変身が完了したツイスター達は目の前に立っているゴミ収集車のランボーグを視界に入れるとツイスター達は飛び出す。
「先ずは私からよ!」
一番手は自分だと言わんばかりにツイスターは地面を踏み込むと一気にランボーグとの距離を詰めてその勢いのまま拳を振るい殴り抜けようとする。
『ボーグ!』
対してランボーグはタイヤを激しく回転させるとバックしてツイスターの攻撃を避ける。
「「はあああああああっ!!!」」
そこにツイスターに続きウィングとバタフライもそれぞれ飛び蹴りを喰らわそうとするとランボーグは先程と同様に後退して攻撃を避ける。
「逃さないよっ!」
『ランボッ!』
バタフライは後退するランボーグに向かって得意の投げキッスを放つが、ランボーグは後ろにあるゴミの投入口に手を伸ばすとゴミが大量に入ってあるだろうゴミ袋を投げる。それらは投げキッスに衝突して爆発を起こし、袋の中に入ってたゴミが周りに散乱するとツイスター達の方にも飛んできた。
「うわっ!?汚っ!」
「ちょっと!ゴミを投げないでよ!」
「公園を、汚すなっ!」
飛んでくるゴミをツイスター達はそれぞれの技で防ぎつつバッタモンダー達へ訴えるが、バッタモンダーは呆れた表情を浮かべる。
「五月蝿いな。戦いに汚いも何も無いだろう。まあ良い、今度はこっちから行かせてもらうよ。ランボーグ攻撃だ!」
『ランボーグッ‼︎』
するとランボーグはツイスター達に背を向ける。まさか逃げるつもりなのかと一瞬彼女達は思ったが次の瞬間、ランボーグの後ろある投入口から無数のペットボトルがミサイルの様に放たれる。
「またゴミを!」
「ていうか、燃えるゴミとプラゴミが同じゴミ収集車に入っているの!?」
「ちゃんと分別をしてよね!」
迫り来るペットボトルにウィングとバタフライが蹴って防ぐと、ツイスターがマフラーで数本絡め取る。
「一度捨てたゴミはちゃんとゴミ収集車に戻りなさいっ!」
『ランボオッ!?』
マフラーで捕まえたペットボトルを投げ返すとランボーグは背を向けていた事で自分に向かって飛んでくるペットボトルの存在に気づくのが遅れ、喰らってしまう。
「何やってんだ!?さっさと反撃しろ!」
人数がいつもより少ない事から勝つ自信があったバッタモンダー。しかし、人数が減ってもランボーグが押されている事に焦りを感じると再度攻撃を促す。
ランボーグは起き上がると今度は投入口から大量の缶ゴミを取り出すとそれを投げつける。
「今度は缶ゴミ!?」
「次から次へと色んなゴミって嫌になっちゃう!」
「本当よ!ゴミを分別せず何でも捨てるなんて信じられない!少しはリサイクルとか考えなさいよこの馬鹿!」
「いや、俺のゴミじゃねえよ!」
また別のゴミが襲いかかって来た事にツイスター達は防ぎつつもバッタモンダーに悪態を吐く。これにはバッタモンダーは自分のゴミでは無いと否定。と言うかまだ公園内にあった分別が出来ているゴミ箱をランボーグにしたのなら今までの攻撃は納得出来るが、ゴミ収集車はそれぞれの曜日にあったゴミを回収しているのが決まりである。そのため、その決まりを守らずゴミ収集車に入っているという事はこのゴミ収集車の中のゴミを捨てた元の持ち主が原因である。
尚、それに気づかないバッタモンダーは攻撃の手段が多くてラッキーだと考えている。
「全くこうもゴミを出されたら戦意が無くなりそう!」
そして、先程から投げられて来る缶ゴミやペットボトルなどをツイスター達が防いでいるが、その内の幾つかを防ぎ損ねてしまうと3人の後方にある壁画の方へと飛んで行ってしまう。
「えるっ!?」
「しまった!」
「エルちゃん!」
「プリンセス!」
