ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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今回はコラボ第3話になります。
それとお気に入り登録者数が100名を超えました。ありがとうございます。これからも引き続き頑張っていきます。それではどうぞ。


第78話 保育園でのベリィベリー

翌日、あげはの保育園実習の2日目が始まる。今日は昨日のベリィベリーの希望の通り彼女が保育園にやってきた。

 

「皆んな紹介するよ。私の友達でプリキュアの仲間のベリィベリーちゃんだよ!」

 

「紹介された通り私がベリィベリーだ」

 

ベリィベリーは子供達に自身の手に電撃を纏わせながら自己紹介をすると子供達はまるで本物のヒーローが来たかのように興奮して声を上げる。

 

「べりぃべりぃちゃんだー!」

 

「ほんものだー!」

 

「かわいい!」

 

「だ、誰が可愛いだ!?それと、ベリィベリーちゃんじゃない!私はベリィベリーさんだ!」

 

「「「さんだー!」」」

 

「ぷふっ」

 

何処ぞのアカデミアに通うデュエリストの様なやり取りがあって直ぐに園児達と仲良くなりあげはは思わず笑い出す。一方でベリィベリーは軽く咳払いをして子供達に質問する。

 

「所でおま…君たちはプリキュアが好きみたいだが、誰が好きなのか教えてくれないか?」

 

昨日のファンレターでベリィベリーはらんこがまさかの一枚という事をまだ認めておらず直接聞こうと思い子供達に質問する。

 

「僕はキュアウィング!空を飛んでかっこいいんだもん!」

 

「おれはキュアスカイ!」

 

「私はプリズム〜」

 

だが、現実はベリィベリーの理想を裏切り実際に子供達のほぼ全員はツイスターを除くプリキュア達の名を上げる。それを聞いたベリィベリーは顔を引き攣らせつつも口を開く。

 

「あー、キュアツイスターはどうだ?風を操り、マフラーを靡いたり専用の武器を持ったりと他の3人と比べてたくさんの特徴があってカッコいいと思うんだが…」

 

「ツイスター?全然」

 

「だって他のプリキュア達よりも怪我して弱いじゃん」

 

「それに口も悪いし性格も怖いし」

 

「ぐっ!き、貴様らぁ…!」

 

「べ、ベリィベリーちゃん抑えて!抑えて!」

 

自身の愛するらんこの悪口を聞かされベリィベリーは切れかけるも何とかあげはが宥めて事なきを得た。

挨拶が済んだ所でベリィベリーはあげはと共に実習に入って行く。まずは子供達と遊び、赤ちゃんのおむつ交換や食事をする。その後はお昼寝をさせたりと沢山の仕事を行なった。また、お昼寝が終わった後子供達は再び遊び出す。その際にベリィベリーは子供達に付き合って自身の電撃を見せたりして自分のファンやそれ以外の子供達を喜ばせていた。このように順調に見えたベリィベリーの実習だったものの、彼女は内心で結構焦っていた。

 

(くっ…子供達にらんこの事を好きになって貰うのがこうも難しいとは…!)

 

遊びながら自分のファンにもツイスターの事を勧めるが、全く効果は無く好きになって貰えない。やはり日頃から敵味方関係無く、口の悪さと性格がスカイ達と比べて際立ってるせいで例えるなら初期の◯ジータ並に好感度が低いのだ。

 

「だが、私は諦めない‼︎絶対子供達にツイスターを…らんこの事を好きになって貰う…!」

 

全ては己の愛するらんこの為にと自身にやる気の炎を燃え上がらせるベリィベリー。普段からこれくらいの情熱が有ればプリキュアに成れる可能性が有るのだが、残念な事にらんこへの邪な考えが邪魔してるが故に変身にまでは至ってない。本当に勿体無いんだよなぁ。

 

「む…今誰かにディスられた様n「あ、あのぉ…」ん?」

 

誰かに悪口を言われた様な感覚に見舞われたベリィベリーだが其処へ子供が話しかけてきて彼女は声の聞こえた方へ振り向くと其処には以前河川敷で助けた男の子がいた。

 

「お前は…」

 

「お、おれはらいたひかる。おれもキュアツイスターが好きです」

 

