King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】 作:かすてらホチキス
主人公さんの祝賀会なのでちょいとシュールだけど大目に見て。
オリンポスコロシアム2 短編
Another08~Congratulations!~
ソラ達と別れた後ヒカリとミッキーはカレイドスターが止めてある場所まで歩いていた。
「良かったのかい? あんな別れ方で」
「うん、次の大会でまた合えるから」
リク同様、ソラには私が姉だと言う事を悟られてはいけない。
ミッキーと行動を共にするのだからマレフィセントやドナルド&グーフィ―には絶対に王様の存在を悟られてはいけない。
だから私は私の故郷をミッキー以外には明かさない。
「ヒカリ」
「なに?」
「遅くなって、ゴメン」
「?」
ミッキーを見るとさっきのヒカリ同様なんだかうかない表情だ。
ヒカリは身に覚えが無いので首を傾ける。
「僕に化けたハートレスに苦戦したんだってグーフィ―から聞いたんだ、だから……」
「ああ! うん、初めはすごくビックリしたんだよ。全く同じ姿だったから、でも聞き手が逆になってたなんて気が付かなかったな」
「ちゃんと最後まで聞いてくれよ、ヒカリ。僕は君を守ってあげるって言ったのにそれができなかった。それに今回は一緒にいなかった僕のせいでこんなことになってしまって――」
「ホント、淋しかったんだから……」
ポツリと言うヒカリ。
「ゴメン」
ミッキーは言葉に詰まる。
「……なーんてね☆」
シュンとするミッキーを見てしばらくしてヒカリは吹き出した。
「何思いつめてんの! 私はそんな事まったく気にしてないよ。それに、ミッキーのおかげでバースト改を作ったおかげでちゃんとした使用法も分かったし、なにより魔法も使えるようになったし!」
最後の言葉でヒカリはウキウキしている。
「そう言ってくれるのはとてもありがたいよ」
「それよりも私が聞きたいのは謝罪よりも遅れた理由なんだけど?」
「そうだった、まだ言ってなかった」
「まずはゴメンの後には正直に理由を言ってくれなきゃ!」
口を膨らませてヒカリがすねたように言った。
ミッキーは一息ついて気をとりなおし、ヒカリへ向き直る。
「大会優勝おめでとう。今夜はパーティだ!」
☆
コロシアムの夕暮れ、カレイドスターの横にテーブルを置いてヒカリとミッキーはコロシアム優勝のパーティを開いていた。
空は赤く、雲が幻想的に紫色に染め上げられる様をヒカリは眺める。
二人だけのパーティはなんだかしんとしていて、いい意味で、哀愁がある。ソラ達から見ればヒカリが勝利したわけではないので当然と言えばそれまでだ。
逆に変身していた間は場外で行きかう人々に出合い頭何度も祝福されていたのでこれぐらいが落ち着いてちょうどいい。実際頑張ったので、それが嫌いというわけではないが、こうやって元の姿に戻ると勝利の余韻というものにあまり実感がなかった。
それより、ヒカリが湖を眺めている傍で料理しているミッキーの美味しそうなにおいが、たえずヒカリの空腹に訴えかけていた。
「できたよ、ヒカリ」
「うん、今行く」
戻ってきたヒカリにミッキーがテーブルに今夜のディナーを整える。
「さぁ、どうぞ召し上がれ!」
「いただきまーす!」
そう言って目の前にあるのはサラダの前菜だ。おいしそうなにおいの主役がいないのでおそらく次々とサプライズで出てくるみたいだ。
「ヒカリ、気づいているだろうけどロックセプターの鍵が増えているね?」
「うん、そうみたいね」
お箸をとろうとしたヒカリは、確かめるためロックセプターを取り出す。
(シャン)
傾けるだけで金属の音が聞こえる。それだけ鍵の数が増えている事がすぐ分かった。
「新しい鍵は三つ、僕たちが訪れた星が四つ。それを合わせると全部で七つだ」
「本当だ」
何食わぬ顔で杖をしまい、前菜のサラダを手に取り。空腹を満たす。
しばらくしてはっとする。
「もしかしてミッキー!」
見上げたヒカリはぎこちない彼の顔の意味がようやく分かった。
「ヒカリが試合中、僕は一人で別の星に行ってきたんだ――だからその、謝ったんだけど?」
「そんな、ことって……」
彼女は時が止まったようにサラダを口に運ぶ事を忘れてしまった。
そして、糸が切れたようにがっくりと首が垂れる。
「……ひどい」
こんなの、まだ見た事が無い遊園地を目の前に一人だけ置いてけぼりにされた気分だ。
「そう落ち込まないでくれよ。はい、今日のメインディッシュ」
なだめるようにミッキーはヒカリの前に鶏肉のソテーを置いた(ドナルド気絶しそうだな)
ミッキーは二種類のチーズの乗っかっているチーズハンバーグだ(まさか逃げた?)
