お気に入り増えていて感動してます
轟焦凍がアウルム・ミダスティアに言われた通りに店を回り芦戸三奈を見つけるとアウルムに言われた事をそのまま告げる。
が、しかし……芦戸三奈の表情がおかしい、少し考えていた芦戸三奈はやっぱり違うよなぁと言った表情で、焦凍に対して困惑の表情を浮かべて返答してくる。
「……うん、何度思い返してもここに来る前も……ショッピングモールに来てからも、1度もアウルムからはそんな頼み事、された覚えがないよ?」
それを聞いた刹那、轟焦凍が芦戸三奈の肩を掴んで焦りながら小さな声で叫ぶ。
「それ……本当か⁉︎ 芦戸‼︎」
そう緊迫した声音で聞いてきた轟焦凍に対して芦戸三奈は何が何だか分からないといった表情で首を縦に振る。
それを確認した刹那、轟焦凍は『済まない‼︎ 分かった芦戸ありがとう‼︎』そう叫んで元来た道を、アウルムとフードを被った男性が腰掛けて居た場所へと急いで向かう。
焦りからか上手く呼吸が出来ずにたった50数メートルの距離であったが息を切らせて、肩で息をしながらアウルムの元へと急ぎ……到着する。
息を切らしながら戻ってきた焦凍を見たアウルムはため息混じりに呟く。
「意外と早かったなぁ……あと5分は掛かると思っていたのに……死柄木弔、話しは終わりだよ、残念ながら……私の時間が終わりを告げた」
そう自身の首に中指以外の指でいまだに触れている死柄木弔を見ながら言の葉を紡ぐ。
焦凍は肩で呼吸をしながらゆっくりと、だがしっかりと死柄木弔を睨みながら言葉を紡ぐ。
「その手を離せ‼︎」
焦凍がそう叫ぶと死柄木弔は狂気に満ちた笑みを浮かべてその指をアウルム・ミダスティアの首から離して立ち上がり歩き出すと狂気的な笑みを浮かべたまま呟く。
「あぁ……そうだな、どうやら終わりの時間が来たらしいな……実りのある良い対話だったよアウルム・ミダスティア……追ってきたらどうなるか……分からない程お前は馬鹿じゃないだろう? では遠くない内にまた会おう」
手を振って悠々と歩いて人混みへと消える死柄木弔を見送るアウルム・ミダスティアを見て……轟焦凍はアウルムの肩を掴んで揺さぶりながらいつものゆっくりとした口調で喋る焦凍には珍しくかなりの早口で、焦っているのかうわずった様な声音でアウルムへと声をかける。
「大丈夫か⁉︎ 何もされてないよな⁉︎ アウルム‼︎ お前何で俺にあんな嘘を‼︎ 芦戸は何も聞いてないって……そんなの頼まれてないって‼︎ ……ッ‼︎ お前‼︎」
アウルムの真意を全て悟った轟焦凍は、全てを理解しきった焦凍は、悲痛な面持ちでアウルムを睨む。
轟焦凍の表情を見て自身の真意を悟られた事を悟ったアウルムは焦凍の髪を撫でながらゆっくりと言葉を紡ぐ。
「えぇ……あの場では、あの場合ではショッピングモールという大規模施設にいる全ての人に傷一つなく何もされずに死傷者0があの時点での最優先事項、近くにプロヒーローが居なくて本当に良かった……誰か1人でも殺されていたら恐怖とパニックが伝播して何人死んでいたか……指名手配犯自身にその気がない時だけですが……一切刺激せずにそのまま帰ってもらう事が1番理想なんですよ……周囲にヒーローや警察が居ない事が大前提ですけどね……ま、直ぐに通報はします」
そう告げてスマホを取り出して警察と雄英高校に連絡を入れるアウルム・ミダスティア。
警察へと電話すると2分後にショッピングモールに大人数の警察とプロヒーローが到着しショッピングモールの全出入り口が一時的ではあるが即座に封鎖される。
警察の……塚内さんが到着し詳しい話を聞く為に警察署で死柄木弔の人相や会話内容などを事情聴取をされるアウルム・ミダスティア。
相澤先生やオールマイトも30分後に警察署に到着して話しを聞かれる。
事情聴取やその他、諸々が済んでからやっと……ようやくアウルム・ミダスティアの帰宅がOKされる。
警察署から出てきたアウルム・ミダスティアは疲労困憊といった感じでスマホで時間を確認して1人愚痴る。
「や……やっと終わった……20.43分、移動時間を考えるともう買い物の時間はないですね……結局のところ何一つ必要な物品購入できてませんし……また後日1人で行きますか」
溜まった疲労からか生欠伸をしつつ警察署の出入り口を出て歩道へと出ると聞き慣れた人物の声を掛けられる。
「やっと事情聴取とか諸々が終わったか……随分と長い時間だったな、アウルム」
スマホのトークアプリで自身に対するクラスメイト達からの心配する通知を見ていた為に声のした方へと顔を上げて振り向くとそこには……轟焦凍が居た。
どういう状況? そうアウルムは自分自身に問いかけるが全くが飲み込めないアウルムは顎に手を当て暫し考えたのちに焦凍に問いかける。
「えー……っと、あぁ焦凍、貴方も事情聴取ですか? お疲れ様です」
そう問いかけて労いの言葉を目の前に居る轟焦凍へとかけるが当の本人は首を横に振って無言のままにアウルムの目の前に近づくとアウルムの胸ぐらを思い切り掴んで顔と顔が密着する程引き寄せると焦凍はアウルムに対して湧き出る怒りの感情のままに、激情のままに怒鳴りつける。
「俺が‼︎ 俺があの時どれだけお前の事を心配したと思ってやがる‼︎ なのにあの時お前は嘘をついてまで俺の事を遠ざけて‼︎ なぁおい‼︎ アウルム‼︎ テメェ‼︎ あの時……俺は……俺はあの時お前が殺されてしまうんじゃないかと、目の前でお前が死んでしまうんじゃないかとすら思った‼︎ お前を失う事に心底恐怖したよ‼︎ お前が居なくなってしまうかも知れないという事実に耐えられなかった‼︎ あの時‼︎ あの時聞いたよな俺は‼︎ なぁアウルム‼︎ お前に聞いたよな⁉︎ 本当に大丈夫なのかって‼︎ 何でそんなに恐怖に歪んだ顔をしてるんだって‼︎ 何でそんなに怯えた表情してるんだって‼︎ あの時の俺の気持ちはどうでも良かったとでも言うつもりか⁉︎ 何とか言えよ‼︎ なぁおい……アウルム・ミダスティア‼︎ あの時‼︎ そんなに俺は役に立たない存在だったのか⁉︎ あの時‼︎ 俺はそんなに‼︎ ……そんなに……頼れない存在だったのか⁉︎ 何とか言ってくれよ‼︎ なぁ……あうるむ」
轟焦凍は……自然と溢れる大粒の涙を流して泣きじゃくりながら、嗚咽混じりの声でそう叫びながら、その拳を握り締めて弱々しくトンットンッとアウルムの胸を何度も何度も叩き続けていた。