それではどうぞ。
らんこと喧嘩してしまったベリィベリーは彼女から離れて途方に暮れているとシロップとうららと名乗る少年少女と出会い、2人の誘いでカレー屋に入り昼食を摂る事となった。
「んんーっ!この野菜カレー美味しいなぁ!」
皿から掬ったカレーを口に頬張ると嬉しそうな顔を浮かべるうららは次々にカレーを口の中へと入れていく。それを隣の席から見ているシロップは彼女に呆れた眼差しを向ける。
「おいおい、そんなにがっつくなよ。喉を詰まらせるぞ」
「へーき、へーき」
シロップの忠告を気にせずどんどんカレーを食べるうらら。因みに彼女の側には空になった皿が10枚も積まれている。そんな彼女の食べっぷりを見たシロップはやれやれと言わんばかりの態度を見せると反対側の席に座るベリィベリーへチラッと視線を向ける。
「うう、アムッ…らんごぉ、モギュモギュ…ゴクンッ…ごのがれぇーはしょっぱいよぉ〜」
「お前…泣くのか食べるのかどっちかはっきりしろよ…」
そこには泣きながらカレーを食べるベリィベリーの姿があり、シロップは思わず顔を引き攣らせる。彼女もうららと同じく野菜カレーを頼んだが、その際にカレーの中にあったブロッコリーなどの緑の野菜を見てらんことの一件を思い出し、ベリィベリーは再び涙を流しカレーを食べているのだ。
そして泣きながらカレーを頬張るベリィベリーを見てシロップは先程の彼女の発した言葉を思い出す。
「なぁ、さっき人の名前みたいな事を言ってたが…もしかしてそいつと喧嘩でもしたのか?」
「グス…ああ、少し前にらんこの……好きな人を馬鹿にしてしまって……それで怒って」
泣きながらカレーを食べていたベリィベリーはシロップの指摘に頭が段々と冷静になりスプーンを皿の上に置いて答えるが、段々と声が小さくなっていく。そんなベリィベリーを見てシロップは頭をポリポリと掻きながら面倒くさそうな顔を浮かべる。
「喧嘩かぁ……しかもそいつの好きな奴を馬鹿にしたか……成る程、それは解決するのが難しそうだなぁ。お前の様子を見る限りその…らんこだったか?そいつはすっげぇ怒っているみたいだし、簡単に許してくれるとは思えないな」
「許して…くれない…グスッ、うおおおーんっ!!!らんこおおおおおおおっ!!!」
「わ、悪かった!俺が悪かったから泣き止んでくれって!」
シロップの辛辣な発言にベリィベリーはテーブルに伏して先程よりも大きな声で泣き出してしまい、シロップは周りの客からの白い眼差しを気にしながらも彼女を泣き止まそうと宥めようとするが中々泣き止まない。シロップは泣き止まないこの状況に頭を悩ましていると隣から声が聞こえた。
「わかりますよ、友達との喧嘩でどうやって仲直りすればいいかわからなくなってしまう事は…」
「う、うらら?」
「グスッ…わ、わかるのか?」
そこでは先程までカレーを食べていたうららが2人の会話に混ざり、何処か懐かしむ様な目になってベリィベリーを見る。そんな彼女の言葉にシロップはキョトンとなり、ベリィベリーは泣き止み彼女の話を聞く。尚、彼女の側に置かれていたカレー皿は先程よりも5枚積み重なっている事に2人は気が付かない。
「ええ、私も前にある事がきっかけで仲が良かった友達の皆んなと喧嘩してバラバラになりかけた事があるんです」
そう言うとうららの脳裏にはある出来事が過ぎる。その日、うららは友達の皆んなと共に大きなアクセサリーを作っていたのだが、その最中友達の内1人がうっかりテーブルにぶつかりその衝撃で作っていたアクセサリーはバラバラになりそれが原因で友達と喧嘩をしてしまった。
「その日は壊れたアクセサリーを皆んなと回収してお開きになりましたが、翌日も蟠りは続いていき更にそれをナイトメアが利用して私達は絶対絶命の危機になってしまったんです」
そう語るうららは思い出すのが辛い出来事が脳裏に蘇る。
翌日の学校の帰りに自分達が戦っていたナイトメアの刺客が襲ってきて心の弱みにつけ込まれて洗脳されてしまった事が。
「でも、そんな私達を救ってくれたのがどんな時でも頼りになってくれるのぞみさんだったんです」
洗脳された自分達を正気に戻してくれたピンクの髪が特徴的なりんと同じ歳の少女である彼女が自分達をビーズを繋ぎ止める糸の様にバラバラであった自分達の絆をより強く深い物へとなったのだ。
「その後、私達は壊れたアクセサリーを完成させる事が出来て仲直りも出来たんです」
そう言うとうららは皆んなで作ったピンク、黄、赤、緑、青のビーズで作った蝶のビーズオブジェを思い出した。
そして、そんなうららの話を黙って聞いていたベリィベリーはゆっくりと口を開ける。
「そうか…お前も大変な事があったんだな」
「ええ、私達も仲直りが出来ましたからきっとベリィベリーさんもそのお友達と仲直りが出来ますよ」
うららの話を聞いたベリィベリーは彼女もまた自分と同様な体験をしたのだと納得し、うららもベリィベリーを励ました。そんな中ベリィベリーは少し気になることがあった。
「ところで話の中で洗脳って言ったか?あと、ナイトメアとはなんだ?」
「え?……あっ!そ、それは…!」
「おい、何やってんだよ」
「だ、だって…」
ベリィベリーの言葉にうららはハッとなり顔を青ざめる。どうやら彼女は話に夢中になって気付いた時にはどう誤魔化そうか慌てた顔を浮かべる。そんな彼女にシロップは呆れた表情を浮かべた。
「……どうやらあまり聞いてほしく無い様だな。なら、聞かないことにするぞ」
「あ、ありがとうございます」
「悪いなぁ」
