変身が完了した5人はキメラングへ距離を詰めに行くとキメラングは迫り来る5人に対して電撃を放つ。5人がそれを避け、まずスカイが拳を振った。
「悪いけど、君の攻撃は遅くて当たらないよ」
「なっ!?」
しかし彼女の拳が命中する瞬間、キメラングは一瞬でスカイの背後を取るとお返しと言わんばかりにガラ空きとなった彼女の背中に向かって手刀を叩き込もうとした。
「喰らいません!」
「なにっ!?」
だがスカイは背後から迫る手刀を回し蹴りで弾き、更にキメラングの手をツイスターがマフラーを振って縛り動きを封じ込める。
「はあああああっ!!!」
「フッ!」
其処へウィングか突撃をしかけるも拘束されてない自由な腕でウィングの攻撃を防ぐ。すかさずスカイがキメラングへ振り向きながら自身の拳を構える。
「お腹がガラ空きです‼︎」
「ごほっ!?なんのっ!」
スカイがキメラングの腹部に掌底を叩き込み、彼女は数m後方へ吹き飛ばされる。ただ、これはキメラングが着地の際に衝撃を逃して激突ダメージはほぼゼロだった。その後直ぐにツイスター達に向かって両腕の籠手をロケットの如く飛ばし、ツイスター達へ襲い掛かる。
「おっと、そうはさせないよ!」
だが、ツイスター達の前にバタフライがバリアを貼ると迫り来る籠手は弾かれた。同時にバタフライはキメラングに向かって自身の唇に指を添える。
「からのお姉さんからの特盛サービス!」
バタフライはすかさず投げキッスを放ち、大量の蝶をキメラングに向かって飛ばしていく。ただ、これに対してキメラングは余裕な笑みを浮かべると肩の突起から食虫植物のハエトリ草…では無くトラバサミの形をした無数の電撃を飛ばし、全ての蝶型のエネルギーを捕食しそのまま爆発させる。
「嘘でしょ!?」
「蝶が相手なら食虫植物が相場だよね!」
そう言って再びトラバサミ型の電撃を作り出すとそれらはバタフライの身体に喰らいつこうと襲い掛かかる。
「バタフライ危ない‼︎」
その直後、プリズムがバタフライに迫り来る複数のトラバサミを大量の光弾で相殺すると大きめの光弾を作りキメラングへと向ける。
「ヒーローガール!プリズムショットッ!!!」
「喰らわないよ!」
プリズムショットがキメラングに向かって放たれ、キメラングは迫り来るプリズムショットに右手を銃のようにして指先から強力なビーム状の電撃を放ち相殺。それにより爆発が起こると、その爆煙の中から3人の人物が飛び出してくる。
「「「プリキュア!トリプルキック!!!」」」
「むっ、カウンターパンチッ!!!」
爆煙から飛び出してきたスカイとツイスターとウィングはキメラングに向かって3人による同時の蹴りを喰らわそうとするがキメラングは拳に電撃を纏って迎え撃ち衝撃と電撃が周辺に響き渡った。
そして、そんな激しい攻防を遠くの茂みからひかるが見ていた。
「凄え…やっぱりキメラングの奴は以前より力が増してるけど、ツイスターと皆んなはそれに負けないくらい強くなっている」
以前のキメラングとの戦いではツイスター達が不利になっていた場面が見られていたが、今回は互いがカバーし合ってキメラングと互角に戦っているのだ。
彼はひょっとしたら今回はキメラング相手に勝てるのではと思っていると、隣から啜り泣く声が聞こえて思わずそちらに視線を向ける。そこには未だに立ち直れないベリィベリーがいた。
「ベリィベリーさんそろそろ立ち直ってくださいよ」
「うるさい、お前嫌いだ。私とらんこの間を入ろうとする間男め」
「ま、間男!?」
それでは自分がベリィベリーかららんこを寝取ろうとするクソ野郎に聞こえてくる事にひかるは後退りをする。