「おお、お前がらんこ…じゃなかった。ツイスターが好きな子か」

 

ひかるという名前にベリィベリーは昨日唯一ツイスターにファンレターをくれた名前だと言う事に気付いた。すると、ベリィベリーは何かを思い出しポケットから封筒の様な物を取り出す。

 

「そうだ。らん…ツイスターがお前に会ったら渡して欲しいと頼まれたんだ。ほら、お前に手紙のお返しだそうだ」

 

「え、おれに!?」

 

ひかるは封筒を受け取ると子供らしく少し荒く破ると中にはツイスターのサインが入った色紙が出てきた。

 

「わあっ!キュアツイスターのサインだ!」

 

「嬉しいだろう。お前宛のサインだから大事とっておけ」

 

ツイスターのサインに喜ぶひかるを見てベリィベリーも嬉しくなった。まだ1人とは言えキュアツイスターの事を好きな子供を見て心が温まる。

 

(ふっ、それにしてもサインか…案外子供というものはこんな風に好きな人が用意してくれた物が一番よろk「わあ〜!写真もある!」ん…写真?)

 

写真というワードを聞いたベリィベリーは恐る恐る横からひかるの持つサインを覗いて見ると其処にはサインだけで無くツイスターの写真まであったのだ。

 

「写真だとおっ!?」

 

しかもらんこは目立つのは嫌いという事だから写真も撮られるのも好きでは無い。それにも関わらずひかるに写真を渡した。だが、ベリィベリーが驚いているのは写真に映るツイスターの姿にあった。

写真に映るらんこは若干恥ずかしそうに顔を赤くしてる…まるで恋人が好きな人に対して恥ずかしがりながら少し目元を隠して自撮りした姿だ。

 

(な、何故だらんこ?何故このひかるという子にそんな顔をするんだ……まさか、本当にショタコンだったのか!?)

 

ガビーンという文字が現れそうなくらいにショックを受けるベリィベリー。だが、それはそれとしてこの様なツイスターの姿はベリィベリーにとってもあまり見ない姿で是非とも手に入れたいと思っていた。

 

「ゴホン…そ、そのひかる…もし、もし良ければその写真…言い値で買おうか?」

 

「え?」

 

財布を取り出して写真を譲ってくれと頼み込むベリィベリーにひかるは呆気に取られる。

 

「だ、だからその写真を我が全財産と交換してくれ!」

 

「い、いやだよ!このサインと写真はおれの宝物だからあげられないよ!」

 

「ぐっ!た、宝か…それなら仕方ないな…」

 

写真を譲るつもりはないひかるにベリィベリーは残念そうにガクンと頭を下げる。ツイスターのレアな姿の写真を手に入らない事に残念がるもそれを大事にするひかるに嬉しさが感じるという複雑な心境にベリィベリーは見舞われる。

 

(いや、これで良い。ツイスターの事を1人でも好きになって貰うのが私のここへきた目的だ。これで良いに違いない!)

 

写真は手に入らなかった事は残念だが、取り敢えず確実に1人はツイスターのファンが出来たと思い、この調子で他の子もツイスターを好きになってもらおうと思った時だ。

 

「む…なにやら騒がしいな」

 

「あっちは…確かすべり台の方かな?」

 

何やらすべり台方面から子供達の声が騒がしい事に気付きベリィベリーとひかるは何があったのか気になって様子を見に行った。

 

──────────

 

一方あげはは職員室にて机に突っ伏していた。流石のあげはも元気が溢れる子供達の勢いに負けてバテてしまった──。

 

「はぁ…満たされる~…!」

 

──かと思いきやそんな事は無く逆に幸せそうな顔を浮かべている。実際あげはは疲れているが彼女とって子供達と接するのは長年の夢であり、やり甲斐のある事なのだ。その為疲労よりも幸福感が勝っているのだ。

 

「ベリィベリーちゃんもまだ子供達と遊んでいるから私も頑張らないと」

 

体力が沢山あるベリィベリーは今も子供達と遊んでいるだろうと思い、あげははベリィベリーに対抗心を見せると休憩を終えて再び子供達の元へ向かおうとした時、職員室に何やら慌てた様子で先生が入ってくる。

 

「あげは先生!たける君が…!」

 

