ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第67話 公園での戦い、飛ばされる並行世界

小鳥たちの案内によりランボーグが暴れているという公園に駆けつけたらんこ達は其処でランボーグによって荒らされたのだろう公園の惨状を目にする。

 

「これは…酷い…!」

 

「みんなの公園が…!」

 

目の前にひろがる光景に一同は辛い表情を浮かべる。幸いにも一般人はランボーグの出現により避難した様で何処にも居なかったが、割れた地面に破壊された遊具などを見てスカイランドの出来事が脳裏に蘇る。

 

「アンダーグ帝国めぇ…我々を呼び出す為に態とここを荒らしたな…!」

 

「その通りさ」

 

『っ!?』

 

らんこ達は声が聞こえた方を振り向くと其処にはスカイランドで戦ったアンダーグ帝国の刺客であるバッタモンダーが立っていた。

 

「「「「あなたは(お前は)!」」」」

 

「覚えてくれて嬉しいよ。この僕…バッt「バッカモンダー‼︎」そう、僕は馬鹿…って、違えよ‼︎バッタモンダーだ‼︎」

 

キザな態度を見せようとしたバッタモンダーだったが、らんこからの渾名に思わず怒鳴り声を上げる。

 

「バッタモンダー、エルちゃんを拐いに態々ソラシド市まで来たんですね!」

 

「それもあるけどね」

 

「それも?」

 

バッタモンダーの目的はエルである事は分かっていたが、それ以外に目的があって行動していると聞いてそれは何なのかと気になった。するとベリィベリーがらんこ達の前に立ちバッタモンダーを睨む。

 

「貴様…プリンセス以外の目的というのはなんだ!?」

 

「なんだ君もいたのか。まぁ良いさ、僕のもう一つの目的とはね!」

 

「っ!?ベリィベリー其処から離れて!」

 

「っ!?」

 

すると、バッタモンダーが指を鳴らすとらんこは何か嫌な予感を察してベリィベリーに向かって声を出す。彼女はらんこの声に反応し、その場から跳ぶと先程までベリィベリーが立っていた場所に何かが落ちてきて、クレーターと砂埃が舞う。

 

「良い反応だ。流石は青の護衛隊ってところだね」

 

『ランボーグ…』

 

砂煙から金棒が姿を見せると次の瞬間、それの持ち主である鬼の様なランボーグが持っていた金棒を振るい砂煙を晴らして姿を見せる。

 

「アレって鬼!?」

 

「まさか、このタイミングで鬼と戦う事になるなんて…」

 

鬼の見た目をしたランボーグにましろとツバサは驚きの反応を見せる。先程まで人形劇で自分達が鬼と戦おうとしたが、まさか実際に鬼と戦う事になるとは思ってみなかった。そんな中、らんこ達より後ろに立つエルを抱えるあげははランボーグの姿を見つめる。

 

「あのランボーグのお腹に空いた穴って…まさか!」

 

あげははランボーグの腹部に大きな穴が空いている事に気づくとそのランボーグのベースとなっている物の正体に気づくと一同に話しかける。

 

「みんな!その鬼はこの公園にあった遊具の鬼なんだよ!」

 

「なんですって!?」

 

「本当にあげは姉さん!?」

 

あげはの口から出た事実に驚くと全員はバッタモンダーを睨む。

 

「皆んなの遊び道具をよくも…!」

 

「許さないぞバッタモンダー!」

 

よりにもよって子供達が楽しむ遊具を使って公園をボロボロにした事に一同はバッタモンダーに対して怒りが湧き、対してバッタモンダーは一同の声を聞いて眉を顰める。

 

「許さないだって?…それはこっちの台詞だ!スカイランドではこの僕に恥を掻かせてくれた事は絶対に許さないよ‼︎行け!ランボーグ!」

 

『ランボーグ‼︎』

 

「「「「っ!」」」」

 

バッタモンダーから指示を受けたランボーグはらんこ達に迫る。対してらんこ達はまだ変身をしておらず、ミラージュペンを取り出すも間に合わずランボーグの攻撃を受けそうになってしまう。

 

「させるかっ‼︎」

 

『ランッ!?』

 

「「「「ベリィベリー(さん)!」」」」

 

その時、ベリィベリーがランボーグに向かって電撃を放つとランボーグは怯んで動きを止めてしまう。

 

「ナイスよベリィベリー!」

 

「もっと褒めてくれ!(今の内に変身だ!)」

 

「へ?え、えっと…さ、最高よ!…と、兎に角皆んな変身よ!」

 

「「「はい(うん)!」」」

 

ランボーグの動きを止めたベリィベリーが本音を漏らし、それにらんこは一瞬目を丸くする。それでもらんこは言われた通り彼女にもう一度褒め、直様ソラ達と共にミラージュペンを構える。

 

「「「「スカイミラージュ!トーンコネクト!ひろがるチェンジ!」」」」

 

「無限にひろがる青い空!キュアスカイ!」

 

「ふわりひろがる優しい光!キュアプリズム!」

 

「大空に広がる一陣の風!キュアツイスター!」

 

「天高くひろがる勇気!キュアウィング!」

 

「「「「レディ……ゴー!ひろがるスカイ!プリキュア!」」」」

 

変身が完了すると4人はベリィベリーとランボーグの間に降り立つと戦いの構えを取る。

 

「チッ、変身したか…まぁ良いさ。ランボーグ行け!」

 