ひかるは近くにいるエルとライにも助けを乞おうと視線を向けるが2人とも(1人と1匹)は首を横に振りお手上げ状態らしい。更に言えばベリィベリーの身体の至る所から紫色の金平糖が出ている様に見えており、これには確信は無いが何かヤバいと感じたひかる。何とか彼女を立ち直らさせようとする。
「ベリィベリーさんいい加減に…ん、なんだ?」
その直後、ひかるは自身のズボンのポケットから何か光っているのに気が付き手を入れて中にある物を取り出した。
「えっ、俺のスカイトーンが光っている?」
ひかるが取り出した物は彼のスカイトーンであり先程まで光って無かったのに今は激しく点滅しているのだ。
突然の現象にひかるは困惑の表情を浮かべている一方で場面はキメラングとツイスター達の戦闘に戻る。キメラングは高い戦闘能力を持っているのに対し、ツイスター達はチームワークに加えてバタフライの持つミックスパレットによるバフ効果。これらを総合するとツイスター達がやや有利の戦いをしていた。
「やるじゃないか、以前と比べて強くなっているようだね」
「当然です。この前バタフライが加入して更に我々の結束力は高まっていますから」
「元々仲が良い事もあってね」
今までのキメラングとの戦いは最初は苦戦を強いられその後も彼女の力は増して行ったが、それに負けずツイスター達も力を増し連携も決められる様になり互角の戦いをする様になったのだ。
「成る程、プライベートの親密度も戦いに影響しているのか…実に面白いね。なら、その実力に免じて面白い物を見せてあげるよ」
「面白い物?」
一同はキメラングの言う"面白い物"に何か攻撃を仕掛けてくると思い、身構える。一方でキメラングは胸部の装甲にスパークを走らせると背中から巨大なコイルが2つも生えるように現れる。姿が変化したキメラングの姿を見てツイスター達は動揺の反応を見せる。
「な、なにをする気!?」
「ククッ、それは面白い事に決まっているじゃないか!」
キメラングはプリズムの問いに笑いながら答え、背中のコイルがスパークを起こしながら光り出す。するとそこから電撃が上空の雲に向かって放たれる。その直後、電撃を受けた雲は白から黒く濁っていく。
「な、なんですか先程まで白かった雲が真っ黒に!?」
「何か不気味…」
先程まで綺麗な白い雲が黒く濁った事に一同は不安を覚える。そして、黒く濁った雲はゴロゴロと音を鳴らしてスパークを放っていた。それを見たツイスターは嫌な予感を覚える。
「なんかヤバい…皆んな逃げて!!!」
「もう遅いよ!!!」
キメラングは指を鳴らすと雷雲から雷が落ち、ツイスター達へ降り注いでくる。ツイスター達は雷をそれぞれ避けるが、一度では止まらず連続で落雷は続く。
「くっ、しつこいわねこの雷は!」
「皆さん足を止めないでください!」
5人は走り続ける事で休む間も無く降り注ぐ雷に何とか当たらずに済んでいるものの、その威力は当たればひとたまりもない程に強い。なのでツイスター達は必死に避け続けるがこのままではいずれは当たってしまう。そのため何とかこの状況を変えようと考えるプリキュア達。
「うおっ!?」
「えるっ!」
「なっ、ひかる!」
「エルちゃん!」
しかし、そんな時に戦いに巻き込まれないように離れた茂みに隠れていたひかる達の近くにも雷が落ちてきて危険が迫る。
「…はっ!これは一体!?」
「ベリィベリー危ない!」
そして、ツイスターの声と落雷の音を聞いて漸く正気に戻ったベリィベリー。しかし、その直後彼女の真上に雷が落ちてくる。それを見たツイスターは彼女を助けようと走り出すも雷の方が断然速いためベリィベリーは雷を受けそうになる。
「させるかっ!」
「うおっ!?」
だが咄嗟にひかるがベリィベリーを自分の腕の中へ抱き寄せ、そのまま地面へと伏せる事で何とか落雷を回避。その直後、ベリィベリーはひかるの腕の中で抵抗をする。
「な、何をしている!?お前の助けなんか…」
