱しようとする。

 

「そうか…まぁ良いよ。君とは最初馬が合わなかったが、短い間だったけど面白い体験をさせて貰ったよ」

 

「奇遇だな…俺も同意見だ。だが、次会う時はもっと使える物を作ってこい。じゃあな、ヒューストストム」

 

ヒューストムはキメラングに別れを告げると1人その場から去って行った。

 

───────

 

ムーンライズと残り4体の怪物達との戦いはムーンライズが有利でいた。ダークネスの指示に従い単独では無く一斉に攻撃を仕掛けるもそれら全てをムーンライズは対応し、4体を叩きのめしていた。

 

「「「「■■■…!」」」」

 

「おいおい、なんだよ。お前らって実力が高い上に数で勝っているのになんで俺に致命傷を与えられないんだよ…?」

 

雰囲気が変わってからまだ一度も大きなダメージを負ってないムーンライズは呆れた表情を見せる。

 

「くっ…!お前たち!こうなったら全エネルギーを持ってしてそいつを消せ!」

 

「「「「■■■■■■■■ッ!!!!」」」」

 

ダークネスからの指示に怪物達が取った行動は4体だった自分達を1体に融合していき、元のサイズよりも一回りも二回りもデカくなっていく。それを見たムーンライズは少し驚いた表情を見せる。

 

「へぇ合体か…なら、少しは楽しませてくれよなぁ‼︎」

 

「■■■■■■ーッ!!!!」

 

互いに飛び出すと相手に向かって拳を振りぶつかるが、流石に4体から1体へ統合した事もあり力も4倍となっている為、ムーンライズは力負けして後方へと吹き飛ぶ。ただ、ムーンライズはその衝撃を受け流して地面に着地する。

 

「成る程、流石4体が合体した事だけはあるな」

 

「良いぞ!そのままそいつを細胞一つ残さず消し飛ばせ!」

 

「■■■■■ッ!!!」

 

怪物は口の中に全エネルギーを溜め、周辺ごとムーンライズを消し飛ばさんとしている。

 

「俺を消し飛ばすだって?ハハッ、面白え…なら、どちらが上かこれで決めようぜ!」

 

対してムーンライズは両手に漆黒のエネルギーを溜めこむ。

 

「■■■■■■■■■ッ!!!!」

 

「くらえ!ひろがる!ムーンライズドリーム!!!」

 

怪物が口からエネルギー砲を放つと同時にムーンライズも自身の浄化技であるムーンライズドリームを放つが、何時もと色が漆黒に染まった物を放ちエネルギー砲とぶつかり合う。それによって衝撃波が起こりツイスター達が飛ばされそうになる。

 

「くっ、なんて威力ですか!?」

 

「これがムーンライズ1人の力なの!?」

 

「幾らなんでもおかしいですよ‼︎」

 

合体した怪物たちのエネルギー砲を1人で同等の威力があるムーンライズドリームを出すムーンライズにスカイ達は彼を見つめる。ツイスターは気絶しているオーロラに被害が出ないように身体を覆い被さってなんとか堪えている。

 

「あの馬鹿ッ…!オーロラの存在を忘れているわね…!」

 

自分達の存在や気絶しているオーロラの事を全く配慮している様子がない事からムーンライズは完全に戦いに楽しんでいる事からツイスターは何とか止めさせようと考えるのだった。

一方でムーンライズと怪物による互いの技のぶつかり合い威力は互角の様に見えていた。しかし、ムーンライズにはまだ余裕がある。

 

「中々のパワーだが、俺を倒すにはまだ足りねえよ!」

 

「■■ッ!?」

 

ムーンライズは更にムーンライズドリームを出力を大幅に上げると、怪物の放つエネルギー砲を相殺していく。そのまま怪物をムーンライズドリームの光の中へ飲み込み、跡形もなく消し飛ばされる。

そして、それをスカイ達は見て呆然となっていた。

 

「か、勝っちゃった…」

 

「あのダークネスの作った怪物を1人で…」

 

「ムーンライズ…」

 

まさか、1人で倒すとは思っても見なかった事3人が目を丸くしている隣で1人ツイスターは心配そうに彼を見つめる。

 

(不味いわ…ムーンライズが完全に調子に乗っている!)