2人の様子を見てあまり踏み込められたくない事情があると察したベリィベリーは追求する事はせず、うらら達も気遣ってくれた彼女にお礼を言う。
「いや、初めて会う私を励ましてくれたんだ。これくらいはどうって事は無い…だが、これだけは聞かせてくれ。何故、私に関わろうとしたんだ?」
少し前に落ち込んでいたベリィベリーは今日初対面にも関わらず心配して励ましてくれたうらら達の存在に不思議に思い聞くと、うららはキョトンとなる。
「何故って…それは困っている人を見かけたら助けるのが当然ですよ。それに…のぞみさんならこうすると思って」
「のぞみ?さっきもその名前が出たが、お前の…大事な人なのか?」
先程のうららの話に出てきた人物の名前に何やら絶対的な信頼があると感じたベリィベリーは聞き返す。
「大事な人…ええ、そうですね。のぞみさんは私にとって大事な人(友情的な意味)です!」
「そうか。お前にもいるんだな大事な人(恋愛的な意味)が」
うららの言葉にベリィベリーはスカイランドで自分の事を寄り添ってくれたらんこの事を思い出し懐かしい心境に浸りだす。
「ええ、のぞみさんは私が学校に入って友達が居なかった私に初めて寄り添ってくれた人ですから」
「そうか…なら、間違いなくそののぞみとやらはお前にとっての大事な人(恋愛的な意味)だな」
「はい!」
「なぁ、気の所為かお前らの話は少し噛み合ってなくないか?」
側で2人の話を聞いていたシロップはそれぞれの認識が異なっている事に勘づくも彼女達はシロップの話を聞いておらず、そのまま話は落ち着きそれぞれは食事を再開する。因みにうららの側にあるカレー皿は話の合間に食べ続けていたのか20枚も積み重なっており21皿目のカレーを食べようとしている。
「む、らっきょが少なくなったな」
一方でベリィベリーはカレーに乗っている付け合わせのらっきょが少なくなった事に補充しようと目の前にあるらっきょの入った壺に手を伸ばそうとすると、同じタイミング隣にいた客の手と接触する。
「「あっ、これは失礼…って、お前は!?」」
手が接触した事にベリィベリーは隣の客に謝罪しようとその客の顔を見た瞬間、驚きその場から立ち上がる。何故ならそこにいるのはスカイランドから戦っている自分達の敵である男がいたからだ。
「バッタモンダー!?」
「お前はプリキュアの所の!?」
「「ブゥーッ!?」」
まさか隣に自分の敵がいるとは思わず互いに声を上げるベリィベリーとバッタモンダー。そして、バッタモンダーの台詞にうららとシロップは飲んでいた水を思わず吹き出してしまう。
「な、なんでお前が此処にいるんだ!?」
「それはこっちの台詞だ!私は昼食の為このカレー屋に来たんだ!」
「昼食?…いやぁ、奇遇だね。僕も丁度お腹を空かせていた所、漂うカレーの匂いに誘われてこの店に立ち寄ったんだ」
どうやらベリィベリーが昼食の為に来たと知るとバッタモンダーは己を落ち着かせキザな態度を見せる。一方でベリィベリーは顔を顰める。
(不味い…もし、此処でこいつと戦う事になればうららとシロップ。それに他の客が巻き添えを喰らう)
自分達の所為でうらら達、関係の無い人間が巻き込まれるのはどうしても避けたい所だ。更に言えば今ソラやらんこ達がいない今、自分一人でランボーグの対処が難しくどうすれば良いかと頭を悩ませる。すると後ろからうらら達が話しかけてくる。
「お、おい、プリキュアってどう言う事だよ!?」
「まさか、ベリィベリーさんはプリキュアなんですか!?」
「きゅ、急に何を言って!?と、兎に角お前たちは安全な場所へ!」
何故か自分をプリキュアと呼ぶうらら達に困惑しつつもこの場から逃げる様に言うが、それをバッタモンダーが見つめる。
「へぇー、どうやらその2人は君のお仲間じゃ無さそうだね。それに周りにキュアスカイ達がいない所を見ると今は君1人しかいないみたいだね」
この場の状況を理解したバッタモンダーはプリキュアに変身できる4人がいないと確信し笑みを浮かべる。
「なら好都合だ。君には先日愛だのなんだのって言ってふざけた事をされて目障りだったからね。悪いけど、此処でこの僕の手で倒してあげるよ」
そう言うとバッタモンダーはズボンのポケットから何かバッジの様な物を取り出すとそれを右手の甲に付けるとバッジは変形してそのままバッタモンダーの右腕を肘まで覆いつくす様なキャノン砲の様な物となる。周りにいた客はそれが何か店の催し物かと思い不思議に見ていると、バッタモンダーはキャノン砲をベリィベリーへ向ける。
「っ!伏せろ!」
「「っ!?」」
「吹き飛べ!」
キャノンを向けられたベリィベリーは背後にいるうららとシロップの体の上に覆い被さると同時にキャノン砲から衝撃波が放たれる。
「ぐあああああっ!!!」
「「ベリィベリー(さん)!?」」
キャノン砲から放たれた衝撃波を受けたベリィベリーは身体が吹き飛び、店のガラスを突き破ってそのまま外へ飛んでいってしまう。そして、店内にいた客は吹き飛ばされたベリィベリーとバッタモンダーのキャノン砲を見て催し物では無い物と漸くわかり、慌てて外へ逃げ出していく。
一方でベリィベリーは店から吹き飛ばされ身体が地面に叩きつけられたベリィベリーは腕を庇いながらも立ち上がる。
「うっ、腕が…!」
どうやら先程地面に打ち付けられた衝撃で左腕の骨は折れてないがヒビが入った様でベリィベリーは尋常じゃない痛みに顔を歪める。
「安心すると良いよ。僕は優しいからね、ランボーグは使わずに倒して上げるよ」
「な、舐めるなよ…腕が片方使えなくてもお前を倒す事は出来る!」