「えっ!?」

 

たけるの名前を聞いて何かあったのかと思い急いでたけるの元へ向かうと其処にはベリィベリーとひかる、そしてベリィベリーに腕を掴まれているたけるがいた。

 

「はなせー!はなせー!」

 

「べ、ベリィベリーちゃん何やってんの!?」

 

「む、あげはか…」

 

「あ、あげは先生…」

 

ベリィベリーがたけるを捕まえていると言う状況にあげはは思わずベリィベリーに声を上げる。まさか、たけるにツイスターの事を馬鹿にされた事を根に持っていた事からついに手を出したのかと想像したあげはだが、ひかるが慌てて声を上げる。

 

「べ、ベリィベリーさんは悪くないから、おこらないで!」

 

「ひかる君……兎に角ベリィベリーちゃん。たける君を離して」

 

「……わかった」

 

渋々とあげはの言う事を聞いてベリィベリーはたけるの腕を離すとたけるはあげはの後ろに回りベリィベリーを睨んでいる。

 

「さて、ベリィベリーちゃん何があったか説明してくれる?」

 

「ああ、簡単に言うとたけるが他の子供を殴ろうとしたから止めただけだ」

 

「え、たける君が殴ろうとした!?」

 

ベリィベリーの話を聞いてあげはは驚きつつ自身の後ろに隠れているたけるに視線を向ける。対してたけるは罰悪そうな顔を浮かべる。

 

「ねえ、たける君。どうして殴ろうとしたの?」

 

「…僕…悪くないもん」

 

たけるに他の子供に殴ろうとした経緯を聞こうとするがたけるは答えずにいた。あげはは仕方ないからベリィベリーに聞こうとするがその前にひかるが答える。

 

「たけるはすべり台の順番を守らない子がいたからそれで正そうとして…」

 

「と言うわけだ」

 

「そう…そんな事が」

 

ひかるから事情を聞いたあげはは後ろにいるたけるに向き直る。

 

「たける君、正しい事をするのは良い事なんだけど、ぶつのはどうかなぁ?」

 

「そんな事ないもん!僕、最強になるんだもん!プリキュアみたいに悪いやつをやっつけるんだ!」

 

あげはが穏やかに話すもたけるは自分が正しいと疑わない様子だ。たけるはまだ幼い、プリキュアの様なアニメや漫画に出てくるヒーローの様な力を持つ者に憧れを抱き悪を倒す。そう思っているが故にたけるは強者…即ち最強が正義だと思っているのだ。そんなたけるにあげはは優しくたけるの手を握る。

 

「でもさ、最強になるために大事なのはさ。先生はやっつけることじゃないと思うよ」

 

「違くないもん!僕正しいもん!」

 

あげはが諭す様に話しかけるがたけるは自分は一切悪くない様子だ。そんなやり取りにベリィベリーは2人に話しかける。

 

「少し良いか?確かにルールを守るのは大事だ。守らない人間はそれ相応の報い…つまり罰や仕置きをして反省させるのが良いだろう。私はそう思っている」

 

「え、ベリィベリーちゃん!?」

 

「ベリィベリーさん!?」

 

まさかベリィベリーがたけるの言い分に賛成する様な発言にあげはとひかるは驚き、たけるはベリィベリーに笑みを浮かべる。

 

「う、うん!だから僕は「だが、安易に暴力に走るのは良くない」っ!」

 

一瞬ベリィベリーが認めてくれたと思ったが自分のやった事を否定した事に呆気に取られる。

 

「お前はプリキュアが戦う理由を理解しているのか?あいつらは弱き者や困っている者を助ける為に戦っているんだ。お前の場合はプリキュアに盲信し暴力を正当化しようとしているだけだ。彼女達に憧れてるなら其処を間違えるんじゃない」

 

「うっ…最強じゃ無い2人に僕の気持ちが分かる訳ないよ!」

 

「あっ、たける君!?」

 

ベリィベリーからキツめに注意されたたけるはその場から逃げ出してしまった。

 

「すまないあげは。少し言い過ぎてしまった様だ」

 

「ううん、こちらこそごめんね。ベリィベリーちゃんに辛い役目をやらせて…」

 