 

先程からの言動と怪物を全員残酷に惨殺する様な行動にツイスターはこのままでは自分の様に取り返しのつかない事になると確信し、何とか正気に戻そうと考えたそんな時。

 

「う、う〜ん……ツイス…ター?」

 

「っ!オーロラ!?起きたのね‼︎」

 

「「「オーロラ!?」」」

 

先程まで気絶していたオーロラが漸く目を覚ましたのだ。対してオーロラも辺りを見渡して状況を把握しようとする。

 

「私…どれくらい気を失っていたの……っ!ムーンライズは!?」

 

自身が気を失う直前最期に見たムーンライズの顔を見て彼は今どうしているのか4人に問い詰める。

 

「そのムーンライズが今不味い状態なんだよ!ほら、あれを見て!」

 

「え?」

 

ムーンライズが不味いと聞かされ、一瞬心配するもプリズムの指し示した場所に視線を向けると特に大怪我を負っている様子が無い無事な彼の姿が目に入る。

 

「む、ムーンライ……ズ?」

 

「っ、オーロ…ラ?」

 

彼の姿を見て安心したオーロラはムーンライズの元へ駆け寄ろうとした。だが、その直前オーロラは足を止めて彼の表情に気がつく。今のムーンライズの表情は今までに見た事が無く邪悪な笑みを浮かべていたが、彼女の声が耳に入ったのかムーンライズはオーロラの方に振り向く。

すると、どうだろうか。ムーンライズの発せられていた漆黒のオーラは消え、表情も穏やかに戻っていく。

 

「オーロラ……良かった!目を覚ましたんだな!」

 

「う、うん…ムーンライズさっきのはいっt──」

 

ムーンライズに先程の変化はなんなのか問い詰めようとした時だった。彼の元にエネルギー砲が発射される。

 

「ムーンライズ逃げて!!!」

 

「え、うわあああああっ!?」

 

オーロラの叫び声に一体どうしたのかと思ったが、その時ムーンライズの元にエネルギー砲が命中し吹き飛ばされ、オーロラの元へ倒れる込む。

 

「ムーンライズ大丈夫!?」

 

「ぐっ、なんとか…」

 

彼女は心配するもムーンライズは何とか起き上がる。そしてその様子にダークネスは舌打ちをする。

 

「チッ、外したか」

 

「ダークネス!」

 

「よくもムーンライズを!」

 

ツイスター達はムーンライズ達の元に駆け寄るとダークネスを睨みつける。

 

「敵の前で隙を見せる方が悪いだろう。だが、これでお終いだ。俺の作り出した下僕達の分を上乗せしてお前たちをこの場で消してやる」

 

そう言うとダークネスは右手に漆黒の矢と左手に漆黒の弓を形成しプリキュア達に向かって構える。

 

「くっ、やべぇ…こうなったら俺がもう一度…!」

 

「駄目!ムーンライズは無理しないで!」

 

再び全力のムーンライズドリームを放とうとするもオーロラに止められる。スカイとプリズムもアップドラフトシャイニングで対抗しようとするが、2人のダメージも大きく手に持ったスカイミラージュを落としてしまう。

 

「ハッ、無様だなぁプリキュア…これでトドメだ!」

 

『ッ!』

 

まともに戦えないプリキュア達をダークネスが嘲笑うとトドメを刺すため最大限に引き絞った矢が放たれようとした。

 

「おっと、あと1人をお忘れだよダークネス!デスメットキャノン‼︎」

 

「なにっ、ぐおっ!?」

 

その時、キメラングが現れるとハイスペックアーマーを纏って自身の必殺技であるデスメットキャノンを放ち弓矢を爆発させる。

 

『キメラング!?』

 

「ククッ、真打ち登場って奴だね」

 

まさかのキメラングの登場にツイスター達は彼女の存在をすっかり忘れていた事を思い出す。

 

「マッドサイエンティスト…まさか、あんたに助けられるなんて…」

 

「我々は現在共闘関係にあたるんだ。助けるのは当然だよ」

 

正直キメラングに助けられた事にツイスターは複雑な心境も抱くが今は共に戦う事を優先する。

 

「あんたは何かアイツを倒す手段を持って無いの?」

 

「お生憎だけど、ハイマックスは君に破壊されたし今纏っているハイスペックアーマーも無理矢理動かしているだけでさっきのデスメットキャノンでほぼ全エネルギーを使い切っちゃったんだよね」

 

キメラングもこれまでの連続の戦闘で自身の装備や道具がもう使えない事を説明すると一同は顔を歪ませる。もはやこれまでなのかと諦めの気持ちも出てきてしまっていた。

 

「おいおいどうしたんだい君たちそんな情けない顔をして。まさか負けるとでも思っているのかい?」

 

「…あまり思いたく無いけど」

 

「…今の僕達にダークネスを倒す力はありません」

 

ダークネスを倒す手段が無い今、自分たちはどうすれば良いか思い悩んでいると、

 

「なら、君達が奇跡を起こせばいい話だよ」

 

「何を言っているのよ?」

 

キメラングの発言に一同は疑問符を浮かべる。

 

