ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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今回はコラボ第9話になりますが、後半ややギャグよりになります。


第84話 ゼインvsキメラング?

電撃を纏ったキメラングは一瞬でゼインの目の前まで駆けると其処から頭部に向かって回し蹴りを喰らわせようとする。それに対してゼインは焦る事なく一歩下がり、彼女の蹴りを避けるとお返しに彼女の顔面に拳を突き出す。キメラングはその拳を受け止めるとニヤリと笑みを浮かべる。

 

「そらっ!直に電撃を喰らいなっ!」

 

「ぐっ!?」

 

キメラングは強力な電流をゼインの身体に流し、彼は思わず声を上げるとキメラングの手を振り払う。それからキメラングの腹に蹴りを浴びせようとするが、彼女は高速移動して回避する。

 

「先程私の攻撃を避けたという事は身体を電気に変える事は出来ない様ですね」

 

「くくっ、そうだよ。そうなると君はどう攻略するのかな?」

 

マッハ!執行!ジャスティスオーダー!

 

ゼンリンシューター!

 

カードを一枚裁断するとバイクの前輪を模した白い銃…ゼンリンシューターが召喚されると手に取りキメラングに向かって銃撃するが全て避けられてしまう。

 

「おっと、そんな一直線な攻撃は当たらないよ♪」

 

「確かにそうですね。でしたらこれはどうですか?」

 

シグナルコウカン!マガール!

 

ベルトに手を添えると音声が鳴り響き再びキメラングへと銃撃を繰り出すが再び避けてしまう。

 

「だからそんな攻撃は当たらないって言っただろう」

 

「ならば当てる様にすれば良い事です」

 

マガール!

 

「うおっ!?」

 

するとゼインはベルトを叩くと先程外れたビームの弾がUターンしてキメラングの背中へ命中する。キメラング自身まさか一度撃った弾が途中で軌道を変えるとは想像もできなかった為、驚きの表情を浮かべる。

 

「驚いたよ…まさか撃った弾を途中で軌道を変えるとはね」

 

「これしきで驚かれては困りますよ」

 

そう言うと再びゼンリンシューターから銃撃を繰り出し、キメラングは先程と同じ様に背中から受けない様に弾から離れるがゼインはベルトを2回素早く叩き込む。

 

キュウニ!マガール!

 

するとそんな音声が鳴り響いて弾は直角に曲がり、そのままキメラングへ再び飛んで行く。キメラングの方は弾が当たる前に指先から電撃を放ち打ち消した。

 

「おっと、そう簡単に上手く行かないよ」

 

「でしょうね。それならこちらはどうですか?」

 

シグナルコウカン!カクサーン!

 

更に別の音声が鳴り響くと今度はキメラングから少し上に向かって弾を1発放つと花火の如く弾が分裂しキメラングに向かって降り注いでいく。

 

「今度は分裂かッ‼︎」

 

キメラングは慌てて近くのコンテナの裏に隠れて弾の雨を防いだ。そしてゼインはコンテナの裏に隠れているキメラングをコンテナごと攻撃しようとした時、いきなりコンテナがゼインに向かって吹き飛ぶ。

 

シグナルコウカン!トマーレ!

 

対してゼインは飛んでくるコンテナに慌てる事無く冷静に1発の銃弾を撃ち込むと弾は止まれの標識へ変化しコンテナにぶつかる。するとまるで動画を一時停止させた様にコンテナはその場で停止。ゼインはコンテナの上を飛んでその後ろにいるキメラングへ攻撃しようとした。

 

「そらっ‼︎」

 

「むっ」

 

その時、コンテナの陰に隠れていただろうキメラングがゼインの前に現れると右手から電撃の剣を生成。ゼインへと襲い掛かるもゼインはゼンリンシューターの前輪部分で防ぎ、再びベルトに手を添えベルトを叩く。

 

ズーット‼︎マッハ‼︎

 

「おっ?これは転移…いや、高速移動か」

 