涙目で鶏肉を無造作に切りながらヒカリは席に着くミッキーに聞いた。
「それで? その三つの星はどんな所だったの⁉」
憤慨しながらも彼に質問をするヒカリ。やるせなさよりどうしても違う世界への期待が勝る。
「やはりそうきたか。わかった、話してあげるよ」
ミッキーはナイフとフォークの手を止めてヒカリに語りかけた。
☆
そこは深い森の中。
青々と生い茂る木々があちこちに生い茂る。まさに自然の森と言えるにふさわしい所だったよ。
この森には多くの動物達が暮らしているんだ。
そのなかではみんなが王子様と呼んでいる子鹿が生まれたばかりだったんだ。
「こんにちは王子様」
極端に耳の先端の丸い牡鹿――ミッキーが子鹿の王子様に挨拶をした。
「あなたは、ダレ?」
王子様は大きな目を牡鹿に向ける。
「僕はミッキー、王子様を守るためにここに来たんだ」
☆
「ネズミの姿じゃなかったの?」
「な、なんでそうなるんだいっ!」
ほぼ即答で話に水を差すヒカリにミッキーはすかさず突っ込む。
「あっはは~冗談だよ、それで?」
「緑に守られたこの星は他の星に比べてハートレスの出現も無く僕が見てきた星の中ではとても安全な場所だった」
「なぁーんだ、だったら鍵穴を探すのは簡単だったんだ?」
「かと思ったら鍵穴を見つけたとたんハートレスが現れたんだ」
☆
広い草原。穏やかなそよ風とさわさわと揺れる草の音。そんな安らかな空間を切り裂く音が、
突然、轟いた。
「人間が来たぞー人間だー!」
大勢のシカが逃げ惑う中、王子様、バンビがお母さんとはぐれてしまったんだ。
「おかあさーん!」
「ダメだ。バンビ! 早く逃げるんだ」
ミッキーが自身の角(一応キーブレードと同じ効力を持つみたい)で銃弾を防ぐ中、バンビは他のシカの群れとは逆方向に走っていた。
「これじゃバンビを守る事だけで動けない……⁉」
その時、牡鹿がミッキーの脇を通り抜けバンビへと軽やかに近づく。
「バンビ、おかあさんは向こうにいる! 私と一緒にくるんだ!」
力強くバンビに言い放つ牡鹿。
ミッキーはその牡鹿を知っていた。
この星の王様。バンビのお父さんだ。
「後はたのむ」
「まかせて王様」
ミッキーがハートレスの集まる銃弾の放たれる地点を見極め走り出した!
☆
「ミッキーが王様って言うの、なんだか変な感じがするなぁ」
「立派な牡鹿だったよ、尊敬してる」
「……王様ってすごいね」
「多くの人の願いに答えなければならないからね」
そう言って苦笑するミッキー。
「でも、僕はその願いに応える事が出来なかった」
「…え?」
☆
「おかあさーん!」
銃声の無くなった静かな森の中、バンビが声を張り上げる。
いくら叫んでも、自分に答える声は全く帰ってこなかった。
バンビの声は葉の枯れた木々に響く。
それに答えるように真っ白い雪が空から振ってきた。冷たい風が吹き身震いするバンビ。
ふと、目の前には牡鹿が現れた。
「おかあさんは帰ってこない」
「なんで、どうして?」
その質問に牡鹿は答えてくれなかった。
代わりに、
「私とともに行こう、息子よ」
牡鹿はそう言って歩き出した。
威厳の満ちたりた後ろ姿にバンビはこれ以上何も言わず牡鹿の足跡をたどるように歩き出した。
ミッキーは二匹のシカを眺めこれからの長い旅の無事を祈った。
自分の守りきれなかった使命と何もバンビを慰める事が出来なかった悲しみだけが残る。
ふと、二匹がこちらに振り変える。
バンビがミッキーの元へ駆けてきた。
そして軽やかなステップを数回繰り返し、輝く石を出現させた。
「ミッキー、今まで僕たちを助けてくれてありがとう。僕が必要になった時、これで呼んで。僕はいつでも答えてあげる」
そう言って牡鹿の足跡をたどり軽やかに消えた。
☆
「お母さんが居なくなっちゃったのね」
「僕が全ての銃弾を防ぐ事が出来なかったあまり――悲しいことになってしまった」
「何言ってるの! 頑張って鍵穴を閉じたんだからもうミッキーは十分使命を果たしたよ!」
「でも、僕は王子様に寂しい思いを押し付けて帰ってきてしまった」
「何いってんの! お父さんが一緒だよ! それに、バンビを思う人たちは居てくれるから。寂しくない」
「キミが居てくれて本当によかったよ」
(パァアッ!)
微笑んだミッキーの手の中が輝く。
ミッキーはキーブレードを見事なまでに回転させ、輝く扉を出現させる。
その空間から鍵をあける動作をすると輝きの中からバンビが現れた!
