King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】 作:かすてらホチキス
こんなときにメイドハートレス!
ヒカリはこのハートレスが来るのではないかと待っていたのだったが、いざ夜に出てくるとなんとなく面白くない。
「ハートレスは昼も夜もお構いなしですかっ!」
ため息をつきながらヒカリが外へ出た。
こんなだったらハートレスを警戒していないですぐに寝ていたかった。そしたら睡眠時間を確保できたかもしれない。
「さて~お姫様を起こさないように片付けますかっ!」
ヒカリの背後からハートレスが現れる!
(パンッ!)
ヒカリが無言でなぎ払う後ろに目があるような素晴しい動きだった。
「行かせない」
静かにそう言って瞬速でクリアーを放つ!
その顔に微塵の迷いはなくむしろ凄みがある。これはまぎれもなく睡眠不足に良くある症状だ。
いままでのストレスを一掃するがごとく、ハートレスを倒すヒカリ。
しかも、あくまでも静かに――だ。
「さて、あなただけよ! メイドさん!」
ヒカリはロックセプターをメイドージめがけて振り下ろした――が。
【インビテーション】
(ヒュン)
「あっ! かわされたっ!」
メイドハートレス。略してメイドージ(ヒカリ命名)が、背後に現れる。その後、ヒカリを挑発するかのように森の中――タイヤの後が残る道の方へ向かった。
あの向こうは洞窟があるだけの行き止まりだ。
「行くっきゃないか……」
数秒迷ってからヒカリは走り出した。
真っ暗な森の中。
星が自然の覗き穴から天上の闇を照らすかのようにきらめいている。
ヒカリは夜風に身震いしながら全速力でその下を走っていた。
小さいころ――。
夜に外を飛び出すのに憧れていた。でも、真夜中にはお化けがいるって言われて恐くてドキドキして。眠れない時よくソラをたたき起こしたっけ。
でも、起こそうとした時ソラが寝言を言ってびっくりしたなぁ。
なんてね。
でも、今は真っ暗な闇の中へ迷いもなく飛び出す自分がここにいる。
なんか、不思議だね――。
昔あんなに恐かった記憶しかないのに、
今はそんな気がしない。
むしろなんだか力が沸いてくる。
守る人達がいるって事は、
こんなにも心強いんだ――。
「なんか、HEROみたい!」
屈強な正義の味方を想像し顔がニヤけるヒカリ。
そんな妄想のさなか。道の行き止まり、洞窟までたどり着いた。
走って体が必要以上に温かくなってきた。こころなしか眠気も吹き飛んでしまっている。
ヒカリはメイドージを洞窟の前で見つけた。
「さあ、観念しなさい!」
ロックセプターを掲げ精神を集中させるヒカリ。
(メイドージさえ倒せれば後にハートレスが増えてもいいや)
精神が高まる中、ヒカリの口からなにげなく呪文がこぼれた。
「ホーリー……」
セプターがあふれんばかりに真っ白く輝く。
あまりの輝きに自然に目をつむる。フワリと地面から体が浮かぶ気がした。まるで星から光を集めているようにヒカリの中に希望が満ちてくる。そして、その光を相手めがけて振り下ろす直前――ヒカリは目をカッと見開いた!
「バーストーッ!」
特大のバーストは何かが壊れる破壊音はなかったもののメイドージに確実に当たった。
大きな輝きによって真っ黒い体が浄化され、きらめくハートが現れるのが見えた。
さらに、メイドージを浄化してもバーストが輝きあたりを照らす。
「光とともに星へと帰れ――」
メイドージが消えても、なお呪文をつむぐ。その表情は、かつて鍵穴を見つけたときと同じ――。
いきなりヒカリがぐらりとよろけた。
「ねむっ……」
眠気をこらえ、ふらりと元来た場所へ帰ろうとするヒカリ。
しかし。
(ガツン)
「いだっ……」
洞窟に頭をぶつけ、倒れる。
「いったーい……」
体がだるくて、もう起き上がることが出来ない。
重いまぶたが降りて行く。ふと洞窟の中に誰かがいることに気がついた。
霞みゆく視界の中でヒカリはその人物を近くで見つけた。
それは夢か幻か――。
「カ、イリ?」
ヒカリはそこで力尽きた。
☆
「ヒカリ、ヒカリ!」
「ん……っ」
目を覚ましたヒカリが初めに見たのは――。
「ミッキー。あれ? ここどこ?」
がばっとベッドから起き上がるヒカリ。
「ここはグミシップだよ、早朝に僕が空の上からヒカリを見つけたんだ」
「探して、くれたんだ」
「あたりまえだろ、ヒカリは僕の大事な仲間なんだから」
「ありがとう――って。その前にっ!」
ミッキーの前で身を乗り出すヒカリ。
「カイリは、カイリはいなかった⁉」
「え、ええと。僕は明るくなってから上から見たけど、いなかったよ」
「やっぱり、夢だったのかな?」
落胆するヒカリ、ミッキーは訳がわからなかったがこう言った。
「キミはなんでこんなところで寝ていたんだい? まさか、ずっとここで僕を待っていたわけじゃないよね?」
「あ、そうだった。やっとこのワールドに人がいたの、紹介するね」
☆
「夢……じゃなかった」
目の前の光景に呆然と立ち尽くすヒカリ。
小人の家から少し向こう側へ行った丘。そこは薄暗い森の中で日差しが唯一輝く場所。
その丘の日差しに、ガラスの棺で眠るカイリがそこにいた。
「なんで、カイリが!」
ありえない半分信じられない半分でカイリを覗き込む。
息はあるが揺らしても大声で叫んでも目を覚ます気配がまったく無い。小人達が言うに朝、目覚めると白雪姫がカイリに変わっていたと言う。
「白雪姫はいったいどこに――?」
目の前のカイリも心配だがお妃さまに狙われている白雪姫のほうがもっと心配だ。しかし、白雪姫がいない以上、ヒカリはカイリを目覚めさせる方法を考える。
「こういう場合、王子様のキスって言うけど……ここには王様ならいるけどね」
「僕がやっていいのかい?」
「だめ」
即答で返答を返すヒカリ。
「カイリを知ってる私が王子様になってやりたいけどねぇ~」
冗談のつもりで言ったヒカリ、だが……。
みんなが必要以上にひいてしまった(汗)
「もしかして、本気じゃないよね?」
ヒカリなら勢いでキスしかねない。なんて思ってしまったミッキーがのぞき込むようにヒカリに尋ねる。
「な、何言ってるのよ冗談です!」
赤くなるヒカリを見てミッキーと小人が吹き出した。
「あ~~人が一生懸命考えているのに笑うのって信じられない!」
この後、逆切れするヒカリに一同は手を焼いた。
「そうだ、あの城の中にはどこかに魔法の鏡があるらしいんだ」
「魔法の鏡?」
ヒカリがミッキーに聞き帰す。
「そう、メイドが書いていた日記を見つけて読んでみたんだ。実はお妃様は黒魔術を使っていて、その中でもその鏡は一番のお気に入りだとか」
「何が出来るの?」
「その鏡は、話しかけると答えてくれる何でも知っている鏡なんだって」
「もしかしたら、カイリも白雪姫も何とかなるかも?」
うなずくミッキー。
二人は城へ向かった。
ここまで読んでくれた貴方。なんで?
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kh好きなんで、続けてください
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次回が楽しみだからにきまってます
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読み上げ機能使ってるので余裕です
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長文ドンと来い
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たまたまです。失礼しました
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どハマりしました。特に王様!!
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ヒカリちゃん萌え(これ本人、引くよ)
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ソラは、まだですか?