『ランボォォォグ‼︎』

 

再びランボーグに指示を出しランボーグは金棒を振りながらツイスター達に襲いかかってくる。

 

「させないわっ!」

 

『ランッ!?』

 

金棒を振り下ろす直前、ツイスターがマフラーを金棒に巻き付かせて動きを止めさせる。

 

「「はああああっ!!!」」

 

『ランボーグ!?』

 

その隙にスカイとウィングが同時に一撃を与えるとランボーグは後退り。ランボーグはその後反撃と言わんばかりに穴が空いた腹部からエネルギー弾を放っていく。

 

「はあああああっ!!!」

 

それに対してプリズムは2人の前に立つと無数の光弾を周りに出現させ、迫り来る光弾に向かって放ち相殺していく。

 

「足元が留守だ!」

 

『ランッ!?』

 

ベリィベリーはプリズムに夢中になっているランボーグの隙を突き、足に向かって電撃を放つと地面に膝をつけさせた。更に其処にツイスターが飛び出すと足に風を纏わせる。

 

「これでどう‼︎」

 

『ボォォグッ!?』

 

ツイスターはランボーグの顔面に強烈な蹴りを喰らわし、ランボーグの体は大きく吹き飛び地面に倒れる。

 

「すっごーい!ナイスコンビネーションだよ!」

 

「えるえるっ!」

 

開始早々にツイスター達がベリィベリーとの連携によりランボーグを吹っ飛ばしたのを見てあげはとエルは歓声を上げる。

 

「まさか、こうも簡単に戦いを有利に戦えるとは…」

 

「皆さんの力もそうでしたが、ベリィベリーさんの助力も中々の物でしたよ!」

 

「私はお前たちの様に変身する事は出来ないが、こうやってサポートする事は出来るさ」

 

「だから言ったでしょう。ベリィベリーの力があってよかったって」

 

「確かにそうだね…」

 

プリズムとウィングにとってベリィベリーは虹ヶ丘家だけでなくスカイランドにて色々と奇行が目立つ印象があったが、先程変身する前に襲いかかったランボーグを止めたり、戦いのサポートをしてくれた事でそれまであったベリィベリーへの印象が変わりつつあった。

 

「さぁ、この調子で一気にランボーグを浄化するわよ!」

 

「「「ええ(うん)!」」」

 

戦いが有利な今、ランボーグを浄化しようとツイスターはスカイ達に声をかけるとスカイ達も返事をしてスカイミラージュを取り出そうとする。しかし、そんな時に辺りから拍手の音が響き渡る。

 

「いやいやお見事だよ。まさかこうも簡単にランボーグを追い詰めるとはね」 

 

「「「「バッタモンダー…!」」」」

 

一同の視線の視線の先にはバッタモンダーが拍手を送っていた。

 

「お前…どういうつもりだ?」

 

「敵に拍手を送るなんて…降参のつもりかしら?」

 

スカイランドの時では自身が追い詰められると余裕が崩れ口調が荒くなっていた。しかし今はランボーグがやられているにも関わらず、余裕の態度は崩していない。不利なのに焦らず自分達に拍手を送っているバッタモンダーにベリィベリーとツイスターは不思議に思った。

 

「いやいや、降参するつもりは無いさ。これはあくまでも君達へ賞賛を送ってるつもりなんだよ」

 

「賞賛…ですって…?」

 

「一体なんの真似だ!?」

 

「何か企んでいるの!?」

 

スカイ達にとってバッタモンダーはスカイランドにてこの場にいないキメラングと共謀して自分達を追い詰めた事があってか何かよからぬ事を考えているのではと思い込む。

 

「なに、これぐらいの強さならもっと僕の本気を見せてあげようかなってね」

 

「本気ですって?」

 

本気を見せると聞いてツイスターは嫌な予感を覚える。そんな中バッタモンダーはズボンのポケットからカプセルの様な物を取り出した。

 

「さあ、本番と行こうか!」

 

バッタモンダーはカプセルをランボーグに向かって投げる。するとカプセルは倒れているランボーグの身体に溶ける様に取り込まれていくと、ランボーグの目が光ると同時に全身からオーラが放出される。

 

『ラン…ボオオオオオオオオッ!!!!』

 

『なっ!?』

 

「な、何が起こっているんだ!?」

 

ランボーグが突然大声を上げ、オーラを出した事にツイスターは驚きの声を上げる。そんな中ランボーグは更なる変化を見せる。人型のランボーグ特有のデカい胴体とは対照的に細かった腕と足がメキメキと音を立てながら力強い物へと変わる。

 

「ランボーグの手足が…!」

 

「まるで鍛えたかの様に筋肉が発達した!?」

 

先程までと姿が大きく変わったランボーグにスカイとウィングは驚きの声を上げる一方でプリズムは何かに気がつく。

 

「急速なパワーアップにさっきのカプセル…まさか!?」

 

「どうやらプリズムは気付いた様ね」

 

「なんだ?2人はあの変化に心当たりがあるのか?」

 

ランボーグの変化に何かを察した2人にベリィベリーは問い詰める。

 

「間違い無いわ…バッカモンダーの奴はマッドサイエンティストが持っていたランボーグを強化させるドーピングカプセルって奴を使ったわね!」

 

「何ですって!?」

 

「そうか…通りで見覚えのあるカプセルだと思ったら…!」

 