店から出てくるバッタモンダーはそう言って再びキャノンを構えるもベリィベリーもグローブを装着して電撃球を作り出す。
「はあっ!」
「おっと、させないよ」
「なに!?あああああっ!!!」
電撃球を放つもバッタモンダーは慌てる事なく再び衝撃波を放つと電撃球は消滅し、そのままベリィベリーを再び吹き飛ばす。
「どうだい。このショックキャノン砲の威力は?これはキメラングから借りた発明品でね。中々の攻撃力だろう?使う側の反動は少ないから何度衝撃波を放っても疲れないんだよ」
「ぐぅ…」
まるで親から新しい玩具を貰った様に自慢げに語るバッタモンダーを地面に倒れながらも睨むベリィベリー。だが、今の彼女は左腕が折れて全身も打撲であまり動ける様子じゃ無い。
「さて、僕も弱い者虐めをするつもりは無いからね。そろそろ楽にしてあげるよ!」
そう言うとバッタモンダーはベリィベリーにトドメを刺そうとキャノンを向けて衝撃波を放とうとする。
「やめて下さい!」
「ん?」
「な、うららにシロップ!?」
その時、うららとシロップがベリィベリーを守る様に彼女とバッタモンダーの間に入り込む。
「お前たちは何をしているんだ!?私の事はどうなっても良いから早くにg「嫌です‼︎」はあっ!?」
ベリィベリーは2人に逃げる様に言うがそれを遮る様にうららが強く拒否する。それを見てバッタモンダーは肩をすくめる。
「可哀想に…弱いと相手の実力をはかれず無謀な行動をするだから」
「うるせえ!人から貰った道具で良い気になってんじゃねえぞ虫野郎!」
「んだと!?」
バッタモンダーはキャノンをちらつかせて煽るもシロップは屈せず、倒れているベリィベリーに肩を貸しつつ逆にバッタモンダーに啖呵を切る。対してバッタモンダーはシロップの言葉に青筋を立てて反応。一方でベリィベリーは何故そこまでして自分を助けようとするのかわからなかった。
「何故だ。どうしてお前達は私を助けようと…」
「さっきも言ったじゃ無いですか。困っている人を見かけたら助けるのが当然ですって」
「っ!(ソラ…それにらんこ…!?)」
うららはベリィベリーの質問にカレー屋の時と同様の台詞を言うとベリィベリーはそれを聞いて彼女の姿がソラとらんこの姿と重なって見えた。
そして、うららはバッタモンダーに視線を向けると口を開く。
「これ以上ベリィベリーさんを傷つけるなら私が戦います!」
「君が戦う?やめといた方が良いよ……僕はとっても強いからね。君との実力に大きな差があるよ」
無駄無駄と言わんばかりに手を振るバッタモンダーは威嚇射撃の代わりなのかうららの少し前の地面に衝撃波を放つと地面が吹き飛ぶ。その残骸がうららの周りに飛び散ってその際掛けていた眼鏡も吹き飛んだ。しかし、うららは一歩も後退りをせず決意に満ちた眼差しを絶やさなかった。
「…確かに貴方は強いです。でも、私は
春日野うららは傷ついている人を見捨てません‼︎」
決意を露わにしたうららはガラケーの様なアイテム…キュアモを取り出すと開いてボタンを3つクリックして天に向かって掲げる。
「プリキュア!メタモルフォーゼ!」
うららの叫びと共にキュアモの画面から大量の黄色の蝶が舞うとうららの身体を包んで行く。
すると、うららの全身と髪が黄色く光りだし。彼女はバレリーナの様に回転していくと足に黄色のシューズと薄黄色のオーバーニーソックスを装着する。続いてスパッツと黄色のパニエスカートが装着され、更に両腕にはアームカバーが覆われ手の甲の部分には蝶の装飾が付けられる。
そして、最後に彼女は身体を丸めてから一気に身体を反らすと身体を纏っていたエネルギーが弾け、胸に大きな蝶の飾りと薔薇の装飾が付いた黄色の衣装へと代わり、髪型もツインテールから明るく黄色のネコの耳のような2つのシニヨンから先端はバネのようにカールした細い毛の束が出ている特徴的な髪型へと変化。耳には蝶のイヤリングが付けられると変身が完了する。
「はじけるレモンの香り! キュアレモネード!」
此処にかつてナイトメアとエターナルを倒したパルミエ王国に伝わる伝説の5人の戦士の内の1人のプリキュアが現れる。
「な、なんだって!?きゅ、キュアレモネードって、まさかお前もプリキュアか!?」
「キュア…レモネード…うららが……プリキュア?」
変身したレモネードの姿にバッタモンダーは目が飛び出る程の大きなリアクションを見せ、ベリィベリーはまさか彼女もプリキュアだった事に驚きを隠せないでいた。
「ぷ、プリキュアだからってなんだ!俺にはこいつがある!」
一方でバッタモンダーもうららがプリキュアに変身したことに動揺するも直ぐに彼女に向かって衝撃波を放つが、レモネードはその場から跳んで避ける。
「チィッ、逃げるな!」
攻撃を外した事にバッタモンダーは舌打ちをしつつも再びレモネードに向かって衝撃波を放つがレモネードは建物の壁に飛び移って攻撃を避けてバッタモンダーが彼女の動きに惑わされて困惑した瞬間を狙って一気に距離を詰め拳を振るう。
「はあああああっ!!!」
「うっ、おおおおおおおおっ!?」
攻撃してきたレモネードに驚きの声をあげつつもバッタモンダーは腕に装着したキャノン砲で防御するがプリキュアであるレモネードの力は強くバッタモンダーを後ろにある壁に向かって殴り飛ばした。
「があっ!?そ、そんな…あり得ねえ…!」
背中を建物の壁に叩きつけられた事により痛みに悶絶しつつも今の状況が信じられなかった。キメラングから貰った新たな発明品で己は強くなったと確信し、プリキュア達とベリィベリーを倒そうと考えていたのにそれを初めて会うレモネードにやられている状況を認めたくなかった。