「奇跡だよ奇跡、君とムーンライズやオーロラは以前、私がこちらの世界で君達を倒そうとした時奇跡が起きて逆転して勝ったじゃないか。その時みたいに今回も奇跡を起こせば良いって事だよ」

 

「簡単に言うんじゃ無いわよ。奇跡なんてそう都合よく起きる訳無いじゃ無い」

 

ドクターを自称している癖に非科学的な事を言うキメラングにツイスターは思わず呆れた表情を浮かべる。

 

「いいや、奇跡は起きるさ。君達は何度も我々アンダーグ帝国との戦い苦戦を強いられてきた。でも、何時も勝ってきた……それは何故か?そう、勝利を諦めない事さ」

 

「勝利を…」

 

「諦めない…」

 

キメラングの発言にスカイとプリズムは思わず復唱する。

 

「そう、諦めない気持ち。君達はあまりに自分達が不利な状況であっても決して諦めなかったからこそ勝利や奇跡をその手でもぎ取ったんだよ」

 

『……』

 

キメラングの言葉を聞いてそれぞれは思い返す。かつて自分や仲間が危機に晒された時に自分達の強い気持ちが具現化しプリキュアへとなり、更には仲間や家族、友達の事を考えた事により自分達に新たな力が芽生えた。

 

「ほら、君達アレを見てごらん」

 

キメラングが指を指した場所に一同は視線を向けると自分達を応援する五つの声援が聞こえてきた。

 

「エールゥー!」

 

「皆んな負けないで!」

 

「俺たちは信じてる!」

 

「プリキュアは無敵よ!」

 

「そうだ!最後は正義が勝つんだ!」

 

そこには戦いに巻き込まれないようにキメラングのドローンによるバリア内で守られているエルとあげはとひかるとヒョウにかけるが応援していたのだ。

 

「エルちゃん」

 

「あげはちゃん」

 

「ヒョウ…」

 

「「かけるさん」」

 

「……ひかる」

 

自分達が負けるかもしれないと諦めていたのにあげは達は自分達の事を信じて応援してくれる事に嬉しく思ったと同時に先程までの自分達が情けなく思った。

 

「そう…そうよね!」

 

「皆んなが俺達を…!」

 

「信じてくれるのに…!」

 

「私達が…!」

 

「諦めるなんて…!」

 

「ヒーロー…失格です!」

 

6人はあげは達の応援に今一度己を奮い立たせる。すると、突如としてムーンライズとオーロラのスカイトーンとツイスターのテンペストバトン輝くと同時にエルも輝いた。

一方でダークネスも驚いた様子を見せる。

 

「な、なんだ…なんなんだあの光は!?」

 

突然の光にダークネスはかつての戦いでプリキュア達が起こした奇跡が脳裏に蘇り思わず固まってしまう。

 

「える!?」

 

『エルちゃん!?』

 

あげは達は突然エルが輝いた事に驚くがこの現象は見覚えがあった。すると3人の元から光がエルに向かって放たれ、エルに命中すると彼女の身体が光り出す。

 

「ぷいきゅああっ!」

 

そして、今度はエルの手によって光が放たれ、それはムーンライズとオーロラとツイスターの元へ飛んでいき、3人はそれを手にすると光は新たなスカイトーンへと変化する。

 

「「「これは…!」」」

 

「ハハッ、成功だ!」

 

ムーンライズ達の手の中にあるスカイトーンにスカイ達は目を見開き、キメラングは喜びのあまり思わず笑う。

 

「新しいスカイトーン!」

 

「新しい力…!」

 

「私達の…奇跡!」

 

3人は互いに顔を見合わせるとスカイトーンを強く握り締める。

 

「やるわよ!」

 

「「ああ(うん)!」」

 

ツイスターこ手からテンペストバトンが召喚されるとバトンモードに変形すると先程手に入れたスカイトーンを装填する。するとバトンは高速回転を起こし、周囲の風邪を取り込んでいく。

 

「風よ、嵐を巻き起こせ!」

 

テンペストバトンを自身の真上に移動させ、真上に竜巻を召喚する。そしてムーンライズとオーロラが手を繋ぐとスカイミラージュを掲げ、空から降り注ぐ光の力をその身に受ける。

 

「「集まれ!二つの幻想の力達よ!」」

 

二人の体に黄色とミントグリーンの光を集約し飛び上がり、ツイスターの起こした竜巻へと突っ込んで行く。その際2人の体の光が緑へと変化していく。

 

「プリキュア!ツイスター……」

 

「「ファンタジスタ!」」

 