バッタモンダーがランボーグ与えた物がキメラングの持つドーピングカプセルであると言うとスカイとウィングは納得の声を上げる。

 

「ドーピングだと?…そんな物があるなんて…!」

 

スカイランドでベリィベリーは青の護衛隊としてスカイとツイスターと協力してランボーグと戦っていたが、その様な物が存在するとは知らなかった為、驚きの表情を見せる。

 

「待てよ…まさか、あの時の巨大なランボーグは!」

 

「そうさ、これはスカイランドでキメラングから沢山貰ってね。これを使って超巨大ランボーグを生み出したんだよ」

 

『なっ!?』

 

ポケットから取り出したドーピングカプセルを見せつけるバッタモンダーの言葉に一同は再び驚きの声を上げた。バッタモンダー個人でスカイランドに出現した巨大ランボーグを作り出す程の力は無いと思ってたが、やはりキメラングが手を貸してたのだ。

 

「さあ、ランボーグ!パワーアップしたその力をプリキュア達に見せつけてやれ!」

 

『ランボオオオオオオオオグッ!!!!』

 

強化されたランボーグは雄叫びを上げながらプリキュア達の元へ一気に迫る。

 

「くっ、やああああっ‼︎」

 

『ランボッ‼︎』

 

スカイはより凶悪な姿となったランボーグをまるで本物の鬼に一瞬錯覚するも直ぐに迎え撃とうと拳を振るう。同時にランボーグもスカイと同様に拳を振るうと拳同士が衝突し衝撃音が鳴り響く。

 

「うっ、うわあああああああっ!!!!」

 

「「「「スカイ‼︎」」」」

 

ランボーグのその剛腕にスカイは力負けしてしまい、彼女は吹き飛ばされる。それを見たツイスター達は思わず声を上げるもすぐさまウィングが飛んで空中でスカイの身体を受け止める。

 

「大丈夫ですか!?」

 

「ええ、ありがっ!?ウィング後ろ‼︎」

 

「へっ?」

 

スカイが突然動揺した表情を浮かべて彼の背後に指摘をすると、ウィングは釣られて後ろに振り向くと其処には先程まで地面にいた筈のランボーグが跳んできたのかウィングの背後におり、更には持っている金棒を振り上げている状態だ。

 

「しまっ!?」

 

『ボオオオオオオグッ!!!』

 

「「があああああああっ!?」」

 

「「「スカイ!ウィング!」」」

 

ウィングは慌ててその場から逃げようとしたが間に合わず、金棒は振り下ろされると2人に命中し地面に叩きつけられて気を失う。

 

「よ、よくも2人を!!!」

 

「ま、待ちなさいプリズム!」

 

「早まるんじゃ無い!」

 

目の前で傷つけられたスカイとウィングの姿にプリズムは頭に血が上り地面に降りたランボーグに向かって駆け出した。ツイスターとベリィベリーは彼女に静止の声を掛けるが彼女は2人の声を聞かずランボーグに向かって大量の光弾を放った。

 

「やああああああっ!!!」

 

「無駄無駄、今のランボーグにとってそんな攻撃は通用しないよ」

 

連続で光弾を放つが、バッタモンダーの言う通りランボーグに命中しても防御すらしなくて良い程に全く通用しない。

 

「なら、これはどう!?」

 

通常の技が通用しないのならばとプリズムは大きな光弾を作り出すとそれをランボーグに向かって構える。

 

「ヒーローガール!プリズムショットォッ!!!」

 

自身の技のプリズムショットをランボーグに向かって放つ。しかしランボーグは余裕な様子を見せ、金棒を両手で握ると野球選手の如く金棒を振るって飛んできたプリズムショットをそのまま打ち返した。

 

「えっ、きゃあああああっ!!!」

 

「「プリズム!?」」

 

自分の技が打ち返されるとは思わなかったプリズムはプリズムショットをもろに受け、吹き飛ばされてしまう。そんな彼女をツイスターとベリィベリーが受け止める。

 

「う、嘘!?さっきまで勝ってたのに…!」

 

「ぷ、ぷいきゅあー!」

 

次々とやられるプリキュア達を見てあげはは信じられなかった。彼女の腕の中にいるエルもその光景に泣き出しそうになる。

 

「おい、プリズムしっかりしろ!」

 

「なんて事…まさか、ここまで苦戦するなんて…!」

 

気絶したプリズムをベリィベリーが呼びかけ、ツイスターもプリズムや地面に倒れ伏すスカイとウィングを見て顔を歪める。そんな中バッタモンダーは芝居がかった動きを見せながら口を開く。

 

「ああ…なんて事だ滅茶苦茶だ。これじゃあ、スカイランドと同じじゃないか!」

 

「「なんですって(なんだと)!?」」

 

バッタモンダーの言葉にツイスターとベリィベリーは思わず反応してしまう。

 

「だって、そうじゃ無いか…王と王妃が倒れ、更には護衛隊の隊長も消えてしまって…ああ、弱いってなんて可哀想なんだ」

 

「貴様…よくもそんな台詞を‼︎」

 

明らかに煽っている事は分かるが、ベリィベリーは我慢出来ずグローブから電撃を纏わせてバッタモンダーに向かって怒りを露わにし、彼へと突撃しようとする。

 

「待ってベリィベリー」

 

「らんこ!?何故止める!」

 

その時、ツイスターがベリィベリーの手を掴んで止めたのだ。

 