音声が鳴り響きキメラングの目の前からゼインが消える。キメラングは瞬間移動でもしたのかと一瞬思ったが、それはすぐ違うと判断する。

 

「私も速さには自信があるんだよね!」

 

キメラングは全身に電気を纏うと高速移動するゼインを追いかけ互いの得物をぶつけ合う。

 

「ほう、この加速について来られるとは」

 

「そっちこそ、私のアーマーの速さと同等の速さを出すなんて驚きだよ。益々君の力を見たくなったよ!」

 

其処から更に加速していき、その場には得物をぶつけ合う音と火花が飛び散る。そんな様子をツイスター達は困惑した表情を浮かべている。

 

「ね、ねぇ、皆んな見える?」

 

「いや、あちこち音がするくらいで何も…」

 

「わ、私もです…」

 

スカイとプリズムとバタフライは目で追えない2人の高速バトルに困った表情を浮かべているが、ツイスターは3人と違って目をキョロキョロと動かしている。

 

「……私は見えるわ。あいつらはさっきからコンテナの上を飛び乗って戦いをしている」

 

「ええ、僕も視認できます。あちこち電撃を放ったり自由自在に変化する弾を撃ったりとやりたい放題してますね」

 

「す、すごいね…」

 

「くっ、まだまだ私は鍛錬が不足している様です」

 

「いや、ツイスターはわかるけど何でさっきから少年は視認できるの?」

 

ツイスターとウィングが2人のキメラング達を目で追えることにプリズムとバタフライは思わず苦笑いを浮かべ、スカイはまだまだ修行不足だと2人に対抗意識を見せる。

一方でキメラングとゼインは暫く高速バトルを繰り広げていたが、互いの武器をぶつけ鍔迫り合い状態になりその場で足を止めていた。

 

「見事ですね…前回よりも大幅に強くなってますよ」

 

「そう言ってくれると嬉しいねぇ〜。私もこのアーマーを使った甲斐があるよっ!」

 

キメラングはもう片方の手に電撃の剣を作り出すとゼインに向かって突き出し、不意打ちを喰らわせようとする。しかし、ゼインはその剣が当たる前に彼女の腹部を蹴ってその勢いで大きく後退。距離を開けると口を開く。

 

「それにしても気になってましたが、貴女はどうやって此処へ来られたんですか?このゲームエリア内の侵入は通常出来ない筈です」

 

「ああ、それね。実は前に別の町でプリキュアと戦った時に偶然にも仮想空間に閉じ込められて其処で戦う経験をしたんだよ」

 

「別の街で仮想空間…それって…!」

 

「デリシャスフィールドの事だよ!」

 

ツイスター達はキメラングの話を聞いておいしーなタウンでの出来事を思い出す。キメラング達が操るアンダーグウバウゾーから街を守ろうと駆けつけたローズマリーがデリシャスフィールドを展開し自分達をアンダーグウバウゾーごと現実の世界から隔離した事を思い出す。

 

「それから私は仮想空間について研究を始めたんだよ。そのお陰で君たちが仮想空間の中へ移動した事が分かり、後は空間の隙間を見つけてアーマーの力でゴリ押しして侵入した訳だよ」

 

「ほう…そう言う事でしたか」

 

「まぁ、自分で言うのも何だけど私は天才だからね。その気になれば何でも出来るんだよ。こんな風にねっ!」

 

するとキメラングは手を天に向かって突き出すと電撃を放ち、近くにあった大量のコンテナに浴びせると磁石の様に組み合わさっていき巨大な手になるとゼインに向かって振り下ろした。

 

シグナルコウカン!キケーン!

 

新たに音声を鳴らすと1発の弾を巨大な手に向かって放つ。その弾は巨大な鮫の様なモンスターへ変化してそのまま衝突し、爆散。その影響でコンテナの残骸がゼインに向かって降り注いでくると彼はそれらを全て避ける。

 

「厄介な…これだからヴィランは面倒なんですよ」

 

アルティメットリバイ!執行!ジャスティスオーダー!