「さあ、これに懲りたらベリィベリーさんや周りの人達に謝って下さい!」
「ふ、ふざけるな…誰が謝るか!こうなったら自棄だ!」
レモネードの言葉が癇に障ったバッタモンダーはショックキャノン砲を腕から外すと宙に向かって投げる。
「武器を捨てた?…一体どう言うつもり?」
「こう言うつもりだ。カモン、アンダーグエナジー!」
『ランボーグ!』
ショックキャノン砲にアンダーグエナジーが注ぎ込まれると両手にキャノンを携えた人型のランボーグが姿を見せる。
「えっ、何これ!?」
「彼奴、エターナルの奴等みたいな事を!?」
初めて見るランボーグにレモネードは驚愕を浮かべ、シロップも同様の反応をしつつ、かつて戦った敵が使役していた怪物の存在を連想させる。
「気をつけろ!ランボーグは依代になった物体より何倍も強くなっているんだ!」
「そうなんですか!?」
「いや、まんまエターナルが使っていたホシイナーと同じ奴かよ」
ベリィベリーの忠告にレモネードは驚く一方でシロップは結局の所自分達が戦っていた怪物のパクリなのではと思った。
「さあ行けランボーグ!そのプリキュアを倒せ!」
『ランボーグ‼︎』
「はあっ!」
指示を受けたランボーグはレモネードに狙いを定めると腕に備えたキャノンを向け、彼女に衝撃波を放つがそれをレモネードは跳んで避ける。
『ランッ!』
「なっ、きゃあっ!!!」
「「レモネード‼︎」」
しかし、跳んだ先にランボーグが既に待ち構えておりレモネードを地面に向かって叩き落とした。
「は、はやい…!」
「何だよ!あのデカさに見合わないスピードは!?」
レモネードとシロップはランボーグの動きの速さに驚きを隠せなかった。大抵は巨体による重さでスピードは殺される物であるが目の前のランボーグはそれとは違っていた。
「驚いたかい。このランボーグは特別製でね動きが早いんだよね」
「くっ、だったらこれはどう!」
レモネードは立ち上がると胸の前で両腕を交差させ手の甲部分にある蝶のマークが光り出すとそこから蝶達が繋がって長い光の鎖となる。
「プリキュア!プリズムチェーン!」
レモネードが光の鎖…プリズムチェーンをランボーグに向かって振るうがランボーグはそれ避けてしまう。
「まだよ!」
だが、レモネードは諦めずプリズムチェーンを鞭のように振り続けると、ランボーグの腕に絡まる。
「捕まえた!」
「それはどうかな?」
「え?」
プリズムチェーンがランボーグを捕らえたにも関わらずバッタモンダーは余裕な笑みを浮かべている事に不思議に思っていると、シロップが何かに気付き慌てて声を上げる。
「レモネード!今すぐ技を解け!」
「急にな『ランボオオオオグ!!!』きゃああああああっ!?」
「「レモネード!」」
シロップの言葉の意図が分からなかったレモネードはプリズムチェーンが腕に絡まった事を利用され逆に引っ張られ振り回されてしまう。そして、暫くしてランボーグの腕に絡まっていたプリズムチェーンが解けてレモネードは振り回された遠心力により投げ飛ばされた。
「「「あああっ!!!」」」
シロップとベリィベリーに衝突して3人とも吹っ飛ばされて地面に倒れる。
「いてて…あっ!ベリィベリーさん大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫だ。心配はいらない…あれ、シロップ?シロップは何処だ!?」
周辺を見渡すベリィベリー。先程まで肩を貸して側にいたシロップがレモネードに自身と共にぶつかるとその姿が消えた事に驚き彼が何処に言ったのか探そうとすると、レモネードが恐る恐る話しかける。
「あのぉ、ベリィベリーさん…シロップなら貴女の下に」
「下だと?」
レモネードの指摘にベリィベリーは下を見下ろす。まさか自分が彼を下敷きにしたのかと思ったベリィベリーだが其処にはシロップの姿は無いがその代わり別の物がベリィベリーの下敷きになっている。
「く、苦しい…ロプ」
「つ、ツバサ!?…あ、いや、よくよく見るとツバサじゃ無いな」
其処にいたのはプニバードの姿のツバサに似た赤いスカーフを付けたオレンジ色の鳥で何故自身の下敷きになっているのかベリィベリーは疑問に考える。
「シロップ大丈夫!?」
「つ、潰されるかと思った…ロプ」
「し、シロップーッ!」
レモネードはベリィベリーの下敷きになっていた鳥を大事そうに抱き上げるとシロップと呼ばれた鳥はグロッキーな表情を浮かべてから気を失い、レモネードは思わず声を上げてしまう。一方でそのやり取りを見ていたベリィベリーは驚きの声を上げる。
「し、シロップだと!?まさかお前、プニバード族だったのか!?」
「ぷ、プニ?何ですかそれは?」
レモネードの様子からして彼女の抱える鳥がシロップと理解するとベリィベリーは彼の正体がツバサと同じプニバードと推測するもレモネードは彼女の発言に首を傾げる。
「おやおや、敵を前にして会話なんて随分余裕だね」
「「なっ!?」」
『ランボーグッ!!!』
「「ああっ!!!」」
そんな時、バッタモンダーの言葉に2人はハッとなるも次の瞬間、ランボーグの腕に2人は身体を叩きつけられ彼女達はすぐ側の建物の壁にぶつかる。なお、レモネードはシロップを庇う形で攻撃をその身で受けてしまう。
「さて、そろそろ楽にしてあげるよ。ランボーグ、トドメをさせ」
『ランボーグ』
「「くっ…」」
ランボーグはキャノン砲を2人に向けてエネルギーを溜めていく。対してレモネードとベリィベリーは当たりどころが悪かったのか足に力が入らずその場から立ち上がる事が出来なかった。
