King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】 作:かすてらホチキス
~エントリー~
「ミッキー今度は何処へ行くの?」
「ヒカリはどこに行きたい?」
「何処って言われても。あえて言うなら大きなハートレスの居ない所がいいな。はぐれちゃった時、私一人じゃ倒せないもん」
「そうだなぁ。僕だけならともかくヒカリが一人で居ても大丈夫な所がいいね」
「あ、でも待ってるだけじゃ嫌だよ。私、ミッキーみたいに強くなりたいもん!」
「じゃぁ、ちょっと気が引けるけど行ってみようか?」
「どこに?」
「オリンポスコロシアム、ソラたちが居る場所」
☆
ここはオリンポスコロシアムの、ワールドのはずれにある怪しい水辺。
「本当にココがコロシアムに行く近道なの?」
「カレイドスターを隠しておくには丁度いいところが無かったから、遠くなっちゃったね」
「念入りね……」
なんで、そんなに会いたくないんだろ?
友達を置いていってまで、やらなくてはいけないことって何?
本当に一人で、行きたかったのかな?
「どうやらここはハートレスの出現が限られているようだね」
「どういうこと?」
言われてみれば人気のない場所にもかかわらず、ハートレスが見当たらない。コレはいったいどういうことなのだろうか?
「きっと、ここにはハートレスを寄せ付けないほどの強い力を持つ人が居るからだよ」
「へぇ~その人ってすごい!」
「あ、ちょうどその人からの招待状が来たよ」
空の彼方から金色に輝く封筒がミッキーの真上から舞い降り、薄暗い河原を辺り一面、明るく照らす。
ミッキーがそれを手に取ると輝きが消え金色の封筒が残る。慣れた手つきで開封して三つ折りの紙を上から下まで目を通す。
そこまでの一連の動作がとても素早く、何となくかっこいい!
なんか『偉い人』って感じだぁ。
ミッキーが『王様』と言うことを再確認した光景であった。
「ヒカリはどうする? 弟に会いにいくかい」
「う~ん。一度は、ソラに会ってこようかな?」
「じゃぁ、コレを使って僕の名義で出場してみなよ」
「?」
ミッキーが手渡した物は、封筒に同封していた黄金に輝く細長い長方形の紙。流れるような楷書で大きく『エントリーチケット』と書かれている。
「ミッキー。これって?」
「始めから出ないつもりだったから、使ってよ。じゃぁ僕は早めに片付けて見に行くから」
ひらひらと手を振ってミッキーはさっきとは違う方向へ向かい始めた。
「あっ、ちょっと待って! このチケットの発行主って誰?」
ミッキーは足を止めヒカリに向き直り、軽く天を指さしこう言った。
「神様、だよ」
☆
ミッキーと分かれ、ヒカリはとりあえずコロシアムに向かっていたが。
「ここって何処ですか?」
確かにコロシアムに向かっていたはずなのだが、まだ明るい時間なのに薄暗い場所へ来てしまった。
コロシアムの側まで来たのまでは良かったのだが、そこへ近づくにつれて目印だった外壁が見えなくなってしまったのだ。
外壁がなくなってしまっては勘が物を言う――とまぁ鼻歌まじりに彷徨っていたのが災いしてか、目的地までか青空さえ見当たらない。
「私って、もしかして方向音痴?」
考えたくない結論であった。
「だって私、地図さえあれば、目的地にちゃんと行けるよ?」
今、ここには地図なんて気の利いた物がない。
馬鹿だ私ぃ~~~ !(叫)
相変わらず行動パターンが変わらないなんて成長してないな、私。いろんな世界を回って、ハートレスを退治して、すっごい魔法も覚えて。これもぜんぶ外の世界に来なかったら、わたしはなんにも変わらなかったのかな?
