King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】 作:かすてらホチキス
とりあえず初期wikiで見つけたワートにしています。
というか、KH3の修行場所きっとおそらくこのワールドなんだよな。公式前に来てしまったんです。
ミッキーのシューティングさばきは神業だった。
危なっかしいほどきわどい動き。そして当たりそうで全ての攻撃を回避する俊敏さ、たまに真正面から衝突するのは、彼独特のご愛嬌だろう。
(ぜぇーったい、アレはわざとだって!)
そうじゃなかったら今頃こんな所着いていない!
「着いたよ、ヒカリ」
HPがギリギリのカレイドスターを着陸させてミッキーが言った。
さっきまでのミッキーへの不満を捨て去り、ヒカリはあたりを見渡す。
「ここに魔法があるの?」
着陸した場所はトラヴァースとは変わらない、岩に剣が突き刺さっている広場だった。
「正確には、ここに知り合いの魔法使いがいるんだ、僕はその人に頼みごとをしにここまで来たんだ」
「まほうつかい!」
ヒカリの目が輝いた。
魔法使いかぁ。本当にいたんだぁ~。
魔法ってどんなのかな?
お洋服がドレスになったり
ねずみが人になったり(ミッキーみたいに笑)
カボチャが馬車になったり?
「ねぇミッキー、私も魔法って使えるのかなぁ……って、あれ?」
辺りを見渡すがミッキーの姿が見えなかった。
ヒカリは彼がどこへ行くのかなど見ていなかった。
木々が遠くの景色をかき消していて、カレイドスターのある広場さえどこにあるのかも分からない。
「うそ、どうしよう」
これって、迷子じゃん。
☆
ヒカリがはぐれた事を知ってか知らずか(知っていたらヒドイ)ミッキーはマーリンの所までやってきた。
着陸した広場とは程遠い木々が無造作に生い茂ったとうてい人が立ち入ることが出来ないような場所だ。
「お久しぶりです、マーリン様」
丁寧にミッキーは言った。
声をかけられた白く長いひげの老人は目の前の青年を見て驚いた様子もなく言った。
「はてさて、これはどうした事だね、王様まで姿が変わっておる」
「僕はハートレスではありませんよ」
「それの件には多少想像はつく。しかし……」
イキナリ言葉を切ったマーリンは片手を軽く振った。
(パンッ!)
「!」
ミッキーが後ろを見るとハートレスが倒れていた。しかし、マーリンの攻撃を受けてもすぐに起き上がったので、ミッキーがキーブレードで数発攻撃するとあっけなく消えていった。
「やはりこの者達はわしでもどうしようもないようじゃよ」
「そうですか――」
落ち込むミッキー。
「せっかく来てくれたようじゃがこんな状態でもてなしも出来ん……ところで王様」
「はい」
何か知っていることなら何でもいいといわんばかりにマーリンを見る。
「一緒に連れて来た娘さんが居ないようじゃが?」
「あっ、ヒカリ? あれ、どこに行っちゃったのかな?」
マーリンは何でもお見通しのようだ。
ミッキーはヒカリのことをすっかり忘れていた。
☆
迷子なんて考えたことなんてなかった。
島にいたときなんてただやみくもに走り回っていれば見つけることが出来た。
ちゃんときた道を忘れてさえいなければ何とかなった。
そう、例えば――。
一人でたたずんでいるリクを見つけることが出来た。
どうしようもなく突っ立っているソラを引っ張って行けた。
悩んでいるカイリをなぐさめる事が出来た。
でも、今は――。
待つ場所が消えてしまった。
進む場所が見えなくなってしまった。
一緒に居た人が消えてしまった。
これじゃあ私が迷子だ――。
「ミッキー。どこにいるのよ~」
何も出来ない、無力な自分が悔しい。
(ガサッ)
「!」
ハートレスが草むらから飛び出してきた。ヒカリはロックセプターを構えた。そのハートレスは馬に乗った騎士のような出で立ち。存在そのものに威厳がある。
トラヴァースのハートレスとはまったく違う。自分よりも大きくて攻撃にためらう。一人で何とかできるのだろうか。
「……っ!」
何もしていないのに息が上がっている。
レベルが、遥かに違う!
(今の私では無理。でも、ソラは? ソラだったなら――)
ヒカリは騎士に向かって走り出した。
「……っ、いきますっ!」
その声は、けして投げやりな思いではない
しいて言えば、それは、弟への嫉妬――。