 

悪態を吐きゼンリンシューターを放り捨てると新たに1枚のカードを裁断しゼインの隣にはアルティメットバイスに似たアルティメットリバイが召喚される。

 

「一気に方をつけましょう」

 

ゼインがそう言うとアルティメットリバイはベルトに付いたスタンプを2回ほど捻ると全身を赤く光らせ、隣にアルティメットリバイを全体的に青くした様な戦士のエネルギー体が現れると左右対称の構えを取る。

 

リバイ!ギファードフィニッシュ!

 

ベルトから必殺の音声が鳴り響くと一瞬でキメラングへと距離を詰める。キメラングはそれに対して両腕から電撃を放ち、アルティメットリバイへ当てようとした。しかし、アルティメットリバイとエネルギー体は磁石の様に互いを反発して一瞬でキメラングの左右に立ち電撃を躱す。

 

「なっ!?」

 

「これで今度こそお終いです」

 

避けられた事に驚いたキメラングの隙を突き、2人は引き寄せ合うとキメラングを挟み込むように必殺のパンチを喰らわせようとする。キメラングは左右から迫り来る拳に防御する暇も無く、キメラングは攻撃が当たる事に焦りの表情を浮かべる。

 

「し、しまったぁぁぁぁぁぁっ!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんてね♪」

 

『なっ!?』

 

その時、キメラングが焦りの表情から一変。いつもの余裕ある笑みを浮かべるといきなりアルティメットリバイ達はその場で止まってしまう。否、止まってしまったのでは無く止められてしまった。何故ならば、アルティメットリバイ達は地面から飛び出た金属の巨大なトゲにより腹部を貫かれると同時にその場に静止する形で止まって消滅。その光景にツイスター達は思わず声を上げてしまう。

 

「な、何よそれは…!」

 

「クククッ、言っただろう。仕込みはできたって」

 

「仕込って…これの事を言ってたんですか!?」

 

ゼインとの戦闘前に仕込みはしたと言ってたがまさかこんなバイオレンスなトラップを仕掛けていたとはツイスター達は想像もしてなかった。

 

「まぁね、君たちがゼインと戦っている間色々と準備する時間があったからさ。だから予めギミックを仕込んだんだよね。さて、次はどんな一手にでるのかな…って、あれ?」

 

次はどんな力を使うのか気になったキメラングはゼインの方に視線を向けるが其処にいた筈のゼインが消えていたのだ。

 

「彼は…何処に行ったんだ?」

 

「私ならこちらですよ」

 

「え?」

 

背後から聞こえた声にキメラングは反射的に振り返るとドスッという生々しい音が響き渡る。ツイスター達は目の前の光景を見て顔を青ざめる。一方でキメラングは先程聞こえた生々しい音と共に腹部に痛みが感じて恐る恐る下に視線を向けると其処にはポップな色をした剣…リバイスラッシャーが彼女の腹部を貫き大量の血が流れていたのだ。

 

「ゴフッ!?」

 

「マッドサイエンティスト!!!」

 

『キメラングッ!!!』

 

ゼインの不意打ちによって重傷の傷を負ったキメラングに思わずツイスター達は声を上げる。一方でキメラングは口と腹から血を流しながらも自身の腹部を貫いたゼインの顔を見て口を開く。

 

「き、君ね…不意打ちって…しゅ、趣味が…ワルッ」

 

「確かに私も不意打ちで決着を付けるのは多少不満はあります。ですが悪意ある者を排除する為ならば多少は卑怯な手を使っても良いと考えてますので」

 

「そ、そっか…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「なら、私も卑怯な手を使っても文句は無いよね♪」

 

「なっ、ガハッ!?」

 

ゼインは背後から聞こえた声に振り返ると其処には目の前のキメラングとは別にもう1人のキメラングが立っており防御する暇も無く強力な電撃を受けてしまい後方へ大きく吹き飛ばされコンテナに身体を叩きつける。

 

「ど、どういう事ですか?」

 

「キメラングがもう1人?」

 

