ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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やれやれ年末年始仕事で碌に休む暇はない上に職場からコロナが出てくるとは新年早々辛いですばい!
でも、なるべく最低でも1週間に一回か二回の投稿はできる様に頑張る所存です。
それではコラボ第6話をどうぞ


第81話 ゼインの求めるもの

普段無邪気な子供達が元気で過ごしている保育園は先程までランボーグによって大寒波が押し寄せたと錯覚するくらい凍りついていたが、其処で誕生したキュアバタフライの活躍によりランボーグを追い詰めていた。そんな時に現れた一人の男がその場の流れをあっという間に変えてしまう。

 

「まさか…そんな…!」

 

「侑斗さんが…ゼインだなんて…」

 

「僕たちを騙すなんて…!」

 

ドームに閉じ込められているスカイ達は侑斗がゼインである事に衝撃を受けている一方でツイスター達もゼインを警戒する中、ツイスターはチラッとエル達に視線を移すとベリィベリーの側に寄ると口を開く。

 

「ベリィベリー、頼みがあるんだけど」

 

「なんだ?」

 

こんな時に頼んでくると言う事は恐らく重要な事なんだろうと思ったベリィベリーは耳を貸す。

 

「今すぐエル達を連れて避難して…これから恐らくいつもよりも激しい戦いが始まるかもしれない。だから3人を連れて逃げて」

 

戦いとは無縁な子供達をこの場に置いていけばゼインと戦う際に大怪我をするかもしれない。そうならない為にもベリィベリーに頼み込む。

 

「なに…それは私に逃げろというのか?みくびっては困るぞ。あの聖騎士もどきの男が何者かは知らないがもし敵対しようと言うのなら我々が力を合わせればどうにかなるんじゃ無いのか?」

 

ツイスターの発言に眉を顰めて反論するベリィベリー。ゼインの実力を把握してない彼女は命知らずの発言をする。対して普段のツイスターなら無理矢理にでも彼女をこの場から追い出そうとするのだが、今回の彼女は頬を緩めて笑みを浮かべていた。

 

「ふっ、あんたのその自信ある台詞には勇気が湧いてくるわね。でもお願いよ。エル達を連れて行って先に避難した子供達と先生もなるべく遠くへ連れてね」

 

「ツイスター…」

 

自分を見つめるツイスターの眼差しが真剣である事にベリィベリーは驚きつつもゼインに視線を向ける。彼は先日何の目的で近づいたかは知らないが、一見するとただの好青年としか見えなかった。しかし、今の白い姿が周りの反応を見る限り見掛け倒しでは無い事を察する。

 

「(奴の実力がプリキュア達を超えると考えづらいが…)わかった。だが、避難させたら直ぐ戻ってくる」

 

そう言うとベリィベリーはエル達の元へ駆け寄ると3人をまとめて抱き抱える。

 

「プリンセス!そしてお前たちもここから早く逃げるぞ!」

 

「え、えるっ!?」

 

「そんな急に!?」

 

「ツイスターと他のプリキュア達はどうするの?」

 

プリキュア達が戦っている最中に自分達だけ避難はしたくないと3人からの訴えに対してベリィベリーは首を横に振る。

 

「悪いがお前達の安全が優先だ。兎に角此処から離脱する!」

 

ベリィベリーはそう言うとその場から全力で駆け出した。

 

「あ、あげは先生、ウィングー!」

 

「ツイスター!」

 

「えるるー!」

 

自分達だけ先に避難する事にエル達はプリキュア達に心配そうな顔を浮かべながら声を上げる。だが、それを先程までゼインこと正義に怯えていたバッタモンダーがハッとなりベリィベリー達に視線を向ける。

 

「なに勝手に逃げようとしてんだ!ランボーグ!」

 

『パオオオオンッ!!!』

 

逃さんと言わんばかりにランボーグに指示を出すとランボーグもその場から離れようとするベリィベリー達に向けて氷柱を放とうとする。

 

「いけない!」

 

「やめなさい‼︎」

 

ランボーグがベリィベリー達に攻撃をしようとした事に気付いたツイスターとバタフライは慌ててランボーグを止めようと動き出すもそれよりも先に2本の氷柱が発射され、ベリィベリー達の方へ飛んでいく。2人はそれを撃ち落とそうと風や投げキッスを放とうとするがその前にゼインが動き出す。

 

「無抵抗な子供達を襲おうとするとは…実に小物らしいですね」

 

アローライズ!