「今あんたが突っ込んだらそれこそ奴の思うツボよ」

 

「だ、だが…」

 

ツイスターの言う通り感情に任せて突撃するのは得策では無い。だが、青の護衛隊としてはバッタモンダーの発言は決して無視できる物ではなく、苦悶に満ちた表情を浮かべる。

 

「ここは私に任せて、私ならあのランボーグと闘う事が出来るわ」

 

「らんこ……わかった。だが、危ない時は助けるからな」

 

「ありがとう……という訳よ。あんたとそのランボーグは私が倒すから覚悟しなさい…このナルシスト‼︎

 

ツイスターは緑色のオーラを全身から放つとランボーグに向かって突撃していく。

 

「面白いね。なら、どっちの力が上か力比べと行こうか!行け、ランボーグ!」

 

『ランボォォォォォォグ!!!』

 

ランボーグも迎え撃つ為にツイスターに向かって突撃すると彼女に向かって腕を振るうとツイスターも腕を振るい先程のスカイと同様に拳を衝突させ、衝撃音が響き渡る。

 

「はあああああああっ!!!!」

 

『ランッ!?』

 

そして先程とは逆にツイスターが力で勝るとそのまま拳を殴り抜け、ランボーグは思わず後方へ下がる。ランボーグはそれでも負けじと再び襲い掛かり、金棒を連続で振るう。ただ、ツイスターはそれを全て避けてランボーグの懐に潜り込む。

 

「やあああああああっ!!!」

 

『ボオオオオオッ!?』

 

ツイスターがランボーグの顎に向かって風を纏わせた拳でアッパーを決めるとランボーグの身体は宙を舞い地面に倒れる。

 

「凄い…やっぱりらんこは凄い!!!」

 

スカイ達が手も足も出せなかったランボーグを相手に一方的に勝っているツイスターの姿にベリィベリーは歓喜の声を上げる。

 

「さあ、これでトドメよ!」

 

そう言うとツイスターは全身を風で覆うと跳び上がり、身体を回転させていく。

 

「ヒーローガール!ツイスターストライクッ!!!」

 

ツイスターはツイスターストライクを繰り出すとそのままランボーグへ喰らわせようとする。

 

『ラン、ボオオオオオグッ!!!』

 

ランボーグはそうはさせまいと攻撃を金棒で防ぐ。しかし、強化状態であるツイスターストライクのパワーにより火花を散らしながらそこを中心にヒビが入る。

 

「ツイスター!そのまま貫いて!」

 

「えるーっ!」

 

「そうだ!もう少しだ!」

 

あげはとエルとベリィベリーはツイスターに応援すると彼女はその応援に応える様に更に回転していき金棒のヒビも大きくなっていく。このまま金棒を砕き、ツイスターストライクが決まると誰しもがそう思っていると、その様子を見ていたバッタモンダーが口を開く。

 

「いやぁ、凄い力だ。でもね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな力を持ってしてもスカイランドでの悲劇を止められなかったなんて悲しいよね」

 

「っ!」

 

バッタモンダーの発言にツイスターの脳裏にはスカイランドでの出来事がフラッシュバックする。その所為でツイスターストライクの回転の速度が落ちてしまった。

 

「ランボーグ今だ!」

 

『ランッ!』

 

ランボーグは金棒に攻撃するツイスターを滑らせる様に受け流し、それによってツイスターに隙が生まれる。ランボーグはその隙を見逃さず彼女に向かって金棒を振りかぶった。

 

「しまっ『ボオッ‼︎』あああっ!!!」

 

「らんこっ!?」

 

ランボーグの金棒による一撃を背中から受けてしまい、あまりの威力により吹き飛ばされその先にあった公園の木に身体が叩きつけられて地面に倒れる。

 

「ランボーグ!ツイスターを捕まえろ!」

 

『ランボォッ‼︎』

 

再びバッタモンダーの指示を受けたランボーグはツイスターに向かって金棒を向けると金棒にある無数の突起がミサイルの様に飛んでいき、それがツイスターの衣装に突き刺さり杭の様に地面に固定してしまう。

 

「は、外れない!」

 

衣装に突き刺さった突起を外そうとツイスターはもがくが一向に外れず、更に手に届かない部分にある為に手で外す事が出来なかった。それを見たバッタモンダーは笑みを浮かべる。

 

「どうやら抜け出す事は出来ない様だね。ならランボーグ!動けないツイスターを倒すんだ!」

 

『ランボーグッ!!!』

 

ランボーグはツイスターに近づくと彼女を倒そうと金棒を振り上げる。

 

「ツイスター!!!」

 

「えるるーっ!!!」

 

「くっ!」

 

絶体絶命のツイスターにあげはとエルは叫ぶ。ツイスターも諦めずに必死に抜け出そうとするが、一向に抜け出せず。ランボーグは無慈悲にも彼女に向かって金棒を振り下ろすと衝撃音と共に土煙が舞う。それを見たバッタモンダーはツイスターを仕留めたと確信しキザなポーズを取る。

 

「いやぁ、可哀想に。でも心が痛むけど、これも全ては弱い事がいけないんだよ…」

 

「巫山戯ないで!よくもツイスターを!」

 

罪悪感を微塵も感じさせない台詞を吐くバッタモンダーにあげはは彼を睨む。だが、そんな彼女に対してバッタモンダーは呆れた表情を浮かべる。

 