「こ、これまでか…(らんこ…!)」
「ご、ごめんなさい…シロップ、ベリィベリーさん…(のぞみさん…!)」
2人は逃げる事が出来ないと悟り目を瞑り、頭にそれぞれの大事な人の姿が思い浮かんだ。
「潔いね。なら、その潔さに免じて一瞬で終わらせるよ!」
『ランボオオオオオグッ!!!』
バッタモンダーはランボーグに合図を送るとランボーグはキャノン砲から衝撃波を放つと、ベリィベリー達はそのまま衝撃波にやられる───
「ツイスタートルネード!!!」
「「えっ?」」
「なっ!?」
──かと思いきや彼女達の前に緑色の旋風が放たれ、衝撃波を相殺する。
「なに…今の風は?」
「間違い無い…今の、風は…!」
明らかに自然発生では無く現れた旋風が自分達を守った事に困惑の表情を浮かべるレモネード。対してベリィベリーは泣きそうな表情を浮かべる。
「ベリィベリー大丈夫!?」
「え?」
突然聞こえてきた声にレモネードは一瞬驚きつつも聞こえた方向に視線を向ける。すると其処には自分と似た姿をした緑色の衣装を身に纏う少女の姿があった。
「あ、あなたは?」
「ん、その声は何処かで…って言うか、まさかプリキュア!?」
レモネードはその少女…キュアツイスターに声を掛けるとツイスターはレモネードの声に反応しつつ、彼女の姿に驚きの声を上げると、慌てて駆け寄る。
「ツイスター!1人で行かないでください!」
「待ってよ!」
「そうですよ!単独行動は危険です!」
更に其処へ現れたのはキュアスカイ、キュアプリズム、キュアウィングの3人であった。それを見てレモネードは呆然となる。
「プリキュアがこんなにも…」
「あれ、貴女もプリキュアですか!?」
「ええええっ!?」
「まさか、こんな所で他のプリキュアに会うとは…!」
ベリィベリーの側に座るレモネードを見てスカイ達も驚きの声を上げる一方でツイスターはベリィベリーに話しかける。
「酷い怪我…ベリィベリー大丈夫なの?」
「あ…ああ、大丈夫だ…らんこ」
心配してくるツイスターにベリィベリーは先程の喫茶店での喧嘩もあって彼女と目を合わせ辛かった。
「その、そのだな…らんこ。さっきは「ごめんなさいベリィベリー」…え?」
喫茶店での一件を謝ろうとしたベリィベリーだったが、突然目の前で頭を下げて謝るツイスターの姿に驚きの表情を浮かべる。
「私…カッとなってベリィベリーに酷いことを言っちゃった…友達なのに…!」
「らんこ…!」
涙を浮かべて見つめるツイスターにベリィベリーは涙を浮かべながら自身の下唇を噛み締める。
「あ、謝る方はこっちだ!らんこの気持ちを考えず私は酷い事を言ってしまった!ごめんなさいらんこ!」
「ベリィベリー …」
お互いに謝罪するその姿を見てスカイ達は安心した表情を浮かべ、レモネードも嬉しそうな顔になる。
「良かったですね…ベリィb「良くあるかーッ!!!」って、ええっ!?」
2人の光景にレモネードは感動の声を口にしようとしたが、それを遮る様にバッタモンダーが大声を上げたのだ。
「ふざけんなよ!!!人が良い気持ちでトドメを刺そうとした所を邪魔しやがって…こうなったらお前たちも纏めて倒してやるよ!!!」
『ランボォォォグ…』
バッタモンダーはランボーグを従えるとツイスター達諸共ベリィベリーを倒そうとけしかけようとする。
「ふざけるなですって…それはこっちの台詞よバッカモンダー!」
「ウヒィッ!?」
それに対してツイスターは涙を拭き取ると先程のバッタモンダーの発言に怒りを露わにして彼を睨みつけ、バッタモンダーはツイスターの眼差しに後退りをする。
「あんた…よくもベリィベリーを…私の大事な友達を傷つけてくれたわね!!!」
「だ、大事な…友達…!」
ベリィベリーの傷ついた姿を見てツイスターは怒りの炎をメラメラと燃え上がせる一方でベリィベリーは彼女が自分の事を大事な友達と言ってくれた事に顔を赤くする。
ツイスターは視線をバッタモンダーからレモネードに移すと彼女に話しかける。
「ベリィベリーを守ってくれてありがとう。取り敢えずあんたはベリィベリーと一緒に此処で休んでいて」
「だ、大丈夫です…私も戦え「無理しないで下さい」あっ」
レモネードは立ちあがろうとするが上手く立ち上がれず倒れそうになるもスカイに身体を支えられる。
「大丈夫。あとは私達に任せて」
「僕たちがランボーグを倒しますから」
「わ、わかりました。悔しいですが、後の事を任せます」
プリズムとウィングから此処からの戦いを引き受けると言われるとレモネードは彼女達に後を託し、スカイにゆっくり腰を下ろして貰う。そして、スカイはツイスター達と共に並び立ちランボーグを見つめる。
「それでは皆さん、行きますよ!」
「「「うん(ええ)(はい)!」」」
『ランボオオオオオグッ!!!』
互いに返事をすると一気にランボーグへ駆けていく。対してランボーグも雄叫びを上げながらプリキュア達を迎え打とうとキャノンを構えて衝撃波を放つが、それぞれバラバラに避ける。
「はああああっ!!!」
ランボーグの攻撃を避けたスカイはお返しに距離を詰めて強力な一撃を叩き込もうと腕を振るう。しかしそれをランボーグは避けてしまう。
「これならどう!」
次はプリズムが無数の光弾を作り出すとそれを全弾軌道もバラバラにして放つがそれもランボーグは全て避けてしまった。
「ええええっ!?どうなっているの!?」
「なら、こっちだ!」
続いて死角から低空飛行するウィングがタックルをお見舞いするもそれも避けられてしまう。
