King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】   作:かすてらホチキス

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~裏切り~

 

ヒカリはソラ達の試合を見ずにそのままロビーを横切りコロシアムを出た。

コロシアムの出入り口付近で人がいたが目を合わせずに横切ろうとした。

 

「おい、お前」

「……なんだい? クラウド」

 ヒカリが立ち止まりミッキー口調で言った。

 顔が、笑っているままで。

「笑うか泣くかどちらか一方にしたらどうなんだ?」

「放っておけないのかなぁ……こういう時」

 そう言ってあきれるように両手をひるがえしながらクラウドに背を向ける。

「目の前で泣かれたら、予選に引きずる」

 

ヒカリの足が止まった。

涙をぬぐい渋々振り返る。

「無口なお兄さんだって思っていたのに、雰囲気ぶちこわしだね」

「……男が泣くな」

「何言ってるんだい、別に僕は……ちょっと昔を思い出しちゃって」

 言葉が出て来なくなって口ごもる。

 

(この人、やっぱり私が男装しているってバレてる……っていうかもうちょっと気のきいた言い回しができないかなぁ!)

 

「もしこのまま勝ち進んでいったら僕と戦うつもり?」

 挑戦的にクラウドに聞いた

「当然だろ、言っていなかったか?」

「そうだったね」

 

(なるほど、状況は変わらないのか)

 

「あんたを見ていると俺の知り合いに似ている」

「だれだい、その人って?」

 

(しょうがない付き合うか……)

 

「俺にも分からない」

「……ダメだね」

 

(会話が続かない~~!)

 

彼はいったい何を言いたかったんだ?

むしろ、なんで声をかけてきたヤツに気を使わなければならないんだ?

ヒカリは本気でクラウドにこの場を去ってもらいたかった。(かっこいいお兄さんがいきなり声をかけてくれたのは正直嬉しいけどさ、タイミングってものがねぇ~)

 

「あ、僕ちょっと用事があって。君もそろそろ試合だろ。それじゃ」

 ヒカリがほぼ適当に用事を思い出し、コロシアムを脱出した。

 

 ☆

 

 彼になりきろうとした彼女がコロシアムの広場から立ち去ると、無言でクラウドはロビーへ向かった。

 その途中、少年と出会った。

 少年もこちらを見ているので目をそらしてしまったが――。明らかに似ている。

雰囲気はまったく別だが……容姿だろうか?

だったら男装している彼女がこの少年に似ていないのが不思議だ。

(いったい何が……?)

 通り過ぎてからロビーでクラウドはさっきまで言葉を交わした彼女を思い出し、少年と彼女を比較しながらあごに手を当て考え込んた。

 

 ☆

 

「だめだ、新しい魔法が思いつかない!」

 ヒカリはロックブレードをロックセプターに戻し、ファイアの魔法を放っていた。

 クラウドと戦ってから思い始めた事が、案の定当たっていた。

 ここは彼と戦った場所。

 ヒカリはあの時クリアーの属性をロックブレードに付けていた。しかし、さっきファイアのロックオンをしてハートレスと戦ったように属性攻撃が見当たらなかった。

 だから分かった。

 バーストとクリアーはハートレス限定の魔法。フラッシュは使えてもあれは攻撃魔法じゃない。

結論。クラウドには私の今のところの最高魔法『ホーリーバースト』が聞かない。

きっとソラ達も同様だろう。という事は、フラッシュ魔法のような戦闘に使えそうな応用技。もしくは新たなエレメント魔法を今すぐにでも覚えなければならない。

「考えろ、考えるんだ、ヒカリ! いや、ミッキー! 王様がこんな事だけで時間を費やしてはいけないよ!」

 なんとなく思考もミッキーになりきってみようとする。

(もし、私がミッキーだったら……)

「あ、いけないそろそろ試合だ!」

 

 ☆

 

 予選二試合目。

「こう早くクラウドと戦う時が来るとは、思っていなかったよ」

 ミッキーになりきったヒカリが内心、動揺を隠しきれずに穏やかに微笑んだ。

(これはトーナメントのいたずらか?)

「お前が予選の決勝でなくてよかった」

「それはこちらも同じさクラウド」

「安心しろ、予選に勝ち残っていなくともその実力ならば本戦に出場できるだろう」

「ありがとう。でも僕はコレでも負けず嫌いでね」

「そうか」

 

「ねぇあの2人、なんの話をしてるんだろう?」

 ソラ達にはこの会話は聞こえなかった。

 

 試合開始!

 その瞬間。

 

「かはっ……!」

 鳩尾に鈍い衝撃を覚える。

「悪いな、これも仕事のためだ」

 至近距離でつぶやくクラウド。

「そ、ん、な……!」

 異性になりきることも忘れて悲痛な声が喉からついた。

 視界が一気に真っ暗になった。

 

 これって反則じゃない?

 正々堂々じゃなかったけ?

 クラウド。

 

 地面に倒れる衝撃とともに、ヒカリの記憶が途切れた。

 




男が泣くなですって!
なんかぽっと出てしまった言葉だろうけど、もっと言い方があるでしょうに。と思いつつ、書いてる本人も返す言葉の語録が見つからなかったっていう。
せっかくだからゆっくり考えてみる。うーん、なんだろうね。

「初対面の俺が言うのも何だが、その、見てしまったからには。うん、正直なところ、人前では見せてほしくない」

はいダメだー。一言で言えよって思いつつ、ある意味、独占欲強つよ発言にしかならないって話でした。

オリンポス大好きなんです。皆さんもそうでしょう?

  • 興味無いね。
  • やり込みました(私はそうでも無い
  • あの人とバトルなんて、妄想が捗る
  • 原作はハデス様推しなんで同意
  • 勝利時の決めポーズ良いよね
  • それよりオリ主の乱入話はよ
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