King And Hearts~鍵を待つもの~【完結】   作:かすてらホチキス

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~人探し~

 

「君たちはどうしてこの世界に居るの?」

 ドナルドがマフとマスターへ聞いた。

「ヒカリがさらわれたんだ」

 マスターが率直に言った。かなりのストレートな言葉にマフは少し驚くが。

「ええっ⁉」

 それよりも驚く三人にかき消された。

「この街のどこかに居るみたいなんだけれど……僕たち、ここに来たばかりだったから手がかりがまったくないんだ」

 マスターは三人に簡単に状況を説明した。

 その後マフが難しい顔で彼に小声で言う。

「いいんですか? ヒカリさんの事言って」

「この状況ではしょうがないよ。この際、とにかく情報が欲しい」

「わかりました。私もヒカリさんが心配で来たので、それなら何も言いません」

 ソラ達と極力交流を避けていたミッキーの苦肉の決断にマフはこれ以上ない理由だと納得した。

 三人はと言うと。

「ヒカリをさらうなんて……」

 困惑を通り越して思わず頭を抱えるソラ。

「でも一応、女の子なんだから……」

 女の子にはなぜかちょっと優しいドナルド。

「なんだか大変な事になりそうだね……」

 思いはせるようにグーフィ。

「女の子は居たんだけどヒカリは居なかったよ」

 ソラがマフに言った。

「女の子、ですか?」

「うん、ジャスミンって言うこの国のお姫様」

(ジャスミン……プリンセスが一人で?)

 考え込むマスターをよそにマフが三人に聞いた。

「鍵穴を探しているのはシドさん達から聞きましたけどソラさん達はどうしてココにいるのですか?」

 マフがソラに聞いた。その横でマスターがマフに感心する。トラヴァースタウンの住人は知り合いの旅の動向などの情報が共有されているようだ。さすがは消えた星からやってきた人々で作った街である。さっきの武器といいマフが一緒に来てくれてとても助かっている。

「俺たちは魔法の絨毯が街の外に飛んでいったから追いかけていたんだ」

「もしかしたらジャスミンの言っていたアラジンって言う人の所に案内しているのかもと思ってね~」

 マフの質問にドナルドとグーフィが答える。

「そうだ、急がなくちゃいけなかった。オレたち絨毯を追いかけているからヒカリも探してみるよ!」

 ソラが自分たちの目的を思い出し駆け出した。

「とにかく今は元気出して」

 ドナルドが始終何か考えているミッキーに声をかけてソラに続く。

「二人とも頑張って~応援してるよ」

 最後にグーフィが二人に手を振って出ていた。

 

「よし、僕たちも、ヒカリを探そう」

 気をとり直してマスターからミッキーへ戻った彼がマフに言った。

 

 三人が居なくなると一気に静かになった。

「自分を危険にさらしてしまった事には謝るよ。でも結果的にはなんとかなった。だから、そんなに怒らないでくれよ?」

 ミッキーが後ろのマフに言った。無言すぎてミッキーが話題を考えたのがこれだった。

「王様も、出来れば誰かも分からない人に怒らないでください」

 たまにミッキーが振り返ってはマフがプイとそっぽを向くの繰り返しだったので答えてくれたのがうれしかった。

「トラヴァースタウンの時か……心配させてゴメンよ。あの時はつい感情的になった。反省してる」

「あの時はただ単純にヒカリさんが襲われて連れ去られたのだと思いました」

「うん」

「でも、今思うとそんなにヒカリさんがあっさりとさらわれるなんて思えません」

「僕もそれには同感だ。ヒカリはあれでも立派な魔法使いなんだから」

「何があれなんです?」

 ささいな事でも素早く突っ込むマフにミッキーは見えない攻撃にあったようによろめく。

「何っていうか……すごいけど経験不足なんだよ。すぐできてしまうけど慣れるまでにはまだ時間がかかるっていうのかな」

 あれこれ理由を述べるミッキーをマフは無視してぽつりともらす。

「……ヒカリさんが居なくなってしまったのは何か理由があるのだと思います」

「うん」

「おそらくは、王様に知られたくない何か」

「ぼ、僕に隠す事なんていったい?」

「だから。謝るのなら、先にヒカリさんに言ってください」

「そ、それは、僕に非があるということかい?」

 困惑するミッキーにマフは苛立ちを隠しきれずに叫ぶ。

「相棒なのでしょう? 相棒には遠慮なんてかけたりしません!」

「……そうだよね」

 ミッキーはしょんぼりと肩を落とす。マフは情けないとため息をついた。

「それに、遠慮することは迷惑をかけないようにしているコトです。だから、ヒカリさんを心配させないでください」

「う~ん……いざ考えると、なんて言えばいいのかなぁ?」

「そんなの自分で考えてください!」

 勢いよく振り返るマフ。その勢いで長耳帽子がミッキーにバシッと当たった。

「……うん、そうだね」

 痛くない物理的なツッコミは精神的には大ダメージだった。

「ヒカリさんがそばに居たら、ちょっとは私、素直になれるのかもしれません」

 この上ないほど小さくなる王様の耳に小声の言葉が聞こえた。

「何か言ったかい?」

「いいえっ!」

 その後マフはこれ以上何も話してくれなかった。

 

 

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