ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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前回に引き続きコラボとなります。ですがちょっとコラボ要素が薄くなってます。それでは第二話をどうぞ。


第77話 園児からの人気

河川敷での戦いから数日が経過し、本日はあげはの待ちに待った保育園での実習が始まる日なのだ。

 

「初めまして!私は聖あげは!まだまだ見習いの先生だけど、最強の保育士目指してます!よろしくお願いします!」

 

目の前にいる子供達に挨拶をするあげは。彼女は緊張などしておらず逆に子供と接する事に嬉しい気持ちとなっていた。子供達はあげはに挨拶を返すとその中の1人の男の子が「あー!」と驚いた声を上げながらあげはに指を向ける。

 

「あの時キュアウィングと一緒にいたお姉さんだ!」

 

「えっ!?」

 

キュアウィングと一緒にいたと聞いて思わずギョッとなるあげは。すると周りにいた子供達はキョロキョロと2人を見比べる。

 

「たけるくんほんとに?」

 

「うん、僕この前あげは先生とキュアウィングに助けられたんだもん!」

 

「あっ!君ってもしかしてあの時の!」

 

たけるという名の男の子の顔を見て漸く思い出す。この前の河川敷にて戦いの余波で飛んできた看板に当たりそうになった男の子だと気付く。

 

「て事はあげは先生ってプリキュアと知り合いなの?」

 

「あげは先生はプリキュアのなかま?」

 

「あげは先生は最強だからプリキュアなの?」

 

「あ、あばばばば…わ、私はプリキュアじゃないよ!プリキュアの仲間…的な感じ?」

 

たけるの発言からあげはがプリキュアと繋がりがある事に気付いた子供達は一斉にあげはに質問し、あげはは慌てるも何とか冷静になって答える事で一旦その場は落ち着くのであった。

 

──────────

 

それから実習1日目を終えたあげはは帰りに虹ヶ丘家へ寄っていた。

 

「と言う訳で保育園のみんなからファンレター貰って来たよー!」

 

「「「おおーっ!!!」」」

 

テーブルには保育園の子供達の手紙が入った箱が置かれ、それを見たソラ達や巣箱から見ているツバサも目を輝かせる。一方で遊びに来ていたらんこはベリィベリーと共に雲パンを頬張りながら呆れた眼差しをあげはに向けていた。

 

「あげは姉さんプリキュアの正体は秘密でしょ?それなのに子供達にバラしちゃったの?」

 

「全く感心しないぞ。これで後日子供達や此処とらんこの家に押し寄せてたらどうするんだ?」

 

ソラ達とは対称的にらんこ達はあげはに否定的な意見を出すとあげはは「てへっ」と言って舌を出す…俗に言うてへぺろをした。

 

「お、お二人の言う通りです。これで今後の活動に支障でも出たら…」

 

「ごめんごめん。でもこれを見てよ」

 

らんこ達の言葉に先程まで喜んでいたツバサもハッとなりあげはに注意をするもあげはは謝罪しつつツバサに1枚の手紙を渡す。

 

「何々…"きゅあうぃんぐ、だいすき"……」

 

書かれている手紙の内容にを見てツバサは思わず固まる。書かれている字は雑ではあるもののそれは子供特有のまだ描き慣れてなさで其処に書かれている言葉から自分に対する好意の感情が大きく伝わってくる。

 

『ときめきなさい!エースショット!バキューンッ!!!』

 

「ズキューン!!!」

 

(誰よ、あんたは?)

 

気の所為か、プリキュアの様な衣装を纏った見知らぬ赤髪の女性が口紅の様な杖でツバサのハートを撃ち抜いた様に見えた。尚、それはらんこだけが見える幻覚で彼女は心の中で謎の女性に対してツッコミを入れる。

 

「たける君…あ、この前河川敷で飛んでくる看板から守った男の子なんだけどウィングの大ファンみたいなの」

 

「だい……ファン……」

 

あげはの言葉にツバサは再び固まる。プリキュアになってから彼はヒーローの様にランボーグと戦いエルを守り、スカイランドの国民からも尊敬の眼差しを向けられてきた。だが、こう言う個人のファンレターや自分が推しであるファンの人間がいると言う事実を突き付けられた事に再び自身のハートが大きく鼓動を鳴らす。

 

『プリキュア!ハートシュート!!!』

 

「ドキューン!!!」

 

(いや、今度は誰よ!?)