本来なら子供を注意するのは自分や他の先生達がするのだがそれをベリィベリーにやらせてしまった事にあげはは申し訳なく思ってた。

 

「問題無いさ。私はスカイランドでも偶に憎まれ口を叩かれたりするからな。こう言うのには慣れている」

 

「ベリィベリーちゃん…」

 

ベリィベリーは歳があげはより下でも場数はそれなりに踏んでおり他者に憎まれ口を言われるのはそれなりにある様だ。

 

「それにかつて私ははたけるの様に力を求めていたからな…あいつには間違ったことはして欲しくないんだ」

 

そう言ってベリィベリーはかつて、ソラとらんこ達と出会う前の自身の姿が頭に過ぎる。昔、彼女は腕を怪我をした事が原因で護衛隊への入隊が中々出来ず。焦ったベリィベリーはそれ以来力に固執し、推薦で入隊しようとしたソラに難癖をつけてしまったのだ。そんな過去の己にたけるがよく似ている事からベリィベリーも余計に気に掛けるのだ。

 

「大丈夫だよ。たける君は力だけが最強じゃ無いってわかってくれる筈だから。取り敢えず今はたける君を追いかけなきゃね」

 

「あげは…そうだな。なら私も行こう。たけるを怒らせた原因は私にあるからな」

 

「お、おれもいくよ。たけるは友達だから」

 

そう言うとあげは達はその場から離れたたけるを追いかけていくのであった。

 

────────────

 

一方その頃、保育園の外ではソラ達が近くの茂みに隠れながら保育園を眺めていた。彼女達はあげはと今日手伝いに行ったベリィベリー達とファンレターのお返しの手紙を貰っただろう子供達の反応が気になり様子を見にきていたのだ。

 

「此処があげはさんの実習先の保育園ですか」

 

「周りに自然があって環境も良さそうですね」

 

「うん、子供達も此処で遊べるとなるととても楽しそうだね」

 

「える〜♪」

 

目の前の保育園を観察すると周りに建物は無く自然が広がっている事からとても良い環境であり、子供達も楽しそうに遊んでいる事からエルも遊びたそうにウキウキしている様子だ。

 

「それにしてもらんこさん遅いですね。ちゃんと場所は教えた筈ですが…」

 

「無理もないですよ。此処からましろさんの家までは距離はそう遠くありませんがらんこさんの家からだとその倍は遠いですから」

 

ソラとツバサはこの場にいないらんこの事を話す。彼女は自分達と違って一緒に住んでない事から昨日此処には現地集合という事になっていたが、いまだにらんこの姿は見えてなかった。

 

「大丈夫だと思うよ。らんこちゃんはもうそろそろ来るってスマホのメッセージn「ごめん。待たせたわね」あ、噂をすれば!」

 

ましろは背後から聞こえてきた声に反応して振り返るとらんこがやってきた。らんこは遅れた事に対して一同に謝ると目の前の保育園を見つめる。

 

「あれがあげは姉さんとベリィベリーが行った保育園ね」

 

「はい、どうですか?自然豊かで子供達も楽しめそうな場所ですよ」

 

保育園を興味深く眺めるらんこにソラは環境についてとても良い事を伝える。だが、何やららんこは保育園を見て途中で眉を顰める。

 

「う〜ん…?」

 

「あれ、どうしたのらんこちゃん?」

 

唸り声を上げながら訝しむ目で保育園を眺めるらんこにましろは不思議に思い話しかける。

 

「いや、何故か知らないけどあの保育園…なんか…見覚えがある様な…?」

 

「え、どういう事ですか?」

 

「昔あの保育園に通った事が?」

 

「いや、その筈はないわ。私の通ってた保育園は別の街で他の保育園に行った記憶は無い…ない筈なのに……何故か妙に懐かしさを感じるのよね」

 

初めて来る筈なのに何故か目の前の保育園に既視感があると訴えるらんこにソラ達は首を傾げる。一方でらんこは内心嬉しさと悲しさと言った感情が同時に湧きでて複雑な思いを味わっていた。

 

(何故かしら…何故あの保育園を見つめているとまるで其処に通っていた様な記憶が浮かび上がるの?)

