King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】 作:かすてらホチキス
「ねぇレオン。この大会にハートレス以外のエントリーしている人って何人いると思う?」
コロシアム前の広場でユフィが大きな像を眺めながら側にいるレオンに聞いた。
レオンは口を開かない。
「ソラ達いるでしょ、それからクラウドと――」
知りうる限りの顔を思い浮かべるがこれ以上思い出せないユフィ。
これまでの試合。ただ、ハートレスが多すぎて種類や弱点を見抜くだけですんなりと勝ち上がって来れた。
動きが単純で、単純すぎて、あまりにも救いようが無いぐらい単純で。
ユフィは試合にうんざりしてきた。
まだソラ達とクラウドには当たらない。だからこそハートレスではない『人』と勝負がしたい。
「あーあー。ヒカリ、来ないかなぁ~次の試合にいきなり乱入して『いざ勝負よ!』とか言ってきてくれないかなぁ……」
「……時間だ、行くぞ」
「はいはーい。せめてソラ達と同列になれるように頑張りますか!」
二人はロビーへ向かった。
☆
「さぁーて、相手はだれ!」
ユフィが向こう側の扉を好戦的に見つめる。
「油断はするなユフィ」
扉が重々しく開く。
「向こうはハートレスではないぞ」
レオンの声とともに目の前の人物が姿を現した。
☆
出場ハートレスが多かったせいもあって難なくここまで勝ち上がって来れた。しかし、次の試合はどうなるのかは良くはわからない。
レオン&ユフィ。
今、男装しているヒカリの目の前に二人がいる。
二人は自分を見て驚いているようだ。
無理も無い、一人で予選を勝ち進んできたのはクラウドぐらいだから。
『REDY GO!!』
この合図にユフィは後ろへ下がり、レオンは自分に向かって走り出す。
(ガキイィン)
第一撃をはじき返し、すかさず反撃しようとミッキーがレオンに攻め入る――が、レオンが大きく跳躍。
直後。ミッキーの目の前に手裏剣が!
(ヒュン)
ユフィの手裏剣を難なくかわすミッキー。
標的を捕らえ損ねた手裏剣がユフィの手に戻る。
次の攻撃にそなえ体制を低くして構える。
「アンタ、見かけはソラと一緒だけど動きはあの子にそっくりだね」
「?」
レオンの攻撃を警戒しつつ、ミッキーが思わずユフィの言葉に反応する。
「ヒカリって言うんだ。アンタぐらいの女の子」
ミッキーの横からくすりとユフィが不敵に笑う。
直後、ユフィの背後から空気を切るような音が聞こえた。ミッキーは振り向き、武器を振り上げると手裏剣をはじいた。
(キィン)
更にたたみかけるようなレオンの攻撃をリズムよくはじき返すとともにミッキーはレオンに反撃。
思わぬ素早い不意打ちがレオンに大ダメージ!
しかし三回の連続攻撃中、後ろからさらに手裏剣が迫る!
「想定済みさ!」
ミッキーはフッと微笑して四回目、回転切りでコンボフィニッシュ!
レオンが吹っ飛び、次にはじき帰した手裏剣でユフィが地面に足をつけた。
「僕はミッキーだ、他の人と一緒にしては困る」
苦笑し丁寧な口調で否定するミッキー。
「ふふ……。けっこー強いじゃん」
ダメージの浅いユフィが始めに起き上がる。
すると、ミッキーが目の前に!
(ヒュン)
ユフィはミッキーの攻撃をぎりぎりで飛び越え背後から至近距離で手裏剣を放つ!
(よし! これなら確実に……)
「え?」
驚いた事に、ミッキーめがけて投げた手裏剣は、なんと彼のまわりでくるりと軌道を変えて旋回する。そして、それは手裏剣を放った本人、ユフィめがけて勢い良く帰ってくる!
(バヒュン!)
「きゃあ⁉」
飛び上がって着地寸前だったユフィは、自分へと飛びかかってきた手裏剣と一緒に、なんと再び身体が浮き上がった!
「タイフーン・ブレード!」
ミッキーの声が聞こえた。
「これは……!」
レオンは思わず飛びのいた。ミッキーがその中心にいるが、今飛び込むのは危険だった。
ユフィは今の状況が訳が分からなかったが、それは、レオンのように遠くで見れば一目瞭然。天高く登る竜巻が出現したのだ。さらに気流の刃と旋回する自分の手裏剣にユフィがダメージをくらう。
轟音と無空の狭間。竜巻の中心でミッキーが小声で言った。
「これは魔法じゃ、ないよね?」
ミッキーはロックブレードの柄についている鍵を眺める。
ロックオン。
マフの作ってくれたロック・イン・ロックブレードは、属性を付加させることで本来の力を発揮する。
『魔法を使わずして魔法を繰り出す』
魔法の力が高い自分に作ってもらった今の時点では最高の武器だ。
次第に竜巻が晴れ真っ正面にいる人影が自分に向かって刃を向ける。
(ガキイィン!)
