ひろプリに野良猫系キャラを入れてみた   作:獅子河馬ブウ

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第91話 逆転の力、ミックスパレット

キメラングが新たに作り出し対プリキュア用に開発されたターボマンはツイスター達3人を品定めするかの様に見つめていた。

 

(奴がハイマックスと同じ私たちのデータを持ったロボットって事なら厄介ね)

 

かつてターボマンと同じ自分達のデータをインプットしたハイマックスとこの場にいる三人の中で唯一戦ったツイスターはその脅威を知っている。だからこそ、おちゃらけた口調をした奴でも警戒を緩める事はしない。

 

「よし決めた。先ずは…君からだ小鳥ちゃん!」

 

「「ウィング!エル(ちゃん)!」」

 

ターボマンがまず初めに狙ったのはウィングだ。ツイスターとバタフライはターボマンがウィングとエルに向かって駆け出した事にツイスターとバタフライはウィングに声を上げる。

 

「プリンセス離れていて下さい!来い、ターボマン!」

 

ウィングはエルを自分から離れさせると迫り来るターボマンを迎え撃つべく自身も突撃を繰り出す。

 

「その小さな身体で臆せずこの俺を挑もうとはその勇気は褒めてやるよ小鳥ちゃん!」

 

「小鳥ちゃんって呼ぶな!」

 

ターボマンはウィングに向かって連続で腕を振るうがウィングはそれを全て避けてしまう。

 

「あ、あれ?あたらねえっ!?」

 

「お前の動きなんて簡単に避けられるぞ!」

 

自分の攻撃が避けられた事に動揺の声を漏らすターボマン。彼の身体はウィングと比べてデカい分攻撃が大振りとなり、隙が生じやすかった。更には動きの速いウィングにとって簡単に避けられる事が出来たのだ。

 

「はああああっ!!!」

 

「あだっ!?んにゃろ、やったな!」

 

そして、ウィングはお返しにターボマンの顔面に向かって渾身の回し蹴りを放ち、ターボマンも顔面に受けたダメージ思わず声を上げる。その後彼は負けじと足を振るうが再び避けられてしまう。

 

「せいやっ‼︎」

 

「うぼあっ!?」

 

今度は腹部に飛び蹴りを喰らわせターボマンは吹き飛び地面に倒れ込んだ。

 

「あ、あれ、なんか…無茶苦茶弱くない?」

 

「どういう事?」

 

一方でウィングとターボマンの対決にツイスターとバタフライは不思議な顔を浮かべていた。最初ターボマンを作ったキメラングの話では自分達のデータをインプットした対プリキュア用ロボットと聞いていたからかつてのハイマックスの様に途轍もない強さがあると思っていた。だが、実際目の前ではウィングがターボマンを圧倒していたのだ。

 

「おいキメラング話が違うぞ‼︎」

 

「ん〜?違うって何がだい?」

 

一方でバッタモンダーも目の前のウィングとターボマンの一方的な戦いを見て呑気にダークパッドの鏡面を磨いているキメラングに文句を言っていた。

 

「惚けるな!奴は対プリキュア用に作られたロボットだろ!?それなのに何だあの様は!?俺はプリキュアが一方的にボコボコにされて無様な姿を晒してそれを見て胸がスカッとする思いを味わえるかと期待していたのにその期待を裏切りやがって‼︎」

 

「…君今ものすごく情けない発言している事に自覚しているのかい?」

 

バッタモンダーの発言に呆れた眼差しを向けるキメラング。だが、彼のいう通りキメラングの話ではターボマンはプリキュアを圧倒する実力を備えているという事だった。しかし、目の前の光景を見せられたらそれは嘘だったと思ってしまうだろう。

 

「まぁ安心しなよ。少なくとも君の期待を裏切る様な事にはならないさ」

 

「はぁ?あんなスクラップ寸前の奴を見せられて信用しろって無理あるぞ」

 

彼女の発言どうせ苦し紛れの出まかせだろうとバッタモンダーは思ってたが、キメラングは「チッチッチ」と舌を打ちながら否定する。

 

「信用出来ないのは仕方ない話だ。でも、私は自分で言うのもなんだけどエンタメ気質なんでね。これからが面白くなるところさ」

 

そう言うとキメラングはウィングとターボマンに視線を戻すとターボマンはボロボロの状態で倒れ伏していた。

 

「ああ…う、嘘だろ…俺がこんな小鳥ちゃんにやられるなんて…!」

 

「どうやらお前の持つデータは古いデータの様だったな。一方的な戦いに心苦しいけど、決着をつけてやる!」

 

ウィングはターボマンの強さが自分より下だと確信すると自身にオレンジ色のオーラを纏ってターボマンに向かって飛び出す。

 

「ひろがる!ウィングアターック!!!」

 

ウィングは自身の浄化技を発動させそのままターボマンにトドメを刺そうと突撃を繰り出した。一方でターボマンは先程までのウィングの攻撃によって出来たダメージの蓄積で動く事が出来ず、その場に衝撃音が響き渡った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ああ、ごめんよ小鳥ちゃん。ついはたき落としちゃったよ」

 

「ぐ…あぁ…!」

 

しかし、その衝撃音はターボマンによってウィングが地面に叩き落とされてしまった際の音だった。

 

「「なっ!?ウィング!!!」」

 

「ういんぐ!」

 

ツイスター達は目の前の光景を見て目を疑った。先程までウィングがターボマンを圧倒。そのままの流れでウィングがターボマンにトドメを刺すと誰もが思い込んでいたのだ。

 

「な、なんで…!?」

 

ウィングは何故自分が地面に倒れているのか全く理解できていなかった。自分は先程まで動けないターボマンに向かってウィングアタックを繰り出した。しかし気がつくと全身に重いダメージを受けて今度は自身が地面に倒されており、ターボマンは立っている状態だ。