 

するとゼインは持っていたアタッシュケースを変形させると刃が付いた弓…アタッシュアロー・アローモードとなる。更にゼインは自身の変身の際に使ったプログライズキーとは別のプログライズキーを取り出しボタンを押す。

 

ストロング!

 

ヘラクレスビートルズアビリティ!

 

起動音が鳴ったプログライズキーをアタッシュアローのスロットに装填するとアローのレバーを引き絞りエネルギー状の矢が生成される。

 

アメイジングカバンシュート!

 

アタッシュアローから放たれた矢はヘラクレスオオカブトの様に2本のツノのように分かれてベリィベリー達を襲おうとした氷柱を粉砕した。

 

「なっ!?」

 

「あ、あんた…」

 

「ベリィベリーちゃん達を守った…?」

 

ランボーグの攻撃が相殺された事にバッタモンダーは驚き、ツイスター達もゼインがベリィベリー達をランボーグの攻撃から守った事に困惑の表情を浮かべる。

 

「何やら勘違いしている様ですから予め言っておきます。私は未来ある子供を危険に晒すつもりは一切ありません。何故ならこれから先にある善意に満ちた未来には子供達の存在は必要不可欠ですから」

 

そう言うと持っていた弓…アタッシュアローを放り捨てるとランボーグに視線を向ける。

 

「さて、今のあなた方ではこのランボーグを浄化する事は難しいでしょう。ですから代わりに私が対処します」

 

「はあ?プリキュアですら倒せなかったランボーグを対処する…くく、いやぁ、さっきのは驚いたけどランボーグの攻撃を防いだくらいで倒せるとお「あなた方に面白いものをお見せしましょう」…って、無視すんなぁーっ!!!」

 

自分の話を無視されて声を荒げるバッタモンダーを他所にゼインは1枚のカードを取り出した。しかし、それはいつも使っているカードと異なり女の子の絵柄が入った物だった。

 

キュアソード!執行!ジャスティスオーダー!

 

カードが裁断されるとゼインの手の中にタブレット状のアイテム…マジカルラブリーパッドが召喚される。

 

「キュアソード…キュア…まさか、プリキュア!?」

 

「嘘…プリキュアの力まで使うなんて!?」

 

「ても、あのアイテムからは僕たちに近い力が感じられます!」

 

まさか自分達と同じプリキュアの力まで使った事にスカイ達は信じられないと言わんばかりの表情を浮かべていると。

 

「ぐうっ!」

 

「「「「ツイスター!?」」」」

 

その時、突然ツイスターが地面に膝をつき胸を押さえて苦しそうな表情を浮かべており、近くにいたバタフライは慌てて彼女の元へ駆け寄る。

 

「どうしたのツイスター!?まさか、背中の傷が開いたの!?」

 

自分やたける達を守る為に出来た背中の傷が開いたのかと思いツイスターの身を心配するバタフライ。

 

「ち、違うの…何故だか知らないけど…あ、あいつがあのカードの力を使った瞬間、急に胸が苦しくなったの…!」

 

「え、それってどういう事?」

 

「あの力…ツイスターと何か縁でもあるんですか?」

 

苦痛の顔を浮かべるツイスターの言葉に首を傾げるスカイ達。だが、一同は知る由もないが先程ゼインが使ったキュアソードの変身者は剣崎真琴…つまり、ツイスターの推しの片割れであるまこぴーなのだ。その為、ゼインのやった行動はツイスターにとってNTR行為に等しい。尚、ゼインはそんなつもりでやった訳じゃ無く偶然である。そして幸いにもツイスター達はキュアソードの正体を知らない為、胸が痛む程度で済んだが、恐らく知ってたらこれだけでは済まされないだろう。

 

「先ずは動きを止めます。ソードハリケーン!」

 

『バオオオッ!?』

 

ランボーグに向かってゼインは腕を振ると竜巻が巻き起こりランボーグの身体を拘束されると同時にトランプのスペードの形をした刃が全身に突き刺さり悲鳴を上げる。

 

「続いてはこちら」

 

キュアスパイシー!執行!ジャスティスオーダー!