「あのさ、悲しい事だけど世の中は弱肉強食なんだよ。結局の所は弱者は強者に倒される事が決まっているんだよ。まぁ、それは置いといて取り敢えずプリンセスエルを渡してくれないかい」

 

「誰がエルちゃんを!」

 

バッタモンダーはあげはにエルを差し出す様に言うが、あげはは勿論そんな要求は聞くつもりはなかった。

 

「現実を見なよ。君にはプリキュアの様な力が無い上に頼りのプリキュアだって倒された。なら、潔く負けを認めてプリンセスを引き渡した方が良いよ」

 

「絶対に嫌よ‼︎エルちゃんは渡さないから‼︎」

 

再度バッタモンダーはあげはにエルを引き渡す様に言うが、あげはは一切渡すつもりは無かった。それを見てバッタモンダーは深くため息を吐きながら頭をポリポリと掻く。

 

「仕方ないな…渡さないと言うなら無理矢理でもプリンセスは貰うよ。でも安心しなよ…僕は優しいから君に怪我はさせない。ただ、その代わりに君はスカイランドの王や王妃の様に目が覚めない眠りについて貰うから」

 

「くっ…」

 

「えるぅ…」

 

そう言ってバッタモンダーは額の黒い宝石を光らせながら指を構えるとあげはは恐怖の顔を浮かべつつもエルを守ろうと彼女を庇い後退りをする。

 

「これだけ警告しても渡さないか。なら仕方ない…バッタ「うぅぅ…」ん?…はあっ!?」

 

あげはに呪いを掛けようとしたバッタモンダーだが、後方から聞こえてきた呻き声の様な物が気になり振り返るとその先にあった物を見て顔を大きく変化させる。バッタモンダーの後方にはツイスターに向かって金棒を振り下ろしたランボーグがいたはずなのだが……。

 

「ぐっ…ぐうっ…!」

 

「べ、ベリィベリー…!」

 

其処にはやられたと思っていたツイスターに歯を食いしばりながらもランボーグの金棒を受け止めているベリィベリーの姿があった。

 

「べ、ベリィベリーちゃん!?」

 

「えるっ!?」

 

「あ、有り得ねえっ!!!な、なんでランボーグの一撃を受け止めているんだよ!!!お、お前!一体どんな手を使ったんだ!?」

 

あげはとエルはツイスターを守っているベリィベリーの姿に驚き、バッタモンダーも護衛隊とはいえプリキュアでも無いベリィベリーがドーピングにより強化されたランボーグの一撃を受け止めている事が信じられず、何か凄い技とか魔法とかでも使ったのではと思ったが、ベリィベリーは辛い表情を浮かべながらも口を開く。

 

「わ、私が…こいつを受け止められたのは…単純な事だ…!」

 

「た、単純な事…だと…!?」

 

「それって一体…!?」

 

彼女の口から出た"単純な事"と言う言葉にバッタモンダーとあげはは思わず片唾を飲みこみながらもベリィベリーに問うと彼女は再び口を開く。

 

「それはだな

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛だ!!!

 

「「何故そこで愛!?」」

 

ベリィベリーの回答にバッタモンダーとあげはは思わず声を荒げてしまう。

 

「良いか…人って言うのは…誰かの事を想うと…其処に…信じられない力が…は、発揮できるんだ……お、お前の様な奴には理解は…で、出来ない…だろう…がな…!」

 

「ふ、ふざけんなぁっ!!!そんな物で強くなったら誰だって苦労するか!!!おい、ランボーグその頭が可笑しい女諸共さっさとツイスターを潰せ!!!」

 

『ランボーグ!』

 

ベリィベリーの台詞にバッタモンダーは青筋を立てながら怒鳴り散らすとランボーグに命令をくだし、ランボーグは腕に力を入れるとベリィベリーは地面に片膝がついてしまう。

 

「ぐっ…!」

 

「べ、ベリィベリー!私の事は放っておいて逃げて!でないとあなたも!」

 

苦痛に満ちた表情を浮かべるベリィベリーにツイスターは普段の口調を崩しながらも彼女に逃げる様に言う。

 

「し、心配するらんこ…こ、これくらいなんと…ぐうっ!」

 

「ベリィベリー‼︎」

 

ベリィベリーの身体からミシッと軋む音が鳴ると彼女は先程よりも辛そうな顔を浮かべてもう片方の膝も地面についてしまう。

 

「どうしてよ…どうしてそこまで…!」

 

「な、何を言う…らんここそ、スカイランドで…あ、会っても間もない私を助けて…く、れたじゃ無い…か…」

 

そう言ってベリィベリーの脳裏にはスカイランドにてらんこと邂逅した時の事を思い出す。出会った時はらんこの事はシャララを除く他の護衛隊を全員倒し、その後は事故とはいえ彼女の腕に電撃を浴びせ、大怪我を負わせてしまぅあ。その際にベリィベリーは関係の無い人間に手を掛けた罪悪感と過去のトラウマによる板挟みで苦しんでしまう。らんこはそんなベリィベリーを許した。……それだけで無い。

 

「わ、私と……と、友達にならない?」

 

らんこはベリィベリーへと友達になろうと言ってくれたのだ。ベリィベリーは彼女の言葉が嬉しかった。その後、バッタモンダーにより自分のグローブが悪用されてアンダーグウバウゾーの素体になり、捕まったらんこを助けられず己の無力感に打ちひしがれた時も。

 