何発かが壁画に飛んでいくのを見たバタフライはエルと壁画を守る為咄嗟に壁画の前にバリアを複数作り出して壁画を防いだ。
「んん?もしかして……おいランボーグ!その壁画に向かって攻撃しろ!」
『ランボーグ!』
「「「なっ!?」」」
壁画をランボーグの攻撃から守ろうとしたバタフライの姿を見て何かを察したバッタモンダー。彼はランボーグに標的を壁画に変えさせるとツイスター達が驚きの声を上げる。
一方でバッタモンダーの新たな指示を聞いたランボーグは壁画に向かってゴミを大量に放った。
「「「やめなさい(やめろ)!!!」」」
3人は壁画に向かって飛んでくるゴミを全て防ぐ事に成功する。しかし、その光景を見たバッタモンダーは口角を釣り上げる。
「成る程、どうやらその壁画は壊されると不味い様だね」
一方でバッタモンダーは一つの確信を得た。理由は分からないがツイスター達の背後にある壁画は彼女達にとってエルと同様に大事な物であると見抜いたバッタモンダーは再びランボーグに指示を出す。
「ランボーグ!引き続きその壁画を攻撃しろ!」
『ランボーグ‼︎』
再び壁画に向けて攻撃を繰り出すランボーグにツイスター達は壁画を守る為、攻めることが出来ず飛んでくるゴミを防ぐしか無かった。
「ちょっと!保育園の子達が描いた壁画アートを狙うなんて卑怯だよ!」
「卑怯?失礼だな。其処は作戦と言ってくれよ」
バタフライから非難の言葉を浴びせられるがバッタモンダーはそれを嘲笑うが続いてツイスターが口を開く。
「作戦って、あんたいつもそう言って正々堂々じゃ勝てないから誰かを人質にしたり今もこうして壁画を狙って私たちを倒そうなんてセコイ事考えているわね」
「う、うるせえ!け、結果的に勝てばそれで良いんだよ!」
バタフライよりも効いたツイスターの言葉にバッタモンダーは思わず口調が崩れてしまうもすぐに己を落ち着かせる。
「そもそもその壁画がプリンセス・エルが描いた物ならまだしも、子供が描いたくだらない落書きを守ろうとするなんて理解出来ないよ」
「くだらないですって?」
バッタモンダーの言葉にバタフライは目を細くする。それに気づかないバッタモンダーは話を続ける。
「だってそうじゃないか。その絵が美術館に置かれている絵の様に価値ある物ならまだ分かるけど、何の価値も無い下手くそな絵を守ろうとするなんて馬鹿みたいじゃ無いか」
「「下手くそな絵…!?」」
更にバッタモンダーが壁画アートをコケにするとツイスターとウィングも反応する。先程からバッタモンダーが保育園の子供達が描いた絵を馬鹿にしているのを聞いた3人は次第に怒りを募らせていき、バタフライは口を開く。
「…ねぇ、取り消してよ」
「取り消せって何をなんだい?」
突然のバタフライに言葉に意味が分からず詳しく聞こうとするバッタモンダーだが、次の瞬間バタフライから鋭い目を向けられる。
「さっき言ってた"くだらない"や"下手くそな絵"の事だよ!」
「ひっ!?」
『ランッ!?』
突然怒鳴られた事に思わずバッタモンダーは後退りをしてしまいランボーグも攻撃を止めてしまう。
「あの絵は保育園の皆んなが一生懸命描いた熱意ある絵…それをくだらないや下手くそな絵って呼ばないで!あの絵を馬鹿にするのはこのキュアバタフライが絶対に許さない!」
「ぐっ…だ、だからなんだ!許さないからどうしたってんだ!?ランボーグ!」
『ランボーグッ!!!』
バタフライに怯み掛けるもバッタモンダーはランボーグに指示を出すとランボーグはバタフライを壁画ごと潰そうと突進を仕掛けてくる。
「「バタフライ!」」
「大丈夫だよ!任せて!」
バタフライを助けようとツイスターとウィングは彼女の元へ向かおうとするがバタフライがそれを止め、彼女は迫り来るランボーグに対して両手を広げて待ち構える。