ううん、ちがうよ。
私が島に残るって言った理由は、旅を終えた後のソラ達に向かって、はじめにおかえりって言いたかったんだ。これは一緒に旅をしていたら絶対にできないことだし。三人がいない間に起こったこと全部記憶していたかったからなんだ。
それともう一つ。
私はあそこが一番――好きなんだよ。
「何をしている」
「?」
いきなり後ろから声をかけられる。
「誰?」
ヒカリが振り向くと、すこし距離を置いた所に声をかけたであろう金髪の背の高い男がいた。
「⁉」
目の前の彼はヒカリの顔を見た瞬間、驚きを隠せないようだ。
「?」
ヒカリが彼に歩み寄ろうとして一歩踏み出した。
「!」
金髪の男は、表情はそのままで背に担いでいる大剣をつかむ。
「え、ちょっ、待って!」
目の前の彼の変貌ぶりに思わずロックブレードが表れる。
これが戦闘の合図だった。
迫ってくる金髪の男。
「……っ!」
逃げようか、かわそうか、受け止めようか。
そうしているうちにある程度遠い距離に居た男がいきなりスピードを上げて、あっという間に自分の間合いに攻め込んできた。
(速っ!)
ほぼ反射的にヒカリは彼の攻撃と同時にロックブレードを振り上げた。
(キンッ!)
受け止め、はじき返された所でヒカリは金髪の男の背後に回り込んだ。
「くっ!」
男はそのままヒカリから離れ、素早く切り返しヒカリに襲いかかる。
ヒカリはロックブレードを縦に構えたまま動かない。
ガードアクションではない。
「何の真似だ……?」
彼が第二撃を繰り出す瞬間、
「バースト!」
光が二人の間に集まり輝きがはじけるように一気に広がる。
一面が一気に真っ白になった。
☆
「お兄さん、人違いだと思いますよ?」
「!」
男が気づくと、ついさっきの相手が自分を覗き込んでいた。青空が見えることから、今の自分は仰向けに倒れていることが分かった。
相手の顔は逆光で。やや見えない。
「なんだか初対面じゃないような振る舞いだったから手加減しました」
「……すまない」
「いいえ、おかげさまでこの武器の性能も何となく分かりました。ところで、コロシアムの場所知ってますか?」
ヒカリが尋ねるとお兄さんは起き上がり、そして来た道を指さした。どうやら彼の目的は私と同じらしい。
「……この道をまっすぐに行けば、すぐに入り口が見える」
「ありがとうございます」
ヒカリは踵を返し何事も無かったかのように歩き出した。
「まて」
「?」
突如攻撃してきた自分に堂々と後ろを向けている相手は、さっきまで剣を交えたのがウソのように、ゆっくりと彼の方を振り返る。
ヒカリはもう戦う気もないし、ましてや攻撃されたら反撃できるという余裕すらあった。しかし、それは向こうに敵意があればの事で、こちらが攻撃する態度を示さなければそれだけのことだ。
「あんたの名前、教えてくれ」
意外な言葉だったのでヒカリは少し考えてから、相手に聞こえるように、はっきりと言った。
「……ミッキー」
あえてヒカリは自分にウソをついた。
コレは自分への挑戦だ。だけどコレは自分ではない。自分自身のなにかを試しているんだ。
性別なんか気にしない、名前なんかも気にしない、ソラとの関係だって気にしないで試合には全力で行きたい。
「クラウドだ、今度会ったら全力で行く」
クラウドはゆっくりと立ち上がって、コロシアムとは反対の薄暗闇の方向へ歩いていった。
「……わかった」
ヒカリは少しでも男の子のような出で立ちをとりつくり、クラウドとは対称の雲間から太陽の輝くコロシアムを目指して行った。
オリンポス大好きなんです。皆さんもそうでしょう?
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興味無いね。
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やり込みました(私はそうでも無い
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あの人とバトルなんて、妄想が捗る
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原作はハデス様推しなんで同意
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勝利時の決めポーズ良いよね
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それよりオリ主の乱入話はよ