「ベリィベリーを……馬鹿にしないで…!」

 

「彼奴は自身の弱さを理解してその弱さを補おうとする努力家よ。これ以上馬鹿にするのなら……許さない!」

 

馬鹿にされたベリィベリーにらんこはバッタモンダーに対して怒り、その後らんこはツイスターへ変身し合流したスカイと共にアンダーグウバウゾーと戦う事に。その中でアンダーグウバウゾーの攻撃がベリィベリーに当たりそうになるとツイスターがそれを庇って、彼女が腕の怪我により防ぎきれずやられそうになった。ベリィベリーはその時弱い自分を放って彼女に逃げる様に言ったが、それでもツイスターは庇うのをやめなかった。

 

「あんたが弱いですって!?そんな事ないわ!あんたは強いわよ!だって、今まで努力したおかげで今の青の護衛隊の一員であるあんたがいるんでしょ!」

 

ツイスターはベリィベリーにはっきりと言ってくれた。今まで努力を認めて強いと言ってくれた事がベリィベリーはとても嬉しく、更には自分を見捨てず助けてくれた。これがその後、アンダーグウバウゾーを倒したツイスターにベリィベリーは惚れた事に繋がったのである。

そして、そんなツイスター(らんこ)が目の前でやられそうになるのはベリィベリーにとって耐えられない物であり、彼女はツイスターを守る為こうやってランボーグの金棒を受け止めている。

 

「(やはり無茶し過ぎたな…これ以上は…もう……)すまない……らん…こ……」

 

「ベリィベリー!!!」

 

ベリィベリーは耐え続けたが限界が達し彼女の全身から力が抜け、金棒を止めていた両腕から力が抜けるとベリィベリーの頭部目掛けて金棒が振り下ろされる。ただ、その金棒はベリィベリーの頭に当たる寸前の所で止まった。

 

(なんだ…一体何が…?)

 

一向に頭に金棒が当たらない事に不思議に思ったベリィベリーだが彼女は恐る恐る真上にあるだろう金棒を見上げると其処には見覚えのある手が金棒を受け止めていたのだ。

 

「ベリィベリーさん大丈夫ですか!?」

 

「ごめんなさい‼︎起きるのが遅れました‼︎」

 

「今外すよツイスター!」

 

「お、お前たち…」

 

金棒を受け止めていた手の主は気絶していたスカイとウィングにツイスターの動きを止めていた突起を破壊するプリズムの姿もあった。そして、ツイスターが解放されるとベリィベリーの元へ駆けつけた。

 

「ベリィベリー大丈夫!?」

 

「ああ…私は大じょう…」

 

「ベリィベリー‼︎」

 

スカイ達が助けにきてくれた事に安心したのかベリィベリーは気を失い、ツイスターは思わず声を上げる。ただ、それが気を失っただけだと直ぐに分かると胸を撫で下ろして彼女を木の陰に寝かせる。それからツイスターはランボーグを睨みつける。

 

「よくもベリィベリーを…私の友達に傷つけたわね……覚悟は出来ているんでしょうねっ!!!

 

ベリィベリーを目の前で傷つけられた事にツイスターは激しい怒りを露わにして全身から再び緑のオーラを放つ。

 

「ひぃっ!?な、何をしているランボーグ‼︎早くそいつらを倒せ‼︎」

 

『ラン「させないよ‼︎」ボオッ!?』

 

ランボーグは金棒を掴むスカイ達を振り払い攻撃しようとしたが、プリズムの光弾がランボーグの顔に命中し怯んでしまう。

 

「「はああああっ!!!」」

 

『ランボッ!?』

 

その隙にスカイとウィングが金棒のヒビが入った箇所に向かって思いっきり殴ると金棒は砕け散り、ツイスターがテンペストバトンを構える。

 

「吹き飛びなさい!!!ツイスタートルネードッ!!!」

 

『ボオオオオオオッ!!!』

 

テンペストバトンから放たれる強烈な風により、ランボーグは吹き飛ぶとツイスターは追い討ちを掛けるようにランボーグに向かって飛び出す。その後、自身の両手でランボーグの腹部へと強烈な一撃を与えて地面にめり込む程に叩き落とした。

 

「スカイ!プリズム!決めるわよ!」

 

「「はい(うん)!」」

 

スカイとプリズムはツイスターの呼びかけに答えるとスカイミラージュを取り出しにそれぞれスカイトーンを嵌め込む。そして、ツイスターも2人の後方に降りるとテンペストバトンを再び取り出しスカイトーンを嵌め込むと竜巻が放たれ、スカイとプリズムの身体を包み青と白のオーラへと変化する。

 

「ひろがる勇気!」

 

「輝く希望!」

 

「嵐を起こす絆と共に!」

 

そこにツイスターが更にエネルギーを照射する。そして、スカイとプリズムが手を繋ぐ。

 

「「エクストリーム!」」

 

「ツイスターズ!!!」

 

スカイとプリズムの空いている手を突き出すと目の前に三つのリングが出現し、それが重なると青、緑、白のエネルギーが放出され地面にめり込んでいるランボーグを飲み込み浄化する。

 

『スミキッター』

 

ランボーグは浄化されるとその際キラキラ光るエネルギー体…キラキラエナジーが現れる。それを見たスカイはヨヨから受け取ったミラーパッドを構えるとキラキラエナジーがミラーパッドの鏡面に吸い込まれていく。