ツイスターの叫びに続き、竜巻を纏ったムーンライズとオーロラが叫びながら竜巻から飛び出すと緑のエネルギーを纏い、ダークネスへ突撃していく。

 

「くっ、あの時の屈辱を2度と味わってたまるかああああああああああっ!!!!」

 

迫り来る光にダークネスは全身からミサイルやエネルギー砲を放ちムーンライズとオーロラを撃ち落とそうとするが、2人はそれを諸共せず突っ込んでいく。

 

「それならこれはどうだあああああああああああっ!!!!」

 

最後の手段として己の全てのエネルギーを口に集中させ、超強力なエネルギー砲を放つとムーンライズとオーロラにぶつかり激しい火花を散らす。だが、ダークネスが全エネルギーを掛けているのもあってか、ムーンライズ達は押され気味になった。

 

「俺たちは…!」

 

「諦めない…!」

 

2人の心は折れず互いに手を強く握りしめると、威力を倍増していき段々と押し返していく。

 

「ば、馬鹿な、何故だ!?奴等の心よりも俺の復讐心が強い筈なのに!?」

 

自分が負けている事にダークネスは信じられなかった。

 

「ダークネス、お前は凄いよ」

 

「でも、あなたは1人で戦っている」

 

「自分の為だけに戦おうとするあんたに、私たちは負けない‼︎」

 

「っ!?」

 

すると、その時ダークネスの目にはこの場にいないかつて戦ったキュアブラック、キュアホワイトや他のプリキュア達の姿が映る。

 

(馬鹿な…何故奴らが此処に!?)

 

先程までいなかった彼女達がこの場に出現した事にダークネスは心が大きく乱れる。だが、そこにいるのは本人達では無くムーンライズ達の強い気持ちによって具現化した彼女達の幻である。例えこの場にはいなくても同じプリキュアとして気持ちは繋がっており遠く離れていても自分達と常に戦ってくれているのだ。

そして、彼女達の幻を見た事によりダークネスの出すエネルギー砲の出力が大きく下がる。

 

「今よっ!!!」

 

「「はあああああああっ!!!」」

 

好機と見たツイスターは2人に声をかけるとムーンライズとオーロラは残りのエネルギーを振り絞りエネルギー砲を押し切りそのままダークネスの身体を貫き、体には星のマークが浮かび上がり浄化していく。

 

「馬鹿な…この俺が……一度ならず二度までもおおおおおおおおおおおおっ!!!」

 

ダークネスは叫びながらその身体は完全に浄化され光となって消えていく。それによって今までの戦いによって傷ついた街は全て元の状態へと戻っていく。

 

「やったわね。ムーンライズ、オーロラ!」

 

「「ああ(うん)!」」

 

3人はダークネスを浄化出来た事により喜び会うとスカイ達やあげは達もやってくる。

 

「皆さん!やりましたね!」

 

「うん、ほんと凄かったよ!」

 

「3人の新たな技、この目で見させて貰いました!」

 

「うん、あのダークネスって奴を倒すなんて!」

 

「まさに最強だね!」

 

「えるっ!」

 

一同はダークネスに勝った事に喜びあっているとその場に拍手の音が響き渡る。

 

「いやぁ、見させてもらったよプリキュアの諸君。今回も君たちの奇跡とやらをね」

 

『っ!』

 

一同はキメラングの声を聞いて彼女を警戒する。キメラングとはダークネスを倒す為に共闘をしていただけであってダークネスが消えた今再び敵対関係と戻る事となる。

 

「さて、ダークネスが消えた事だしやるべき事は1つだよねぇ〜」

 

『くっ』

 

そう言うと彼女は白衣のポケットからリモコンの様な物を取り出した。まさかまだ自分達を倒す為の道具やハイマックスの様なロボットでも出す気なのでは不安になる。

そして、キメラングは取り出したリモコンのボタンを強く押し込むと全員思わず身構えるが、その場に現れたのは緑色のゲートの様な物だった。

 

「じゃあ、約束通り帰らせてもらうよ」

 

『……えっ?』

 

一同はキメラングの発言に目を丸くする。対してキメラングは彼女達の姿に首を傾げる。

 

「あれ、言ったはずだよね。ダークネスとの戦いに協力するのなら私はその後何もせず元の世界に帰るって」

 

『あっ』

 

一同はキメラングの発言を聞いて思い出す。確かに思い返せばダークネスとの共闘の条件に言っていたのだ。だが、先程までの激しい戦闘でそんな事をすっかり忘れてしまっていたのだ。

 

「とにかく今回も中々良いデータが取れたよ。ムーンライズとオーロラにこの世界のスカイ達、また会う機会があったらその時は今よりも更に強くなっている事を期待しているよ。それじゃあね」

 