 

「さっきまでの攻撃は中々だよ。でも、申し訳ないんだけど小鳥ちゃんの今までの攻撃はま〜ったく痛くないんだよねぇ」

 

「なっ!?ま、まさか今までのはやられたフリを…!?」

 

ターボマンの発言にウィングは驚愕の表情を浮かべる。先程まで一方的にやられていたターボマンだが、それはターボマンによる演技であると理解したウィング。彼はターボマンの演技にまんまと騙されてしまったのだ。

 

「まぁ、一応俺の電子頭脳にはプリキュアのデータは入っているから基本的に攻撃なんてあんまり効かないからさ。少しの間だけサービスタイムって奴をしたんだけど、それもそろそろおしまいだっ!」

 

「ガハッ!?」

 

「「ウィング‼︎」」

 

ツイスター達はターボマンによって蹴り上げられたウィングを見て激昂し、ターボマンに突撃をする。

 

「この、よくもウィングを!」

 

「おっと、背後からの奇襲攻撃なんて俺には通じないぜ」

 

バタフライは丁度背中が無防備になっているターボマンに投げキッスを放つが、ターボマンは振り返り手を突き出すとバタフライの飛んでくる投げキッスを握り潰して拳の中で爆発させる。

 

「そっちは囮だよ!」

 

だが、それはあくまでも囮でありバタフライはターボマンの真上を高く跳びそこから足を振り上げ一気に急降下し踵落としを喰らわそうとする。

 

「無駄さ、あんたに俺の攻撃は通じないぜ!」

 

するとターボマンは肩にあるタイヤを膨張させ、真上から落ちてきたバタフライの踵落としを肩のタイヤで受け止め衝撃を吸収したのだ。

 

「嘘っ!?」

 

「悪いね、でもこれが現実さ!」

 

「きゃああああっ!!!」

 

そして吸収した衝撃を反射しバタフライに返すと彼女は吹き飛ばされる。ターボマンはそこから彼女へと追い打ちを掛けようとするが、その直後彼の肩のタイヤにツイスターのマフラーが絡まった。

 

「これは確かあんたのマフラーか」

 

「ええそうよ。そしてこのままあんたのタイヤを車軸ごと引きちぎってあげるわ!」

 

そう言うとツイスターは部位破壊を狙おうと自身の身体能力を強化をしてターボマンの肩を壊そうとする。

 

「わお、おっかない事を考えるね。だけど、俺のタイヤにマフラーを絡めたのは悪手だぜ!」

 

「えっ、なにを─」

 

次の瞬間、ツイスターはその場から消える…否、実際には彼女はターボマンの元へ高速で引き寄せられていく。何故そうなったのかはターボマンが自身の肩にあるマフラーが巻き付いたタイヤを高速で回転させ、まるでマフラーを釣り竿のリールを巻くようにしてツイスターを自分の元へ引き寄せたのだ。

そして、ターボマンは自分の元に引き寄せられたツイスターに向かって剛腕を彼女に叩き込んだ。

 

「ダーボラリアット!!!」

 

「があああああっ!!!」

 

強烈な一撃を身体に受けたツイスターは地面に数回バウンドして倒れると何とか立ち上がろうとするが、当たりどころが悪かったのか眩暈が引き起こされて立ち上がる事ができなかった。

そして、ターボマンは肩のタイヤに絡まったマフラーを取ると地面に捨ててツイスターへと近づく。

 

「さて、キュアツイスターって言ってたっけ?あんたは俺の先輩にあたるハイマックスを破壊してくれたからな。下手に長期戦に持ち込んだら俺も二の舞になりそうだからまずはあんたから潰させてもらうぜ」

 

「ぐっ…!」

 

ターボマンは地面に倒れて動けないツイスターを踏み潰そうと足を彼女の真上に上げてそのまま振り下ろす。

 

「させない‼︎」

 

しかしその時、バタフライがツイスターを守るかの様に彼女の真上にバリアを作り出しターボマンの足を止める。

 

「悪いがこれくらいのバリアは俺の力じゃ煎餅みたいに簡単に割れるぜ!」

 

そう言ってターボマンは足に力を入れるとバリアは次第にヒビが入っていき、とうとうバリアを破るとその先にいるツイスターを今度こそ踏み潰そうとする。その瞬間、ウィングが横から飛んできてツイスターを抱えて間一髪で回避する。

 

「大丈夫ですかツイスター!?」

 

「う…あ、ありがとう」

 

「ウィングナイス!」

 

ウィングに助けられたツイスターは眩暈による吐き気を耐えながら彼に礼を言い、バタフライも2人の元に駆け寄るとウィングにお礼を言う。

 

「へぇ、やるじゃないか小鳥ちゃん…でも、あんたら3人ともボロボロの状態に加えて俺にはデータがある事から俺に勝つ事は不可能に近いぜ」

 

「そんなのやってみないとわからないよ!」

 

「バタフライの言う通りです…僕たちはいつも苦戦を強いられましたが最後まで諦めずに戦い続けたことで勝ちを手にしてきました」

 

「え、ええ…例えいつもより人数が少なくてもあんたに勝ちを譲るつもりは一切無いわ!」

 

3人はそう言うとターボマンに飛び出していきターボマンも迫り来るツイスター達を迎え撃とうとエンジンを鳴らしながら走り出す。

 

「ハハハハハッ!!!何を言うかと思えばターボマンの圧倒的な力の前に君たちの苦し紛れの発言は間に等しいんだよ!大人しく倒されれば痛い目に遭わずに済むのにわからない連中だよ」

 

「バッタモンダー君や、小物臭さ全開の発言だけどもう少し気品ある発言は出来ないものかな?」

 

一方でバッタモンダーはターボマンが先程までと打って変わってプリキュア達を圧倒していく様子に彼は大変ご満悦の様子だ。その隣でキメラングはバッタモンダーのあまりに酷い発言に呆れた表情を浮かべる始末だ。