 

先程の女性とは別にまたプリキュアの様な桃色の衣装を纏った金髪の少女がウィンクをすると共に手に持っていた弓の様な武器で再びツバサのハートを撃ち抜いた様に見えた。尚、やっぱりそれはらんこにしか見えぬ幻覚で再びツッコミを入れる。

そして、2度も自身のハートを撃ち抜かれたツバサは顔を隠す様にあげはに背を向ける。だが、オレンジ色の彼の身体は薄らと赤くなっている。

 

「へ、返事は…いちゅかけびゃ///」

 

「わあっ!ありがとう!」

 

先程からの手紙の嬉しさにツバサはつい舌を噛んでしまうもお礼の手紙を書く事にあげははツバサに抱きつこうとするも避けて人の姿になる。

 

「全く、たかが手紙で浮かれるなど、それでよくもプリンセスの騎士を自称するな」

 

「なっ!?…そ、そんな事はありません!手紙の返事を書かない事はナイトとしての礼儀に反します!…そうですよねプリンセス?」

 

「でしゅ」

 

ベリィベリーの冷ややかな眼差しにツバサは手紙の返事を書くのはナイトの義務であるという分かりやすい言い訳をし、それを聞いたベリィベリーは溜息を吐く。

 

「まあまあ、ベリィベリーちゃんもそう言わずに…それにベリィベリーちゃん宛の手紙もあるよ」

 

「ん…私の分もあるのか?」

 

てっきり自分はプリキュアじゃないから貰うことは無いと思ってたベリィベリーはあげはから複数枚手紙を受け取るとその内の一枚の内容を読む。

 

「"べりぃべりぃちゃん、つよくてかっこいいよ"……ズキューン!!!」

 

手紙を読んだベリィベリーは先程のツバサと同じリアクションを見せるも直ぐ様ハッとなり「ゴホンッ」と咳払いをする。

 

「ま、まぁ、ファンを大事にするのは騎士として正しい行いだからな適当に返事を書くとするか////」

 

「そ、そうですね。あ、でも相手は園児だからひらがなで返事を書かないと…」

 

普段厳格な性格をするベリィベリーだが子供達の純粋な気持ちで書かれたファンレターについ心が揺さぶられツバサと共に返事を書こうとする。そんな様子にらんこは溜息を吐く。

 

「はぁ…あんた達揃い揃って浮かれ過ぎでしょ。ツバサだけじゃ無くベリィベリーまで…」

 

「「うっ」」

 

呆れた眼差しをらんこから向けられた2人は罰悪そうな顔を浮かべる。

 

「そ、そう言ってらんこさんも内心は嬉しいんじゃないですか?」

 

「そ、そうだ…!お前も自分からのファンレターを読めば私達と同様に顔がニヤけるに違いないぞ!」

 

「そんな訳ないじゃない。私はいつも言ってるでしょ?目立つ事は嫌だって」

 

2人の言葉にらんこは否定する。周りの人は存じているがらんこは目立った事を苦手とする。前回の体育祭の様に人々からの注目される事を恥ずかしく思い彼女は目立つ事は基本的に避けてる。だから今回のファンレターに対してもソラ達の様にあまり嬉しい気持ちは湧いてこないのだ。尚、同じ学校の生徒からラブレターを貰う際は恥ずかしい感情が強く出るため嬉しい感情の方はあまり感じない。

 

「でもさ、らんこちゃんも想像してみてよ。子供達が私達に感謝の言葉が入った手紙を書いてくれるんだよ」

 

「ええ、其処に書かれている自分宛の手紙を読むと心がとても幸せになりますよ」

 

「感謝の手紙…読むと幸せ……」

 