一方でツイスター達はゼインにやられかけていたキメラングがもう1人現れた事に困惑を浮かべているとコンテナに叩きつけられたゼインがゆっくりと立ち上がり、もう1人のキメラングの存在を見て何かを察したのか口を開く。

 

「まさか…エナジーアイテム…"分身"を使いましたか?」

 

「クククッ、その通りだよ。いやはやこの仮想世界にあるアイテムは実に興味深いね。まさかこうも簡単に本物そっくりなコピーを作り出すなんてね」

 

そう言うとキメラングは虫の息状態であるもう1人の自分の腹部に刺さるリバイスラッシャーを引き抜くとそのキメラングは消滅する。

 

「一体…いつから分身を代わりに戦わせたんですか?」

 

「ああ、それね。ほら君との戦いの最中に私がコンテナを投げただろう?その際君がコンテナに意識を向けている間にこの仮想空間に入った際に近くで手に入れたアイテムを使ったんだよ」

 

『なっ!?』

 

キメラングの発言を聞いて一同は声を上げる。あの時のコンテナを投げたのは囮であり、しかも使用するアイテムの効果が何なのかわからないにも関わらず躊躇いもなく使うとその効果を最大限使いこなしたのだ。ツイスター達はその事に驚きを隠せなかった。

 

(恐らく私と彼女達の戦いを観察していた事は察せますが、それでも使用するエナジーアイテムの効果はスカイが使った様にハズレもある…にも関わらず躊躇いもなく使うとは…)

 

先程までのキメラングの行動にゼインは下手に長期戦へ持ち込むと厄介な事となると思い新たなカードの力でキメラングの排除をしようとした。

 

「あっ、言い忘れたけど私ばかり見ないで己の身だしなみをチェックした方が良いよ」

 

「それはどういう…っ!これはっ!?」

 

キメラングの発言にゼインは反射的に自身の身体を見るとベルトに見覚えの無いカードが挿入されており裁断されている真っ最中だった。ゼインは慌ててカードを抜こうとするが間に合わずカードが裁断されてしまう。

 

「ぐあああああああああっ!!!」

 

その瞬間、ベルトを中心にゼインの全身に強力な電流が走ると彼は思わず悲痛の声を上げる。ゼインはダメージに地面に膝を突き、そのまま変身が自分の意思とは関係無く解除される。

 

「変身が解けた?」

 

「おやおや?変身を解いたって事は私に負けを認めたって事なのかなぁ?」

 

キメラングの煽る様な発言に変身を解かれたゼイン…正義はベルトからゼインプログライズキーを抜き再び挿して変身しようとするが姿が変わらなかった。

 

「変身が…できない…」

 

ゼインへの変身ができない事に正義は困惑の表情を浮かべる。今まで彼はゼインへと変身して悪意ある者を根絶してきたが今回の様に変身が出来ない事態は初めてである為、一瞬呆然となるも先程ベルトに変なカードを仕組んだキメラングを睨みつける。

 

「ゼインドライバーに何をした?」

 

「おいおい、そんな怖い顔をしないでよね。思わずちびっちゃうよ。まぁ、君のベルトにハッキングして機能を止めた事は事実だけどさ」

 

「ハッキング?ゼインドライバーは通常外部からの不正アクセスは一切不可能。故にハッキングはできない筈です」

 

自身のベルトには並大抵のハッキングは通用しないのだが、実際ゼインドライバーは先程から変身機能が作動しない。故に本来起こり得ない事が起きている事に正義は其処に疑問を覚えた。すると、キメラングがその疑問に対して答える。

 

「覚えているかい?かつて君が私に武器を奪われて使われそうになった際に武器を別のカードを使って無力化した事を。あの時のカードの残骸を回収してね。サルベージしてちょっと一手間改造した事で君のベルトの機能を強制的に無力化するカードを作り上げたんだよ」

 

「なん…だと…!?」

 

まさか自分が裁断したカードを復元し、更にはそれを使ってゼインドライバーを無力化した事に正義は驚きを隠せなかった。

 