「わあっ!」
ぴょんぴょんはねるバンビ。
ヒカリはあまりのかわいさに顔を赤くさせて高揚する。
「か、かわいい!」
「まだいるよ、それッ!」
ミッキーがキーブレードを華麗に振り回すと二つの輝きが現れ実体化する。
耳の大きい小さな象がヒカリの前で羽ばたく。
「うっわ――!この子飛べるの⁉」
「この子の名前はダンボ、乗っていいって言っているよ」
「うわーい!」
ヒカリがダンボにまたがるとダンボは夜空に向かってふわりふわりゆっくりと飛行する。
「サイコ――!」
気持ちよく夜空に向かって両手を振り上げるヒカリ。
ふと、赤い輝きがダンボの頭の上、ヒカリの目の前に現れた。
「よーく聞けぇ! 俺様の名前はファー家の守り神ムーシュー様だ!」
「守り神?」
「そうだとも。俺様が直々に召還された理由はなぁ~世界の危機と聞いてな、あらゆる守り神の中で一番の適役として俺様が抜擢されたってことよ!」
目の前の『召還されたトカゲ』(?)を見下ろすヒカリ。
「このトカゲが、守り神?」
うさんくさそうなヒカリの顔にムーシューは憤慨する。
「トカゲだとぅ? 何言ってるんだ⁉ どこを見ればそうなる! 俺様は龍だ、龍神様だ!」
「ふ~ん……」
「ま、とにかく見かけで判断してはいけない事だけは覚えてろ。俺様はすっごいんだぞー」
ヒカリは何食わぬ顔でダンボと空の散歩を楽しんでいる。
「ああ~おまえ、人の話はちゃんと聞けってお母さんに教わらなかったのか~?」
今、まさに聞きたくない
『おかあさん』
と言うワードでヒカリは機嫌を損ねた。
「ムーシュー。その言葉、今一番軽々しく言ってほしくないんだけど?」
「なに~怒ったー? なんかやましい事でもあるのか? おまえもしかして家出とか?」
「ダンボ、ムーシューに放水!」
ダンボは無邪気に目の前の火炎トカゲにバケツ一杯の水を放水した。
「ギャァ――!」
ムーシューは放水の勢いで夜空に飛び上がり、
(キラン☆)
赤い星となった。
☆
「あー楽しかった」
ダンボを乗り回し帰ってきたヒカリ。
「楽しそうだったね」
「うん!」
にっこりとミッキーに笑いかけるヒカリ。
遊園地ではしゃいでいる子供のような笑顔だ。
「これでキミは寂しくならないよ」
「⁉」
ミッキーの言葉ではっとするヒカリ。
「ん? どうしたんだい、ヒカリ?」
「ううん、なんでもない」
ヒカリがふと思い出したようにロックセプターを出現させた。
「?」
何かに気づくヒカリ。
「あのさぁミッキー、あと一つ知らない鍵があるんだけど?」
ヒカリがロックセプターの鍵を数え直す。
「5、6、7。あと一つ、見覚えの無い鍵が……」
ミッキーは何も言わない。
「ワート、白雪姫、アリス、バンビ、ダンボ、ムーシュー……ほら!」
今度はどこの世界か当てるヒカリ。
「やっぱ多い! それとこの鍵!」
ずい、とミッキーの目の前で見せるヒカリ。
たじろぐミッキー。
いぶかしげにヒカリが聞いた。
「もしかして~私の居ない時、また別の場所に行ったんでしょ?」
ミッキーに鋭い眼光を光らせるヒカリ。
「……はい」
「いつ?」
「ヒカリを、ワンダーランドから見つける、前」
尋問を受けているようにうつむくミッキーにヒカリはため息をついた。
「それはしょうがないわね、私が勝手に居なくなっちゃったんだから」
肩を落としおおげさにほっとするミッキー。
「でもさ、なんでそんなに動揺するの?」
「そ、それは……」
☆
「何それ! ソラにあげちゃったの⁉」
「シンバは女の子が苦手らしいからね……とくにヒカリみたいに強気な子とか」
「……ソラが手にしたのはいつ?」
「多分、トラヴァースタウンでリクとヒカリが会ってたときかな。フェアリーゴットマザーに頼んで」
「そんな……魔法禁止令の前なんて!」
召還魔法を弟が先に覚えていた事にヒカリはショックを受けた!(ゲーム口調)
「……もう、時効。に、しては話してくれるにはかなり遅いわね……でもいい、許すわ」
はぁ、とため息をつくヒカリ。
「ゴメンよ、ヒカリ」
シュン、とするミッキー。ディナーの直前以上にしょんぼりしている。
ミッキーが食後の最後のデザートを渡す。
はちみつのかかったチーズケーキだ。とてもおいしかったのでこれでなかったことにする。
「謝る事は何も無いわよ、それに仲間が増えたんだから!」
まだヒカリの横に居るバンビを見て、立ち直るヒカリ。
「喜んでもらえてよかったよ」
ミッキーは気が晴れたように笑った
(ミッキーのこんな笑顔、久々に見るなぁ)
なんだか二人で旅をしてきてヒカリはやっと落ち着いて二人で笑いあうことができたなぁと思った。
コロシアム出場。誰と戦いたい?
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