「1人で止めるつもりか?この前変身したばかりの戦いの素人が止められるわけねえだろう!」
『ボオオオオオオオオッ!!!』
1人で止められる訳無いと思い込んでいるバッタモンダーはそのままランボーグの巨体がバタフライを吹き飛ばすと思い込み、ランボーグもそのまま大きな衝撃音を立ててバタフライに突進する。しかし、そんな予想とは裏腹にバタフライは吹き飛ばされず、押し出される形でそのまま背後にある壁画へと下がっていく。
「「バタフライ‼︎」」
「えるーっ!!!」
「私は…負けないッ!!!」
ツイスターとウィングとエルの3人は心配の声を上げるが、バタフライはどうにか踏ん張ると背中が壁画に接触しそうになったタイミングで更に足腰と両腕に力を入れてランボーグを止め切る。
「なっ、嘘だろっ!?」
『ら、ランッ!?』
バッタモンダーはまさか1人であの巨体を止めるとは思ってもみなく、驚愕の表情を浮かべる。ランボーグの方も止められて動揺を見せる。ただ、あと一歩なら押し込めば良いと引き続きバタフライに向かって全力で突進を仕掛けた。ただ、これでもバタフライを突破できずにタイヤが空回りを引き起こし一向に前に進む事ができなかった。
「おう、りゃああああああああっ!!!!」
『ランボオオオオオオグッ!?』
「え?うおわぁっ!?」
バタフライはそのままランボーグの巨体を掴んで持ち上げるとそのままバッタモンダーに向かって投げ飛ばし、彼は一瞬動くのが遅れてしまった為にランボーグに下敷きになってしまう。
「皆んなの描いた絵を馬鹿にするだけじゃなく、それを壊そうとしようとした事は絶対に許さないから!」
そう言うとバタフライはランボーグとバッタモンダーに向かって駆け出した。
「お、おい、早く俺の上から退いて彼奴に攻撃しろ!」
『ラン…ボウグ…!』
ランボーグはどうにかバッタモンダーの上から退いて身体を起こすと迫り来るバタフライに大量のゴミを放つ。対してバタフライは迫り来るゴミを撃ち落とそうと唇に指を添えて投げキッスを放とうとした。
「「はあああああああああっ!!!!」」
「なっ!?」
『ランッ!?』
「えっ!?」
するとその時、バタフライの後方から炎の渦の様な物が飛んでくるとゴミを全て焼却し灰にする事になる。
「今のh「バタフライ!」ツイスター?」
後方から聞こえて来たツイスターの声にバタフライは振り返ると其処にはテンペストバトンを構えたツイスターの姿がいる。しかし彼女の側にいたウィングの姿が無いため、バタフライはもしやと思うと先程ゴミを焼却した炎の渦に視線を向ける。すると炎の渦は消えており、中からウィングが現れた。
「バタフライ!決めて下さい!」
「今回は美味しいところを譲るわ!」
「2人とも…任せて!」
2人に後を託されたバタフライはサムズアップをすると再びランボーグへと迫る。
「こ、こっちに来るんじゃねえ!」
『ランッボオオグウウウウウウッ!!!』
再び近づくバタフライにランボーグは大量のゴミを放つ。しかし、バタフライはツイスター達の援護もありそれを避けつつどんどん距離を詰めていきランボーグまで3m程まで来た。その瞬間、ランボーグは何やら目を光らせる。
「っ!バタフライ気をつけて!何か仕掛けてくるわよ!」
「え?」
「気づくのが遅いよ!ランボーグ今だ!」
『ランボオオオオオオグ!!!』
ランボーグは投入口から何故か出てきた巨大な丸太を引き抜くとそのままバタフライに向かって振りかぶったのだ。バタフライはそれには対応出来ずそのまま丸太にぶつかりそうになるかと思われた。
「喰らわないよっ!」
「なにっ!?」