「僕の攻撃も避けられた!?」
「あのランボーグ速すぎるよ!」
「くっ、何故こんなにも早いんですか!?」
先程から連続で自分達が攻撃をしているにも関わらず全て避けられる現状にツイスターは考える。
「成る程、そう言うことね」
「え、どう言う事ですか?」
何か納得の声を上げるツイスターにスカイは気になり問い詰める。
「あのランボーグの速さの仕組みが分かったわ。さっきの皆んなが攻撃する時に腕のキャノン砲から衝撃波を出してそれで自身の身体を飛ばして避けていた訳よ」
「そっか!だからあの大きさで私達の攻撃を全て躱わせたんだね」
ツイスターの推測を聞いてプリズムも納得の声を上げる。すると辺りから拍手の音が鳴り響き一同はその発生源に視線を向けると前回の時と同様にバッタモンダーが拍手を送っていた。
「正解。ツイスターの言う通りさ。でも、素早く動ける理由がわかった所で君達が勝てる可能性が上がった訳じゃ無いよ」
ツイスターの推測が当たっていることを認めるバッタモンダーは余裕は保ったままであった。確かに素早く動ける仕組みがわかってもそれを対処する術が無ければこの戦いに勝つ事が出来ないのだ。
「まっ、最も君たちがランボーグの同等、またはそれを上回る速さが無ければ勝てないけどそんな物がある筈g「あら、速さならあるわよ」……え?」
先程まで余裕の表情を浮かべていたバッタモンダーはツイスターの発言を聞いて固まってしまう。そんな彼を他所にツイスターはテンペストバトンを取り出しスカイトーンを装填する。
「大いなる風よ!私達に力を!」
そう言うと手元からテンペストバトンが離れ、ハート型からバトン形態に変形すると回転して強烈な風を発生させる。
「プリキュア!ストームフィールド!」
テンペストバトンから放たれる風が4人の身体を覆うと緑のオーラへと変わる。
「さあ、行くわよ‼︎」
「「「うん(はい)‼︎」」」
ツイスターを先頭に4人は物凄い速さで駆け出していく。対してランボーグは迫り来る4人に逃げつつ衝撃波を放つがそれをあっさり避けられ、そのままスカイが一気に加速しランボーグの懐に潜り込む。
「はあああああっ!!!」
『ランッ!?』
強烈な一撃を腹部に叩き込まれるとランボーグは吹き飛び、その先にはツイスターが待ち構えており足に風を纏わせる。
「飛んで行きなさいっ!!!」
『ンボォッ!!!』
今度はツイスターにより蹴り上げられランボーグは宙を飛び、更にオレンジ色の残像を残しながら飛ぶウィングがランボーグの真上へ行くと右足を高く掲げる。
「落ちろっ!!!」
『ボオオオオッ!!!』
ランボーグはウィングの踵落としを喰らうと地面に叩きつけられてしまう。更に其処へプリズムが自身の周囲に大量の光弾を作り出す。
「いっけえええええ!!!」
『ランボォォォオオオオオオオオッ!!!』
プリズムが作り出した光弾を全てランボーグに発射し、ランボーグは雨の様に降り注ぐ大量の光弾をその身で受けて悲痛の叫びを上げる。
「んな、なっ、なんだってぇーっ!!?」
一方でランボーグがプリキュア達に速さで負けた上にボロボロにされていくその光景を目の当たりにして◯ンクの叫びの如く衝撃を受けた顔になる。
「(お、落ち着け俺!まだ、奥の手はある!)へ、ヘぇ〜、や、やるじゃ無いか…な、なら僕はそろそろ本気を──」
本気を出そうと言ってドーピングカプセルを取り出してランボーグに向かって投げようとした時だった。
「プリキュア!プリズムチェーン!」
「ぬおっ!?こ、これは!?」
突然どこから共なく飛んできた見覚えのある光の鎖にバッタモンダーは鎖の伸びる方向に視線を向ける。
「お、お前ら何しやがるっ!?」
其処にはベリィベリーに支えて貰いながらプリズムチェーンを操るレモネードがバッタモンダーの身体を縛りつけていたのだ。
「悪いが、らんこ達の戦いに横槍は入れさせないぞ」
「横槍って、あれは俺の作り出したランボーグだぞ!?それを強化させるのに横槍も何もあるか!!!」
ベリィベリーの言い分に文句を訴えるバッタモンダーであるがそんな彼の発言をベリィベリーは聞かずレモネードに指示を出す。
「お前の言い分などどうでも良い!レモネードやれ!」
「いや、どうでも良い訳g「はい!そりゃああああああっ!!!」って、うおおおおおっ!?」
ベリィベリーの指示を受けたレモネードはプリズムチェーンに縛り付けたバッタモンダーを振り回していき、その勢いで近くのゴミ捨て場に向かって投げ捨てた。
「く、くっせええええええっ!!!」
「よし、今だ!」
「皆さんやっちゃって下さい!」
ゴミ捨て場に投げ込まれたバッタモンダーは周りのゴミ臭さに悶え苦しみ、その間にベリィベリーとレモネードはランボーグと戦うツイスター達に決着をつける様に指示を出した。
「2人ともありがとう!スカイ、プリズム決めるわよ!」
「はい!」
「うん!」
ツイスターの呼びかけに応じたスカイとプリズムはスカイミラージュを取り出しにそれぞれスカイトーンを嵌め込む。そして、ツイスターもテンペストバトンを再び取り出しスカイトーンを嵌め込むと竜巻が放たれ、スカイとプリズムの身体を包み青と白のオーラへと変化する。
「ひろがる勇気!」
「輝く希望!」
「嵐を起こす絆と共に!」
そこにツイスターが更にエネルギーを照射する。そして、スカイとプリズムが手を繋ぐ。
「「エクストリーム!」」
「ツイスターズ!!!」
スカイとプリズムの空いている手を突き出すと目の前に三つのリングが出現し、それが重なると青、緑、白のエネルギーが放出されランボーグを飲み込み浄化する。