「別に俺に対してどう思っていようが構わない。だけど、あなたが怪我をするとらんこさん達が悲しむから!」
「雷田ひかる…お前…」
ひかるの発言にベリィベリーはピタッと止まる。今まで酷いことをしてきた自分を助けようとするひかるにベリィベリーは胸を締め付けられる痛みを覚える。
「皆さん!今助けに行きます!」
「そこに待ってて!」
スカイを筆頭に一同は雷に襲われそうになるひかる達を助けようと動き出した。
「掛かったね!」
「「「「なっ!?」」」」
「な、危ない!」
再びキメラングが指を鳴らすと雷がスカイ達の真上に落ちてきて雷の檻を形成。それにより彼女達を閉じ込めてしまう。その中でツイスターはギリギリの所で回避して捕まらずに済んだ。
「ハハハッ!一気にプリキュアを4人ゲットだぜってね♪」
「くっ、こんな檻!すぐ壊s「ま、まって!これは雷で出来ているから下手に触れば感電しちゃうよ!」そ、そうでしたっ!」
檻を拳で壊そうとしたスカイを慌ててプリズムが雷である事を指摘するとギリギリ止まる。
「こうやって君達が弱い彼等を助けようとするのは良い所でもあるが、それが弱点でもあるんだよ!」
「「「「くっ!」」」」
そう言って捕らわれたスカイ達をキメラングが笑っていると彼女の背後に緑色の人影が襲い掛かる。
「おっと、不意打ちとは中々だけど殺気が隠せてないよ」
「まだよ!」
ツイスターはマフラーを振るうと近くのゴミ箱に巻きつけキメラングに向かって投げつける。
「そんな物がこの私に通用する訳無いだろう」
飛んでくるゴミ箱にキメラングは電撃を飛ばすとゴミ箱は爆散し、中に入っていたゴミがキメラングの視界を塞ぐ。
「しまっ「そこっ!」ぐおああああっ!?」
一瞬視界を塞がれた僅かな隙を突かれたキメラングはツイスターに一気に距離を詰められ連続蹴りを受けて吹き飛ぶ。だがキメラングも負けないと言わんばかりに反撃として電撃を放つ。これに対してツイスターは竜巻を放って相殺し合う。
「良いですよツイスター!」
「頑張ってー!」
檻に囚われているスカイ達は1人戦うツイスターを応援し、応援を受けたツイスターは更にキメラングとの激しい攻防を繰り返す。
「そこだツイスター!そのままキメラングに打ち勝て!」
「ちゅいすたーがんばえ〜!」
「にゃーっ!」
そして、ベリィベリーもエルと共にスカイ達と同様に応援をしていた。本来なら戦闘員であるベリィベリーはツイスターに加勢するべき所なのだが、今のツイスターとキメラングの間に入れる余地はなく。下手に介入すればツイスターの足手纏いになると判断した為、彼女も応援する側へと回っていた。
そして、ベリィベリー達が応援している中ひかるだけは応援せず無言で戦いを眺めていた。
(何だこの違和感は…ツイスターが傷ついていないのに何故か安心出来ない…)
先程から互角の戦いを繰り広げるツイスターとキメラングにひかるだけは応援せず無言で2人の戦いを訝しむ様に見ていた。
(それに…また俺のスカイトーンが点滅してる…)
再び自身のスカイトーンが激しく点滅している事に何か嫌な予感を察し、キメラングの姿を見つめていると先程彼女の背中から生えたコイルから少量ではある物の上に向かって放たれている事に気付き、電撃の放たれた先にひかるは視線を向けると表情が一変しする。
「ツイスター!キメラングから離れろ!」
『えっ!?』
「流石このペンの元の持ち主。でも今更気づいても遅いよ!」
突然のひかるの忠告にツイスターとスカイ達は驚きの声を上げ、キメラングは右手を掲げると上空にある雷雲が激しい音を響き渡せる。雷雲を見て嫌な予感を察したツイスターはキメラングから距離を取ろうとする。
「逃すわけないだろ!そして喰らうと良いさ!!!ライトニングハンマーッ!!!」