 

「ここね…スパイシーまで…」

 

新たに取り出したカードがかつて知り合ったキュアスパイシーに一同は複雑な顔を浮かべる中、ゼインの手にはミキサー型のアイテム…ハートジューシーミキサーが現れる。

 

「シェアリン、エナジー、ミックス」

 

ハートジューシーミキサーの先端にあるレバーを3回程押すとエネルギーが溜まり、ミキサーを銃の様に持ち方を変えてランボーグに向ける。

 

「プリキュア・デリシャススパイシー・ベイキン」

 

ハートジューシーミキサーの引き金を引くと溜まったエネルギーが一気に放出されランボーグを襲う。

 

『スミキッター…』

 

ランボーグが浄化された事で元のジョウロへと戻ると戦いにて傷ついた保育園は元に戻り、ランボーグが発生させた雪も消える。

そして、スカイ達を閉じ込めていたドームが消滅し3人が解放される。

 

「さあ、キラキラエナジーを回収しなさい」

 

「あ、はい…ミラーパッド、オッケー!」

 

ゼインに助けられた事にスカイは複雑な心境を抱きつつも言われた通りにミラーパッドを取り出してキラキラエナジーを回収する。

一方でバッタモンダーはランボーグが浄化された事に呆然となっていたが、ハッとなり咳払いをする。

 

「ンンッ!…いやぁ、中々やるねぇ。まさかこうなるとは思っても見なかったよ。それじゃ、僕は此処ら辺d「逃しませんよ」へ?うおあっ!?」

 

『えっ!?』

 

いつもの様にバッタモンダーは撤退をしようとするがゼインはバッタモンダーの足元に向かってハートジューシーミキサーのエネルギーを放ち、攻撃されたバッタモンダーは腰を抜かした。そして、ツイスター達もゼインの行動に驚きの表情を浮かべる。

 

「お、おい!俺は帰るつもりだったんだぞ!?それなのに攻撃するって何考えてんだ!?」

 

「もちろん、悪意の根絶です」

 

バルカン・ランペイジフォーム!執行!ジャスティスオーダー!

 

カードを裁断するとゼインの手には青いハンドガン…エイムズショットライザーとそれに装填されたリボルバーの様なシリンジが付いたプログライズキー…ランペイジガトリングプログライズキーだった。

 

パワー!スピード!エレメント!オール!ランペイジ!

 

シリンジを高速で回転させると数多の動物の絵柄が浮かび上がり最後には狼の絵柄が浮かび上がってエネルギーが溜まっていき、銃口をバッタモンダーへ向ける。

 

「さて、何か言い残す事はありますか?」

 

「ちょ、待て待て待て待て待て‼︎俺あんたに何かしたのか!?俺の知る限り今日が初対面だろ!!!」

 

バッタモンダーは確実に息の根を止めようとするゼインに何か恨まれる事をしたのかと思い、慌てて口を開く。

 

「ええ、確かにこの世界のあなたとは今日初めてお会いします。ですが、個人的に貴方という存在が許せないのですよ……誰よりも

 

『っ!?』

 

そう言ってゼインはただならぬ殺気をを放つと一同はその殺気に冷や汗を流す。殺気を放つゼイン本人も仮面で顔を隠しているがバッタモンダーに向ける眼差しが恐らく物凄い事になっているだろう。

一方でバッタモンダーはゼインからの殺気にただでさえ青い顔色が更に濃くなり、汗をダラダラに流して身体を震わせ恐怖を感じていた。

 

「た…たすけてくれーっ!!!」

 

そして、精神的に限界を超えたバッタモンダーは転移する事を忘れてその場から立ち上がると走って逃げ出した。その際背中がガラ空きとなりゼインはその隙を逃す事は無かった。

 

「逃しませんよ」

 