『スミキッター』
浄化された事によりランボーグは元の武器へと戻り、キラキラエナジーが発生する。それを見たスカイはミラーパッドを構えるとキラキラエナジーがミラーパッドの鏡面に吸い込まれていく。
「ミラーパッド、オッケー!」
キラキラエナジーの回収に成功すると、破壊された店や道も修復される。
「チックショー!!!スピードアップ出来るなんて聞いてねえぞキメラング!!!…ハッ、おっと、いけない。今回も勝利の女神は君達に微笑んだ様だけど、次回はどうかな?またね、バッタモンモン」
激昂するバッタモンダーだが、落ち着き相変わらずなキザな態度を取るとショックキャノン砲を回収して撤退して行った。
バッモンダーが帰って行ったのを確認すると4人は互いにサムズアップをする。
「やりましたね。皆さん!」
「ああ、相変わらず見事だったぞ」
すると4人の元へレモネードとベリィベリーがゆっくりとやって来る。
「こちらこそありがとうございます」
「ええ、あの馬鹿が途中でランボーグをまた強化させようとした時にはヒヤヒヤしたわ」
「うん、2人のお陰だね」
「ええ、ベリィベリーさんと…それに…えっと」
一同はベリィベリーとレモネードに御礼を言おうとするが、4人はレモネードの名前を知らず言葉が詰まってしまう。それに気付いたレモネードがにっこりと笑みを浮かべ口を開く。
「紹介が遅れました私はキュ「おーい、みんなぁー!」って、え?」
自己紹介をしようとしたレモネードだが遠くから自分達に話しかけてくる声に反応し、思わず振り返る。
「あ、あげはさん」
「あげは姉さん遅い」
「ご、ごめんね。というかツイスターが真っ先に変身して飛んで行ってそれに続いてスカイ達も変身して私を置いていくなんて酷くない?」
「えるっ」
終わった後にきたあげはだが一同に置いて行かれてしまった為、遅れる事になったと伝えるとエルと共にムスッとした表情を浮かべる。対して一同も置いて行った事を思い出し「あっ」と声を上げる。
「す、すいません!忘れてました!」
「ご、ごめんあげは姉さんにエル!」
「本当にごめんねあげはちゃん!」
「プリンセスも申し訳ありませんでした!」
それぞれ置いて行った事について謝罪するとあげはは「うんうん」と納得の声を上げる。
「分かればよろしい。それにしても戦いは終わった見たいだし、ベリィベリーちゃんも無事で……って、ええええっ!?まさか、新しいプリキュア!?」
「ぷいきゅあ!?」
「あ、どうも初めまして、キュアレモネードって言います」
周りを見渡してあげはも問題は解決したと判断したがその際、初めて見るキュアレモネードにエルと共に驚きの声を上げ、レモネードは丁度良いから自己紹介を行った。
「あっ、こちらこそ初めまして…ゴホン、私は聖あげは!18歳!血液型はB!誕生石h「ねぇ、あげは姉さん、またその長過ぎる自己紹介をするの?」ええ?だって、初対面の子に覚えて貰うにはこう言った方が印象に残りやすいでしょ」
「いやぁ、あげはちゃんはもう十分印象に残ってると思うけどなぁ」
また長い自己紹介をしようとしていたあげはにツイスターはげんなりした表情を浮かべ、プリズムは苦笑いを浮かべる。そんなやり取りにレモネードは口元を抑えて笑い声を堪える。
「プフッ、面白い人達ですね」
「ほら、なんだかあげは姉さんの所為で私達にも変な印象……ん?」
レモネードに笑われた事にあげはに注意をしようとしたツイスターだが、途中で動きを止めてゆっくりとレモネードに視線を向ける。
「あれ、やっぱりあんたの声…なんだか聞き馴染みがあるようn「ロプ…」ん?」
レモネードの声が気になり彼女を見つめようとしたツイスターだが、そんな時レモネードの片手に抱えている鳥の姿のシロップが声を漏らした事に反応する。
「あっ、シロップ起きたの?」
「レモネード…あっ!そ、そうロプ!あいつと怪物はどうなったロプ!?」
今まで気絶していたシロップが自分が気絶している間に何があったのかレモネードに聞こうとした時。
「と、鳥が喋ったぁぁぁぁぁっ!?」
「ウィング…それ、ギャグだよね?」
鳥の姿で喋るシロップにウィングはコメコメ達を初めて見た時と同じ様に驚き、それを見たプリズムは苦笑いを浮かべながらツッコミを入れる。
「ん、なんだ喧しいロプ…ん?その姿って…まさかプリキュアロプ!?」
「そうなんだよシロップ。この人達がバッタモンダーと怪物を倒したんだよ」
目の前にいる一同の姿にプリキュアと気付いたシロップにレモネードはランボーグをツイスター達が倒したと伝える。
「そうなのか?ありがとうロプ」
「気にしなくて良いですよ。困っている人を助けるのはヒーローとして当たり前です」
「ええ、それにこの街は私達の住んでいる街だから私達が解決するのは当然よ(ああ、触りたい…!)」
お礼を言うシロップに対してスカイ達は当然の事をしたまでと返事をするも内心ツイスターはシロップを触りたい衝動を抑えていた。
「そうロプか……ん、あっ!レモネード大変ロプ!時間が!」
「え…あっ、いけないもうこんな時間だ!」
「お、おい、急にどうした!?」
近くの時計を見てシロップとレモネードは慌てた表情を浮かべ、その様子にベリィベリーは気になって何があったのか話しかける。
「皆さんごめんなさい!もっと皆さんとお話したいけど、友達との待ち合わせ時間に遅れちゃいそうで今すぐ行かないと!」
「それは大変!それなら私が車で乗せて行こっか?」