「安心したまえよ、別に壊した訳じゃ無いさ。君が持つベルトとそのキーは私にとっては宝箱に等しいからね。暫くそのベルトは変身出来ない様にセーフティーロックを掛けといただけだから」

 

「くっ…ならば!」

 

ゼインへの変身が出来ないとなれば別の方法と考えた正義はカードを取り出して何かをしようとする。

 

「おっと、そうはさせないよ」

 

「うおっ!?」

 

その直後にキメラングが指を鳴らすと一機のドローンが現れてワイヤーを放つと正義の身体を拘束して動けなくする。そして動けなくなった正義にキメラングが目の前まで近づく。

 

「さて、君もプリキュア達と纏めて良い実験材料に……否、此処で仕留めるか

 

「っ!」

 

すると、再びキメラングの声色が変わると持っていたリバイスラッシャーでいきなり目の前にいる正義を真っ二つに斬ろうと振り下ろす。すると、その直前に黒い突風がキメラングの前を通ると斬ろうとした正義は消える。

 

「どういうつもりだ…ツイスター?」

 

キメラングは自身の背後に視線を向けると其処には正義を庇う様に前に立ちワイヤーを千切るツイスターの姿があった。

 

「…あんたの疑問は最もよ。私もこいつを助けるのは正直どうかしてると思っている」

 

苦虫を噛んだかの様な顔を浮かべるツイスター。それもその筈、自身が助けた正義は別世界とはいえスカイ達を消滅させて更には自分達のプリズムを狙おうとしている。それならこのまま助けなければ良いのが正しいだろう。

 

「それでも…残念な事に私は無抵抗な人間を見捨てる程の心の狭さは持ち合わせてないみたいなのよ」

 

「ツイスター…」

 

しかし、ツイスターはそれでも助ける事を選んだ。そんな彼女の台詞に正義は一瞬だけ、かつて青春時代を共にした緑がかった癖毛とそばかすが特徴の人物を連想する。一方でキメラングはツイスターの発言を聞いて溜息を吐く。

 

「そうか…なら、纏めて処刑だ」

 

そう言うとキメラングは両手には紫色の電撃が纏われ敵意を剥き出しにする。それを見たツイスターは額に冷や汗を流す。

 

「あんた…なんか普段と雰囲気が違わない?」

 

先程からの言動にツイスターは違和感を覚える。普段のキメラングなら自身の研究意欲を満たすために基本的に捕獲する事を目的にするが、先程自分を正義ごと処刑するなどの物騒な発言は普段のキメラングなら先ず言わない筈だ。

 

(それになんか口調も変…この間の一件が関係しているのかしら?)

 

以前体育祭にてキメラングと戦った際に何か苦しむ様子が見られたりしていた為、それが原因なのではと推測する。ただ、今はそんな余裕は無い。ツイスターは一旦考えるのを止めてキメラングとの戦いに集中しようと意識を向けた。

 

「私の前で考え事とは…随分と余裕だな」

 

「っ!」

 

だが、ツイスターは考え事をしている所の隙を突かれてしまうとキメラングは近くのブロックをツイスターに向かって投げ込む。ツイスターはすかさず飛んでくるブロックを蹴り上げて防ぐとその間にキメラングは距離を詰めてきた。そのまま紫色の電撃を纏った拳をツイスターへ叩き込もうと振りかぶる。

 

「そうはさせない!」

 

「むっ」

 

その瞬間、突然ツイスターとキメラングの前に蝶型のバリアが現れるとキメラングから攻撃を防いだ。

 

「私達も!」

 

「いるぞ!」

 

「やああああっ‼︎」

 

更に其処からスカイとウィングがキメラングへ距離を詰めて攻撃を仕掛け、更にはプリズムが光弾を放ってくるが全て避けられてしまう。

 

「プリキュアか…お前たちも私の邪魔をすると言うなら纏めて処刑だ!」

 

キメラングは攻撃をしてきたスカイ達へ狙いを変えると彼女達と戦闘を始める。一方でツイスターは自身の後ろで未だに拘束されている正義へ視線を向ける。

 