「あああああああああああっ!!!!」
『つ、ツイスター!!!』
動けなくなったツイスターに対してキメラングが一気に腕を振り下ろすと雷雲から激しい落雷がツイスターに直撃し、激しい電撃が彼女の身体を襲い地面に倒れる。彼女が倒れるとキメラングは雷を止めて歩み寄ると彼女の髪を掴み持ち上げる。
「う…うぅ…」
「へぇ…あれだけの雷を受けてまだ意識があるんだ…流石はツイスターだね。身体の頑丈さはスカイ達よりも上って感じだね♪」
ツイスターは辛うじて意識は残っているものの強力な雷を受けたよるダメージは甚大でまともに身体を動かせずキメラングを睨む事しかできなかった。
そんな様子に雷の檻に閉じ込められているスカイは捨て身の覚悟で檻から抜け出そうと動き出す。
「くっ、もう我慢出来ませんっ!があああああああっ!!!」
「「「スカイ‼︎」」」
電撃の檻に向かってタックルを繰り出すも檻は電撃で作られている事からスカイの身体に強力な電流が走った。
「馬鹿だね。その檻は雷で出来ているのは知っている筈なのに自ら感電するなんてさ…さて、今日という今日は私の勝ちで良いよね?何せツイスターは戦闘不能、スカイ達も檻に閉じ込められて脱出は不可能…これにてプリキュア達は全員倒したも同然の状態だしね」
勝利宣言をしたキメラングはツイスターの頭から生える猫耳に視線を向ける。
「にしても動物の耳と尻尾が生えるなんて…随分と面白い身体になった物だね。これは研究し甲斐がありそうだよ」
「貴様ぁ!それ以上ツイs「やめろっ!!!」ターを…って、なにっ!?」
「「「「ひかる君(さん)!?」」」」
キメラングからツイスターを助けようとベリィベリーが動き出そうとした直前、ひかるがキメラングの頭…厳密に言えばヘルメットに石を投げつけたのだ。
「…モルモット君さぁ、実力の差がわかってやっているのかい?」
「その通りだこの馬鹿がっ!貴様がしている事は無謀に等しい行いなんだぞ!」
石を投げつけてきたひかるにキメラングは冷めた目を向け、ベリィベリーも実力に差があるのは分かっているのに自分からキメラングのヘイトを稼いだひかるを叱責した。
「わかっている!俺みたいな奴が戦った所で何も役に立たないのは…だけど、俺の大好きな人をこれ以上やられる姿を黙って見ているなんて我慢は出来ないんだ!」
「雷田ひかる…お前…」
しかし、叱責を受けてもひかるの気持ちは変わらない。そんな彼の発言にベリィベリー音楽ショップでの出来事を思い出す。ひかるを試す為彼にちょっかいを掛けたベリィベリー。その時は期待外れだった彼が今はどうだ?ひかるは相手が自分の何倍もの実力があるにも関わらず、臆する事無くツイスターを助けようとするその姿に愕然となる。
一方でキメラングはひかるの発言を聞いて笑い出す。
「クククッ、無謀と分かっていながら好きな人の為に戦おうとする意思…いやはやたいした物だ。そんな君に良いものを見せてあげるよ」
そう言うとキメラングは自身の胸部の装甲を展開させるとそこからミラージュペンを取り出した。
「なっ!?それは…!」
「ミラージュペン!?」
「えるっ!?」
それを見たひかるとベリィベリーにエルは驚愕の表情を見せる。まさかキメラングの様な敵がミラージュペンを所持しているなんてあり得ない事だと思っているとひかるは自身の持つスカイトーンが先程よりも点滅している事に気がつく。
「(俺のスカイトーンが…)まさか!?」
「クククッ、やはり気がついた様だね。そうさ、これは以前君の世界に訪れた際に手に入れた君のミラージュペンだよ」
『なっ!?』
キメラングのカミングアウトにその場にいた一同は驚きの表情と声を上げる。
「俺のだって…そうか、あの時ダークネスの攻撃から俺たちを守った際に…!」