友達との待ち合わせ時間に遅れると心配するレモネードにあげはは自身の車に乗っていくかと提案するが。
「それなら問題ないロプ。シロップに任せるロプ」
「いや、任せるって…」
「まさか、飛んでレモネードを運ぶんですか!?」
シロップが自信満々に胸を張っている姿にスカイは飛んでいくのではと推測する。それを聞いてウィングが苦笑いを浮かべる。
「いやいや、流石に無理j「そうロプ」…え?」
すると、シロップの姿が次の瞬間人形の大きさから人を5人以上も簡単に運べそうな巨大な鳥へと姿が変わる。
『ええええええええっ!?』
「と、鳥さんが大きく!?」
「でっかい、でっかい」
シロップが突然大きくなった事に一同は驚き、エルは楽しそうな笑みを浮かべる。その間にレモネードはシロップの背中に乗り込んだ。
「それでは皆さんまたお会いしましょう」
「手紙とかあればシロップが運んで行くロプよ」
そう言ってレモネードを乗せたシロップは翼を羽ばたかせ、飛んでいってしまった。残された一同は呆然の表情で2人を見送り唯一エルは手を振って別れの挨拶をしたのであった。
──────
その後の帰り道、一同は虹ヶ丘家に向けて街の中を歩いていた。
「いやぁ、それにしてもまさか他のプリキュアに遭遇するなんて思わなかったですよ」
「うん、あのレモネードって人は見た感じ1人だったけど他にも仲間のプリキュアがいそうだったね」
「そうね…まぁ、次会った時は詳しく話をしてみましょうか」
今日邂逅したキュアレモネードについて思い返しており、彼女もまた自分達と同じく仲間がいるのだろうと推測する。尚、らんこは結局レモネードの正体が誰なのか分からずもどかしさを感じた。
「ええ、僕もあのシロップ…いえ、師匠と話をしてどうやって飛んでいるのか詳しく聞いてみたいです」
「師匠って…そう言えば少年とシロップって子はなんだか似てるよね。エルちゃんもそう思うでしょ」
「ちゅばしゃとしょっくり〜!」
ツバサ達は彼女と共にいたシロップについて話が盛り上がる中であげははツバサがシロップを師匠呼ばわりする事に引き攣った笑みを浮かべる。そんな中先程から喋って無かったベリィベリーが口を開く。
「その…らんこ、ちょっと良いか?」
「ん、なにベリィベリー?」
ベリィベリーは何やら言い辛い様子でらんこに話しかけ、らんこもベリィベリーに耳を貸す。
「いやな、その…重く無いのか?」
「大丈夫よ、これくらい」
ベリィベリーの質問にらんこは問題ないと答える。現在ベリィベリーは先程までの戦いで受けた怪我により1人で歩けない為、当初はソラに背負って貰う予定だったのだが、らんこが自分からベリィベリーを背負って運ぶと言い出した現在に至るという訳だ。
「そうか…その重くなったら直ぐに言うんだぞ」
「本当に大丈夫よ。あんたは家に着くまで寝てなさい」
「ああ、そうさせて貰うよ」
ベリィベリーは安心した様子でらんこの首元に顔をうずくめると深く息をする。
(ああ、らんこの匂いと感触を合法的に体感する事が出来るとは…!)
怪我をしてらんこに運んで貰っているこの状況にベリィベリー は興奮し、息を荒くする。それによりらんこは若干くすぐったかったが我慢する。
「あの、らんこちゃん…よかったら私か変わってあげようか?」
今のベリィベリーは先日のソラにやった時の様に何をするか分からず、下手をすればらんこの貞操に危険が及ぶと思いましろは変わろうかと提案する。なお、それを聞いていたベリィベリーはましろに向かって"空気を読め!"と言わんばかりの念を送る。
「ありがとうましろ。でも、今回は私に任せて」
「で、でも…!」
(引っ込めましろ!私の領域に入ろうとするな!)
引き下がらないましろにベリィベリーは少々敵意が漏れそうになり掛けると、らんこが口を開ける。
「今回ベリィベリーが怪我をする原因となったのは私と喧嘩が原因なの、あの時私が怒んなければベリィベリーは怪我をせずに済んだのに……」
「らんこちゃん…」
(らんこ…)
責任の為にベリィベリーを運ぶらんこにましろはなんとも言えない表情を浮かべ、ベリィベリーも思わずらんこの服を握り締める。
「だから今回は私に最後までやらせて…お願い」
「らんこちゃん……わかったよ」
ましろはらんこの目を見てこれ以上の説得は無理と諦めて引き下がり、ベリィベリーもらんこの発言に虹ヶ丘家に到着するまで何もせずらんこの背中に寝る事にするのであった。
ーおまけー
その日の夜の虹ヶ丘家ではましろは入浴を終え、身体に湯気をたちのぼらせながら次に入る予定のベリィベリーを呼びに彼女の部屋の前にやってきて扉を開ける。
「ベリィベリーさんお風呂が開いt「んあああっ!らんこぅぅぅぅぅ!!!」
風呂の番が回ってきた事を伝えようとしたがそこには今日購入したナイトドレスを着てベットの上で自身の身体を弄るベリィベリーの姿があり、それを見てましろは絶句する。
「ら、らんこが…らんこが私の事を大事、大事って言ってくれたぁ!これは間違いなくプロポーズだよなぁ!?うん、プロポーズに違いないなぁっ‼︎」
「……」
昼間で傷ついた自身の姿を見てバッタモンダーに向かって言った台詞を思い出して興奮する。そんなベリィベリーを見てましろは音を立てずゆっくりと廊下に出て扉を閉める。
「ふぅー、はぁー……次はソラちゃんかツバサ君で良いや」
「んあああああっ!!!◯くぅぅぅぅぅっ!!!」
ましろは部屋から聞こえる声に現実逃避しながらその場を去っていく。尚、隣の部屋が自分の部屋である事を数秒後に思い出したましろは一筋の涙を流すのであった。