そして、バッタモンダーからターボマンへと視線を戻すと一方的な攻防が繰り広げられていた。

 

「どうしたんだ?人数としてはそちらが3人にも関わらず俺が勝っているぜ」

 

「舐めるんじゃないわよ!」

 

ツイスター達はコンビネーションを駆使してターボマンに仕掛けるが、まるで未来を見ているかの様に彼女達の攻撃は全て避けられて更にはカウンターまで喰らってしまう始末だ。

 

「どう言う事…なんでさっきから私たちの攻撃が当たらないの?」

 

「恐らく奴は僕たちのデータを持っているから次にどんな行動を取るか予測できるんです」

 

ウィングの言う通りターボマンは今までのツイスター達の戦闘データがインプットされ、それにより攻撃パターンが容易く予測出来てしまうのだ。

 

「だったら全く知らない技を出せばいいよね!ツイスター!ターボマンを風の中で閉じ込めて!」

 

「何をするかわからないけど…わかった!」

 

ツイスターはバタフライの指示を聞いてテンペストバトンを取り出しターボマンへ向ける。

 

「受けてみなさい!ツイスタートルネード!」

 

テンペストバトンから放たれる竜巻にターボマンは避ける事なく閉じ込められる。

 

「あー、涼しいねぇ。動き回ってたから冷却に丁度いいぜ」

 

「バカにして…なら、これはどう‼︎

 

するとツイスターは自身を強化させるとテンペストバトンから放たれる風の出力が大幅に増大する。そして、漸く危機感を感じたターボマンは竜巻から出ようとするが身体が竜巻から弾かれてしまう。

 

「ヤベッ、出られねえ!」

 

「良いよツイスター!そして、これは私からのプレゼント!」

 

するとバタフライはバリアを形成するとそれを手にしてブーメランの様にターボマンに向かって投げたのだ。

 

「うおっ!?俺のボディが!」

 

竜巻の中にいるターボマンは飛んできたバリアを最初、自身を囲む竜巻のせいで視認できず。どうにか直撃は避けたものの、そのバリアの鋭利な角の部分が自身のボディに傷を付けたために驚く。更にそこからバリアは竜巻を利用してまるでベイゴマの様にターボマンの周りを高速で回転。全身を傷つけていく。このまま行けばターボマンはバラバラになるとツイスター達は確信していた。

 

「お前ら…やってくれるじゃないか。なら、少し本気を見せてやるよ!」

 

「っ!何をするつもり!?」

 

ターボマンの雰囲気が変わった事にツイスターは嫌な予感を覚える。

するとターボマンは自分の周りを切り裂くバリアを受け止めるとそれを両手でへし折ってその場に捨てる。その後、自身の身体からエンジンの爆音を鳴らし始めた。その影響か、両足にあるタイヤが激しく回転を引き起こし足元にある芝生を抉り出す。

 

「いくぜ…ターボダッシュ!!!」

 

「「なっ!?」」

 

「嘘でしょ!?」

 

するとターボマンは背中のマフラーから火を噴かすと同時に突進。そのパワーを持ってして出られないと思われていた竜巻から抜け出したのだ。それを見たウィングとバタフライは驚きを隠せない。特にツイスターは強化した自身のツイスタートルネードを破られるとは思っても見なく2人よりも大きなリアクションを見せる。

 

「驚いている暇はないぜ!ターボタックル!!!」

 

「「「しまっ…ああああああああっ!?」」」

 

ツイスター達が驚いている隙にターボマンは竜巻を破る際に出したスピードをそのままに一気に彼女達へと突っ込む。それはまるで猛スピードで走る車の様であった。そんなターボマンに轢かれたツイスター達ははね飛ばされるととある物の前に落下する。

 

「ぐ…なんて力…って、此処って!?」

 

「嘘でしょ…!」

 

「まさか、此処に落ちるなんて…!」

 

ツイスターは自分達が落下したところがよりにもよって壁画アートの前であると気づいた。

一方でターボマンはツイスター達が壁画前にいるのを見て思い出す様に呟いた。

 

「そういえばその壁画ってさっきのバッタモンダーとの戦いでも必死に守っていたけど、今度も守る事はできるかな?変形!」

 

するとターボマンは人型から先程登場の際に見せたフォーミュラカーへと姿を戻すとエンジンを激しく鳴らしてタイヤを回転させつつ芝を抉り出す。それを見たツイスター達は顔色が青くなる。

 

「ま、まさか、壁画ごと僕たちに突っ込む気!?」

 

「なんですって!?」

 

「やめて!そんな事をしたら保育園の子供達と皆んなで一緒に描いた絵が!」

 

ツイスター達はターボマンの考えを察して壁画を壊すのをやめる様に言う。

 

「やなこった。俺は別にその壁画の絵にはなんの興味も無いが、プリキュアならそれくらい守ってみろ!」

 

そう言ってターボマンは壁画諸共ツイスター達を打ち砕くべく彼女達に向かって突撃を仕掛ける。対してツイスター達はダメージを負った体を庇いながらも立ち上がりバタフライが目の前に何重もバリアを貼る。

 

「はっ!そのバリアを何重にしても俺の突進は止められないぜ!!!」

 

「くっ、だとしても絶対守ってやる!」

 

「そうよバタフライ!私も絶対壁画を守る!」

 

「僕もあんな奴に壁画を壊されたくありません!」

 

迫り来るターボマンに3人はそれぞれ壁画を壊されたく無い思いを口にし、絶対に守り抜こうと決心をする。

 

「無駄だ!俺の突進を止められるなんて出来る訳が─」

 

その時、ターボマンが出来る訳が無いと言い切ろうとした時だ。

 

「めえええええええっ!!!」

 

「なんっ、ブオッ!?」

 