 

全く身に覚えが無い筈なのにらんこの頭の中には薄らと蜃気楼の様に曖昧な映像が過ぎるのだ。具体的に小さい自分が食べようとしたアップルパイを他の子供に食べられたりと兎とは違う白いモフモフの何かを愛でていた記憶があった。

 

(いや、待って白いモフモフした何か……なんか最近それっぽいのを抱いた様な…?)

 

自身の記憶にある謎の白い生き物の存在をらんこはつい最近見て触れた様な気がしたが、最近の戦いの疲労やアンダーグエナジーによるストレスによって若干記憶が曖昧になっており、それが何なのか思い出せずモヤっとしていた。

 

「あの、さっきから大丈夫ですからんこさん?」

 

「ん?あ、ああ、ごめん。ちょっと考え事を……ん?」

 

「え、どうか…されましたか?」

 

話しかけてきたツバサを見てらんこはじっとツバサを見つめる。対してツバサも突然らんこに見つめられる事にドキッとする。

 

「……ツバサ、ちょっとあそこを見なさい」

 

「え?なんでs「わあっ‼︎」うわあっ!?」

 

らんこに保育園を見る様に言われてツバサはらんこから視線を移した瞬間、突然らんこがツバサの耳元に大声をあげて驚かせ、ツバサは驚いたショックで鳥の姿になりらんこの手の中に収まる。

 

「んん〜?この感触……相変わらず癖になる感触だけど、なんか違うわね」

 

「や、やめて下さい!な、何ですか突然触り出して!?」

 

らんこは鳥の姿となったツバサを撫で回すも何かが違うと呟き、ツバサは撫で回すらんこにやめる様に言うがらんこはやめずに尚も撫で回していく。そんな様子にソラ達は不安そうな顔を浮かべる。

 

「らんこちゃん…昨日の事がショックなのかな?」

 

「恐らくそうでしょうね。流石にファンレターが1枚は悲し過ぎます。此処は満足するまで放っておくのが正解なんでしょうね」

 

「にゃんこ…ちゅばしゃ」

 

ツバサを撫で回すのは園児からの手紙を1枚しか貰えなかったショックで心を癒そうとしているのだろうとソラ達は思い、らんこの気が晴れるまで好きにさせようと愛でるのを止めず保育園に視線を戻す。

 

「それにしても保育園の方は大丈夫かな?ベリィベリーさんが変な事をしなければ良いけど」

 

「大丈夫です。ベリィベリーさんはしっかり者ですからあげはさんと一緒に子供達と仲良くしているのに違いないでしょう」

 

「あー…だと良いんだけど」

 

ベリィベリーに期待を寄せるソラにましろは顔を引き攣らせる。昨日ベリィベリーはらんこの為彼女の良い所を教える為にあげはの手伝いに行ったのだが、実際良い所を教えると言って何をしているのか不安に思った。

 

(最近真面目にしてるけど昨日のベリィベリーさんの顔は明らかに下心があったからなぁ…)

 

らんこの為にやろうとしているのは分かるが同時に何かしらよからぬ事を企んでいる事に気づいたましろはベリィベリーが保育園でトラブルを起こさない事を祈っていると、そこに声が聞こえてくる。

 

「待って!たける君!」

 

「来ないでよ!」

 

「「「「ん?」」」」

 

その時、保育園からたけるとそれを追いかけるあげは、更に後からベリィベリーと共にひかるが出てきた事に一同は気がつく。

 

「あれは…あげはちゃん?」

 

「ベリィベリーさんまで…何をしているんでしょうか?」

 

ソラとましろはたけるを追いかけるあげは達の姿を見て首を傾げる。一方でらんこはベリィベリーの側にいるひかるの姿を見つめる。

 

「あの子が…ひかる…」

 

河川敷にて自分が助けた男の子…こちらの世界の雷田ひかるの姿を眺める。自分の知るひかるとは歳や姿が異なるが顔つきからして本人と似ており、何より彼を見ているとらんこの顔が段々と赤くなり心臓が大きく鳴り響く。

 

(お、落ち着きなさい風波らんこ!あの子は私の知るひかるとは別の存在よ!)