ゼインは逃げるバッタモンダーに向かってショットライザーを向けると狼を含めた10種類の動物の絵柄が銃口の前に現れ、それがショットライザーに吸い込まれエネルギーが溜まり引き金を引くと、弾丸が放たれその弾丸は一瞬機械で出来た狼の姿へと変わり疾走。すぐに再び弾丸へ戻るとそのままバッタモンダーの背中に吸い込まれ────

 

「ん?」

 

『え?』

 

───るかと思いきやバッタモンダーが突然その場から消え弾丸は明後日の方向へ飛んで行ってしまう。ゼインは自身の攻撃が不発した事よりも抹殺対象であるバッタモンダーが何処へ消えたのか周囲を見渡そうとした時だ。

 

「うおおおおおおおおおっ!?」

 

「上ですか」

 

バッタモンダーの声が上から聞こえゼインは視線を上に向かってずらすと其処にはバッタモンダーが宙を浮いている。だが、よく確認するとバッタモンダーの腕には緑色の布…と言うよりマフラーがが巻かれており、そのマフラーの先へ視線を向けるとツイスターが握っていたのだ。

一方でバッタモンダーはツイスターが自分を助けてくれた事に驚き彼女に視線を向ける。

 

「つ、ツイスター俺をたす…って、ちょっと待て!何でそれを俺に向けてんだ!?」

 

何故助けたのか聞こうとするがツイスターがマフラーを握る手とは別にもう片方の手にはバトンモードとなったテンペストバトンを構えており激しく回転して風を発生させている。

 

「取り敢えず今日の件はこれで勘弁してあげる!」

 

「ちょ、やめっ!」

 

ツイスターに静止の言葉を掛けるバッタモンダーだが、ツイスターはそんな事を聞かずテンペストバトンを更に回転させる。

 

「吹き飛べ!!!ツイスタートルネードッ!!!」

 

「ぎゃあああああっ!?」

 

テンペストバトンから放たれる竜巻にバッタモンダーは飲み込まれるとそのまま遠くの方へと吹き飛んで行った。そして、一同は飛んで行ったバッタモンダーが見えなくなるとツイスターに視線を向け、ゼインは彼女に話しかける。

 

「…何のつもりですか?」

 

「何のつもりですって?それはこっちの台詞よ。何目の前で物騒な事をやろうとしてるのよ?」

 

先程のバッタモンダーに対する攻撃は当たっていればバッタモンダーは間違いなくこの世から消えていただろう。そんな攻撃をしようとしたゼインにツイスターは睨むが彼には全く効果がなかった。

 

「何を言いますか?奴こそ害悪極まりありませんよ。此処数日あなた達と奴との戦いを見てきましたが奴は自分が優位に戦おうとする為一般人を平気で巻き込んだりする。そんな悪意ある存在をいつまでも抹殺しようとしないあなた方の方こそがおかしくて仕方ありません。それとも情が湧いたんですか?」

 

「いや、それは無いのははっきり言える。ぶっちゃけあの馬鹿が犬の糞を踏もうが、賞味期限が切れたコンビニのおにぎり食って腹を下してトイレに引きこもっていようとも情は一切湧かない自信があるわ」

 

「トイレにって…」

 

「たとえが…幼稚過ぎない?」

 

「と言うか下品ですよ」

 

「もうちょっと良い例えはないんですか?」

 

仲間のスカイ達からはツイスターの言葉に少し引いていた。勿論バッタモンダーのこれまでの行いは簡単に許せるものでは無い。だが、だからと言って彼女達はバッタモンダーの命を奪う真似はするつもりは一切無い。

 

「そもそもあいつらアンダーグ帝国は私たちの戦う相手よ。あんたの様な他所の世界から来た奴に首を突っ込ませるつもりは無いわ。兎に角元の世界に帰って」

 

ゼインの様な強大な力を持つ存在がアンダーグ帝国と戦ったら下手すれば周りの被害が大きくなるだろう。先程のバッタモンダーの攻撃に対しても明らかに過剰過ぎる力を使った事を考えれば尚更な事だ。そのためツイスターはゼインに元の世界に帰る様に言うが彼は首を横に振る。