「あんた…そのベルトは今使えないけどまだ戦える手段はあるんでしょ」

 

「ええ、カード単体を使えばその力を使用する事は可能ですよ」

 

カードだけの力と聞いてツイスターの脳裏にはあまり思いだしたく無い記憶が蘇る。たった1枚のカードの力で自身の力を無力化し一方的にやられた彼女だが、その力だけは信頼できた。

 

「なら協力しなさい。一緒にマッドサイエンティストと戦うからましろには手を出すんじゃないわよ」

 

「取引ですか」

 

「そうよ。それに今あんたの命を助けたんだから恩人である私の言う事を聞きなさい」

 

ツイスターの言葉に正義は考える。確かに先程変身出来ず更には動けない自分が殺されそうな時助けてくれたのは彼女だ。それなら助けてくれた借りを返すのが筋を通す事となる。

 

「お断りします」

 

「はあっ!?ちょっと、あんたどう言うことよ!?其処は恩返しの為に言う事を聞くもんでしょ!」

 

正義はツイスターの取引を拒否し、ツイスターもまさか拒否するとは思わず驚愕の顔を浮かべる。

 

「確かに貴女には助けてもらった恩があります。ですが、ましろさんの件とは話が別ですよ」

 

「あ、あんた状況見て言いなさいよ!」

 

ツイスターは焦りを覚える。彼女の理想としては正義の無茶苦茶な力を利用してキメラングを撃退してそのまま正義には元の世界に帰って貰おうと思っていたのだ。

 

「貴女の魂胆は見えてますよ…私の力を利用するだけ利用して帰ってもらおうと考えていた様ですが、私もここへ来た目的がありますからそれだけは譲れませんね」

 

「なっ…なっ…!」

 

目を閉じつつ喋る正義に完全に自身の考えを見透かされている事に思わず後退りするツイスター。このままでは仮にキメラングを撃退してもまたましろを狙ってくるだろう。そうしない為にツイスターは何とか説得しようと口を開く。

 

「あんた…そんなゴオッ!?」

 

混乱!

 

正義を説得しようとしたツイスターに先程真上に向かって蹴飛ばしたブロックが引力に従って彼女の頭に落下。ツイスターは突然の頭の痛みに悶絶しかけるが、激突の衝撃で砕けたブロックからエナジーアイテム"混乱"が出てきた。そのアイテムはそのまま彼女の身体に取り込まれるとツイスターはスッと冷静な表情を浮かべ、正義の方に歩み寄る。一方で自身の元へ近づくツイスターに正義は視線を向けて口を開く。

 

「……という訳でツイスター貴女の取り引きにはおうz─」

 

─バシィンッ!!!

 

「…え?」

 

『ん?』

 

正義は自分の意見を喋るので夢中になったせいで、ツイスターが取った混乱のエナジーアイテムに気が付かず。話が一区切りした瞬間に突然自身の頬に鋭い痛みが現れる。その痛みに呆然となる正義は目の前で殴ってきただろうツイスターへとゆっくりと視線を向けると彼女は口を開いた。

 

「△○□◇▽かーっ!?」

 

何を言っているのか全く分からず唾を飛ばしながら言語化不能な言葉を発し、正義は勿論先程まで戦っていたスカイ達とキメラングも呆然となる。

 

「…ふっ、成る程。会話が通じなければ暴力で押しt─」

 

─バシィンッ!!!

 

「あの─」

 

─バシィンッ!!!

 

「ちょ─」

 

─バシィンッ!!!

 

「話を─」

 

─バシィンッ!!!

 

「やめ─」

 

─バシィンッ!!!

 

「△○□◇▽かーっ!?」

 

「……はい」

 

((((力で強引に押し通した!?))))

 

喋ろうとする度に彼の口を塞ぐ様に頬を殴り言語化不能の怒鳴り声を上げるツイスターに正義は折れ、それを見ていたスカイ達はドン引きする。

 

(な、何ですか…これは?私が恐れているというのか…?)