そう言うとキメラングはゲートを通ると、ゲートは閉じていってキメラングはこの世界から去って行ったのだ。そして改めて敵が1人も居なくなった事に一気に緊張感が抜け、全員その場に座り込む。

 

「ふぅ、本当に帰ってくれるとは…」

 

「マジで助かった…」

 

正直キメラングが約束を破って自分達に襲いかかってでもしたら本当にヤバかったから約束を守ってくれて助かったのだ。

 

「ねぇ、もう戦いは終わった事だからそろそろ変身を解かない?」

 

「それもそうね」

 

ツイスターは漸く戦いが終わった事に一安心したのか誰よりも早く変身が解け、元の姿に戻るがその際何かがバサリと地面に落ちる音が響くと同時にその場にいた一同は固まり、男性陣は顔を赤くする。

 

『っ!?』

 

「どうしたのよ皆んなそんな顔をして?ひかる達に至っては顔を真っ赤にして?」

 

一同の様子がおかしい事にらんこは首を傾げているとオーロラが慌てて彼女に話しかける。

 

「あ、ああああっ!!!ら、らんこちゃん服っ!服っ!」

 

「へ、服?………あっ」

 

その時、オーロラの指摘に自分の今の格好を思い出す。ヒューストムに上着を無残にも破かれ、更にはキメラングにも下着以外の着ていた衣類を無理矢理剥がされ、それを大きめの布で自身の裸を隠していたが先程身体に纏っていた布が地面にズリ落ちた事で自身はほぼ裸を晒している事となる。それに気付いたらんこは顔を真っ赤にして叫び声を上げる。

 

「きゃあああああああああああああっ!!!!」

 

「ら、らんこちゃん!ほら、布!布で身体を隠して!」

 

「なんでしたら私のマントをお使い下さい!」

 

「お、落ち着いてらんこさん!」

 

「帰ったら直ぐに服に着替えるよ!」

 

スカイとオーロラがらんこの裸を隠そうとし、プリズムとヒョウは泣き叫ぶらんこを宥めようとする。

 

「こら!男子達は見ない!」

 

「めっ!」

 

『は、はい‼︎』

 

あげはと両腕をバッテンにするエルの注意にアサヒとツバサとひかるとかけるは咄嗟に背後を向いた。

 

「うわぁーん!沢山の男の人に裸を見られたー!」

 

「ら、らんこちゃん泣かないで!」

 

今日だけで敵味方合わせて5人の男に自身の裸を見られたんだ。らんこのキャパシティは完全にオーバーしてその場にらんこの泣き声が響き渡るのであった。

 

────────

 

それからと言うものの一同は虹ヶ丘家へ帰ってきた。らんこはましろから代わりの服を一式貰う事になる。

 

「うーん…なんか違和感を感じるわ」

 

「そんな事無いよ」

 

「ましろさんの言う通り似合ってますよ」

 

「うん、可愛いよらんこちゃん」

 

今の彼女はましろ達から服を一式貰いそれを着込んだのが、その服は袖付きの半袖シャツに緑色のリボンがついており、ミニのプリーツスカートを履いているのだ。

 

「でも、スカートは慣れないわね…」

 

「え、らんこさんあっちでは学校とかスカートを履いていないんですか?」

 

「いや履いてるけど、普段は滅多に履かないのよ。なんか履き慣れない所為で変な感じね」

 

プライベートではスカートを履くことに違和感を覚えるらんこはズボンに変えようと思いましろに話しかけようとするが、

 

「いや、すっごい似合っているぞ!うん、寧ろ可愛いよらんこさん!」

 

「なっ!?か、可愛いってそんな/////」

 

ひかるから可愛いと言われてらんこは顔を真っ赤にして思わず顔を隠す。

 

「ねぇ、あの様子ってもしかして…!」

 

「実はひかるの奴漸く告白したんだよ」

 

「ええっ!?それって本当ですか!?」

 

「なになに私にも聞かせて!」

 

ひかるとらんこのやり取りが以前と反応が異なる事に一同は小声で話して盛り上がっていると、らんこの持つスカイトーンが光り出して彼女の側にワームホールが現れる。

 

「……もうお別れのなのね」

 

「もっとゆっくりしていきなよらんこさん」

 

「そうだよ。なんだったら一晩泊まって行くのはどう?夕飯を一緒に食べない?」

 

先程まで長い戦いをしていたかららんこや皆んなも疲れている為、ユキは彼女に泊まっていくことを提案するがらんこは首を横に振る。

 

「ありがとう。でも、あっちのソラやましろ達に心配かけちゃっているから早く私が無事って伝えないと」

 