 

「ミラーパッド、オッケー!」

 

キラキラエナジーの回収に成功すると、ランボーグは元の公園の遊具に戻り同時に破壊された公園は元通りに修復される。

 

「あ、あり得ねえ‼︎強化したランボーグがこんな弱ぇ奴らに負けるなんて!?」

 

せっかくキメラングから貰ったドーピングカプセルにより強化したランボーグはプリキュアを全滅までに追いやったのに逆転された事にバッタモンダーは信じられず豹変する。

 

「こ、こうなったらプリンセスだけでも!」

 

せめてエルだけは連れて行こうとエルを抱えるあげはの元へ向かおうと足を一歩踏み出した瞬間、バッタモンダーの足元にバトン形態になったテンペストバトンが突き刺さる。

 

「ひぃっ!?」

 

「あげは姉さんやエルに手を出そうとするなら今度は本当に当てるわよ」

 

遠くにいたツイスターは目を光らせながらバッタモンダーに警告をすると、バッタモンダーは何事も無かった様に立ち上がり咳払いをする。

 

「ゴホン…おっと、僕とした事が…君達の奮闘ぶり、とても素晴らしかったよ」

 

スカイランドの初戦闘の様に冷静さを装いツイスター達を賞賛するがバッタモンダーは顔を更に青ざめて足が震えている状態であった。それに気付いたツイスターはジト目になる。

 

「あんた…足が震えているわよ」

 

「う、うるせえ!…と、兎に角だ。また来るよ、バッタモンモン」

 

バッタモンダーは誤魔化す様に退散して行ったのであった。

 

───────

 

それからと言うものの一同は戦いが終わり虹ヶ丘家へ帰る途中、堤防の所を歩いていた。尚、気絶する様に寝ているベリィベリーはソラが背負っている状態だ。

 

「ベリィベリー…大丈夫かしら?」

 

「大丈夫ですよ。見たところ怪我はしてますが、1日寝ればベリィベリーさんは起きますよ」

 

「そう…よかった」

 

ソラの言葉にらんこは安心し胸を撫で下ろした。

 

「らんこちゃんベリィベリーさんの事が心配なんだね」

 

「当然でしょ。ベリィベリーは友達なんだし…それに危険を顧みずに私を助けようとしたのよ。全く、今思い出したら腹が立ってきたわ。少しは自分の身体の事も気にかけなさいよね」

 

怒った様な口調で言うが、らんこは実際に怒っておらず逆に自分を助けようとした事が嬉しかったのかベリィベリーの背中を摩った。その様子にましろとツバサは無言になりつつ互いに目を合わせる。

 

「どうやら、ベリィベリーさんは心配無さそうだね」

 

「ええ、邪な事を考えていますがらんこさんを大事に思っているのは確かですから」

 

最初ベリィベリーがソラシド市に現れてはらんこに対して如何わしい事やエルの前で情操教育に悪い発言をしたりするなどが目立っていたが、今日の戦いで彼女は自分達のサポートや気絶している間かならんこを1人で守ろうとしたりする事がありましろとツバサのべリィベリーに対する印象が変わったのだ。

 

「ムニャムニャ…らんこ…いただきます」

 

「うひゃああああっ!?い、いきなり何をするんですかベリィベリーさん!?」

 

突然ベリィベリーが背後からソラの首を甘噛みした事にソラは声を上げてベリィベリーに話しかけるもベリィベリーは寝たままである。

 

「落ち着きなさいソラ、ベリィベリーはただ寝ぼけているだけよ。それくらい気にしないの」

 

「わ、わかりまし、ワッヒャッ!?こ、今度は舐められましたよ!?」

 

「ベリィベリーちゃんって、どんな夢を見ているのかな?」

 

「える?」

 

「さっき、いただきますって聞こえたからひょっとしてアイスクリームでも食べている夢なんじゃない?」

 

先程ベリィベリーの口から出た言葉と今ソラにやっている行動かららんこは推測するとあげはは納得の声を上げる。一方でましろとツバサはジト目でベリィベリーを見つめていた。先程らんこ達には聞こえなかったが2人はベリィベリーがいただきますと言う言葉を発する直前にらんこの名前を口にしていた事からどんな夢を見ているのか大凡予想出来た。

 

「うぅ…このままだと身が持ちません…らん「嫌よ」まだ何も言ってませんが!?」

 

「私はこれ以上疲れる事はしたく無いのよ。悪いけど、この中で1番のフィジカルがあるあんたにベリィベリーを任せるわ」

 

「そ、そんな殺s「ヂュウウウウウウウッ!!!」って、ぎゃああああっ!?す、吸われる‼︎ベリィベリーさん私を吸わないで下さい‼︎」

 

「ちょ、ベリィベリーちゃん幾ら何でもやり過ぎ!」

 

「えるえる♪」

 

今度は首筋を物凄い勢いで吸われ、ソラは悲鳴を上げながらベリィベリーにやめる様に言うが彼女は一向に起きない。そんなベリィベリーは満足するまでソラを吸い続け、あげはは止めるように言うが止まらず。エルはそんな光景に楽しそうにしている。

一方でソラが悲惨な目に遭っているのをましろ達は顔を引き攣らせるも先程のらんこの言葉を聞いてある事を思い出した。

 

「そう言えばらんこちゃん、気になってたんだけど私達と別れた後に何があったの?そんなに時間は経ってなかったと思うけど物凄い疲れていた様に見えていたよ」

 