ソラとましろの言葉にらんこは反芻する。以前学校の生徒から貰ったラブレターは自分への告白の内容が強く、お礼の言葉など書かれた事がない為、あまり2人の言葉にピンと来ない。此処でましろが何かを思いついた表情を浮かべる。

 

「そうだ!らんこちゃんの推し……うららちゃんやまこぴーに対してファンレターを送るでしょ。それで2人がらんこちゃんに手紙のお返しの言葉を送ってくれる…そんな想像をして見て」

 

「うららとまこぴーが…私の手紙を……」

 

ましろの言葉を聞いてらんこは想像する。自分が書いた感謝の手紙を読んだ2人が嬉しい表情を浮かべて後日自分宛に2人の手紙が届く事を想像したらんこは思わず口元が緩む。

 

「(い、良いわね…)そ、そうね。確かに悪くないわ。でも、私は貰ってもあまり嬉しくはないけど、子供達の書いたファンレターをちゃんと受け取って返事を書くのが義務よね」

 

「なんだ、やっぱりらんこさんも本当は嬉しいじゃないですか…」

 

「あー言うところがらんこの可愛い所だからな」

 

相変わらずのツンデレっぷりを見せるらんこにツバサとベリィベリーは小声で話し合う。そんな中あげははらんこに一枚の手紙を渡す。

 

「それじゃあらんこちゃん。これをあげるよ」

 

「あ、私の手紙ね。えっと、内容は?」

 

あげはから貰った手紙を受け取ると早速書かれている内容に目を通す。

 

「"たすけてくれてありがとう"…助けてくれてありがとうって、この手紙を書いた子って私が前に助けた事があるってことかしら?」

 

手紙の内容からしてこれを書いた子供が以前自身が助けた事のあるという事の様に聞こえ不思議に思っているとあげはが口を開く。

 

「この子はこの前の河川敷らんこちゃんがランボーグの攻撃から守った子だよ。ほら、その後皆んなの正体を見たあの子」

 

「え、あの時の!?」

 

まさかこの手紙を書いた子供が以前己の身を挺して守った男の子にらんこは驚いたあげはの実習先の園児という事もあり不思議な縁であると思いつつ手紙を開く。

 

「驚くところはその先だよ。その子の名前を見て」

 

「名前?えっと、"らいた ひかる"……え?雷田ひかるですって!?」

 

「「「ええっ!?」」」

 

「えるっ!?」

 

「どうしたんだ?皆んなそんな驚いた顔をして?」

 

手紙に書かれている名前が自分達の知り合いかつらんこに好意を抱いている男の子に名前が全く同じ事にらんこ達は驚きの声を上げる。尚、この中で唯一ひかるの存在を知らないベリィベリーは驚く一同を見て首を傾げる。

 

「あげは姉さんこれって!?」

 

「私も驚いたよ。全く同じ名前にね」

 

あげははそう言って今日の実習先のソラシド保育園での出来事を思い出す。

 

──────────

 

それは自分の担当するクラスの子達がプリキュア達の手紙を書いている時だった。子供達はそれぞれ個性的な文章に絵を書いている姿にあげはは笑みを浮かべながら見ているとそこに一人の子がやってくる。

 

「あの、先生…」

 

「あれ、君は確か…」

 

あげはは自分に話しかけてきた子供に視線を向けるとそこに居たのは以前河川敷にいたたけるとは別の男の子だ。

 

「あの時は名前を聞きそびれちゃったけど、名前はなんて言うの?」

 

「うん、おれはひかる。らいたひかるだよ」

 

「そっか、ひかる君だね…ん、ええっ!?雷田ひかる!?」

 

男の子の名前が自分の知り合いと全く同じ事にあげはは思わず声を上げてしまい周りにいた子供達も一斉あげはに視線を向ける。

 

「先生どうしたの?」

 

「う、ううん。なんでも無いよ。皆んな気にしないで」

 

たけるがあげはに話しかけるもなんでも無いと答えると子供達は不思議に思いつつも再び手紙を書く事を続ける。

 

「ひかる君もごめんね。ちょっと知り合いと全く同じ名前に驚いちゃってさ」

 

「え、そうなの?」

 