 

鼓動が早くなる自身の心臓を落ち着かせようと己に言い聞かせるらんこだが、目の前のひかるを見ていると並行世界で別れ際に彼の頬にキスをした事を思い出し余計に心臓の鼓動が早くなり破裂しそうだった。

 

「だ、ダメよ!あの子を見ていると胸が苦しい!!!」

 

「ら゛、ら゛ん゛ござん゛!!!ぐ、ぐるじぃのはごっぢでずぅ〜…!」

 

「え?……ああっ!?ご、ごめんツバサ‼︎」

 

先程から己の腕にツバサを抱きしめている事を忘れてしまい、ひかるを見てつい腕に力が入ってしまいオレンジ色のツバサの顔は紫色に変わってしまっていた。らんこは慌ててツバサを離すとツバサは人間の姿に戻り地面に倒れ込みエルと共にツバサを心配しようとした時だ。

 

「見つけたよ。カモン!アンダーグエナジー!」

 

『っ!?』

 

『ランボーグ!』

 

その時、聞き覚えのある声と共に保育園にあった象の姿を模したジョウロにアンダーグエナジーが注ぎ込まれ、ランボーグへと化した。

 

「な、なに!?」

 

「か、怪獣!?」

 

目の前に現れたランボーグの存在にたけるとひかるは足を止めて不安な顔を浮かべる。他の子供達もランボーグの存在に気付きパニックになる。

 

「ランボーグが何で此処に!?」

 

「知らん!兎に角あげはは子供達と一緒に私の後ろn「おい、其処の外野!」っ!その声はバッタモンダーか!?」

 

声が聞こえた方向にベリィベリー達が振り向くと其処にはバッタモンダーが立っていた。

 

「何だ君もいたのか。まぁ今は君よりもそっちの外野だよ。よくもこの前は負け惜しみなんて言ってくれたね!観客は多い方がいいからね。君や子供たちの前でプリキュアをぶっ潰して現実を見せてあげるよ!」

 

「なにそれ?逆恨みのつもり?」

 

「全く、この前のあげはの言葉を根に持つとは呆れた奴だな」

 

前回河川敷であげはに言われた事を根に持っている事にあげはとベリィベリーは呆れた表情を浮かべる。するとバッタモンダーは痛い所を突かれたのか顔を歪める。

 

「う、五月蝿え!兎に角だ!君たちに僕の実力を見せてあげるから覚悟しろ!行け、ランボーグ!」

 

『ランボーグ!』

 

バッタモンダーの指示を受けたランボーグはその巨体で暴れ出し、外で遊んでいた子供達は逃げ惑う。

 

「やめて!子供達を巻き込ないで!」

 

「お前の目的は私たちだろう!?子供に手を出すな!」

 

「はっ!誰が君たちの指図を受けるかよ!それに何人か子供を傷つけさせればプリキュア達も自分達が早く来れなかった事を悔しがって後悔するだろうしね!」

 

バッタモンダーはあげは達の話を一蹴するとランボーグに指示を出して手当たり次第辺り襲いかかり保育園の遊具や花壇など壊していく。

 

「うっ……や、やめろおおおおっ!」

 

「た、たける君!?」

 

「ま、待てよたける!」

 

「ひかるお前もか!?」

 

すると壊されていく保育園を見て我慢出来なくなったたけるがランボーグの元に向かいひかるもたけるの後を追った。

 

「お前!僕たちの保育園をそれ以上壊すな!」

 

「お、おい、たけるやめろって!」

 

「へぇ、ランボーグを見て逃げない所か立ち向かおうとするとはね。大した勇気…いや、それともただのお馬鹿さん達なのかな?」

 

バッタモンダーは自分とランボーグに近づいて啖呵を切るたける達を煽る。

 

「お、お前なんて…怖くない!いつも遠い所から命令だけ出してプリキュアにやられてるお前なんかに!」

 

「んだとこのクソガキ!!!ランボーグ!そいつらを襲え!!!」

 

『ラン、ボオオオオオグッ!!!』

 

「「う、うわああああっ!!!」」

 

逆にたけるの言葉にキレたバッタモンダーはランボーグを2人に向かってけしかけ、たけるとひかるは慌てて逃げ出す。

 

「うわっ!」

 

「あ、たける!」

 

