King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】   作:かすてらホチキス

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~リクの良心~

 

(ドオォオン!)

「!」

 パラサイトケイジが現れた!

 リクは唖然としているソラ達を眺めながら暗闇のゲートをくぐり抜ける途中だった。

 ヒカリはその隙を逃さなかった!

【タイム】

 時の流れが止まりヒカリはその中へ飛び込んだ。

【タイム消滅】

 魔法が解けるとヒカリは闇の中にいた。

「リク!」

 声をかけるヒカリ。

「お前、なぜここにいる?」

 驚いたリクの声。闇の中なので当然リクの姿は見えない。

「話がしたかったの」

「話す事は何もない」

「マフから聞いた、私の事話してほしいって」

「今はそれどころじゃない」

 即答だった。

「カイリの事も?」

「オマエの話はいつわりがほとんどだ」

 ちょっと傷ついた。

「ソラといっしょに居たミッキーが私と付き合い長いって言ってたよね?」

「オマエの口から聞きたくない」

 さらに傷ついた。

 こうなったら玉砕だ! と言わんばかりに声を荒げるヒカリ。

「ねぇ! さっきのソラに言った事とか、なんで私の事そんなに嫌うの⁉」

「……聞きたいのはそんな事か?」

 冷ややかなリクの声に言葉が見つからない。

「……そうだよ」

 シュンとした声のヒカリ。

「だってさ、正直言って知りたい事って沢山あるじゃない。自分と相手は違うって分かってる」

 リクの顔が見えないからか、独り言のようにヒカリは今、素直にリクと話す事ができた。

「だからさっきみたいにぶつかっちゃう。むしろ違うから、分かってほしいからぶつかるんだよね」

 無言のリク。ヒカリは独り言のように続ける。

「あ、でも。相手を否定したら余計に話が出来なくなっちゃって」

 リクがため息をついた。

「さっきの言い方は悪かった」

「え?」

「言ってほしかったのはその言葉なんだろ?」

 ため息まじりで投げやりに言うリクの声はなんだか声だけなのに、どこか柔らかな表情がある。

「う……うん。そうかも」

 ヒカリから寂しさが消えた。自分でもなぜか不思議なくらい心がほっとしている。

 もしかしたら心から言ってくれている言葉とは思えないとか少しは考えちゃうけど、それでもリクの口からこう言われるなんて――。

「話はそれだけか?」

「うん……あ、でもでも、コレだけは言わせて」

「なんだ?」

「さっきのピノキオ、見たでしょ?」

「あの心の無くしかけた人形か」

「カイリの中にも、心を取り戻す『良心』のかけらは沢山あるはずだよ」

「かけら?」

「うん、誰の心の中にも人を助けたいと願う強い気持ちはある」

「助けたい、気持ち」

「カイリを助けたい、それが今のリクの『良心』なんだよ」

「オレの良心……」

「今は間違っていてもダメなんかじゃない可能性があるんだから!」

 ヒカリが熱弁する中。リクはマレフィセントの気配を覚えた。

「お前も……その一人、か」

「え?」

 ぐいと腕を掴まれた。

「コレが今のオレの良心だ」

 リクの声が近くで聞こえ、腕を強く引かれ放り投げられる。

「う……わぁっ⁉」

 ヒカリは白い穴に吸い込まれた。光に引き寄せられる身体に反するヒカリの視線の先にリクがうっすらと見えた。

 その表情には一瞬だけ微笑みが見えた気がした

 

 

 ヒカリは目がくらみ、今どこに居るのか何がおきたのかよくわからない。

 でも、落下しているのは分かった。

(ゴンッ!)

「いだっ!」

 そして何かに当たった。

「その声は、ヒカリ⁉」

「ヒカリさん!」

「ヒカリが降ってきた?」

「グワワッ!」

「ヒカリ~!」

 なんだがいろいろな声が聞こえた。

 

 目がやっと見えてきた。

 そこは――。

「何ココ?」

檻の中だった。

 

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