改めてひかるをよく見ると自分達の知るひかるとは髪型が異なるも髪の色は黄色で顔付きもそっくりな事に自分達の世界の雷田ひかるに違いないと確信する。

 

「それでひかる君はどうしたのかな?」

 

「これを…キュアツイスターに…」

 

そう言ってひかるは恥ずかしそうにツイスター宛ての手紙をあげはに渡す。やはり世界は違えどらんこを好きになるのは同じである事にクスリと笑みを浮かべる。

 

「そんなに変かな…ツイスターに書くのって?」

 

「ううん、勘違いさせてごめんね。でも、どうしてひかる君はツイスターの事が好きなの?」

 

笑った事に対して謝るとあげはは好きになったキッカケを尋ねた。

 

「じつはまえに、町で助けてもらったんだ」

 

「え、町で?」

 

てっきりこの前の河川敷にて助けたのが初めてかと思ったが、既に経験があった事にあげはは驚きつつ詳しい事を聞いた。

 

「うん、今からなん月か前に町でお母さんと買い物してたらUFOが現れてその時たすけて貰ったんだ」

 

「えっ、それって確か…」

 

UFOと聞いてあげははとある日を思い出す。それは恐らくカバトンが作り出したランボーグで操縦して操っていた物だろうと推測する。恐らくツイスターがスカイ達と合流する前に町で逃げ回っている中で巻き込まれた所を助けたのだろうと考える。

 

「そっか、じゃあこの前の事でツイスターに助けられるのは2度目だね」

 

「うん、だからぜったいこれをツイスターに渡して」

 

そう言ってひかるは自分の書いた手紙をあげはに託したのであった。

 

──────────

 

「という事があったんだよ」

 

「へぇ〜、そんな事が」

 

「まさか、こっちの世界にもひかる君がいたなんて驚きですね」

 

「える!」

 

「おい、だからそのひかるって何者だ?私だけ情報が共有出来ていないんだが」

 

ソラ達もあげはの話から小さいとはいえひかるがこちらの世界に存在している事に驚く。一方でひかるの事を知らないベリィベリーは自分だけ除け者にされている感じで不満そうな顔を浮かべる。

 

「良かったですねらんこさん」

 

「そ、そうね////」

 

ツバサが話しかけると先程まで手紙を読んでいたらんこは顔を赤くする。別人とはいえひかるからの手紙と改めて認識すると嬉しいのか口元を少し緩める。

 

「ん、どうしたらんこ?そんな顔を赤くして?」

 

「い、いや、別に…」

 

らんこが顔を赤くしている事に気づいたベリィベリーは気になって話しかけるもらんこは何でもないと誤魔化す。

 

「いや、そんな顔を赤くして何でもないは無理があるぞ!何か隠しているのか!?」

 

ベリィベリーはらんこが自分には内緒で何かを隠していると睨み問い詰める。

 

「な、何でもないわよ‼︎そ、それよりもあげは姉さん他の手紙は無いの?」

 

「え?」

 

しつこく聞いてくるベリィベリーに何でもないと告げると話題を転換する様に残りの手紙についてあげはに問う。するとあげはは何やら言いづらそうな顔を浮かべつつ恐る恐るらんこに話しかける。

 

「あー…らんこちゃん……子供達の手紙欲しいの?」

 

「いや、別に私としてはあまり欲しく無いけどせっかくの子供達の好意を無碍にするのは私としてもあまりしたく無いから仕方なく…あ、仕方なく貰わないと」

 

確認してくるあげはにらんこは面倒臭い事を言いつつ遠回しに手紙を欲していた。

 

「それで残りはあの箱の中かしら?」

 

「あの…らんこちゃん。いやね…それが…」

 

他の自分宛の手紙を探そうとするらんこにあげはは何かを言いかけるも躊躇っている様子にらんこは首を傾げる。

 

「なによ?さっきから焦らす様な言い方をしているけど、言いたい事があるならはっきりと言ってよ」

 

先程から何かを隠している様子のあげはに不思議に思ったらんこは喋る様に促す。するとあげはは意を決して口を開く。

 