「「え、える(ちゃん)!?」」

 

「プリンセス!?」

 

その時、なんとエルが突撃してくるターボマンのバイザーに向かって絵の具が溶けた水が入ったバケツを投げたのだ。そのお陰でターボマンは視界が見えなくなり進行方向を変えると勢いのまま、近くの林へと大きな音を立てて突っ込んでいった。

 

「んなっ!?何やってんだあいつは!?」

 

「プリンセスか…ターボマンの視界を塞ぐなんてやってくれるね」

 

ターボマンがまさかの妨害で進行方向を外れてしまった事にバッタモンダーは失望の声を上げる。一方でキメラングはターボマンを妨害したエルに視線を向けた。

一方でツイスター達はエルに駆け寄ると彼女にお礼を言おうとするが目に涙を溜めている事に気がつく。

 

「エル…泣くほど怖いのにどうして?」

 

「それはエルちゃんも皆んなで描いたあの絵を守ろうとしたかったんだよ」

 

ツイスターの質問にバタフライが代わりに答える。普通ならプリキュア達が苦戦する様な敵にエルは泣いて立ち向かう事が出来ないだろう。しかし、皆んなで描いたあの壁画アートはエルにとっても大切な物であるため自分の勇気を振り絞り立ち向かう事を選んだのだ。

 

「エル…凄いわよ貴女の勇気」

 

「える…」

 

「僕もそう思います。プリンセスあなたの勇気ある行動に敬意を表します」

 

ツイスターはエルの涙を優しく指で拭き取ると彼女を褒めて、ウィングもツイスターと同様にエルを褒めるとエルは嬉しそうな顔を浮かべる。

 

「おいおい、やってくれるじゃないか」

 

「「「「っ!」」」」

 

その時、林の方から人型の姿となったターボマンが出てきて自分達を睨んでいた。しかし、頭部は先ほどの絵の具混じり水を被った事でバイザー部分が一部汚れている状態だ。

 

「ちびっ子だから舐めていたぜ。お陰で視界が少し見えなくなったが、それでもお前たちが勝つ可能性は低いぜ!」

 

ターボマンはそう言ってゆっくりと近づいていき、それを見たエルは怯えた表情を浮かべるもバタフライが安心させる様に彼女の頭を撫でた。

 

「大丈夫だよエルちゃん。この壁画アートは私たちが守るから」

 

「ええ、あんな奴私たちが力を合わせればあっという間よ」

 

「ツイスターの言う通り。僕たちの心が一つになればなんだって可能です!もちろんプリンセスも!」

 

「える…」

 

3人の言葉にエルは先ほどまであった怯えの感情が無くなっていき、新たに勇気が湧いてきたのだ。しかもそれは彼女の身体にも影響を及ぼした。

 

「エルちゃんの身体が!?」

 

「これって…!」

 

「まさか…!」

 

エルの身体が突然光り出した事にツイスター達は既視感を覚える。そしてキメラングとバッタモンダーも同じ反応を見せていた。

 

「お、おいおいキメラングあれって!」

 

「ほう、まさか此処で新たな力か…クククッ、データに存在しない事がまた起こりおうとは実に退屈にさせないねぇ君たちは♪」

 

「何呑気なことを言ってやがる!おい、ターボマン。そいつらが何かしでかす前に早く倒せ!」

 

危機感がないキメラングとは対照的にバッタモンダーは早くツイスター達を倒す様にターボマンに指示を出す。

 

「なんで俺がお前の言う事を聞かなきゃなんないんだ?俺に指示を出せるのはドクターだけだ。それに俺としてもこんな面白い展開を邪魔するなんてしたくねえしな」

 

「このポンコツが!!!」

 

しかし、ターボマンの主はあくまでキメラングだ。加えて、ターボマンもキメラング同様に楽観的な上にこれから起こるだろう出来事に手を出さない様子を見せる。そのためバッタモンダーは思わずターボマンを罵倒した。

一方でエルはその間に全身の光を両手に集中させていく。

 

「ぷいきゅあああああっ!!!」

 

エルの両手から放たれた光は天を飛び2つに別れてそれぞれウィングとバタフライの手元に落ちていき、2人の手の中にはそれぞれ新たなスカイトーンが握られていた。

 

「新しいスカイトーン!」

 

「って事はボク達もスカイ達の様に…!」

 

ウィングとバタフライは新たに手にしたスカイトーンに希望が湧いてきた。これさえあればスカイとプリズムの合体技"アップ・ドラフト・シャイニング"やツイスターを加えた"エクストリームツイスターズ"の様な強力な技を出しターボマンを倒せるかもしれなかったのだ。

 

「2人とも新たな力を使ってターボマンを倒して!」

 

「えるっ!」

 

「任せてくださいツイスター、プリンセス」

 

「オッケー!エルちゃんからもらった新たな力を使いますか!」

 

ツイスターもこの状況を2人の新たな力に賭ける事にし、ウィングとバタフライもツイスターとエルの期待に応えるべくターボマンへ向き直りスカイミラージュを構える。

 

「さぁ、覚悟は出来ている!?」

 

「僕たちの合体技を受けてみろ!」

 

「面白い…それなら出してみろよ!その力を!」

 

ターボマンは臆する事なく2人の新たな力に興味を示し拳を構える。一方で少し離れた所で見ているバッタモンダーは動揺を見せる中でキメラングは彼とは対照的に落ち着いた態度をして方の様子を見守っていた。

 

「いきますよバタフライ!」

 

「いつでも良いよウィング!」

 

互いに声掛けをすると2人はスカイミラージュに新たなスカイトーンを装填し、スカイとプリズムの様に手を繋ぎスカイミラージュを空に向かって掲げる。

 

「「アップ・ドラフト・シャイニング!!!」」

 