 

「いいえ、この度はアンダーグ帝国を滅ぼすために来た訳ではありませんよ。少し別の目的がありこちらへやってきましたから」

 

「何ですって?」

 

ゼインの言葉にツイスターは眉を顰める。悪意殺すマンなゼインが悪意増し増しなアンダーグ帝国を倒さず別の目的の為に来たと聞いて嫌な予感を覚える。

 

「私の目的は貴女ですよ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

キュアプリズム」

 

「「「「え?」」」」

 

「わ、私!?」

 

ゼインの発言にツイスター達は驚き、プリズム自身もまさかの自分が目的と聞かされて人一倍驚いた顔を浮かべる。

 

「プリズムが目的って…まさかあんた!?」

 

ツイスターはゼインの言葉に別世界でのプリズム…ましろの変わり果てた姿が脳裏に過ぎるとゼインを睨みつける。

 

「ふざけんじゃ無いわよ‼︎別世界のましろだけに飽き足らず私達の世界のましろにも手を出すなんて許さないわよ!!!」

 

「「「「つ、ツイスター!?」」」」

 

尋常じゃ無い怒りを見せるツイスターにスカイ達は驚きの表情を浮かべる。一方でゼインはツイスターの怒りに一切動じる事なくプリズムに手を向ける。

 

「キュアプリズム…貴女の輝きは世界を照らす優しい光。それさえあれば世界から悪意が無くなり争いも消え、永遠の平和を作ることが出来るでしょう。其処に住む人々は笑顔が溢れる楽園となります」

 

「わ、私の…光が?」

 

「耳を貸しちゃダメよプリズム!!!」

 

ゼインの発言にプリズムは自身の力がそんな大きな力があるのかと不思議に思うもツイスターはプリズムの肩を揺らして声を上げる。

 

「それ故にその輝きを私は守る為に我が手元に置くことを考えたのです」

 

「あんた何様のつもりよ!?そんな身勝手な事、私達が許さっ!…ちょっと、待ちなさい…まさか今みたいにあんたを止めようとしたスカイ達を?」

 

「ええ、思い出しますね。私とましろさんの平和ある世界を賛同しなかった彼女達は私を止めようとしてきましたよ。まぁ、先程のあなたみたいに悪人を生かすと言う甘い思想を持っていたので私たちの作る世界に不要と判断し処分しましたが」

 

『なっ!?』

 

スカイ達はゼインの口から明かされる別世界の自分達の末路を聞かされて思わず声を上げるもスカイは恐る恐るゼインに話しかける。

 

「エルちゃんも…エルちゃんにも手を掛けたんですか!?」

 

「ええ、彼女の力も厄介でしたからね。あなた方諸共消滅させました」

 

「え、エルちゃんまで…!」

 

「そんな…よくもプリンセスを‼︎」

 

「あんた!赤ちゃんのエルちゃんに手を掛けるなんて最低よ‼︎」

 

「一度前に聞いたけど胸糞悪い…やっぱりあんたはクソな野郎よ!!!!」

 

赤ん坊であるエルまで殺したと聞いてツイスター達はゼインに対して更に怒りを募らせる。対してゼインは一同の言葉にキョトンとなる。

 

「赤ちゃん?……ああ、そう言えばそうでしたね」

 

『?』

 

何か納得した様子のゼインに一同は首を傾げる。

 

「(確かこの時は赤ん坊のままで戦う力はないですね…それなら好都合)…まぁ、それよりもプリズム、善意ある世界を作る為私と共に行きましょうか」

 

そう言ってゼインはプリズムにゆっくりと近づこうとするとツイスター達が前に立ちはだかる。

 

「成る程…あなた方も私の邪魔をするつもりですか」

 

「当然です!あなたの様な己の願望の為にプリズムを利用する輩に渡すつもり毛頭ありません!」

 

「スカイの言う通りよ。プリズムは私たちにとって大事な仲間で友達よあんたみたいなクソ野郎にやる訳ないじゃない!」

 

「お前みたいにプリズムの意思を考えず自分の思想を押し付ける奴を僕たちは許さない!