「実は…らんこちゃんのファンレターは…ひかる君のだけなんだよね…」

 

「……は?」

 

「「「「え?」」」」

 

「える?」

 

あげはの発言にらんこ達は声を漏らして固まる。すると、らんこを除く4人がいち早くハッとなる。

 

「お、おいあげは、あまり笑えない冗談はよせ」

 

「そ、そうだよ。やだなぁあげはちゃんったら」

 

「そうですよ…そうですよね。今のはあげはさんの冗談ですよね」

 

「ま、全く、あげはさんったら人を揶揄うのが上手いんですから…」

 

先程のあげはの発言は冗談だろうと思った4人は笑いながらあげはを注意するが、彼女の目は本気の目だった。

 

「いや、冗談とかじゃ無くて本当なのよ」

 

「「「「………」」」」 

 

2度目のあげはの発言に再びソラ達は無言になり、チラッと今も固まるらんこを見るとソラ達は互いに目を合わせし頷きあうと一斉に箱に入っている残りの手紙を選別を始める。その結果中にあったのは自分達の手紙のみでらんこの手紙は一枚も入ってなかったのだ。

 

「な、なんでですか!?なんでらんこさんの手紙がないんですか!?」

 

「そ、そうだよ!らんこちゃんは私達と一緒に最初の頃から戦ってきたのにおかしいよ!」

 

箱の中にらんこ宛の手紙が無かった事にソラ達は何かの間違いであると決めつける。

 

「実は…らんこちゃん…キュアツイスターってひかる君を除く他の子供達からは人気が無いみたいなの」

 

「あげは貴様ァ!!!らんこに人気が無いだと!?事と次第によっては戦争だぞ!!!」

 

「ちょっ!?暴力は駄目ですよ‼︎」

 

らんこに人気が無いと聞いてベリィベリーは怒りの形相を露わにしあげはに飛びかかろうとするがソラに取り押さえられる。

 

「お、落ち着いて下さいベリィベリーさん!!!」

 

「そうですよ!気を鎮めてください!」

 

「これが落ち着いてられるか!?らんこに人気が無い?そんな訳がないだろうっ!!!」

 

ソラ達は説得するものベリィベリーの怒りは収まらずヒートアップしていくと何処から共なく数字の書かれたカードを取り出す。

 

「見ろ!その証拠に我がらんこファンクラブは現在100人以上のメンバーがいるんだぞ!そんならんこに人気が無い訳無いだろう!」

 

「…ん?ファンクラブ……ちょ、ちょっと待って!ファンクラブって、あんたいつの間にそんなの入ったのよ!?」

 

「あ、らんこさんが正気に戻った」

 

ベリィベリーが自身のファンクラブに入っていると聞いてらんこは正気に戻るとベリィベリーに問い詰める。尚、彼女は会員番号は100番である。

 

「らんこちゃん。ファンクラブの事も気になるけど今は子供達の人気についてだよ。それで話は戻すけどなんでキュアツイスターって人気がないの?」

 

ましろも知らぬ間にファンクラブに入っていたベリィベリーが気になりつつも子供に人気が無い理由について尋ねる。

 

「それがね。どうやらキュアツイスターってスカイ達よりも傷ついて弱いイメージがあるんだって」

 

「よ、弱い…!?」

 

あげはの発言にらんこは思わず固まる。自分が他者から弱いイメージがあるとは思ってもみなく、あげはの口から言われた事に心が少し傷つく。

 

「そんな訳無いだろう!らんこは強くてカッコいいぞ!」

 

「そうですよ!らんこさんが傷つく原因の然程はランボーグの攻撃から私や他の皆さんを守る為にそうなっているんですよ!」

 

らんこの事をよく知るソラ達は彼女が弱いという事を強く否定する。特にソラの脳裏にはかつて街で出現したUFOランボーグや焼き芋屋台ランボーグなどの攻撃から己の身を犠牲にしてスカイ達を助けるなど正にヒーローらしい姿が今でも残っており、それが弱いなど認めたく無かった。

 

