時はオールマイトがアウルムを助け出す1時間前に戻る。
オールマイト、エンデヴァー、グラントリノ、シンリンカムイ、マウントレディ、虎、エッジショット、ベストジーニスト、ギャングオルカ、ミルコ、錚々たる面々が一堂に介し警察の塚内直正よりブリーフィングが行われる。
「生徒の1人が仕掛けた発信機と調査によりアジトは少なくとも2つ存在する‼︎ そして我々の調べで拉致被害者が今いる場所は既に特定出来ている‼︎ 主戦力をそちらに投入し、被害者の奪還を最優先とする、同時に2つ目のアジトと思われる場所を襲撃し制圧、完全に退路を断ち一網打尽にする」
それが終わり……ミルコが口を開く、その口調と言葉遣いからは
「……私の愛弟子を攫ったクソどもは全員こんな所業が2度と出来ない様に叩き潰す、何をしてこようと関係ない……異論は?」
その言葉に対してベストジーニストがミルコへと語りかける。
「異論は無いさ……それにしても君程の一匹狼が後進を育成し、しかも愛弟子とまで呼ぶとは……よほどアウルム・ミダスティアを買っているんだな……珍しい」
ベストジーニストの言葉に対してミルコが言葉を返す。
「アウルムの近接格闘センスには目を見張るものがあるからな……私は彼女を職場体験で招き、彼女の格闘術を更に上の世界に導いたが……正直に言って初日で潰れるものと思っていた、それが7日間全日程で持ったんだ……心の底から称賛したよ、だからこそ解せない……私がアイツに教えたのは私仕込みのCQBやクラヴマガといった格闘術……そして、仮免習得するまでは危険に近付かず逃走する事を徹底して教え込んだ、そんなアイツが何も出来ずに攫われた? ハッあり得ないね、毒物か何かを撃ち込まれて動けない状態にあった所を攫われたんだろう……アジト襲撃は2箇所にチーム分けるんだろう? 誰がどっちに行くかは分からないがアウルム・ミダスティアは動くことすらままならない状態だと思っていた方が良い……」
そうして、主戦力にオールマイト、エンデヴァー、シンリンカムイ、グラントリノ、ミルコ、エッジショット、イレイザーヘッドが選抜されもう片方のアジトにはマウントレディにベストジーニスト、ギャングオルカ、虎が選抜された。
「さて、今回はスピード勝負だ‼︎ 決行は1時間後‼︎ 各自準備‼︎」
そして、時はオールマイトが壁を破砕した時点に戻る。
床に倒れ込むアウルムをイレイザーヘッドが優しく抱き止めるがイレイザーヘッドはアウルムに触れた瞬間に気づいた。
意識レベルのアセスメントを行うが陰鬱な表情で呟く。
「おいアウルム‼︎ アウルム‼︎ くっミルコの読みは正しかったな……やはり……かなりの高熱だ、呼吸も浅いし目も虚ろだ……すぐに救護を‼︎」
そうバイスタンダーとして対応していると今にも消え入りそうな弱々しくか細い声音でアウルムが呟いてきた。
「あい……ざわ……せん……せ? は……はっ、きて……くれた……んだ」
「来ない訳ないだろうが‼︎ 酷い高熱だぞお前‼︎ 喋るな‼︎」
アウルムの容体は一刻を争う、警察の1人にアウルムを任せ救急隊へと引き継ぐと今は目の前の
「やはり君はまだまだ青二才だ……死柄木弔、
オールマイトがそう叫ぶと死柄木弔は怨嗟の入り混じった声音で呟く。
「正義だの……平和だの……あやふやな物で蓋された掃き溜めを…….壊すんだよ、仲間も集まり始めた……巫山戯るな、ここからなんだよ……」
その刹那、死柄木弔の脳裏に浮かぶのはあの日……初めてであったあの日。
『誰も……助けてくれなかったね……志村転狐くん……『ヒーローが』『そのうちヒーローが』みんなそう言って君を見ないフリをしてたね……一体誰がこんな世の中にしてしまったんだろうか? 君は悪くない』
それを思い起こして……死柄木弔はオールマイトを睨みながら呟く。
「ふざけるな……失せろ、消えろ……お前が‼︎ 嫌いだ‼︎」
その瞬間、死柄木弔の左右後方から黒い液体と共に脳無が現出しそれを皮切りに何体も何体も出てきた。
捕縛しているシンリンカムイが叫びミルコが即座に対応する。
「脳無‼︎ 一体どこから⁉︎」
「ハッ、どっから出てきたとか今はいいんだよ‼︎ 蹴り飛ばすだけダァ‼︎」
ミルコが脳無を蹴り飛ばしオールマイトが脳無を吹き飛ばす。
「がっ!? 何だ!?」
シンリンカムイが捕縛している
「スッ‥……すいません皆様方ァァァァァァ‼︎」
シンリンカムイの絶叫が響き渡るもイレイザーヘッドが黒霧の事を見ていた為ワープではなく対象のみを転送する系統の個性だという結論に至った。
そして今やる事は脳無の掃討。
しかし余りにも数が多い、外にも溢れ出ており最短でも5分はかかる……その状況下でイレイザーヘッドがアウルムを引き渡した警察官よりアウルム・ミダスティアが黒い液体に包まれて消えたという報告を受けた。
イレイザーヘッドは苦い顔をしてミルコとオールマイトへ向けて叫ぶ。
「オールマイト‼︎ ミルコ‼︎ アウルムが持ってかれた‼︎ 至急もう一つのアジトの方へ‼︎ アウルムは酷い高熱で戦える状態じゃない‼︎」
それを聞いたオールマイトとミルコは即座に脳無を無視してもう一つのアジトの方へと飛んで行った。
そして……黒い液体が脳無格納庫だった場所に噴出して
そして……
「また失敗したね……弔、でも決してめげてはいけないよ? また何度でもやり直せば良い、こうして仲間も取り返した、あの子もね……君が大切なコマだと考えて判断したからだ……いくらでもやり直せばいい、その為に僕がいる、全ては君の為にある」
そう言い終わると空を見上げてオール・フォー・ワンが再度呟く。
「……やはりきてるな」
オールマイトとミルコが空から飛んできておりオールマイトがオール・フォー・ワンへ向けて打撃を放ちながら叫ぶ。
「全て返してもらうぞ‼︎ オール・フォー・ワン‼︎」
それに対してオール・フォー・ワンはやれやれと言った声音で告げる。
「また僕を殺すかオールマイト」