 

「私もプリズムは…ましろんは私の大事な幼馴染だし渡すつもりはないよ!」

 

「み、皆んな…!」

 

ツイスター達の言葉にプリズムは嬉しく思い涙を流しそうになる。対してゼインはため息を吐く。

 

「全く、どの世界でもあなた方は変わりませんか…。まぁ、良いでしょう。私も簡単にプリズムを手に入れられるとは思ってませんでしたからあなた方を倒してプリズムを手に入れるとしますか」

 

ツイスター達は戦いの構えを取る。相手は以前圧倒的な力を持って自分達を倒し、しかもそれは力の一端に過ぎないものは体験したから分かっている。戦っても負ける可能性が高いかもしれない。しかし、ツイスター達は自分達にとって大切な存在であるプリズムを守る為全力で戦おうと考えている。

 

「では、始めましょう…と言いたい所ですが此処で戦うと保育園を巻き込んでしまう。そうなるとあなた方は満足に戦う事が出来ないでしょう」

 

『っ!』

 

ゼインの言葉にツイスター達は顔を歪める。今いる場所は保育園の敷地内だ。そんな所で戦闘をすれば保育園に間違いなく被害が出るだろう。逆に保育園を気遣って戦えば実力を出せず負けてしまうのも確実だ。一体どうすればと5人は頭を悩ませているとゼインがある事を言い出す。

 

「ですので場所を変えましょう」

 

『え?』

 

ゼインは新たなカードを取り出しベルトに挿入する。

 

エグゼイド!執行!ジャスティスオーダー!

 

ステージ セェレクト!

 

カードが裁断されるとゼインの前にいくつもの画面が現れその中の一つを触れると一同は貨物が置かれた港へ立っていた。

 

「これって…」

 

「今のは…転移した?」

 

一瞬で保育園から別の場所に自分達が転移した事にツイスターは驚いているとゼインが話しかける。

 

「此処なら誰もいませんよ。さあ、後悔なく全力を出してきなさい。まぁ、出したとしても無意味かもしれませんが」

 

ゼインの発言にツイスターは頭にきたのか顔を顰める。

 

「あいつ…自分は最初から勝ったつもりなんてムカつくわね」

 

「全くです。此処は我々のコンビネーションを見せてやりましょう!」

 

自信たっぷりのゼインにツイスター達は奴の鼻を明かしてやろうと言わんばかりのやる気を見せる。そんな中プリズムはいつでも攻撃が出来る様に両手に光弾を生成するが、ツイスターが声をかけた。

 

「プリズムあんたは下がってなさい」

 

「…え?」

 

ツイスターの発言にプリズムは反応が遅れるも耳を疑った。

 

「な、なんで?私も戦うよ!」

 

「いえ、此処はツイスターの言う通りです」

 

「スカイまで…なんで戦っちゃダメなの!?」

 

ツイスターだけでなくスカイまで止められた事にプリズムは大きく反応する。もしかしてかつてカバトンが電車ランボーグを操っていた時の様に自分が傷つかない様にと無茶をしようと言うのではと連想する。

 

「落ち着いてプリズム、2人がプリズムに戦ってほしく無いのはゼインが貴女を狙っているからだよ」

 

「その通りです。彼奴はプリズムが目的でこちらに来たと言ってます。もしかしたら戦いの中でプリズムを連れていく可能性があります」

 

「そうならない為にもプリズムは後ろにいて、あっ、別に何もするなは無いよ。ただ私たちを応援していて」

 

「応援か……わかったよ。でも、皆んなが危険になったら、戦うからね!」

 

戦う事が出来ない事に納得しきれない此処は一先ず様子を見ようと考え4人の後ろへと下がる。

 

「随分と私は信用されてませんね。まぁ、いいでしょう。さあ、始めましょうか」

 

「行くわよ皆んな!」

 

「「「はい(オッケー)!」」」

 

ツイスターの声に反応したスカイ達はいざプリズムを巡ってゼインとの戦いを始めるのであった。

 

──────────

 

ゼインとの戦いが始まった頃、ツイスター達が先程までいた保育園にはエルとたける達の避難を終えたベリィベリーが戻ってきたのだが、其処には誰も居なかった事に彼女は不安の表情を浮かべる。

