死穢八斎會に対する捜査令状がおり……決行日当日……集まったのはリューキュウやミルコ、ナイトアイ、それにそれぞれの事務所へとインターンを行っている者達。
そしてイレイザーヘッドやロックロック、ファットガムであった。
警察の1人が令状を読み上げた刹那、死穢八斎會の門扉が中から破砕されてペストマスクを装着した男がその巨躯を利用した猛烈なタックルで数人の警官を吹き飛ばした。
「何なんですかぁ? 朝からぁ‼︎」
そう怒鳴るのは死穢八斎會の抱えるボディガード、八斎衆の1人……活瓶力也……それを切っ掛けに組員が一切に襲ってきた。
しかし強制捜査でそれをした時点で死穢八斎會は本格的に後が無くなった。
若頭が何を思っているのかは不明。
しかしアウルムの苛立ちが止まる事がなかった……。
活瓶力也を見ながら手袋を外して自身のスイッチを切り替える。
「邪魔だ……デカいの‼︎」
そう叫んで活瓶力也を即座に黄金の彫像へと変貌させ呟く。
「何を惚けているんです? 令状は読み上げたのでしょう? 行きますよ……」
そう死穢八斎會本部へと足を進めながらブリザードの様に冷たい底冷えする錯覚すら感じさせる狂気とマグマの様に煮えたぎる怒りを含んだ声音で、ハイライトが消えた眼でそう呟いたアウルム。
それに反応する様に追いかけてくる警察とヒーロー達。
門を潜った瞬間に死穢八斎會構成員が各々の個性や武器などで応戦してくるがアウルムはポーチに入れていたインゴットを全て地面に浸透させており絶対零度の如き冷淡な眼で告げる。
「
逃げようとした構成員以外の全員を黄金化して呼吸以外全て封じ込んで、脳内に流れ込んでくる情報を選り分けて必要な情報のみ読み込んでいく。
口のみ自由にしている為に怒鳴り散らしている死穢八斎會構成員達だがアウルムの声に対して萎縮し黙りこくる。
「悪いが時間稼ぎの三下に構ってる暇はないんだ……私は今……非常に虫の居所が悪い」
そして……黄金化した地面から一定量の黄金を操作、液体にしてその身に纏う。
現状できるアウルムの最大限の黄金操作の極致、今できる最大限の能力……。
読み取った記憶から弾き出した隠し通路を黄金化した瞬間に中から数人の構成員が突撃してきた……しかしアウルムがその身に纏う液体と化した黄金は半径20m以内の全ての音を感知しアウルムへと伝える。
故にアウルムはその身に纏う黄金で敵対者に触れる。
警察やヒーロー達よりも速く触れて淡々と、作業の如く言の葉を紡ぐ。
「……情報だけ寄越せ」
再度読み取った記憶から治崎廻の移動ルートを予想する。
イレイザーヘッドや皆が先に隠し通路へと足を進めた後にアウルムも隠し通路へと足を踏み入れようとした刹那、ミルコより声がかけられる。
「アウルム・ミダスティア」
そう呼ばれて気怠げに振り返ると振り向いた瞬間にアウルムの顔面にミルコより放たれた回し蹴りが直撃し、余りにも唐突な事に思考が追いつかずに倒れ込んで尻餅をつきミルコに首を掴まれ怒鳴られる。
突然の事に思考が止まるアウルムだが続くミルコの言葉でアウルムの光が消えていた双眸に、その目に光が戻る。
「おいこのバカが……理性より復讐心が先に立ったか? 何だ? さっきの振る舞いは? さっきの声音は? これはお前自身の復讐の代わりか? それともお前の過去と壊理ちゃんの人生を重ねたか? どちらにせよ復讐心が先に立つのはヒーローとは言わねぇんだよ……それはただの狂気に満ちた復讐者だ、復讐を求めて、己が力を復讐の為に使ってるだけだ今のお前は……もう一度言うぞ、その立ち振る舞いはヒーローとは言わねえよ……落ち着いたか? 落ち着いたならば立て……行くぞ」
ミルコより叱責されて立ち上がって俯きながらアウルムは呟く。
「確かに……私は死穢八斎會に対するこの強制捜査を言い訳に……過去の自分の復讐の代わりにしていたのかも知れません……ありがとうございますミルコさん、おかげで自分が何の為にヒーローを志したか……再度思い出す事ができました」
ミルコへとそうお礼を言って隠し通路を再度歩き出すアウルム。
その眼には先程の様に狂気に満ち満ちてはいない……しっかりと双眸に宿った光はしっかりと先を見定めていた。
そして……一足先に隠し通路へと入った者達は入中常衣……ミミックによる地形操作を喰らっており身動きが取れずに居た。
不規則に揺れ動く地面に足を取られ、秒単位で変わる通路に道を封じられる。
警察隊やヒーローの面々に焦りが伝播する中、凛とした鈴の様な声音が響く。
「
激しく揺れ動く地面の構造が煌めく黄金に変化して入中常衣が違法薬物で増幅した個性による地面の操作が封じ固められる。
「すみません……皆様……少し遅くなりました」
その言葉を告げると即座に入中常衣の位置を把握し通路全てを黄金化して掌握し入中常衣を無力化し黄金化させて意識を消失させる。
そして黄金化させた入中常衣の記憶を読み取り治崎廻の居場所を割り出すと短く告げる。
「治崎廻と私達の距離はこの道を少し行った所です、まだ追いつけます……」
そう告げて
そして……アウルムは眼前の3人に告げる。
「これで死穢八斎會は終わりですね……強制捜査に際して組員が警察及びヒーローに先制攻撃とはね……治崎廻、貴方はあいつらが勝手にやった事にするとしていた様ですが、それは通りませんよ? 貴方は連帯責任という言の葉を知らないのですか? あ、あと聞きたいのですが……人材と金を掻き集めていたのに、今まさにその掻き集めていた組織と有用な部下を切り捨てていますが……貴方は有用な駒の使い方が分かりませんでしたか? それともう一つ聞きたいのですが……逃げ切れるとでも思っているのですか? 貴方に道はない、ここが終点です……絶対に逃さない」
そう3人を睨みつけながら告げるアウルムであった。