かつて自分を含めた当時戦えなかった自身の世界のあげは達を守ると同時にミラージュペンを取り上げられたのだとひかるは理解する。
「ああ、そうさ。その時頂いた君のペンを動力源にしてこのアーマーを開発したんだ。そして、このアーマーは君の力と言っても過言ではない。そんな力がスカイ達や君の大好きなツイスターを傷つけているんだ…どうだい、笑える話だろう?」
「お、お前えええええええええっ!!!!」
「えるっ!?」
「にゃっ!?」
「待て!見え見えの挑発に乗るなっ!」
キメラングの言葉に我を失ったひかるはベリィベリーの静止の言葉が耳に入らず彼女を怒りに身を任せて突撃をかまし、エルとライも彼の行動に驚きの表情を浮かべる。
「全く考え無しに突っ込むとは…私はそんな馬鹿は嫌いだよ」
そう言ってキメラングは迫ってくるひかるに向かって電撃を放ち、ひかるが立っていた所に土煙が舞った。
「「「「ひかる君(さん)!!!」」」」
檻に入っているスカイ達は電撃に襲われたひかるを目の当たりにして思わず彼を心配する声を上げ、暫くして土煙が段々と晴れていくとそこには無傷のひかるの姿があった。
「ひ、ひかる君!」
「良かった…無事だったんだ…」
ひかるが何処も怪我をしてない事にスカイ達はほっと一安心するが、その後、近くからうめき声が聞こえた事にスカイは再びひかるのいる方向に視線を向けた。
「ぐっ、ううっ…!」
『べ、ベリィベリーさん!?』
其処にはひかるを守るかのようにボロボロになった手を突き出したベリィベリーの姿があり、先程の攻撃によるダメージが耐えられなくなったのか地面に片膝をつく。
「そんな…ベリィベリーさんなんで俺を!?俺を嫌っていたんじゃ!」
慌ててベリィベリーの元にひかるは駆け寄る。彼女とはそんな長い付き合いでは無いが自分の事を嫌っているのはよく分かっている。しかし、何故嫌っているはずの自分を助けたのかひかるは理解できなかった。
「ああ、貴様の事は嫌いだ!それも大が付くほどだ!だがな、私は青の護衛隊の一員だ。相手がどんなに嫌いでも一般市民を危機から救うのが我々の仕事。そこに私情を挟むつもりは無い」
「ベリィベリーさん…」
ベリィベリーは青の護衛隊として動いたと言うが、実際は先程落雷にやられそうな所を助けて貰ったお礼と音楽ショップにてらんこの前に恥を掻かせてしまった罪滅ぼしの為に彼を助けようと動いたのだ。
「青の護衛隊もやるじゃないか…だがまぁそれはそれとして一度は何とか防げたけど、2度目はどうにかなるかな?」
キメラングは背中のコイルから電撃を起こしそれを両手に溜めていく。それを見たツイスターがキメラングの足を掴む。
「や、やめなさい…マッドサイエン…ティスト…」
「止めるだって?とんでもない…この状況を止める訳にいかないだろっ!」
ツイスターの静止の言葉を聞かずキメラングは更に電撃を貯めていき、それを見たスカイ達がひかるへ話しかける。
「ひかる君!ベリィベリーさんとエルちゃんとライさんを連れて逃げてください!」
「そうだよ逃げて!」
「其処にいると危険です!」
「そうだよエルちゃん達を連れて逃げてひかる君!」
「そ、そんな事が出来るわけないだろ!」
今の状態は誰もひかるを守れる状態じゃない為、スカイ達は彼にベリィベリー達を連れて逃げる様に言う。その言葉にひかるは躊躇ったが、突然ベリィベリーに胸倉を掴まれる。
「ば、馬鹿者…今の状況を見ていえ。今キメラングと戦えるものは誰もいない。そうなればお前がやる事はプリンセスと猫を連れて逃げる事だ。だが、私の事は放っておけ…余計な重荷にしかならないからな」
「べ、ベリィベリーさん…」