「そう言えばそうでした。それに戻ってきた時には着ていた服も変わっていましたし。何があったんですか?」

 

自分達をキメラングから逃がすために1人キメラングと戦っていたらんこは疲労な姿が色々とおかしい事に自分達を逃した後何があったのか気になっていた。

 

「実はあの後、マッドサイエンティストにやられかけたけどひかるのいる並行世界に飛ばされてその世界のあんた達やアサヒとユキ達に助けて貰ったのよ」

 

「そ、そうなの!?」

 

「まさか、そんな事になっていたとは…」

 

キメラングに追い詰められたと聞いて心配になるも偶然なのか並行世界で以前らんこがお世話になった別世界の自分達やひかる。更にはアサヒとユキに助けられたと聞いて驚いたのだ。

 

「あれ、でも服はどうして変わったの?」

 

ひょっとしてキメラングとの戦いで服がボロボロになりユキから貰ったのではとましろは思ったが、何やららんこは思い詰めた表情を浮かべていた。

 

「……まぁ、色々あったのよ…本当にね」

 

「そ、そうなんだ…」

 

「言いづらかったら無理に言わなくて良いですよ」

 

明らかに何かあった顔を浮かべるらんこにましろとツバサはそれ以上の詮索をするのをやめた。

 

「ありがとう。でも、今日はもう疲れたからその時の事はまた今度話すわ」

 

「うん、わかったよ」

 

今日はもう夕方であり、全員戦いによる疲労が大きかった。そのため話すのならまた今度にしようと約束するのであった。そしてその後はソラに寝ながら激しいスキンシップをするベリィベリーを止めると、共に虹ヶ丘家へ帰るのであった。

 

───────

 

それからと言うものの、らんこは虹ヶ丘家に着くとソラ達に別れの挨拶を言って自分の家に帰り、現在自分の部屋のベットに横になっていた。

 

「う〜ん!やっぱり我が家は落ち着くわね」

 

久しぶりに帰ってきたと感じられる感覚に見合われるも、実際スカイランドに数日も滞在していた為、慣れない環境であまり気持ちよく眠れなかったりしたが、今日は久しぶりに気持ち良く眠れそうだった。

 

「あっ、そうよ。久しぶりに家に帰ってきたんだから晩御飯が出来るまでスカイランドの出来事を日記に書くのも悪く無いわね」

 

らんこは腹が空いているがまだ食事の時間じゃ無い事からただ寝るよりも今までの出来事を日記に書こうと思い、彼女は自分の勉強机に座ると日記を取り出していざスカイランドの滞在初日を書こうとする。

 

「ん、何かしら?」

 

突如らんこは自身のスカートのポケットから謎の光が漏れている事に気づき、中に入っている物を握って取り出した。彼女は手を恐る恐る開き、中の物を確認するとそれは彼女のスカイトーンが激しく光っていた。

 

「え、何がどうなっているの!?(て言うか前にもこのパターンがあった様な…)」

 

突然光るスカイトーンに驚くものの何やら既視感を覚えるらんこであったが、そんな彼女の気持ちを無視するかの様に光は先程よりも激しさを増して行った。

 

「ちょ、待って待って!止めて止めて!」

 

らんこは慌てて自身のスカイトーンに光るのを止める様に言うが勿論止まず、逆に光は強くなっていくとらんこは漸く既視感の正体に気付く。

 

「お、思い出した!これって前に私がひかるの世界に飛ばされた時と同じパターンじゃん!?」

 

それは自分が初めてプリキュアになり、初戦闘を終えてソラ達とパーティーの準備の買い出しをしようとした時の事だった。今の様に光が強くなり気がつくと並行世界へ飛ばされていたのだ。そうなると今回はその時の様に…。

 

「じょ、冗談じゃ無いわよ!?今日は連戦続きでお腹も空いているのよ‼︎そこでまた並行世界に飛ばされるのはまっぴらごめんよ!」

 

らんこは並行世界へ飛ばされるのを何とか避けようとスカイトーンを机の上に置くと部屋を出てトイレに駆け込んだ。

 

「ふぅー…これで一安心ね」

 

らんこはこれで並行世界に飛ばされる事はまず無いだろうと思い。一先ずスカイトーンの光が止むまで自分の部屋には行かない様にしようと考えた瞬間、目の前に激しく光る自身のスカイトーンが現れた。

 

「ちょ、嘘でしょっ!?」

 

まさかのスカイトーンが部屋からトイレにテレポートをしてきた事にらんこは驚きの表情を浮かべるとスカイトーンの光がらんこの身体を包み込む。

 

「に、逃げ、きゃあっ‼︎」

 

らんこは慌ててトイレから出ようとしたが間に合わずトイレの中が真っ白な光に覆われると暫くして光は止み、そこにいたらんこの姿が消えてしまったのである。

そして、らんこが飛ばされた先の世界ではかつて自分の世界にやってきては圧倒的な実力を見せた白き執行者と再会し、並行世界の自分の友達の末路を聞かされる事になるのだが、それはまた別の話となる。




今回の最後に以前コラボしたikkunさんが執筆される『ゼインの世界渡り』のコラボ編 風のプリキュアと善意の女神と言うエピソードに繋がる様になっていますのでコラボ相手の作品のURLを貼るので気になった方は是非読んで下さい。

https://syosetu.org/novel/344015/
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