2人は高らかに技名を叫び天からはランボーグを浄化する円盤が出現する……のではなく、代わりに小さな雲が出現しそこから手の平に収まる謎のアイテムが降ってきた。

 

「え、なにこれ?」

 

「絵の具のパレット…っぽいですね」

 

「これでどうしたら良いのかな?」

 

てっきりスカイ達の様な技が発動するかと思ってたウィング達はそれとは全く別の物…と言うより絵の具のパレットと筆のようなアイテムが出てきた事に困惑の表情を浮かべる。これでどう戦えば良いのかと悩んでいるとツイスターが口を開く。

 

「ねぇ、ひょっとして描いたものを実体化するとかそんな感じなんじゃ」

 

「きっとそれだよ!」

 

「バタフライ早速試してみましょう!」

 

ツイスターの提案にバタフライは早速壁画のそばに置いてあった荷物の中から紙を取り出すと早速何か絵を描き出した。

 

「よし、出来た!そしてターボマンこれを受けなさい!」

 

「ぶおっ!?…な、なんだこれ?」

 

バタフライは描きあげた絵を投げつけるとターボマンの顔面に貼り付き、ターボマンは顔に張り付いた絵を剥がして見るとその紙に描かれてあったのは昔ながらの導火線が付いた爆弾の絵であった。

 

「……おい、この絵がなんだって?」

 

「あ、あれ…爆発しないよ?」

 

てっきり爆弾の絵が爆発するのかと想像していたバタフライは実際に爆発は引き起こされなかった事に恐る恐るツイスターに視線を向ける。

 

「…ごめん。どうやら描いた絵が実体化するとかじゃ無いみたい」

 

「え、じゃあこのパレットと筆の本来の使い道って…」

 

結局ツイスターの考えが外れた事にウィング達はパレットの本来の使い方は一体なんなのかと改めて考えようとする。

 

「は…ハハハハッ!!!な、なんだ驚かせやがって。てっきりとんでもない技とか出すのかと思ってたけど、どうやら勝利の女神は僕たちの方に微笑んだ様だ!」

 

一方でバッタモンダーはてっきりとんでもない必殺技とかでも出るのかと想像していたが、よくわからないパレットが出てそれも結局何も起きない事に安心して自分達の勝利を確信する。そんな中、バッタモンダーの隣にいるキメラングはヘルメットのバイザーを下ろしてバタフライの持つパレットを観察していた。

 

(あのパレット…なんだ?何か途轍もないエネルギーを感じる)

 

この場で唯一パレットから謎のエネルギーを感じたキメラングは目を細めてパレットを見つめる。

 

「おいおい期待させておいてそれはねえだろう!」

 

一方でターボマンは失望した様子でツイスター達に視線を向ける。何かすごい力が出るかと期待していたのだがそれを目の前で裏切られたターボマンは失望の声を上げると、再び足に付いているタイヤを回転させてツイスター達へ突撃してきた。

 

「させない!!!」

 

「はああああっ!!!」

 

「へぇ、俺と力比べか。なら付き合ってやるぜ!」

 

突撃してきたターボマンをツイスターとウィングが受け止めるが、ターボマンの力が2人を上回っている為にどんどん2人を押していく。

 

「ツイスター!ウィング!」

 

「バタフライは早くそれの使い方を探って!」

 

「その間に僕たちがこいつを引き受けますから!」

 

バタフライはツイスター達に加勢しに行こうとするが、2人はそれよりもパレットの使い道を探るように言う。

 

「2人とも…わかった少しの間時間を稼いで!」

 

バタフライは2人からの言葉にターボマンが足止めされている間にパレットと筆の本来の使い方を見つけ出そうと観察する。

 

(とは言っても…全然使い道がわからないけど何かそれっぽいヒントとか無いの?)

 

せめてパレットの使い方が書かれた説明書とかがあればよかったのにと悩んでいると、エルがバタフライの元に近づいた。

 

「える!」

 

「エルちゃん…どうしたの?」

 

するとエルは何か気付いたのかパレットの左側にあるくぼみ部分に指をさしたのだ。

 

「これって……もしかして!」

 

エルが何を伝えたいのか気付いたあげはは先程スカイミラージュに装填したスカイトーンを外しそれをパレットのくぼみ…スロットへ装填した。

 

「やった!エルちゃんお手柄だよ!」

 

「えっへん!」

 

バタフライに褒められた事にエルは嬉しそうに胸を張る。そしてバタフライは再びパレットに視線を向ける。

 

「第一段階はクリアで残るは隣のこの4色のボタン?だね」

 

今度はスカイトーンが装填されたスロットの右側にある赤、黄、青、白の4色のボタンをじっと見つめる。恐らくこれを押せば何かが起こるのだろうとある程度察しは付くが、一体どれを押せば良いのか全くわからなかったが、

 

「…いや待って、絵の具の色を掛け合わせる様にもしかしてそれぞれのボタンを押してやるのかも!」

 

先ほどまで壁画アートをしていた事で脳裏に異なる絵の具を掛け合わせて新たな絵の具を作った事を思い出し、それと同じ様にすれば良いと考えたバタフライは早速2つのボタンを筆で押す。

 

「2つの色を1つに!レッド!ホワイト!」

 

パレットにある赤と白のボタンを押した後、スカイトーンの周囲の溝に筆を入れて円を描くように回すと筆がピンクに染まり筆を掲げる。するとピンクのエネルギーが放出されるとターボマンと押し合いをしていたツイスターとウィングの身体にピンク色のオーラが纏われた。

 

「あれ、なんだか急に!」

 

「力が漲ってきたわ!」

 

「なにっ!?」

 

先程までターボマンに力負けしていたツイスター達だが、バタフライのパレットによりターボマンを上回る力を身に付けたのかターボマンから感じるパワーが弱くなった。2人は何故突然こんなに力を手に入れたのかわからなかったが、今は何も考えずターボマンを倒そうと動き出す。