「私も分かるよ。らんこちゃんは強いって…でも、他にも理由があるんだけどね」

 

「え、まだあるの?」

 

まさか他にも子供に好かれない理由存在する事にらんこは聞き返した。

 

「言葉遣いと性格が悪い奴に見えるって」

 

「ぐはっ!?」

 

「「「「らんこ(ちゃん)(さん)!?」」」」

 

「にゃんこ!?」

 

2度目の理由が己の言動と性格であると聞いてらんこは胸を抑えて床に倒れ込む。それを見たソラ達は彼女を心配する。

子供は良くも悪くも純粋が故にらんこ(ツイスター)の発言をそのまま受け取った子供達はらんこが仲間達に対して冷たい言葉を与えたりするのを見て嫌な奴だと思っている様だ。

 

「最後にもう一つなんだけど…」

 

「ええっ!?まだあるの!?」

 

「おい、それ以上言うな!すでにらんこの心がボロボロだぞ!完全に再起不能にするつもりか!?」

 

まさかの人気が無い理由が三つ目も存在する事にましろは驚き、ベリィベリーはらんこの心を案じて発言を控える様に言う。

 

「ま、待ちなさい…!私は大丈夫よ…!」

 

「「「「らんこ(ちゃん)(さん)…」」」」

 

「にゃんこ……」

 

既に2度人気が無い理由を聞かされてふらふらの状態であるにも関わらずらんこは床から立ち上がりだす。

 

「私はァッ…キュアツイスタァッ…風波らんこよォッ…!これくらいなんともないッ…!」

 

「いや、さっきまで倒れてましたよね?そんな強g「ふんっ!」うごっ!?」

 

「そ、ソラちゃん!?」

 

何処ぞの団長のみたいに虫の息状態のらんこだが、ソラの発言に頭が来たのか一瞬でソラに腹パンを喰らわて床に倒し、それを見たましろはソラに駆け寄る。ツバサとベリィベリーは下手に口を出すとソラの二の舞になると勘付き口を固く閉ざしてやり取りを見る。

 

「さあ、覚悟は出来てるわ!どんな事を言われようとも私は決して動じないわ!!!」

 

「わ、わかったよ。それじゃあ言うよ。三つ目の人気が無い理由は

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

見た目の色が嫌いだって」

 

「……え、見た目の…色?」

 

3つ目の理由を聞いたらんこは思わず聞き返す。

 

「うん、なんかツイスターの色がピーマンみたいな野菜の色しててで嫌だって」

 

「ピーマン…ピーマンねぇ」

 

「ら、らんこちゃん?」

 

「大丈夫……ですか?」

 

何ともまぁ子供らしい理由にらんこはピーマンという言葉を反芻させ、その行動にましろと腹を抑えるソラが恐る恐る聞いてくる。

 

「そう…つまり緑が嫌なのね……それなら」

 

「ら、らんこさん?」

 

「何をするつもりですか?」

 

何か思いついたのからんこはゆっくりとその場から去り一同は何処にいくつもりなのか後をつけると彼女はキッチンへやってきて冷蔵庫からケチャップを取り出す。

 

「っ!?お、おい、早まるな!」

 

「ちょ、何しようとしてるんですか!?」

 

「らんこちゃんやめて!」

 

「ケチャップで髪を染めようとしないで下さい!」

 

「落ち着いて!落ち着いてらんこちゃん!」

 

「にゃんこめっ!!!」

 

子供から好かれてない…と言うより嫌われている事にらんこは自身の緑の髪を染めようとケチャップを取り出した事に気づいた一同は慌ててらんこを取り押さえてケチャップを取り上げるのであった。

 

──────────

 

それからと言うものの皆んなの説得により髪を真っ赤に染める事を思いとどまったらんこであったが、心に大きな傷が残っていたままであった。

 

「……グスン」

 

床に体育座りをして涙目になり落ち込んでいるらんこにソラ達は恐る恐る話しかける。

 

「ら、らんこちゃん泣かないで‼︎」

 

「そ、そうです!気を強く持って下さい!」

 

「ら、らんこちゃんの良さは私達がよく知ってるよ!」

 