自分がソラ達をキメラングから逃がす為に強引にソラシド市に送り返した事から今頃元の世界では大騒ぎになっているのが目に見え、早く帰らなければならなかったのだ。

 

「そっか、なら早く無事を伝えないとね」

 

「そうですね。あっちの私達によろしくお願いします」

 

「うん、ありがとう」

 

ソラ達にお礼を言うとアサヒとユキに向き合う。

 

「2人ともそれにみんなも今回私の面倒ごとに巻き込んで……ごめん」

 

「なに、気にするなって」

 

「そうだよ。誰も迷惑なんて思ってないよ」

 

アサヒ達は謝罪をするらんこに頭を上げるように言うとらんこは嬉しそうに笑顔を浮かべる。

 

「それにらんこさんがクールな所だけじゃなく可愛い所をm「フンッ!」ぼおっ!?な、なんでぇ…!」

 

「あ、アサヒ君!?」

 

調子に乗ったアサヒはついデリカシーのない発言をしてしまいらんこから腹パンを喰らってその場から崩れ落ちる。そんな彼女に向かってヒョウはサムズアップをする。

 

「全く、折角の感動が台無しよ」

 

「ま、まぁ、らんこさん。アサヒの奴は別にワザと言った訳じゃ無いから」

 

「まぁ、ひかるがそう言うなら……」

 

機嫌が悪くなったらんこを何とかひかるが宥めてくれた事によりその場は収まった。

 

「じゃあ、そろそろ帰らないと」

 

「らんこちゃん…元気でね」

 

らんこはユキと別れの挨拶を交えたが、何か少し物足りなかったのか少し考えた後無言で近づくと彼女の身体を抱き締める。

 

「ら、らんこちゃん?」

 

「…あんたとの別れはこっちの方がしっかり来るのよ」

 

「駄目?」とらんこはユキに聞いてくるが彼女は「ううん」と返事をして抱きしめ返す。そして、その状態からアサヒに視線を向ける。

 

「アサヒは……元気じゃ無いのが想像出来ないわね」

 

「いやいや、せめて其処は形式でも良いから元気でねって言うところだろ!?」

 

何故かアサヒは前回と違ってらんこから雑に扱われる事に思わずツッコミを入れる。そんなやり取りにソラ達はコソコソと話をする。

 

「なんだか、アサヒ君だけ対応が違ってませんか?」

 

「きっとユキちゃんがアサヒと付き合った事に妬いちゃっているんだよ」

 

「そっか、だからアサヒだけ当たりが強いんだね」

 

「まるでヒョウみたいだ」

 

らんこがかつてのヒョウみたいにアサヒがユキの彼氏になった事が多少許せなかったのか、嫌がらせ行為が見られる。だが、2人も戦いの中で共に協力したりこうして軽口を言い合ったりしている為ある意味悪友というポジションに該当するのだろう。

そして、らんこはそれぞれに挨拶を終えるとワームホールの前に立つ。

 

「じゃあ、みんな…色々とありがとう」

 

「うん、今度そっちの世界に行く事があったら案内してね」

 

「俺としてはひかるの奴だけらんこさんの世界に行っているから俺達も行く機会が会ったら必ず会いに行くぞ」

 

「ええ、楽しみにしてるわ」

 

らんこはそう言って一同に背を向けてワームホールの中へ入ろうとしたが、

 

「あ、あの!らんこさん…」

 

「なに、どうしたのひかる?」

 

直前でひかるが彼女を呼び止める。周りの一同も一体どうしたのだろうと不思議に思っていると、

 

「あのさ、あの時の返事って…どうなっているんだ?」

 

「あ、あの時の……あ////」

 

らんこは思い出す。自分はひかるに好きだと告白された事を。そして先程までそれについて忘れていた事によりその時の告白された事が脳裏に蘇り彼女の顔が真っ赤に染まる。

 

「な、なんの話かしら////へ、返事?み、身に覚えがないわね////」

 

((((無茶苦茶動揺している!))))

 

一同はらんこが告白の返事についてものすごく動揺している事に黙っていながらも内心面白がっていた。

 

「そ、そうか…ご、ごめんな。呼び止めて…」

 

一方でひかるは彼女の表情からしてちゃんと覚えている事はわかったが、別に直ぐ返事を聞きたいわけでは無い。それに今回の事でらんこに無理矢理付き纏った事で敵に捕まるという事が起きた為、暫くは彼女の迷惑にならない為にも交流を控えようかと考えた。

 

(あの時、俺のミラージュペンが何処かに行ったままだしな)

 

戦いの中で自身のミラージュペンが具現化されるも紛失すると言う事が起き、まだ皆んなと戦う事が出来ない為この先も後方で見守って行こうと考えていると、らんこがひかるの元に歩み寄ってくる。