ボロボロになりながらも自分よりエル達を連れて逃げる事を優先する様に訴えるベリィベリー。ひかるは彼女の気迫に押されて言われた通り逃げようかと考える。ただ、ベリィベリーや囚われているスカイ達にキメラングの側に倒れ伏しているツイスターの姿を見た彼は決意を固めてその表情を一変させる。
「いや…俺は逃げない」
「なにっ!?」
「「「「えっ!?」」」」
「ひ、ひかる…」
ひかるの発言にその場にいた一同は驚きの表情を浮かべた。
「ば、馬鹿者、お前ぇ…さっき私はキメラングと戦える者はいないと言ったんだ!それなのn「確かにベリィベリーさんの言う通り俺含めて皆んなキメラングと戦えないのは分かっている!」なら、何故だ!」
「それは友達のベリィベリーさんやスカイ達…それに…俺の大好きなツイスターを置いて逃げるなんてそんな惨めな真似なんてしたくないんだ!!!」
ひかるの台詞に一同は言葉を失うとキメラングは笑い声を上げる。
「ハーハハハハッ!!!!本当に面白いよモルモット君‼︎ならその勇気に免じて君自身の力を味合わせてあげるよ!」
「そ、そんな事私がさs「うるさいよツイスター」あうっ!」
『ツイスター!!!』
キメラングを止めようとツイスターは彼女の足を両手で掴むがキメラングは彼女の顔を蹴り上げた。
「ツイスター!もう、我慢ならねえ!!!」
「よせ!雷田ひかる!」
ツイスターを目の前で傷つけられたひかるはとうとう我慢出来ずキメラングに向かって走り出す。対してキメラングは余裕の笑みを浮かべて電撃を最大限に貯めた両手を重ね合わせて腕についていた籠手を巨大なキャノン砲へと変形させる。
「それじゃあねモルモット君、君の事はミラージュペンの件があるから私の頭に刻んでおくよ。マキシマムサンダー!!!!」
「なっ、があああああああああっ!!!」
ひかるへ別れの挨拶を告げるとキャノン砲からマキシマムサンダーが放たれひかるは電撃をその身で浴びる事となる。
『ひかる(君)(さん)!!!!』
「雷田ひかる!」
「ひかりゅっ‼︎」
「にゃーっ‼︎」
「そんな…いやああああああっ!!!ひかるぅぅぅぅぅぅぅっ!!!!」
電撃に襲われるひかるを目の当たりにしたスカイ達とエル達は心配の声を上げ、ツイスターは涙を流して悲鳴をあげる。ひかるは強力な電撃を受けた為に悲鳴を上げる事無くその場で立ったまま動けなくなり、キメラングはスカイやツイスター達の反応を見て愉快な笑みを浮かべつつひかるへと話しかける。
「どうだいモルモット君?自分の力をその身で受ける気分は?まぁ、この威力の電撃をその身で浴びているんだから感想を言う暇も無いだろうね。何せ身体は黒焦げn「ぐあぁぁ…ん?」…んん?」
電撃を受けるひかるの姿を見てキメラングは愉快な笑みを浮かべていたのだが、ひかるの声に反応して先程まで浮かべていた笑みが消えて不審な顔を浮かべる。
するとひかるは先程まで苦しんでいた表情から一変して平気そうな顔を浮かべる。
「あれ、全く痺れない。と言うか何かで身体を守られている様な…」
「はあっ!?ど、どう言う事なんだ!?」
先程から強力な電撃を浴びせているにも関わらずひかるは全く痺れたり身体が焦げる様子がない事にキメラングは驚愕の表情を浮かべる。一方でひかるは何故自身の身体は平気なのか疑問に思っていると持っているスカイトーンが今までより1番光っている事に気がついた。
「そっか…こいつのおかげか」
ひかるは自分のスカイトーンの力で電撃を無効化出来ている事を察し、スカイトーンを握りしめるとキメラングへ距離を詰めていく。
「チッ、なら物理はどうかな?電気が効かなくても物理的なダメージは効果があるはずだろ!」
電撃を放つのをやめたキメラングは籠手を元の状態へと戻すとひかるに向かって籠手を撃ち込もうとするが、背後からツイスターが羽交い締めをして動きを止める。
「なっ、ツイスター!?」