だが、たけるは足がつまづき地面に転んでしまう。ひかるはそんなたけるを助けようと駆け寄るが、2人の頭上にはランボーグの巨大な足が迫り2人を潰そうとする。

 

「たける君!ひかる君!」

 

「くっ、させるかああああああああっ!!!」

 

あげはは2人を助けようと駆け出すもベリィベリーが彼女よりも早く走り寸前の所でたける達を抱えてランボーグの足から避けた。

 

「大丈夫か2人とも!?」

 

「う、うん、大丈夫…」

 

「お、俺も…」

 

たけるとひかるは助けて貰った事に罰悪そうな顔を浮かべる。対してベリィベリーも何処も怪我してない事に胸を撫で下ろそうとした。

 

「ベリィベリーちゃん!!!逃げて!!!」

 

「あげは?どうs『ランボオオオオオグッ!!!』なっ、があああああっ!?」

 

そこに聞こえたあげはの悲痛の叫びに反応するベリィベリー。しかしその時、彼女の背中を巨大な鞭の様な物…否、ランボーグの巨大な鼻が襲いその体を吹き飛ばす。そして、ベリィベリーの吹き飛ばされた先には建物がある。

 

(くっ!せめて子供達だけでも…!)

 

自分の腕の中にいるたけるとひかるが怪我をしない様に大事に抱きしめてベリィベリーの身体はそのまま建物の壁叩きつけられそうになる──

 

「ひろがるチェンジ!ツイスター!」

 

──だがその瞬間、保育園に一陣の風が舞うとベリィベリーが壁にぶつかる直前誰かがベリィベリー達を受け止めた。

 

「な、なんだ…何がおk「良くやったわ。ベリィベリー」そ、その声は…!」

 

声が聞こえた方向…直ぐ後ろを振り向くとキュアツイスターがベリィベリーの身体を受け止めていた。

 

「ごめん、ちょっと出遅れたわ」

 

「ら、らん!いや、ツイスター!」

 

「キュアツイスターだ!」

 

「キュア…ツイスター…?」

 

自分達を助けてくれたのがキュアツイスターだと分かるとベリィベリーとひかるは喜びの声を上げ、たけるは呆然となる。

 

「キュアツイスター…って事は他の奴等も近くに!?」

 

「その通りです!」

 

バッタモンダーの疑問に答えるように辺りから声が聞こえるとランボーグを取り囲む様にスカイ達が現れる。

 

「スカイ!皆んなも来てくれたんだ!」

 

「ごめんねあげはちゃん、気になって来ちゃったよ!」

 

「でも、ご安心を僕たちが来たからにはあげはさんや保育園の皆んなを傷つけさせません!」

 

そう言ってスカイ達は戦う構えを取る。

 

「あげは姉さん!ベリィベリーとこの子達を安全n「待て、私はまだ戦えるぞ…!」ベリィベリー…」

 

ツイスターはベリィベリー達を避難させるようにあげはに頼もうとしたがその前にベリィベリーが避難する事を拒否する。

 

「大丈夫なのベリィベリー?」

 

「問題ない…これくらいでやられる程身体はやわではないからな」

 

「ふっ…相変わらず頼もしいわね。なら、付き合って貰うわよ!」

 

「勿論だ‼︎」

 

ベリィベリーが戦う意志を見せるとツイスターは彼女と共にランボーグに向き直る。

 

「チッ、まぁ良い。僕の目的は君たちの無様な負けっぷりを子供達に見せる事だからな。僕としても願ったり叶ったりだ!」

 

「生憎だけど、私達はあんたに負けるつもりは無いからその願いは叶わないわよ。皆んな行くわよ!」

 

「「「「はい(うん)(ああ)!」」」」

 

ツイスターの掛け声に合わせてスカイ達は返事をすると一斉にランボーグに戦いを挑み始めるのであった。

一方でその戦いの様子を近くの木に身を隠しながら見ている者がいた。

 

「さて、どうやら戦いが始まったようですから私も参戦しますかね」

 

そう言って青年… 善井正義はベルトらしき物を取り出して腰に装着しようとするが直前で手を止める。

 

「…いや、此処は久しぶりにキュアスカイ達の戦いを見物するのも悪くありませんね」

 

そう言うと正義はベルトをしまって象のランボーグと戦うスカイ達の姿を眺める。

 

「せめてあげはさんがプリキュアになるまで眺めているとしましょうか……ん?」

 

背後から何かを感じたのか正義は振り返るが其処には誰も居なかった。

 

「ふむ、気の所為…と言いたい所ですが、用心するに越した事は無いですね」

 

そう言って服のポケットからガラケーと青いデジカメを取り出すと其処へ2本のUSBメモリを取り出すとそれぞれに挿入する。

 

スタッグ!