 

そして先程からツイスターに自分の発言を一切許さず殴られた自身の身体が震えている事に気がつく。正義は幼少の頃から両親に甘やかされて育てられ、自分のやる事は全て肯定されると叱られた記憶は全くと言っていい程存在しなかった。しかし先程のツイスターはまるで90年代の昭和の教師みたいに口答えする生徒を理不尽な暴力でわからせるものだった(偏見)。その為、正義はそんな理不尽の極みに恐怖を感じていたのだ。

尚、その様子をスカイ達だけでなくキメラングすら戦いを辞めてドン引きして声も出せず辺りに気不味い雰囲気が流れる。

 

「おーい、みんなー!」

 

「ん…あの声って!?」

 

「まさか!」

 

そんな時、その場に本来ならいない筈の人間の声が響き渡りスカイ達は声が聞こえた方向に視線を向けると其処には見覚えのある赤髪の女性がこちらに向かって走ってきたのだ。

 

「「「「べ、ベリィベリーさん(ちゃん)!?」」」」

 

スカイ達の視線の先にいるのはエル達を安全な場所へ避難させる為に別れたベリィベリーだったのだ。何故彼女が此処に来れたのか疑問を浮かべているとベリィベリーはツイスターの姿に気付き彼女の元へ駆け寄る。

 

「待たせたな皆んな…って、ツイスター?…なんか全体的に黒くなっていないか?」

 

「……」

 

ベリィベリーに話しかけられたツイスターはじっとベリィベリーを見つめるとゆっくりと彼女の方に歩み寄る。

 

「まぁ良い。それよりもこの私が来たからにはあの聖騎士もどきの好き勝手には─」

 

─バチコンッ!!!

 

「ぐべぼっ!?」

 

『えええええええっ!?』

 

ベリィベリーがツイスターにビンタされると地面に倒れて気を失う。同時にスカイ達は察した。下手に自分達も喋ればベリィベリーの後を追う事になると思った一同は口を手で押さえようとした時だ。

 

「何やっているんだお前は!?」

 

「「「「へ?」」」」

 

また聞き覚えの無い声がこの場に聞こえた事にスカイ達はそちらに視線を向けると其処には茶色の短髪の少年が立っていた。

 

『ど、どちら様で?』

 

「いや、この前会ったばかりだろ!?」

 

「ん?彼は…」

 

見知らぬ少年の存在にスカイ達は目を丸くするも一方で正義は既視感があった。

 

「お前たち…俺の顔を忘れたのかよ?」

 

「いや、忘れるも何も…」

 

「初対面だと思うんだけど…」

 

「私も知り合いにこんな子はいないよ」

 

何故か自分達の事を知り合いかの様に話す少年にスカイ達は困惑する一方でウィングは何かに気がつく。

 

「あれ、でもこの声は何処かで聞き覚えが?」

 

「声?……ああ、そういえばこっちの姿を見せるのは初めてだったな?」

 

「こっちの姿ってどう言う─」

 

ウィングがどう言う事なのかと言おうとした時、少年の身体がボフンと音と煙を立てると煙が晴れて其処には見覚えのあるオレンジ色の小さな鳥が立っていた。

 

「この間振りロプ」

 

「し、シロップさん!?」

 

「し、師匠!?」

 

「えええっ!?人から鳥になった!?」

 

「て事はやっぱり少年と同じプニバード族だったて事!?」

 

スカイ達は少年の正体が以前キュアレモネードと共にいたシロップである事に驚いた反応を見せる。一方で正義も珍しく驚いた反応を見せる。

 

(彼は確か別世界で見かけたキュアレモネード共にいた鳥の妖精…しかし、何故ここに?)

