King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】   作:かすてらホチキス

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~長髪のHERO~

 

 ソラは大会予選に出場していた。

「ハートレスがいっぱい居るな」

 ソラがドナルドにヒソヒソと言った。

「この世界は安全そうだけどやっぱりちゃんと鍵穴を閉めなくちゃいけないね」

「ねぇ~あの人見てソラ、ドナルド」

 グーフィ―がソラとドナルドに指差して言った。グーフィ―が指を指している彼はコロシアムの壇上に足を踏み入れた所だ。

 長髪を真っ赤なリボンで巻き付けて。さも短髪のように見せている。背格好はソラよりは少し高い。ここからでは少年か青年か、はたまた女性かも分からない。

 しかし今考えるのはそこではない。

 右手には変わった武器を持っていた。

「あれってキーブレード?」

 ドナルドが叫んだと同時に試合が開始された。

 相手のハートレスはシャドウ数体とヘルメットをかぶったハートレスのソルジャー二体。

 彼はソルジャーに向かって走り出す。キーブレードのような武器を横に構えソルジャーをその武器でなぎ払う。大きな打撃はなかったものの、彼に飛びかかろうとしていた小さなシャドウ達が巻き込まれた。

 すかさず彼が巻き込まれなかったシャドウに攻撃する。その隙にもう一体のソルジャーが彼の背後から回転しながら襲ってくる!

 

「危ない!」

 

 ソラが思わず叫んだ。その声のおかげで気がついたのだろうか、シャドウを倒しクルッと振り返り武器を振り上げる。

 

(キンッ!)

 

 攻撃が跳ね返る。そのとき彼の武器から炎が吹き出した。息つく暇なく彼が攻撃を素早く繰り出す。

横斬り!

そして――。

(ボンッ!)

 武器から炎が吹き出した。

 

「魔法!」

 ドナルドが驚く。

 ソルジャーが炎の影となって消えた。次いでソルジャーが回転して襲ってくる。

一瞬で彼が飛び退いた。

この後攻撃するには間合いが開きすぎている。

すると足を開き、思いっきり体制を低くして両手で武器を構える。

「あの構え、ソラに似てるね」

 グーフィ―がソラの横でのんびりと言ったが今のソラには聞こえなかった。

 この後、いったい何をするのか目が離せない。

「バースト!」

 初めて彼の声を聞いた。

 声が少し高い綺麗なテノールが怒声を上げる。

 一直線に現れた光の道。それがソルジャーと残りのシャドウに当たり、真っ白い輝きに負けるように灰色の影となって消えた。

 

 壇上には彼一人。

 

開脚した足をスッと正し、彼は武器を思いっきり天高く投げた。

回転する武器は銀色の刀身が光できらきらと輝く。見とれているうちに彼がパシッと見事につかみ、頭上から足元へヒュッと音がするくらいに凪ぐ。

その後、ゆっくりと肩に担ぎ、全身の力を逃がすように肩を落とした。

武器を担ぐその人は屈強な勝者の面影はない。

敬意を払う、おだやかな笑顔がそこにあった。

 

 ☆

 

「すっげぇ、あんたすごいよ!一人で! 無傷だし!」

 ソラが壇上から降りてきた彼に声をかけた。

 彼はソラを見て少なからずビックリする。

「あれぐらいなら……。そうだ、半分は君のおかげだよ」

 そう言って彼が微笑んだ。

 それはまぎれもなくフィルが特訓中に嫌というほど言ってきた三ヶ条。『強く』『優しく』おまけに『甘いマスク』そのものだ。

「お、俺のおかげ?」

「ほら、危ないって言ってくれたの君だろ?」

「あっ、うん……そっか、いや~思わず言ったんだ~へへっ!」

 屈託なく笑うソラに彼が吹き出すようにフッと笑う。

「さっき使っていた武器ってキーブレード?」

 ソラの横の背の高いグーフィ―が率直に聞いた。

「いいや、違うよこれはロックinロック・ブレード『鍵』ではないんだ」

 彼が手をひるがえすと一瞬で武器が現れた。

「おわっ! どうやって出したんだ?」

 ソラがロックブレードを興味深く眺める。

 しかも自分の武器に比べ、いろんな違いがあるためか、どう聞いたらいいのか声が出ないようだ。

「ところでさっきの炎はファイア?」

 待ちきれずにドナルドが彼に聞いた。

「一言で言えばそんなもの、かな? でも、僕の魔法は全部オリジナルだから」

「どうやって覚えたんだ⁉」

 ドナルドが言う前にソラが興奮状態で聞いた。

「マーリン様に魔法はちょっと教わったくらい。でもこの技は独学。そうだ、マーリン様は今、トラヴァースタウンに居るよ」

「マーリン様! 僕もマーリン様が師匠だったんだ! そうか、トラヴァースタウンに居るのか」

 ドナルドが得意げに言った。

「あ、そろそろ僕たちの出番だよ」

 グーフィ―がソラ、ドナルドに言った。

「そんじゃ行ってくるよ、ええと……?」

「僕の名前はミッキー。頑張ってねソラ」

「そっか、ミッキーだな! 俺たちも頑張るよ!」

 歩き出し、しばらくしてソラは思わず彼を振り返る。

 ミッキーはもう見えなかった。

「俺の名前……言ってなかったよな?」

 

 ☆

 

 ヒカリは耐えきれなくなって思わず走り出した。

 

(あの、ウルトラ天然小僧っ!)

 笑いたいくらいおかしかった。

 

 でも、なんか違う。

 顔が笑顔の形を作っているのだが、

 

視界が……揺らいでいた。

 

オリンポス大好きなんです。皆さんもそうでしょう?

  • 興味無いね。
  • やり込みました(私はそうでも無い
  • あの人とバトルなんて、妄想が捗る
  • 原作はハデス様推しなんで同意
  • 勝利時の決めポーズ良いよね
  • それよりオリ主の乱入話はよ
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