「これ以上ひかるを傷つける様な真似はさせないわ!ひかるやって!」
「ありがとうツイスター!」
ひかるはキメラングの動きを止めたツイスターにお礼を言うとキメラングに向かって走り、そのままキメラングの胸部を思いっきり叩く。その際にひかるの持つスカイトーンとキメラングの持つミラージュペンが共鳴反応を起こし、ミラージュペンから放たれる電気が暴発してキメラングは感電する。
「がっ、ガビバババババッ!!!」
「返して貰うぜ、俺の力を!!!」
するとひかるの思いに応えるかのようにアーマーの胸部の装甲が展開してそこからミラージュペンが露出。ひかるはすかさずミラージュペンを引き抜いた。そしてミラージュペンを失った事によりキメラングが身体に纏っていたアーマーは消えると元の姿へと戻る。そのまま彼女も地面に倒れ、更にはスカイ達を捕らえていた雷の檻も消失する。
「「「「やった!」」」」
「よくやった雷田ひかる!」
ひかるはスカイ達が解放された事を確認すると足を庇いながら自分の元へ歩み寄るツイスターに話しかける。
「ツイスター!大丈夫か!?」
「わ、私はだ、大丈夫よ…」
心配するひかるに肩を貸して貰いながら立ち上がるツイスターはひかるの持つミラージュペンに視線を向ける。その視線は戸惑いと不安の感情が込められている。それを察したひかるが彼女に優しく話しかける。
「ツイスター、俺が皆んなの様に戦って傷ついてしまうと心配なんだろう?」
「…うん」
ひかるの指摘に少し間を開けてツイスターは肯定する。ツイスターにとってひかるは大事な存在だ。そんな彼がこれからの戦いで自分の様にたくさん怪我をするかもしれないと考えると胸が張り裂けそうな気持ちになる。
「でも、俺としてはこうやって皆んなと並んで戦い、そしてツイスターの事をを守れると考えると嬉しくて仕方ないんだ」
「ひかる…そんな事言ったらずるいじゃん」
自分を守れるなんて聞かされたら彼女は女としてときめきを感じてしまう。さっきはひかるが傷つくのを見たくないと考えてミラージュペンを取り上げようかと一瞬考えていたが、先程の発言を耳にしてそんな気は失せてしまった。
(全く…私もソラの事言えないじゃん)
かつて自身がプリキュアへと覚醒した時に側で心配するスカイを安心させようとした時の事を思い出し、今度は自分がスカイの立場になるとは思ってもなかった。
2人が会話をしていると電撃によるダメージを受けたキメラングはふらつきながらも立ち上がり片手に数本のメスを装備する。
「ぐっ!そのミラージュペンは私の物だ!返して貰うぞ!」
身体がまだ痺れているにも関わらずキメラングはミラージュペンを取り返そうと隙を見せている2人に走り出す。それに気付いたツイスターはひかるを守ろうと戦いの構えを取るが、其処へ檻から解放されたスカイとプリズムがキメラングを止める。
「そうはさせません!」
「2人の邪魔はさせないよ!」
「チィッ、邪魔をするなスカイとプリズム‼︎」
2対1の上に身体にダメージのハンデを背負っているキメラングは2人に苦戦を強いられる。
一方でツイスターとひかるの元にはウィングとバタフライ、更にはベリィベリー達が駆け寄る。
「お二人ともご無事ですか?」
「ああ、俺は大丈夫だけどツイスターがさっきのキメラングの一撃を受けて少し危ない状態なんだ」
今のツイスターはキメラングの攻撃により身体に大きなダメージを負っている。この状態では戦闘は難しいだろう。
「ツイスター、今のお前に戦う事は難しい。此処は私たちと共に安全な場所に行こう」
ベリィベリーもひかるを守る為に己の身を盾としなり身体はボロボロになっているのでツイスターにこの場は離脱しようと提案するが、ツイスターは首を横に振る。
「ありがとう。でも、皆んなが戦っている中でまた私が安全地帯で休んでいるのはごめんよ。悪いけど一緒に戦うわ」