 

別世界にて彼とレモネードと邂逅した事がある為、まさかこの世界にもシロップがいる事に驚くと同時に何故この場にいるのかが不思議でならなかった。

 

「ところで…どうやってシロップさんはベリィベリーさんと共に此処へ来れたんですか?」

 

「あ、そう言えばそうだね」

 

スカイを筆頭に思い出す。シロップの存在で忘れかけていたが、何故彼がベリィベリーと共にこちらへ来れたのか気になっていた。

 

「実は手紙を届けにこの街へ寄ったら何だか大きな音が聞こえたロプ。音が聞こえた所に行けばベリィベリーがいたから訳を聞いて一緒にこちらへきたロプ」

 

「いや、一緒に来たって…実際どうやって来たの?」

 

「シロップは運び屋だから別世界へも飛んで行けるからこうやってこっちの空間に飛んできたロプ」

 

「えっ!?そんな事が出来るんですか!?」

 

「世界を超えるトンネルを使わずに!?」

 

単体で別世界や仮想空間を行き来できると発言したシロップに一同は驚きを見せる。対してシロップはスカイ達が自身に向けて尊敬の眼差しや反応を浮かべているのを見て上機嫌になる。

一方でキメラングは先程までの雰囲気がガラリと変わったがあまりの温度差に苛立ちを覚える。

 

「はぁ、雰囲気を変えたいと願ったが、こんなくだらん茶番を見せられるとはな……ふざけた真似を…!」

 

『ッ!?』

 

キメラングから発せられる途轍もない殺気に一同は冷や汗を流し振り返るとキメラングの身体から漆黒のオーラが滲み出ていた。そしてその殺気はツイスター達の元まで届く。

 

「…ハッ!?私は…何を…って、ベリィベリー何で此処に!?」

 

「やっと正気に戻りましたか?それではあれを見て下さい」

 

先程まで混乱していたツイスターも殺気を浴びて正気に戻ると自身が混乱中に殴って気絶させたベリィベリーの存在に気付くも正義の発言を聞いてキメラングに視線を向ける。

 

「な…何よこの殺気は…!」

 

「貴女もその身で感じましたか?奴から放たれる殺気は尋常じゃありません…下手をすると少々厄介事になりそうですよ」

 

正義の発言にツイスターは眉を顰める。確かに少し距離は開いているがキメラングの放つ殺意に焦りの表情を浮かべる。

 

(やっぱり可笑しい…マッドサイエンティストは普段なら相手をある程度痛めつけた後、その相手を捕まえる筈なのにさっきの発言にこの殺意は…普段のあいつからじゃ考えられない)

 

やはり今日のキメラングはいつもと違うと思ったツイスター。しかし、下手にこのまま放置すると面倒な事が起こり得ると考えた彼女はベリィベリーを近くのコンテナの陰に置くとスカイ達の元へ向かおうとした。

 

「待ってくださいツイスター」

 

「なによ、今あんたに構っている余裕は無いんだけど」

 

そんな時に正義が話しかけて来た事にツイスターは嫌そうな顔を浮かべる。今はキメラングを優先的に考えている彼女は更に厄介な正義に関わるのは遠慮したかったが、彼の次に発した言葉に耳を疑う。

 

「そんな事言って良いんですか?折角人が協力しようと考えたのに」

 

「え…協力ですって!?」

 

正義が協力を申し出る発言に一瞬ツイスターは喜びの表情を浮かべるもすぐにハッとなり警戒の表情を見せる。

 

「…あんた一体どう言う風の吹き回しよ」

 

「どう言う風って…貴女さっきまでのやり取りを本当に覚えて無いんですね」

 

先程まで自分の主張を修正ビンタで崩して無理矢理協力を取り付けた事や自身の手でベリィベリーをしばいた事を全く覚えてない事に正義も呆れた顔を浮かべる。

 

「まぁ良いでしょう。不本意ですがあなた方と協力します。最も本当に不本意ですが」

 

「そんな2度も言わなくて良いじゃ無い…兎に角あんたの力は利用させて貰うわ」

 

「ええ、別に構いませんよ。こっちも奴にはゼインドライバーを封じ込められた借りがありますからね。その借りはきっちりと返しますよ」

 

そう言うと正義は1枚のカードを取り出すとそれがベルトへと変化し腰に装着し、更に片手にリボルバーの弾倉と引き金があるグリップの様なアイテムを握るとツイスターと共にスカイ達の元へ駆け寄るのであった。

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