 

バット!

 

メモリが挿入されるとそれぞれ機械的音声が鳴り響きガラケーは機械のクワガタ…スタッグフォン・ライブモードへ変形し青いカメラも同様にバットショット・ライブモードに変形し辺りを飛び回る。

 

「少し周辺を見て来てください。怪しい奴がいたら報告を」

 

正義はそれぞれ指示を出すと2機は辺りを飛んで行った。

 

「さて、プリキュアの戦いを見物しますか…」

 

そう言って正義は再び視線をランボーグと戦うスカイ達に向ける。だが、そんな正義の様子を遠くから一機のドローンが眺めて、そのドローンが見た物は闇がひろがるラボの一室にあるスクリーンに映される。

 

「やはり君がゼインだったか…」

 

そう呟くのはキメラングだ。先日より彼女はかつて自分やプリキュア達を圧倒した力を見せたゼインのエネルギー波をキャッチしそのエネルギーを発する正義をマークしていた。そうしたら案の定、ゼインのベルトを確認し彼がゼインと確信したのだ。

 

「クク、マークした甲斐があった物だよ。何せ君は様々な力を持っているからね。是非ともその力を見せてもらいたいよ」

 

かつてゼインに殺されかけた事で彼に対するトラウマ…ではなく好奇心が上回ってゼインのまだ見ぬ力に興味があったのだ。すると、彼女の背後にかつて彼女が作り出したハイマックスと同等の大きさがある人影が現れる。

 

「ドクター?そのゼインって中々の強者だろ?それならこの俺が自慢のスピードで戦ってあげようか」

 

「そう言ってくれると心強いが君はまだ完成してない。下手に戦えば直ぐにスクラップになるよ」

 

「大丈夫だって!俺はスピードに自信があるんだ。そいつが前に使ってた超高速を出すことが出来るんだ!問題無いって♪」

 

謎の人物は自信満々に自分ならゼインに勝てると言うがその姿にキメラングはため息を吐く。

 

「あのね…君は確かに彼が使ってたクロックアップを再現出来る程のスピードが出せるよ。でも、まだ肝心の制御装置が取り付いて無いから下手に戦えば君は自分のスピードで身体がバラバラになるよ。それでも良いのならどうぞ。私としてはデータが取れれば問題無いしね」

 

「ゲゲッ!?そ、それはやだなぁ…流石に初戦でバラバラになって終わるのは俺もしたく無いからな。仕方ない。じゃあ今回は此処で待ってる事にするよ」

 

「待つのは嫌いだけど」と苦言を垂らしその人影はキメラングの前から姿を消していく。

 

「…はぁ、ハイマックスの次に作った彼だが些か自信がある…いや、過剰過ぎるのが問題だな。これなら先にハイマックスを修理して彼の製作は後に回せば良かったなぁ…」

 

先程去っていったら人影を作った事を軽く後悔するキメラングだが、直ぐに気分を変える。

 

「まぁ、今はそんな事よりもゼインだ。彼の力はまさに無限と言っても過言じゃ無いだろうね。下手に正面から戦えば命を落とす可能性が高いけど…ヴィランって言うのは手札を幾つもある物だよ」

 

そう言ってキメラングは何かの装置を取り出して笑みを浮かべると、再びスクリーンに映る正義に視線を向ける。

 

「あとちょっと待っていてくれたまえよ。君もあっと驚く様な発明を見せてあげるからね♪」

 

そう言ってキメラングは謎の装置を手の中でいじくり回すのであった。

 




コラボ相手の作品のURLを貼っておくので気になった方は是非読んでみてください。

https://syosetu.org/novel/344015/

次回も楽しみにしていて下さい。
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