「にゃんこー!」

 

「そ、そうだぞらんこ!子供にはらんこの魅力なんて理解出来なくてもこの私、いや、私達はちゃんと理解しているぞ!慰めてやるから私の胸に飛び込んでこい!」

 

「あの…何でしたら触りますか?」

 

一同は泣き出しそうになるらんこを慰めツバサに至ってはらんこを不憫に思いプニバードの姿になり自身の身体を差し出そうとする。

 

「別に…泣いてなんか無いし」

 

涙を浮かべるらんこに一同は彼女を慰めようとするがらんこ本人は強がりながらも側にあったソラ吾郎人形を抱きしめながら部屋の隅っこに座る。その背中からは哀愁が漂う。

 

「別にハナッから私は気にしてないし。別に今まで人気のために戦ってる訳じゃ無いし…子供達の言葉で私の心は傷つかないし…グスン」

 

「うわぁ…あれは完全に落ち込んでるよ」

 

「見ればわかりますよ」

 

「おいたわしやらんこ…!」

 

「える…!」

 

「でも、どうしよう…どうすればらんこちゃんを元気に出来るの?」

 

絵に描いたような落ち込み様にあげは達はどう声をかけてあげれば良いかと考えているとソラがらんこの元へ歩み寄る。

 

「らんこさん。ファンレターに数なんて関係ありません!」

 

「…あ゛ん゛っ?」

 

「「「「そ、ソラ(ちゃん)(さん)!?」」」」

 

「えるっ!?」

 

ソラの言葉を聞いてらんこは額に青筋を立てながら目の色を変えながら振り返る。それを見たあげは達はギョッとする。一方でソラはらんこの顔に気づかず口を開く。

 

「たとえ私が100枚手紙を貰ってらんこさんは1枚だとしましょう。大事なのは枚数じゃなく手紙に書かれているねt「当てつけか貴様ァ!!!」え、うぎゃああああああああっ!?」

 

またしてもソラは誤ってらんこの怒りを買ってしまい顔面に向かって怒りのアイアンクローを喰らい万力と錯覚しそうな握力にソラは悲鳴を上げる。

 

「アンタァ!その発言は手紙を一枚しか貰えなかった私に喧嘩を売ってるのでいいのよね!?良いわよ!その喧嘩勝ってあげるわよ!」

 

「お、落ち着いてぐだだだだだだっ!私が言いたいのは大事なのは数じゃなくてその手紙、ひかる君に書かれた気持ちって、いだだだだだだっ!!!」

 

らんこのアイアンクローによる痛みに苦しみつつも説得しようとするソラ、対してらんこは少し力を緩めて話を聞く。

 

「ふーん…因みに聞くけど沢山の子供達の手紙を貰った感想は?」

 

「そりゃ勿論ヒーローみたいに慕われてとても嬉しい…あっ!」

 

嘘をつけない体質でソラの本音を暴き出したらんこはソラに足払いをして床に倒すと素早く右腕を掴む。

 

「やっぱりそれが本音じゃない!!!」

 

「うぎゃああああああああっ!!!」

 

右腕を掴んだらんこはそのまま腕ひしぎ十字固めを決め、ソラに大ダメージを与える。技を掛けられたソラは床を激しく叩きギブアップを訴えるもらんこの怒りは収まらずそのまま続いた。

 

「ら、らんこちゃんストップストップ!」

 

「うわっ!?ちょっとらんこちゃんやり過ぎ‼︎」

 

「らんこさん本当にやめて下さい!!!ソラさんの腕が逝っちゃいますって!!!」

 

「めっ!」

 

ましろ達はらんこにやめる様に説得し続けるがらんこは止める気配が無く尚もソラは腕の痛みに悲鳴と苦痛の表情を浮かべ続ける。

そんな中、ベリィベリーだけはらんこを説得せず少し顎に手を当てていると口を開ける。

 

「…よし決めた。あげは、私もその保育園に行くぞ」

 

「「「えええええっ!?」」」

 

こんな状況下で突然保育園に行く宣言をするベリィベリーにましろとツバサとあげはは驚きの声を上げる。

 