 

「「はああああああっ!!!」」

 

「うおおおおっ!?」

 

ターボマンが弱体化……では無く、自分達の力が強化されたツイスター達によって投げ飛ばされるターボマン。彼は宙を舞うも宙返りをして地面に着地する。

 

「何よ…この漲るような力は?」

 

「バタフライこれは一体?」

 

恐らくこの力の源はバタフライによるものだと察したツイスター達は彼女に話しかける。

 

「私もわからないんだけど、何となくこのパレットを弄ったら2人をパワーアップ出来たっぽい」

 

「いや、何よそのフワフワな説明は?」

 

「もっと、詳しい事はわからないんですか?」

 

バタフライの説明に納得がいかないツイスター。てっきりパレットの使い方が完全にわかったと思ったが、何となくで自分達をパワーアップさせた事に思わず表情を歪める。

 

「みっくしゅぱれっと!」

 

「え、ミックスパレットがバタフライの持つパレットの名前なんですか?」

 

「いや、それよりも詳しい機能の方が知りたいんだけど」

 

エルがパレットの名前を言うがツイスター達はそれよりもそのミックスパレットの詳しい使い方を知りたいのだ。そんな中、バタフライはエルの言葉に何やら顎に手を当てて考えている様子だ。

 

「ミックス…そっか、それぞれの色を混ぜる事でパワーアップが出来るんだよ!」

 

バタフライはミックスパレットの使い方を今度こそ理解し、4色のボタンから複数を押す事で対象の相手を強化させる事が可能なのだ。ゲームで言うところのバフ効果の様なものだ。

 

「そうなんですか!…因みに聞きますが、先ほどやった力を増す以外はどの色を混ぜればどんな効果が出るかご存知ですか?」

 

「……と、取り敢えず戦いの中で試してみるよ!」

 

「いや、待ってよ!それでもし変な事が起きたらどうするのよ!?こう言う時に限って変な目に遭うのは私なんだから!」

 

まだどの色と混ぜればどんな効果が出るか知らないバタフライ。そのため、ツイスターは今までの経験からしてまた自分が貧乏くじを引く羽目になるかもしれないと不安になり彼女を止めようとする。

 

「おい、俺との戦いに余所見とは余裕だな!」

 

先ほど強化されたツイスター達に押し飛ばされたターボマンは彼女達に向かって再び突進を仕掛けてくる。それに対してウィングとツイスターが迎え撃とうする。

 

「「はあっ!」」

 

「パワーは俺に匹敵するが、それだけじゃ俺に勝てないぜ!」

 

するとターボマンは加速すると一瞬でツイスター達の背後に回り込んだのだ。

 

「なっ!?」

 

「しまった!?」

 

背後を取られたツイスター達はそのままターボマンからの攻撃を喰らいそうになる。

 

「そうはさせないよ!2つの力を一つに!ホワイト!イエロー!」

 

だがその瞬間、バタフライが再びミックスパレットの白と黄のボタンを押して、色を混ぜると筆が薄黄色に染まりエネルギーを放つとツイスターとウィングの身体に薄黄色のオーラが纏われると2人の姿がターボマンの視界から突然消える。

 

「なにっ!?消え「「はあっ!!!」」ぐおっ!?お、俺の背後に…い、いつの間に!?」

 

一瞬でターボマンの後ろにワープ…ではなく高速移動して蹴り飛ばした事からどうやらバタフライは偶然にも速さを上げる色を出した様だ。

 

「バタフライ!凄いです!」

 

「ええ、このままそのミックスパレットで決めちゃって!」

 

「オッケー!任せて!」

 

2回程ではあるがそれぞれ2色を掛け合わせる事でそれぞれの身体能力を上げる事が出来たのなら4色全てを混ぜたら強力な力が出せるだろうとバタフライは自身の勘を信じてミックスパレットと筆を構える。

 

「いくよ!全ての色を一つに!レッド!イエロー!ブルー!ホワイト!混ぜ混ぜカラーチャージ!」

 

4色のボタンを全て押して色が全て混ざると虹色のオーラが筆から放たれ、それがウィングの真上から降り注ぐと彼は巨大な火の鳥へと変身。そしてウィングは背中にバタフライを乗せるとターボマンへ突っ込んでいく。

 

「フェニックスか…面白い!真正面から叩き出してやるぜ!」

 

対してターボマンは迫り来るウィングに臆する事なくエンジンを鳴らしながら自身も突撃をかまし激突しようとする。だが、ウィングはその直前に急上昇しつつターボマンの真上に移動した。

 

「なにっ!?」

 

「いくよ!プリキュア!タイタニックレインボー!」

 

するとウィングの上に乗るバタフライは浄化技の名前を叫ぶとウィングの身体は発光し、巨大なプニバード形態のツバサと化した。

 

「「「は?」」」

 

「えりゅ?」

 

その場にいた全員は(バタフライを除く)口を揃えて呆然の声を漏らした。先ほどまでかっこよかった火の鳥から巨大なプニバードに姿を変えた事にそんな反応になるのは当然の事だ。そして、全員が呆然している間にバタフライは攻撃を仕掛けた。

 

「アターック!!!」

 

「…え、あいや!ちょ、待てぐおあああああああっ!?」

 

ターボマンは火の鳥が巨大なプニバードへ姿を変えた光景を見て処理落ちし、再起動するもそのタイミングでは防御や逃げる暇も無かった。そのため、巨大かつ重量あるプニバードのお尻に断末魔を上げながら潰されてしまう。そして、巨大なプニバード形態のウィングはボフンという音とら共に元の姿へと戻った。

 

「やったねウィング!」

 

「え、ええ…僕としては最後まで火の鳥で決めたかったんですが…」

 

ターボマンを倒せたもののウィングとしては最後はカッコよく決めたかったと不満があるそうだ。

 