 

「ねぇ、ひかる。ちょっと目を閉じて」

 

「え、なんで?」

 

「良いから閉じて」

 

突然目を閉じろと言われて何故そんな事をしなければならないのか疑問が浮かぶも、催促された事にひかるは渋々と目を閉じる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──チュッ

 

「…ん?」

 

『あっ!?』

 

突然頬から柔らかい何かが押し付けられると同時に周りから皆んなの声が聞こえ恐る恐る目を開けると、らんこが自分の左頬に口付けをしていたのだ。

 

「ら、らんこさん!?な、何を!?」

 

目を閉じている間にらんこからキスを貰った事にひかるは思わず2、3歩その場から下がる。

 

「こ、これは助けてくれた御礼よ……!あっ、言っとくけど、勘違いすんじゃないわよ!わ、私の唇はそう…やすく…ないん……だからね……////

 

相変わらずの様にツンデレな態度を取るも後半声が小さくなって聞こえづらくなっている。そして、そんな様子にひかるを除く一同は全員ニヤニヤとらんこに向かって笑みを浮かべる。それに気付いたらんこは顔を真っ赤にして目も泳いでいく。そして最後には……。

 

「う……う、うわぁぁぁぁぁああ!!!!」

 

その場から逃げる様にらんこはワームホールへと飛び込むと、ワームホールは閉じてしまった。

 

「はは、らんこさん随分積極的だな」

 

「でも、らんこさん最初唇にキスしようとしてなかったか?」

 

「うん、ギリギリの所でキスする場所を頬に変えた様に見えたね」

 

一同はらんこがいなくなった事で先程のキスで彼女が物凄く悩んでいた事を思い出すと思わず笑いが込み上げる。

 

「それにしても良かったなひかる。らんこさんもあの様子からしてひかるの事は好きみたいだから」

 

「うん、この調子で行けばゆくゆくはらんこちゃんはひかる君の事を……あれ、ひかる君?」

 

先程からひかるに話しかけるが何故か返事をしない事に不思議に思い恐る恐る彼の顔を見ると全員固まる。

 

「」

 

『し…死んでいる…』

 

そう、それはらんこにキスされた事でひかるのキャパシティがオーバーし現実を受け止めきれなかったのだろう。

かくして、らんこの別れを終えた一同は気絶したひかるを連れて虹ヶ丘家に入るのであった。

 

───────

 

「あっ、見つけた!」

 

並行世界から自分の世界へ繋がっているだろうゲートを通るらんこはすっかり顔の色は元に戻り、興奮も治る。暫くして目の前に出口の様な物を発見すると、其処を潜り抜けると見覚えのある景色が広がる。先程までいた世界と景色が類似しているものの此処は自分の世界だと心の中で確信した。

 

「帰ってこれ……ん?」

 

元の世界に帰ってこれた事に安心するも何か違和感を感じる。と言うよりも足元がやけに感覚を感じない事に不思議に思ったらんこは下に視線を向けると地面から2、3mの高さに自分はいたのだ。

 

「う、うわあああああああっ!?」

 

らんこは落下するとドシンと衝撃音を立てながら地面に臀部を打ち付ける。

 

「うぅ…なんで前回と違って、出口が地上じゃ無いのよ!?」

 

痛みのある自身の臀部を撫でて痛みを和らげつつ、もう片方の手で己のスカイトーンを握り恨みのこもった眼差しを向ける。

 

「まぁ、良いわ。それにしても此処は…!?」

 

周囲を見渡すと其処には見慣れた建物である虹ヶ丘家が視界に入る。

 

「い、いきなり、ましろの家!?」

 

まさかの出口の先がましろの家に思わず顔を歪ませる。ソラ達とはあんな別れ方をした為、正直まだ心の準備は出来ておらず彼女達と会う度胸が無い。

 

「よ、よし……此処は一旦家に「なに、一体なんの音!?」かえ……」

 

自分の家に帰ろうとした時だ。虹ヶ丘家の玄関の扉が開くとそこからソラ達が現れるとらんこの存在に気がつく。

 

 

「「「「らんこさん(ちゃん)……」」」」

 

「える!」

 

「み、みんな……た、ただいま」

 

ソラ達は呆然した様子でらんこを見ており対してらんこは取り敢えず元の世界に帰ってきた事を挨拶する。だが、前回と同じ行動を取ってしまった事にらんこは深く後悔する。みんなを助ける為に自己犠牲をする様な形を取ったんだ。絶対に怒ってるに違いない。そう思い恐る恐る彼女達の顔を覗くと。

 