だが、バタフライは横から迫る丸太にも対応。その場で高く跳躍して避けたのだ。
「散々皆んなの絵を馬鹿にした借りはきっちり着けさせてもらうよ!」
『夢見る乙女の底力、受けてみなさい』
「っ!今のは!?」
その時、空中を高く跳ぶバタフライの姿が彼女と同じく蝶の飾りを付けた別の人物と重なって見えたツイスターは目を擦って再び確認するとその人物消え、幻覚かと思い込んだ。
そしてバタフライは自身の足元にバリアを出現させると浄化技を放とうとする。
「受けてみなさい!ひろがる!バタフライプレスッ!!!」
バリアに向かってキックを決めたバタフライはランボーグに向かって潰す勢いで一気に急降下して行く。
「やられてたまるか!ランボーグ!」
『ランボオオオオオオグ!!!』
一方で上から迫り来るバタフライにランボーグは持っていた丸太を槍投げの如くバタフライに向かって投げ、バタフライプレスとぶつかり合わせた。
「おりゃあああああああああっ!!!」
「うおおおおっ!?」
しかし、バタフライは丸太に負けず丸太を粉砕。そのままランボーグに向かってバタフライプレスを決めるとランボーグの側にいたバッタモンダーは慌てて逃げ出す。これにより、ランボーグだけがバタフライプレスを受けたのだ。
『スミキッター…』
浄化技を受けた事によりランボーグは浄化され元のゴミ収集車へと戻り戦闘によって傷ついた公園も元の状態へ戻った。そしてランボーグがいた所にバタフライが降り立つとバッタモンダーへ視線を向ける。
「どう?これに懲りたら関係の無い人や大事な物を巻き込まないことだよ」
「ぐっ…!」
ランボーグが浄化されたバッタモンダーは動揺し後退りする。
(くそっ!ランボーグが強化出来ていればこんな奴に負ける事なんてなかったのによぉ!)
本来なら戦いの最中でいつもの様にバッタモンダーはランボーグをドーピングカプセルで強化するつもりだった。だが、戦いの途中でカプセルが無い事に気付いてしまったのである。いつもはカプセルを常備していたバッタモンダー。しかし、今回は前回の戦いでツイスターに吹き飛ばされた時に持っていたカプセルを空中にばら撒く羽目になって全て無くしてしまったのである。尚、バッタモンダー本人はその自覚が無かったので本当の理由を知る由はなかった。
「「バタフライ!」」
「ばたふりゃい!」
「おっ、皆んな」
一方でバタフライの元にツイスター達が駆け寄ってくる。
「凄かったですよ!まだ2回目の戦いなのに1人でランボーグを倒すなんて!」
「私も同意見よ。私たちのサポートもあるけどほぼバタフライの単独で勝てたんだから」
「ばたふりゃいすごい!」
「皆んなありがとうね。私も保育園の時は上手く決められなかったけど今日は1人で浄化する事にも成功したよ!イェーイ!」
3人に褒められたバタフライは前回の初戦闘にてランボーグを浄化ができなかった事を気にしていた様で、今回そのリベンジに成功した事に両手でダブルピースを作ってとても嬉しそうな表情を浮かべる。
「じゃあ、バタフライ。このままキラキラエナジーの回収も任せるわ」
そう言ってツイスターは視線をすぐ側に浮かんでいるキラキラエナジーに視線を向けてバタフライに回収を促すが、バタフライはキョトンとした顔を浮かべる。
「え?…私ミラーパッドを持ってないよ」
「え?…じゃ、じゃあウィング、ミラーパッドを出して」
バタフライの発言にツイスターは固まるも直ぐに冷静になる。ミラーパッドは結構重要なアイテムだ。それならしっかり者のウィングが持っているだろうと彼に話しかける。
「す、すいません。僕も持ってないです」
「は?」