「そんな事無いわよ。私だってさっきのあんたの姿は興味あったわ是非ともモフ…じゃなくて調べたい所ね。特にお腹の部分を」

 

「ツイスター…もう素直にモフりたいと言ってください」

 

先ほどの巨大プニバードの姿にツイスターは興味がある様でそんな彼女にウィングは思わずため息を吐く。

そして、ターボマンが倒された事にバッタモンダーは動揺を見せていた。

 

「おい!話が違うぞ!あいつがいればプリキュア達に勝てるんじゃなかったのか!?」

 

「本来ならね。でも、それはあくまでも今までのデータ通りならの話さ。今回彼女達は新たな力を手にしてそれを使いこなした事でターボマンはデータを更新する前に倒されちゃっだって事だね。いやぁ、それにしても見事だよバフ効果のアイテムとはね。実に興味深いデータが取れたよ」

 

「敵を褒めんな!」

 

あれだけ自信があったターボマンを倒された事にキメラングは動揺を見せないどころかツイスター達に感心の声をあげている事に思わず怒鳴り声を上げる。

 

「くそ!だったらカプセルを寄越せ!今なら奴らは体力も消耗しているから此処でランボーグを仕掛ければ絶対に勝てるぞ!」

 

「ふむ…戦法としては中々だけどそれはおすすめしないよ」

 

「あ、何でだよ?」

 

今もドーピングカプセルを持っているであろうキメラングに今攻撃を仕掛けるのはダメという事に疑問を浮かべる。

 

「だってね。あっち側から援軍が来たみたいだよ」

 

「なに?」

 

キメラングが指を向けた方向にバッタモンダーは釣られて視線を向けると、そこには3つの影が見えた。

 

「皆さんご無事ですか!?」

 

「鳥たちからお前たちが危ないと聞いていたが…戦いは終わったのか?」

 

「なんだか一足遅かったみたいだね」

 

このタイミングで漸くソラ達がやってきたのだ。そんなソラ達の姿を視界に入れたバッタモンダーの表情が歪む。体力が消耗しているツイスター達だけならともかく疲労してないソラ達3人を加えて戦えば返り討ちに遭うとバッタモンダーは嫌でも察してしまった。

 

「チィッ!…仕方ない今回は勝利を譲るとするよバッタモンモン」

 

「それが懸命だよ。まぁ、私としてもターボマンを頑丈に作ってたお陰で彼の身体は一部破損はあるが一時的な機能停止で済んでいる。これなら簡単な修理で直せそうだし、更に新たな力を見れたから満足さ。という訳でドローン達もターボマンの回収を任せたよ。キメランラン」

 

バッタモンダーは武が悪いと判断し、撤退する事を選ぶとキメラングも機能が停止したターボマンの回収をドローンに任せると遅れて撤退。ドローン達もキメラングの指示に急いで移動し、無事にターボマンと共にその場から消え去るのだった。

 

────────

 

それからというもののソラ達はツイスター達から此処で起きた事を話していた。

 

「まさか、そんな事になってたとは…」

 

「でも、皆んなが無事で良かったよ」

 

「ああ、というよりウィングとバタフライが手にした力はこれからの戦いに有利になりそうだな」

 

強敵であったターボマンをウィングとバタフライが手に入れたらミックスパレットの力で倒したと聞いてソラ達は興味津々であった。

 

「うん、凄いでしょ。これがあれば皆んなをパワーアップ出来て更にはウィングを大きくてきゃわわーんな鳥に変身させる事が出来るんだよ」

 

「なんで僕の所を強調させたんですか?」

 

ウィングとしてはまだ最後に決めたタイタニックレインボーという技がまだ納得出来てない様子だ。

一方でましろはチラッとツイスターを見つめる。

 

(力だけじゃなく速さも強化されたらテンペストバトンの上位互換になってるけど、ツイスターは気づいているのかな?)

 

完全にバフ効果特化型のアイテムという事からツイスターの持つテンペストバトンより性能が優れている事にましろは気付くが、肝心のツイスターは気づいていない様だ。もし気付いていたら彼女の事だから落ち込んでいる可能性が高いだろう。

 

「バタフライ是非ともそのミックスパレットを見せて貰えませんか?色々と気になってしまって」

 

「オッケー!なら早速皆んなにもミックスパレットの力を見せちゃうよ」

 

「おいバタフライ、力を見せびらかす様な事はするな」

 

ソラのリクエストに答えようとバタフライはミックスパレットを取り出すが、ベリィベリーはまるで大道芸の様に力を見せようとするバタフライを見て注意をする。

 

「良いじゃん♪ソラちゃんは見てなかったんだし気になってしょうがないみたいだし。それにましろんにエルちゃんもまた見たいみたいだしね」

 

「まぁ、私も気になっているんだよね」

 

「みっくしゅぱれっと♪」

 

「大丈夫ですよ。危険性はありませんでしたから」

 

「ウィングお前まで…まぁプリンセスが見たいというなら私は無理に止めんが」

 

自分以外の殆どがミックスパレットの力を見たい事にベリィベリーは渋々と折れる。そんな彼女にツイスターが安心させる様に話しかけてくる。

 

「大丈夫よそんな肩に力を入れなくても決して誰かが不幸になる様なことは起きないから安心しなさい」

 

「ツイスター…今のは何だかフラグっぽいぞ」

 

「ち、ちょっとやめなさいよ!そういうのに限って私は貧乏くじを引いちゃうんだから」

 

ベリィベリーの縁起でもない発言にツイスターはギョッとなる。だが、ツイスターは今までの経験上何かが起こるかもしれない不測の事態を考えて皆んなより2、3m離れた場所に立ち見守る事にした。

 

「それじゃあ早速やるよ。今回はエルちゃんに合わせて紫色の力を出して見ようと思うよ」

 

「えりゅ〜♪」

 