「急にどうしたのベリィベリーさん!?保育園に行くって…」

 

「なに、私はらんこの…キュアツイスターに偏見を持つ子供達に正しい事を教えに行こうと考えているだけだ。という訳であげは明日私を保育園に連れて行け。無論子供達の世話もするつもりだ」

 

「いやまぁ、保育園にいる子供って数が多いからお世話をする先生も多くいれば助かるけど……物騒な事…しないよね?」

 

先程までの言動から子供達に拳骨を喰らわせに行かないかとあげはは恐る恐る聞くが「まさか」と首を横に振る。

 

「私は腐っても騎士だ。子供に手を上げる真似はしない。それにスカイランドでは孤児院や教会を回って行ってそこに住む子供達の相手をした事があるからそういう事に関しては経験済みだ」

 

「え、そうなの?…それなら良いかな」

 

「ちょっとあげはさん!?」

 

まさかのあげはがOKを出した事にツバサは困惑の表情を浮かべる。そしてベリィベリーは未だにソラに関節技を決めるらんこに視線を向ける。

 

(安心しろらんこ。この私が直ぐに保育園を緑一色に染め上げてくるからな…そして、そのお礼に……ぐへへへ)

 

「ウデェ!!!ウデガアアアアアアッ!!!!」

 

「こんのおおおおおおおおっ!!!!馬鹿ソラァッ!!!!」

 

「らんこちゃんもう辞めてよぉぉぉぉ!!!」

 

とまぁ相変わらず邪な事を考えていたベリィベリーであった。そして、側にはらんこによって腕に大ダメージを食うソラが苦しみ、ましろが涙目になりながらも許しを乞うのであった。

 

───────────

 

一方でその光景を虹ヶ丘家の窓から機械で出来た青い蝙蝠が胴体にあるカメラのレンズの様な物から眺めており、その蝙蝠が見た光景は街の中にある喫茶店で黒くややデカめのガラケーに映像が映っていた。

 

「ふむ、保育園ですか…確かあげはさんの覚醒した時期は丁度その辺りでしたね」

 

そう呟いたのは前回ソラ達の前に現れた桜井侑斗と名乗る青年だ。彼は自身のとある記憶と映像に映し出される光景を照らし合わせていた。

 

「それにしても人気ですか…フッ」

 

再び侑斗はガラケーに映る関節技で苦しむソラとらんこを見て自身の青春時代が過ぎる。

かつて悪意が存在しない善意に満ちた世界の実現の為にヒーローになろうととある高校へ彼は入学した。そんな高校生活の中で全国から注目を浴びる体育祭で一位になり、自分はプロヒーローから多くの指名を受けた。一方で自分の次…つまり二位という優れた成績を持つにも関わらず、ヒーローを目指しているとは思えない口の悪さと凶悪な顔と行動が原因で三位である2人の生徒に指名数で負けた爆破の力を使う生徒の事を思い出し思わず口元を押さえる。

 

「おっと、つい懐かしい事を思い出しましたね」

 

かつて共に青春を味わったクラスメイト達の事を思い出して感傷に浸るが直ぐに意識を変える。

 

(さて、確かあげはさんが実習先の保育園はソラシド保育園でしたね。ならあげはさんがプリキュアとして覚醒するその日に皆さんと再び会いましょうか…ゼインとして)

 

そう思った侑斗…否、善井正義はカップに入っているコーヒーを飲み干すと会計を終えて喫茶店を出て行くのであった。

そして、彼が喫茶店から去っていくのを近くの家の屋根からキメラングが眺めていた。

 

「クククッ…これは面白い事になりそうだねぇ。帰って色々と準備をしようか♪キメランラン」

 

何か怪しい企みを考えているキメラングは笑みを浮かべるとその場から撤退していくのであった。




今回は前話よりコラボ感が薄くなってますが終盤に向けて強くなりますので是非とも次回も読んで下さい。
コラボ相手の作品のURLを貼っておくので気になった方は是非読んでみてください。

https://syosetu.org/novel/344015/
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