申し訳ない顔を浮かべるウィングに再び固まるツイスターは数秒後にハッとなり慌てて2人に話しかける。
「な、なんで持ってないのよ!?」
「いや、だってミラーパッドは1枚しかないし」
「それに一応僕等の中ではソラさんが持っている事で決めたんで…」
「それなら少しはこう言う事になった時の対応策を考えなさいよ‼︎」
てっきり2人のどちらかが持っているのだと思っていたミラーパッド。しかし、それが無い事に動揺を見せる。
「じゃあどうするのよあのキラキラエナジーは!?」
「こ、此処はソラさん達を呼んでミラーパッドを持って来て貰うしかないかと」
「いや、それまでにキラキラエナジーが消滅するかもよ」
チラッとバタフライが視線をキラキラエナジーに視線を向けると今にも消えそうであった。
「あー…仕方ないからソラちゃん達が来るまで適当に水筒とかに入れておこっか」
「いや、そんな事出来るんですか?物理的に…」
「仕方ないわよ。まぁ、ダメ元でやってみるしかないわね」
バタフライの提案にウィングは難しそうだと思ったが、ツイスターの言う通り何もしないよりはマシと判断してウィングもツイスターとバタフライに続き此処に来るまで持って来た水筒などを使ってみようとする。
「貰わないなら私が貰って行くよ」
「「「っ!?」」」
「えりゅっ!?」
その時、聞き覚えのある声と共にキラキラエナジーはとある方向へ飛んでいきその方向にはキメラングがおり、彼女の持つダークパッドにキラキラエナジーが吸い込まれていった。
「「キメラング!」」
「マッドサイエンティスト!」
キラキラエナジーをダークパッドで回収したキメラングの存在にツイスター達は思わず睨む。
「やっほう、この間はどうも。またまたキラキラエナジーを頂いたよ」
「ちょっと!それは私たちのキラキラエナジーだよ!」
「それを横取りして!」
「この前の体育祭といいまた漁夫の利なんかして…!」
以前の体育祭の時の様に彼女がキラキラエナジーを横取りした事に3人はキメラングに非難の声を浴びせる。
「おいおい、何を言うかと思えば君たちが倒した後のランボーグを浄化するからいけないんだろ?現に君達はキラキラエナジーを回収する術を持ち合わせてなく慌てふためいていたんだからさ」
「「「うっ!」」」
正論をキメラングに言われた事に思わず苦い表情を浮かべるツイスター達。確かに予めミラーパッドの存在を確認してソラに連絡を入れていればこんな事にはならなかっただろうと考えられる。
「だ、だけど、そのキラキラエナジーはエルちゃんの両親を目を覚ます為に必要な物!」
「そうです!プリンセスの為、そのキラキラエナジーをこちらに渡して貰います!」
「そう言う訳よ。あんたが何を語ろうが渡さないって言うなら力強くでいくわよ!」
3人はエルの為、キラキラエナジーを手に入れようとキメラングとの戦いに挑もうとする。対してキメラング「へぇ〜」と感心した声を漏らす。
「良いよ。ぶっちゃけ言うと今回キラキラエナジーを手に入れたのは半分君達との戦いの口実にするつもりだったからこれは望んだ展開さ。でも、今回君たちと戦うのは私じゃないよ」
「「「え?」」」
キメラングは今回自分達と戦わないと聞いて驚きの表情を浮かべるツイスター達。そうなるとこの場に残っているバッタモンダーに3人は視線を向ける。一方でバッタモンダーは3人から視線を向けられた事にギョッとする。
「ま、まさか俺か!?ま、待てよ!さっきランボーグを召喚して疲れているんだ!いや別に僕としてはこのままでも構わないよ…で、でも、君たちからすれば万全じゃない僕と戦った所で面白くないんじゃないのかな?」
このままでは自分が戦う流れだと予感したバッタモンダー慌てて戦わない様に遠回しに説得3人を説得しようとする。