「良かったですねエルちゃん」

 

「何が出るのかな?」

 

その場は最早よくあるマジックショーの様に場の雰囲気が盛り上がっていた。一方でバタフライはミックスパレットを構える。

 

「じゃあいくよ!2つの色を1つに!レッド!ブルー!何がでるのか─」

 

バタフライはすっかり慣れた手つきで赤と青のボタンを筆で押して筆に紫色に染めて能力を発揮しようとした時だ。偶然にもあげはの鼻先に公園内を飛んでいた蝶が止まったのだ。

 

「は…は…ハックシュン!!!」

 

くしゃみをしたバタフライはその影響で筆に貯まったエネルギーが暴発してしまい、筆の先から光線の様に紫色のエネルギーが飛んでいく。そして、その先には不運にもツイスターがおり紫色のエネルギーが飛んでくる事に遅れて気がつく。

 

「え、きゃあああああああっ!?」

 

『つ、ツイスター!?』

 

「ちゅいすたー!?」

 

避ける間も無く紫色のエネルギーがツイスターに命中し、煙が発生して彼女の姿はその中へと消える。

 

「つ、ツイスター大丈夫ですか!?」

 

「ツイスター!返事をして!」

 

「ちゅいすたー!」

 

ツイスターが煙で姿が見えなくなった事でスカイとバタフライは彼女の安否が判断出来ずに彼女に呼びかけを繰り返していく。

 

「何やっているんですかバタフライ!?」

 

「バタフライ貴様!何故ツイスターに光線を放っているんだ!?」

 

「いやごめん!本当にごめんね!」

 

一方でバタフライがうっかりミックスパレットを暴発させてしまった事にウィングとベリィベリーは彼女に詰め寄り、バタフライも事故でやってしまったとはいえ言い訳せず手を合わせて謝罪をしているとツイスターの声が聞こえた。

 

「ゲホ、ゴホゴホッ!み、皆んな…わ、私は大丈夫よ」

 

彼女は煙でむせて咳き込むみながらもしっかりと煙の中から姿を現した。

 

『ツイスター無事……ん?』

 

一同はツイスターが無事である事に一安心しかけるが彼女のとある部分を見て表情が固まる。

 

「なによそのリアクションは?」

 

「え、いや…その…」

 

「ど、どう言ったら良いのかな?」

 

「えるぅ〜♪」

 

ツイスターは何故か皆んなから向けられる反応に違和感を覚えてソラ達に話しかけるが彼女達は何か言いづらそうな表情を浮かべる。そんな中エルだけは目を輝かせていた。

 

「なに、私の顔にゴミでも付いているの?」

 

「い、いや、そういう訳じゃないよにゃんこちゃん

 

(にゃんこちゃん?)

 

ましろが何故か自分の事をにゃんこと呼んだ事にツイスターは疑問を浮かべる。

 

「あ、あのさ…にゃんこちゃん…その、身体は平気?」

 

「それに…頭大丈夫ですか?」

 

「いや、バタフライまでなんでその名で呼ぶのよ?というかウィングあんた私を馬鹿にしているの?」

 

ましろに続いてバタフライまでにゃんこと呼んだ事に不思議に思いつつもウィングも何故か頭の事を心配する事に煽っているのかと思っているとベリィベリーが鼻を抑えながら話しかける。

 

「つ、ツイスター…その姿は…さ、サイコーだぞ」

 

「いや、ベリィベリーも何を言い出すのよ?……姿?」

 

ポタポタと手の隙間から赤い液体(鼻血)を垂らしているベリィベリーの発言にツイスターは徐に自身の身体を触り始めるととある箇所を触れて顔が青ざめていく。

 

「え?…何これ、私の頭の上……それにお尻に知らない感触があるんだけど……」

 

「にゃ、にゃん!じゃなかった…ツイスター気をしっかり持って下さい!」

 

わなわなと本来なら頭に生えていない何かが存在している事に動揺を見せるツイスターを落ち着かせる様にソラが宥めようとする。

 

「いや待って、この際だからもうこの目で確認したいわ…というかさっきからエルが私のお尻から生えている何かを興味津々で見ている事だし」

 

「にゃんにゃん♪にゃんにゃん♪」

 

先程からツイスターの頭とお尻を楽しそうに見つめるエルにツイスターは自分の身体に何が生えているのか薄々察してきて確信を得ようとする。

 

「という訳でソラ、ミラーパッドを出して」

 

「は、はい…どうぞ」

 

ソラからミラーパッドを受け取るとツイスターは鏡に映る自身の頭を覗くとさらにチラッと自分の臀部に視線を移し10秒ほど確認した後、顔を地面に俯き、更には鏡を持つ手がプルプルと震えて遂には叫び出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「な、なんで猫耳と尻尾が生えているのよおおおおおおおおっ!?」

 

そう、ツイスターの頭と臀部には猫耳と猫の尻尾が生えていたのだ。原因は恐らく…いや、間違いなくバタフライが使ったミックスパレットの暴発したエネルギーを浴びた事が原因だろう。ツイスターはショックのあまり地面に両手と両膝を付き落ち込む。

そこに追い討ちとばかりに脳内に声が響いた。

 

『キュアマカロン!できあがり!』

 

こんな時に誰よコイツ!?

それは紫髪の長髪でらんこより歳上の女子高校生プリキュアの言葉だった。ついでに言うと彼女も変身前は普通の人間で変身後は猫をモチーフにした姿へと変わる為今のらんこにそっくりである。ただ、らんこはそれどころでは無く。その後ソラ達の励ましにより何とか立ち直ったものの、変身を解いても猫耳と尻尾はそのままだったためにらんこは再び沈んでしまうのだった。

加えて、らんこはひかるとのデートが土曜日に迫っている事を思い出す。果たして、彼女の猫耳と尻尾は何とかなるのだろうか?

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