 

「皆んな…一体何処に行ったんだ?」

 

周辺を見渡す限り戦いによって破壊された保育園の一部は元通りでランボーグが作った雪も消えている事からランボーグを浄化出来た事は確信するが、肝心のツイスター達がいない事にベリィベリーは心配を覚える。

 

「ツイスター達だけじゃ無い。あのゼインという奴も居ない…まさか、此処が戦いに巻き込まれない様にどこかへ移ったのか?」

 

ベリィベリーはヨヨから支給されたスマホを取り出して試しにツイスターに電話を掛けるが繋がらなかった。

 

「くっ、繋がらない…本当にどこに行ったんだ!?」

 

電話が繋がらなかった事に益々不安が強くなるベリィベリーは先程まで此処にいたゼインの姿が脳裏に過ぎる。ゼインの実力を知らない彼女は何処まで強いのか全く知らないがツイスターや他の皆んなの表情から察するに只者では無いと分かる。

 

(いや、あの時のツイスターの表情は……不安な顔にも見えたな)

 

自分達をこの場から避難させようとしたツイスターの顔に焦りの色が見えた事からゼインとの間に何か嫌なことでもあったのかとベリィベリーは想像した。

 

「ええい!それよりもツイスター達が何処に行ったかを調べるのが先だ!」

 

しかし、考えても仕方ない。兎に角ツイスター達が何処へ行ったかこの場に手掛かりが無いかと辺りを調べようとベリィベリーが動き出そうとした時だ。

 

「おい、此処から激しい音が聞こえたが何があったんだ!?」

 

「え……お、お前は…!」

 

何者かがベリィベリーの背後に話しかけてきてベリィベリーは後ろを振り返るとそこにいた人物を目にして驚きの表情を見せる。果たして、彼女の目の前に現れたのは誰なのだろうか。

 

─おまけ─

 

更に同時刻の別の場所ではツイスターによって吹き飛ばされたバッタモンダーはとある街にいた。

 

「き、キュアツイスターの奴ぅ…よくも俺をこんな目に…!」

 

ボロボロになった姿のバッタモンダーは近くに捨ててあった杖を使って何とか歩きつつ自分を知らない街へと吹き飛ばしたツイスターの恨みを募らせる。やり方は兎も角彼女によって命を救われたのだが、吹き飛ばした事への怒りが強く全然恩を感じていなかった。

 

「ツイスターもそうだが、あの真っ白野郎に1発痛い目を見せなきゃ俺の…あん?」

 

腹の虫が治らないと憤りを感じていたバッタモンダーだが、目の前にドーナツが転がってきた事に思わず拾い上げる。

 

「何だコレ…ハートの穴?」

 

「悪いねぇお兄さん。俺のドーナツを拾ってくれて」

 

「あん?」

 

バッタモンダーは誰かが自分に話しかけてきた事に反射的に振り返ると其処にサングラスと髭を生やした強面の男が立っていた。

 

「うおっ!?な、何だよお前は!?」

 

「ああ、別にそんな怯えなくても良いよ。別に取って食うつもりはないから。まぁ、食うって言っても俺のドーナツは美味いから何個でもいけちゃうからね…グハッ」

 

「な、何だこいつ…?」

 

人相の割に気さくに話しかけてくる男にバッタモンダーは困惑の表情を浮かべるも更にその男はエプロンなどを付けているなど全然顔と似合わないから余計に警戒してしまう。

 

「お兄さん初めて見る顔だけど、四つ葉町に観光かい?それならお近づきの印とお詫びも兼ねて俺特製のドーナツをサービスするよ」

 

「よ、よく分からねえがただでくれるんなら貰うけど…」

 

謎の男のペースにすっかり飲み込まれたバッタモンダーは男の誘いに応じてその男がやっているドーナツ屋へ行きドーナツを頂く事となった。尚、そこには強面の男の作るドーナツを愛するフェレットと金髪の青年と知り合う事となりドーナツ談義をしてツイスターとゼインの事を忘れるのであった。

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