「いやあんたが万全だろうが無かろうが戦う気があるなら戦ってあげるけど」
「だ、だから待てって!」
しかしツイスターはバッタモンダーが疲れていようがいないか関係無く戦う気が満々な様子にバッタモンダーは動揺を見せる。
「あー、何か勘違いしている様だけど君たちと戦う相手はバッタモンダー君じゃ無く別にいるよ」
「そ、そうなのか?」
先程まで自分がツイスター達と戦う事になると思ってたバッタモンダーはキメラングの発言に胸を撫で下ろし安堵の息を吐く。
「じゃあ、その戦う相手は何処にいるのさ?」
「さっきからそれっぽい姿が見当たりませんしね」
「油断しないで、奴の事だから何か罠を仕掛けるかもしれないわ」
キメラングの言葉が正しければこの場にそれっぽい人物がいる筈なのだがバタフライとウィングは見渡すがそれらしき人物の姿が見当たらなかった。
「信用されてないなぁ、まあ仕方のない話だけどさ。安心して良いよ。私たちは彼と君たちの戦いに横槍を入れるつもりはないからね。彼もまた君たちと戦いたくてエンジンを温めているからさ」
「あんたの言葉なんて信用…エンジン?」
信用できないと言い切ろうとしたツイスターであったが、キメラングの会話の中にあったエンジンという言葉を聞いてツイスターの脳内にはスカイランドで自分を圧倒的な力で倒し、更には並行世界に飛ばされた自分をキメラングと共に追いかけて来た漆黒のボディのロボットの存在が過った。
「ま、まさか…あれが直ぐ側にいるの!?ハイマックスが!?」
「「ハイマックス?」」
「える?」
大きな動揺を見せるツイスターにウィングとバタフライにエルは聞き返すも以前ツイスターからその時の話を聞かされた事を思い出す。
「いや、待ってください。確かそれってスカイランドでツイスターを瀕死まで追い詰めたロボットの名前じゃないですか!?」
「それに確か並行世界に飛ばされたツイスターをターミ◯ーターの様に追いかけて行った奴でしょ!?」
「あの、ターミ◯ーターの名前を出さないでくれますか?なんかさっきまでの緊張感が弱くなってしまうんで…」
バタフライも真面目に警戒しているのは分かるが創作物の名前を出した事にウィングのやる気がやや下がってしまう。ただ、ハイマックスの実力はツイスターから聞いている為警戒は緩めない。
「クククッ、確かにハイマックスは私の作った発明品の中では最高の一品だったよ。でも、君達の期待を裏切る様で悪いけどハイマックスはまだ修理中でね。その代わりを今回は呼んであるよ。という訳で君の出番だよーっ!」
キメラングは大きな声で誰かを呼んだ瞬間、その場から巨大な爆音が響き渡る。
「えるっ!?」
「プリンセス!大丈夫ですか!?」
「何よ…このおっきな音は?」
「もしかして…車のエンジン音?」
突然響き渡った音にエルはスリングから落ちそうになるとウィングが彼女を抱き抱える事で地面に落下する事を避ける。一方でツイスターは謎の爆音に警戒し、バタフライがその音が車のエンジン音だと察する。
すると、近くの林から木々メギメギと無理矢理折るような音共に勢いよく一台の自動車…というよりもフォーミュラカーらしき車が飛び出してツイスター達の前に止まる。
「ふぉ、フォーミュラカー!?」
「ほーみらーかー?」
「なんでカーレースに出るような車がこんなところに!?」
「でも、マッドサイエンティストの話からしてこれが私達と戦う相手っぽいけど…」
ツイスター達は明らかにこの公園に場違いなフォーミュラカーの存在に驚きを隠せないでいた。キメラングの口振りからてっきり人型のロボットでも現れるのかと思ってたが、そうじゃない事に困惑の表情を浮かべる。