「ツイスター…」
ツイスターはベリィベリーの提案を拒否する。しかし、今の状態で戦うのは足手纏いにしかならない残念だがと思いながらベリィベリーは彼女に酷なことを言おうとした時だ。
「それならこのミックスパレットの出番だよ。2つの色を1つに!イエロー!ブルー!癒しの力、アゲてこ!」
バタフライはミックスパレットを取り出すと筆で黄色と青のボタンを押して緑の力を発動させるとツイスターとベリィベリーの身体にあった傷が治ったのだ。
「これは…」
「すごい…これもミックスパレットの力なの!?」
「どう?凄いでしょ。昨日の夜試しに色々とやったら見つけたんだ」
「その度に僕で実験しないでくださいよ」
「な、なんか…苦労してたんだな」
ツイスターとベリィベリーから尊敬の眼差しを向けられた事にバタフライは得意気な笑みを浮かべるが、ウィングからは色々と悲哀が感じられる事にひかるは思わず同情の念を送る。
「よし、これなら皆んなと戦えるわ!」
「ああ、だが私はグローブが焼かれてしまったからな。すまないが戦いは任せるぞ」
ベリィベリーはツイスター達に申し訳ない表情を浮かべてエルとライを連れてその場から離れようとした時にひかるに視線を向ける。
「…いいか、お前もくれぐれも無茶をするなよ」
「ああ、心配してくれてありがとうなベリィベリーさん」
「ば、馬鹿者っ!私は戦いの素人であるお前がツイスター達の足手纏いになるんじゃないかと心配しているだけで別にお前のことなんぞ微塵も心配してないわ!」
顔を赤くして否定するとベリィベリーは逃げる様にその場を去り、その後ろ姿にツイスターは疑問の声を漏らす。
「ベリィベリーはなんであんな素直じゃないのかしら?」
「ツイスター…貴女がそれを言いますか?」
「ププッ、ベリィベリーちゃんもツンデレらしくなったね」
ツイスターの発言にウィングは呆れ顔を浮かべる一方でバタフライはにやついた笑みを浮かべる。
そして、ひかるは手にしたミラージュペンを改めて握り直しもう片方の手にあるスカイトーンを構える。
「よし、じゃあそろそろ俺もいくぜ!」
「ええ、かっこよく決めちゃって」
ツイスターの言葉にひかるは照れ臭く思いつつも直ぐに真剣な表情へと変わり再び口を開く。
「さぁ、ヒーローの出番だぜ‼︎」
その台詞と共にスカイトーンとミラージュペンが光だしひかるの身体を包み込む。
「スカイミラージュ!」
ミラージュペンがスカイミラージュへと変化すると、ひかるは手に取る。
「トーンコネクト!」
そして、スカイミラージュのスロットにスカイトーンを嵌めるとマイク部分が回転する。
「広がるチェンジ、トール!」
マイク部分にTHORという文字が浮かぶと周囲が光り、ひかるを中心に大きなステージと幻想的な宇宙空間が広がるとひかるはステージへと舞い降りるとその瞬間彼は電気を纏いながら髪の毛が逆立ち、側面に青白い雷の紋章が刻まれた黄色のブーツが装着される。
「きらめきホップ!」
その言葉と共に舞台にHOPの文字が浮かぶと電撃で一瞬髪が光ってから髪の毛が一房飛び出し、耳には黄色の雷のイヤリングが出現する。
「さわやかステップ!」
続いて舞台がSTEPに変わると上半身には黄色いと白の差し色が入ったカーディガンを羽織り両肩がレモン色の半袖となっている胸に黄色の宝石の様なものが付いた青白いシャツを纏い、下半身はレモン色の短パンに薄紫のハイソックスを装着する。
「はればれジャンプ!」
最後に舞台がJUMPの文字へ変化すると両手に白い雷のマークが付いた山吹色のグローブを装着すると瞳の色が碧に変化して変身が完了する。
「雷鳴ひろがる一閃の雷!キュアトール!」
此処に新たな伝説の戦士、キュアトールが誕生した。