「良かった…ヒッグ、よがっだでずっ!らんござんがご無事で……!」

 

「わたし…わだじ!らんごぢゃんの身になにがあっだらどゔじよゔど思っで……!」

 

「ぼくも…自分が不甲斐ないばかりにらんござんに…あの様な事をざぜで…ず、ずいまぜん…!」

 

「わたしも…らんごぢゃんの…ヒッグ、無事な姿が見れで、うれじぃよぉ〜…!」

 

「えるるぅ!!!」

 

「み、みんな…!」

 

其処には全員がらんこが無事な事に安心して涙を流していた。誰も怒ってはおらず、ただらんこが無事であると理解した事でダムが崩壊するかの様に全員嬉しさのあまり泣いていたのだ。それを見てらんこは胸が熱くなる。一刻も早く皆んなを抱きしめて気持ちを分かち合いたかった。そう思ったらんこはみんなの元へ駆け寄ろうとする。

 

「み、みんn「らんこおおおおおおおおおおおおっ!!!」ぐべえっ!?」

 

『……え?』

 

その時、らんこが玄関にいるソラ達の元へ駆け寄ろうとした時、横から物凄いスピードで赤い何かが突っ込みそのままらんこはその何か諸共庭の木に衝突する。

そして、ソラ達も突然の出来事に呆然になりつつもゆっくりと庭の木に視線を向けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ〜ッ‼︎らんこォッ‼︎無事で良かった〜〜っ!!!」

 

「ブクブクブク…」

 

「「「べ、ベリィベリーさん!?」」」

 

「えるっ!?」

 

「え、どちら様!?」

 

其処にはスカイランドにいる筈のベリィベリーが頭から漫画の様に大きく膨れ上がったたん瘤と泡を吹いて気絶しているらんこに抱き着いていたのだった。それを見た事により先程まであった感動が台風の如くすっ飛んで行ったのであった。

 

────────

 

同時刻、キメラングのラボでは相変わらず人はおらずドローン達が辺りを動いて実験器具などを整備していると其処へゲートが出現すると、キメラングが出てくる。

 

「ただいま〜。お留守番ご苦労だったね皆んな〜」

 

自分の留守の間ラボに残っていたドローン達にキメラングは挨拶をすると近くの椅子に座って深く息を吐く。

 

「ふぅ〜、今回も中々貴重な体験だったよ。ツイスターの強化した姿…ゾクゾクしたよ」

 

並行世界にてアンダーグエナジーをその身に宿して暴走し、更にはその力を使いこなし自身の作ったハイマックスを倒したツイスターの姿が脳裏に蘇る。そして、その後のダークネスとの戦いにて同じくアンダーグエナジーによる暴走で次々とダークネスの下僕である怪物達を惨殺して行ったムーンライズの姿も過ぎる。

 

「ハイマックスもハイマックスで良いところまで行ったんだけど…まぁ、戦いの中でデータを超えた力を出されたら戦いづらかっただろうね」

 

そう言うと視線をチラッと隅の方に向けると、其処には破壊されたハイマックスの頭部が無造作に落ちていた。

 

「ハイマックス。君もまだまだ成長する可能性は大いに秘めているからね…その内アップグレードして復活させてあげるよ」

 

そう言うとキメラングは指を鳴らすと複数のドローン達にハイマックスの頭部を何処かへ運ばせる。

 

「さて、次に──」

 

次に何をしようかと口に出そうした瞬間、周囲からドシン、ドシンと何か大きな物がぶつかる音と何か鳥の翼が羽ばたくような音が聞こえてくる。それを聞いたキメラングは不快そうな表情を浮かべる。

 

「ったく、人が気分良い時に大きな音を出して水を刺すなんて躾がなってないねぇ…ねぇ、君たちあの動物君を静かにしてきてよ」

 

先程とは別のドローン達に指示を出すとドローン達は音の発生源へ飛んでいき、暫くして電流の音と共に苦しそうな動物の鳴き声が響き渡る。

 

「さて、これで漸く静かになったか…さて、早速あっちで手に入れたコレの解析といこうか」

 

そう言うとキメラングは───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

──白衣のポケットからミラージュペンを取り出した。

 

「モルモット君のミラージュペン…存分に調べさせてもらうよ」

 

そう言ってキメラングはミラージュペンを大事そうに握ると気分揚々とラボの奥へと歩いて行くのであった。




と言うことで今回でコラボは最終話となりました。約2ヶ月も長い期間読んでくれてありがとうございます。BURNINGさんもご協力ありがとうございました。
次回より本編に戻りますが、本来スカイランドにいる筈のベリィベリーが何故かこちらの世界にいるのか次回明かされます。
また、次回もお楽しみに。
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