「おいおい、そんな期待外れをしたみたいなリアクションをしないでくれよな」
「「「しゃ、喋った!?」」」
フォーミュラカーが喋った事にツイスター達は再び驚きの声と表情を見せる。ツイスターはやはりハイマックスと同じ人工知能を搭載したロボットという事に一気に警戒を強めるとフォーミュラカーの運転席部分からニョキっとバイザー付きのヘルメットが出てくる。
「俺の名はターボマンだ。見た目通り、速さには自信があるロボットさ。一戦よろしくなプリキュア」
「た、ターボマン?」
「なんか、確かにそれっぽい名前ですが…」
「人型じゃないのね…」
ターボマンと名乗るフォーミュラカー型のロボットの気さくさに再び困惑の表情を浮かべるツイスター達。彼は一応敵でこれから戦う予定なのにも関わらず、気軽に話しかけて来た事にプリキュア達はどうリアクションをすれば悩んでしまう。ただ、すぐにターボマンはキメラングの作ったロボットである事を思い出して緩みかけた警戒を再び強める。
「それであんたはどう戦うの?」
「その姿からしてスピード勝負をする感じで捉えた方が良いのか?」
「あっ、ならさ。私は愛車のピヨちゃんで勝負したいんだけど良いかな?」
スピードに特化したフォーミュラカーの見た目からかけっこで勝負をするのかとツイスター達は予想して質問する。
「この俺にスピード勝負とは魅力的なお誘いは感謝するが、今回はそうじゃ無くて俺はあんた達と拳を交えに来たんだ。そこんところを間違えないでくれよ」
「いや、拳って…タイヤだけで手も足もないで──」
そんなターボマンの返しに、拳を交えるにしても“お前には手も足も無いでしょ”と呆れながらツイスターはツッコミを入れようとした瞬間、目の前のターボマンが音を立てながら変形。3mを超える大きな人型のロボットとなり両肩と両足にタイヤが付き、更には背中にはウィングとマフラーが背負わされマフラーから煙を噴かし出す。
「なっ!?」
「へ、変形した!?」
「嘘っ!?まさかの◯ランスフォーマー!?」
ターボマンがフォーミュラカーから人型へ変形した事にツイスター達は今日何度目になるのだか驚きの表情を浮かべる。
「クククッ、期待通りのリアクションを見せてくれてありがとう」
「お、おい、キメラング!なんだあの車から変形したロボットは!?」
目の前で変形して見せたターボマンにツイスター達だけで無くバッタモンダーも驚き、キメラングに問い詰める。
「あぁ、彼は私が作り出したハイマックス…と言っても君はハイマックスのことを知らないからそこは省いておいて要するに私の知るプリキュアの戦闘データをインプットした対プリキュア用に開発したロボットさ」
「た、対プリキュア用だと!?」
バッタモンダーはキメラングの発言に驚きの声を上げる。もしもその話が本当ならばツイスター達と相対するターボマンはプリキュアに勝てる実力が備わっている事になり、もしかしたら今回こそ勝てるかもしれないと想像して笑みを浮かべる。
一方でターボマンは全身から金属音を鳴らしながらストレッチを行う。
「さて、ストレッチはこれぐらいにして俺とひと勝負付き合って貰うぜプリキュア!」
「「「っ!」」」
ターボマンはストレッチを終えると不意打ちする様にツイスター達にその巨体で突進を繰り出す。それに対してツイスター達は驚きつつも咄嗟にそれぞれ3方向に分かれて突進を避ける。尚、エルはウィングが抱えている状態だ。
「まずそう簡単に俺の突進を喰らってくれないよな。じゃあ、改めて勝負開始だぜ!」
ターボマンはそう言うと己のバイザーを光らせ、マフラーを噴かし戦闘体勢に入り、ツイスター達もターボマンとの戦闘に挑むのであった。