かろうじて受け止めるミッキー。
しかし今度は弾く事が出来ない。
ガチガチと二人の武器が交差する。
「さすが一人で勝ち進んできた事だけはあるな」
ミッキーは何も言わない。
いいやレオンの力が強すぎてなにも言えない。
「しかし、オマエを見ていると何か違和感がある」
レオンの力が入る、その瞬間、膝を折って力を一瞬落とし、その隙を使ってレオンから飛び退く。
「くっ……」
ミッキーは険しい表情だ。
回避してもなお、あまりの力比べに腕がガタガタいってる。
「力はさほどない。が、動きはまあまあと言う所だが――」
「安易な分析だけでは誤りが沢山ありますよ」
レオンの言葉に割り込むように発言するミッキー。思ったより不機嫌そうだ。
「それもそうだな。他人を見くびっていれば俺が見くびられる」
レオンはミッキーの後ろでユフィが立ち上がるのが見えた。ユフィがこくりとうなずく。
「結論を言おう。オマエはまだ、本気の力を出していない」
「……」
「俺を倒すのなら、本気を出してくれないか?」
レオンはそう言ってガンブレードを構える。ブレードが輝き、刃がいっそう長く見える。
「私も、いっくよ――!」
ユフィが巨大手裏剣を取り出した!
振り返ると目の前から巨大手裏剣が迫る!
はじき返そうとしてガードを作るが……。
(ザシュ!)
「くっ!」
腕の一点が熱くなる
(ガードしたはずなのに、なぜ?)
「私の手裏剣は弾くのもガードも無理だよ!」
背後からユフィの声が聞こえた。
「!」
背後からの攻撃を回避し、距離を持って巨大手裏剣から逃げ回るミッキー。
受け止めることができない武器なんて、戦う相手が増えたようなものだ。
「こうなったらユフィから直接――」
「どこを見ている」
「わっ!」
(ドン!)
間一髪でレオンの剣撃をかわすミッキー。
(今は、とにかく逃げないと……)
二人は飛び上がっては攻撃を仕掛けてくる。
(こんなときにサンダーがあれば飛行している敵に広範囲で攻撃が出来るのに……)
「!」
ミッキーは思わずロックブレードを天に掲げようとしたが、なんとか思いとどまり、その構えをといて走り出した。
(だめだめ、魔法のこと考えたら!)
『僕の考えにすぎないけど、ちゃんと練習は必要だと思うよ』
相棒の言葉がふと思い浮かんだ。
「……結局、本番で練習なんてね!」
ミッキーはレオンの剣撃を間髪でかわし背後に回って攻撃をする。
(おなじようなパターンは、本当は好きじゃないんだけど)
「タイフーン・ブレード!」
竜巻でレオンを吹き飛ばす!
「ちょっとちょっと、きゃぁ!」
さっきよりも威力が大きいため、フィールドの端に逃げていたユフィも巻き添えにする。
ミッキーは安全な竜巻の中心にいるが、自分もその中に飛び込む!
「轟け稲妻……サンダー・ブレード!」
ロックブレードを思いっきり地面へ投げつける!
(カッ!)
竜巻の中心に雷鳴がとどろく!
一瞬のうちに竜巻がかき消された。
「いたた……」
竜巻の真上から舞い降りて、紙一重で雷から逃れたミッキー。腰をさすりながら起き上がりあたりを見渡す。
真っ黒い焦げ跡を残した地面の中心にロックブレードが転がっている。ミッキーはそれを拾った。
黒い地面にロックブレードは眩しいぐらいキラキラと銀色に輝いている。
ふと周りを見てみると――。
レオン&ユフィが倒れている。
「ミッキーの勝利!」
勝者に歓声が上がる。
ミッキーはフッと肩を落としロックブレードを天高く放り投げた。
くるくると円を書いたそれを華麗にキャッチし周りの観客たちに微笑んだ。
『とにかく、最後は勝利のポーズを忘れずに!』
これは試合前にフィルから言われた言葉だ。初めは気恥ずかしかったが、今の状況では思ったよりも悪くない。きっと、この二人が相手だったからだろう。
「苦戦したよ……二人とも」
動かない二人に声をかけるミッキー。
レオンに勝てたのも、もしかしたら魔法を使えない今の自分に手加減してくれたのかもしれない。
足下の彼に感謝するミッキー。
「今度は一対一で決闘しよう……ユフィ」
気絶しているユフィを眺め気の抜けた笑顔と共にミッキーは闘技場を後にした。
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